2015年(平成27年度)大学入試センター試験 本試験「数学Ⅰ・数学A」の全問解説です。
第1問から第3問は必答、第4問から第6問は3問中2問を選択する形式でした。ここでは答えだけでなく、どの条件に注目して解法を選ぶのか、途中式、検算方法まで説明します。問題の図・選択肢は、問題冊子を手元に置いて確認してください。
この年から新課程の数学Ⅰ・数学Aとなり、必答問題に「データの分析」が入りました。大学入試センター公表値では、数学Ⅰ・数学Aの受験者数は338,406人、平均点は61.27点です。
全体の構成と答え
| 大問 | 分野 | 主な答え |
|---|---|---|
| 第1問(必答) | 2次関数 | 頂点 (1, 3)、p≦1、p≧2、p=-1/2、q=13/4 |
| 第2問(必答) | 命題/図形と計量 | 反例 n=3, 29、AC=7、sin C=3√3/14、7/2≦R≦7 |
| 第3問(必答) | データの分析 | ④、0・2・3・5、0・2、相関係数の選択肢⑦ |
| 第4問(選択) | 場合の数 | 48、12、2、4、4、12、16、26 |
| 第5問(選択) | 整数の性質 | 2²・3³・7、24、21、126、9、103、1701 |
| 第6問(選択) | 図形の性質 | 10、√5、10/3、3/5、2√5、5√5/4 |
第1問 2次関数
(1) 平行移動後の最大値・最小値
もとの放物線を平方完成します。
y=-(x²-2x)+2=-{(x-1)²-1}+2=-(x-1)²+3
したがって頂点は (1, 3) です。これをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動すると、軸はx=1+pになります。
定義域2≦x≦4で最大値が左端x=2に来るには、下に開く放物線の軸が左端より左側になればよいので、
1+p≦2 より p≦1
最小値が左端x=2に来るには、左端が右端x=4よりも軸から遠いか等しくなればよいので、軸は区間の中央x=3以上です。
3≦1+p より p≧2
下に開く放物線では、最大値は軸に最も近い点、最小値は軸から最も遠い点で取ります。グラフを何通りも描く代わりに、軸x=1+pと端点2・4の位置関係だけを比較できます。
p=1なら軸はx=2で、左端が頂点なので最大値はf(2)です。p=2なら軸はx=3で、左右の端点2と4が等距離になり、f(2)=f(4)が最小値になります。境界値を含むことも確認できます。
(2) 2次不等式の解からp、qを決める
f(x)>0の解が-2<x<3であり、x²の係数が-1なので、2つの境界を根にもつ式は
f(x)=-(x+2)(x-3)=-x²+x+6
=-(x-1/2)²+25/4
頂点は(1/2, 25/4)です。一方、平行移動後の頂点は(1+p, 3+q)なので、
1+p=1/2、3+q=25/4
よって p=-1/2、q=13/4 です。
「不等式の解の端」は放物線とx軸の交点です。根が-2と3、先頭係数が-1まで分かるため、関数そのものを-(x+2)(x-3)と復元できます。
解の区間だけを見て(x+2)(x-3)とすると、上に開くため正になる範囲が逆になります。-2と3の間で正になるには、先頭にマイナスが必要です。
第2問 命題/図形と計量
〔1〕命題の対偶と反例
「(p₁かつp₂)ならば(q₁かつq₂)」の対偶は、ド・モルガンの法則を使って
「q₁でない、またはq₂でない」ならば「p₁でない、またはp₂でない」
となるため、選択肢は①です。
30以下でnとn+2がともに素数になるnは、3、5、11、17、29です。このうち結論の条件を満たさないものを一つずつ調べると、反例は n=3、29 です。
命題全体を曖昧に判定せず、「前提を満たす候補だけを列挙する」「その中から結論に反するものを探す」の2段階に分けると、反例を漏れなく確認できます。
n=3ではn+2=5も素数ですが、n+1=4は5の倍数でも6の倍数でもありません。n=29ではn+2=31も素数ですが、n+1=30は5の倍数でもあるため指定条件から外れます。
〔2〕余弦定理・正弦定理と外接円半径
AB=3、BC=5、∠ABC=120°より、余弦定理で
AC²=3²+5²-2・3・5 cos120°=9+25+15=49
したがって AC=7 です。さらに正弦定理より
7/sin120°=3/sin C より sin C=3√3/14
△APCの外接円半径をRとすると、2R=AC/sin∠APCなので、
R=7/{2 sin∠APC}
図の条件から1/2≦sin∠APC≦1となるため、逆数の大小に注意して
7/2≦R≦7
半径Rを直接動かすのではなく、正弦定理でRをsin∠APCの式に変えます。角度が動く範囲を正弦の範囲へ移せば、半径の最大・最小を1変数の大小比較として処理できます。
1/2≦sin∠APC≦1の逆数を取ると不等号の向きが反転します。1≦1/sin∠APC≦2としてから7/2を掛けると安全です。
第3問 データの分析
〔1〕ヒストグラムと箱ひげ図
40人のデータなので、第3四分位数は上位20人の中央、つまり上から10番目と11番目の平均です。ヒストグラムでは両方とも25m以上30m未満の階級に入るため、答えは④です。
同じように第1四分位数は15m以上20m未満です。第1・第3四分位数と矛盾する箱ひげ図を除くと、該当する選択肢は 0、2、3、5 です。
データの増減条件と箱ひげ図を比べる問題では、最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値を個別に確認します。矛盾するものは 0、2 です。
箱ひげ図は個々の値を示しませんが、「下から何番目」「上から何番目」という順位は示します。40人なら四分位数を決める位置が固定されるため、その位置が属する階級まで絞れます。
〔2〕相関係数
与えられた共分散と標準偏差を定義式に代入します。
54.30/(8.21・6.98)=0.947…
最も近い選択肢は ⑦ です。
相関係数は-1以上1以下です。0.947は範囲内で1に近く、散布図が強い正の相関を示すこととも一致します。
第4問(選択)場合の数
横一列の5つの正方形を赤・青・緑で塗り、隣り合う正方形は異なる色にします。
(1) 全体と左右対称
一番左は3通り、その右は直前と異なる2通りです。以後も同じなので、
3・2⁴=48通り
左右対称なら中央を3通り、中央の隣を2通り、端を2通りと選び、反対側は自動的に決まります。
3・2・2=12通り
(2) 赤の枚数で分類する
青と緑だけなら交互に塗る2通りです。赤が3枚なら赤は1・3・5番目に固定され、残り2か所は各2通りなので4通りです。
赤が1枚の場合は、赤が端なら計4通り、内側3か所なら各4通りで計12通り、合計16通りです。
4枚以上を同色にはできないため、赤が2枚の通り数は全体から他の場合を引いて、
48-2-16-4=26通り
「赤が2枚」を直接数えるより、赤が0・1・3枚の場合の構造が単純です。全48通りを赤の枚数で重複なく分類し、補集合として求めると数え漏れを防げます。
赤0枚が2通り、赤1枚が16通り、赤2枚が26通り、赤3枚が4通りで、合計は2+16+26+4=48通りになります。
第5問(選択)整数の性質
(1) 素因数分解と平方数
756=2²・3³・7
正の約数の個数は指数に1を足して掛けるので、
(2+1)(3+1)(1+1)=24個
√(756m)が自然数になるには、素因数の指数をすべて偶数にします。3と7を補えばよいため、最小のmは 21 です。一般にはm=21k²と書け、
√(756・21k²)=126k
(2) 一次不定方程式
126kを11で割ると1余る条件を、
126k-11l=1
と表します。ユークリッドの互除法から、
126=11・11+5、11=5・2+1
1=11-(126-11・11)・2=126・(-2)-11・(-23)
したがって一般解はk=11p-2、l=126p-23です。最小の自然数kはp=1のとき k=9、そのとき l=103 です。
m=21k²なので、求める最小値は
m=21・9²=1701
「11で割ると1余る」を合同式のまま扱う代わりに、商lを置いて一次不定方程式へ変えます。互除法で解を1組作れば、すべての整数解を等差的に表せます。
756・1701=1,285,956=1134²です。また1134=11・103+1なので、「平方根が自然数」「11で割ると1余る」の両条件を満たします。
第6問(選択)図形の性質
方べき・重心・メネラウス・相似
方べきの定理から、
CE・CB=CD・CA=2・5=10
CB=√5、CE=√5+BEなので、
√5(√5+BE)=10 より BE=√5
BはECの中点です。ABは△ACEの中線となり、Gは重心なので、
AG=(2/3)AB=10/3
△ECDと横切る直線BAにメネラウスの定理を使うと、
(EB/BC)(CA/AD)(DP/PE)=1
1・(5/3)・(DP/PE)=1
したがって DP/PE=3/5 です。
また、円周角と共通角から△ABC∽△EDCです。AB:BC=ED:DCより、
5:√5=ED:2 より ED=2√5
DP:PE=3:5なので、EPはDEを8等分したうち5つ分です。
EP=(5/8)・2√5=5√5/4
一つの定理だけで最後まで進める問題ではありません。方べきで長さを決め、重心で比を決め、メネラウスで点Pの位置を決め、相似でDEを求めます。各段階で「次の定理に必要な長さ・比」を一つずつ作る構成です。
DP:PE=3:5なのでEP/DE=5/8です。DE=2√5を掛けるとEP=10√5/8=5√5/4となり、比からの計算と一致します。
メネラウスの比を辺上の順番だけで暗記するとDP/PEを逆にしやすくなります。三角形ECDを一周する順に、EB/BC、CA/AD、DP/PEとそろえて積が1になることを確認します。
この年度から学ぶべき解法
- 2次関数は、式を動かす前に軸と頂点を確定する。
- 命題の反例は、前提を満たす候補を先に限定する。
- 箱ひげ図は、四分位数が何番目のデータかに戻して読む。
- 場合の数は、直接数えにくければ補集合と分類を使う。
- 平方数の条件は、素因数の指数をすべて偶数にする。
- 複合図形は、各定理が次に必要な長さや比を作っているか確認する。
次に取り組む解説
解説を読んでも自力で方針を立てられない問題が残る場合は、数強塾の体験授業で答案を確認できます。どの公式を覚えるかではなく、問題文のどの条件から解法を選ぶかを整理します。
- 大学入試センター「平成27年度試験」(実施日・年度情報)
- 大学入試センター「受験者数・平均点の推移 平成27〜29年度」
- 数研出版「2015年センター速報 数学 解答」(第1問〜第6問を照合)
- 13th-note「2015年1月センター試験 数学IA・解説」Ver.1.01を参照し、数強塾が再計算・再構成しました。原資料の表示・継承条件に従い、原著作者「13th-note」を表示します。
問題の著作権は大学入試センターおよび各著作者に帰属します。本記事は問題文全体を転載せず、解法の説明に必要な条件と数値のみを示しています。解説は数強塾が独自に再構成したもので、大学入試センターの公式解説ではありません。


