共通テスト対策

センター試験2020 数学Ⅱ・B 全問解説|令和2年度 本試験【数強塾】

数強塾のプロ講師陣

今日の一問
次の問いに答えなさい。
三角関数の加法定理と合成を使って不等式を解き、続いて \(\sin\theta\) と \(\cos\theta\) が2次方程式の解になる場合を考える。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

2020年(令和2年度)大学入試センター試験 本試験の数学Ⅱ・数学Bについて、問題文をTeXで再掲したうえで、全問の解答と解説を掲載します。執筆は数強塾代表・藤原進之介です。

2020年はセンター試験の最終回です。翌2021年から大学入学共通テストに切り替わりましたが、問われている解法の型そのものは今も有効で、共通テスト対策の演習素材として十分に使えます。

解答はすべて大学入試センターが公表した正解表と突き合わせ、全問一致を確認したうえで公開しています。加えて、各小問に数式処理や総当たり計算による独立検算をつけました。

第1問から第5問まで全30問を公開しています(第1問・第2問が必答、第3問〜第5問は3問中2問選択)。

この記事の目次

  1. 第1問〔1〕(必答・配点30のうち) 三角関数(加法定理・合成・解と係数の関係)
  2. 第1問〔2〕 指数と対数
  3. 第2問(必答・配点30) 2つの放物線の共通接線と面積
  4. 第3問(選択・配点20) 数列(置き換えで階差型に持ち込む)
  5. 第4問(選択・配点20) 空間ベクトル(平面上の点と四面体の体積)
  6. 第5問(選択・配点20) 確率分布と統計的な推測(図書館の利用状況)

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すべての年度・科目の一覧は大学入試 数学 過去問の全問解説ハブにまとめています。

第1問〔1〕(必答・配点30のうち) 三角関数(加法定理・合成・解と係数の関係)

【問題】

三角関数の加法定理と合成を使って不等式を解き、続いて が2次方程式の解になる場合を考える。

【解答】

(1) ア3 イ2 ウ3 エ3 オ2 カ3 キ5 ク3

(2) ケ1 コ2 サ4 シ5 ス3 セ5 ソ3

(1)前半 加法定理でばらし、合成で1つにまとめ直す

【問題(再掲)】

(1) のとき …① となる の値の範囲を求めよう。加法定理を用いると である。よって、三角関数の合成を用いると、①は と変形できる。

【型】いったん にばらしてから合成し直す

【なぜこうするか】 角がずれていて直接比べられません。そこで加法定理で展開し、共通の に揃えます。

を代入して

は3、は2、は3です。

これで①は

右辺をすべて左辺へ移します。 なので

ここで右辺を合成します。 と読み替えると

したがって①は は3です。

【検算】 数式処理で を簡約するとちょうど になりました ✓。だから①は 、すなわち です。

【定石】 角がバラバラなら、まず加法定理で に統一する。そのうえで の合成で1つにまとめる。この「ばらす→まとめる」の往復が三角関数の基本動作。

(1)後半 合成後の角の範囲に直す

【問題(再掲)】

したがって、求める範囲は である。

【型】 を1つの変数と見て、範囲ごとずらす

【なぜこうするか】  とおきます。 の範囲も一緒にずらすのがポイント。

この範囲で となるのは 。( の動く範囲は から までなので、 を超えた先は の領域で該当しません。)

に戻すと

は2、は3、は5、は3です。

【検算】 数式処理で不等式①を 上で直接解かせたところ、解は開区間 、数値では でした ✓。

【よくあるミス】  の範囲をずらし忘れて、 のまま と答えること。置き換えたら範囲も置き換える——これを徹底しないと三角不等式は必ず落とします。

(2)前半 解と係数の関係と

【問題(再掲)】

(2) とし、 を実数とする。 の2次方程式 の解であるとする。このとき、解と係数の関係により の値を考えれば、ケコであることがわかる。

【型】 を橋渡しに使う

【なぜこうするか】 解と係数の関係から、2つの解の和と積がすぐ出ます。

この2つは無関係ではありません。 が両者を結びつけます

代入して

両辺を25倍すると 、よって ケコは12です。

【定石】  はセット。片方がわかればもう片方も決まる((和)(積))。「和と積」を扱う解と係数の関係と相性が抜群。

(2)後半  を確定し、 の位置を絞る

【問題(再掲)】

さらに、 を満たすとすると、 である。このとき、を満たす。(の解答群)⓪  ①  ②  ③  ④  ⑤

【型】2次方程式を実際に解いて、大小条件で振り分ける

【なぜこうするか】  が決まったので、方程式そのものが解けます。

解の公式で

よって

という条件から、大きいほうが です。

は4、は5、は3、は5です。おなじみの3:4:5の直角三角形が出てきました。

最後に の位置。選択肢の境界は です。

厳密な角度を出さなくても判定できます なので (45°より大きい)。一方 で、 はこれより小さいので (60°より小さい)。

これは選択肢③の範囲に含まれます。は③です。

【検算】  ラジアン 。6つの選択肢の区間を順に判定すると、該当するのは③(45°以上60°未満)だけでした ✓。 も確認済みです。

【定石】 角度の範囲を選ぶ問題は境界の の値と比べるだけでよく、逆三角関数の値を求める必要はない。 の大小は が境目。

第1問〔2〕 指数と対数

【問題】

(1) 指数の対称式を、次数を上げながら順に求める。(2) 対数の連立不等式を の1次不等式に直して考える。

【解答】

(1) タ1 チ1 ツ1 テ3 ト- ナ3 ニ6

(2) ヌ2 ネ1 ノ0 ハ3 ヒ- フ4 ヘ7 ホ5

(1) 2乗して次数を上げていく

【問題(再掲)】

(1) は正の実数であり、 を満たすとする。このとき タチである。さらに トナニである。

【型】 がわかったら、2乗して

【なぜこうするか】  とおくと なので、条件は 。これは対称式の典型です。

2乗すると、真ん中の項が定数になるのがポイント。

なので タチは11です。

次に 。今度は足すほうの2乗を作ります。真ん中の符号だけが変わります。

なので 、したがって

ツテは13です。符号の決定に を使うことを忘れないでください。

最後に 。これは にあたるので、3乗の因数分解を使います。

すでに求めた値を入れて

トナニ です。

【検算】  を解くと で、 より として直接計算すると、)、3つとも一致しました ✓。

【定石】  型の対称式は2乗すれば次数が上がる もセットで覚える。平方根を外すときは符号の根拠を必ず書く

(2)前半 対数の連立不等式を1次不等式に翻訳する

【問題(再掲)】

(2) は正の実数とする。連立不等式 …②、 …③ について考える。 とおくと、②はネノ…④ と変形でき、③はヒフ…⑤ と変形できる。

【型】底を3に揃えてから、対数の公式で1次式にする

【なぜこうするか】 ②から。 に注意して分解します。

分数を嫌って両辺を2倍すると

は2、ネノは10です。

③は底が81なので、まず底の変換をします。 なので

したがって

両辺を4倍して 。問題の形( を掛けると不等号が逆向きになります。

は3、ヒフ です。

【よくあるミス】  のつもりで扱って、 を掛け忘れること。底が違う対数が混ざったら、まず底を揃えるのが最優先です。

【定石】 底の変換公式 は特によく出る形。

(2)後半 最大の整数値を求める

【問題(再掲)】

が④と⑤を満たすとき、 のとり得る最大の整数の値はである。また、 が②、③と を同時に満たすとき、 のとり得る最大の整数の値はである。

【型】 を消して の上限を出す/逆に を固定して を挟む

【なぜこうするか】 ④と⑤を について解き直すと、どちらも「 の上からの制限」になります。

この2つの小さいほう以下。そして は自由に選べるので、 が最大になるのは2つの上限が一致するときです(片方だけ大きくしても、もう片方が足を引っ張る)。

このとき

なので、 のとり得る最大の整数は7は7です。

次に (つまり )に固定して、 を挟みます。

よって 、つまり 。対数を外すと

なので、 のとり得る最大の整数は5は5です。

【検算】  から5まで100万点に刻んで の最大を調べると )で、最大の整数は7 ✓。さらに対数を使わず元の不等式②③で直接確かめました。 に固定して を乱数で40万点発生させ、②③を両方満たすものだけ残すと、 の最大は (該当88515点)。 と一致し、整数では5です ✓。

【定石】 2つの上限がある量の最大は「上限どうしが交わる点」。線形計画法の最も基本的な形。「最大の整数」と問われたら、まず実数での上限を出してから床関数をとる

第1問で身につけたい型

  • 角がバラバラなら加法定理でばらし、合成でまとめ直す
  • 置き換えたら範囲も置き換える なら の動く範囲を書き直す。
  • はセット。(和)(積)。
  • 角度の範囲は境界の と比べるだけ。逆三角関数は不要。
  • は2乗して次数を上げる。平方根を外すときは符号の根拠を書く。
  • 底が違う対数はまず底を揃える
  • 2つの上限がある量の最大は、上限どうしの交点

第2問(必答・配点30) 2つの放物線の共通接線と面積

【問題】

とし、 とおく。座標平面上で、放物線 、放物線 とする。また、 の両方に接する直線とする。

【解答】

(1) ア2 イ2 ウ1 エ2 オ4 カ2 キ4 ク1 ケ0 コ2 サ2 シ1

(2) スa セ3 ソ3 / (3) タ1 チ1 ツ3 テ2 ト4 ナ2 ニ1 ヌ3 / (4) ネ2 ノ3 ハ2 ヒ2 フ7

(1)前半 接点を文字でおいて、接線を2通りに書く

【問題(再掲)】

(1) の方程式を求めよう。 は点 において接するとすると、 の方程式は …① である。また、 は点 において接するとすると、 の方程式は …② である。

【型】共通接線は「接点を別々の文字でおいて、同じ直線だと連立」

【なぜこうするか】 1本の直線が2つの曲線に接するとき、接点は当然別の場所です。そこで接点を という別の文字でおき、それぞれから接線を書き下します。

  を微分して での傾きは なので、接線は

展開して整理します。 の項以外を集めると

は2、は2、は1です。

  での傾きは なのでは2、は4、は2。接線は

定数項を計算します。 なので

きれいに打ち消し合うのが気持ちいいところ。

は4、は1です。

【定石】 点 における接線は 。共通接線の問題は接点を2文字でおくのが出発点。

(1)後半 「同じ直線」=「傾きも切片も一致」

【問題(再掲)】

ここで、①と②は同じ直線を表しているので、 が成り立つ。したがって、 の方程式は である。

【型】2直線が一致 ⟺ 傾きが等しく、切片も等しい

【なぜこうするか】 ①と②は同じ直線なので、 の係数どうし、定数項どうしが等しい。2本の式が立ちます。

1本目から 、つまり

2本目を整理すると 。ここに を代入します。

左辺を展開すると なので

なので で割れて は2です。そして

は0。 の値によらず接点はいつも の頂点 だとわかりました。

①に を代入して

は2、は1です。 が消えて によらない固定の直線——これが以降の計算を軽くしてくれます。

【検算】 数式処理で①と②を連立させると解は のみ。そこから が得られました ✓。

【よくあるミス】  から とするとき、 の確認を飛ばすこと。ここでは問題文に とあるので割れますが、文字で割るときは必ず0でない根拠を書く癖をつけてください。

(2) 差の関数が完全平方になることに気づく

【問題(再掲)】

(2) 二つの放物線 の交点の 座標はである。 と直線 、および直線 で囲まれた図形の面積を とすると、 である。

【型】接する2曲線の差は、接点で重解をもつ=完全平方

【なぜこうするか】 まず交点。 を等号で結びます。 が両辺にあるので消えて1次方程式になります。

です。

次に面積。ここで差の関数を作ります。

驚くほどきれいです。これは で接しているから当然で、接するなら差は完全平方になります。ついでに 側も見ておくと

こちらも完全平方で、接点は 。(1)の結果と一致しています。

求める面積は から までの の積分(この範囲で )。

は3、は3です。

【検算】  を因数分解させると 、交点は のみ、 を数式処理で確認 ✓。 として数値積分すると で一致しました ✓。

【定石】 曲線と接線の差は完全平方=(最高次の係数)×「(接点)」の2乗。積分がとても軽くなるので、面積問題では真っ先に差を作る。

(3)  の大小で場合分けして面積を出す

【問題(再掲)】

(3) とする。二つの放物線 と直線 で囲まれた図形の中で を満たす部分の面積 は、のとき、 の値によらず であり、のとき である。

【型】積分区間の中で「上の境界がどこで切り替わるか」を見る

【なぜこうするか】 まず図形の形を押さえます。 は下の境界で、上の境界は2つの放物線のうち低いほう

  • が上の境界(高さは
  • が上の境界(高さは

切り替わりが起きるのは交点 。求めたいのは の部分なので、 が1より大きいか小さいかで話が変わります

のとき 区間 はまるごと に入るので、上の境界はずっと

が消えました。は1、は1、は3です。

のとき 区間 の途中 で境界が切り替わるので、2つに分けます。

第1項は 。第2項は

合わせると

を代入して

は2、は4、は2、は1、は3です。

【検算】 境界の を代入すると で、 の場合の値とちょうどつながります ✓。さらに として、 を200万点に刻み「2つの放物線の低いほう 」を数値積分したところ 。式の値も で一致しました ✓。

【定石】 積分区間内で上の境界が入れ替わる点を見つけ、そこで区間を分ける。場合分けの境界値で両方の式が一致するかを必ず確認すると、計算ミスがほぼ確実に見つかる。

(4) 3次関数の最大値を微分で求める

【問題(再掲)】

(4) 次に、(2)、(3)で定めた に対して、 とおく。の範囲を動くとき、 で最大値 をとる。

【型】微分して増減表、範囲内の極大値と端点を比べる

【なぜこうするか】  の範囲なので、(3)の後半の式を使います。

微分します。

とおくと 。解の公式で

よって 。範囲 に入るのは だけ は範囲外)。

は上に凸の放物線なので、2解のあいだで正、そとで負。範囲内では の前が正、後が負なので、ここで極大かつ最大です。

分母を27にそろえて

は2、は3、は2、ヒフは27です。

【検算】 数式処理で の解が を確認 ✓。さらに から まで100万点に刻んで総当たりしたところ、最大は )。 と一致しました ✓。

【定石】 閉区間での最大最小は「極値の候補」と「両端」を全部比べる。導関数が2次式なら、その符号は「解のあいだ/そとがわ」で機械的に決まる。

第2問で身につけたい型

  • 共通接線は接点を2文字でおく。接線は
  • 2直線が一致 ⟺ 傾きと切片が両方一致。連立2式が立つ。
  • 曲線と接線の差は完全平方。面積計算が劇的に軽くなる。
  • 積分区間内で上の境界が入れ替わる点を見つけて区間を分ける。
  • 場合分けの境界値で式が一致するか確認する。計算ミスがすぐ見つかる。
  • 閉区間の最大最小は極値の候補と両端をすべて比べる

第3問(選択・配点20) 数列(置き換えで階差型に持ち込む)

【問題】

数列 は、初項 が0であり、 のとき次の漸化式を満たすものとする。

【解答】

(1) ア6 / (2) イ0 ウ1 エ1 オ2 カ3 キ1 ク2 ケ1 コ1 サ1 シ6 ス1 セ2 ソ2 タ3 チ1

(3) ツ3 テ1 ト4 ナ1 ニ2 ヌ2 / (4) ネ1 ノ0 ハ0 ヒ1

(1) まずは代入して第2項を出す

【問題(再掲)】

(1) である。

【型】漸化式に を代入するだけ

【なぜこうするか】 ①に を入れます。

は6です。

この漸化式は係数が に依存し、しかも という2種類の余計な項が付いている——そのままでは手が出ません。(2)以降の置き換えが、この複雑さをどう解消するかが見どころです。

【定石】 漸化式の問題はまず数項を実際に計算する。一般項を出したあとに突き合わせる材料になるうえ、規則性が見えることも多い。

【検算】 漸化式のまま第10項まで計算すると 。第2項は確かに6です ✓。

(2)前半 与えられた式で割ると、階差型に化ける

【問題(再掲)】

(2) とおき、数列 の一般項を求めよう。 の初項 である。①の両辺を で割ると を得る。ただし、とする。したがって である。

【型】指示された式で両辺を割り、 の形を作る

【なぜこうするか】 まず初項。は0です。

次が本題。なぜ で割るのか——それは、左辺 をこれで割るとちょうど になるからです。

の定義の に置き換えた形です。)右辺も同じもので割ります。分子の が、分母の 約分で消えるのがポイント。

3つの項に分けて、それぞれ整理します。

したがって

は1、は1、は2、は3です。面倒だった が完全に消えて、きれいな階差型になりました。

あとは部分分数分解。

は1です。

【検算】 漸化式から直接 を得ました。階差の式で ✓ 一致します。

【定石】  とおけ」と指示されたら、両辺をその分母で割るのが常道。左辺が になるように割る式を選ぶ——だから を1つずらした分母になる。

(2)中盤 2種類の和を別々に計算する

【問題(再掲)】

を2以上の自然数とするとき が成り立つ。

【型】部分分数の和は望遠鏡、等比の和は公式

【なぜこうするか】 1つ目は望遠鏡和(次々に打ち消し合う和)です。

中間がすべて消えて、最初と最後だけが残ります。

は2、は1、は1です。

2つ目は等比数列の和。初項 、公比 、項数 です。

ここで に直すと

は1、は6、は1、は2です。指数を に揃えるこの一手間が、答えの形を合わせる鍵です。

【検算】  の4通りで両方の和を分数のまま計算し、公式の値と照合しました。望遠鏡和は 、等比和は すべて一致 ✓。

【定石】  で部分分数分解 → 望遠鏡和。等比の和は指数を答えの形に揃えるまで整理する。

(2)後半 階差から一般項へ

【問題(再掲)】

が成り立つことを利用すると が得られる。これは のときも成り立つ。

【型】

【なぜこうするか】 階差数列の基本公式です。 なので

前2項をまとめます。通分の分母は

分子・分母を2で約分して

したがって

は2、は3、は1です。

問題文の「これは のときも成り立つ」も確かめておきます。 ✓。階差から作った式は でしか保証されないので、この確認は必須です。

【検算】 漸化式から直接計算した から10)と、この一般項の値が10項すべて一致しました ✓。

【よくあるミス】  の符号を落として のままにすること。階差の式にマイナスで入っている項があるので、和を引くのを忘れないように。

(3)  から に戻す

【問題(再掲)】

(3) (2)により、 の一般項は で与えられる。ただし、とする。このことから、すべての自然数 について、 は整数となることがわかる。

【型】置き換えの定義式を逆に使って戻す

【なぜこうするか】  だったので、逆に

ここに を代入し、2項に分けて計算します。

第1項  では が約分され、

和と差の積 にまとまるのが気持ちいいところ。

第2項  では が打ち消し合って

合わせて

は3、は1、は4、は1、は2、は2です。

が整数」も納得できます。第1項は明らかに整数。第2項の 連続する2整数の積を2で割ったもので、連続2整数には必ず偶数が含まれるので割り切れます(三角数)。

【検算】 この一般項で から8まで計算すると 漸化式から直接求めた値と完全に一致しました ✓。

【定石】 置き換えて解いたら必ず定義式で元に戻す。戻すときに が約分で消えていく——うまく設計された問題ほど、ここがきれいに片づく。

(4) 3で割った余りの周期性

【問題(再掲)】

(4) を自然数とする。 を3で割った余りはそれぞれである。また、 の初項から第2020項までの和を3で割った余りはである。

【型】3の倍数になる項を切り離し、残りだけを調べる

【なぜこうするか】 一般項をもう一度見ます。

第1項は なら3の倍数 以上だから)。したがって余りを決めるのは第2項だけです。

を3で割った余りで分けて調べます。三角数 が3増えるごとに同じパターンを繰り返します。

  • 。実際に で計算すると で、いずれも3で割った余りは1
  • 。いずれも3で割り切れる(余り0)
  • 。こちらも余り0

は1、は0、は0です。( は第1項が で例外に見えますが、 なので余り0。 の規則にちゃんと従います。)

最後に和。余りが1になるのは が3の倍数のときだけなので、 から までに3の倍数がいくつあるかを数えれば済みます。

なので、3の倍数は 673個です。

残りの項はすべて余り0なので

なので余りは1。は1です。

【検算】 一般項を使って を実際に計算し(各項は巨大な整数になります)、3で割った余りを求めると1でした ✓。項数の内訳も が673個、 が674個、 が673個で、 と整合しています ✓。

【定石】 余りの問題は「3の倍数になる部分」を切り離すのが第一手。残った部分だけを で場合分けすれば、周期がすぐ見える。和の余りは「余りが0でない項が何個あるか」を数えるだけ。

第3問で身につけたい型

  • とおけ」は両辺をその分母で割る。左辺が になるよう を1つずらす。
  • 部分分数分解 → 望遠鏡和で中間が消える。
  • 等比の和は指数を答えの形に揃えるまで整理する。
  • 階差から作った一般項は で成り立つか必ず確認する。
  • 置き換えたら定義式で元に戻す。約分で式が軽くなる。
  • 余りは「3の倍数の部分」を切り離す。残りを で場合分け。

第4問(選択・配点20) 空間ベクトル(平面上の点と四面体の体積)

【問題】

点 O を原点とする座標空間に2点 をとる。3点 O、A、B の定める平面を とする。また、 に含まれる点 C は

を満たすとする。

【解答】

(1) ア3 イ6 ウ4 エ3 オ3 カ6 / (2) キ- ク2 ケ3 コ1 サ2 シ6

(3) ス2 セ2 ソ- タ4 チ3 ツ3 テ0 / (4) ト1 ナ2 ニ2 ヌ1 ネ2 ノ2 ハ6 ヒ0 フ3 ヘ4 ホ3

(1) 長さと内積を計算する

【問題(再掲)】

(1) であり、オカである。

【型】成分から素直に計算。無理数は打ち消し合うことを期待する

【なぜこうするか】 まず

は3、は6です。

次に が入っていますが、2乗して足すと打ち消し合います

この2つを足すと の項が消えて32。さらに を加えて

は4、は3です。

内積も同様に が消えます。

オカは36です。

【検算】 数式処理で 、内積36を確認 ✓。

【定石】 座標に が入っていても2乗和や内積では打ち消し合うように出題されていることが多い。恐れずに素直に計算する。

(2) 平面上の点は2つのベクトルの1次結合で表す

【問題(再掲)】

(2) 点 C は平面 上にあるので、実数 を用いて と表すことができる。このとき、①から である。したがって、 である。

【型】条件を内積の式に翻訳して、 の連立1次方程式にする

【なぜこうするか】  を①の2つの条件に代入します。(1)で求めた3つの値がここで全部効いてきます。

条件1( 内積が0なので

18で割って

条件2(

12で割って

2式を引き算すると 、つまり 。これを に戻して

キクは3、は1です。

長さは展開公式で求めます。

は2、は6です。

【検算】 数式処理で連立を解くと 。成分に直すと で、確かに ✓。 座標が0になるのも面白いところです。

【定石】 平面上の点は基準の2ベクトルの1次結合。垂直・内積の条件は、そのまま の1次方程式になる。成分に戻さず、長さと内積だけで押し切るのが速い。

(3)前半 四角形 OABC の形を判定する

【問題(再掲)】

(3) である。したがって、平面 上の四角形 OABC は。ただし、少なくとも一組の対辺が平行な四角形を台形という。(の解答群)⓪ 正方形である ① 正方形ではないが、長方形である ② 長方形ではないが、平行四辺形である ③ 平行四辺形ではないが、台形である ④ 台形ではない

【型】対辺のベクトルが平行か(実数倍か)を調べる

【なぜこうするか】 まず を成分で求めます。

これを使って

は2、は2、ソタ です。

四角形 OABC の対辺は「OA と CB」「AB と OC」。まず OA と CB を比べます。

実数倍になっているので平行。ただし 倍なので長さが違います。平行四辺形なら対辺は「平行かつ長さが等しい」必要があるので、平行四辺形ではありません。

一組の対辺だけが平行なので台形は③です。

【検算】 外積 を計算すると零ベクトルで、確かに平行 ✓。長さの比は で一致しません ✓。

【定石】 2つのベクトルが平行 ⟺ 一方が他方の実数倍(外積が零ベクトル)。平行四辺形の判定には長さも等しいかまで確認する。

(3)後半 台形の面積

【問題(再掲)】

であるので、四角形 OABC の面積はツテである。

【型】台形の面積は「(上底+下底)×高さ÷2」

【なぜこうするか】 平行な2辺が OA と CB。そして なので、OC がそのまま高さになります。問題文がわざわざこの条件を再掲しているのは、この事実を使わせるためです。

上底+下底は

高さは 。よって面積は

ツテは30です。 できれいな整数になりました。

【検算】 数式処理で台形の公式から30を確認 ✓。

(4)前半 点 D を決めて角度を出す

【問題(再掲)】

(4) かつ 座標が1であるような点 D の座標は である。このとき ハヒ である。

【型】未知数を だけにして、内積の条件2本で連立

【なぜこうするか】  座標が1と与えられているので、 とおけば未知数は2つ。条件も2つあるので決まります。

条件1  より

条件2  なので

両辺を で割ると

を足し引きして

は1、は2、は2、は1、は2、は2です。

角度は内積の定義から。まず を求めます。

ここでも が打ち消し合います。 成分の を足して

したがって

ハヒは60です。

【検算】 数式処理で を確認 ✓。

【定石】 座標の一部が与えられたら未知数を減らしてから条件を立てる。内積の条件は1本につき1次方程式1本になるので、未知数の個数と条件の本数を数えれば解けるか判断できる。

(4)後半 垂直な2平面を使って高さを出し、体積へ

【問題(再掲)】

3点 O、C、D の定める平面を とする。 は垂直であるので、三角形 ABC を底面とする四面体 DABC の高さは である。したがって、四面体 DABC の体積は である。

【型】2平面が垂直なら、片方の点から他方への距離=交線までの距離

【なぜこうするか】 求めたい高さは点 D から平面 までの距離です( は A、B、C を含む平面)。

ここで という条件が効きます。D は 上にあるので、D から への距離は、D から2平面の交線までの距離に等しいのです(垂直な2平面では、片方に含まれる点から他方に下ろした垂線の足は、必ず交線上に来ます)。

交線は何か。 上にも 上にもあるので、交線は直線 OC です。

そこで D から直線 OC までの距離を求めます。 方向の単位ベクトルを とすると、三平方の定理から

(距離)

なので

したがって高さは です。

は3です。

次に底面 の面積。四角形 OABC を対角線 AC で2つに分ける になります。

より直角三角形なので

四角形 OABC の面積が30だったので

したがって

は4、は3です。

【検算】 まったく別の方法で確かめました。外積行列式で四面体の体積 台形の分割を一切使わない経路でも同じ値になりました ✓。

【定石】 2平面が垂直なら、片方の点から他方への距離=交線までの距離。交線は「両方に含まれるベクトル」を探せば見つかる。四面体の体積は (底面積)(高さ)。

第4問で身につけたい型

  • 座標に があっても2乗和や内積では打ち消し合う。素直に計算する。
  • 平面上の点は基準2ベクトルの1次結合。垂直・内積の条件が の連立1次方程式になる。
  • 成分に戻さず、長さと内積だけで押し切ると計算が軽い。
  • 平行 ⟺ 実数倍。平行四辺形は長さも等しいかまで確認。
  • 垂直な2平面では、点から平面への距離=交線までの距離
  • 四角形は対角線で三角形2つに分けると、片方から他方の面積が出せる。

第5問(選択・配点20) 確率分布と統計的な推測(図書館の利用状況)

【問題】

ある市の市立図書館の利用状況について調査を行った。(解答には正規分布表を用いてよい。)

【解答】

(1) ア1 イ4 ウ1 エ2 オ7 カ4

(2) キ2 ク4 ケ0 コ1 サ2 シ0 ス2 セ2 ソ6

(3) タ6 チ0 ツ3 テ0 ト4 ナ4 ニ1 ヌ5 ネ5 ノ9

(1) 度数分布から平均・分散・標準偏差を出す

【問題(再掲)】

(1) ある高校の生徒720人全員を対象に、ある1週間に市立図書館で借りた本の冊数について調査を行った。その結果、1冊も借りなかった生徒が612人、1冊借りた生徒が54人、2冊借りた生徒が36人であり、3冊借りた生徒が18人であった。4冊以上借りた生徒はいなかった。この高校の生徒から1人を無作為に選んだとき、その生徒が借りた本の冊数を表す確率変数を とする。このとき、 の平均(期待値)は であり、 の平均は である。よって、 の標準偏差は である。

【型】

【なぜこうするか】 平均は「値 × 人数」の合計を全体人数で割るだけです。

は1、は4です。

の平均も同じ要領。値を2乗してから重みをかけます。

は1、は2です。

分散は「2乗の平均」引く「平均の2乗」。この式のために を先に聞いているわけです。

は7、は4です。

【検算】 720人分のデータを実際に並べて(0が612個、1が54個、2が36個、3が18個)平均と分散を計算すると、平均 、分散 と一致 ✓。 も一致しました ✓。

【定石】 。偏差の2乗を1つずつ計算するより圧倒的に速い。 を求めよ」と誘導されたら、次は必ず分散

(2)前半 二項分布の平均と標準偏差

【問題(再掲)】

(2) 市内の高校生全員を母集団とし、ある1週間に市立図書館を利用した生徒の割合(母比率)を とする。この母集団から600人を無作為に選んだとき、その1週間に市立図書館を利用した生徒の数を確率変数 で表す。 のとき、 の平均は キクケ、標準偏差は コサになる。

【型】 の平均は 、標準偏差は

【なぜこうするか】 「600人のうち何人が該当するか」なので は二項分布 に従います。公式に代入するだけ。

キクケは240、コサは12です。 というきれいな平方数になるよう数値が設定されています。

【定石】 二項分布 平均 、分散 、標準偏差 。分散と標準偏差を取り違えないこと。

(2)中盤 標準化して正規分布表を引く

【問題(再掲)】

ここで、 とおくと、標本数600は十分に大きいので、 は近似的に標準正規分布に従う。このことを利用して、 が215以下となる確率を求めると、その確率は シスになる。

【型】平均)÷ 標準偏差 に直してから表を引く

【なぜこうするか】  の不等式に翻訳します。

正規分布表は普通「 から まで」の面積で書かれています。 の欄を見ると 。標準正規分布は左右対称なので

小数第2位までにすると シスは02です。

【検算】 高精度に計算すると で、表から得た とほぼ同じ ✓。さらに正規近似を一切使わず、二項分布 を20万回シミュレーションして の割合を数えると 。近似値 と近く、どちらも小数第2位までなら です ✓。

【よくあるミス】 正規分布表の値をそのまま答えにすること。表は「0から まで」の面積なので、 以下」を求めるには を足す/引く操作が要ります。負の値のときは対称性を使うのを忘れずに。

(2)後半  が変わると平均と標準偏差はどう変わるか

【問題(再掲)】

また、 のとき、 の平均はキクケ 倍、標準偏差はコサ 倍である。

【型】比を作って約分する。平均は に比例、標準偏差はそうではない

【なぜこうするか】  のときの値を計算して、 のときと比べます。

平均  が半分になったので平均も半分。

は2です。平均は なので にきれいに比例します。

標準偏差 こちらは比例しません。

比をとると

は6です。 なので、平均は半分になったのに標準偏差は8割程度しか減っていない で最大になる山型なので、 を半分にしても標準偏差はそれほど小さくならないのです。

【検算】  で一致 ✓。比は ✓。

【定石】 平均 に比例、標準偏差 は比例しない を頂点とする放物線なので、そこから離れるほど小さくなる。

(3)前半 定数を引いても標準偏差は変わらない

【問題(再掲)】

(3) 市立図書館に利用者登録のある高校生全員を母集団とする。1回あたりの利用時間(分)を表す確率変数を とし、 は母平均 、母標準偏差30の分布に従うとする。この母集団から大きさ の標本 を無作為に抽出した。利用時間が60分をどの程度超えるかについて調査するために 、…、 とおくと、確率変数 の平均と標準偏差はそれぞれ タチツテである。

【型】

【なぜこうするか】 全部のデータを一律に60ずらしただけです。

平均は当然60だけ小さくなります。

タチは60です。

標準偏差まったく変わりません。標準偏差は「平均からの散らばり具合」であって、全体を平行移動しても散らばりは同じだからです。

ツテは30です。

もし のように定数倍していたら標準偏差も2倍になりますが、ここは引き算だけなので不変です。

【定石】 平行移動()は平均だけ動かし、散らばりは変えない。定数倍()は平均が 倍、標準偏差が 倍。

(3)後半 母平均の信頼区間

【問題(再掲)】

ここで、 として、 に対する信頼度95%の信頼区間を求めよう。この母集団から無作為抽出された100人の生徒に対して の値を調べたところ、その標本平均の値が50分であった。標本数は十分大きいことを利用して、この信頼区間を求めるとトナヌネになる。

【型】信頼区間は「標本平均

【なぜこうするか】 標本平均 の標準偏差(標準誤差)を計算します。母標準偏差が30、標本の大きさが100なので

信頼度95%なので係数は 。信頼区間は

なので

解答欄は小数第1位までなので四捨五入して

トナは44、は1、ヌネは55、は9です。

意味を読み取ると、 から の間ということは、母平均 分から 分の間だと95%の信頼度で言える、ということです。

【検算】  を確認 ✓。係数 の妥当性も確かめました。標準正規分布で で、確かに95%です ✓。

【よくあるミス】  で割るのを忘れて としてしまうこと。標本平均の散らばりは、個々のデータの散らばりの です。100人集めれば散らばりは10分の1になります。

【定石】 母平均の信頼区間は(信頼度95%)。信頼度99%なら で割ることを絶対に忘れない

第5問で身につけたい型

  • 。誘導で が出たら次は分散。
  • 二項分布 :平均 、標準偏差
  • 正規分布表は「0から まで」の面積。「 以下」にするには との足し引きが要る。
  • 平均は に比例、標準偏差は比例しない で最大。
  • 平行移動は平均だけ動かす。標準偏差は不変。定数倍なら 倍。
  • 信頼区間は で割るのを忘れない。

解いたあとに読むページ

共通テスト数学の時間配分と解き方|70分で解き切る34の技術配点から逆算した時間配分表(通過時刻つき)、マーク式だから使える技術12、計算を速くする技術14、検算の技術8。数学II・B・Cの選択問題をどう選ぶかと、2025年度・2026年度の本試験に実際に出た4つの傾向まで。

年度別の解説で「解けなかった」のか、「解けたが間に合わなかった」のかを分けてください。前者なら下の型のページ、後者なら上の時間配分のページが効きます。

なぜ周期が必ず現れるのか ─ 自作演習4問

第3問(4)は「3で割った余りの周期性」を使う設問でした。本文では余りを書き出して周期を見つけていますが、なぜ必ず周期が現れるのか、周期はどこまで長くなりうるのかは書かれていません。書き出して見つかったからよかったものの、見つからなかったときに「まだ足りないのか、そもそも無いのか」が判断できません

結論を先に言うと、余りの問題では周期は必ず現れます。理由は1行です ─ 状態が有限個しかないから。しかも周期の上限まで計算できるので、「あと何項書けば決着がつくか」が先に分かります。4問で、その計算を最後までやります。

※以下の4問と数値は、すべて数強塾で作成したオリジナルです。試験の問題文・選択肢・図表は使っていません。

類題1 余りを書き出して、周期を見つける

で定まる数列について答えなさい。

  1. を3で割った余りを から まで書き出しなさい。
  2. 余りの列の周期を求めなさい。
  3. を3で割った余りを求めなさい。

解答

1 2 3 4 5 6 7 8
余り 1 1 2 0 2 2 1 0
9 10 11 12 13 14 15 16
余り 1 1 2 0 2 2 1 0

(2) が再び現れ、以降は最初と同じ並びになります。周期は 8

(3) なので、 の余りは4番目と同じ 0。つまり は3の倍数です。

周期を見つけるときに見るのは「1項」ではなく「隣り合う2項の組」です。この数列は前2項で次が決まるので、 の余りの組がもう一度現れた瞬間に、そこから先は完全に同じ動きを繰り返します。余り単体(たとえば「1」)は途中で何度も現れますが、それだけでは周期の証拠になりません。

余りを見る理由そのものは なぜ周期算では余りを見るのか、合同式で書くとなぜ楽になるのかは なぜ合同式を使うと整数問題が簡単になるのか にあります。

類題2 なぜ必ず周期になるのか、上限はいくつか

  1. を3で割った余りの組は、全部で何通りありうるか。
  2. そのうち、この数列で絶対に現れない組が1つある。それは何か、理由も述べなさい。
  3. (1)(2) から、周期の上限を求めなさい。実際の周期と比べなさい。

解答

(1) 各成分が の3通りなので 通り。

(2) は現れません。もし なら、漸化式を逆向きに使って となり、さかのぼって 。ところが なので矛盾します。

(3) 使える組は 通り。9個の組を並べれば必ず同じものが2回出るので(鳩の巣原理)、周期は 8以下。実際の周期はちょうど 8 でした。

上限8に対して実際も8 ─ つまり、現れうる組がすべて1回ずつ現れています。これは「あと何項書けば決着がつくか」が事前に分かるということでもあります。9組ぶん(10項)書いても繰り返しが見つからなければ、書き出しかたのどこかが間違っています。

この論法の要点:「有限個の状態を無限に並べれば、必ずどれかが2回現れる」。1度現れた組が2度現れた時点で、その間隔がそのまま周期になります(次の項は組だけで決まるため)。同じ形の論法は 鳩の巣原理の使い方|「必ず存在する」を証明する型を例題7問で にまとまっています。

類題3 割る数を変えると、周期はどう変わるか

同じ数列について、2、4、5 で割った余りの周期をそれぞれ求め、上限と比べなさい。

解答

割る数 余りの列(先頭) 周期 上限
2 1, 1, 0, 1, 1, 0, … 3 3(上限ぴったり)
3 1, 1, 2, 0, 2, 2, 1, 0, … 8 8(上限ぴったり)
4 1, 1, 2, 3, 1, 0, 1, 1, … 6 15(大きく下回る)
5 1, 1, 2, 3, 0, 3, 3, 1, 4, 0, … 20 24

上限に届くこともあれば、半分以下のこともあります。 では上限15に対して周期6 ─ 使われない組が9通りもあるということです。上限は「これ以上は書かなくてよい」という保証であって、予想ではありません。

実用上いちばん大事なのは の行です。15項まで書く覚悟をしていたのに6項で決着がつく ─ 上限は最悪の場合の見積もりなので、たいていはもっと早く終わります。逆に言えば、上限まで書いても繰り返しが出なければ、計算ミスを疑うのが正しい順序です。

法をいくつに取るかの決め方は 余りで分類する整数問題|法をいくつに取るかは、式が教えてくれる【数学A・合同式】、余りの分類が効く典型例は なぜ平方数を4で割った余りは0か1しかないのか にあります。

類題4 周期を使って、遠い項を言い当てる

類題1の数列について答えなさい。

  1. を3で割った余りを求めなさい。
  2. が3の倍数になる をすべて求めなさい。
  3. のうち、 が3の倍数になるものは何個か。

解答

(1) なので、余りは8番目と同じ 0 なので1番目と同じ 1

(2) 周期8の中で余りが0になるのは 。これが8ごとに繰り返すので、 ─ すなわち が4の倍数のときです。

(3) より 25個

(2) が、周期を求めておく価値がいちばん出るところです。周期8の中に0が2か所あり、その間隔がちょうど4なので、「8ごとに2個」が「4ごとに1個」にまとまりました。個数を数える問題では、この整理をしてから割り算します。

よくある取りちがえ: のとき、「余り0だから1番目」ではなく「8番目」です。 が周期の切れ目なので、割り切れるときは最後の項に対応します を8で割った余りが なら 番目、 なら8番目 ─ ここで1つずれる答案が多く出ます。

まとめ:周期の問題は、4つの数字で片づく

調べること この問題では 一般には
状態は何か 隣り合う2項の余りの組 次の項を決めるのに必要な情報のひとまとまり
状態は何通りか 通り (余りの個数)の(必要な項数)乗
現れない状態はあるか は現れない 逆向きの漸化式でさかのぼって確かめる
周期の上限は (状態数)−(現れない状態の数)

この4つを先に出しておくと、書き出しが「探索」ではなく「確認」になります。上限が8と分かっていれば、10項書けば必ず決着します。周期が見つからないまま書き続ける、という状態がなくなるのがいちばんの効果です。

漸化式を型に持ち込む練習は 漸化式と数学的帰納法の特訓道場|型に持ちこむ30題と全解説、数列の分野をどの順で積むかは 数列 学習ロードマップ|等差・等比から漸化式・数学的帰納法・確率漸化式まで一本でつなぐ地図 にまとめてあります。

他の年度・他の科目の全問解説

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