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センター試験2016 数学Ⅱ・B 全問解説|平成28年度 本試験 【数強塾】

数強塾のプロ講師陣

2016年(平成28年度)大学入試センター試験 本試験の数学Ⅱ・数学Bについて、問題文をTeXで再掲したうえで、全問の解答と解説を掲載します。執筆は数強塾代表・藤原進之介です。

センター試験は2020年で終了し、翌2021年から大学入学共通テストに切り替わりました。出題形式は変わりましたが、問われている解法の型そのものは今も有効で、共通テスト対策の演習素材として十分に使えます。

解答はすべて大学入試センターが公表した正解表と突き合わせ、全問一致を確認したうえで公開しています。加えて、各小問に数式処理や総当たり計算による独立検算をつけました。

第1問から第5問まで、公式正解表に対応するすべての解答欄を公開しています(第1問・第2問が必答、第3問〜第5問は3問中2問選択)。グラフなど原問題の図は再現していないため、問題冊子をお手元に置いてお読みください。

この記事の目次

  1. 第1問(必答・配点30) 指数・対数(グラフの対称性と最小値)/三角関数(解の個数)
  2. 第2問(必答・配点30) 微分積分(2つの放物線に挟まれた面積・正方形との共通部分)
  3. 第3問(選択・配点20) 数列(真分数を並べた数列・群数列)
  4. 第4問(選択・配点20) ベクトル(四面体・2変数の最小・重心と面積比)
  5. 第5問(選択・配点20) 確率分布と統計的な推測(数直線上のランダムウォーク)

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すべての年度・科目の一覧は大学入試 数学 過去問の全問解説ハブにまとめています。

第1問(必答・配点30) 指数・対数(グラフの対称性と最小値)/三角関数(解の個数)

【問題】

〔2〕 を正の定数として を満たす について考える。

【解答】

〔1〕 ア4 イ2 ウ- エ2 オ3 カ2 キ3 ク1 ケ1 コ6 サ7 シ3 ス3 セ8 ソ- タ2

〔2〕 チ4 ツ4 テ1 ト4 ナ3 ニ1 ヌ4 ネ5 ノ- ハ3 ヒ5 フ5 ヘ5

〔1〕(1) 指数と対数の基本計算

【問題(再掲)】

(1) である。

【型】底を素数のべきに揃える

【なぜこうするか】  なので、指数法則で一気に整理できます。

は4、は2です。

対数のほうは、底も真数も3のべきに揃えます。 なので

ウエは3です。

【定石】 。底と真数を同じ数のべきに直せば、指数の比だけで答えが出る。

〔1〕(2) 4組のグラフの対称性

【問題(再掲)】

(2) のグラフと のグラフはである。 のグラフと のグラフはである。 のグラフと のグラフはである。 のグラフと のグラフはである。⓪ 同一のもの ① 軸に関して対称 ② 軸に関して対称 ③ 直線 に関して対称

【型】 なら 軸対称、 なら 軸対称、 の交換なら 対称

【なぜこうするか】 式変形して「もとの式と何が入れ替わったか」を見ます。

に置き換えた形なので 軸に関して対称。は②です。

逆関数。逆関数のグラフは直線 に関して対称。は③です。

:底の変換公式で

に置き換えた形なので 軸に関して対称。は①です。

:真数の逆数は対数の符号を変えます。

クとまったく同じ式になったので、これも 軸に関して対称。は①です。

【ミスの罠】 クとケを「底を変える」「真数を変える」という見た目の違いで別の答えにしてしまうこと。式に直せばどちらも ——つまり2つのグラフは完全に一致します。

【検算】 記号計算で がともに恒等的に成立することを確認しました ✓。どちらも に等しい、すなわち 軸対称です。

【定石】 対称性は「式のどこが入れ替わったか」で判定 軸、 軸、 の交換は

〔1〕(3) 置き換えて2次関数の最小値

【問題(再掲)】

(3) の範囲における関数 の最小値を求めよう。 とおく。このとき、である。また、 の範囲を動くとき、 のとり得る値の範囲はである。⓪  ①  ② かつ  ③ 実数全体。したがって、のとき、すなわち のとき、最小値ソタをとる。

【型】対数を1種類に統一してから置き換える

【なぜこうするか】 式の中に が混在しています。まず底を2に統一します。

代入して展開します。

は6、は7です。

の範囲。 が正の実数全体を動くので、実数全体は③です。

制限がないので、素直に平方完成すれば最小値が出ます。

で最小値 は3、ソタ です。

に戻すと 、すなわち は8です。

【検算】  から まで400万点に刻んで元の式を数値評価すると、最小値は )。理論値の 一致✓。

【定石】 対数の底が混在していたら、まず1つに統一。置き換えたら新しい変数の範囲を必ず確認——今回は実数全体なので制限なし、という確認自体が設問になっている。

〔2〕(1) 式を の関数に書き換えて解の個数を数える

【問題(再掲)】

(1) の範囲で①を満たす の個数について考えよう。①の両辺に をかけ、2倍角の公式を用いて変形すると を得る。したがって、 の値に関係なく、 のときはつねに①が成り立つ。また、 の範囲で であるから、 のとき、①を満たす のみである。一方、 のとき、①を満たす の個数は個であり、 のときは個である。

【型】積の形 に持ち込んで、因子ごとに解を数える

【なぜこうするか】 指示どおり両辺に を掛けます。

第1項の 。第2項の括弧は符号が逆で 。共通因数 でくくれます。

さらに より 。したがって

は4です。

因子1:  より なので 、すなわち の値によらず必ず解です。は4です。

因子2:  では 、つまり 。したがって 、すなわち でないと解を持ちません。

のときは因子2から解が出ないので、解は のみ。は1、は4です。

のとき)。 の範囲で がある値をとるのは2か所 をはさんで左右対称)。これに を加えて3個は3です。

のとき より 、つまり 。これは因子1の解と同じです。したがって解は1個。は1です。

【ミスの罠】  のとき「因子1で1個、因子2で1個だから2個」としてしまうこと。2つの因子が同じ解を与えているので、重複を数えてはいけません。境界の値では必ず重なりを疑うこと。

【検算】  の4通りで、 の400万点に刻んで①の左辺の符号変化から解を数えました。 では3個()、 でも3個、 では1個()✓。 では のごく近傍に検出が集中し、実質1個であることが確認できました ✓。

【定石】  の形にしたら、因子ごとに解を数えて最後に重複を除く。境界のパラメータでは重複が起きやすい。

〔2〕(2)  を具体化して を求める

【問題(再掲)】

(2) とし、 の範囲で①を満たす について考えよう。②により であるから である。したがって である。

【型】角の範囲から符号を決める

【なぜこうするか】  では なので、②の解は因子2から出ます。

より 。この範囲で なので

は4、は5です。

同じ範囲で (第2象限)なので

ノハは5です。

最後は半角の公式。 なので

は5、は5です。

【検算】  から を得ました。これは の間にあり、範囲の条件を満たします ✓。この を元の①に代入すると左辺は 実質0で成立 ✓。

【定石】 2乗を外すときは角の範囲から符号を決める の範囲を先に書き出しておけば、 の符号が機械的に決まる。

第1問で身につけたい型

  • 底を素数のべきに揃えると、指数・対数の計算は一瞬。
  • 対称性は「式のどこが入れ替わったか」で判定する。
  • 対数の底が混在していたら1つに統一してから置き換える。
  • の形にして因子ごとに解を数え、最後に重複を除く
  • 2乗を外すときは角の範囲から符号を決める

第2問(必答・配点30) 微分積分(2つの放物線に挟まれた面積・正方形との共通部分)

【問題】

座標平面上で、放物線 とし、放物線 とする。

【解答】

(1) ア4 イ2 ウ4 エ4 オ7 カ1 キ2 ク- ケ1 コ2 サ2 シ5 ス4 セ8

(2) ソ1 タ2 チ2 ツ1 テ6 ト2 ナ6 ニ4 ヌ4 ネ- ノ1 ハ3 ヒ2

(1)前半 2曲線に挟まれた面積は「上−下」の積分

【問題(再掲)】

(1) 実数 に対して、2直線 で囲まれた図形 の面積 である。

【型】面積は「上の式 下の式」を積分

【なぜこうするか】 まず2曲線の上下を確認します。差をとると

これはすべての で正。つまり がつねに の上にあり、2曲線は交わりません。だから がどんな値でも上下が入れ替わる心配がなく、素直に積分できます。

は4、は2です。

積分します。

なので

は4、は4、は7、カキは12です。

【定石】 2曲線の差を先に作る。差が定符号なら上下の場合分けが不要。 の展開は3項だけ残ると覚えておくと速い。

(1)後半  の2次関数

【問題(再掲)】

で最小値 をとる。

【型】平方完成

【なぜこうするか】  の2次関数。 の係数が正なので下に凸、頂点で最小です。

定数を通分します。

のとき最小値 クケは2、サシは25、スセは48です。

意味を考えると当然です。 から までの幅1の帯で切り取るとき、2曲線の隙間がいちばん狭いのは原点付近。帯の中心が に来る が最小になります。

【検算】  から まで200万点に刻んで を数値評価すると、最小値 )。理論値 小数第10位まで一致✓。

【定石】 積分の結果がパラメータの2次式になったら平方完成。得られた答えが図形的に納得できるかを一度確かめると、計算ミスに気づける。

(2)前半 共通部分が空でない範囲と、そこでの増減

【問題(再掲)】

(2) 4点 を頂点とする正方形を で表す。 の範囲を動くとき、正方形 と(1)の図形 の共通部分の面積を とおく。 が最大となる の値を求めよう。直線 は、 で、 で交わる。したがって、正方形 と図形 の共通部分が空集合にならないのは、のときである。のとき、正方形 は放物線 軸の間にあり、この範囲で が増加するとき、。⓪ 増加する ① 減少する ② 変化しない

【型】正方形の上辺 と2曲線の交点を先に求める

【なぜこうするか】 正方形 は横幅1、縦幅1で、下辺が 軸、上辺が 。図形 に挟まれた縦長の領域です。両者の重なりを追うには、境界どうしの交点が要る

より は1です。

より は2です。

次に、共通部分が空にならない範囲。正方形は の帯にあるので、 のうち の部分と重なる必要があります。 の下の境界は で、 以下なのは

正方形は にあり、 なので、 が2以下、すなわち

は2です( では1点で接する状態)。

最後に での増減。この範囲では正方形の左端が より右にあり、そこでは がすでに を超えています。つまり正方形の上辺 の上の境界より下にあるので、共通部分は「 軸から までを除いた、 より上で 以下の部分」。

が大きくなるほど は高く持ち上がり、 との隙間が狭くなります。よって 減少は①です。

【検算】  を「各 について を積分する」形で直接数値計算しました。単調に減少✓。 では で、共通部分が消えることも確認 ✓。

【定石】 領域の重なりは、境界どうしの交点を全部押さえてから場合分け。「どちらが上か」が切り替わる が場合分けの境目になる。

(2)後半 はみ出した分を引いて を作り、最大値を求める

【問題(再掲)】

したがって、 が最大になる の値は、の範囲にある。のとき、(1)の図形 のうち、正方形 の外側にある部分の面積 である。よって、において である。①の右辺の増減を調べることにより、 で最大値をとることがわかる。

【型】(全体から、はみ出した分を引く)

【なぜこうするか】  の面積 は(1)で求めてあります。そこから正方形の外にはみ出した部分 を引けば ——これが誘導の骨格です。

のとき、正方形の左端 より左。 が正方形からはみ出すのは の部分で を超えるところだけです( では 以下なので下側でははみ出しません)。

したがって、はみ出しは から までの、 から までの部分。

なので

は6、は2です。

引き算します。

の項は となって

は6、は4、は4です。

最大値を求めます。微分して

となるのは 、すなわち

は範囲外。残る

の中にあります。 は下に凸なので、この前後で は正から負に変わり、ここで最大

ネノは3、は2です。

【ミスの罠】  を最初から定義どおり積分で立てようとして、場合分けの海に沈むこと。「全体 から、はみ出し を引く」という発想に切り替えると、積分は の1本だけで済みます。誘導が を先に聞いているのは、そのためです。

【検算】 公式 の200万点で評価すると、最大値 )。理論値 と一致 ✓。さらに、公式を経由せず領域の重なりを直接数値積分した値も同じ となり、公式と直接計算が小数第8位まで一致しました ✓。 と、確かに 付近が山であることも確認しています。

【定石】 複雑な領域の面積は「引き算」で作る。全体から余分を引くほうが、直接足し上げるより場合分けが減る。

第2問で身につけたい型

  • 2曲線の差を先に作る。定符号なら上下の場合分けが不要。
  • 積分結果がパラメータの2次式なら平方完成
  • 領域の重なりは、境界どうしの交点を全部押さえる
  • 複雑な面積は「全体 はみ出し」で作る
  • 3次関数の最大は微分 → 2次方程式 → 範囲内の解を選ぶ

第3問(選択・配点20) 数列(真分数を並べた数列・群数列)

【問題】

真分数を分母の小さい順に、分母が同じ場合には分子の小さい順に並べてできる数列 とする。真分数とは、分子と分母がともに自然数で、分子が分母より小さい分数のことであり、上の数列では、約分できる形の分数も含めて並べている。

【解答】

(1) ア5 イ6 ウ2 エ2

(2) オ1 カ2 キ3 ク2 ケ2 コ1 サ2 シ1 ス2 セ1 ソ3 タ1 チ5

(3) ツ1 テ2 ト1 ナ2 ニ1 ヌ4 ネ1 ノ4 ハ5 ヒ0 フ7 ヘ1 ホ0

(1) 群に分けて数える

【問題(再掲)】

(1) である。また、分母に初めて8が現れる項は、 である。

【型】分母ごとに「群」を作る。分母 の群は

【なぜこうするか】 この数列は分母ごとにグループ(群)になっています。分母 の真分数は

  • 分母2の群:1項(第1項)
  • 分母3の群:2項(第2〜3項)
  • 分母4の群:3項(第4〜6項)
  • 分母5の群:4項(第7〜10項)
  • 分母6の群:5項(第11〜15項)

累積すると 三角数が並びます。第15項はちょうど分母6の群の最後、つまり

は5、は6です。

分母8が初めて現れるのは、分母7の群が終わった直後。分母7の群の最後は第 項なので、次の第22項

ウエは22です。

【ミスの罠】 「約分できる形も含めて並べている」という一文を読み飛ばすこと。 も1項として数えます。約分して重複を除いてしまうと、以降すべてがずれます。

【定石】 規則的に並んだ数列は、まず群に分けて「各群の項数」と「累積」を書き出す。累積が三角数になるパターンは頻出。

(2) 群の先頭と末尾の項番号を式にする

【問題(再掲)】

(2) を2以上の自然数とする。数列 において、 が初めて現れる項を第 項とし、 が初めて現れる項を第 項とすると である。よって、 である。

【型】(群の末尾)=それまでの項数の合計

【なぜこうするか】  から先に求めるのがコツです。 は分母 の群の最後の項なので、 は分母2から分母 までの項数の合計。

は1、は2、は1、は2です。

は分母 の群の先頭。1つ前の群(分母 )の末尾の次なので

展開します。 なので

は1、は2、は3、は2、は2です。

を求めます。まず104がどの群に入るかを で挟みます。

なので、第104項は分母15の群。この群は第92項から始まり、第92項が

群の中で13番目なので セソは13、タチは15です( は互いに素なのでこれ以上約分できません)。

【検算】 数列を実際にプログラムで生成し、 から まで を直接探索して公式と比較しました。すべて公式と一致✓。、分母8の初出が第22項、 も生成した数列から直接確認しました ✓。

【定石】 群数列は「群の末尾の項番号」を先に式にする。先頭は「1つ前の末尾 」で自動的に出る。項を特定するときは末尾の式で挟んで群を決め、群の中の何番目かを引き算で出す

(3)前半 1つの群の和

【問題(再掲)】

(3) を2以上の自然数とする。数列 の第 項から第 項までの和は、 である。したがって、数列 の初項から第 項までの和は である。

【型】群の和 → その群までの総和は「群の和」を足し上げる

【なぜこうするか】 第 項から第 項までは分母 の群まるごと。分子が から まで並ぶので

整理すると

は1、は2、は1、は2です。分母 が約分で消えてしまうのが気持ちよいところ。群の和は の1次式になります。

初項から第 項までの和は、分母2の群から分母 の群までを全部足したもの。

したがって

は1、は4、は1、は4です。

【検算】  から まで、生成した数列で群の和と累積和を直接計算しました。群の和は 、累積和は いずれも公式と完全一致✓。

【定石】 群の和が単純な形になったら、総和はそれを足し上げるだけ。「群の和 → 群の和の和」という2段構えを意識する。

(3)後半 群の途中で止まる和

【問題(再掲)】

よって である。

【型】「群の切れ目まで」+「群の途中まで」に分ける

【なぜこうするか】 103は群の切れ目ではありません。(2)で見たとおり が分母14の群の末尾で、第92項から分母15の群が始まります。したがって和を2つに分けます。

前半(第1項〜第91項):公式に を入れて

後半(第92項〜第103項):分母15の群の、先頭から 項ぶん。分子は1から12まで。

足し合わせます。通分して

ハヒフは507、ヘホは10です。

【ミスの罠】 103が群の末尾だと思い込んで、公式に直接 を代入してしまうこと。まず で挟んで、切れ目かどうかを確認します。切れ目でなければ必ず2つに分けること。

【検算】 生成した数列の第1項から第103項までを分数のまま直接足し上げる。公式による値と厳密に一致✓。内訳も前半 、後半 で確認しました ✓。

【定石】 群数列の和は「切れ目まで」+「途中まで」の2段。切れ目の項番号を求める式(ここでは )が、そのまま分割の道具になる。

第3問で身につけたい型

  • 規則的な数列は群に分ける。各群の項数と累積を書き出す。
  • 群の末尾の項番号を先に式にする。先頭は「前の末尾 」。
  • 項の特定は「末尾の式で挟む → 群の中の何番目かを引き算」
  • 群の和 → その和を足し上げて総和の2段構え。
  • 和は「切れ目まで」+「途中まで」に分ける

第4問(選択・配点20) ベクトル(四面体・2変数の最小・重心と面積比)

【問題】

四面体 OABC において、 であるとする。また、辺 OA 上に点 P をとり、辺 BC 上に点 Q をとる。以下、 とおく。

【解答】

(1) ア3 イ2 ウ3 エ1 オ2 カ1 キ2 ク1 ケ3 コ1 サ2 シ2

(2) ス0 セ9 ソ0 タ2 チ1 ツ3 テ2 ト3 ナ2 ニ2 ヌ3

(1)前半 内積を先に全部出しておく

【問題(再掲)】

(1) であるような実数 を用いて と表す。であることから

【型】

【なぜこうするか】 3つの内積はすべて で計算できます。

は3、は2です。

あわせて も控えておきます。この6つの値さえあれば、以降の計算はすべて機械的に進みます。

【定石】 空間ベクトルの問題は、最初に内積を全部表にする。あとの展開は、その表を見ながら代入するだけの作業になる。

(1)後半 2変数の2次式は「それぞれ平方完成」

【問題(再掲)】

となる。したがって、 が最小となるのは のときであり、このとき となる。

【型】 が分離できれば、それぞれ独立に最小化

【なぜこうするか】  を2乗して展開します。

値を代入します。ここで が同じ値なのが効きます。

がきれいに消えました。残りは

の部分を整理すると 。したがって

の項と の項が完全に分離されているので、それぞれ平方完成します。

まとめて

は3、は1、は2、は1、は2です。

2乗はどちらも0以上なので、両方が0になるとき最小。

どちらも の範囲内なので、そのまま採用できます。

は1、は3、は1、は2、は2です。

【検算】 与えられた6つの内積条件を満たす具体的な座標 を構成しました。長さと内積がすべて条件どおりであることを確認したうえで を展開すると 、目標の形との差は恒等的に0✓。最小のとき ✓。

【定石】 2変数の2次式は、まず変数が分離できるかを確かめる。分離できれば1変数ずつ平方完成するだけ。最後に範囲内かどうかの確認を忘れない。

(2)前半 内積0から直角、そして面積

【問題(再掲)】

(2) 三角形 ABC の重心を G とする。 のとき、三角形 GPQ の面積を求めよう。から、セソ である。したがって、三角形 APQ の面積は である。

【型】内積0 → 直角 → 直角をはさむ2辺で面積

【なぜこうするか】  のとき、。これと の内積を計算します。

は0です。

P は辺 OA 上の点なので、 と平行。したがって 、すなわち

セソは90です。

直角三角形なので、直角をはさむ2辺の積を2で割れば面積。

は2です。

【定石】 内積が0と出たら、その2ベクトルの向きが表す2直線が直交。「P が辺 OA 上」なら と平行、という橋渡しを忘れない。

(2)後半 重心の位置と、底辺を共有する三角形の面積比

【問題(再掲)】

また であり、点 G は線分 AQ を に内分する点である。以上のことから、三角形 GPQ の面積は である。

【型】底辺を共有する2つの三角形の面積比=高さの比=分点の比

【なぜこうするか】 三角形 ABC の重心なので

ここで、いまの Q は の点、つまり辺 BC の中点です。

これを代入すると

は1、は3、は2、は3です。

係数の和が なので、G は線分 AQ 上の点。係数はたすきがけなので、A 側の係数 は Q 側の比、Q 側の係数 は A 側の比を表します。つまり

は2です。これは「重心は中線を に内分する」という、おなじみの事実そのものです(AQ は三角形 ABC の中線)。

最後に面積。辺 PQ を共有しています。高さの比は、直線 PQ から見た A と G の距離の比。A と G はどちらも直線 AQ 上にあり、Q は直線 PQ 上の点なので、高さの比は に等しい

より 。したがって

は2、は3です。

【ミスの罠】 高さの比を と読んで 倍や 倍にしてしまうこと。比べるのは「Q からの距離」——共有する辺 PQ が通る点は Q なので、Q を基準にした を使います。

【検算】 座標から を求め、零ベクトルであることを確認 ✓。面積は比の議論を使わず外積で直接計算し、 を得ました。比の議論による値と完全に一致✓。

【定石】  なら、X は線分 AB 上。内分比は係数のたすきがけ。底辺を共有する三角形の面積比は高さの比で、それは分点の比から読める。

第4問で身につけたい型

  • 空間ベクトルは最初に内積を全部表にする
  • 2変数の2次式は変数が分離できるかを確認し、できれば1つずつ平方完成。
  • 内積0は直交。「辺上の点」から向きの平行を橋渡しする。
  • 係数の和が1なら線分上。内分比は係数のたすきがけ。
  • 底辺を共有する三角形の面積比は高さの比。どの点を基準に測るかに注意。

第5問(選択・配点20) 確率分布と統計的な推測(数直線上のランダムウォーク)

【問題】

を自然数とする。原点 O から出発して数直線上を 回移動する点 A を考える。点 A は、1回ごとに、確率 で正の向きに3だけ移動し、確率 で負の向きに1だけ移動する。ここで、 である。 回移動した後の点 A の座標を とし、 回の移動のうち正の向きの移動の回数を とする。

【解答】

(1) ア2 イ2 ウ6 エ4 オ9 カ4 キ1

(2) ク- ケ4 コ0 サ1 シ9 ス8

(3) セ3 ソ0 タ0 チ1 ツ5 テ2 ト0 ナ0 ニ0 ヌ2 ネ3

(4) ノ3 ハ8 ヒ0 フ0 ヘ4 ホ2 (

(1)  を全部書き出す

【問題(再掲)】

(1) のとき、確率変数 のとり得る値は、小さい順に であり、これらの値をとる確率は、それぞれ である。

【型】試行回数が少ないうちは、全パターンを列挙

【なぜこうするか】 2回の移動なので、パターンは 通りしかありません。書き出します。

  • :座標 、確率
  • :座標 、確率
  • :座標 、確率
  • :座標 、確率

座標 は2通りあるので確率を足して 。まとめると

は2、は2、は6、は4、は9、は4、は1です。

確率の和が になることも確認しておきましょう。

【検算】 4通りをプログラムで全列挙して集計すると、 ✓。

【定石】 (1)は必ず具体例。ここで「同じ座標に別の経路で到達する」ことを体験しておくと、(2)の一般化がすんなり入る。

(2)  の1次式で書く

【問題(再掲)】

(2) 回移動したとき、 の間に の関係が成り立つ。確率変数 の平均(期待値)は、分散はなので、 の平均は、分散はである。⓪  ①  ②  ③  ④  ⑤  ⑥  ⑦  ⑧  ⑨  ⓐ  ⓑ

【型】 の形に直せば、平均も分散も公式一発

【なぜこうするか】  回のうち正の向きが 回なら、負の向きは 回。座標は

は4です。

は「 回中、確率 の事象が起こった回数」なので二項分布 に従います。

は⓪、は①です。

あとは1次変換の公式。 で、 は定数です。

平均:係数がそのまま出て、定数はそのまま足される。

は⑨です。

分散:係数は2乗、定数は消える。

は⑧です。

【ミスの罠】 分散の選択肢に の付いたⓑ が用意されています。分散は平行移動の影響を受けないので、 は消えます。平均のほうには残る——この対比が選択肢の狙いです。

【定石】 複雑な確率変数は、二項分布に従う変数の1次式に直す。そうすれば で終わる。

(3) 正規近似で確率を求める

【問題(再掲)】

(3) のとき、1200回移動した後の点 A の座標 が120以上になる確率の近似値を求めよう。(2)により、 の平均はセソタ、標準偏差はチツであり、求める確率は次のようになる。 いま、標準正規分布に従う確率変数を とすると、 は十分大きいので、求める確率の近似値は正規分布表から次のように求められる。

【型】 の条件を の条件に翻訳してから標準化

【なぜこうするか】 まず の平均と標準偏差。 なので

セソタは300、チツは15です。

次に条件の翻訳。 なので

標準化します。

は2、トナは00です。

正規分布表で を引くと 。求めるのは右の裾なので

小数第3位までとして ニヌネは023です。

【検算】 誤差関数で を計算し、正規分布表の値と一致✓。参考までに、近似を使わず二項分布 を直接足し上げると 。正規近似の と近く、近似が機能していることが確認できます ✓。

【ミスの罠】  のまま標準化しようとすること。 の平均・標準偏差を使ってもよいのですが( と同じ答え)、問題文が の形を指定しているので、素直に の条件に直すのが確実です。

【定石】  についての条件」を「 についての条件」に翻訳してから標準化。1次式なので不等号の向きは(係数が正なら)そのまま。

(4) 母比率の信頼区間

【問題(再掲)】

(4) の値がわからないとする。2400回移動した後の点 A の座標が のとき、 に対する信頼度95%の信頼区間を求めよう。 回移動したときに がとる値を とし、 とおくと、 が十分大きいならば、確率変数 は近似的に平均 、分散 の正規分布に従う。 は十分大きいので、このことを利用し、分散を で置き換えることにより、求める信頼区間は となる。

【型】

【なぜこうするか】 まず から を復元します。 を入れて

したがって標本比率は

標準誤差を計算します。ここが本問でいちばん気持ちよいところ——数値がきれいに割り切れます。

信頼度95%なので

したがって信頼区間は

解答欄は小数第3位までなので、四捨五入して

ノハヒは380、フヘホは420です。

【検算】 標準誤差を数値計算すると 、区間は 。小数第3位への丸めで ✓。 と逆算して確認しました ✓。

【ミスの罠】  をそのまま標本比率のように扱ってしまうこと。比率を作るのは (正の向きの回数)であって (座標)ではありません。まず から を復元する、という一手間を飛ばさないこと。

【定石】 母比率の信頼区間は は95%で1.96、90%で1.64、99%で2.58。ルートの中がきれいに開けるように数値が設定されているので、途中で小数計算に逃げず約分で進める。

第5問で身につけたい型

  • (1)は具体例で構造をつかむ。同じ結果に複数の経路があることを確認。
  • 複雑な確率変数は、二項分布に従う変数の1次式に直す
  • 平均は 、分散は 。分散に定数は残らない。
  • 条件を の条件に翻訳してから標準化する。
  • 母比率の信頼区間は 。比率を作るのは回数のほう。

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