このページは、中学2年生の数学 全6単元を1ページにまとめた要点辞典です。単元ごとに「使う道具(公式)」「定石(どんな形が来たら何を試すか)」「つまずきポイント」「例題」の4点をそろえてあります。
中2は、数学が「計算」から「説明」に変わる学年です。文字式で理由を述べる、図形を証明する——ここで初めて「答えが合っていても書き方で点が変わる」経験をします。だからこのページでは、答案の書き方まで含めて整理しました。
そして中2の内容は、そのまま中3・高校につながります。一次関数は中3の y = ax2 と高校の2次関数へ、合同の証明は中3の相似の証明へ、確率は高校の確率へ。ここでの書き方の癖が、そのまま高校まで持ち越されます。
このページの使い方
頭から通読する必要はありません。いま習っている単元、または次のテスト範囲だけを開いてください。目次から飛べます。
そして、読むだけで終わらせないでください。各単元の最後に例題を置いてあります。解答を見る前に、まず自分で5分だけ手を動かしてみてください。「どの道具を使う場面か」に気づけたかどうかが、その単元を使える状態になっているかの判定になります。
もっと問題を解きたいときは、単元ごとに20題ずつの演習ページがあります 👉 中2数学 総合演習 特訓道場
免責と、このページの作り方について
このページは学習の助けとして書かれたまとめです。正確さを保証するものではありません。最終的な判断は、必ず教科書・学校の先生・信頼できる問題集で確認してください。このページを読んだことで生じた不利益について、数強塾は責任を負いません。
掲載している例題・解説・図は、すべて数強塾が新規に書き下ろしたものです。市販の参考書・問題集から問題文や解説を転載したものは一切含まれていません。
目次
この辞典と一緒に使うページ
- 中2数学 総合演習 特訓道場(20題) 単元をまたぐ問題で実力を確かめられます。
- 中2 式の計算 特訓道場(20題) 第1章の演習はこちら。
- 中2 連立方程式の計算 特訓道場(20題) 第2章の演習はこちら。
- 中2 一次関数(基本)特訓道場(20題) 第3章の演習はこちら。
- 中2 図形の証明 特訓道場(20題) 第4章・第5章の演習はこちら。
- 数学の要点辞典まとめ(中1〜数学III 全7ページ) 単元名から直接その章へ飛べる逆引き表があります。
- 中3数学の要点辞典(全8単元) 次の学年の内容はこちら。
- 無料学習プリント・映像授業 単元別のプリントを無料で公開しています。
第1章 式の計算
中1で「文字を使って式を作る」ことを習いました。中2では、その式どうしを計算するようになります。
計算のルール自体は数と同じです。ただし「同じ文字の組み合わせどうししか、まとめられない」という一点だけが新しい。ここを外さなければ、この単元でつまずくことはありません。
ここが怪しければ先に:文字と式(中1) / この先つながる:展開と因数分解(中3)・式と証明(数学II・B・C) / この単元の解法パターン:式の計算 全10型 / この単元を1日1枚で:毎日の数学 12枚
使う道具
| 道具 | 形 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 単項式・多項式 | 3x2y は単項式、3x + 2y は多項式 | 用語の区別 |
| 次数 | かけ合わせた文字の個数 | 3x2y |
| 同類項 | 文字の部分がまったく同じ項 | 3x と −5x |
| 同類項をまとめる | 3x − 5x = (3 − 5)x = −2x | 係数だけを計算 |
| かっこを外す | −(a − 5b) = −a + 5b | 全部の符号が変わる |
| 単項式の乗法 | 係数どうし、文字どうしをかける | 2a × 3b = 6ab |
| 単項式の除法 | 分数の形にして約分 | 6a2b ÷ 3ab = 2a |
| 等式の変形 | 解きたい文字だけを左辺に残す | 方程式を解くのと同じ |
| 文字式による説明 | 整数を n で表して式にする | 偶数 2n、奇数 2n+1 |
| 分数を含む式の加減 | 通分して、分子は必ずかっこでくくる | 方程式と違って分母は払えない |
定石
まとめられるのは「文字の部分がまったく同じ」ものだけ
3x と −5x → まとめられる(どちらも x)
3x と 2y → まとめられない(文字が違う)
3x と 2x2 → まとめられない(次数が違う)
3ab と −ba → まとめられる(ab と ba は同じ)
りんご3個とみかん2個は「5個」とは書けない——それと同じことです。
かっこの前がマイナスなら、中の符号が全部変わる
(3a − 2b) − (a − 5b) で、後ろのかっこを外すと −a + 5b です。−5b のままにするのが最頻出のミス。かっこの前がマイナスなら、中の項を1つずつ確認してください。
わり算は「分数にして約分」
6a2b ÷ 3ab は、6a2b / (3ab) と分数に直してから約分します。÷ の記号のまま計算しようとしないのがコツです。
等式の変形は「方程式を解くのと同じ」
S = (a + b)h / 2 を h について解くなら、h 以外を全部反対側に移すだけ。両辺に2をかけて、(a+b) で割る。「h =」の形にするのがゴールです。
文字式による説明は「置き方 → 式 → 結論」の3段
① 何を n と置くかを書く(「整数 n を用いて、連続する3つの整数を n−1, n, n+1 と表す」)
② 式を作って計算する
③ 結論を言葉で書く(「n は整数だから 3n は3の倍数である」)
③がないと点になりません。式変形で終わらせないでください。
つまずきポイント
① 文字が違うのにまとめてしまう。3x + 2y = 5xy は誤りです。まとめられません。そのまま 3x + 2y が答えです。
② かっこを外すときの符号ミス。−(a − 5b) は −a + 5b。この単元でいちばん多い失点です。慣れるまでは、かっこの中の各項に −1 をかけると考えてください。
③ 次数の数え方を間違える。3x2y は x × x × y なので3次です。係数の 3 は数えません。
④ わり算で分子・分母を逆にする。A ÷ B は A / B です。分数に直したら、もとの前後関係が合っているかを確認してください。
⑤ 等式の変形で、両辺に同じ操作をしない。片方だけ2倍したり、片方だけ移項したりすると等式が崩れます。やった操作を横に書いておくと防げます。
⑥ 説明問題で結論を書かない。「3n になりました」で止めないでください。「n は整数だから 3n は3の倍数である」まで書いて完成です。
例題
例題1-1(同類項とかっこ) 次の計算をしてください。
(1) 3x + 2y − 5x + 4y (2) (3a − 2b) − (a − 5b)
(1) x どうし、y どうしをまとめます。
(3 − 5)x + (2 + 4)y = −2x + 6y
(2) 後ろのかっこの前がマイナスなので、中の符号がすべて変わります。
3a − 2b − a + 5b
= (3 − 1)a + (−2 + 5)b = 2a + 3b
答え:(1) −2x + 6y (2) 2a + 3b
確認:a = 1, b = 1 を入れてみます。元の式は (3 − 2) − (1 − 5) = 1 + 4 = 5、答えは 2 + 3 = 5 ✓
この検算は全問で使えます:計算の前と後に、同じ数を代入すれば必ず同じ値になります。1 を入れれば暗算でできるので、テスト中でも1問10秒です。
例題1-2(単項式の乗除) 6a2b ÷ 3ab × 2b を計算してください。
手順1:左から順に計算する。まず ÷ を分数に直します。
6a2b ÷ 3ab = (6a2b) / (3ab)
手順2:約分する。係数は 6 ÷ 3 = 2、a は a2 ÷ a = a、b は b ÷ b = 1。
= 2a
手順3:残りをかける。
2a × 2b = 4ab
答え:4ab
確認:a = 1, b = 2 なら、元の式は 12 ÷ 6 × 4 = 8、答えは 4 × 1 × 2 = 8 ✓
よくある誤り:÷ 3ab × 2b を「3ab × 2b で割る」と読んでしまうこと。× と ÷ は左から順に計算します。もし 3ab × 2b で割るなら、問題文に ÷ (3ab × 2b) とかっこが付きます。
安全なやり方:すべてを1つの分数にまとめてから約分するのが確実です。(6a2b × 2b) / (3ab) = 12a2b2 / (3ab) = 4ab。同じ答えになります。
例題1-3(等式の変形) 台形の面積の公式 S = (a + b)h / 2 を、h について解いてください。
手順1:分母を払う。両辺に 2 をかけます。
2S = (a + b)h
手順2:h の係数で割る。両辺を (a + b) で割ります。
h = 2S / (a + b)
答え:h = 2S / (a + b)
確認:上底 a = 3、下底 b = 5、高さ h = 4 の台形なら面積は (3+5) × 4 ÷ 2 = 16。
求めた式に入れると h = 2 × 16 / (3 + 5) = 32 / 8 = 4 ✓
やっていることは方程式と同じ:16 = (3+5)h/2 から h を求めるのと、手順はまったく同じです。数のかわりに文字が入っているだけだと思ってください。
この操作が高校でも出ます:物理や化学の公式変形も、まったく同じ操作です。「解きたい文字を1人にする」——これが等式の変形の目的です。
例題1-4(文字式による説明) 連続する3つの整数の和は、3の倍数になります。このことを説明してください。
手順1:置き方を書く。整数 n を用いて、連続する3つの整数を
n − 1、n、n + 1
と表します。(真ん中を n にするのがコツです)
手順2:式を作って計算する。
(n − 1) + n + (n + 1) = 3n
手順3:結論を書く。n は整数なので、3n は3の倍数です。
したがって、連続する3つの整数の和は3の倍数になります。(説明終わり)
確認:4 + 5 + 6 = 15 = 3 × 5 ✓ 10 + 11 + 12 = 33 = 3 × 11 ✓
置き方で計算量が変わる:n, n+1, n+2 と置いても正解ですが、和は 3n + 3 = 3(n + 1) となり、最後にくくる手間が増えます。真ん中を n にすると −1 と +1 が打ち消し合って、一発で 3n。対称に置くという考え方は、高校でもずっと使います。
おまけ:この結果から「連続する3つの整数の和は、真ん中の数の3倍」だとわかります。4 + 5 + 6 = 5 × 3。式が意味を教えてくれる——これが文字式で説明する価値です。
例題1-5(分数の形の式の加減) 次の計算をしてください。
(1) (2x + y)/3 − (x − 2y)/4 (2) x/2 + (x − 3y)/6 − y/3
考え方:分母の最小公倍数で通分して、分子どうしをまとめます。分子が2項以上あるときは、通分した時点で必ずかっこをつけること。ここを省くと、次の行でマイナスをかけ忘れます。
(1) 分母をそろえて 12 に。
= {4(2x + y) − 3(x − 2y)} / 12
= (8x + 4y − 3x + 6y) / 12
= (5x + 10y) / 12
(2) 分母をそろえて 6 に。
= {3x + (x − 3y) − 2y} / 6
= (3x + x − 3y − 2y) / 6
= (4x − 5y) / 6
答え:(1) (5x + 10y) / 12 (2) (4x − 5y) / 6
確認:数を入れれば、その場で確かめられます。(1) に x = 1、y = 1 を入れると、もとの式は 3/3 − (−1)/4 = 5/4、答えの式も 15/12 = 5/4。(2) に x = 2、y = 1 を入れると、どちらも 1/2 になります。
いちばん多い間違いは、(1) の − 3(x − 2y) を − 3x − 6y としてしまうこと。マイナスはかっこの中の全部にかかります。
もうひとつ大事なのは、これは方程式ではないので、分母を払ってはいけないということです。12 を掛けて 5x + 10y と答えると、もとの式の 12 倍になってしまいます。等号で結ばれた式(方程式)なら両辺に同じ数を掛けられますが、ただの式にはその自由がありません。
この単元のチェックリスト
| 確認すること | できていないと起きること |
|---|---|
| 文字の部分が同じものだけまとめたか | まとめられないものをまとめる |
| マイナスのかっこで全部の符号を変えたか | 1つだけ変え忘れる |
| わり算を分数に直したか | 逆数のかけ忘れ |
| × | 計算順序を間違える |
| 1 | 符号ミスに気づけない |
| 説明問題で結論の一文を書いたか | 式は合っているのに点が来ない |
もっと解きたい方へ 👉 中2 式の計算 特訓道場(20題と全解説)
第2章 連立方程式
中1では「わからないものが1つ」の方程式を解きました。中2ではわからないものが2つになります。
やることは1つだけ。文字を1つ消して、中1の方程式に戻す。加減法も代入法も、目的はまったく同じです。
ここが怪しければ先に:一次方程式(中1) / この先つながる:図形と方程式(数学II・B・C) / この単元の解法パターン:連立方程式 全10型 / この単元を1日1枚で:毎日の数学 5枚
使う道具
| 道具 | 形 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 加減法 | 2式を足すか引くかして文字を消す | 係数がそろえやすいとき |
| 代入法 | x = 〜 を、もう一方に代入 | 片方が「= 〜」の形のとき |
| 係数をそろえる | 片方または両方を何倍かする | 加減法の準備 |
| 分数を含む式 | 分母の最小公倍数を両辺にかける | 整数の式に直す |
| 小数を含む式 | 10, 100 をかける | 整数の式に直す |
| A = B = C | A = B と B = C | 3つのうち2組を選ぶ |
| 文章題 | 2つの数量に注目して2本の式 | 単位をそろえる |
| 答えの確認 | 両方の式に代入 | 片方だけでは不十分 |
定石
加減法か代入法かは、式の形で決める
片方が x = 〜 や y = 〜 の形 → 代入法(そのまま入れられる)
両方が ax + by = c の形 → 加減法(係数をそろえて足し引き)
迷ったら加減法で構いません。どちらでも必ず解けます。
係数をそろえるときは「消したい文字」を先に決める
2x + 3y = 12 と x − y = 1 なら、x を消すなら下の式を2倍、y を消すなら下の式を3倍。数が小さくなるほうを選ぶと計算が楽です。
分数・小数は「先に整数の式に直す」
0.2x + 0.3y = 1.3 は両辺を10倍して 2x + 3y = 13。x/2 − y/3 = 0 は両辺を6倍して 3x − 2y = 0。整数にしてから解くのが鉄則です。
文章題は「2つの数量」を探す
手順
① 何を x, y と置くかを書く(単位も書く)
② 2種類の関係を見つけて式を2本立てる
③ 解く
④ 問題の条件に合うか確かめる(人数が小数、長さが負などになっていないか)
2本の式は、たとえば「個数の関係」と「金額の関係」、「合計の関係」と「増減の関係」のように、違う種類の関係から作ります。
つまずきポイント
① 加減法で、片方の式だけを何倍かする。2倍するならその式の全部の項(右辺も含む)を2倍します。右辺を忘れるのが典型的なミスです。
② 引き算のときの符号ミス。(2x + 3y) − (2x − 4y) = 7y。引く式の全部の符号が変わります。不安なら、引くのではなく−1倍して足すと考えてください。
③ 分数・小数のまま計算する。ミスの温床です。必ず先に整数の式に直してください。
④ 片方の答えだけ出して終わる。x を求めたら、必ずどちらかの式に戻して y も出します。
⑤ 検算を片方の式でしかしない。2つともに代入して確かめてください。片方だけだと、計算ミスを見逃します。
⑥ 文章題で単位をそろえない。時間と分、km と m が混ざったまま式を立てると必ず合いません。式を立てる前に単位をそろえるのが手順です。
例題
例題2-1(加減法・代入法) 連立方程式 2x + 3y = 12、x − y = 1 を解いてください。
方法1:代入法 下の式から x = y + 1。これを上の式に代入します。
2(y + 1) + 3y = 12
2y + 2 + 3y = 12
5y = 10 → y = 2
x = y + 1 = 3
方法2:加減法 下の式を2倍して x の係数をそろえます。
2x + 3y = 12
2x − 2y = 2 (右辺も2倍)
辺々引くと 5y = 10 → y = 2、x = 3
答え:x = 3, y = 2
確認:両方の式に入れます。2 × 3 + 3 × 2 = 12 ✓ 3 − 2 = 1 ✓
どちらを選ぶか:この問題は x − y = 1 がすぐ x = y + 1 に直せるので、代入法のほうが速い。両方が ax + by = c の形なら加減法です。10秒だけ形を見てから、手を動かし始めてください。
例題2-2(分数・小数を含む) 連立方程式 0.2x + 0.3y = 1.3、x/2 − y/3 = 0 を解いてください。
手順1:どちらも整数の式に直す。
上の式:両辺を 10 倍 → 2x + 3y = 13
下の式:両辺を 6 倍 → 3x − 2y = 0
手順2:加減法で y を消す。上を2倍、下を3倍して y の係数を 6 にそろえます。
4x + 6y = 26
9x − 6y = 0
辺々足すと 13x = 26 → x = 2
手順3:y を求める。3 × 2 − 2y = 0 → y = 3
答え:x = 2, y = 3
確認:0.2 × 2 + 0.3 × 3 = 0.4 + 0.9 = 1.3 ✓ 2/2 − 3/3 = 1 − 1 = 0 ✓
符号のそろえ方:+6y と −6y のように符号が逆になったら足す、同じ符号なら引く。「足すか引くか」は、そろえた項の符号で決まります。
10倍・6倍を忘れやすい項:右辺です。0.2x + 0.3y = 1.3 を10倍したのに右辺を 1.3 のままにする——これが最頻出のミスです。
例題2-3(文章題・速さ) A地点からB地点まで、行きは時速 4 km、帰りは時速 6 km で往復したところ、合計 5 時間かかりました。A地点とB地点の距離を求めてください。
手順1:置き方を書く。A地点とB地点の距離を x km とします。
手順2:式を作る。「時間 = 距離 ÷ 速さ」なので
行きの時間:x / 4 時間
帰りの時間:x / 6 時間
合計が 5 時間なので
x/4 + x/6 = 5
手順3:解く。両辺を 12 倍します。
3x + 2x = 60 → 5x = 60 → x = 12
手順4:確かめる。行き 12 ÷ 4 = 3 時間、帰り 12 ÷ 6 = 2 時間。合計 5 時間 ✓
答え:12 km
この問題は文字1つで解けます:連立方程式の単元ですが、2つの数量が「行きの距離=帰りの距離」で結ばれているので、文字は1つで足ります。「文字を2つ置かなければいけない」わけではありません。
よくある誤り:「平均の速さは (4 + 6) ÷ 2 = 5 km/時」として 5 × 5 = 25 km、往復なので片道 12.5 km——これは誤りです。速さは単純に平均できません(同じ距離を進むのにかかる時間が違うため)。実際の平均の速さは 24 ÷ 5 = 4.8 km/時。必ず「時間の合計」で式を立ててください。
例題2-4(文章題・割合) ある中学校の昨年の生徒数は男女合わせて 400 人でした。今年は男子が 5 % 増え、女子が 10 % 減ったので、全体では 10 人減りました。昨年の男子と女子の人数をそれぞれ求めてください。
手順1:置き方を書く。昨年の男子を x 人、女子を y 人とします。
手順2:2本の式を立てる。
(合計の関係) x + y = 400
(増減の関係) 男子は 0.05x 人増え、女子は 0.1y 人減り、全体で 10 人減ったので
0.05x − 0.1y = −10
手順3:解く。下の式を 100 倍して整数に。
5x − 10y = −1000 → 両辺を5で割って x − 2y = −200
x + y = 400 から x = 400 − y。代入して
400 − y − 2y = −200 → −3y = −600 → y = 200、x = 200
手順4:確かめる。今年の男子は 200 × 1.05 = 210 人、女子は 200 × 0.9 = 180 人。合計 390 人で、昨年より 10 人減 ✓
答え:昨年の男子 200 人、女子 200 人
「増えた分」と「増えた後」を区別する:増減の式を立てるときは「増えた分」だけを書きます(0.05x)。「増えた後の人数」で式を立てるなら 1.05x + 0.9y = 390 となり、右辺が 390 になります。どちらでも正解ですが、混ぜると必ず間違えます。どちらの立て方をしているか、自分で決めてから書いてください。
答えの吟味:人数なので正の整数でなければなりません。もし小数や負の数が出たら、式の立て方を見直してください。
例題2-5(A = B = C の形) x + 2y = 3x − y = 7 を解いてください。
考え方:等号が2つ並んだ形は、そのままでは扱えません。「3つのうち2つを選んで=で結ぶ」を2回やって、ふつうの連立方程式に直します。
選び方は3通り(A = B と B = C、A = B と A = C、A = C と B = C)ありますが、どれを選んでも同じ解になります。いちばん式が簡単になる組を選ぶと速く済みます。
ここでは数がある 7 と結ぶのがいちばん簡単なので
x + 2y = 7 ……①
3x − y = 7 ……②
②より y = 3x − 7。これを①に代入して
x + 2(3x − 7) = 7 → 7x − 14 = 7 → 7x = 21 → x = 3
y = 3 × 3 − 7 = 2
答え:x = 3、y = 2
確認:3つの式すべてに入れて確かめます。x + 2y = 3 + 4 = 7、3x − y = 9 − 2 = 7。どちらも 7 になり、確かに x + 2y = 3x − y = 7 が成り立っています。
別の組み方(x + 2y = 3x − y と 3x − y = 7)で解いても x = 3、y = 2 になります。3つのうち2つを選べば足りるのは、残りの1つが自動的に成り立つからです。3つ全部を連立させる必要はありません。
この単元のチェックリスト
| 確認すること | できていないと起きること |
|---|---|
| 何倍かするとき右辺も倍にしたか | 答えがまったく合わない |
| 引き算で全部の符号を変えたか | 符号ミス |
| 分数・小数を整数に直したか | 計算ミスが増える |
| x | 答えが半分 |
| 両方の式で検算したか | ミスを見逃す |
| 文章題で単位をそろえたか | 式が成り立たない |
もっと解きたい方へ 👉 中2 連立方程式の計算 特訓道場(20題と全解説)
第3章 一次関数
中1の比例 y = ax に、切片 b が加わっただけの単元です。グラフは原点を通らない直線になります。
ただし、扱う場面が一気に広がります。速さ、料金、水そう、動く点——身のまわりの「一定の割合で変わるもの」はすべて一次関数です。そして中3の y = ax2、高校の2次関数へとまっすぐつながります。
ここが怪しければ先に:比例と反比例(中1) / この先つながる:関数 y = ax2(中3)・図形と方程式(数学II・B・C) / この単元の解法パターン:一次関数 全12型 / この単元を1日1枚で:毎日の数学 16枚
使う道具
| 道具 | 形 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 一次関数の式 | y = ax + b | a |
| 変化の割合 | (y の増加量) / (x の増加量) = a | 一次関数では常に一定 |
| 傾きの意味 | x が1増えると y が a 増える | グラフの上がり方 |
| 切片 | x = 0 のときの y の値 | y |
| 2点から式を求める | 傾きを出してから1点を代入 | いちばんよく使う |
| グラフの描き方 | 切片から始めて、傾きの分だけ進む | 2点あれば直線が引ける |
| 交点 | 2式を連立して解く | 第2章がそのまま使える |
| 平行 | 傾きが等しい | a |
| 変域 | x | 直線なので両端でよい |
定石
式を求めるときは「傾き → 切片」の順
2点がわかっているとき
① 傾きを出す:a = (y の差) / (x の差)
② y = ax + b にどちらか1点を代入して b を出す
③ 求めた a, b を式に書く
もう一方の点でも成り立つか確かめると、それが検算になります。
グラフは「切片に点を打って、傾きの分だけ動く」
y = 2x + 1 なら、まず (0, 1) に点を打つ。そこから右へ1、上へ2動いた (1, 3) にもう1点。この2点を結べば完成です。
傾きが分数のときは、分母だけ右に、分子だけ上に。y = (2/3)x なら「右へ3、上へ2」。分数を小数にせず、そのまま動くのがコツです。
交点は、連立方程式そのもの
2直線の交点は、両方の式を同時に満たす点。だから連立して解けば出ます。第2章の道具がそのまま使えます。
文章題は「何が x で、何が y か」を先に書く
手順
① x と y が何を表すかを、単位つきで書く(「x 分後の水の量を y L とする」)
② 変化の割合(1あたりいくつ増えるか)を読み取る → これが a
③ 最初の値(x = 0 のとき)を読み取る → これが b
④ 式を書いて、聞かれた値を代入する
つまずきポイント
① 変化の割合を、分母と分子を逆にする。y の増加量が分子です。「x が1増えたとき y がいくつ増えるか」なので、y を x で割ります。
② 傾きの符号を落とす。右下がりの直線は傾きが負です。グラフを見て「上がっているか下がっているか」と、計算した符号が合っているか確認してください。
③ 交点を求めたあと、y 座標を出し忘れる。点の座標は (x, y) の2つで1組です。
④ グラフの変域を書き忘れる。「0 ≤ x ≤ 10 のグラフをかけ」なら、その範囲だけを線で描き、両端に点を打ちます。全体に線を引くと減点されます。
⑤ 文章題で x の意味を途中で変える。「x 分後」なのか「x 秒後」なのか、最初に決めたら最後まで変えないでください。
⑥ グラフから式を読むとき、切片を目分量で決める。格子点(座標が整数の点)を2つ探して、そこから傾きを計算するほうが正確です。
例題
例題3-1(2点から式を求める) 2点 (1, 3)、(3, 7) を通る直線の式を求めてください。
手順1:傾きを出す。
a = (7 − 3) / (3 − 1) = 4 / 2 = 2
手順2:1点を代入して切片を出す。y = 2x + b に (1, 3) を入れて
3 = 2 × 1 + b → b = 1
答え:y = 2x + 1
確認:使わなかったほうの点で確かめます。x = 3 のとき y = 2 × 3 + 1 = 7 ✓
この検算を必ずやってください:2点のうち片方は式を作るのに使い、もう片方は検算に使えます。無料で手に入る検算なので、使わない手はありません。
傾きの意味を確かめる:a = 2 は「x が1増えると y が2増える」という意味。実際 x が 1 から 3 へ2増えたとき、y は 3 から 7 へ4増えています。4 ÷ 2 = 2 ✓
例題3-2(傾きと1点から) 変化の割合が −2 で、x = 1 のとき y = 5 である一次関数の式を求めてください。また、この直線と x 軸との交点の座標を求めてください。
手順1:式を作る。変化の割合が傾きなので y = −2x + b。
(1, 5) を代入して 5 = −2 + b → b = 7
y = −2x + 7
手順2:x 軸との交点。x 軸上の点は y = 0 です。
0 = −2x + 7 → x = 7/2
答え:y = −2x + 7、x 軸との交点は (7/2, 0)
確認:x = 1 のとき −2 + 7 = 5 ✓ x = 3.5 のとき −7 + 7 = 0 ✓
軸との交点の覚え方:
x 軸との交点 → y = 0 を代入
y 軸との交点 → x = 0 を代入(これが切片)
「その軸の上では、もう一方の座標が0」と考えれば、暗記の必要はありません。
傾きが負のグラフ:−2 なので右下がり。「右へ1、下へ2」動きます。グラフを描いて、右下がりになっているか確認してください。
例題3-3(2直線の交点) 2直線 y = 2x + 1 と y = −x + 7 の交点の座標を求めてください。
手順1:連立して解く。どちらも y = の形なので、右辺どうしを等号でつなぎます。
2x + 1 = −x + 7
3x = 6 → x = 2
手順2:y を求める。どちらの式に入れても同じです。
y = 2 × 2 + 1 = 5
答え:(2, 5)
確認:もう一方の式でも確かめます。y = −2 + 7 = 5 ✓ 一致しました。
なぜ右辺どうしを結べるのか:交点ではどちらの式の y も同じ値だからです。y = 2x + 1 かつ y = −x + 7 なら、2x + 1 と −x + 7 は同じもの。「同じものは等号で結べる」という当たり前の話です。
交点が存在しない場合:y = 2x + 1 と y = 2x + 5 なら、傾きが同じ=平行なので交わりません。式で解こうとすると 1 = 5 という成り立たない式になります。これは「解なし」のサインです。
例題3-4(一次関数の利用) 水そうに 20 L の水が入っています。ここに毎分 4 L の割合で水を入れるとき、
(1) x 分後の水の量を y L として、y を x の式で表してください。
(2) 水そうの水が 100 L になるのは何分後ですか。
(1) 手順1:変化の割合と最初の値を読む。
毎分 4 L 増える → 変化の割合(傾き)は 4
最初(x = 0)に 20 L → 切片は 20
y = 4x + 20
(2) 手順2:y = 100 を代入する。
100 = 4x + 20 → 4x = 80 → x = 20
答え:(1) y = 4x + 20 (2) 20 分後
確認:20 分で 4 × 20 = 80 L 増え、もともとの 20 L と合わせて 100 L ✓
文章題での読み取り方
| 問題文の言葉 | 式のどこにあたるか |
|---|---|
| 「毎分◯L」「1分あたり◯」 | 傾き a |
| 「最初に◯L入っている」 | 切片 b |
| 「基本料金◯円」 | 切片 b |
| 「1個につき◯円」 | 傾き a |
例題3-5(動点と面積) 長方形 ABCD で AB = 6 cm、BC = 10 cm です。点 P は B を出発し、B → C → D の順に辺の上を毎秒 2 cm で動きます。出発してから x 秒後の △ABP の面積を y cm2 とするとき、(1) x の範囲ごとに y を x の式で表してください。(2) y = 24 になるのは何秒後ですか。
考え方:動点の問題は、「P がどの辺の上にいるか」で場面が変わります。まず切れ目の時刻を先に出すのが手順です。B から C までは 10 cm なので 5 秒、C から D までは 6 cm なので 3 秒。切れ目は x = 5、終わりは x = 8 です。
① P が BC 上にいるとき(0 ≤ x ≤ 5):△ABP は、底辺 BP = 2x、高さ AB = 6 の三角形なので
y = (1/2) × 2x × 6 = 6x
② P が CD 上にいるとき(5 ≤ x ≤ 8):底辺を AB = 6 と見ると、高さは P から辺 AB までの距離で、これは P が CD 上のどこにいても BC = 10 のままです。
y = (1/2) × 6 × 10 = 30 (一定)
(2) y = 24 は ① の範囲で起こります。6x = 24 → x = 4。これは 0 ≤ x ≤ 5 の中なので適します。② は y = 30 で一定なので、24 にはなりません。
答え:(1) 0 ≤ x ≤ 5 のとき y = 6x、5 ≤ x ≤ 8 のとき y = 30 (2) 4 秒後
確認:x = 5 を①に入れると 30、②も 30。切れ目で値がつながっていれば、場面の分け方を取り違えていない手がかりになります。グラフにすると、x = 5 までは右上がりの直線、そこから先は水平——「折れ線になる」ことが動点の問題の目印です。求めた答えがどの範囲の式から出たものかを必ず確かめてください。範囲の外の値を答えてしまうのが、この型でいちばん多い誤りです。
「1あたりいくつ変わるか」が傾き、「スタート地点」が切片。この対応さえ押さえれば、料金でも水そうでも動点でも同じように式が立ちます。
変域を聞かれたら:水そうの容量が 100 L なら、0 ≤ x ≤ 20 です。現実にあり得る範囲を答えます。
この単元のチェックリスト
| 確認すること | できていないと起きること |
|---|---|
| 変化の割合は y の差 ÷ x の差か | 分母分子が逆になる |
| 使わなかった点で検算したか | 計算ミスに気づけない |
| 傾きの符号とグラフの向きが合うか | 右上がり・右下がりが逆 |
| 交点は y 座標まで出したか | 答えが不完全 |
| 変域の範囲だけを描いたか | 減点される |
| 文章題で単位を書いたか | 意味が伝わらない |
もっと解きたい方へ 👉 中2 一次関数(基本)特訓道場(20題と全解説)
第4章 平行と合同
中2で数学が大きく変わるのが、この単元です。「答えを出す」から「理由を説明する」に変わります。
証明は、慣れるまでは何を書けばいいのかわからないものです。しかし書く順番が決まっているので、型さえつかめば怖くありません。この章では、その型を細かく示します。
ここが怪しければ先に:平面図形(中1) / この先つながる:三角形と四角形・相似(中3) / この単元の解法パターン:図形の証明 全12型 / この単元を1日1枚で:毎日の数学 1枚
使う道具
| 道具 | 形 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 対頂角 | 向かい合う角は等しい | いつでも使える |
| 同位角・錯角 | 平行なら等しい | // |
| 平行線の判定 | 同位角または錯角が等しければ平行 | 逆向きの使い方 |
| 三角形の内角の和 | 180° | 基本中の基本 |
| 三角形の外角 | となり合わない2つの内角の和 | 計算が速くなる |
| 多角形の内角の和 | (n − 2) × 180° | 三角形に分ける |
| 多角形の外角の和 | 360°(何角形でも) | 常に360° |
| 合同条件① | 3組の辺がそれぞれ等しい | 3 |
| 合同条件② | 2組の辺とその間の角 | 間の角でないとダメ |
| 合同条件③ | 1組の辺とその両端の角 | 両端の角 |
定石
角度の計算は「平行線を自分で引く」
折れ線の角度を求める問題では、折れ点を通る平行線を1本引きます。すると錯角・同位角が使えるようになり、角がつながります。補助線は1本でよいことがほとんどです。
多角形の角は、三角形に分けて考える
n 角形は、1つの頂点から対角線を引くと (n − 2) 個の三角形に分かれます。だから内角の和は (n − 2) × 180°。
外角の和は、何角形でも 360°。多角形の周りを1周すると、ちょうど1回転するからです。この事実は覚えるだけの価値があります(正 n 角形の1つの外角が 360 ÷ n ですぐ出ます)。
証明は、この順に書く
①「△ABC と △DEF において」(どの2つを比べるか宣言する)
② 等しいものを3つ並べる(それぞれに理由を書く)
③「◯◯がそれぞれ等しいので」+合同条件の名前
④「△ABC ≡ △DEF」
⑤ 聞かれていることを結論として書く(「合同な図形の対応する辺は等しいので AB = DE」など)
⑤を忘れる人が非常に多いです。問題が聞いているのが「合同を示せ」なのか「辺が等しいことを示せ」なのかを確認して、聞かれたものを最後に書いてください。
等しいものを探す順番
① 共通の辺・共通の角(いちばん見つけやすい)
② 仮定に書いてあるもの(問題文の条件)
③ 対頂角・錯角・同位角
④ 図形の性質(二等辺三角形、平行四辺形など)
つまずきポイント
① 「その間の角」でないのに合同条件②を使う。2組の辺と1つの角でも、その角が2辺の間にないと合同とは限りません。図で「間にあるか」を必ず確認してください。
② 理由を書かずに「等しい」とだけ書く。なぜ等しいのか(共通・仮定より・対頂角・錯角など)を、1つずつ書いてください。ここが採点の中心です。
③ 平行でないのに錯角・同位角を使う。同位角・錯角が等しいのは平行なときだけです。平行の根拠を確認してください。
④ 対応の順を守らずに合同を書く。△ABC ≡ △DEF なら、A と D、B と E、C と F が対応します。順番を崩すと、対応する辺が読めなくなります。
⑤ 外角の和を (n−2) × 180 と混同する。外角の和はいつでも 360°。内角の和だけが角の数で変わります。
⑥ 結論の一文を書かない。合同を示しただけで止めないでください。聞かれているのが辺や角の関係なら、そこまで書きます。
例題
例題4-1(平行線と角) 平行な2直線 ℓ、m の間に折れ線があり、ℓ との角が 50°、m との角が 30° です。折れ点の角の大きさを求めてください。
手順1:補助線を引く。折れ点を通り、ℓ(および m)に平行な直線を1本引きます。
手順2:角を分ける。折れ点の角は、補助線によって2つに分かれます。
・上側の角は、ℓ との錯角なので 50°
・下側の角は、m との錯角なので 30°
手順3:足す。
50° + 30° = 80°
答え:80°
補助線を引く理由:ℓ と m は平行ですが、折れ点はどちらの直線上にもありません。だから、そのままでは錯角が使えません。折れ点を通る平行線を引くことで、上下それぞれで錯角が作れるようになります。
この形はほぼ必ず出ます:「平行線の間に折れ線」を見たら、折れ点を通る平行線を引く——1本の補助線で解決します。折れ点が2つ以上あるときは、それぞれの折れ点に引いてください。
例題4-2(多角形の角) (1) 十角形の内角の和を求めてください。(2) 正十角形の1つの内角の大きさを求めてください。
(1) (n − 2) × 180° に n = 10 を入れて
(10 − 2) × 180° = 8 × 180° = 1440°
(2) 方法1:内角の和から。正十角形は10個の角がすべて等しいので
1440° ÷ 10 = 144°
(2) 方法2:外角から(こちらが速い)。外角の和は何角形でも 360°。正十角形なら1つの外角は
360° ÷ 10 = 36°
内角と外角は足して 180° なので
180° − 36° = 144°
答え:(1) 1440° (2) 144°
どちらが速いか:方法2(外角から)です。360 ÷ n は割り切れることが多く、暗算できます。正多角形の角を聞かれたら、まず外角から考えてください。
逆向きの問題:「1つの外角が 24° の正多角形は何角形か」なら 360 ÷ 24 = 15 で正十五角形。「内角が 150°」なら外角は 30° なので 360 ÷ 30 = 12 で正十二角形。内角で聞かれても、外角に直してから割るのが定石です。
なぜ外角の和が 360° なのか:多角形の周りを1周歩くと、各頂点で外角のぶんだけ向きを変え、スタート地点に戻ったときちょうど1回転しています。だから合計 360°。角の数に関係ないのは、この説明を知っていれば納得できます。
例題4-3(合同条件の選び方) 次の各場合、2つの三角形は合同といえますか。いえる場合は合同条件を答えてください。
(1) AB = DE、BC = EF、∠B = ∠E
(2) AB = DE、BC = EF、∠A = ∠D
(3) AB = DE、∠A = ∠D、∠B = ∠E
(1) 合同といえる …… ∠B は辺 AB と BC の間の角です。2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。
(2) 合同とはいえない …… ∠A は辺 AB と BC の間の角ではありません(AB と AC の間の角)。この条件だけでは、形が2通りに決まってしまうことがあります。
(3) 合同といえる …… ∠A と ∠B は、辺 AB の両端の角です。1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい。
判定のしかた:角が「どの2辺の間にあるか」「どの辺の端にあるか」を、図で指さして確認してください。条件の名前を暗記するより、この確認のほうが確実です。
(2)がなぜダメか:AB と ∠A を固定して BC の長さだけ決めると、点 C の位置が2か所あり得ることがあります(B を中心にした円が、A から出る半直線と2点で交わる場合)。だから形が1つに決まりません。高校の「正弦定理で角が2通り出る」問題は、これと同じ現象です。
もう1つの条件:3組の辺がそれぞれ等しい——これも合同条件です。辺だけで決まるのは、三角形が「変形しない図形」だからです(四角形は辺の長さが同じでも形が変わります)。
例題4-4(合同の証明) 線分 AB と線分 CD が点 O で交わっていて、AO = BO、CO = DO です。このとき AC = BD であることを証明してください。
証明
△AOC と △BOD において
仮定より AO = BO ……①
仮定より CO = DO ……②
対頂角は等しいので ∠AOC = ∠BOD ……③
①②③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
△AOC ≡ △BOD
合同な図形では対応する辺が等しいので
AC = BD (証明終わり)
この答案で点になるのはどこか
・「△AOC と △BOD において」——どの2つを比べるかの宣言
・①②③それぞれの理由(「仮定より」「対頂角は等しいので」)
・合同条件の名前を正確に書くこと
・最後の一文(聞かれているのは AC = BD なので、そこまで書く)
③が見つかるかどうかが山場:辺の条件は問題文に書いてありますが、3つ目は自分で見つける必要があります。「共通」「対頂角」「錯角」を上から順に探す——この順で見れば、たいてい見つかります。
対応の順を守る:△AOC ≡ △BOD と書いたので、A↔B、O↔O、C↔D が対応します。だから AC に対応するのは BD。順番を守って書けば、対応する辺が自動的に読めます。
例題4-5(外角を使う) (1) 正十八角形の1つの内角の大きさを求めてください。(2) 1つの内角が 144° である正多角形は、何角形ですか。
考え方:内角から攻めると (n − 2) × 180 ÷ n という分数の計算になります。ところが外角の和は、何角形でもいつも 360°。正多角形なら外角はすべて等しいので、外角から入るとわり算1回で済みます。
(1) 外角は 360° ÷ 18 = 20°。内角と外角は一直線に並ぶので
内角 = 180° − 20° = 160°
(2) 内角が 144° なので外角は 180° − 144° = 36°。外角の和は 360° だから
360° ÷ 36° = 10 → 正十角形
答え:(1) 160° (2) 正十角形
確認:内角の和の式でも確かめられます。(1) は (18 − 2) × 180 ÷ 18 = 2880 ÷ 18 = 160、(2) は正十角形の内角が (10 − 2) × 180 ÷ 10 = 144。どちらの道でも同じ答えになります。
使い分けの目安は「1つ分の角を聞かれたら外角から、全部の和を聞かれたら内角の和から」。とくに (2) のように角度から角の数を逆に求める問題は、外角のほうが圧倒的に速くなります。360 のわり算になるので、割り切れるかどうかで答えが整数になるかの見当もつきます。
この単元のチェックリスト
| 確認すること | できていないと起きること |
|---|---|
| 角が「間」か「両端」か確認したか | 使えない合同条件を使う |
| 等しい理由を1つずつ書いたか | 減点される |
| 平行の根拠を確認したか | 錯角が使えない場面で使う |
| 対応する順に合同を書いたか | 辺の対応が読めない |
| 外角の和は 360° か | 内角の和と混同する |
| 結論の一文を書いたか | 途中で終わっている扱い |
もっと解きたい方へ 👉 中2 図形の証明 特訓道場(20題と全解説)
第5章 三角形と四角形
第4章で覚えた合同の証明を、実際の図形の性質を示すために使う単元です。
二等辺三角形も平行四辺形も、「定義」と「性質」と「なるための条件」の3つを区別するのがポイントです。ここが混ざると、証明で何を使ってよいのかがわからなくなります。
ここが怪しければ先に:平行と合同 / この先つながる:相似(中3)・図形の性質(数学I・A) / この単元の解法パターン:図形の証明 全12型
使う道具
| 道具 | 形 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 二等辺三角形の定義 | 2辺が等しい三角形 | これが出発点 |
| 二等辺三角形の性質 | 底角が等しい | いちばん使う |
| 頂角の二等分線は底辺を垂直に2等分 | 3つの性質が同時に | |
| 二等辺になる条件 | 2つの角が等しければ二等辺 | 性質の逆 |
| 正三角形 | 3辺が等しい/3角が 60° | 二等辺の特別な場合 |
| 直角三角形の合同条件 | 斜辺と1つの鋭角 | 直角三角形専用 |
| 斜辺と他の1辺 | 同上 | |
| 平行四辺形の定義 | 2組の対辺がそれぞれ平行 | これが出発点 |
| 平行四辺形の性質 | 対辺が等しい/対角が等しい/対角線が中点で交わる | 使ってよいのは「平行四辺形だとわかってから」 |
| 平行四辺形になる条件 | 5つ | 示したいときに使う |
| 等積変形 | 底辺が共通で高さが同じなら面積が等しい | // |
定石
「性質」と「なるための条件」を使い分ける
性質 …… 平行四辺形だとわかっているときに使える(対辺が等しい、など)
なるための条件 …… 平行四辺形だと示したいときに使う
証明の途中で「平行四辺形だから対辺が等しい」と書くには、その前に平行四辺形であることが示されている必要があります。矢印の向きを間違えない——これが第4章から続く注意です。
平行四辺形になる条件は5つ
① 2組の対辺がそれぞれ平行(定義)
② 2組の対辺がそれぞれ等しい
③ 2組の対角がそれぞれ等しい
④ 対角線がそれぞれの中点で交わる
⑤ 1組の対辺が平行でその長さが等しい
⑤がいちばんよく使われます。「平行」と「長さが等しい」の両方が同じ1組について言えるかがポイントです(別々の組だと台形かもしれません)。
二等辺三角形は「底角」から入る
「2辺が等しい」と書いてあれば底角が等しい、「2角が等しい」と書いてあれば2辺が等しい。辺と角を行き来するのが、この図形の使い方です。
等積変形は「平行線を探す」
底辺が共通で、頂点が底辺に平行な直線上を動くなら、三角形の面積は変わりません(高さが同じだから)。面積を変えずに形を変える——図形の面積を分ける問題で必ず使います。
つまずきポイント
① 平行四辺形の性質を、まだ示していないのに使う。証明の前提として「平行四辺形 ABCD において」と書いてあれば使えます。これから示そうとしているなら使えません。
② 条件⑤で、平行と長さを別々の組で使う。同じ1組の対辺について「平行」かつ「長さが等しい」が必要です。AB // DC と AD = BC では、平行四辺形とは限りません(等脚台形かもしれません)。
③ 二等辺三角形の「底角」がどこかわからなくなる。等しい2辺にはさまれた角が頂角、残りの2つが底角です。図の向きが変わっても、この関係で見つけてください。
④ 直角三角形の合同条件を、普通の三角形に使う。「斜辺と他の1辺」は直角三角形専用です。直角があることを確認してから使ってください。
⑤ 等積変形で、平行でない直線上を動かす。面積が変わらないのは底辺に平行な直線上を動くときだけです。
⑥ ひし形・長方形・正方形の関係を整理していない。すべて平行四辺形の特別な場合です。ひし形は「4辺が等しい平行四辺形」、長方形は「4角が等しい平行四辺形」、正方形は「その両方」。
例題
例題5-1(二等辺三角形) AB = AC の二等辺三角形 ABC で、∠A = 40° です。∠B の大きさを求めてください。また、∠B の二等分線と AC の交点を D とするとき、∠BDC の大きさを求めてください。
手順1:底角を求める。AB = AC なので ∠B = ∠C(二等辺三角形の底角)。
内角の和が 180° なので
∠B = ∠C = (180° − 40°) ÷ 2 = 70°
手順2:∠BDC を求める。BD は ∠B の二等分線なので ∠DBC = 70° ÷ 2 = 35°。
三角形 DBC で内角の和を使うと
∠BDC = 180° − 35° − 70° = 75°
答え:∠B = 70°、∠BDC = 75°
別解(外角を使う):∠BDC は三角形 ABD の外角なので、となり合わない2つの内角の和に等しい。
∠BDC = ∠A + ∠ABD = 40° + 35° = 75° ✓
外角を使うと引き算が1回減ります。角度の計算では、この形を探す習慣をつけてください。
底角の見つけ方:AB = AC なので、等しい2辺にはさまれた ∠A が頂角。残りの ∠B と ∠C が底角です。図がどんな向きでも、等しい辺を先に確認すれば迷いません。
例題5-2(平行四辺形になる条件) 四角形 ABCD について、次の条件のとき平行四辺形といえますか。
(1) AB // DC、AB = DC
(2) AB // DC、AD = BC
(3) AC と BD がそれぞれの中点で交わる
(1) 平行四辺形といえる …… 1組の対辺が平行でその長さが等しい(条件⑤)。AB と DC という同じ1組について、平行と長さの両方が言えています。
(2) 平行四辺形とはいえない …… 平行なのは AB と DC の組、長さが等しいのは AD と BC の組で、別々の組です。この条件は等脚台形でも成り立ちます。
(3) 平行四辺形といえる …… 対角線がそれぞれの中点で交わる(条件④)。
(2)の反例を思い浮かべる:上底と下底が平行で、左右の辺の長さが等しい台形(等脚台形)。平行四辺形ではありません。「条件が2つあるから大丈夫」と思わず、同じ組かどうかを確認してください。
覚え方:条件⑤は「平行」と「等しい」が同じ辺のペアについて言えるときだけ使えます。この一点を押さえておけば、(2)のような引っかけに引っかかりません。
例題5-3(平行四辺形の証明) 平行四辺形 ABCD の対角線 BD 上に、BE = DF となる2点 E, F をとります(E は B 側、F は D 側)。このとき、四角形 AECF は平行四辺形であることを証明してください。
方針:対角線を使う条件④で示します。四角形 AECF の対角線は AC と EF です。
証明
AC と BD の交点を O とします。
平行四辺形 ABCD の対角線はそれぞれの中点で交わるので
AO = CO ……①
BO = DO ……②
仮定より BE = DF ……③
②③より
EO = BO − BE = DO − DF = FO ……④
①④より、四角形 AECF は対角線 AC と EF がそれぞれの中点 O で交わるので、平行四辺形です。(証明終わり)
この証明の要点:
・「平行四辺形 ABCD」は最初から与えられているので、その性質(対角線が中点で交わる)は使ってよい
・示したいのは「AECF が平行四辺形」なので、こちらには条件を使う
・同じ点 O が両方の対角線の中点になっていることを示すのがゴール
「性質」と「条件」の使い分けが、まさにここです。与えられている図形には性質を、示したい図形には条件を——この向きを守れば、証明の道筋が自然に決まります。
別の方針もある:△ABE ≡ △CDF を示して AE = CF、同様に AF = CE を示せば、2組の対辺が等しい(条件②)でも証明できます。どの条件を使うかで、書く量が変わります。対角線が図に描かれているなら、条件④がいちばん短く済みます。
例題5-4(等積変形) 四角形 ABCD の面積を変えずに、頂点 D を辺 BC の延長線上に移して三角形に作り変えるには、どうすればよいですか。理由も説明してください。
方法 対角線 AC を引きます。次に、点 D を通り AC に平行な直線を引き、辺 BC の延長との交点を E とします。すると三角形 ABE が、もとの四角形 ABCD と同じ面積になります。
理由 三角形 ACD と三角形 ACE を比べます。
・底辺 AC は共通
・DE // AC なので、D と E から AC までの距離(高さ)は等しい
したがって △ACD = △ACE(面積が等しい)。
四角形 ABCD = △ABC + △ACD、三角形 ABE = △ABC + △ACE なので、
四角形 ABCD = 三角形 ABE(説明終わり)
等積変形の考え方:底辺を固定して、頂点を底辺に平行な直線上で動かすと、高さが変わらないので面積も変わりません。「面積を変えずに形を変える」——この操作が等積変形です。
使いどころ:
・四角形を三角形に直して、面積を計算しやすくする
・土地を分ける問題(境界線をまっすぐにする)
・図形の面積を2等分する直線を引く
高校でも同じ発想が出ます:数学IIの「放物線と直線で囲まれた面積」では、面積を変えずに図形を移す考え方が使われます。中2で身につけた「平行なら高さが同じ」が、そのまま効いています。
例題5-5(直角三角形の合同) AB = AC の二等辺三角形 ABC で、底辺 BC の中点を M とします。M から辺 AB、AC にそれぞれ垂線 MD、ME を引くとき、MD = ME であることを証明してください。
考え方:直角三角形どうしの合同では、ふつうの合同条件のほかに2つ使えます——「斜辺と1つの鋭角」と「斜辺と他の1辺」。直角が1つ確保されているぶん、等しいものが2つ見つかれば足りるのがこの条件の強みです。
ここでは MD ⊥ AB、ME ⊥ AC から直角が2つ。あとは二等辺三角形の底角が等しいことと、M が中点であることを使います。
証明
△BDM と △CEM において
∠BDM = ∠CEM = 90°(MD、ME は垂線) ……①
BM = CM(M は BC の中点) ……②
∠DBM = ∠ECM(二等辺三角形の底角) ……③
①、②、③より、直角三角形で斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいので
△BDM ≡ △CEM
合同な図形の対応する辺は等しいので MD = ME (証明終)
答え:上のとおり
確認:②で使った BM と CM は、直角の向かい側にある辺、つまり斜辺です。「斜辺と1つの鋭角」の条件では、等しいと言う辺が斜辺でなければいけません。ここを別の辺で書くと条件を満たしません。
③の底角が等しいことは、AB = AC から出ます。与えられた条件のうち、まだ使っていないものが残っていないかを確かめる——証明で手が止まったら、この見直しが有効です。ここでは AB = AC、M が中点、垂線の3つをすべて使い切っています。
この単元のチェックリスト
| 確認すること | できていないと起きること |
|---|---|
| 性質と条件を使い分けたか | 示す前の性質を使ってしまう |
| 条件⑤で同じ1組か確認したか | 台形を平行四辺形と誤る |
| 頂角と底角を正しく見分けたか | 角度の計算が合わない |
| 直角三角形専用の条件を確認したか | 使えない場面で使う |
| 等積変形で平行を確認したか | 高さが変わってしまう |
| 外角を使えないか探したか | 計算が長くなる |
もっと解きたい方へ 👉 三角形と四角形の性質 二等辺三角形・平行四辺形(無料問題PDF)
第6章 確率とデータの比較
中2の最後は、「どれくらい起こりやすいか」を数で表す単元と、2つのデータを比べる単元です。
確率でいちばん大事なのは、「同じくらい起こりやすいものを数える」という約束。ここを外すと、数え方は正しいのに答えが合いません。高校の確率でも、まったく同じ注意が続きます。
ここが怪しければ先に:データの活用(中1) / この先つながる:場合の数(数学I・A)・データの分析(数学I・A) / この単元の解法パターン:確率 全10型 / この単元を1日1枚で:毎日の数学 1枚
使う道具
| 道具 | 形 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 確率の定義 | (あてはまる場合の数)/(全部の場合の数) | 同様に確からしいとき |
| 樹形図 | 枝分かれで全部書き出す | 数が少ないとき確実 |
| 表 | さいころ2個などで 6 × 6 | 2つのものを組み合わせる |
| 確率の範囲 | 0 ≤ p ≤ 1 | 答えの妥当性チェック |
| 起こらない確率 | 1 −(起こる確率) | 「少なくとも」に効く |
| 四分位数 | Q1(下から4分の1)、Q2(中央値)、Q3 | データを4等分 |
| 四分位範囲 | Q3 − Q1 | 真ん中半分の散らばり |
| 箱ひげ図 | 最小値・Q1・中央値・Q3・最大値 | 5つの数で分布を表す |
定石
確率は「全部書き出す」のが最も確実
公式を探す前に、樹形図か表で全部書き出せないかを考えてください。中2の確率は、書き出せる大きさの問題がほとんどです。
樹形図が向くとき …… コイン、くじ、順に取り出す
表が向くとき …… さいころ2個、2つのものの組み合わせ
「区別する」と、同じくらい起こりやすくなる
さいころ2個を投げるとき、1個目と2個目を区別して 6 × 6 = 36 通りと数えます。「和が2」と「和が7」は起こりやすさが違うので、和で数えてはいけません。
同じ理由で、赤玉が2個あるなら「赤1・赤2」と区別します。区別して数えれば、自動的に「同様に確からしい」状態が作れます。
「少なくとも」は、反対を数える
「少なくとも1枚は表」の反対は「1枚も表が出ない(=全部裏)」。反対のほうが数えやすいので、1 − (全部裏の確率) で求めます。
四分位数は「まん中で切って、それぞれのまん中」
手順
① データを小さい順に並べる
② 全体の中央値を出す(これが Q2)
③ 中央値より下だけを集めて、その中央値が Q1
④ 中央値より上だけを集めて、その中央値が Q3
データが奇数個のときは、まん中の1個は上下どちらにも入れません。ここが最頻出の間違いです。
つまずきポイント
① さいころ2個を区別せずに数える。(1, 2) と (2, 1) は別々に数えます。区別しないと、起こりやすさが違うものを同じに扱うことになります。
② 確率が1を超える、または負になる。ありえません。答えが範囲外になったら、数え方が間違っています。必ず 0 以上 1 以下です。
③ 樹形図で枝を書き落とす。「同じものを2回選べるか」「順番に意味があるか」を先に決めてから書いてください。
④ 四分位数で、中央値を上下両方に入れる。データが奇数個のとき、まん中の値はどちらの組にも入れません。9個なら、下位4個と上位4個で計算します。
⑤ 四分位範囲と範囲を混同する。範囲=最大−最小、四分位範囲=Q3 − Q1。四分位範囲のほうが、極端な値の影響を受けにくい指標です。
⑥ 箱ひげ図から平均値を読もうとする。箱ひげ図に平均値は表れません(別に印を付ける場合を除く)。読めるのは最小値・Q1・中央値・Q3・最大値の5つだけです。
例題
例題6-1(さいころ2個) 大小2つのさいころを同時に投げるとき、出る目の和が 7 になる確率を求めてください。
手順1:全部の場合の数。大小を区別して 6 × 6 = 36 通り。
手順2:和が7になる場合を書き出す。
(1, 6), (2, 5), (3, 4), (4, 3), (5, 2), (6, 1) の 6 通り
手順3:確率を出す。
6 / 36 = 1/6
答え:1/6
なぜ区別するのか:もし区別せずに「和は2から12までの11通り」と考えて 1/11 とすると誤りです。和が 2 になるのは (1,1) の1通りだけ、和が 7 になるのは6通り。起こりやすさが違うものを同じに数えてはいけません。
表で整理すると速い:縦に大の目、横に小の目で 6 × 6 の表を作り、和が 7 になるマスに印をつけます。ちょうど斜め1本に並ぶので、数え間違えません。
和が7がいちばん出やすい:2 と 12 は1通り、7 は6通り。真ん中が最も多いのは、組み合わせの数がそうなっているからです。
例題6-2(少なくとも) コインを 3 枚同時に投げるとき、少なくとも1枚は表が出る確率を求めてください。
手順1:全部の場合の数。各コインが表・裏の2通りなので 2 × 2 × 2 = 8 通り。
手順2:反対を数える。「少なくとも1枚は表」の反対は「1枚も表が出ない」=「3枚とも裏」で、これは 1 通りだけ。
手順3:1から引く。
1 − 1/8 = 7/8
答え:7/8
正面から数えると:「表が1枚」3 通り、「表が2枚」3 通り、「表が3枚」1 通りで合計 7 通り。7/8 で一致します。ただし場合分けが3つ必要で、数え落としの危険があります。
「少なくとも」を見たら反対を数える:これはこの先ずっと使う定石です。高校の確率でも、まったく同じ形で出てきます 👉 数学I・Aの要点辞典(第7章 確率)
樹形図で確かめる:3枚のコインを順に見ていくと、2 → 4 → 8 と枝が増えます。8本の枝のうち「裏裏裏」だけが該当しない——図で見ると一目です。
例題6-3(くじ引き) 5 本のくじの中に当たりが 2 本あります。この中から続けて 2 本引くとき(引いたくじは戻さない)、2本とも当たりである確率を求めてください。
手順1:1本目が当たりの確率。5 本のうち当たりは 2 本なので 2/5。
手順2:2本目も当たりの確率。1本目で当たりを1本引いたので、残りは4本、そのうち当たりは1本。よって 1/4。
手順3:かける。
(2/5) × (1/4) = 2/20 = 1/10
答え:1/10
別解(全部書き出す):当たりを A1, A2、はずれを B1, B2, B3 と区別して、2本の選び方を数えます。組み合わせは 10 通り、そのうち両方当たりは {A1, A2} の 1 通り。1/10 ✓
「戻さない」が効いている:2本目のときは全体も当たりも1つずつ減っています。もし「引いたくじを戻す」なら、2本目も 2/5 のままで、答えは (2/5)2 = 4/25 になります。問題文の「戻す/戻さない」を必ず確認してください。
当たりを区別する理由:A1 と A2 を区別しないと、「当たり2本」を1通りと数えるか2通りと数えるかで混乱します。区別して数えるのが、いつでも安全です。
例題6-4(四分位数と箱ひげ図) 次の 9 個のデータについて、中央値・第1四分位数・第3四分位数・四分位範囲を求めてください。
1, 3, 4, 6, 7, 9, 10, 12, 15
手順1:中央値を出す。すでに小さい順に並んでいます。9 個なので5番目が中央値。
Q2 = 7
手順2:下半分・上半分に分ける。まん中の 7 は、どちらにも入れません。
下半分:1, 3, 4, 6(4個)
上半分:9, 10, 12, 15(4個)
手順3:それぞれの中央値を出す。4個なので、真ん中2つの平均です。
Q1 = (3 + 4) ÷ 2 = 3.5
Q3 = (10 + 12) ÷ 2 = 11
手順4:四分位範囲。
Q3 − Q1 = 11 − 3.5 = 7.5
答え:中央値 7、Q1 = 3.5、Q3 = 11、四分位範囲 7.5
この箱ひげ図の5つの数:最小値 1、Q1 = 3.5、中央値 7、Q3 = 11、最大値 15。箱の左端が 3.5、右端が 11、中の線が 7 になります。
最頻出のミス:中央値を上下両方に入れてしまうこと。この例だと下半分を 1,3,4,6,7 の5個としてしまい、Q1 = 4 という違う答えになります。データが奇数個のときは、まん中の1個を除くと覚えてください。
範囲との違い:範囲は 15 − 1 = 14、四分位範囲は 7.5。四分位範囲は、飛び離れた値(この場合の 15)の影響を受けにくいので、散らばりを比べるときはこちらが使われます。
高校でもこのまま出ます:数学Iの「データの分析」で、同じ四分位数と箱ひげ図を扱います 👉 数学I・Aの要点辞典(第5章)
例題6-5(2つのデータを比べる) A組とB組(どちらも20人)の得点について、最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値が次のようになりました。
| 組 | 最小値 | Q1 | 中央値 | Q3 | 最大値 |
|---|---|---|---|---|---|
| A組 | 2 | 5 | 8 | 12 | 18 |
| B組 | 4 | 7 | 8 | 10 | 20 |
次の(ア)〜(ウ)は、この表から正しいと判断できますか。
(ア)四分位範囲は A組のほうが大きい
(イ)12点以上の生徒は、A組に少なくとも5人いる
(ウ)B組には、ちょうど8点の生徒が必ずいる
考え方:この形の問題で問われているのは計算ではなく、「その5つの数から、どこまで言えるか」です。言えることと言えないことの線引きを、1つずつ確かめます。
(ア)正しい:四分位範囲は Q3 − Q1 なので、A組は 12 − 5 = 7、B組は 10 − 7 = 3。A組のほうが散らばりが大きいとわかります。
(イ)正しい:20人を小さい順に並べると、Q3 は上位10人のまん中、つまり15番目と16番目の平均です。これが12なので、16番目から20番目までの5人は12点以上。よって少なくとも5人います。
(ウ)正しいとは言えない:20人は偶数なので、中央値は10番目と11番目の平均です。たとえば10番目が7点、11番目が9点でも中央値は8点になります。8点の生徒が1人もいなくても、中央値は8になり得ます。
答え:(ア)正しい (イ)正しい (ウ)正しいとは言えない
確認:(ウ)の反例を実際に作ってみます。4, 5, 6, 7, 7, 7, 7, 7, 7, 7, 9, 9, 9, 9, 10, 10, 12, 15, 18, 20 の20個は、最小値4・Q1 7・中央値8・Q3 10・最大値20 でB組の表と完全に一致しますが、8点は1つもありません。
このほか平均値も、この5つの数からは求められません。中央値が同じでも平均が同じとは限らない——「読み取れること」と「読み取れないこと」を分けるのが、この単元でいちばん問われるところです。
この単元のチェックリスト
| 確認すること | できていないと起きること |
|---|---|
| 同じものも区別して数えたか | 起こりやすさが違うものを同じに扱う |
| 確率が0以上1以下か | 計算ミスに気づけない |
| 「少なくとも」で反対を数えたか | 場合分けが増えて数え落とす |
| 「戻す/戻さない」を確認したか | 2回目の確率を間違える |
| 四分位で中央値を除いたか | Q1, Q3 |
| 範囲と四分位範囲を区別したか | 別の値を答える |
もっと解きたい方へ 👉 場合の数・確率の特訓道場 第1章(数え方と確率の基本・全35問)
最後に:中2の内容が中3・高校でどう使われるか
6単元を見てきました。中2で習うことは、そのまま中3と高校で使われます。とくに「証明の書き方」は、ここで身につけた癖が高校まで続きます。
見方1 中2の道具は、この先こう使われる
| 中2で習ったこと | この先どう使われるか | いつ |
|---|---|---|
| 式の計算・文字式の説明 | 展開と因数分解、整数の性質の証明 | 中3・数学I・A |
| 連立方程式 | 2直線の交点、放物線と直線の交点 | 中3・数学II |
| 一次関数 | y = ax2 | 中3・数学I |
| 変化の割合 | 微分(変化の割合の極限) | 数学II |
| 合同の証明 | 相似の証明、円の性質の証明 | 中3・数学A |
| 平行四辺形 | ベクトルの和、平行四辺形の面積 | 数学C |
| 等積変形 | 面積を変えずに図形を移す | 数学II |
| 確率 | 順列・組合せ、条件つき確率 | 数学A |
| 四分位・箱ひげ図 | そのまま同じ内容を数学Iで扱う | 数学I |
とくに大きいのが「変化の割合」と「証明の書き方」です。変化の割合は高校で微分になり、証明の型は数学I・Aの論証にそのまま引き継がれます。
見方2 証明は「型」で書く
中2で証明が苦手になる人の多くは、何を書けばいいのかがわからないだけです。書く順番は決まっています。
① どの2つを比べるかを宣言する …… 「△ABC と △DEF において」
② 等しいものを3つ、理由つきで並べる …… 「仮定より」「共通」「対頂角は等しいので」
③ 合同条件の名前を書く …… 「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので」
④ 合同を書く …… 「△ABC ≡ △DEF」
⑤ 聞かれたことを結論として書く …… 「対応する辺は等しいので AB = DE」
①と⑤を書き忘れる人が多いです。この2つは「何をするのか」と「何がいえたのか」を示す部分で、採点者がいちばん見るところです。
そしてこれは「順番に当てはめているだけ」ではありません。型があることで、「等しいものを3つ探す」という一点に集中できる——考える場所が絞られるから、手際よく書けるのです。
見方3 答えが出たら、必ず「戻して確かめる」
| 単元 | 戻して確かめること |
|---|---|
| 式の計算 | x = 1 などを代入して、計算前後で同じ値か |
| 連立方程式 | 2つともの式に代入する |
| 一次関数 | 式を作るのに使わなかった点を代入する |
| 平行と合同 | 角の合計が 180° や 360° と合うか |
| 三角形と四角形 | 使った性質が、示す前のものになっていないか |
| 確率 | 0 |
| データ | Q1 ≤ 中央値 ≤ Q3 |
この確認の習慣は、成績が上がる速さそのものに直結します。自分でミスを見つけられる人は、テストの返却を待たずに修正できるからです。
中2の数学で、次にやること
このページを読み終えたら、いちばん自信がない単元をひとつだけ選んでください。そして、その章の「例題」を何も見ずに解いてみる。解けなければ「つまずきポイント」に戻る。これを1単元ずつ潰していくのが、いちばん速い進み方です。
問題をたくさん解きたいなら 👉 中2数学 総合演習 特訓道場(20題)/無料学習プリント・映像授業
よくある質問
証明の書き方がわかりません。何から始めればいいですか
型を丸ごと1つ覚えてしまうのが近道です。「△ABC と △DEF において」から始め、等しいものを理由つきで3つ並べ、合同条件の名前を書き、合同を書き、最後に聞かれたことを書く——この5段です。第4章の例題4-4が、そのままお手本になります。最初は例題を写して、型を体に入れてください。
連立方程式は、加減法と代入法のどちらを使えばいいですか
片方の式が x = 〜 や y = 〜 の形なら代入法、両方が ax + by = c の形なら加減法です。ただし迷ったら加減法で構いません。どちらでも必ず解けます。分数や小数が入っているときは、先に整数の式に直してから選んでください。
一次関数の文章題が苦手です
読み取るのは2つだけです。「1あたりいくつ変わるか」(=傾き)と「最初の値」(=切片)。「毎分4L」なら傾き4、「最初に20L入っている」なら切片20で、y = 4x + 20。この2つを探す作業だと決めてしまうと、問題文が読みやすくなります。第3章の例題3-4に対応表を載せました。
確率で、さいころ2個を区別する理由がわかりません
区別しないと「同じくらい起こりやすいもの」を数えたことにならないからです。和が2になるのは (1,1) の1通りだけですが、和が7になるのは6通りあります。この2つは起こりやすさが違うのに、「和」で数えると同じ1通りとして扱ってしまいます。区別して 36 通りで数えれば、すべて同じ起こりやすさになります。
四分位数で、いつも Q1 がずれます
原因はほぼ中央値を上下両方に入れていることです。データが奇数個のとき、まん中の1個はどちらの組にも入れません。9個なら下位4個と上位4個で計算します。偶数個のときは、そのまま半分ずつに分けて構いません。
中3の予習は、いつから始めるとよいですか
中2の内容が固まってからで十分です。ただし「一次関数」と「合同の証明」だけは、中2のうちに完璧にしておいてください。中3の y = ax2 と相似の証明が、この2つの続きだからです。予習を始めるなら 👉 中3数学の要点辞典(全8単元)
このページの例題は、どこかの問題集から取ったものですか
いいえ。掲載している例題・解説・図は、すべて数強塾が新規に書き下ろしたものです。市販の参考書や問題集から問題文・解説を転載したものは一切含まれていません。数値も、こちらで設定して検算したうえで掲載しています。
ほかの学年の要点辞典はありますか
あります。中1数学の要点辞典(全7単元)、中3数学の要点辞典(全8単元)、そして高校の内容は 数学I・Aの要点辞典(全9単元) から始まります。全7ページの入口は 数学の要点辞典まとめ です。
変化の割合とは何ですか。傾きと同じですか
一次関数では同じものです。変化の割合は (y の増加量) ÷ (x の増加量) で、y = ax + b ではこれがつねに a(=傾き)になります。ただし一定なのは一次関数だけで、中3の y = ax2 では区間ごとに変わります。この「変化の割合」が、数学IIの微分そのものです。第3章 一次関数で扱っています。
平行四辺形になる条件は、5つ全部が必要ですか
いいえ。5つのうち、どれか1つが言えれば平行四辺形です。証明では「使いやすいものを1つ選ぶ」ことになります。注意したいのは⑤だけが「1組」でよい点で、ここを「2組」と覚えていると証明が途中で止まります。図で5つを並べてありますので、第5章 三角形と四角形で確かめてください。
数強塾からのご案内
数強塾は、数学を専門にしたオンライン個別指導塾です。中学生・高校生を対象に、一人ひとりの理解の状態に合わせて指導しています。
中2は、数学が急に難しく感じられる学年です。原因の多くは「計算はできるが、説明の書き方がわからない」こと。証明は、書いたものを人に見てもらわないと直りません。もし今そういう状態なら、一度ご相談ください。
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- 数学I・Aの要点辞典(全9単元) ── 高校に入ってからの続き
- 数学の要点辞典まとめ(全7ページ・57単元) ── 単元から探せる逆引き表
- 単元のつながり(主要39単元) ── その単元がどこから来て、どこへ行くのか
- 無料学習プリント・映像授業 ── 単元別プリントを無料で公開しています
- 図形問題100本ノック ── 平面・立体・比・相似・合同の総復習
- 学校別 数学対策 ── 中高一貫校の進度に合わせた進め方
数強塾オリジナル 追加演習4題——「等しいものを3つ探す」の、その3つの選び方
見方2に、証明の型を5段で書きました。そして「型があることで、『等しいものを3つ探す』という一点に集中できる」とも書いています。そのとおりです。
ただ、その3つをどう選ぶかは書いていません。同じ図でも選び方は1通りとはかぎらず、選び方によって証明の長さが変わります。そして「3つ等しい」だけでは合同が言えない組み合わせもあります。
この4題は、全部「3つの選び方」の話です。①選び方が2通りある図、②選んではいけない3つ、③図に線がないのに使う「共通」、④3つ選んだあとに何を書くか。すべて第4章・第5章の範囲だけで解けます。
追加第1問 同じ図で、2通りの選び方ができる
平行四辺形 の対角線 と の交点を とする。 を、2通りの合同条件で証明せよ。
証明1(2組の辺とその間の角)
と において
・(平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わる)
・(同上)
・(対頂角は等しい)
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので 。
証明2(1組の辺とその両端の角)
と において
・(対角線はそれぞれの中点で交わる)
・( の錯角)
・(対頂角)
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので 。
どちらも正しい証明です。違うのは3つ目に何を選んだかだけ——証明1は「もう1組の辺」、証明2は「錯角」を選びました。使える事実が図の中に4つ以上あるとき、3つの選び方は何通りもあります。だから「3つ探す」で手が止まったら、いま見つけた2つに足せるものを、辺からも角からも探すのが正解です(なぜ対頂角は等しいのか、なぜ平行線では同位角・錯角が等しいのか)。
検算
座標で確かめます。、、、 とすると、これは平行四辺形です( と
対角線の中点はどちらも
合同を示したら、座標を1組入れて3辺を測る。これが中2でできる最強の検算です。
追加第2問 選んではいけない3つ
次の主張は正しいか。正しくなければ、反例を挙げよ。
「2組の辺と、1組の角がそれぞれ等しい2つの三角形は合同である」
解答
正しくありません。合同条件は「2組の辺とその間の角」であって、間でない角では合同が言えません。
反例を作ります。
このとき、点
実際に
中2で合同条件が3つしかない(直角三角形の2つを入れても5つ)のは、これ以外の組み合わせでは形が決まらないからです。「等しいものを3つ探す」の3つは、どの3つでもよいわけではありません。3つ見つけたら、それが合同条件の名前になるかを必ず確かめてください(なぜ三角形は3辺が決まると形が決まるのか)。
検算
2つの
両方とも
追加第3問 3つ目は、図に線が1本しかないところにある
証明
・
・
・
3組の辺がそれぞれ等しいので
合同な図形の対応する角は等しいので
3つ目の
「等しいものが2つしか見つからない」と言う人の大半は、この共通を見落としています。2つの三角形が辺や角を共有していないかを、必ず見てください。
| どこから来るか | 探し方 | 書く理由 |
|---|---|---|
| 仮定に書いてある | 問題文をそのまま写す | 「平行四辺形だから」「M は中点だから」 |
| 図に見えている | 2本の直線が交わっていれば対頂角 | 対頂角/錯角/同位角 |
| 図に線が1本しかない | 2つの三角形が共有している辺や角 | 共通(追加第3問) |
| すでに示したこと | 前の段で証明した合同や二等辺 | 「①より」と書く |
検算
座標で確かめます。
角も測れます。
追加第4問 3つ選んだあと、まだ終わっていない
追加第3問と同じ図で、今度は
誤った答案
何が足りないか
合同までは正しいのですが、そこから垂直がどう出るのかが書かれていません。見方2の型でいえば、④で止まっていて⑤がない状態です。
正しい答案
合同な図形の対応する角は等しいので
ここで
等しい2つを足して
見方2は「①と⑤を書き忘れる人が多い」と書きました。⑤(結論)を忘れるとは、こういうことです。合同は「聞かれたこと」ではなく「聞かれたことを出すための道具」——道具を手に入れたところで答案を終えてはいけません。
そして⑤で使ったのは「一直線なら
検算
座標で確かめます。
角度でも。
この4題で確認したこと
- 「等しいものを3つ」の選び方は1通りとはかぎらない。辺からも角からも探せば、証明が2通りできることがある(追加第1問)。
- 3つ見つけても、それが合同条件の名前になるかを確かめる。「2組の辺と間でない角」では合同が言えない(追加第2問)。
- 3つ目は「共通」にあることが多い。図に線が1本しかなくても、2つの三角形が共有していれば使える(追加第3問)。
- 等しいものの出どころは4つ——仮定/図(対頂角・錯角・同位角)/共通/すでに示したこと。
- 合同は結論ではなく道具。「合同を示せ」でない問題では、合同のあとにもう一手が要る(追加第4問)。
- 検算は座標を1組入れて、辺の長さと角を測る。中2の範囲でできて、しかも確実です。
証明の演習は 中2 図形の証明 特訓道場|結論から逆算する設計図20題(追加第4問の「もう一手」を、逆算で見つける練習です)、型で見渡すなら 中2数学 図形の証明の解法パターン全12型 へ。角度の難問は 中2 角度(難問)特訓道場|補助線の引き方で解く20題 にあります。
ほかの章の演習は 連立方程式の計算 特訓道場、一次関数(基本)特訓道場、式の計算 特訓道場|文字式で説明する20題、全範囲は 中2数学 総合演習 特訓道場 へ。
道具の「なぜ」は、なぜ対頂角は等しいのか、なぜ平行線では同位角・錯角が等しいのか、なぜ三角形は3辺が決まると形が決まるのか、なぜ二等辺三角形の底角は等しいのか、なぜ三角形の内角の和は180°なのか にまとめてあります。
前後の学年は 中1数学の要点辞典、中3数学の要点辞典(中3の道具で高校の問題を解く追加演習つき)、高校は 数学I・Aの要点辞典、全7ページの入口は 数学の要点辞典まとめ です。

