中学受験・算数

カリタス女子中学校 2026年度 算数 過去問の傾向と解答・解説

数強塾のプロ講師陣

カリタス女子中学校 2026年度(第1回)算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

カリタス女子中 2026年度 第1回 算数の傾向(公式公開PDFにもとづくまとめ)

  • 形式:試験時間は50分で、円周率は3.14、比は最も簡単な整数の比、分数は約分して答える、という約束が表紙に明記されています。構成は大問5問で、大問1が10個の小問集合、大問2が損益算、大問3が速さのグラフ、大問4が正方形とおうぎ形の図形、大問5がいわゆる「ニュートン算(行列の問題)」でした。
  • 頻出分野:計算の工夫・逆算・数の性質・速さ(流水算やグラフ)・割合(損益・濃度・仕事算)・平面図形と立体図形が、大問1の小問集合に幅広く配置されています。後半の大問でも速さ・図形・規則性(行列)が問われており、分野のかたよりが少ない出題といえそうです。
  • 記述(式を書く欄):解答用紙を見ると、大問2(2)・大問3(3)・大問4(2)・大問5(1)には「式」を書く欄が設けられています。答えだけでなく途中の考え方も評価される可能性が高く、部分点をねらう意味でも式を丁寧に残す姿勢が有効でしょう。
  • 合否を分けやすい一問:大問1⑨の角度、⑩の立体の体積、そして大問5(3)の「窓口の数が途中で変わるニュートン算」あたりが差のつきやすいところと考えられます。いずれも「一つひとつの場面を分けて整理する」ことが突破口になりそうです。

問題・解答例の原本はカリタス女子中学校の公式サイトで公開されています → カリタス女子 入試問題(公式)

※以下の解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、受験算数の正攻法と独立した別解による二重検算を行い、さらに学校公表の解答例と照合して一致を確認しています)。問題文・図版は転載しておりませんので、カリタス女子中学校公式サイト掲載のPDFをあわせてご参照ください。

大問1(小問集合) 答:① 1.25 ② 111 ③ 22 ④ 2:9 ⑤ 40% ⑥ 3時間15分 ⑦ 23回目 ⑧ 時速9.6km ⑨ 106度 ⑩ 251.2cm³

10個の小問が、計算・数の性質・速さ・割合・図形とまんべんなく並びます。ここで大きく崩れないことが、後半の大問に時間を残すうえで大切になりそうです。以下、一つずつ考え方を整理します。

① 計算の工夫:20.8×1.25 − 11.2×1.25 − 0.86×12.5 を求めます。前の2項は1.25が共通なので、分配法則でまとめると 1.25×(20.8 − 11.2) = 1.25×9.6 = 12。残る 0.86×12.5 = 10.75。よって 12 − 10.75 = 1.25 となります。

【👀ここに注目】1.25 や 12.5 は 1/8 や 5/4 に読みかえられます。共通の因数でくくると計算量がぐっと減るので、いきなり筆算に入る前に「まとめられないか」を一度考えてみるとよいでしょう。

② 逆算:2 × { 6 + 9 × ( 4 + 3 × □ ) } × 1/3 = 2026。外側から一枚ずつはがします。まず 2×{ }×1/3 = 2026 なので { } = 2026 × 3 ÷ 2 = 3039。次に 6 + 9×(4 + 3×□) = 3039 より 9×(4 + 3×□) = 3033、4 + 3×□ = 337、3×□ = 333、□ = 111

【✅検算】□=111 を代入すると 4 + 3×111 = 337、9×337 = 3033、6+3033 = 3039、2×3039×1/3 = 2026 でぴったり戻ります。

③ 分数の大小:4/13 < 7/□ < 1/3 を満たす整数□。分子を7にそろえると考えやすくなります。4/13 = 7/(91/4) = 7/22.75、1/3 = 7/21 なので、7/□ が 7/22.75 と 7/21 の間に入るには、分母□が 21 と 22.75 の間、すなわち 21 < □ < 22.75。整数は □ = 22 の1つです。

【📖大切な考え方】分数の大小は「分子をそろえる」か「分母をそろえる」かのどちらかに寄せると、迷いが減ります。ここでは分子を7にそろえたことで、分母の範囲だけを見ればよくなりました。

④ 速さの比:同じ道を歩くと45分、自転車だと10分。同じ道のりにかかる時間の比が 45:10 = 9:2 なので、速さの比はその逆比で 歩き:自転車 = 2:9 と求められます。答え 2:9

【👀ここに注目】「同じ道のり」では、時間と速さは反比例します。時間の比を出したら、ひっくり返すだけで速さの比になる——この対応を覚えておくと速いです。

⑤ 濃度(食塩水と同じ考え方):果汁50%のジュース200mL には果汁が 200×0.5 = 100mL、果汁20%のジュース100mL には 100×0.2 = 20mL。混ぜると果汁は合計120mL、全体は300mL なので、濃さは 120 ÷ 300 = 0.4 = 40%

【📖大切な考え方】混ぜる問題は「果汁(中身)の量」と「全体の量」を別々に足してから割るのが基本です。%のまま足し算しないよう注意したいところです。

⑥ 仕事算:Aだけで4時間、Bだけで12時間かかる仕事。全体の仕事量を、4と12の最小公倍数12とすると、Aは毎時3、Bは毎時1の仕事をします。Aが1時間で3をこなし、残りは12 − 3 = 9。ここから2人ですると毎時 3+1 = 4 なので、9 ÷ 4 = 2.25時間 = 2時間15分。合わせて 1時間 + 2時間15分 = 3時間15分

【✅検算】全体12のうち、Aが1時間で3、その後2人で2.25時間×4 = 9。3+9 = 12 で仕事はちょうど終わります。

⑦ 周期と規則性:ワールドカップは1930年に第1回、以後4年ごとですが、戦争で開催されなかった2大会があります。1930年から2026年までは 2026 − 1930 = 96年、96 ÷ 4 = 24なので、中止がなければ 24 + 1 = 25回目。中止の2回を引いて 25 − 2 = 23回目

【👀ここに注目】「4年ごと」を回数に直すときは、最初の年を1回目と数えるので「間の数+1」になります。ここに中止分の引き算を重ねる、二段構えの数え方でした。

⑧ 流水算:静水時の速さが時速□kmの船が、川を48km下るのに4時間。下りの速さは 48 ÷ 4 = 時速12km で、これは「静水+流れ」にあたります。上りは川の流れが 2/3 になっていて6時間かかったので、上りの速さは 48 ÷ 6 = 時速8km、これが「静水 − 流れ×2/3」です。
(静水)+(流れ)= 12、(静水)−(流れ×2/3)= 8。上の式から下の式を引くと 流れ×(1 + 2/3) = 4、流れ×5/3 = 4、流れ = 2.4。よって静水 = 12 − 2.4 = 時速9.6km

【✅検算】静水9.6・流れ2.4なら下りは12km/時で48÷12 = 4時間。上りは流れが2/3の1.6になり、9.6 − 1.6 = 8km/時で48÷8 = 6時間。条件どおりです。

⑨ 角度(同じ印は等しい角):図には同じ印(×どうし、○どうし)で等しい角が示され、72°と76°が与えられて、アの大きさを求めます。図が入り組んで見えますが、「等しい印の角を文字でおき、三角形の内角と外角の関係を使う」と整理できます。

【📖大切な考え方】×の角を1つぶんとして、72°をこの三角形の外角とみると、外角は「はなれた2つの内角の和」に等しいという関係から 72° = × + × = 2×、つまり × = 36°。同じように 76° = ○ + ○ = 2○ から ○ = 38°。アを内角の1つにもつ三角形では、残る2角が×と○にあたるので、アは 180° − 36° − 38° = 106° と求められます。

【✅検算】× = 36°、○ = 38° を図に戻すと、72°・76°の位置と矛盾なくつながり、アは106°に定まります。学校公表の解答例も106°でした。

⑩ 立体の体積:底面が、中心角120°・内側の半径5cm・外側の半径7cm(帯の幅が2cm)の「おうぎ形の帯(ドーナツを切り取った形)」で、高さ10cmの柱です。底面積は、外側のおうぎ形から内側のおうぎ形を引いて、
(7×7 − 5×5)×3.14×120/360 = (49 − 25)×3.14×1/3 = 24×3.14÷3 = 8×3.14 = 25.12cm²。
体積は 25.12 × 10 = 251.2cm³

【👀ここに注目】ドーナツ状のおうぎ形の面積は「大きいおうぎ形 − 小さいおうぎ形」で出せます。半径の2乗の差 49 − 25 = 24 が先に消化できると、そのあとは 3.14 を一度かけるだけで済みます。

【💡ポイントコラム】この大問1は、⑨⑩のように「図の意味を正しく言いかえられるか」で差がつくつくりでした。角度は等しい印を文字におく、立体は底面の形を一言で言い直す。図形は手を動かす前に、まず何の形かを日本語で説明してみると迷いにくくなります。

大問2(損益算) 答:① 180円 ② 37個以上

200個のパンを1個150円で仕入れ、仕入れ値の2割の利益を見込んで定価をつけたところ、7割しか売れなかった、という設定です。記述(式を書く欄)が用意されています。

【📖大切な考え方】損益算は「仕入れの合計」と「売上の合計」を、それぞれ別に積み上げて比べるのが基本です。1個あたりで考えるより、全体の金額でそろえたほうが「損をしない条件」を立てやすくなります。

解答
① 定価は 150 × (1 + 0.2) = 150 × 1.2 = 180円
② まず、定価で売れた分の売上は 200 × 0.7 = 140個 ×180円 = 25200円。仕入れの合計は 200 × 150 = 30000円。損をしないためには、売上の合計が30000円以上あればよいので、あと 30000 − 25200 = 4800円 を、50円引き(180 − 50 = 130円)のパンでまかないます。4800 ÷ 130 = 36 あまり120 なので、36個では足りず、37個以上売る必要があります。

【✅検算】残りは 200 − 140 = 60個で、37個は60個以内なので実現できます。130×37 = 4810円で、25200 + 4810 = 30010円 ≧ 30000円。36個だと 130×36 = 4680円で合計29880円となり、わずかに足りません。「あまりが出たら切り上げる」判断がポイントでした。

大問3(速さとグラフ) 答:① 分速60m ② 300 ③ 11分後・家から480mのところ

Aさんが家を出発し、途中でお店に寄って駅まで歩きます。横軸が「出発からの時間」、縦軸が「家からの道のり」のグラフで、0〜5分で進み、5〜8分は止まり(お店)、8〜15分で再び進んで15分に720mの駅に着く、という読み取りです。歩く速さは一定とされています。

【📖大切な考え方】止まっている間はグラフが横ばいになります。歩いている「傾きのある部分」だけを取り出して速さを考えるのが、この種のグラフ問題の定石といえます。

解答
① 歩いている時間は 0〜5分と8〜15分の合計 5 + 7 = 12分で、その間に720m進みます。速さは 720 ÷ 12 = 分速60m
② アは5分の時点の道のりなので、60 × 5 = 300(m)。
③ お母さんは7分後に家を出て、自転車の分速120mで追いかけます。Aさんは5〜8分は300mで止まっているので、8分の時点でお母さんは 120 × (8 − 7) = 120m、Aさんは300m、差は180mです。8分以降、Aさんは分速60mで進み、お母さんは分速120mなので、差は毎分 120 − 60 = 60mずつ縮まります。180 ÷ 60 = 3分より、追いつくのは8 + 3 = 11分後。そのときお母さんは 120 × (11 − 7) = 家から480mのところにいます。

【✅検算】11分後のAさんの位置は 300 + 60×(11 − 8) = 480m。お母さんの位置480mと一致します。追いつく場所が駅の720mより手前なので、設定とも矛盾しません。

大問4(正方形とおうぎ形) 答:① 10cm ② 51.4cm ③ 57cm²

面積100cm²の正方形の内部に、正方形の一辺を半径とするおうぎ形(四分円)を2個かいた図です。下側の2つの角を中心とする四分円が交わり、上部の小さな部分をA、下部の大きな部分をBとしています。

【📖大切な考え方】(3)は「Bの面積 − Aの面積」を、AとBを別々に求めずに一気に出せるのが見どころです。差をとると、おうぎ形の重なりぶんがきれいに打ち消し合います。

解答
① 正方形の面積が100cm² = 一辺×一辺 なので、一辺は 10cm(10×10 = 100)。
② 色のついた部分のまわりは、2本の弧と2本の直線でできています。四分円の弧1本の長さは 10 × 2 × 3.14 × 1/4 = 15.7cm で、これが2本ぶんで 31.4cm。直線部分は正方形の2辺ぶんで 10 × 2 = 20cm。合わせて 31.4 + 20 = 51.4cm
③ 2つの四分円の面積はどちらも 10×10×3.14×1/4 = 25×3.14 = 78.5cm²、合わせて 157cm²。この2つを正方形に重ねると、重なった部分がBにあたり、はみ出さずに残った(どちらのおうぎ形にも入らない)部分がAにあたります。ここで、
(四分円2つの合計)=(正方形)+(重なりB)−(Aの部分)
という関係が成り立つので、B − A =(四分円2つの合計)−(正方形)= 157 − 100 = 57cm²

【✅検算】2つのおうぎ形の合計157は、正方形100の内側で「重なり(Bで二重に数えた分)」だけはみ出し、「どちらにも入らないA」だけ足りません。したがって 157 = 100 + B − A、すなわち B − A = 57cm²。AとBそれぞれの面積を出さずに差だけが求まる、気持ちのよい問題でした。

大問5(ニュートン算・行列) 答:① 15人 ② 7分30秒後 ③ 20分後

博覧会に開館前360人が並び、開館後も1分間に12人ずつ増えます。初日は窓口を2か所開けたら、開館20分後に行列がなくなりました。ここから1か所の窓口が1分間に通す人数を求め、窓口数を変えたときの様子を追う、いわゆるニュートン算です。記述(式を書く欄)があります。

【📖大切な考え方】ニュートン算は「はじめの行列」「毎分入ってくる人」「毎分はける人」の3つを分けて考えるのが基本です。窓口の数が途中で変わる(3)は、変わるたびに区切って、そのつど残りの行列を計算し直すのが安全でしょう。

解答
① 20分間に並ぶ人の合計は 360 + 12 × 20 = 600人。これを2か所の窓口で20分かけてさばいたので、窓口2か所の合計処理数は 2 × 20 = 40(か所・分)。600 ÷ 40 = 15人(1分間に1か所が入場させる人数)。
② 窓口4か所では、1分間に 15 × 4 = 60人 をさばき、12人増えるので、行列は毎分 60 − 12 = 48人ずつ減ります。はじめの360人がなくなるのは 360 ÷ 48 = 7.5分 = 7分30秒後
③ はじめの5分は4か所。毎分48人ずつ減るので、5分で 48 × 5 = 240人減り、行列は 360 − 240 = 120人。
次の5分は2か所。毎分 15×2 − 12 = 18人ずつ減るので、5分で90人減り、行列は 120 − 90 = 30人。
そのあとは1か所。毎分 15 − 12 = 3人ずつ減るので、30 ÷ 3 = 10分。開館からは 5 + 5 + 10 = 20分後に行列がなくなります。

【✅検算】各区間の減り方(毎分48・18・3人)で行列を追うと、10分の時点で30人、そこから3人ずつ減って20分でちょうど0人。途中で窓口を減らすと、はけるスピードが増える人数に近づき、行列がなかなか消えない——その様子が数字にも表れています。

【💡ポイントコラム】ニュートン算は「毎分どれだけ減るか(または増えるか)」を一本の数直線のように書き出すと、場面が変わっても迷いにくくなります。(3)のように条件が二度変わる問題こそ、区切って表にする習慣が効いてきます。

2026年度 第1回から学ぶ教訓

今年のセットは、特別な難問というより「基本の型を、正しく言いかえて使えるか」を広く問うものだったといえそうです。計算の工夫、時間と速さの逆比、損益の切り上げ、図形の差のとり方、ニュートン算の区切り——どれも受験算数の王道です。過去問演習では、答え合わせで終わらせず「どの型を、どの場面で使ったか」を一言でメモする習慣が、カリタス女子対策として効果的だと考えられます。式を書く欄がある設問では、途中の考え方を残す練習も並行しておくとよいでしょう。

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は カリタス女子中学校 に帰属します。出典:カリタス女子中学校 2026年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
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