愛知工業大学の偏差値は、2027年度入試向けの河合塾Kei-Net方式別ランクで大学全体37.5〜55.0、共通テスト得点率52〜76%です。ただし、この上下端には経営学部、工学部、情報科学部の別専攻・別方式が混在します。工学系の代表的なA方式に絞ると45.0〜47.5、情報科学部は50.0〜55.0です。「愛工大は偏差値47.5」と一つに丸めると、メディア情報専攻55.0と機械創造工学専攻45.0の差を消してしまいます。
名城大学・中京大学と同じ3教科型で比較した結論も先に示します。2027年度予想では、機械系A方式は愛知工業大47.5、名城大52.5、中京大47.5、電気系は47.5、50.0、47.5、情報系は50.0、52.5、47.5です。これは入試難易度の目安であり、教育の順位でも、同じ答案で取れる点数の順位でもありません。3大学とも代表方式は数学・理科・英語の3教科ですが、問題、出題形式、数学範囲、試験日、学科の設計が違います。
数学を生かす入口も一つではありません。愛知工業大はA方式が数学200/600点、Aw方式は数学が最高得点なら400/800点、M方式は数学が上位2教科に入れば200/400点です。名城大には数学200・国語100の数学重視型があります。したがって「数学が得意だから愛工大」「偏差値が高いから名城」と大学名だけで決めず、数学が総点を何ポイント動かすか、理科と英語をどこまで共通化できるかまで計算する必要があります。
本稿は、まだ実施されていない2027年度の予想難易度、各大学が公開した2027年度の入試概要・ガイド、実施済みの2024〜2026年度結果を分離します。2027年度は愛知工業大の機械学科・情報科学科で入学定員変更が届出予定、中京大の情報工学科は3専攻・定員148人へ再設計されるため、前年の数字を直線的に延ばしません。偏差値、倍率、配点、専攻内容の四つを同時に読むのが、藤原進之介・数強塾の比較軸です。
愛知工業大学の偏差値・共通テスト得点率2027
河合塾の方式別ボーダー偏差値は、全統模試の成績を用いた合格可能性50%の予想ラインです。共通テスト得点率は共通テスト利用方式の予想ラインで、偏差値とは尺度が異なります。47.5と58%を足す、差を10.5とみなす、といった計算はできません。また、どちらも愛知工業大学が公表した合格最低点ではありません。2027年度入試はまだ実施されていないからです。愛知工業大学の2027年度方式別ランク
次表は工学部・情報科学部から12専攻を選び、A方式、M方式、共通テスト1期C方式をそろえたものです。AとMは個別試験のボーダー偏差値、1期Cは共通テスト得点率なので、縦の順位は各列の中だけで読んでください。
| 学部・学科・専攻 | A方式 | M方式 | 共テ1期C方式 | 2027年度の読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 工・電気・電気工学 | 47.5 | 47.5 | 53% | 電気系の基準例 |
| 工・電気・電子情報工学 | 47.5 | 47.5 | 55% | 電気と情報の接点 |
| 工・応用化学・応用化学 | 47.5 | 47.5 | 55% | 化学必須とは限らず方式確認が必要 |
| 工・応用化学・バイオ環境化学 | 45.0 | 45.0 | 53% | 同学科内でも専攻差あり |
| 工・機械・機械工学 | 47.5 | 47.5 | 58% | 本稿の得点試算の中心例 |
| 工・機械・機械創造工学 | 45.0 | 45.0 | 54% | 名称の近い2専攻を区別 |
| 工・社会基盤・土木工学 | 45.0 | 45.0 | 53% | 社会基盤学科の一専攻 |
| 工・社会基盤・都市デザイン | 45.0 | 45.0 | 55% | 土木工学専攻と方式行を分ける |
| 工・建築・建築学 | 45.0 | 45.0 | 56% | 住居デザインとは別募集単位 |
| 工・建築・住居デザイン | 47.5 | 47.5 | 60% | 工学部の掲載例では共テ高め |
| 情報科学・コンピュータシステム | 50.0 | 50.0 | 74% | 工学部情報系との名称差にも注意 |
| 情報科学・メディア情報 | 55.0 | 55.0 | 76% | 掲載12区分の上端 |
「情報系は高い」という傾向は表に現れますが、情報科学部全体を同じ難易度とするのも粗すぎます。コンピュータシステム専攻A方式50.0に対し、メディア情報専攻は55.0です。一方、工学部の電子情報工学専攻は47.5で、情報という語が入っていても学部・カリキュラム・募集単位が異なります。検索結果の大学全体レンジではなく、自分が出願する専攻名と方式名まで保存してください。
科目条件も同じではありません。2027年度A方式入試概要では、理系型は数学200、物理または化学200、英語200の計600点です。数学は90分で、数I・II・III、数Aの図形の性質・場合の数と確率、数Bの数列、数Cのベクトル・平面上の曲線と複素数平面が範囲です。理科と英語は各60分です。都市デザイン、住居デザイン、メディア情報などには文系型の選択肢もあるため、「愛工大A方式は全専攻で理系3教科だけ」とは言えません。
2027年度M方式入試概要は3教科を受験し、高得点の2教科を使う400点満点です。数学範囲は理系型ならA方式と同じですが、試験時間は60分、マークセンス式です。AとMのボーダー表示が同じ専攻でも、90分記述型の3教科合計と、60分マーク型の上位2教科では、答案の作り方が違います。
共通テスト1期C方式の2027年度概要では、電気、応用化学、機械、土木、建築など理系側の多くは数学100と理科100が必須で、外国語・国語・地歴公民・情報などから第三の1教科100を選ぶ計300点です。本学独自試験はありません。したがって機械工学専攻の58%は、単純に「数学58点ならよい」という意味ではなく、指定3教科全体での予想ラインです。
候補を絞る順序は、第一に専攻、第二に試験方式、第三に難易度です。機械を学びたいのに偏差値だけでメディア情報へ変更する、数IIIを準備していないのに理系型Aを保存する、共通テスト得点率と個別偏差値を一列で順位化する、という三つの取り違えを避けるだけで、表は実用的になります。
愛知工業大学の偏差値推移と倍率の変化
偏差値推移は、提供元、指標、学科・専攻、方式、観測時点をそろえなければ検証になりません。本稿は河合塾が公開した東海・北陸地区私立大の方式別ランクを用い、A方式を固定します。取得できた比較可能な原票は2025〜2027年度の3年分です。2025・2026年度版は各年1月時点、2027年度版は2026年6月時点なので、最後の一点だけ観測季節が違います。8年分の別媒体の値を無理につなぐことはしません。2025年度原票(保存版)、2026年度原票、2027年度原票
| 専攻・A方式 | 2025予想 | 2026予想 | 2027予想 | 3点から読めること |
|---|---|---|---|---|
| 電気工学 | 45.0 | 45.0 | 47.5 | 直近で一段上昇 |
| 電子情報工学 | 45.0 | 47.5 | 47.5 | 上昇後に横ばい |
| 応用化学 | 45.0 | 47.5 | 47.5 | 上昇後に横ばい |
| 機械工学 | 47.5 | 47.5 | 47.5 | 3資料では横ばい |
| 建築学 | 45.0 | 47.5 | 45.0 | 上昇後に戻る |
| コンピュータシステム | 50.0 | 50.0 | 50.0 | 3資料では横ばい |
| メディア情報 | 52.5 | 55.0 | 55.0 | 上昇後に横ばい |
7区分の軌跡は同じではありません。2025から2027だけを見ると上昇4、横ばい3ですが、その間に建築学は45.0→47.5→45.0と動いています。「愛知工業大学の偏差値は上がった」という説明は、電気、電子情報、応用化学、メディア情報には部分的に当てはまる一方、機械、建築、コンピュータシステムまで一律には当てはまりません。2.5は公表刻み一段分であり、学生の学力が正確に2.5上がったという測定値でもありません。
次に、偏差値とは別の指標として実質倍率を見ます。愛知工業大学の一般選抜結果ページに掲載されたA方式の受験者と合格者から、本稿が「受験者÷合格者」を計算しました。大学の表に倍率欄はないため、以下は公表人数を使った独自計算です。
| A方式 | 2024 受験者÷合格者 | 2025 受験者÷合格者 | 2026 受験者÷合格者 | 倍率の変化 |
|---|---|---|---|---|
| 機械工学 | 581÷117=4.97倍 | 606÷102=5.94倍 | 638÷108=5.91倍 | 5.0→5.9→5.9 |
| コンピュータシステム | 410÷74=5.54倍 | 403÷68=5.93倍 | 436÷84=5.19倍 | 5.5→5.9→5.2 |
機械工学は2025から2026に受験者が606人から638人へ32人増えましたが、合格者も102人から108人へ6人増え、計算倍率は5.94から5.91へほぼ横ばいです。コンピュータシステムは受験者が403人から436人へ33人増えたのに、倍率は5.93から5.19へ下がりました。合格者が68人から84人へ16人増え、分母側の増加が大きかったためです。受験者が増えたら必ず倍率も上がるわけではありません。
逆に、倍率上昇も人気上昇だけでは説明できません。合格者数を大学がどの程度出すか、同一受験日の学内併願がどのように集計されるか、募集人員をどの方式へ配るかで比率は変わります。偏差値は予想難易度、受験者数は試験を受けた延べ人数、実質倍率は受験者÷合格者です。三つを別々の列に置いてください。
2027年度にはさらに「断点」があります。愛知工業大学は、機械学科と情報科学科の入学定員変更を届出予定とし、各方式の募集人数も予定値・変更可能としています。例えば機械工学専攻A方式は2026結果表の募集人員39に対し、2027概要では38、Aw方式は16に対し15、M方式は21に対し20です。これは大学全体の定員差ではなく、各方式への配分例です。1人の差を過大評価すべきではありませんが、2026倍率をそのまま2027合格確率へ変換することもできません。
結論は「上がったか、下がったか」の二択ではなく、専攻別に答えることです。電気・電子情報・応用化学・メディア情報は比較した3資料で上向きまたは高止まり、機械とコンピュータシステムは横ばい、建築学は往復しています。出願判断では、この方向に自分の模試得点と方式配点を重ねます。
愛知工業・名城・中京理系を共通学科・入試科目で比較
3大学を比べるときは、大学全体の最低値ではなく、学ぶ領域と方式をそろえます。ここでは機械、電気、情報の3分野について、数学・理科・英語を課す代表的な3教科型だけを抽出しました。すべて河合塾Kei-Netの2027年度方式別ランクを2026年9月4日に確認した値です。愛知工業大学、名城大学、中京大学
| 学ぶ領域 | 愛知工業大 A方式 | 名城大 A方式 | 中京大 前期A3教科型 |
|---|---|---|---|
| 機械 | 機械工学 47.5 | 機械工 52.5 | 機械システム工 47.5 |
| 電気・電子 | 電気工学 47.5 | 電気電子工 50.0 | 電気電子工 47.5 |
| 情報 | コンピュータシステム 50.0 | 情報工 52.5 | 情報工学・知能情報学・応用情報学 各47.5 |
名城大は3行とも高く見えますが、それだけで「愛工大より5点多く取ればよい」とは計算できません。偏差値は入試得点ではなく、大学ごとに問題と受験者集団も違います。また中京大情報工学科は2027年4月から3専攻、定員148人で始まる新しい募集構造です。旧情報工学科・旧メディア工学科の過年度値と、新3専攻の47.5を一本の推移にしてはいけません。中京大学・新情報工学科の公式案内
3教科型の配点は同率でも、制度の確定度が違う
| 大学・2027代表方式 | 数学 | 理科 | 英語 | 数学範囲・時間 | 2026年9月4日時点の資料段階 |
|---|---|---|---|---|---|
| 愛知工業大 A理系型 | 200 | 200 | 200 | 数I・II・III・A・B数列・Cベクトル、平面曲線、複素数平面/90分 | 大学公式「2027年度入試概要」。予定・変更あり |
| 名城大 A・情報工/理工 | 100 | 100 | 100 | 数I・II・III・A・B数列・Cベクトル、平面曲線、複素数平面/90分 | 大学公式「2027入試ガイド」。出願時は要項確認 |
| 中京大 A3教科型・工 | 100 | 100 | 100 | 2027公式ページで数学+物理または化学+英語を確認。詳細範囲は最終要項待ち | 2027日程・新学科案内は公式。詳細A方式PDFは確認時点で2026参考内容 |
愛知工業大と名城大は数Bを数列に限定しています。一方、中京大の現行A方式詳細PDFには数B「数列、統計的な推測」がありますが、そのPDF本文は2026年度内容です。2027年度の公式日程と新情報工学科ページはA方式の3教科を示すものの、確認時点でリンク先の詳細PDFはまだ2026年度記載でした。よって本稿では「2027年も統計的な推測が確定」と断定しません。出願前に2027年度入学試験要項で照合してください。
配点割合だけなら3大学とも数学33.3%です。仮に数学80%、理科65%、英語50%の答案を作れる受験生を置くと、愛知工業大Aでは160+130+100=390/600=65.0%、名城大Aと中京大A3では80+65+50=195/300=65.0%になります。これは3大学の合格可能性が同じという意味ではありません。比率をそろえると、差は問題との相性、ボーダー、募集構造、出題範囲へ移ることを示す紙上計算です。
学科名が近くても、学ぶ設計は同一ではない
機械系では、愛知工業大の機械工学専攻が材料機能、熱流体、知的制御、機械システムの基礎を系統的に学ぶ構成です。名城大の機械工学科も熱・流体、材料・強度、設計・生産、機械力学・制御を掲げます。中京大の機械システム工学科は機械工学と情報工学の融合、ロボティクスや制御との接続が前面に出ます。同じ「機械」でも、自動車という語だけでなく、熱流体、材料、制御、情報のどこに比重を置きたいかを比較します。
情報系では違いがさらに大きくなります。愛知工業大コンピュータシステム専攻は、1年次からのプログラミング、ソフトウェア、ネットワーク、ICT機器の演習を特色とします。公式専攻紹介 名城大情報工学部はフィジカルコンピューティング、データエンジニアリング、ヒューマン・メディア、ネットワークシステムの4プログラムを示しています。名城大学情報工学部 中京大は情報工学、知能情報学、応用情報学の3専攻に分け、AI・データ、ソフトウェア、社会実装の入口を明示します。47.5、50.0、52.5より先に、「入学後にどの数理とプログラミングを使いたいか」を決めるべきです。
キャンパスも併願後の選択に影響します。愛知工業大の工学部・情報科学部は八草キャンパス、名城大の理工・情報工は天白キャンパスです。中京大は新情報工学科を豊田キャンパスに置き、2030年4月に名古屋キャンパスへ移転予定と公式ページに記載しています。偏差値表では見えない4年間の通学時間を、平日往復で計算してください。往復30分の差でも年間150日なら75時間です。
選び方を一行にすると、実習と専攻の具体性を重視するなら愛工大、より高い2027予想帯も含めて理工・情報の幅を持たせるなら名城、機械×情報や新しい3専攻制に関心があるなら中京が比較の入口です。これは優劣ではなく、公式カリキュラムから作った仮説です。研究室、必修科目、キャンパスを確認して最終判断してください。
東海4県の国公立・私立をさらに広く見たい場合は、東海地方の工学部ランキング2027で大学群を抽出し、本稿の専攻・配点比較へ戻ると候補を増やしすぎずに済みます。
愛知工業大学で数学配点の比率が高い方式は?過去問も比較
愛知工業大で数学を生かしやすい方式は、単純な固定ランキングではありません。Aは数学が常に3分の1、Awは最高得点科目なら2分の1、Mは上位2教科に入れば2分の1です。Mでは数学が3番手なら判定点に入りません。自分の得点順で数学比率が変わります。
| 2027年度方式 | 判定の基本 | 数学の実効配点 | 数学比率 | 数学が生きる条件 |
|---|---|---|---|---|
| A理系型 | 数学・理科・英語、各200 | 200/600 | 33.3% | 必ず算入 |
| Aw | Aの3教科の最高1教科を2倍 | 200または400/800 | 25.0%または50.0% | 数学が最高なら50% |
| M理系型 | 3教科受験、高得点2教科で判定 | 0または200/400 | 0%または50.0% | 数学が上位2教科なら算入 |
| 共テ1期C・理系代表 | 共テ数学100+理科100+第三教科100 | 100/300 | 33.3% | 数学必須の対象専攻 |
| 共テプラスA/M | A/Mの最高1教科200+共テの高得点2教科各100 | 条件により0〜300/400 | 条件により0〜75.0% | 数学が独自側・共テ側の採用枠へ入るかで変化 |
最後の共テプラスは、数学が常に75%ではありません。共通テストプラスA方式と同M方式は、AまたはMの高得点1教科と共通テストの高得点2教科を使います。数学がどちら側でも採用されれば最大300/400ですが、他教科が高ければ数学の算入は減ります。さらにA/Mで失格扱いの場合は共テプラスも失格です。最終募集要項で同一教科の扱いと指定科目を再確認してください。
数学が10ポイント上がると総点はどれだけ動くか
数学の正答率が80%から90%へ10ポイント上がり、理科65%、英語50%は固定とします。
| 方式 | 改善前 | 改善後 | 総得点率の感度 |
|---|---|---|---|
| A | 390/600=65.0% | 410/600=68.3% | +3.33ポイント |
| Aw・数学が最高 | 550/800=68.75% | 590/800=73.75% | +5.00ポイント |
| M・数学と理科を採用 | 290/400=72.5% | 310/400=77.5% | +5.00ポイント |
計算式は、Aが 2×(数学%+理科%+英語%)、Awが 2×(3教科の%合計+最高得点率)、Mが 2×(上位2教科の%合計) です。Awでは数学が最高でない場合、数学10ポイントの改善は通常20/800=2.5ポイントにとどまり、最高科目を追い越したところで傾きが変わります。Mでは数学が3番手のままなら総点への感度は0、2番手を追い越すと急に算入されます。この非線形性が、単なる「数学50%」表示より重要です。
比較のため、名城大の2027年度数学重視型は国語100+数学200=300点です。数学80%、国語60%なら220/300=73.3%、数学が90%なら240/300=80.0%で、10ポイント改善の総点感度は6.67ポイントです。ただし、情報工・理工の出願者には物理・化学と英語の高校での履修要件があり、数学重視型英語外部試験利用方式はスタンダード方式への出願が必要です。数学比率が高いことと、条件なしで受けられることは同じではありません。
2025年度の公式過去問でAとMを比べる
愛知工業大学がウェブ公開している入試問題・解答・出題意図から、2025年1月27・28日のA方式と1月29日のM方式を確認しました。オンラインで比較できたのは1年度、Aの2日程とMの1日程です。これだけで「毎年必ず微積が何題」と頻度を断定しません。
| 観察対象 | 公式資料で確認した構成 | 時間 | 対策上の違い |
|---|---|---|---|
| A・1月27日 | 短い設問群に二次関数、三角関数、方程式、ベクトル、極限、平面図形。別大問で微分・積分と面積 | 90分 | 記述式。途中式と連結大問の見通しが必要 |
| A・1月28日 | 数と式、領域、指数対数、数列、微分、確率の短い設問群。別大問で三角関数と積分による面積 | 90分 | 同じAでも題材が違う。2日分を別セットで計測 |
| M・1月29日 | 数と式、数列、対数、微分、積分、極限、確率を含むマークセンス式の設問群 | 60分 | 1問あたりの判断を速くし、選択肢への逆算も使う |
Aの2日程で共通していたのは、短い空所型の設問群と、微積分をつないで処理する大問が観察できたことです。ただし観察は2025年度だけです。過去問の冊子版は大学へ請求できるため、公開1年だけで方針を固定せず、入手後に少なくとも複数年度へ広げます。
初回の時間配分モデルは、Aなら短問群25分、連結大問50分、見直し15分、Mなら確実な短問40分、保留回収15分、転記・検算5分です。これは正解ではなく、診断用の開始値です。実際に解き、Aで連結大問の前半を落とすなら「最初の設問を取り切る」、Mで最後まで到達しないなら「90秒で方針が立たない設問を一度飛ばす」と修正します。
過去問の採点では総点だけでなく、単独正答率、連結大問の最初の失点位置、見直しで回収した点、60分と90分での計算ミス数を記録します。AとMのどちらが向くかは、模試偏差値よりこの4列で判断しやすくなります。記述で方針を残せるが処理速度が遅い人はA、短い判断が速く3教科に明確な順位がある人はMが候補ですが、最終判断は同じ年度の両方式を実測してからです。
愛知工業大学志望の併願校と学習スケジュール
併願校は「愛工大より偏差値が高い・低い」だけでなく、学ぶ領域、必要科目、試験日、発表日、手続締切を同じ表へ置きます。機械志望であれば、愛知工業大機械工学A47.5を軸に、名城大機械工A52.5、中京大機械システム工A3教科47.5が同じ数学・理科・英語の準備を使いやすい組合せです。安全側を追加する場合も、機械学科の有無と数III範囲を先に確認します。大学全体の最低偏差値だけで別分野へ出すのは、進学後のミスマッチを増やします。
併願を3タイプに分ける紙上判定
| 受験生の再現得点 | 第一候補にする方式 | 併願設計の要点 |
|---|---|---|
| 数学80・理科65・英語50 | 愛工大A+Aw+M、名城数学重視も条件確認 | Aw/Mで数学を高配点化。英語を捨てずA3教科の母数を残す |
| 数学68・理科72・英語70 | 愛工大Aを中心、3大学A3教科を共通化 | 均等配点の方が安定。Mは上位2科目も試算 |
| 数学75・理科45・英語70 | Aで理科の底上げを優先。Mは数学+英語採用の可能性を測る | Mだけに寄せると名城・中京の3教科型が薄くなる |
たとえば第三タイプは、Mなら数学75%と英語70%が採用され290/400=72.5%ですが、Aでは150+90+140=380/600=63.3%です。Mとの相性は数字に出ます。しかし理科を放置すると、愛工大A、名城A、中京A3という複数の入口が同時に弱くなります。「一方式の見かけの得点率」と「併願全体の合格機会」を分ける必要があります。
試験日にも注意が必要です。愛知工業大Aは2027年1月27・28日から選べ、AwはそのA得点を利用、Mは1月29日、合格発表は2月10日です。名城大Aは2月1〜4日に学部別で行い、数学重視型は2月4日です。中京大Aは2月3〜6日、合格発表は2月20日です。愛工大の合否を2月10日に見てから名城・中京を受けることはできません。2月3・4日は大学間でも重なるため、最終要項が出たら「大学名」ではなく「学科・方式・会場・日付」で衝突表を作ります。
8月から本番までの教材共通化モデル
| 時期 | 数学 | 他科目・出願作業 | 達成指標 |
|---|---|---|---|
| 8月 | 愛工大2025 Aを90分、Mを60分で各1回。数III微積、数列、ベクトル・複素数の穴を分類 | 3大学の希望学科とキャンパスを確認 | 失点を知識・方針・計算・時間の4原因へ分類 |
| 9〜10月 | 週4枠を共通範囲に配分。微積2、数列1、ベクトル/複素数1を基本にする | 物理または化学をA3教科水準へ。英語は長文と文法を継続 | 単元テスト70%ではなく、翌週の再テストで同型90% |
| 11月 | 隔週でA90分とM60分を交互に実施。中京の2027最終範囲で統計的な推測の要否を確定 | 名城数学重視の国語、履修要件、英語資格を確認 | 方式別の再現得点を3回分記録 |
| 12月 | 3大学A型の数学・理科・英語を1日セットで実施 | 願書、会場、検定料、手続締切を一覧化 | 3教科の最低得点が目標帯を下回らない |
| 1月前半 | 新問を増やさず、Aの記述順序とMの飛ばし基準を固定 | 共通テスト利用・プラス方式を自己採点表へ準備 | 時間超過と白紙設問を前月比で削減 |
| 1月27〜29日 | A、必要ならAw併願、Mの順で実戦 | 睡眠・移動・会場を優先 | 終了後は答え合わせより次日用の手順確認 |
| 2月 | 名城・中京の選択日を事前決定。大学別差分だけ最終調整 | 結果と納入期限を管理 | 日程衝突ゼロ、手続漏れゼロ |
教材を大学別に3冊へ分断しないのがポイントです。共通の数III微積、数列、ベクトル・複素数平面を土台にし、愛工大Aの記述90分、Mのマーク60分、名城の数学重視型、中京の最終公表範囲という「差分」だけを上に載せます。中京で統計的な推測が2027範囲に残ると最終要項で確認できた場合は、週1枠を追加します。未確定の段階で大量の専用教材へ広げる必要はありません。
最後に、出願候補ごとに次の5問へ答えてください。
- 進学してよい専攻か。機械、電気、情報の名前だけでなく必修科目まで見たか。
- 数学・理科・英語の再現得点を、その方式の満点へ換算したか。
- 数学を10ポイント上げたとき、総点が何ポイント動くか計算したか。
- 2027年の定員・学科改組・資料段階を確認し、前年倍率をそのまま使っていないか。
- 2月3・4日の試験重複と、合格発表・入学手続の順序を確認したか。
5問に数字で答えられれば、偏差値表は単なる大学序列から出願設計図に変わります。愛知工業大を軸にする受験生は、まずA・Aw・Mの2025過去問を同じ週に測り、次に名城・中京の共通3教科へ準備が流用できるかを確認してください。2027年度の最終募集要項が公開されたら、予定だった定員、出題範囲、試験地、英語資格条件を更新してから出願を確定します。
執筆:藤原進之介(数強塾)
