共通テスト対策

センター試験2019 数学Ⅱ・B 全問解説|平成31年度 本試験【数強塾】

数強塾のプロ講師陣

今日の一問
次の問いに答えなさい。
関数 \(f(\theta)=3\sin^{2}\theta+4\sin\theta\cos\theta-\cos^{2}\theta\) を考える。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

2019年(平成31年度)大学入試センター試験 本試験の数学Ⅱ・数学Bについて、問題文をTeXで再掲したうえで、全問の解答と解説を掲載します。執筆は数強塾代表・藤原進之介です。

センター試験は2020年で終了し、翌2021年から大学入学共通テストに切り替わりました。出題形式は変わりましたが、問われている解法の型そのものは今も有効で、共通テスト対策の演習素材として十分に使えます。

解答はすべて大学入試センターが公表した正解表と突き合わせ、全問一致を確認したうえで公開しています。加えて、各小問に数式処理や総当たり計算による独立検算をつけました。

現在公開しているのは第1問です。第2問以降は順次追加します。

この記事の目次

  1. 第1問〔1〕(必答・配点30のうち) 三角関数(2倍角と合成)
  2. 第1問〔2〕 対数と指数の連立方程式
  3. 第2問(必答・配点30) 3次関数と放物線の共通接線・面積
  4. 第3問(選択・配点20) 数列(階差・置き換え・3段構えの漸化式)
  5. 第4問(選択・配点20) ベクトル(四角錐と等脚台形・垂線の足・体積)
  6. 第5問(選択・配点20) 確率分布と統計的な推測(正規分布・二項分布・信頼区間)

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すべての年度・科目の一覧は大学入試 数学 過去問の全問解説ハブにまとめています。

第1問〔1〕(必答・配点30のうち) 三角関数(2倍角と合成)

【問題】

関数 を考える。

【解答】

(1) ア- イ1 ウ2 エ3 / (2) オ1 カ2 キ2 ク2 ケ1

(3) コ2 サ2 シ4 ス3 セ4 ソ2

(1) まずは代入して具体値を確かめる

【問題(再掲)】

(1) アイ である。

【型】代入して値を出すだけ。あとの検算材料になる

【なぜこうするか】  では なので

アイ です。

では

は2、は3です。

この2つの値は、あとで求める式が正しいかを確かめる材料になります。実際(2)以降で得た式に を入れて になるかを見れば、変形ミスがすぐ発覚します。

【定石】 誘導の最初に置かれた具体値の計算は、あとの検算に使う。式変形が終わったら必ず戻って確かめる。

(2) 次数を下げて の式にする

【問題(再掲)】

(2) 2倍角の公式を用いて計算すると、 となる。さらに、 を用いて を表すと …① となる。

【型】2乗を含む三角式は、半角(2倍角の逆)で次数を下げる

【なぜこうするか】  には という2次の項しかありません。これらはすべて の1次式に書き換えられます。

2倍角の公式 について解くと

は1、は2です。同じ要領で残り2つも書き換えます。

これらを代入します。

項ごとにばらすと

の係数は 、定数は 。まとめて

は2、は2、は1です。

(1)の値で検算しておきます。 を入れると 。確かに と一致しました。

【定石】  の3点セットは の1次式に直せる。次数が下がれば、あとは合成できる形になる。

(3) 合成して最大値と、そのときの を求める

【問題(再掲)】

(3) の範囲を動くとき、関数 のとり得る最大の整数の値 とそのときの の値を求めよう。三角関数の合成を用いると、①は と変形できる。したがって、である。また、 において、となる の値は、小さい順に である。

【型】

【なぜこうするか】  の部分を合成します。 とおくと なので

係数を でくくると

カッコの中は 。したがって

は2、は2、は4です。

最大の整数値  の最大は1なので の最大値は なので

したがって がとり得る最大の整数は3。は3です。

(この最大値が実際にとれることも確認しておきます。 で、範囲 の中にあります。したがって まで到達し、途中で3もとります。)

となる  方程式を解きます。

ここで角の範囲を必ず置き換えます より

この範囲で になるのは の2つ。それぞれ に戻すと

小さい順に は4、は2です。

【よくあるミス】  の動く範囲を書き換えず、 から のつもりで解くこと。置き換えたら範囲も置き換える——これを守らないと解を落としたり、余計な解を拾ったりします。

【定石】 合成は でくくり、残った係数を と読む。「最大の整数」は実数の最大値を出してから床をとる

第1問〔2〕 対数と指数の連立方程式

【問題】

連立方程式

を満たす実数 を求めよう。

【解答】

タ2 チ2 ツ2 テ1 ト1 ナ1 ニ1 ヌ8 ネ0 ノ9 ハ2 ヒ1 フ2 ヘ3 ホ4

(1) 真数条件と底の変換

【問題(再掲)】

真数の条件により、 のとり得る値の範囲はである。(⓪  ①  ②  ③  ④  ⑤ ) 底の変換公式により である。よって、②から …④ が得られる。

【型】対数を見たら、まず真数 を書き出す

【なぜこうするか】 対数の中身(真数)は正でなければならないので

かつ 、すなわち かつ

は②です。この条件は最後に解を選別するときに効いてきますので、忘れずに控えておきます。

次に底をそろえます。 なので底の変換公式から

は2です。これを②に入れると、 が打ち消し合って

差は商の対数なので

分母をはらって 、つまり

は2、は1です。

【定石】 対数方程式は「真数条件 → 底をそろえる → 1つの対数にまとめる」の順。 は頻出。

(2) 置き換えて2次方程式にし、範囲で解を絞る

【問題(再掲)】

次に、 とおき、④を用いて③を の方程式に書き直すと トナニヌ …⑤ が得られる。また、における の範囲を動くとき、 のとり得る値の範囲は…⑥ である。⑥の範囲で方程式⑤を解くと、となる。したがって、連立方程式②、③を満たす実数 の値は であることがわかる。

【型】指数を1文字におき、範囲も一緒に置き換える

【なぜこうするか】 まず④を③に代入して、 だけの式にします。 なので

指数を分解します。 なので、 とおくと

両辺を3倍して

トナは11、ニヌは18です。

ここからが本問の勝負どころ の範囲を求めます。 で、 なので 。底3は1より大きく単調増加なので

また指数関数は必ず正なので 。合わせて

は0、は9です。

⑤を因数分解すると

ところが は範囲 の外(境界は含まない)。したがって

は2です。真数条件が最後に効いて、2つの解のうち1つが消えました。

最後に を求めます。 の両辺の をとると 、つまり

は1、は2です。そして④から

は3、は4です。

【よくあるミス】  を採用してしまうこと。 すなわち を意味し、これは真数条件 の境界そのもので不適です。置き換えたら範囲も置き換え、最後に必ず戻って確認する

【定石】 指数方程式は とおいて2次方程式に は自動で付くが、元の変数の範囲から来る追加の制限を見落とさないこと。

第1問で身につけたい型

  • 誘導の最初の具体値は、あとの検算に使う
  • の1次式に直せる。次数が下がれば合成できる。
  • 合成は でくくる。「最大の整数」は実数の最大値から床をとる。
  • 置き換えたら範囲も置き換える。三角でも指数でも同じ。
  • 対数は「真数条件 → 底をそろえる → 1つにまとめる」
  • 置き換えの範囲が最後に解を選別する。2解のうち1つが消える設計は頻出。

第2問(必答・配点30) 3次関数と放物線の共通接線・面積

【問題】

を実数とし、関数 で極値2をとるとする。また、座標平面上の曲線 、放物線 、放物線 上の点 を A とする。ただし、 である。

【解答】

(1) ア0 イ0 ウ- エ3 オ1 カ- キ2

(2) ク- ケ2 コ2 サa シ2 ス3 セ3 ソ1 タ2

(3) チ3 ツa テa ト3 ナ1 ニ2 ヌb ネ2 ノ1 ハ2 ヒ5 フ3 ヘ2 ホ5

(1) 極値の条件2本から を決める

【問題(再掲)】

(1) 関数 で極値をとるので、である。これと より、ウエである。よって、で極小値カキをとる。

【型】「 で極値 」は の2本

【なぜこうするか】 「極値をとる」は導関数が0ということ。は0です。

条件を2本立てます。

1本目から 。これを2本目に入れると

したがって は0、ウエ です。関数が確定しました。

極小値を求めます。 なので、。上に凸・下に凸の切り替わりを見ると、 で極大、 で極小です。

は1、カキ です。

【検算】 数式処理で連立を解くと ✓。 を使うと で極大、 で極小と確認できます ✓。極大値も で条件どおりです。

【定石】  で極値 」は条件2本。未知数が2つなら決まる。極大か極小かは の符号で判定するのが速い。

(2)前半 放物線の接線と 切片

【問題(再掲)】

(2) 点 A における放物線 の接線を とする。 および 軸で囲まれた図形の面積 を用いて表そう。 の方程式は クケ …① と表せる。 軸の交点の 座標は である。

【型】接線は

【なぜこうするか】  を微分して での傾きは なので

展開します。 なので

クケは2です。

軸との交点は とおいて

なので で割れます。)は2です。

接点の 座標が 切片が 放物線の接線は、接点と頂点の中点で 軸を切る——頂点が原点なので、この位置関係になります。

【定石】  における接線は、 軸を で切る。図を描くときの目安になる。

(2)後半 面積を「引き算」で出す

【問題(再掲)】

軸および直線 で囲まれた図形の面積は である。よって、 である。

【型】求めたい図形を「大きい図形 − 三角形」に分解する

【なぜこうするか】  は上に凸で頂点が原点、 なので 軸より下にあります。まず から までの、 軸と に挟まれた部分の面積を出します。

は3、は3です。

求めたい は「 軸で囲まれた図形」。いま出した図形から、 より下の三角形を取り除けば になります。

その三角形の頂点は 。底辺は 、高さは なので

差をとって

ソタは12です。

【検算】 数式処理で 、三角形の面積 、差が であることを確認 ✓。

【定石】 接線がからむ面積は「引き算」で作る。放物線と接線と 軸なら、いつも の構造になる。

(3)前半 2つの接触条件から を結ぶ

【問題(再掲)】

(3) さらに、点 A が曲線 上にあり、かつ(2)の接線 にも接するとする。このときの(2)の の値を求めよう。A が 上にあるので、 である。 の接点の 座標を とすると、 の方程式は を用いて …② と表される。②の右辺を とおくと と因数分解されるので、 となる。

【型】「接する」=差が重解をもつ

【なぜこうするか】 まず A が 上という条件。 に入れて

なので で割れて 、つまり

は3、 です。

次に に接する条件。接点を とすると、 の接線は

定数項は なので

は3、は1、は2です。

ここで差の関数を作ります。

で接しているので を因数にもつはず。実際に割ると

は2です。

この因数分解が教えてくれることが大切です。 の共有点は (接点、重解)と の2つだけ。一方、点 A は 上にあって 上にもある( は A における の接線)。A は接点 とは別の点なので

【検算】 数式処理で を因数分解すると 、展開して元の式との差が0であることを確認しました ✓。

【定石】 3次と接線の差は 「(接点)」の2乗 ×「(もう一つの共有点)」。3次の係数が1なら、3つの根の和が0( の項がないから)なので、もう一つの共有点は と暗算で出せる。

(3)後半 傾きを比べて を決め、 を出す

【問題(再掲)】

①と②の表す直線の傾きを比較することにより、 である。したがって、求める の値は である。

【型】同じ直線を2通りに表したら、係数を比べる

【なぜこうするか】 ①と②は同じ直線 を別の文字で書いたもの。だから傾きが一致します。

ここに を代入して、 だけの式にします。

左辺 

右辺 

等号でつないで

左辺は なので

ノハは12、は5です。

最後に 。(2)で だったので、 を代入すると が1つ約分されます。

そのものではなく だけで書けるのがうれしいところ。 を入れると なので

は3、ヘホは25です。

【検算】 まず条件の確認から。どちらも正で、問題の条件 を満たします ✓。次に が本当に に接しているかを接点 で確かめると、値も傾きも一致しています ✓。最後に面積を数値積分で直接求めました。 から 軸と の間、 から の間として200万点で積分すると と一致しました ✓。

【定石】 同じ図形を2通りに表したら係数比較。文字が3つ()あっても、関係式2本で1文字に絞れる。最終的に だけで書けるかを意識すると計算が軽くなる。

第2問で身につけたい型

  • で極値 」は の2本
  • の接線は 軸を で切る(頂点が原点のとき)。
  • 接線がからむ面積は引き算で作る。放物線・接線・ 軸なら
  • 3次と接線の差は 「(接点)」の2乗 ×「(もう一つの共有点)」。根の和が0からもう一つが
  • 同じ直線を2通りに表したら係数比較
  • 最終式が だけで書けないかを意識する。

第3問(選択・配点20) 数列(階差・置き換え・3段構えの漸化式)

【問題】

初項が3、公比が4の等比数列の初項から第 項までの和を とする。また、数列 は、初項が であり、 の階差数列が数列 であるような数列とする。

【解答】

(1) ア1 イ5 ウ2

(2) エ4 オ1 カ1 キ4 ク1 ケ3 コ4 サ3

(3) シ- ス5 セ4 ソ3 タ3 チ4 ツ6 テ- ト3 ナ0 ニ2 ヌ- ネ9 ノ8 ハ8 ヒ3

(1) まず具体値を出す

【問題(再掲)】

(1) アイである。

【型】定義に従って第2項まで書き出す

【なぜこうするか】  は初項3・公比4の等比数列の和なので、第1項は3、第2項は12。

アイは15です。

は「階差数列が 」という定義。つまり です。 なので

は2です。

【定石】 「階差数列が 」= 。添字がずれやすいので、まず具体値で確かめておく。

(2) 等比数列の和と、階差から一般項へ

【問題(再掲)】

(2) の一般項は、それぞれ である。ただし、については、当てはまるものを次の⓪〜④から一つずつ選べ。同じものを選んでもよい。⓪  ①  ②  ③  ④

【型】/階差から

【なぜこうするか】 等比数列の和の公式に を入れます。分母の と分子の3が約分されるのが気持ちいいところ。

は4、は①、は1です。

次に 。階差数列の公式で のとき

和を2つに分けます。前半は等比の和、後半は定数の和。

したがって

と定数に分けると

は4、は①、は3、は4、は3です。

でも成り立つか確認します。。確かに ✓。階差から作った式は でしか保証されないので、この確認は必須です。

【検算】 定義どおりに漸化式で第8項まで計算すると 。公式 の値と8項すべて一致しました ✓。

【定石】 階差数列の公式は。和の上端が であることと、最後に を確認することの2点を必ず守る。

(3)前半 置き換えて、面倒な漸化式を素直な形にする

【問題(再掲)】

(3) 数列 は、初項が であり、漸化式 )を満たすとする。 の一般項を求めよう。そのために、 により定められる数列 を考える。 の初項はシスである。 は漸化式 )を満たすから、 は漸化式 )を満たすことがわかる。

【型】一般項を漸化式に戻して、 を消す

【なぜこうするか】 まず初項。 なので

シス です。

次に の漸化式。階差の定義から ですが、これでは が残ってしまいます。そこで(2)で求めた一般項を逆に使って で書き換えます

これを代入すると

は4、は3、は3です。指数が消えて、 だけの式になりました。

いよいよ の漸化式です。定義から 。元の漸化式より なので

中カッコを通分します(分母 )。

ここで分子が でくくれるのがこの問題の仕掛けです。 なので

さらに に分けて

は4、は6です。 が完全に消えて、ただの2項間漸化式になりました。

【検算】 元の漸化式から を第8項まで直接計算すると 。そこから を作ると 。この列が を満たすことを10項分すべて確認しました ✓。また も20項分成立しています ✓。

【定石】 指数を含む漸化式は、一般項を逆に使って指数を消す のように書き換えると、階差型が2項間漸化式になる。置き換え後に が消えるかどうかが、置き方が正しいかの判定基準。

(3)後半 2項間漸化式を解いて に戻す

【問題(再掲)】

よって、 の一般項は テトである。ただし、については、当てはまるものを次の⓪〜④のうちから一つ選べ。⓪  ①  ②  ③  ④  したがって、 の一般項から の一般項を求めると である。

【型】 は特性方程式で等比に持ち込む

【なぜこうするか】  は典型的な2項間漸化式。特性方程式 を解くと

両辺から を引く形にすると、公比4の等比数列になります。

初項は なので

テトは⓪()、は2です。

最後に を復元します。 について解くと

2つの一般項を代入します。

展開すると 打ち消し合います

指数を に揃えます。 なので

全体を でくくると

は9、は8、は8、は3です。

で確かめます。。初項と一致しました ✓。

【検算】 この一般項で から8まで計算すると 元の漸化式から直接計算した値と9項すべて一致しました ✓。さらに記号計算で を展開し、 との差がちょうど0であることも確認しています ✓。

【定石】  は特性方程式 が公比 の等比数列になる。置き換えて解いたら必ず定義式で元に戻す——戻すときに項が打ち消し合うのが、よく設計された問題の特徴。

第3問で身につけたい型

  • 「階差数列が 」= 。添字のずれに注意。
  • 。最後に を必ず確認。
  • 指数を含む漸化式は、一般項を逆に使って指数を消す
  • 置き換え後に が消えるかが、置き方が正しいかの判定基準。
  • は特性方程式で等比に持ち込む。
  • 置き換えたら定義式で元に戻す。項が打ち消し合うのが設計の妙。

第4問(選択・配点20) ベクトル(四角錐と等脚台形・垂線の足・体積)

【問題】

四角形 ABCD を底面とする四角錐 OABCD を考える。四角形 ABCD は、辺 AD と辺 BC が平行で、 を満たすとする。さらに、 として

であるとする。

【解答】

(1) ア9 イ0 ウ5 エ2

(2) オ- カ1 キ2 ク2 ケ1 コ2 サ0 シ6 ス0 セ2 ソ2 タ2 チ3 ツ3 テ2

(3) ト0 ナ1 ニ3 ヌ5 ネ5 ノ5 ハ1 ヒ6

(4) フ3 ヘ3 ホ3

(1) 内積が0=直角、そのまま面積へ

【問題(再掲)】

(1) アイ により、三角形 OAC の面積は である。

【型】 垂直

【なぜこうするか】 条件に がそのまま与えられています。0でないベクトル同士の内積が0なら、なす角は です。

アイは90です。

直角がわかれば面積は「底辺×高さ÷2」で終わりです。OA と OC が直交しているので

は5、は2です。

【定石】 与えられた内積のうち0のものは「直角のプレゼント」。三角比を経由せず、面積・体積の計算をいきなり簡単にしてくれる。

(2)前半 辺の長さと角は、すべて内積から出る

【問題(再掲)】

(2) オカ であるから、ケコサ である。

【型】 に直してから内積を展開

【なぜこうするか】 始点をすべて O に揃えるのが基本方針です。 と書き直します。

値を代入します。

オカ です。

長さは「2乗してから展開」。

どちらも も2です。

あとは内積の定義に戻すだけ。

より ケコサは120です。

【定石】 長さは2乗、角は内積の定義 を反射で書けるようにしておく。

(2)後半 等脚台形の性質から AD を BC で表す

【問題(再掲)】

さらに、辺 AD と辺 BC が平行であるから、シス である。よって、 であり

と表される。また、四角形 ABCD の面積は である。

【型】平行線の同側内角は和が

【なぜこうするか】  なので、辺 AB を横切る同じ側の内角は足して です。

という条件から、この四角形は等脚台形。したがって も同様に です。シスは60です。

次に AD の長さ。等脚台形を「上底=下底+両端の張り出し」と見ます。、底角が なので、両端の張り出しはそれぞれ 。よって

で向きも同じなので は2です。

これで D の位置ベクトルが出ます。

は2、は2です。

四角形 ABCD の面積は台形の公式。高さは なので

は3、は3、は2です。

【検算】 与えられた6条件を満たす具体的な座標 を作って確認しました。この座標で が成立し、 も一致 ✓。四角形の面積を2つの三角形(外積の大きさ)に分けて足すと ✓。

【定石】  かつ かつ 」=等脚台形。上底と下底の関係は底角の で張り出しを測ると即決する。

(3) 垂線の足は「2つの直交条件」で決める

【問題(再掲)】

(3) 三角形 OAC を底面とする三角錐 BOAC の体積 を求めよう。3点 O、A、C の定める平面 上に、点 H を が成り立つようにとる。 は三角錐 BOAC の高さである。H は 上の点であるから、実数 を用いて の形に表される。 により、 である。よって、 が得られる。したがって、(1)により、 であることがわかる。

【型】未知数2個=直交条件2本の連立

【なぜこうするか】 垂直の定義から、内積はどちらも0です。は0です。

を代入して、2本の式を立てます。

よって は1です。

よって は3、は5です。ここで のおかげで2式が連立にならず、それぞれ独立に解けるのが効いています。

高さを求めます。 を2乗して

よって は5、は5です。

体積は(1)の底面積と組み合わせて

は1、は6です。

【検算】 先ほどの座標で を連立して解くと ✓。さらに、まったく別の方法としてスカラー三重積 を計算しても ✓。垂線を経由せずに一致しました。

【定石】 平面 上の点は 、垂線条件は内積2本。未知数の個数と条件式の本数が一致していることを確認してから計算に入る。

(4) 底面を2つの三角形に割って倍率を出す

【問題(再掲)】

(4) (3)の を用いると、四角錐 OABCD の体積は と表せる。さらに、四角形 ABCD を底面とする四角錐 OABCD の高さは である。

【型】頂点共通なら、体積比=底面積比

【なぜこうするか】 四角錐 OABCD を、対角線 AC で2つの三角錐 OABC と OACD に切り分けます。どちらも頂点は O で共通なので、体積の比は底面 の面積比そのものです。

この2つの三角形は、平行線 AD と BC にはさまれているので高さが等しい。よって面積比は底辺の比、つまり

三角錐 OABC は三角錐 BOAC と同じものなので体積 。したがって三角錐 OACD は

四角錐 OABCD の体積は

は3です。

最後に高さ。四角錐の体積は 、底面積は(2)で求めた なので、高さを として

は3、は3です。

【検算】 座標から三角錐 OABC と OACD の体積をそれぞれ三重積で計算して足すと 。これは と一致 ✓。そこから ✓。

【ミスの罠】 「四角錐の高さ」を と混同しないこと。(3)の高さは底面が のときの高さで、(4)は底面が四角形 ABCD。底面を変えれば高さも変わる——同じ立体でも、どの面を底面と見るかで数値はまったく別物になります。

【定石】 体積は「底面をどう選ぶか」で難易度が変わる。求めにくい高さは、体積を先に別ルートで出してから逆算する。

第4問で身につけたい型

  • 内積が0=直角。面積・体積計算が一気に楽になる。
  • 長さは2乗、角は内積の定義に戻す。
  • 等脚台形は底角の で張り出しを測り、上底と下底の関係を出す。
  • 平面上の点は 、垂線条件は内積2本
  • 頂点共通の立体は、体積比=底面積比
  • 高さは体積から逆算できる。底面を変えれば高さも変わることに注意。

第5問(選択・配点20) 確率分布と統計的な推測(正規分布・二項分布・信頼区間)

【問題】

以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて正規分布表を用いてもよい。

【解答】

(1) ア7 イ4 ウ3 エ2 オ6

(2) カ1 キ4 ク0 ケ8 コ4 サ0 シ3 ス7

(3) セ0 ソ6 タ9 チ0 ツ2

(1) 期待値・分散の変換公式を淡々と使う

【問題(再掲)】

(1) ある食品を摂取したときに、血液中の物質 A の量がどのように変化するか調べたい。食品摂取前と摂取してから3時間後に、それぞれ一定量の血液に含まれる物質 A の量(単位は mg)を測定し、その変化量、すなわち摂取後の量から摂取前の量を引いた値を表す確率変数を とする。 の期待値(平均)は 、標準偏差は とする。このとき、 の期待値は アイである。また、測定単位を変更して とすると、その期待値は 、分散は となる。

【型】 を移項して使う

【なぜこうするか】 分散の定義式を について解いた形が、そのまま答えになります。

アイは74です。

次に 。期待値は1次式なので係数がそのまま外に出ます

は3です。

分散は係数が2乗で効きます。ここが期待値との決定的な違いです。

は2、は6です。

【ミスの罠】 2乗を忘れて としてしまうミスが多発します。標準偏差なら 倍、分散なら 。単位を1000倍したらバラつきの「面積」は 倍、と物理的にイメージすると忘れません。

【定石】 。この3本を機械的に区別できるようにしておく。

(2)前半 標準化して正規分布表を引く

【問題(再掲)】

(2) (1)の が正規分布に従うとするとき、物質 A の量が減少しない確率 を求めよう。この確率は であるので、標準正規分布に従う確率変数を とすると、正規分布表から、次のように求められる。クケ ……①

【型】 で標準化

【なぜこうするか】 問題文がすでに という形を用意してくれています。これは の標準化そのもの。左辺の不等式 に同じ操作をします。

は1、は4です。

正規分布表は の値が載っているので、 の欄を引くと 。求めたいのは右側の裾なので

小数第2位までとすると クケは08です。

【検算】 正規分布表を使わずに誤差関数で直接計算すると 表の値と小数第4位まで一致しました ✓。

【定石】 正規分布表は「0から まで」の値。求めたいのが右の裾なら (表の値)、左の裾なら対称性で読み替える。いま表のどの部分を見ているかを毎回図で確認する。

(2)後半 二項分布の期待値と標準偏差

【問題(再掲)】

無作為に抽出された50人がこの食品を摂取したときに、物質 A の量が減少するか、減少しないかを考え、物質 A の量が減少しない人数を表す確率変数を とする。 は二項分布 に従うので、期待値は 、標準偏差は となる。ただし、クケは①で求めた小数第2位までの値とする。

【型】 なら

【なぜこうするか】 「50人それぞれについて、減少しないか(確率 )/減少するか」という独立な試行の反復なので、 は二項分布 に従います。

は4、は0です。

分散は

解答欄 小数第1位までなので、 を四捨五入して

は3、は7です。

【ミスの罠】 計算値 をそのまま書こうとして解答欄に入らず慌てるパターン。マーク欄の桁数は「どこで丸めるか」の指示です。桁が合わないときは、計算ミスを疑う前にまず解答欄の桁数を見る

【検算】  を再計算して一致 ✓。参考までに丸める前の 、丸めた で、実用上の差はごくわずかです。

【定石】  回中、条件を満たす個数」ときたら二項分布 は無条件で使える。

(3) 標本平均の分布から信頼区間をつくる

【問題(再掲)】

(3) (1)の食品摂取前と摂取してから3時間後に、それぞれ一定量の血液に含まれる別の物質 B の量(単位は mg)を測定し、その変化量、すなわち摂取後の量から摂取前の量を引いた値を表す確率変数を とする。 の母集団分布は母平均 、母標準偏差6をもつとする。 を推定するため、母集団から無作為に抽出された100人に対して物質 B の変化量を測定したところ、標本平均 の値は であった。このとき、 の期待値は 、標準偏差は である。 の分布が正規分布で近似できるとすれば、 は近似的に標準正規分布に従うとみなすことができる。正規分布表を用いて となる確率を求めると タチとなる。このことを利用して、母平均 に対する信頼度タチ%の信頼区間、すなわち、タチ%の確率で を含む信頼区間を求めるととなる。に当てはまる最も適当なものを、次の⓪〜③のうちから一つ選べ。⓪  ①  ②  ③

【型】(標本平均の標準偏差)

【なぜこうするか】 標本平均は「 個の平均」なので、バラつきは 分の1に縮みます。

は0、は6です。100人も測れば、1人ずつの標準偏差6が0.6まで小さくなる——これが「たくさん測ると精度が上がる」ことの数式表現です。

次に信頼度。正規分布表で を引くと 。左右対称なので

タチは90です。つまり信頼度90%の区間を作ります。

について解きます。

を代入して

小数第1位で丸めると 。選択肢②が最も適当です。は2です。

【検算】 誤差関数で を確認(表の値と一致)✓。区間の端点 と各選択肢の差を並べると、⓪は 、①は 、②は 、③は ②が圧倒的に近いことが数値でも確認できました ✓。

【定石】 信頼区間は「標本平均 ± 。信頼度95%なら 、90%なら 、99%なら 。この3つは覚えておくと表を引く手間が省ける。

第5問で身につけたい型

  • 。分散の定義を移項するだけ。
  • 。分散は2乗で効く。
  • 標準化 、正規分布表は「0から まで」の値。
  • 。標本を増やすとバラつきは 分の1。
  • 信頼区間は「標本平均 ± は 1.64/1.96/2.58。
  • マーク欄の桁数は丸めの指示。桁が合わないときはまず解答欄を見る。

解いたあとに読むページ

共通テスト数学の時間配分と解き方|70分で解き切る34の技術配点から逆算した時間配分表(通過時刻つき)、マーク式だから使える技術12、計算を速くする技術14、検算の技術8。数学II・B・Cの選択問題をどう選ぶかと、2025年度・2026年度の本試験に実際に出た4つの傾向まで。

年度別の解説で「解けなかった」のか、「解けたが間に合わなかった」のかを分けてください。前者なら下の型のページ、後者なら上の時間配分のページが効きます。

「接する」を、式でどう書くか ─ 自作演習4問

第2問は3次関数と放物線の共通接線でした。本文では「2つの接触条件から を結ぶ」と進めていますが、「接する」の書き方が何通りあって、どれを選ぶと速いのかは書かれていません。実際には3通りあり、使える場面が違います

書き方 式の形 使える場面
①判別式が0 差が2次式のときだけ
②接点を とおく 値が一致+傾きが一致の2本 いつでも使える
③差が で割り切れる 係数比較 3次以上でも使える

①は2次までの特権です。3次関数の接線を判別式で処理しようとして止まる ─ これがこの分野でいちばん多い詰まり方です。②と③はいつでも使えるので、迷ったらそちらへ逃げてください。4問で、3通りが同じことを言っていること、そして①が使えなくなる境目を確かめます。

※以下の4問と数値は、すべて数強塾で作成したオリジナルです。試験の問題文・選択肢・図表は使っていません。

類題1 同じ条件を、3通りで書く

放物線 と直線 が接するための条件を、次の3つの方法でそれぞれ求め、一致することを確かめなさい。

  1. 判別式を使う
  2. 接点の 座標を とおく
  3. 差が完全平方になる条件として書く

解答

(1) が重解をもてばよいので

(2) 値が一致:、傾きが一致:。2本目から 、1本目に入れて このとき

(3) と係数を比べて 。(2) と同じです。

3通りとも同じ答えにたどり着きます。違うのは途中に文字 が出るかどうかだけ。①は を消した形、②③は を残した形です。接点の位置まで聞かれているなら②③、条件だけでよいなら①と選べば、余分な計算をしません。

判別式がなぜ なのかは なぜ判別式はb²−4acなのか、接線を「傾き1つ」に翻訳する見方は 高校数学 微分法(数II)|接線の傾き1つに翻訳すれば、増減も解の個数も同じ問題になる にあります。

類題2 3次関数では、判別式が使えない

における接線を とする。

  1. で表しなさい。
  2. 曲線と接線の差を因数分解しなさい。
  3. 接点以外の交点の 座標を求めなさい。
  4. のとき、(1)〜(3) の値を確かめなさい。

解答

は3次式で、 で接するので で割り切れます。もう1つの解を として

右辺を展開すると の係数を比べて 、すなわち

残りを比べて 。差は です。

差の因数分解 接点以外の交点
1 0
2 9

の係数を比べるだけで が出るのが、この方法のいちばんおいしいところです。3次方程式を解く必要はありません。「接点の反対側の交点は、接点の 倍の位置」という関係が、 を計算する前に分かります。

判別式で行こうとすると:3次方程式の判別式は高校範囲では扱いません。「重解をもつ条件」を判別式で書けるのは2次までです。3次以上では③( で割り切れる)に切り替える ─ この切り替えができるかどうかが、第2問のような問題の分かれ目です。

類題3 2つの曲線が接するとき、共通接線は何本か

放物線 について答えなさい。

  1. 2つが接するための の条件を求めなさい。
  2. のときの と接点を求めなさい。
  3. そのとき、両方に接する直線は何本あるか。

解答

(1) 差は で2次式なので、判別式が使えます。

(2) なら 。接点は より 。値はどちらも 、傾きもどちらも です。

(3) での接線は での接線は 。同じ直線になる条件は

1本目から 。2本目は で、 より 。よって の解で

共通接線は の1本だけです。しかもそれは2曲線の接点における接線そのもの の2次方程式が重解になったのは偶然ではなく、2曲線が接しているときは共通接線が1本に退化するためです。離れていれば2本、交わっていれば1本も無い ─ 共通接線の本数が、2曲線の位置関係を教えてくれます

確かめておきます。どちらも の定数倍で、たしかに両方に接しています。円の接線の直交性は なぜ接線と半径は垂直になるのか、接線・変化率・増減を1つの話として見る視点は 【第22章】微分の直観──変化率・接線・増減はひとつの話 にあります。

類題4 接点の位置を指定されたら、条件は2本

で接するとき、 を求めなさい。また、接点以外の共有点があるか調べなさい。

解答

接点が指定されているので、条件は値と傾きの2本です。

条件 結果
値が一致
傾きが一致
合わせて

このとき差は 接点以外の共有点は で、そこでの値はどちらも です。

未知数2つに対して条件が2本、だから答えが1組に決まりました。もし接点の位置が指定されていなければ、未知数は の3つで条件は2本 ─ 1つぶん自由度が残るので、答えは を含む形になります。「何が決まるか」は、未知数の数と条件の本数を数えれば手を動かす前に分かります。

まとめ:接するとは、差が で割り切れること

問われ方 使う書き方 条件の本数
2次と直線が接する条件 ①判別式(いちばん速い) 1本
接点の位置も聞かれている ②接点を とおく 2本(値・傾き)
3次以上が絡む で割り切れる 係数比較で必要なだけ
2曲線が接する 差をとって①か③ 1本
接点が指定されている ②をそのまま 2本で決まる

5つの行はすべて「差が で割り切れる」の言い換えです。判別式が0というのは、2次式が の定数倍になるということ。値と傾きが一致というのは、差とその微分が同時に0になるということ ─ これも で割り切れることと同じです。覚えるのは1つで、書き方を3つ持っておくのが速さにつながります。

接線がらみの面積は 6分の1公式は試験で使っていい|証明・面積の求め方・減点されない答案の書き方【数学II】、極値の判定は 極大・極小の判定|増減表で符号の変化を確かめる。極値と最大値の違い・係数決定まで、分野の積み上げ方は 微分積分 学習ロードマップ|面積公式の「なぜ」から数学IIIの体積・評価まで一本でつなぐ地図 にまとまっています。

他の年度・他の科目の全問解説

共通テスト2024〜2026年度(本試験・追試験)とセンター試験2015〜2020年度を、全問の解答解説つきで公開しています。年度をまたいで同じ型を当てると定着が速くなります。

共通テスト・センター試験 数学の全問解説(23回分の一覧) / 共通テスト数学の時間配分と解き方 / 解法パターン事典で型を引く

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