6分の1公式は知っていても、12分の1公式で止まる生徒は多いです。しかし「放物線と2本の接線で囲まれた面積」は、私立大の入試でも共通テストの図形融合問題でも定番です。しかもこの公式は、3分の1公式さえ知っていれば自力で作れるという点で、暗記量ゼロで手に入る武器です。導出まで含めて一気に押さえましょう。
12分の1公式とは
放物線 上の2点( と 、)でそれぞれ引いた接線を考えます。この放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積は、次の形になります。
驚くべきことに、 と は答えに一切現れません。放物線を上下左右に平行移動しても、接点の 座標の差さえ同じなら面積は変わらないからです。この「図形的な意味」を押さえておくと、公式が記憶ではなく理解として残ります。
前提:3分の1公式
12分の1公式は、次の3分の1公式から2行で出ます。こちらも必修です。
ポイントは、「放物線 接点 での接線」は必ず になるという事実です。接するとは重解を持つこと、つまり差が完全平方になるということ。ここが理解できていれば、あとは計算です。
導出:2つに割るだけ
2本の接線の交点の 座標は、接点の中点 になります(これも重要な性質なので覚えておいてください)。そこで区間を左右に割ると、
右半分(接点 側)も対称性からまったく同じ値です。したがって
公式を忘れても、「中点で割る → 3分の1公式を2回」という手順さえ覚えていれば復元できます。
例題 放物線 上の点 と における接線をそれぞれ引く。放物線と2接線で囲まれた部分の面積 を求めよ。
、、 より 。
検算のため愚直にやると、接線は と 、交点は 。左半分は 、右半分は 。合計 で一致します。
6分の1・12分の1・3分の1の使い分け
| 状況 | 使う公式 | 結果 |
|---|---|---|
| 放物線と直線(2交点)/放物線どうし | 6分の1公式 | |
| 放物線と接点 での接線、および直線 で囲む | 3分の1公式 | |
| 放物線と2本の接線 | 12分の1公式 |
3つとも に を掛けて、分母だけが 3・6・12 と変わるという同じ構造です。バラバラに暗記せず、この表の形でまとめて覚えるのが最短です。
記述式での注意
12分の1公式は6分の1公式ほど一般的ではないため、答案でいきなり結果だけを書くのは避けたほうが無難です。「接線の交点の 座標が であること」と「放物線と接線の差が であること」を一行ずつ書けば、そこから先は3分の1公式で堂々と処理できます。結局のところ採点者が見ているのは「論理が飛んでいないか」だけです。
中高一貫校生はいつ習得すべきか
数学IIの積分(面積)を一通り終えた高2の後半が目安です。中高一貫校では高2で数学IIIに入る学校も多く、その場合はIIIの積分計算に追われて「IIの面積公式の整理」が後回しになりがちです。IIIに進む前に、上の3公式を一枚の表にまとめておくと、後の負担が明確に減ります。
この記事のまとめ
- 放物線と2接線で囲む面積は 。 は無関係。
- 2接線の交点の 座標は接点の中点 。
- 中点で割って3分の1公式を2回——これで公式は復元できる。
- 3分の1・6分の1・12分の1は「分母だけ違う同じ形」として表で覚える。
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