「6分の1公式は答案に書くと減点される」——そう言われて、使うのをやめてしまった生徒を毎年見かけます。結論から言うと、6分の1公式そのものは正しい等式であり、使ってはいけない理由はありません。問題なのは公式の是非ではなく、「どう書けば採点者に伝わるか」です。この記事では、6分の1公式の中身・導き方・実戦での使い方に加えて、記述式で安全に使うための書き方まで一本にまとめます。
6分の1公式とは
これを面積の形に直したものが、実戦でよく使う次の形です。放物線と直線(あるいは放物線どうし)で囲まれた図形の面積を、交点の座標さえ分かれば一撃で出せます。
ここで は「引き算した後の2次の係数」、 はその交点の 座標()です。この「引き算した後」という一言を落とすと事故が起きます。後述の注意点で詳しく扱います。
なぜ成り立つのか(30秒で導ける)
公式は暗記するものではなく、その場で導けるようにしておくものです。6分の1公式は置換ひとつで終わります。、 とおくと なので、
たったこれだけです。試験本番で公式を忘れても、この3行を書けば同じ答えにたどり着けます。「導けるから安心して使える」——これが公式との正しい付き合い方です。
使い方:例題2問
例題1 放物線 と直線 で囲まれた部分の面積 を求めよ。
手順① 交点を出す。 より 、よって 。
手順② 差をとって2次の係数を見る。(上)(下) なので 。
手順③ 公式に入れる。
まともに積分しても で一致します。
例題2 2つの放物線 と で囲まれた部分の面積 を求めよ。
交点は より 、。差は なので 。
ここで (もとの放物線の係数)としてしまうと となり、答えがちょうど半分ずれます。放物線どうしの問題で最も多い失点がこれです。
記述式で減点されない書き方
「公式名だけ書く」が危ない理由
大学の採点基準は原則として公開されていないため、「この書き方なら必ず満点」と断言できる人は誰もいません。だからこそ数強塾では、採点者が読んだときに論理の飛びが無い答案を書くよう指導しています。具体的には次の一行を添えるだけです。
推奨:「」
——このように積分の式を一度書いてから公式で計算する形にすれば、公式を認めない採点者でも計算過程を追えます。逆に「6分の1公式より 」だけで終える答案は、採点者に検算の材料を渡していないぶんリスクが残ります。
マーク式・穴埋め式では、当然ながら過程は問われません。「マークでは全力で使い、記述では式を一行添える」——これが実戦的な使い分けです。
よくある間違い3つ
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| もとの放物線の の係数を に使う | 使うのは引き算した後の2次の係数 |
| を2乗にしてしまう | 3乗。次元(長さ×長さ=面積)で確認する癖をつける |
| 交点が3個以上ある図形に使う | 6分の1公式は2次式の差=上に凸or下に凸の1山のときだけ。3次関数と直線などには使えない |
中高一貫校生はいつ習得すべきか
体系数学・数研出版の進度で学ぶ中高一貫校では、高1後半〜高2前半で数学IIの微分・積分に入るのが一般的です。定積分の計算に慣れた直後、つまり「面積を求める問題が定期テストに出はじめた週」がこの公式の導入タイミングとしてはベストです。逆に、定積分そのものが不安な段階で公式だけ先に覚えると、係数 の取り違えが定着してしまいます。まず愚直に積分し、答え合わせに公式を使う——この順番を守ってください。
この記事のまとめ
- 6分の1公式 は正しい等式。使ってよい。
- 面積版は 。 は引き算した後の2次の係数。
- 置換 で30秒で導ける。導ける公式は忘れても怖くない。
- 記述式では積分の式を一行書いてから公式を使うと安全。
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