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センター試験2017 数学Ⅱ・B 全問解説|平成29年度 本試験 【数強塾】

数強塾のプロ講師陣

2017年(平成29年度)大学入試センター試験 本試験の数学Ⅱ・数学Bについて、問題文をTeXで再掲したうえで、全問の解答と解説を掲載します。執筆は数強塾代表・藤原進之介です。

センター試験は2020年で終了し、翌2021年から大学入学共通テストに切り替わりました。出題形式は変わりましたが、問われている解法の型そのものは今も有効で、共通テスト対策の演習素材として十分に使えます。

解答はすべて大学入試センターが公表した正解表と突き合わせ、全問一致を確認したうえで公開しています。加えて、各小問に数式処理や総当たり計算による独立検算をつけました。

第1問から第5問まで、公式正解表に対応するすべての解答欄を公開しています(第1問・第2問が必答、第3問〜第5問は3問中2問選択)。グラフなど原問題の図は再現していないため、問題冊子をお手元に置いてお読みください。

この記事の目次

  1. 第1問(必答・配点30) 三角関数(2倍角と対称式)/対数(内分点と底の変換)
  2. 第2問(必答・配点30) 微分積分(放物線の2本の接線・三角形の面積の最大・囲まれた面積の増減)
  3. 第3問(選択・配点20) 数列(等比数列の存在条件・(等差)×(等比)の和)
  4. 第4問(選択・配点20) ベクトル(正六角形・2通りの表し方・垂心)
  5. 第5問(選択・配点20) 確率分布と統計的な推測(二項分布の逆算・連続型確率変数)

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すべての年度・科目の一覧は大学入試 数学 過去問の全問解説ハブにまとめています。

第1問(必答・配点30) 三角関数(2倍角と対称式)/対数(内分点と底の変換)

【問題】

〔1〕 連立方程式 を考える。ただし、 であり、 かつ とする。このとき、 の値を求めよう。

〔2〕 座標平面上に点 をとり、関数 のグラフ上に2点 をとる。線分 AB を に内分する点が C であるとき、 の値を求めよう。

【解答】

〔1〕 ア1 イ7 ウ1 エ5 オ4 カ4 キ5 ク1 ケ3 コ2 サ5 シ5 ス- セ3 ソ3

〔2〕 タ0 チ1 ツ3 テ1 ト3 ナ1 ニ1 ヌ8 ネ3 ノ6 ハ6 ヒ2 フ6 ヘ6

〔1〕前半 2倍角で「2乗の和」と「積の2乗」を作る

【問題(再掲)】

2倍角の公式を用いると、①から が得られる。また、②から である。

【型】 に統一する

【なぜこうするか】 ①には 、②には と、角も形もバラバラです。 の2つを未知数と見ると、①が「和」、②が「積」の情報になり、2次方程式に持ち込めます。

①に2倍角の公式を使います。

アイは17、ウエは15です。

②はそのまま2乗するだけ。

は4です。

【定石】 「和」と「積」がそろったら、その2つを解にもつ2次方程式を作る。ここでは が2解になる。

〔1〕後半 符号は「角の大小」と「積の符号」で決める

【問題(再掲)】

したがって、条件③を用いると である。よって、②と条件 から である。

【型】2解を求めてから、条件でどちらがどちらかを決める

【なぜこうするか】  は、和が 、積が の2数です。したがって

両辺を15倍して

解は

どちらが かは条件③が決めます。 すなわち なので、大きいほうが

は4、は5、は1、は3です。

次に符号。ここが本問の急所です。手がかりは2つ。

手がかり①:②より なので、2つの符号は逆です。

手がかり②単調減少 なので

符号が逆で、しかも のほうが大きい。したがって と確定します。

は2、は5、は5です。

は3、は3です。

【ミスの罠】  から を出すとき、正の平方根だけを取るミス。この問題は「符号を決めさせる」ことが主眼です。積の符号角の大小という2つの条件が、わざわざ与えられている意味を考えること。

【検算】 得られた を元の①②に代入し直すと、 ✓、 ✓。さらに角を数値で出すと を満たし ✓、 も成立 ✓。4つの条件すべてを満たすことを確認しました。

【定石】 2乗した式から元に戻すときは、必ず符号の根拠を2つそろえる。「積の符号」と「大小関係」はその代表格。

〔2〕前半 内分点の座標を で表す

【問題(再掲)】

真数の条件により、である。線分 AB を に内分する点の座標は、 を用いて と表される。これが C の座標と一致するので が成り立つ。

【型】 の内分点は

【なぜこうするか】  が定義されるには真数が正。は0です。

内分点の公式を使います。A 側の比が1、B 側が2なので、係数はたすきがけで A に2、B に1

座標

は1、は3です。

座標

は1、は3、は1です。

これが C の座標 に一致するので、④と⑤が成り立ちます。

【定石】 内分点の係数は比を入れ替えて使う なら

〔2〕後半 対数の式を「指数の式」に直して連立

【問題(再掲)】

⑤は と変形できる。④と⑥を連立させた方程式を解いて、に注意すると である。また、C の 座標 の値を、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めるとである。ただし とする。⓪ 0.3 ① 0.6 ② 0.9 ③ 1.3 ④ 1.6 ⑤ 1.9 ⑥ 2.3 ⑦ 2.6 ⑧ 2.9 ⑨ 3.3 ⓐ 3.6 ⓑ 3.9

【型】対数の等式は、係数を払って真数の等式に直す

【なぜこうするか】 ⑤の両辺を3倍して分数を消します。

と直すと

底が同じで対数が等しいなら真数も等しいので 、すなわち

は1、は8、は3です。

④の を⑥に代入します。

なので で割れて

は6、は6です。そして

は2、は6です。

最後に の値。まず対数の中を分解します。

は与えられていないので底の変換公式で常用対数に直します。

小数第2位を四捨五入して は⑥です。

【ミスの罠】  が与えられていますが、この設問では使いません。センター試験は「使わない情報」をあえて混ぜてきます。必要な値だけを選ぶのも読解力のうち。

【検算】 連立方程式を記号計算で解くと、 を満たす解は ただ1組✓。また を直接計算すると 、与えられた常用対数の近似値を使った計算では どちらも四捨五入して ✓。

【定石】 対数の等式は「係数を払って を1つにまとめ、真数を比べる」。底が与えられていない対数は底の変換公式で、与えられている底に揃える。

第1問で身につけたい型

  • 2倍角で に統一し、和と積から2次方程式を作る。
  • 2乗を外すときの符号は、根拠を2つそろえる(積の符号・角の大小)。
  • 内分点の係数は比を入れ替える
  • 対数の等式は真数の等式に直す
  • 底の変換公式で、与えられた値が使える底に揃える。
  • 使わない情報が混ざっていることがある。必要な値だけを選ぶ。

第2問(必答・配点30) 微分積分(放物線の2本の接線・三角形の面積の最大・囲まれた面積の増減)

【問題】

O を原点とする座標平面上の放物線 とし、点 を P とする。

【解答】

(1) ア2 イ1 ウ2 エ2 オ1 カ2 キ1 ク1 ケ1 コ4 サ2 シ4 ス4 セ2

(2) ソ0 タ1 チ2 ツ2 テ3 ト2 ナ3 ニ8 ヌ2 ネ7

(3) ノ7 ハ3 ヒ3 フ  ヘ2

(1) 接点を文字でおいて、通る条件を方程式にする

【問題(再掲)】

(1) 点 P を通り、放物線 に接する直線の方程式を求めよう。 上の点 における接線の方程式は である。この直線が P を通るとすると、 は方程式 を満たすから、である。よって、のとき、P を通る の接線は2本あり、それらの方程式は である。

【型】接点を とおいて接線を書き、通る点を代入

【なぜこうするか】 「点 P を通る接線」を求めるとき、P は接点ではないので、接点を別の文字 で置くのが定石です。

なので、 での接線は

は2、は1です。

これが を通る条件は、 を代入して

について整理すると

は2、は2、は1です。

この2次方程式は因数分解できます。定数項に注目すると を代入して となるので が因数。

よって は2、は1、は1です。

2解が一致するのは 、すなわち のとき。したがって なら接線は2本は1です。

それぞれの接線を書きます。 のとき

は4、は2、は4、は4です。

のときは は2です。

の接線が によらず になるのは、P が最初から直線 の上にあるからです。)

【定石】 「ある点を通る接線」は、接点を とおいて接線を作り、通る条件を の方程式にする。接線が2本あるかどうかは、その方程式の解の個数で決まる。

(2)前半  切片と三角形の面積

【問題(再掲)】

(2) (1)の方程式①で表される直線を とする。 軸との交点を とすると、 である。 となるのは、のときであり、このとき、三角形 OPR の面積 となる。

【型】 軸上に底辺があれば、高さは点の 座標

【なぜこうするか】 ①で とすれば 切片。

となるのは 、つまり

は0、は1です。

三角形 OPR を考えます。O と R はどちらも 軸上にあるので、線分 OR を底辺と見れば、高さは P の 座標 。この見方ができると計算が一瞬で終わります。

解答欄の形に合わせて

は2、は2、は3です。

【定石】 座標軸上に2頂点がある三角形は、その軸を底辺にとる。高さは残る頂点の座標そのもの。

(2)後半 面積の最大値

【問題(再掲)】

のとき、 の増減を調べると、 で最大値 をとることがわかる。

【型】微分して増減表

【なぜこうするか】  で微分します。

では なので、符号は で決まります。

  • のとき なので (増加)
  • のとき (減少)

したがって で最大。は2、は3です。

は8、ヌネは27です。

【検算】  から まで200万点で刻んで を数値評価すると、最大値は )。理論値 小数第10位まで一致✓。

【定石】 3次式の最大最小は微分して符号を見る。導関数が因数分解できたら、各因数の符号で増減が読める。

(3) 囲まれた面積 とその増減

【問題(再掲)】

(3) のとき、放物線 と(2)の直線 および2直線 で囲まれた図形の面積を とすると である。の範囲において、。⓪ 減少する ① 極小値をとるが、極大値はとらない ② 増加する ③ 極大値をとるが、極小値はとらない ④ 一定である ⑤ 極小値と極大値の両方をとる

【型】接するときの差は完全平方 → 積分が一瞬

【なぜこうするか】  の接線なので、差をとると必ず完全平方になります

接点の 座標が だったので、当然この形になります。2乗の形なので 、つまり が上。面積の計算で絶対値を考える必要がありません。

展開します。

差をとると定数項が消えて

3で割って

は7、は3、は3、 です。

最後に増減。微分します。

これが0になるのは

数値にすると

問われている範囲は 、つまり 2つの零点はどちらもこの範囲より左にあります

は下に凸で、大きいほうの零点 より右では正。したがってこの範囲で 単調増加

は②です。

【ミスの罠】 「3次関数だから極大・極小がある」と決めつけて⑤を選ぶこと。極値をとる が、指定された範囲の中にあるかを必ず確認します。この問題は零点 と範囲の左端 きわどく接近しているのがいやらしいところ。数値で比べて確実に判定してください。

【検算】  が記号積分の結果と完全に一致することを確認 ✓。増減については、 を計算すると すべて正✓。さらに を200万点に分割して の階差を取ると、最小の階差が すべて正——単調増加が数値でも裏づけられました ✓。

【定石】 接線との差は完全平方。積分がまとまった形のまま実行できる。増減の判定は、極値の位置が範囲内かどうかを数値で確かめる

第2問で身につけたい型

  • 「ある点を通る接線」は接点を とおく。本数は の方程式の解の個数。
  • 座標軸上に2頂点がある三角形は、その軸を底辺に
  • 3次式の最大最小は微分 → 因数分解 → 符号
  • 接線との差は完全平方になるので、面積の積分が軽い。
  • 増減を問われたら、極値の位置が指定範囲内かを必ず確認する。

第3問(選択・配点20) 数列(等比数列の存在条件・(等差)×(等比)の和)

【問題】

以下において考察する数列の項は、すべて実数であるとする。

【解答】

(1) ア8 イ7

(2) ウ  エ  オ  カ  キ  ク3 ケ2

(3) コ4 サ1 シ6 ス1 セ1 ソ3 タ2 チ9 ツ2 テ3 ト2 ナ9

(1) 具体例で形を確認する

【問題(再掲)】

(1) 等比数列 の初項が1、公比が2であるとき である。

【型】具体例で(2)の一般論の形を見ておく

【なぜこうするか】  なので

は8、は7です。

ここで積が になっていることに注目してください。真ん中の項 の3乗です。(2)で使う「積は真ん中の項の3乗」という性質の予告になっています。

【定石】 センター試験の(1)は、(2)以降で使う構造の予告編。数値が出たら「なぜその形になったか」を一度考えておく。

(2) 積と和の条件から、公比の存在条件を出す

【問題(再掲)】

(2) を初項 、公比 の等比数列とする。 を実数(ただし )とし、 の最初の3項が を満たすとする。このとき である。さらに、②、③を用いて の満たす関係式を求めると を得る。④を満たす実数 が存在するので である。

【型】等比数列の3項の積は「真ん中の3乗」

【なぜこうするか】 3項を書き下すと 。積をとると

ちょうど真ん中の項 の3乗になります。これが に等しいので、実数の3乗根は一意だから

です。(1)で だったのと同じ構造です。

次に②。 より なので、③から と書けます。

両辺に を掛けて整理すると

です。

最後が本問の要。「④を満たす実数 が存在する」—— なのでこれは2次方程式で、実数解をもつ条件は判別式が0以上です。

両辺に を掛けて不等号の向きを変えると

は3、は2です。

【ミスの罠】 両辺に を掛けたときに不等号の向きを変え忘れること。解答欄が の形で固定されているので、そこに合わせて符号を整えます。

【定石】 等比数列の連続3項の積は「真ん中の3乗」、和は「」。「実数が存在する」=判別式

(3)前半 具体的な数値で公比と初項を決める

【問題(再掲)】

(3) のとき、(2)の条件①、②を満たし、公比が1より大きい等比数列 を考える。③、④を用いて の公比 と初項 を求めると、サシである。

【型】④に数値を代入して2次方程式を解く

【なぜこうするか】 ④に を入れます。

16で割ると

公比が1より大きいという条件から は4です。

③より

サシは16です。

【検算】  のとき3項は 。積は ✓、和は ✓。条件①②をどちらも満たします。

【定石】 2解が出たら条件で片方を捨てる。「公比が1より大きい」の一文は、まさにそのために置かれている。

(3)後半 (等差)×(等比)の和は「 倍してずらして引く」

【問題(再掲)】

を用いて、数列 )と定める。このとき、 の一般項は である。 の初項から第 項までの和 は、 を計算することにより であることがわかる。

【型】(1次式)×(等比) の和は、公比倍してずらして引く

【なぜこうするか】 まず を4のべきで書き直します。

すると対数がきれいに外れます。

したがって

は1、は1です。

これは(1次式)×(等比)の形。この和を求める常套手段が、問題文の指示どおり から を引く」です。

辺々引くと、真ん中の項が係数の差1ずつになって等比数列に化けます。

括弧の中は初項 、公比4、項数 の等比数列の和。

したがって

両辺を3倍して整理します。

で割って

は3、は2、は9、は2、テトは32、は9です。

【ミスの罠】 ずらして引いたあとの等比数列の項数を数え間違えること。 から までなので 項です。指数の範囲を書き出して数えるのが確実。

【検算】  の値は 。これを から6まで直接足し上げると 。公式 の値と6項すべて完全一致✓。記号計算による総和とも差が厳密に0でした ✓。

【定石】 (等差)×(等比) の和は、公比倍してずらして引く。引いたあと真ん中が等比数列になるのがこの手法の核心。問題文が「 を計算せよ」と言ってきたら、まさにこの手順

第3問で身につけたい型

  • 等比数列の連続3項の積は「真ん中の3乗」
  • 「実数が存在する」は判別式
  • 2解が出たら条件で片方を捨てる
  • の中を底のべきに書き直すと、対数が指数だけになる。
  • (等差)×(等比) の和は、公比倍してずらして引く。項数の数え間違いに注意。

第4問(選択・配点20) ベクトル(正六角形・2通りの表し方・垂心)

【問題】

座標平面上に点 をとり、原点 O を中心とする半径2の円周上に点 B、C、D、E、F を、点 A、B、C、D、E、F が順に正六角形の頂点となるようにとる。ただし、B は第1象限にあるとする。

【解答】

(1) ア1 イ3 ウ2

(2) エ5 オ2 カ3 キ2 ク1 ケ3 コ4 サ3 シ2 ス3 セ4 ソ3 タ2 チ3 ツ3

(3) テ2 ト  ナ3 ニ- ヌ2 ネ1 ノ2 ハ  ヒ5 フ1 ヘ2

(1) 正六角形の頂点は「 ずつ回る」

【問題(再掲)】

(1) 点 B の座標は 、点 D の座標は である。

【型】半径 の円上、角 の点は

【なぜこうするか】 A、B、C、D、E、F が順に正六角形の頂点で、すべて原点中心の半径2の円周上。ということは中心角が ずつ並んでいます。A が 、すなわち角 の位置なので

  • B は角
  • C は角
  • D は角
  • E は角
  • F は角

B が第1象限という条件から、反時計回りで正しいことも確認できます。

は1、は3、は2です。

この6点をすべて書き出しておくのが本問の下準備。以降の計算はすべて座標で押し切れます

【定石】 円に内接する正 角形は、中心角 ずつ。最初に全頂点の座標を書き出しておくと、後の設問が全部計算問題になる。

(2) 同じ点を2通りに表して連立

【問題(再掲)】

(2) 線分 BD の中点を M とし、直線 AM と直線 CD の交点を N とする。 を求めよう。 は実数 を用いて、 と2通りに表すことができる。ここで であるから である。よって である。

【型】交点は「2直線のパラメータ表示を等しいとおく」

【なぜこうするか】 まず M。 の中点なので

したがって

は5、は2、は3、は2です。

は1、は3です。

N は両方の直線上にあるので、2通りの表し方が一致します。成分ごとに等式を立てます。

成分

成分

の式から が約分できて 。これを の式に入れると

は4、は3、は2、は3です。

あとは代入するだけ。

は4、は3、は2、は3、は3です。

【検算】 もう一方の式 となり完全に一致✓。連立方程式を記号計算で解いても でした ✓。

【定石】 2直線の交点は、それぞれのパラメータ表示を等しいとおいて成分ごとに連立。求めた値をもう一方の式にも代入して一致を確認すれば、計算ミスがその場でわかる。

(3)前半 交点 H の正体は「三角形の垂心」

【問題(再掲)】

(3) 線分 BF 上に点 P をとり、その 座標を とする。点 P から直線 CE に引いた垂線と、点 C から直線 EP に引いた垂線との交点を H とする。 と表せることにより、H の座標を を用いて表すと である。

【型】2本の垂線の交点=三角形の垂心

【なぜこうするか】 まず P の座標。 を結ぶ線分 BF は の縦線です。したがって 座標が の点 P は

なので

は2、は3です。

ここで H の正体を見抜きます。「P から直線 CE への垂線」と「C から直線 EP への垂線」の交点——これは三角形 CEP の垂心です。垂心の性質から、3本目の垂線(E から直線 CP へ)も自動的に通ります。

H を として、2つの垂直条件を内積で書きます。

条件1 より 。これは真下向きなので、垂直なベクトルは水平。つまり

です。直線 CE が という縦線だったおかげで、 座標が即座に決まりました。

条件2

和と差の積で なので

は2、は1、は2です。

【検算】 得られた について、3本目の垂線条件 を計算すると恒等的に0✓。H が確かに三角形 CEP の垂心であることが確認できました。

【定石】 「2本の垂線の交点」ときたら垂心。垂直条件は内積0で立式する。座標軸に平行な直線があれば、そこから先に成分を1つ確定させる

(3)後半 なす角の条件から を決める

【問題(再掲)】

さらに、 のなす角を とする。 のとき、 の値は である。

【型】 の方程式にする

【なぜこうするか】 2つのベクトルを並べます。

内積を計算します。

長さも出します。

ここが本問最大の見どころ と、きれいに完全平方になります。したがって

これを代入すると、内積と が同じ式なので約分されます。

驚くほど簡単な形になりました。 とおくと

は5、フヘは12です。

なので、P は確かに線分 BF 上にあります。

【ミスの罠】  を求めたあと正の値だけを答えるミス。解答欄に が印刷されているので2つとも答えます。この問題では どちらも線分 BF 上にあり、両方とも適します。

【検算】  の式を記号計算で立て、 を解くと ✓。それぞれを代入し直して (符号も正)になること、および を満たすことを確認しました ✓。

【定石】 なす角の条件は の定義式を立てて、その変数の方程式にする。分母分子に共通因数が現れたら計算が正しい合図——本問では がきれいに約分された。

第4問で身につけたい型

  • 円に内接する正 角形は中心角 ずつ。全頂点の座標を先に書き出す。
  • 2直線の交点は、パラメータ表示を等しいとおいて成分ごとに連立
  • 「2本の垂線の交点」は垂心。垂直条件は内積0。
  • 座標軸に平行な直線を見つけたら、そこから成分を確定させる
  • なす角の条件は の定義式を方程式にする。約分できたら方針が正しい。

第5問(選択・配点20) 確率分布と統計的な推測(二項分布の逆算・連続型確率変数)

【問題】

以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて正規分布表を用いてもよい。

【解答】

(1) ア1 イ5 ウ2 エ8 オ2 カ7

(2) キ1 ク2 ケ5 コ8 サ9

(3) シ1 ス8 セ  ソ3 タ2 チ  ツ3 テ7

(1) 平均と標準偏差から を逆算する

【問題(再掲)】

(1) 1回の試行において、事象 の起こる確率が 、起こらない確率が であるとする。この試行を 回繰り返すとき、事象 の起こる回数を とする。確率変数 の平均(期待値)、標準偏差 であるとき、アイウ である。

【型】 を先に出す

【なぜこうするか】  は二項分布 に従うので

2つの式を割り算するのがコツ。 が消えて だけが残ります。

実際に計算します。

なので、152で約分できて

したがって

は8、オカは27です。あとは に戻して

アイウは152です。

【ミスの罠】  の取り違え。与えられているのは標準偏差 なので、分散として使うときは2乗してから割ります。

【検算】  を代入し直すと ✓、 ✓。連立方程式を記号計算で解いても解はこの1組だけでした ✓。

【定石】 二項分布で を逆算するときは、分散を平均で割る が一発で出る。

(2) 標準化して正規分布表を引く

【問題(再掲)】

(2) (1)の反復試行において、 が38以上となる確率の近似値を求めよう。いま と変形できる。ここで、 とおき、 の分布を正規分布で近似すると、正規分布表から確率の近似値は次のように求められる。

【型】 を代入

【なぜこうするか】 境界の値を標準化します。

分母分子に27を掛けて分数を払うのが速い。

38で約分すると は1、クケは25です。

求めるのは 。境界が負の側にあり、そこから右側全部なので、 をまたぎます。

左右対称性から 。正規分布表で を引くと

小数第2位までとして コサは89です。

【ミスの罠】  を表の値 そのままにしてしまうこと。正規分布表は「0から まで」の値です。求める範囲を図に描き、0の右側 を足すのを忘れないこと。

【検算】 誤差関数で を計算し、正規分布表の値と一致✓。 の厳密値は で、四捨五入して ✓。

【定石】 境界を標準化 → 図を描く → 表の値をどう組み合わせるか決める。この順番を崩さない。

(3)前半 連続型確率変数は「面積」で考える

【問題(再掲)】

(3) 連続型確率変数 のとり得る値 の範囲が で、確率密度関数が のとき、 の平均 で与えられる。 を正の実数とする。連続型確率変数 のとり得る値 の範囲が で、確率密度関数が のとき のとき であるとする。このとき、 となる確率は である。

【型】確率=確率密度関数のグラフの下の面積

【なぜこうするか】 この確率密度関数は2本の直線をつないだ三角形の形をしています。 で0から始まり、 で最大値 に達し、 で再び0。

求める確率は から までの面積。この区間は の側なので、使うのは

をまとまりで積分します。

は1、は8です。 が消えて定数になるのがこの問題の設計です。

(台形の面積として求めても同じ。上底 、下底 、高さ 。)

【検算】 まず前提として、全区間 での積分(全確率)がちょうど1になることを記号計算で確認しました ✓。確率密度関数として正しく設定されています。そのうえで ✓。

【定石】 確率密度関数が折れ線なら、確率は台形や三角形の面積で暗算できる。積分でもよいが、図を描くほうが速くて確実。全確率が1になるかを最初に確かめておくと安心。

(3)後半 平均の計算と1次変換

【問題(再掲)】

また、 の平均は である。さらに、 とおくと、 の平均は である。

【型】

【なぜこうするか】 定義どおり計算します。区間が2つに分かれているので、それぞれで積分して足します

左半分):

右半分):

足して

は3です。

最後は1次変換。平均は係数がそのまま出て、定数はそのまま足される

タチは3、は7です。

【検算】  を記号計算で確認 ✓。 も一致 ✓。なお は、分布の右側( から )のほうが裾が長いことと整合しています。

【定石】 区間ごとに定義された確率密度関数は、区間ごとに積分して足す。1次変換の平均は ——離散型とまったく同じ公式が使える。

第5問で身につけたい型

  • 二項分布の逆算は
  • 正規分布表は「0から まで」。0をまたぐときは を足す。
  • 確率密度関数が折れ線なら、確率は面積で暗算
  • 全確率が1になるかを最初に確かめる
  • 区間ごとの確率密度関数は、区間ごとに積分して足す
  • は離散型でも連続型でも同じ。

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