粒子の数が増え、壁に当たる回数が増える。VとTが一定ならPはnに比例。
PAST PAPER QUICK ACCESS
年度から問題PDFをすぐ開く
年度を押すと、本試験の問題PDFが直接開きます。
数強塾グループ オリジナル講座 · COMMON TEST CHEMISTRY · 2027
2027年
共通テスト化学
完全攻略
本講座は、数強塾グループが企画・制作するオリジナルの無料学習講座です。
2026年度本試験までの大学入試センター公式資料を分析。
現行課程の全範囲を、本教材独自の12学習区分に整理し、暗記・理屈・資料読解・計算で往復できます。
00 / ZERO START — 中学生から読める大学受験化学
気体・電子・金属・結晶・平衡を
「なぜ?」から全部つなぐ
CH4、HBr、mol、電気陰性度、イオン化傾向、金属イオン分離、六方最密、反応速度・平衡。ばらばらに見える記号を、粒子の絵と言葉から大学受験の計算まで一本の道にしました。
気体の状態方程式:圧力は「壁への体当たり」
式を暗記する前に、粒子が壁へぶつかる様子を想像します。
→ 圧力が生まれる
P 圧力 V 体積 n 物質量 R 気体定数 T 絶対温度
P = nRT / V粒子が速く動き、強く頻繁にぶつかる。Vとnが一定ならPは絶対温度Tに比例。
粒子が広い空間へ散らばり、壁への衝突が減る。nとTが一定ならPはVに反比例。
Rは気体定数。気体の種類では変わらないが、PとVの単位に合う値を選ぶ。
- 何が一定かを問題文に印を付ける。
- 温度を ℃からK に直す。
- 増減を比で代入し、最後に意味を言葉で確認する。
nを2倍、300 Kを450 K、Vは一定
P2/P1 = 2 × 450/300 = 3
粒子数が2倍、速さの効果が1.5倍なので圧力は3倍。上と同時にVを3倍
P2/P1 = 2 × 1.5 × 1/3 = 1
nとTは増えても、Vが3倍なら圧力は変わらない。| 場面 | 変わりにくい量 | 起こりやすいこと |
|---|---|---|
| 硬いボンベ | Vがほぼ一定 | nやTが増えるとPが上がりやすい |
| 動くピストン | 外圧Pがほぼ一定の場合 | nやTが増えるとVが大きくなる |
| ゴム風船 | Pは外気圧に近い | 主にVが変わる。厳密には膜の張力も関係 |
| 開いた容器 | 外気圧P | 気体が出入りするためn一定とは限らない |
T[K] = t[℃] + 273.15。20℃→40℃は293 K→313 Kであり「2倍」ではありません。入試では問題の指定に従い273を使うことがあります。
もう一歩:Rの単位・混合気体・理想気体の限界
R = 8.31 Pa·m3·mol−1·K−1 と 8.31 kPa·L·mol−1·K−1 は数値が同じです。1 Pa·m3 = 1 kPa·Lだからです。atmとLなら約0.0821 L·atm·mol−1·K−1を使います。
理想混合気体では全圧は各成分の分圧の和で、Pi = niRT/V。高圧・低温・液化に近い状態では分子自身の体積や分子間力を無視できず、理想気体からずれます。
化学式の読み方:数字の「場所」が意味を変える
下付き、前の係数、右上の電荷を区別できれば、反応式の半分は完成です。
2文字目は小文字
COはCとOからなる一酸化炭素。Coはコバルトという1元素。大文字・小文字で別物です。
1個の分子・式単位の中にHが2個、Oが1個。1は書きません。
水が2組。合計Hは4個、Oは2個。係数は式全体に掛かります。
硫酸イオン全体で−2。下の4はOの個数で、右上の2−は電荷です。
原子数合わせで下付き数字を変えると、量ではなく物質そのものが変わります。
Ca(OH)2
外の2を中のOとHの両方へ掛ける。Ca 1、O 2、H 2。
3Al2(SO4)3
Al 6、S 9、O 36。まず1式分を数え、最後に係数3を掛ける。
NH4+
N 1、H 4、全体の電荷+1。「4」と「+」は別の情報。
イオンから組成式を作る:全体の電荷を0にする
- Na+ と Cl−→ NaCl+1と−1が1:1
- Mg2+ と Cl−→ MgCl2Cl−が2個必要
- Al3+ と O2−→ Al2O3+6と−6
- Ca2+ と OH−→ Ca(OH)2多原子イオンをかっこで囲む
- NH4+ と SO42−→ (NH4)2SO4最小整数比にする
電荷を交差させる方法は補助です。最後に必ず約分します。Ca2+とO2−はCa2O2ではなくCaOです。
化学式の種類:「何を見せたい式か」が違う
同じ物質でも、目的により書き方を変えます。
| 種類 | 分かること | 例 | 大切な注意 |
|---|---|---|---|
| 分子式 | 1分子中の原子の種類と個数 | H2O、C2H6O | 結合の順番までは分からない |
| 組成式 | 結晶などを作る粒子の最も簡単な個数比 | NaCl、CaCl2、SiO2 | NaClを独立した「1分子」と決めつけない |
| 最簡式 | 元素の最も簡単な整数比 | C2H6 → CH3 | 実際の分子量の情報が消える |
| 示性式 | 性質を決める原子団 | C2H5OH、CH3COOH | OHやCOOHが見える |
| 構造式 | 原子どうしの結合関係 | CH3−CH3、CH2=CH2 | 単・二・三重結合も示せる |
| 電子式 | 価電子、共有電子対、非共有電子対 | H:Br: など | 結合に使わない電子対も書く |
分子式が同じでも結合の順番が違えば別の物質です。これを構造異性体といいます。
価数と結合:原子の「手」の数で考える
入門では Hは1本、ハロゲンは1本、Oは2本、Nは基本3本、Cは4本と考えます。
価数・価電子数・酸化数は別物です。価電子数は最外殻電子の数、価数は結合の本数を考える尺度、酸化数は結合電子を一定の規則で割り当てた仮想的な電荷です。
共有電子対1組。σ結合1本。
共有電子対2組。σ結合1本+π結合1本。
共有電子対3組。σ結合1本+π結合2本。
メタン
C−Hを4本。アルカン。分子の形は正四面体。
エタン
C−C単結合。各CはC−Hを3本作り、合計4本。
エチレン
C=C二重結合。アルケン。二重結合付近は平面。
アセチレン
C≡C三重結合。アルキン。分子は直線形。
CnH2nだから必ずアルケンとは限りません。シクロアルカンも同じ一般式です。分子式だけでは結合位置や異性体を決め切れない場合があります。
HBrを完全理解:1つの式から結合・極性・酸・反応へ
HBr、Br−、Br2は似ていますが、粒子も性質も違います。
Hは価電子1個、Brは7個。1組を共有して単結合を作り、Brには非共有電子対が3組残ります。
HBr(g)臭化水素。共有結合でできた極性分子。
HBr(aq)臭化水素酸。水中で強酸としてほぼ完全に電離。
Br−臭化物イオン。電荷−1。
Br2臭素の単体。HBrとは別物。
HBr + H2O → H3O+ + Br−
高校の略記:HBr → H+ + Br−HBr + NaOH → NaBr + H2O
正味:H+ + OH− → H2OCH2=CH2 + HBr → CH3CH2Br
二重結合のπ結合が切れ、HとBrが加わる。Ag+ + Br− → AgBr
臭化銀は淡黄色沈殿。強酸=濃い酸ではありません。「強い・弱い」は電離のしやすさ、「濃い・薄い」は単位体積あたりの物質量です。HFは弱酸ですが、HCl・HBr・HIは水中で強酸です。
化学反応式の作り方:変えてよいのは前の係数だけ
反応の前後で原子が消えたり生まれたりしないよう、左右を最小整数比にそろえます。
- 物質を決める
物質名から正しい化学式を書き、反応物を左、生成物を右へ。
- 原子を数える
左右で各元素の個数を一覧にする。複雑な物質を先に。
- 係数だけを変える
下付き数字は物質の身分証なので変更禁止。
- 最小整数比へ
分数が出たら全体を掛け、共通因数で割る。
- 最後に再点検
各元素の原子数、イオン反応式なら全電荷も一致させる。
H2 + O2 → H2O2
水を過酸化水素へ変えてしまった2H2 + O2 → 2H2O
化学式を守り、係数で原子数を合わせた例:エタン C2H6 の完全燃焼
- C2H6 + O2 → CO2 + H2O
- Cを合わせる → C2H6 + O2 → 2CO2 + H2O
- Hを合わせる → C2H6 + O2 → 2CO2 + 3H2O
- 右のOは7個 → O2の係数は7/2。全体を2倍。
2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O
各元素の原子数・全電荷・質量
分子の個数・気体の総mol・気体体積・反応前の結合
molとモル比:反応式の係数は粒子の「レシピ」
1 molは6.02214076×1023個の粒子をひとまとめに数える単位です。
何の粒子かを書く。H原子1 molとH2分子1 molは中身が違う。
Mはモル質量[g/mol]。したがってn = m/M。
VはLで代入。mLなら1000で割る。
温度はK。単位をRに合わせる。
N2 + 3H2 → 2NH3
エタン0.50 molを完全燃焼させる
2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O
- 必要なO2:0.50 × 7/2 = 1.75 mol
- 生じるCO2:0.50 × 4/2 = 1.00 mol
- 生じるH2O:0.50 × 6/2 = 1.50 mol
この値が最も小さい物質が先になくなります。「見た目のmolが少ない物質」とは限りません。
- N2 2 mol、H2 3 molを用意。
- N2:2÷1=2、H2:3÷3=1。
- 小さいH2が限界反応物。N2 1 molと反応し、NH3 2 molを生じ、N2 1 molが余る。
理想気体が0℃・約1.013×105 Paにあるときのモル体積です。条件が違うときはPV=nRTまたは問題で与えられたモル体積を使います。
電子はなぜ動く? 電気陰性度からイオン化傾向まで
似た4用語を丸暗記せず、「どこにいる電子を、どうする話か」で一本につなぎます。
原子は「プラスの中心」と「マイナスの電子」
イオンになる普通の化学反応では、原子核は変わらず、主に電子の数が変わります。
陽子数が原子番号。元素の種類を決める。
電気を持たない。同位体では個数が異なる。
結合やイオン生成で受け渡される主役。
プラス11個分とマイナス11個分で全体は0。
プラスが1個分余るので+1。
Na → Na+ + e− / Cl + e− → Cl−
価電子は「いちばん外側で働く電子」
Na2|8|11個失ってNa+になりやすい
Mg2|8|22個失ってMg2+になりやすい
Cl2|8|71個受け取ってCl−になりやすい
Ar2|8|8外側が満たされ安定
外側を8個に近づけるオクテット則は典型元素を理解する目安です。Hは2個で安定し、遷移元素などには単純に当てはまらない場合があります。電子殻の円は入門用模型で、実際の電子が小さな惑星のような固定軌道を回るという意味ではありません。
電気陰性度は「結合を作った原子同士の綱引き」
共有電子を自分側へ引き寄せる相対的な強さで、通常は単位を付けません。
上へ行くほど大きい ↑
概ね右上ほど大きく、Fが最大。希ガスは高校の通常比較から除き、「0」と決めません。
δ(デルタ)は「少しだけ」の印。HBrではBrの方が共有電子を強く引くため、H側がδ+、Br側がδ−になります。完全なH+とBr−へ分かれたという意味ではありません。
同じ原子同士で引く力が同じ。
1本の結合でBr側へ偏る。
C=O結合は極性を持つが、直線形で左右が打ち消す。
折れ線形なので2本のO−H結合の偏りが打ち消されない。
正四面体形で対称。結合の偏りのベクトル和が0。
三角錐形で偏りが打ち消されない。
電気陰性度・イオン化エネルギー・電子親和力・イオン化傾向を区別
名前ではなく、「電子の場所」「操作」「単位」で見分けます。
| 用語 | 電子の場面 | 何を見るか | 単位 |
|---|---|---|---|
| 電気陰性度 | 結合中 | 共有電子を引く相対的な強さ | 通常なし |
| イオン化エネルギー | 孤立した気体原子 | 電子を取り去るのに必要なエネルギー | kJ/mol |
| 電子親和力 | 孤立した気体原子 | 電子を受け取るときのエネルギー変化 | kJ/mol |
| イオン化傾向 | 主に水溶液中の金属 | 金属が電子を失い陽イオンになりやすい傾向 | 定性的な順序 |
第一イオン化エネルギー
X(g) → X+(g) + e−
概ね周期表の右上ほど大きい。ただしBe>B、N>O、Mg>Al、P>Sなどが頻出例外です。
電子親和力
X(g) + e− → X−(g)
傾向はイオン化エネルギーより不規則。電気陰性度はFが最大でも、電子受容時の放出量はClがFより大きい代表例があります。
連続イオン化エネルギーの「急な跳び」を読む
7381451773310542単位:kJ/mol
2個目から3個目で急増 → 価電子は2個と推定外側の2電子を除いた後、内側の安定した殻から電子を取ろうとするため、必要エネルギーが急増します。
イオン化傾向は「水溶液中で金属が電子を渡しやすい順」
孤立気体原子だけを見るイオン化エネルギーとは別物です。
大Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au小
H2は金属ではなく境界。酸のH+からH2を発生させられるかを比べる基準です。教科書や問題でMn、Cr、Cd、Coなどを含む列が与えられたら、その列を使います。
孤立した気体原子を考える。
結晶、水和、電極電位、濃度、pH、皮膜、速度が関係。
電子と4用語の12問チェック
答える前に「電子はどこにいるか」を声に出します。
Q1 原子番号8のO2−の陽子数と電子数は?
陽子8個、電子10個。イオン化で原子核の陽子数は変わらず、電子を2個受け取ります。
Q2 NaとClの価電子数は?
Naは1個、Clは7個。Naは2|8|1、Clは2|8|7です。
Q3 HBrではどちらがδ−?
Br。Brの方が電気陰性度が大きく、共有電子がBr側へ偏ります。
Q4 CO2が無極性分子なのはなぜ?
直線形で、2本のC=O結合の偏りが反対向きに打ち消されるため。
Q5 H2OとCH4のうち極性分子は?
H2O。折れ線形で偏りが残ります。CH4は正四面体形で対称です。
Q6 気体原子から電子を外すエネルギーは?
イオン化エネルギー。電気陰性度やイオン化傾向ではありません。
Q7 3個目から4個目のイオン化エネルギーが急増。価電子数は?
3個。外側の3電子を除いた後、内側の電子を外そうとして急増します。
Q8 電気陰性度最大と電子親和力最大は必ず同じ?
必ず同じではありません。電気陰性度ではFが最大ですが、電子受容時の放出量はClがFより大きい代表例があります。
Q9 Fe + Cu2+ → Fe2+ + Cuは進みやすい?
進みやすい。FeはCuよりイオン化傾向が大きく、Feが電子を放出します。
Q10 Agへ希塩酸を加えるとH2が出る?
通常出ません。AgはHよりイオン化傾向が小さいためです。
Q11 Cuはどの酸とも反応しない?
誤り。希塩酸からH2を出しませんが、酸化性の硝酸や熱濃硫酸とは反応します。
Q12 イオン化エネルギー順=イオン化傾向順?
単純には一致しません。イオン化傾向には金属結晶、水和、溶液条件、皮膜なども関係します。
Ag+・K+・Zn2+・Fe3+を分ける
沈殿とろ液を二股に分け、過剰試薬で「溶ける・残る」を更新します。
沈殿は「水に溶けにくい固体」、ろ液は「フィルターを通った液体」
系統分離では試薬名の暗記より、各操作後にどの粒子がどちら側へ移ったかを書き直すことが重要です。
色、溶解度、錯イオン形成の違いを利用。
固体として分離された成分。
溶けたイオン・錯イオンが残る液体。
4イオンの正しい分離順序:過剰NaOHから二股に分ける
酸性試料なら、酸を中和した後もOH−が余るまでNaOH水溶液を加えます。
Ag2O + Fe(OH)3
2Ag+ + 2OH− → Ag2O↓ + H2O
Fe3+ + 3OH− → Fe(OH)3↓
過剰NH3水 → ろ過- 沈殿
- Fe(OH)3・赤褐色
- ろ液
- [Ag(NH3)2]+・無色
[Zn(OH)4]2− + K+
Zn2+ + 4OH− → [Zn(OH)4]2−
K+は沈殿・錯イオンを作らず、溶液中に残ります。
塩基性のままH2S → ろ過- 沈殿
- ZnS・白色
- ろ液
- K+・炎色反応は紫色
亜鉛側の正確な粒子変化
H2S ⇄ H+ + HS− ⇄ 2H+ + S2−
塩基性のろ液ではS2−が増え、Znを極めて溶けにくいZnSとして沈殿させやすくなります。K+は硫化物沈殿を作らないので、ろ液に残ります。[Zn(OH)4]2− + H2S → ZnS↓ + 2OH− + 2H2O
概念だけならZn2+ + S2− → ZnS↓。実際のこの枝は塩基性で、亜鉛は主にヒドロキソ錯イオンとして存在します。なぜ過剰アンモニア水でAg2Oだけが溶けるのか
アンモニアが単にOH−を増やすからではなく、Ag+を安定な錯イオンとして捕まえるからです。
Ag2O(s) + H2O(l) ⇄ 2Ag+(aq) + 2OH−(aq)
Ag+ + 2NH3 ⇄ [Ag(NH3)2]+
平衡が右へ移り、目に見えるAg2Oがなくなります。
Ag2O + 4NH3 + H2O ⇄ 2[Ag(NH3)2]+ + 2OH−
Ag+が安定なジアンミン銀(I)イオンとなり、無色のろ液へ移る。
この水溶液条件ではFe3+の安定なアンミン錯イオンを作って溶ける反応が進まず、赤褐色沈殿として残る。
沈殿色と過剰試薬をセットで覚える
「少量で沈殿」「過剰で溶解」の2段階を分けて読みます。
| 物質 | 沈殿色 | 過剰NaOH | 過剰NH3水 |
|---|---|---|---|
| Ag2O | 褐色〜暗褐色 | 残る | [Ag(NH3)2]+で溶ける |
| Fe(OH)3 | 赤褐色 | 残る | 残る |
| Zn(OH)2 | 白色 | [Zn(OH)4]2−で溶ける | [Zn(NH3)4]2+で溶ける |
| Al(OH)3 | 白色 | [Al(OH)4]−で溶ける | 通常は溶けない |
| Cu(OH)2 | 青白色 | 残る | [Cu(NH3)4]2+で深青色溶液 |
系統分離の8問チェック
各問題で「沈殿」と「ろ液」を両方書きます。
Q1 最初に過剰NaOHを加えたときの沈殿は?
Ag2OとFe(OH)3。Znは[Zn(OH)4]2−として溶け、K+もろ液に残ります。
Q2 AgOHではなく何と書く?
Ag2O。AgOHは不安定で、高校化学では褐色の酸化銀として扱います。
Q3 過剰NH3水で溶けるのはどちら?
Ag2O。[Ag(NH3)2]+を作ります。Fe(OH)3は残ります。
Q4 Fe(OH)3の色は?
赤褐色。Ag2Oの褐色と近いため、色だけでなくアンモニアへの溶解差で分けます。
Q5 Znを沈殿させる枝へ加えるものは?
元の塩基性ろ液へH2Sを通じ、白色ZnSを沈殿させます。家庭実験は厳禁です。
Q6 K+は最後にどう確認する?
炎色反応の紫色。Na+の黄色が混ざる場合はコバルトガラスを使います。
Q7 NH3水とH2Sを同じ液へ連続添加する?
しません。最初のろ過後、沈殿の枝へNH3水、元のろ液の枝へH2Sです。
Q8 Ag2Oが溶ける本当の理由はOH−が増えるから?
違います。NH3がAg+を安定な錯イオンとして捕まえ、Ag2Oの溶解平衡を右へ動かすためです。
六方最密構造:球の積み方を図から計算へ
正しい名称は「六方最密構造」。ABAB積層、6原子、配位数12、充填率74.05%を一つの模型で理解します。
A層の三角形のくぼみにB層を置き、3層目をAへ戻す
同じ大きさの球を平面で最密に並べると、1個は同じ層の6個と接します。
1層を上から見る
球と球の間に上向き・下向きの三角形のくぼみができます。
横から見る
3層目Aは1層目Aの真上。これを繰り返してABAB…になります。
高校で描く大きな六角柱には原子が6個
境界上の原子は、隣の単位格子と分け合う「持分」で数えます。
1つの頂点原子を6つの六角柱で共有。
面上の原子を上下2つの六角柱で共有。
単位格子の中に完全に含まれる。
高校問題の六角柱ではZ=6。
12 × 1/6 + 2 × 1/2 + 3 = 6個
「6原子」と「2原子」は矛盾しません。大きな慣用六角柱は6原子、最小の平行六面体セルは2原子です。密度計算では、選んだセルの体積と原子数を必ず同じ組で使います。
理想充填率は「球6個の体積 ÷ 六角柱の体積」
原子を半径rの硬い球とみなす理想模型です。
同じ層で隣り合う原子同士が接する。
したがってc = 4r√(2/3)。
rで表すとV = 24√2r3。
球6個の体積6 × (4/3)πr3 = 8πr3
単位格子の体積24√2r3
充填率 = 8πr3 ÷ 24√2r3 = π/(3√2) ≈ 0.7405 = 74.05%残り約25.95%は球が占めない空隙です。密度は「単位格子1個の質量 ÷ 単位格子1個の体積」
モル質量M、アボガドロ定数NA、六角柱中の原子数Z=6を使います。
ρ = (6M/NA) ÷ {(3√3/2)a2c} = 4M/(√3NAa2c)
例:理想HCPのMg r=160 pm、M=24.305 g/mol
- 辺aa = 2r = 320 pm
- 高さcc = √(8/3)a = 522.6 pm
- 体積V = 1.390 × 10−22 cm3
- 質量m = 6×24.305/(6.022×1023) = 2.422×10−22 g
- 密度ρ = m/V = 1.742 g/cm3
六方最密・立方最密・体心立方を比較
積層、原子数、配位数、充填率を横に並べます。
| 構造 | 積層・セル | 原子数Z | 配位数 | 充填率 |
|---|---|---|---|---|
| 六方最密 HCP | ABAB…・慣用六角柱 | 6 | 12 | 74.05% |
| 立方最密 CCP/FCC | ABCABC…・面心立方 | 4 | 12 | 74.05% |
| 体心立方 BCC | 立方体中心に1原子 | 2 | 8 | 約68% |
| 単純立方 SC | 立方体の頂点のみ | 1 | 6 | 約52% |
Q1 HCPの積層順は?
ABAB…。3層目が1層目の真上へ戻ります。
Q2 高校の六角柱中の原子数は?
6個。12×1/6 + 2×1/2 + 3 = 6です。
Q3 HCPの配位数は?
12。同じ層6、上3、下3です。
Q4 HCPとFCCで同じ値は?
配位数12と理想充填率74.05%。積層順と単位格子の形は異なります。
Q5 六角柱Z=6と最小セルZ=2を混ぜてもよい?
不可。体積も同じセルのものを使います。混ぜると密度が3倍または1/3になります。
Q6 c/aは実在金属でも必ず1.633?
必ずではありません。1.633は理想硬球模型。与えられた実測a、cを優先します。
反応速度式・化学平衡を
「分数の意味」から理解する
分数、[A]、Δ、1/2、二乗、K。記号を一度ばらばらにし、小学生の割り算から大学受験の平衡計算まで積み直します。
[H2]の意味から、分数を読む
最初に角括弧と濃度の意味を覚え、その後で分数を「割り算」として読みます。難しい式も、一つずつ日本語へ直せば大丈夫です。
[H2]は「水素がどれくらい混み合っているか」
画像に出てくる[ ]は、飾りでも掛け算のかっこでもありません。この章の反応速度式・平衡の式では、H2のような化学式全体を[ ]で囲んだものは「その物質のモル濃度」を表します。
[ ]の正式な名前は「角括弧(かくかっこ)」です。文章で使う「」が鉤括弧(かぎかっこ)で、形と役割が違います。
H2だけなら水素という物質を表します。[H2]と囲むと、「容器1 Lあたりに水素が何molあるか」を表します。
物質の名前 H2 → [ ]で囲む → 濃度 [H2]
丸は粒子のイメージです。実際の0.40 molには、図へ描き切れないほど非常に多くのH2分子が含まれます。
[H2] = H2の物質量 ÷ 容器の体積
卵を12個まとめて「1ダース」と呼ぶように、化学では約6.02×1023個の粒子を1 molと数えます。
1 L = 1000 mLです。牛乳パック1本分ほどの体積が1 Lの目安です。
「モル毎リットル」と読みます。0.20 mol/Lは、1 Lあたり0.20 molという意味です。0.20 M(モーラー)や0.20 mol L−1とも書けます。Mはmolではなく、mol/Lの略です。
例:[H2]を本当に計算する
2.0 Lの容器に、H2が0.40 mol入っています。
- 入っている量0.40 mol
- 容器の大きさ2.0 L
- 量 ÷ 体積0.40 mol ÷ 2.0 L = 0.20 mol/L
- 角括弧で書く[H2] = 0.20 mol/L = 0.20 M(モーラー)
日本語にすると:「この容器では、水素H2が1 Lあたり0.20 molある」と読みます。気体でも水溶液でも、濃度は基本的に「量÷体積」です。
[H2] × [I2]です。H2I2という一つの物質を表すのではありません。
[HI]2は[HI]×[HI]です。[HI]=0.80 Mなら、[HI]2=0.80×0.80=0.64 M2。HI2という化学式へ変わったわけではありません。
k1は正反応、k2は逆反応の速度定数です。温度が変わると値も変わります。
どちら側の物質が多くなりやすいかを表します。小文字kの「速さ」とは別の役目です。
同じ「2」でも、場所が違えば意味が違う
| 書き方 | 2の場所 | 意味 | 読んだ結果 |
|---|---|---|---|
| H2 | Hの右下 | 1分子中のH原子が2個 | 水素という物質の化学式 |
| 2HI | HIの前 | HIという一まとまりが2個分、または2 mol分 | 係数2がHI全体に掛かる |
| [HI]2 | 角括弧の右上 | [HI]×[HI] | HIの濃度を二乗 |
[HI]2は、2×[HI]でも[H2I2]でもありません。小さい数字を見たら、まず「前・右下・右上のどこにあるか」を確認します。
画像の式を、左から日本語へ直す
- 平衡では v1 = v2
右向きと左向きの反応速度が同じです。どちらも止まったのではなく、同じ速さで続いています。
- k1[H2][I2] = k2[HI]2
「正反応の速さ」と「逆反応の速さ」が同じ、という内容を濃度の記号で書いています。
- Kc = [HI]2 / {[H2][I2]}
一つ前の等式の両辺を、同じk2[H2][I2]で割って整理した形です。天びんの左右を同じ数で割ってもつり合いが保たれるのと同じです。分数線は「上÷下」と読みます。
M2 ÷ M2 = 1なので、この反応のKcでは単位が打ち消し合います。「どんなKでも同じ」と決めつけず、問題の反応式と定義を確認します。
時間とともに変わる濃度を使って、今の反応速度を表します。
今の状態が平衡より右・左のどちらへ進むかを調べます。
角括弧の意味は同じ濃度でも、どの時点の値を入れるかが違います。
角括弧だけの3問チェック
1[H2]=0.30 mol/Lとは、どんな意味?
容器1 Lあたり、水素H2が0.30 molある濃さという意味です。
2H2が0.60 mol、容器が2.0 Lなら[H2]はいくら?
量÷体積なので、0.60 mol÷2.0 L=0.30 mol/Lです。
3[HI]=0.50 mol/Lなら、[HI]2はいくら?
0.50×0.50=0.25 (mol/L)2です。数だけでなく単位も二乗します。
分数は「割り算を縦に書いたもの」:3/4 は「3 ÷ 4」
ピザ3枚を4人で同じ量ずつ分けると、1人分は3/4枚です。分数線は「割る」という記号です。
3/4 = 3 ÷ 4 = 0.75
算数の「分子」は分数の上の数、化学の「分子」はH2Oなどの粒子です。同じ言葉でも意味は別です。
100 mを20秒なら、1秒あたり100÷20=5 m。
600円で3個なら、1個あたり600÷3=200円。
0.30 mol/L変化するのに15秒なら、1秒あたり0.020 mol/L。
平衡計算で使う4つの分数操作
6/8 = 3/4
上と下を同じ数2で割った。4 ÷ 1/2 = 4 × 2/1 = 8
割る数の上下を逆にして掛ける。2x/(1−x) = 3 → 2x = 3(1−x)
右の3は3/1。両辺へ1−xを掛ける。(2x)2 = 4x2
2とxの両方を二乗する。半分にすること。2で割ることと同じです。
分子と分母を入れ替えた数。3/5の逆数は5/3です。
2:3は2/3という比較。mol比も同じ考えです。
全体を個数・時間・体積などで割ってそろえることです。
反応速度は「濃度が1秒でどれだけ変わったか」
まず難しい記号を使わず計算し、その後で同じ内容を化学の記号に翻訳します。
- 減った濃度0.90 − 0.60 = 0.30 mol/L
- かかった時間15 s
- 1秒あたり0.30 ÷ 15 = 0.020 mol/(L·s)
ここでは係数1の反応「A → 生成物」を考えています。まずA自身の減少速度を求め、次のSTEPで反応式の係数が2以上の場合へ広げます。
記号を日本語へ翻訳する
- [A]
- Aのモル濃度。[A]=n(A)/V。「Aを囲んだ」のではなく濃度を表す約束。
- Δ
- デルタ。「変化後−変化前」という変化量。
- Δt
- 経過時間。tはtime。
- v
- 反応速度。velocityの頭文字。
vA = − Δ[A] / Δt
- Δ[A] = [A]後 − [A]前 = 0.60 − 0.90 = −0.30
- 反応物は減るためΔ[A]が負になる。
- 速度を正の値で表すため、式の前へ「−」を付ける。
- −(−0.30)/15 = +0.020 mol/(L·s)。
一定体積が前提:容器の体積が変わると、反応以外の希釈・圧縮でも濃度が変わります。上の単純な「濃度変化÷時間」は、一定体積で反応による変化だけを見ているときに使います。
平均速度と瞬間速度は何が違う?
平均速度は「ある時間区間全体の変化量÷時間」です。自動車なら10分間の平均時速に相当します。
瞬間速度は「その瞬間だけの速さ」です。濃度−時間グラフでは、その点に引いた接線の傾きの大きさに相当します。高校の基本問題では、まず平均速度を確実に扱えば十分です。
なぜ突然「1/2」を掛けるのか
答えは、物質ごとに増減する量が反応式の係数によって違うからです。
2H2 + O2 → 2H2O
- 反応が「1回分」進む
- H2は2 mol減る
- O2は1 mol減る
- H2Oは2 mol増える
全員を「反応1回分の速さ」にそろえる
H2の減少速度 ÷ 2
→ 1/2を掛けるO2の減少速度 ÷ 1
→ そのままH2Oの生成速度 ÷ 2
→ 1/2を掛けるv = −1/2 · Δ[H2]/Δt = −Δ[O2]/Δt = 1/2 · Δ[H2O]/Δt
数値で確認
10秒間にO2が0.10 mol/L減ったとします。
- O2の減少速度:0.10÷10 = 0.010 mol/(L·s)
- H2は係数比2:1なので:0.010×2 = 0.020 mol/(L·s)減少
- H2Oも係数比2:1なので:0.010×2 = 0.020 mol/(L·s)生成
- どの物質から計算しても、係数で割れば反応速度vは0.010 mol/(L·s)
aA + bB → cC + dD
反応速度式は「濃度を変えると何倍速くなるか」
反応速度の定義式と、濃度との関係を表す速度式は役割が違います。
実験データから、実際にどれだけ変化したかを測る。
AやBの濃度を変えたとき、速度が何倍になるかを表す。
- k
- 反応速度定数。同じ反応でも温度や触媒が変わると変化する。
- m
- Aの濃度が速度へ与える影響。Aについてm次。
- n
- Bの濃度が速度へ与える影響。Bについてn次。
- m+n
- 全体の反応次数。
v = k[A]2[B] のとき
22 = 4倍
21 = 2倍
22×2 = 8倍
(1/2)2 = 1/4倍
初速度法:指数m、nを実験から決める
| 実験 | [A] mol/L | [B] mol/L | 初速度 mol/(L·s) | 比較 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 0.10 | 0.10 | 2.0×10−3 | 基準 |
| 2 | 0.20 | 0.10 | 8.0×10−3 | Aだけ2倍、速度4倍 |
| 3 | 0.10 | 0.20 | 4.0×10−3 | Bだけ2倍、速度2倍 |
- 実験1と2
Bは同じ。Aが2倍で速度が4倍だから、2m=4。よってm=2。
- 実験1と3
Aは同じ。Bが2倍で速度が2倍だから、2n=2。よってn=1。
- 速度式
v = k[A]2[B]。全体では3次反応。
- kを求める
2.0×10−3 = k×0.102×0.10 より k=2.0 L2mol−2s−1。
反応を速くする4つの考え方
粒子が増え、衝突回数が増える。
粒子が速くなり、活性化エネルギーを超える衝突が増える。主にkが大きくなる。
活性化エネルギーの低い別経路を作る。反応後に正味で消費されない。
固体が関係する不均一反応では、表面積が増え、接触できる場所が増える。
平衡は「止まる」ではなく「行きと帰りが同じ速さ」
閉じた容器の中で、右向きにも左向きにも進む可逆反応を考えます。
A + B → C + D
C + D → A + B
反応物が多く、生成物がほとんどない。
反応物が減り、生成物が増える。
両方の反応は続くが、見かけの濃度は一定。
見かけの正方向の速度v正味 = v正 − v逆
- v正 > v逆:全体として右へ進む
- v正 < v逆:全体として左へ進む
- v正 = v逆:正味の変化が0、つまり平衡
正反応の速度と逆反応の速度
反応物と生成物の濃度・物質量
温度などの条件が一定なら、各物質の巨視的な濃度
粒子レベルの正反応と逆反応
平衡 = 静止ではなく動的平衡。「同じ量」ではなく「同じ速さ」です。
平衡定数Kは「生成物側 ÷ 反応物側」
ここでも分数線は割り算です。上が生成物、下が反応物、右上の指数は反応式の係数です。
aA + bB ⇄ cC + dD
[C]c[D]d[A]a[B]b
Kc = 上 ÷ 下反応式の右側にある物質。
反応式の左側にある物質。
速度式の指数と違い、Kの指数には係数を使う。
同じ反応なら、温度一定でKは一定。
例:N2 + 3H2 ⇄ 2NH3
- 生成物NH3を上へ。
- NH3の係数2を指数へ。
- 反応物N2とH2を下へ。
- H2の係数3を指数へ。係数1は書かない。
平衡で生成物側が多い。ただし「反応が速い」という意味ではない。
平衡で反応物側が多い。ただし正反応が完全に0という意味ではない。
反応物と生成物の両方が無視できない程度に存在しやすい。
反応式の書き方を変えるとKも変わる
元:A ⇄ B 平衡定数 K
逆向き:B ⇄ A 平衡定数 1/K
全係数を2倍:2A ⇄ 2B 平衡定数 K2
全係数を1/2倍:1/2 A ⇄ 1/2 B 平衡定数 √K
純粋な固体・純粋な液体はKの式から省く
CaCO3(s) ⇄ CaO(s) + CO2(g)
Kc = [CO2]
- CaCO3とCaOは純粋な固体なので式に入れない。
- 固体を追加しても、両固体が存在する限りKは変わらない。
- 水溶液中のイオンや溶質は濃度が変わるため、通常は式に入れる。
- 純粋な液体の水や、水溶液で溶媒として大量に存在する水は、活量をほぼ一定として省く。H2O(g)や、液体混合物中で組成変化を無視できない成分として扱う水は、問題条件に従う。
発展:KcとKpは何が違う?
Kcはモル濃度、Kpは気体の分圧で作ります。気体反応で Δn =(生成物側の気体係数合計)−(反応物側の気体係数合計)とすると、理想気体では次の関係です。
Kp = Kc(RT)Δn
左右の気体係数合計が同じならΔn=0なのでKp=Kcです。単位の扱いは問題文の定義に従ってください。厳密な熱力学では活量を使い、平衡定数は無次元として扱います。
ICE表で「最初・変化・平衡」を1列ずつ書く
平衡計算が難しく見える最大の原因は、変化量を頭の中だけで処理することです。表へ出せば整理できます。
例題:H2 + I2 ⇄ 2HI、Kc=9
1.0 L容器へH2とI2を各1.0 mol入れ、HIは0 molから開始しました。平衡時の各物質量を求めます。
| 単位:mol/L | H2 | I2 | HI | 係数の理由 |
|---|---|---|---|---|
| I 最初 | 1.0 | 1.0 | 0 | 問題文から写す |
| C 変化 | −x | −x | +2x | 係数比1:1:2 |
| E 平衡 | 1.0−x | 1.0−x | 2x | 最初+変化 |
容器は1.0 Lなので、この例では「物質量mol」と「モル濃度mol/L」の数値が偶然一致します。一般の体積では必ず[A]=n(A)/Vで濃度へ直します。
式を1行ずつ解く
- Kへ代入9 =(2x)2(1.0−x)(1.0−x)
- 同じ式の二乗にする
9 = {2x / (1.0−x)}2
- 正の平方根を取る
3 = 2x / (1.0−x)
濃度・物質量は正なので、ここでは正の値を選ぶ。 - 分母を払う
3(1.0−x) = 2x
- xを集める
3.0−3x = 2x → 5x = 3.0 → x = 3/5 = 0.60
H21.0−0.60 = 0.40 mol
I21.0−0.60 = 0.40 mol
HI2×0.60 = 1.20 mol
検算:1.202 ÷ (0.40×0.40) = 1.44 ÷ 0.16 = 9。Kと一致。
体積Vがある分数の約分
H2=0.50 mol、I2=0.50 mol、HI=2.0 molを体積V Lで表すとします。
Kc = (2.0/V)2 / {(0.50/V)(0.50/V)}
= (4.0/V2) ÷ (0.25/V2)
= (4.0/V2) × (V2/0.25)
= 4.0/0.25 = 16
分数で割るので、後ろの分数を逆さにして掛けます。上と下に同じV2があるため約分で消えます。これは反応式の左右で気体・溶質の係数合計が同じ場合に起こります。
Qは「今この瞬間の分数」
平衡でなくても、Kと同じ形へ現在の濃度を入れた値を反応商Qといいます。
右向きに進む。
すでに平衡。
左向きに進む。
同じ反応でK=9。現在[H2]=1.0、[I2]=1.0、[HI]=4.0なら、
Q = 4.02/(1.0×1.0) = 16
Q>KなのでHIが多すぎます。逆反応が優勢になり、H2とI2を作る左向きへ進みます。
平衡移動は「加えた変化を弱める向き」
ルシャトリエの原理は丸暗記ではなく、QとKを比べても説明できます。
N2(g) + 3H2(g) ⇄ 2NH3(g) ΔH < 0
アンモニア合成の正反応は発熱反応。左の気体係数合計4、右は2。加えたN2やH2を消費する向き。直後はQが小さくなり、Q<K。
減ったNH3を補う向き。直後はQが小さくなる。
圧力上昇を弱めるため、気体係数4から2の少ない側へ。
熱を加えたと考え、吸熱方向へ。発熱正反応ではKも小さくなる。
正逆反応をともに速め、同じ平衡へ早く到達。Kも平衡組成も変えない。
固体相が存在する限り、その活量は一定としてKやQの式に入れない。
Kの比較条件:「温度以外ではKが変わらない」は、反応式を同じ向き・同じ係数で書いた場合です。反応式を逆向きに書けば1/K、係数を2倍すればK2になります。
| 操作 | 一時的に変わるもの | 平衡移動 | Kは変わるか |
|---|---|---|---|
| 濃度変更 | Q | あり得る | 変わらない |
| 体積・圧力変更 | 気体の濃度・分圧、Q | 係数差があればあり得る | 変わらない |
| 触媒 | 正逆の反応速度 | しない | 変わらない |
| 温度変更 | 速度定数とK | する | 変わる |
入試の罠:不活性気体を加えたら?
体積一定で不活性気体を加えると、反応成分の分圧は変わらないため、理想気体なら平衡は移動しません。全圧だけが上がります。
全圧一定で不活性気体を加えると容器が膨張し、反応成分の分圧が下がります。この場合、気体係数の多い側へ移動することがあります。「圧力が上がった・下がった」だけで判断せず、体積と各成分の分圧を確認します。
速さと平衡位置は別の質問
k、濃度、温度、触媒、表面積などが関係。
特定の反応では温度によって決まり、触媒では変わらない。
基本から入試まで9問
答えを見る前に、式を1行だけでも自分で書いてください。
Q10.40 mol/L減るのに20秒かかった。平均減少速度は?
0.40÷20 = 0.020 mol/(L·s)。分数は「変化量/時間」です。
Q2Δ[A]が−0.30 mol/L、Δtが15秒。−Δ[A]/Δtは?
−(−0.30)/15 = +0.020。反応物の濃度変化は負なので、前の−で速度を正にします。
Q32A → 3B。Aの減少速度が0.40なら、反応速度vとBの生成速度は?
v = 0.40÷2 = 0.20。Bは係数3なので、生成速度は0.20×3 = 0.60。
Q4v=k[A]2[B]で[A]を1/2、[B]を2倍にしたら速度は何倍?
(1/2)2×2 = 1/4×2 = 1/2倍。
Q5平衡状態では、反応物濃度と生成物濃度が等しい?
等しいとは限りません。等しいのは正反応速度と逆反応速度です。各濃度は一定になりますが、値は別々で構いません。
Q62SO2 + O2 ⇄ 2SO3 のKcを書け。
Kc=[SO3]2/{[SO2]2[O2]}。生成物を上、反応物を下、係数を指数にします。
Q7C(s)+CO2(g)⇄2CO(g) のKcを書け。
Kc=[CO]2/[CO2]。純粋な固体Cは式に入れません。
Q8Q<Kなら、反応はどちらへ進む?
生成物が平衡時より不足しているので、正反応方向・右向きへ進みます。
Q9触媒を加えると生成物が増える?
増えません。正反応と逆反応の両方を速め、同じ平衡組成へ早く到達させます。Kも変わりません。
最後にこの10行
- 分数線は割り算。
- 反応速度は変化量÷時間。
- 反応物は減るので、速度を正にするため−を付ける。
- 係数で割るのは、反応1回分へそろえるため。
- 速度式の指数は原則として実験で決める。
- 平衡は正反応速度=逆反応速度。
- 平衡でも反応は止まっていない。
- Kは生成物側÷反応物側、指数は係数。
- Q<Kなら右、Q>Kなら左。
- 同じ向き・同じ係数で書いた反応では、触媒は平衡を動かさず、温度だけがKを変える。
DATA 55 · CHEMISTRY · ORIGINAL
CO2吸収塔の破過曲線と二段滴定をつなぐ
難関大・資料読解計算問題
出口濃度のグラフを面積へ、面積をmolへ、molを二段滴定と吸収液再生へつなぎます。気体・酸塩基・化学量論・データ分析を、一つの工程として考える完全オリジナル問題です。
架空の小型CO2吸収・再生実験
研究班は、初めに0.1200 molのOH−を含む500.0 mLのNaOH水溶液Aを用意し、十分にかき混ぜながらCO2を含む気体を100.0分間通した。出口のCO2濃度を連続測定した後、同条件で運転した分析用の平行バッチAから一部を採取して二段滴定した。最後に、分析用採取をしていない同組成の別バッチ500.0 mLについて、炭酸イオンの一部をCa(OH)2でOH−へ戻す再生操作を考えた。
- 入口:CO2を1.000 mol%含む気体を1.000 L/minで送る。
- 吸収:水溶液Aを完全混合し、残存OH−がCO2をCO32−として捕捉する。
- 出口測定:濃度比rを時間ごとに記録する。
- 分析:同条件の分析用平行バッチから10.00 mLを採取し、HClで二段滴定する。
- 再生:採取していない同組成の別バッチ500.0 mLへCa(OH)2を加え、CaCO3をろ別して吸収液へ戻す。
| 区分 | 量 | 値 | 単位・注意 |
|---|---|---|---|
| 吸収液 | 水溶液Aの体積 | 500.0 | mL |
| 吸収液 | 初めのOH− | 0.1200 | mol |
| 気体 | 圧力P | 100.0 | kPa |
| 気体 | 温度T | 298.15 | K |
| 気体 | 全流量Q | 1.000 | L/min |
| 気体 | 入口CO2 | 1.000 | mol% |
| 定数 | 気体定数R | 8.314 | kPa·L·mol−1·K−1 |
吸収CO2 + 2OH− → CO32− + H2O
再生CO32− + Ca(OH)2 → 2OH− + CaCO3↓
出口濃度比rの時間変化
縦軸は r = 出口CO2濃度 ÷ 入口CO2濃度 である。測定点の間は直線で結ぶものとし、本問ではr=0.1000に初めて達した時点を「破過」と定義する。
| 時刻t / min | 0.00 | 20.00 | 40.00 | 60.00 | 80.00 | 100.00 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 出口濃度比r | 0.0000 | 0.0500 | 0.2000 | 0.5000 | 0.8000 | 1.0000 |
| 吸収された割合1−r | 1.0000 | 0.9500 | 0.8000 | 0.5000 | 0.2000 | 0.0000 |
設問
共通条件
- 気体は理想気体として扱う。
- CO2は1.000 mol%と少量なので、吸収による全気体流量の変化は無視する。
- 吸収液は完全混合され、体積変化、蒸発、CO2以外の酸性気体を無視する。
- 100.0分後にもOH−が残るなら、吸収されたCO2はすべてCO32−になったとする。
- 途中計算は丸めず、指定された最終値だけを丸める。
破過時刻を直線補間する
r=0.1000に初めて達する時刻tBと、その時点までに装置へ送られた全気体体積VBを求めよ。ともに有効数字4桁で答えよ。
斜線部分の面積をCO2のmolへ変換する
図2または表2を用い、0〜100.0分に吸収されたCO2の物質量を求めよ。各区間を台形として計算し、有効数字4桁で答えよ。
二段滴定からOH−とCO32−を分離定量する
100.0分後の分析用平行バッチAから10.00 mLを採取し、0.1000 mol/L HClで滴定した。フェノールフタレイン終点までの累計体積VPは19.25 mL、続けてメチルオレンジ終点までに要した累計体積VMは24.00 mLであった。
| 量 | 値 | 意味 |
|---|---|---|
| 採取量 | 10.00 mL | 全500.0 mLの1/50.00 |
| c(HCl) | 0.1000 mol/L | 標準液濃度 |
| VP | 19.25 mL | 最初からフェノールフタレイン終点までの累計 |
| VM | 24.00 mL | 最初からメチルオレンジ終点までの累計 |
滴定した10.00 mL中のOH−をa mol、CO32−をb molとして、a、bを与える連立式を示せ。次に、水溶液A全体のOH−とCO32−の物質量を有効数字4桁で求めよ。
二つの測定と近似条件を検証する
- 問3のCO32−量を滴定によるCO2吸収量とみなし、問2の値に対する一致率を百分率で求めよ。
- 問2の値から予想される残存OH−を求め、「吸収物をCO32−として扱う」という仮定を検証せよ。
- なぜVMだけではCO2吸収量を決定できないのか、酸を受け取る当量の保存を用いて40〜80字程度で説明せよ。
消石灰で吸収液を再生する
問3の滴定値と同じ組成をもつ、分析用採取をしていない別バッチ500.0 mLについて、CO32−の90.0%を純度92.0質量%のCa(OH)2製品で再生する。反応後はCaCO3と不活性な不純物をろ別し、溶液体積を500.0 mLへ戻す。必要な製品質量、再生後のOH−濃度、最初の0.1200 molのうちNaOHとして戻った割合を、有効数字3桁で求めよ。Ca(OH)2のモル質量は74.09 g/molとする。
初学者向けヒント
最初から解答を見る前に、止まった段階だけを開いてください。
問1の足場+
r=0.1000は、20.00分の0.0500と40.00分の0.2000の間です。「縦方向に全体の何割進んだか」を先に求め、同じ割合だけ時刻も進めます。
問2の足場+
吸収された割合は1−rです。台形面積の単位minへL/minを掛けるとLになり、さらに入口CO2モル分率を掛けると「吸収CO2に相当する体積」になります。
問3の足場+
第1終点ではOH−が1個、CO32−が1個のH+を受け取ります。第2終点まででは、CO32−は合計2個のH+を受け取ります。VMは「追加体積」ではなく累計です。
問4の足場+
OH−2 molがCO21 molを捕まえると、酸を2 mol受け取れるCO32−1 molに変わります。完全中和までに必要な酸の総当量は変わりません。
問5の足場+
反応式からCO32−:Ca(OH)2:OH−=1:1:2です。純物質の必要質量を出した後、純度0.920で割って製品質量に直します。
模範解答・全計算
問1 破過時刻と気体体積+
20.00〜40.00分では、rが0.0500から0.2000まで直線的に増える。r=0.1000まで進む割合は
(0.1000−0.0500) ÷ (0.2000−0.0500) = 1/3
したがって、
tB = 20.00 + (40.00−20.00)×1/3 = 26.666… min
VB = 1.000 L/min × 26.666… min = 26.666… L
答:tB=26.67 min、VB=26.67 L。
典型誤答:r=0.1000を時刻の10%と考えて10.00分にする。横軸と縦軸は比例しておらず、該当する線分内で補間する。
問2 グラフ面積から吸収量+
各時刻の1−rは1.0000、0.9500、0.8000、0.5000、0.2000、0.0000である。幅20.00 minの台形を加える。
| 区間 / min | 計算 | 面積 / min |
|---|---|---|
| 0〜20 | 20×(1.0000+0.9500)/2 | 19.50 |
| 20〜40 | 20×(0.9500+0.8000)/2 | 17.50 |
| 40〜60 | 20×(0.8000+0.5000)/2 | 13.00 |
| 60〜80 | 20×(0.5000+0.2000)/2 | 7.000 |
| 80〜100 | 20×(0.2000+0.0000)/2 | 2.000 |
| 合計 ∫(1−r)dt | 59.00 min | |
全気体流量と入口モル分率を掛けると、吸収CO2相当体積は
1.000 L/min × 0.01000 × 59.00 min = 0.5900 L
kPaとLに対応するRを使うので、Lをm3へ直す必要はない。
n = PV/(RT) = 100.0×0.5900/(8.314×298.15) = 0.0238016… mol
答:0.02380 mol = 23.80 mmol。
典型誤答:曲線の下側∫r dtを吸収量にする。rは外へ出た割合なので、吸収量は上側の1−rである。
問3 二段滴定の連立式+
10.00 mL中のOH−をa mol、CO32−をb molとする。第1終点までと第2終点までのHCl物質量より、
0.1000×19.25×10−3 = a+b
0.1000×24.00×10−3 = a+2b
下の式から上の式を引けば、
b = 0.1000×(24.00−19.25)×10−3 = 4.750×10−4 mol
また、2×上の式−下の式より、
a = 0.1000×(2×19.25−24.00)×10−3 = 1.450×10−3 mol
全液は採取液の500.0/10.00=50.00倍である。
n(CO32−) = 4.750×10−4×50.00 = 0.02375 mol
n(OH−) = 1.450×10−3×50.00 = 0.07250 mol
答:CO32−=0.02375 mol、OH−=0.07250 mol。
検算:0.07250+2×0.02375=0.1200 mol。当初のOH−が持っていた酸中和当量と一致する。
典型誤答:VMを第1終点後の追加量と読む。問題文は「最初からの累計24.00 mL」と明示している。
問4 一致率・仮定・当量保存+
(1)一致率
0.02375 ÷ 0.023801656… × 100 = 99.7829…%
答:99.78%。グラフ値基準の差は0.217%である。
(2)OH−が残るか
0.1200−2×0.023801656… = 0.0723966… mol
答:0.07240 mol > 0。OH−が十分残るため、生成したHCO3−もOH−によりCO32−へ変わるというモデルと整合する。
(3)記述例
CO21 molの吸収でOH−2 molはCO32−1 molへ変わるが、完全中和に必要なH+はどちらも2 molなので、VMは吸収量によらず一定になる。
典型誤答:「99.78%だから仮定は完全に正しい」と断定する。グラフの線形補間、流量一定、滴定終点などの近似があるため、「測定精度の範囲で整合」と表現する。
問5 Ca(OH)₂による再生+
90.0%だけ変換するCO32−は
0.02375×0.900 = 0.021375 mol
Ca(OH)2との比は1:1なので、純Ca(OH)2の質量は
0.021375×74.09 = 1.583673… g
製品は純度92.0%だから、
1.583673… ÷ 0.920 = 1.721384… g
製品質量:1.72 g。
生成するOH−はCO32−の2倍である。もともと残ったOH−と合わせる。
n(OH−) = 0.07250+2×0.021375 = 0.11525 mol
[OH−] = 0.11525/0.5000 = 0.2305 mol/L
再生後濃度:有効数字3桁で0.231 mol/L。
0.11525/0.1200×100 = 96.0416…%
NaOHとして戻った割合:96.0%。
典型誤答:純度92.0%を掛けて製品質量を小さくする。必要な純物質量を含むには、製品質量は純物質質量より大きくなるため0.920で割る。
採点基準・有効数字・近似条件
| 設問 | 配点 | 満点の条件 | 部分点の目安 |
|---|---|---|---|
| 問1 | 5 | 線形補間3点、体積2点 | 式が正しければ計算誤りでも最大3点 |
| 問2 | 9 | 1−rと台形3点、体積2点、PV=nRT 3点、単位1点 | ∫r dtを使った場合は面積点なし。以後の整合計算は最大3点 |
| 問3 | 10 | 連立式4点、CO32−3点、OH−3点 | 全液への50.00倍を忘れた場合も試料値まで各1点 |
| 問4 | 8 | 一致率3点、OH−検証2点、当量保存の記述3点 | 「VM一定」だけで理由がない場合1点 |
| 問5 | 8 | 量論2点、純度補正2点、濃度2点、再生率2点 | 90.0%変換を一度だけ正しく使えれば1点 |
| 合計 | 40 | 単位が欠けた最終数値は、該当小問で原則1点減点 | |
有効数字
- 問1〜3と一致率:指定どおり4桁。
- 問4の差率と問5:3桁。
- 途中値0.023801656…を0.0238へ早く丸めない。
- 百分率と割合を混同しない。
単位鎖
min × L/min → L
kPa×L ÷ (kPa·L·mol−1·K−1×K) → mol
mol ÷ L → mol/L
モデルの限界
- 全流量一定近似の最大規模は入口CO2の1.000%程度。
- 実際の破過曲線は点間で直線とは限らない。
- 活量、熱、物質移動抵抗、滴定終点誤差を省略。
- 実用CCUSの代表的吸収剤・再生法を再現する問題ではない。
化学的検算
- 吸収式・再生式は原子数と電荷が保存。
- 予想残存OH−は正。
- 滴定の総当量は0.1200 mol。
- 製品質量は純Ca(OH)2質量より大きい。
つまずいた単元へ戻る
大学受験で使う 215 反応式
式だけでなく、条件・観察・係数から読めるmol比を1セットにしました。
このS/A/Bは公式の出題回数ランキングではありません。大学入試センターの過去問題・評価資料で繰り返し必要になる概念と、学習上の前提関係を数強塾が整理した「学習優先度」です。年度により出題は変わります。
まず進む順番
- 係数・mol比・限界反応物どの分野の計算にも必要
- 酸塩基・中和・イオン式滴定、塩、溶液へ接続
- 酸化還元・電池・電気分解電子と係数を統合
- 気体・燃焼・溶液状態方程式と量論を統合
- 無機の製法・沈殿・工業条件と観察をセット暗記
- 有機・天然物・高分子構造と反応型から判断
01酸・塩基・中和22式
中和、電離、加水分解、炭酸塩。滴定と溶液計算の中心です。
塩酸と水酸化ナトリウム
HCl + NaOH→NaCl + H2O
臭化水素酸と水酸化ナトリウム
HBr + NaOH→NaBr + H2O
硫酸の完全中和
H2SO4 + 2NaOH→Na2SO4 + 2H2O
酢酸と水酸化ナトリウム
CH3COOH + NaOH→CH3COONa + H2O
中和の正味イオン反応式
H+ + OH−→H2O
臭化水素の水中での電離
HBr + H2O→H3O+ + Br−
塩化水素の水中での電離
HCl + H2O→H3O+ + Cl−
酢酸の電離
CH3COOH + H2O⇄H3O+ + CH3COO−
アンモニアの塩基反応
NH3 + H2O⇄NH4+ + OH−
アンモニアと塩化水素
NH3 + HCl→NH4Cl
アンモニウムイオンの検出
NH4+ + OH−→NH3 + H2O
炭酸水素塩と酸
NaHCO3 + HCl→NaCl + H2O + CO2
炭酸塩と酸
Na2CO3 + 2HCl→2NaCl + H2O + CO2
炭酸イオンと酸
CO32− + 2H+→H2O + CO2
炭酸水素イオンと酸
HCO3− + H+→H2O + CO2
石灰水への二酸化炭素
CO2 + Ca(OH)2→CaCO3 + H2O
二酸化炭素過剰
CaCO3 + CO2 + H2O→Ca(HCO3)2
生石灰と水
CaO + H2O→Ca(OH)2
酢酸イオンの加水分解
CH3COO− + H2O⇄CH3COOH + OH−
アンモニウムイオンの加水分解
NH4+ + H2O⇄NH3 + H3O+
炭酸イオンの加水分解
CO32− + H2O⇄HCO3− + OH−
炭酸水素カルシウムの分解
Ca(HCO3)2→CaCO3 + CO2 + H2O
02酸化還元・金属30式
電子の授受、金属と酸、酸化剤・還元剤を係数と結びます。
亜鉛による銅イオンの還元
Zn + Cu2+→Zn2+ + Cu
鉄と硫酸銅(II)
Fe + CuSO4→FeSO4 + Cu
マグネシウムと塩酸
Mg + 2HCl→MgCl2 + H2
鉄と塩酸
Fe + 2HCl→FeCl2 + H2
アルミニウムと塩酸
2Al + 6HCl→2AlCl3 + 3H2
ナトリウムと水
2Na + 2H2O→2NaOH + H2
テルミット反応
2Al + Fe2O3→Al2O3 + 2Fe
酸化鉄(III)の還元
Fe2O3 + 3CO→2Fe + 3CO2
酸化銅(II)と水素
CuO + H2→Cu + H2O
銅と希硝酸
3Cu + 8HNO3→3Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O
銅と濃硝酸
Cu + 4HNO3→Cu(NO3)2 + 2NO2 + 2H2O
銅と熱濃硫酸
Cu + 2H2SO4→CuSO4 + SO2 + 2H2O
鉄(II)イオンと塩素
2Fe2+ + Cl2→2Fe3+ + 2Cl−
鉄(III)イオンとヨウ化物イオン
2Fe3+ + 2I−→2Fe2+ + I2
塩素と臭化物イオン
Cl2 + 2Br−→2Cl− + Br2
臭素とヨウ化物イオン
Br2 + 2I−→2Br− + I2
過マンガン酸イオンと鉄(II)
MnO4− + 5Fe2+ + 8H+→Mn2+ + 5Fe3+ + 4H2O
ヨウ素とチオ硫酸イオン
I2 + 2S2O32−→2I− + S4O62−
硫化水素と二酸化硫黄
2H2S + SO2→3S + 2H2O
カルシウムと水
Ca + 2H2O→Ca(OH)2 + H2
四酸化三鉄の還元
Fe3O4 + 4CO→3Fe + 4CO2
酸化銅(II)と一酸化炭素
CuO + CO→Cu + CO2
マグネシウムと二酸化炭素
2Mg + CO2→2MgO + C
アルミニウムと強塩基
2Al + 2OH− + 6H2O→2[Al(OH)4]− + 3H2
亜鉛と強塩基
Zn + 2OH− + 2H2O→[Zn(OH)4]2− + H2
二クロム酸イオンと鉄(II)
Cr2O72− + 6Fe2+ + 14H+→2Cr3+ + 6Fe3+ + 7H2O
過マンガン酸イオンとシュウ酸イオン
2MnO4− + 5C2O42− + 16H+→2Mn2+ + 10CO2 + 8H2O
過マンガン酸イオンと過酸化水素
2MnO4− + 5H2O2 + 6H+→2Mn2+ + 5O2 + 8H2O
過酸化水素とヨウ化物イオン
H2O2 + 2I− + 2H+→I2 + 2H2O
二酸化硫黄と臭素水
SO2 + Br2 + 2H2O→H2SO4 + 2HBr
03電池・電気分解16式
負極・正極、陰極・陽極、電子数と生成量を整理します。
ダニエル電池の負極
Zn→Zn2+ + 2e−
ダニエル電池の正極
Cu2+ + 2e−→Cu
鉛蓄電池の全反応
Pb + PbO2 + 2H2SO4→2PbSO4 + 2H2O
塩化銅(II)水溶液の陰極
Cu2+ + 2e−→Cu
塩化銅(II)水溶液の陽極
2Cl−→Cl2 + 2e−
塩化銅(II)水溶液の電気分解
CuCl2→Cu + Cl2
水の陽極酸化
2H2O→O2 + 4H+ + 4e−
硫酸銅(II)水溶液の電気分解
2CuSO4 + 2H2O→2Cu + O2 + 2H2SO4
塩化物イオンの陽極酸化
2Cl−→Cl2 + 2e−
水の電気分解
2H2O→2H2 + O2
鉛蓄電池の負極
Pb + SO42−→PbSO4 + 2e−
鉛蓄電池の正極
PbO2 + 4H+ + SO42− + 2e−→PbSO4 + 2H2O
融解塩化ナトリウムの陰極
Na+ + e−→Na
融解塩化ナトリウムの電気分解
2NaCl→2Na + Cl2
水の陰極還元
2H2O + 2e−→H2 + 2OH−
水酸化物イオンの陽極酸化
4OH−→O2 + 2H2O + 4e−
04燃焼・分解・基本量論17式
係数合わせとmol計算を最初に練習する代表反応です。
水素の燃焼
2H2 + O2→2H2O
炭素の完全燃焼
C + O2→CO2
一酸化炭素の燃焼
2CO + O2→2CO2
メタンの完全燃焼
CH4 + 2O2→CO2 + 2H2O
エタンの完全燃焼
2C2H6 + 7O2→4CO2 + 6H2O
エチレンの完全燃焼
C2H4 + 3O2→2CO2 + 2H2O
アセチレンの完全燃焼
2C2H2 + 5O2→4CO2 + 2H2O
マグネシウムの燃焼
2Mg + O2→2MgO
炭酸カルシウムの熱分解
CaCO3→CaO + CO2
過酸化水素の分解
2H2O2→2H2O + O2
炭酸水素ナトリウムの熱分解
2NaHCO3→Na2CO3 + CO2 + H2O
炭素の不完全燃焼
2C + O2→2CO
銅の酸化
2Cu + O2→2CuO
鉄の強い燃焼
3Fe + 2O2→Fe3O4
酸化銀の熱分解
2Ag2O→4Ag + O2
塩素酸カリウムの熱分解
2KClO3→2KCl + 3O2
塩基性炭酸銅の熱分解
Cu2(OH)2CO3→2CuO + CO2 + H2O
05気体の実験室的製法11式
試薬、条件、発生気体、安全上の注意をセットで確認します。
水素の実験室的製法
Zn + 2HCl→ZnCl2 + H2
二酸化炭素の実験室的製法
CaCO3 + 2HCl→CaCl2 + H2O + CO2
アンモニアの実験室的製法
2NH4Cl + Ca(OH)2→CaCl2 + 2NH3 + 2H2O
塩素の実験室的製法
MnO2 + 4HCl→MnCl2 + Cl2 + 2H2O
一酸化窒素の発生
3Cu + 8HNO3→3Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O
二酸化窒素の発生
Cu + 4HNO3→Cu(NO3)2 + 2NO2 + 2H2O
エチレンの発生
C2H5OH→C2H4 + H2O
二酸化硫黄の実験室的製法
Na2SO3 + H2SO4→Na2SO4 + H2O + SO2
硫化水素の実験室的製法
FeS + 2HCl→FeCl2 + H2S
塩化水素の発生
NaCl + H2SO4→NaHSO4 + HCl
アセチレンの発生
CaC2 + 2H2O→C2H2 + Ca(OH)2
06沈殿・錯イオン・両性27式
正味イオン反応式、沈殿色、過剰試薬による変化が中心です。
塩化銀の沈殿
Ag+ + Cl−→AgCl
臭化銀の沈殿
Ag+ + Br−→AgBr
ヨウ化銀の沈殿
Ag+ + I−→AgI
硫酸バリウムの沈殿
Ba2+ + SO42−→BaSO4
炭酸カルシウムの沈殿
Ca2+ + CO32−→CaCO3
水酸化銅(II)の沈殿
Cu2+ + 2OH−→Cu(OH)2
水酸化鉄(III)の沈殿
Fe3+ + 3OH−→Fe(OH)3
水酸化アルミニウムの沈殿
Al3+ + 3OH−→Al(OH)3
水酸化亜鉛の沈殿
Zn2+ + 2OH−→Zn(OH)2
硝酸銀と塩化ナトリウム
AgNO3 + NaCl→AgCl + NaNO3
塩化バリウムと硫酸ナトリウム
BaCl2 + Na2SO4→BaSO4 + 2NaCl
酸化銀と過剰アンモニア
Ag2O + 4NH3 + H2O⇄2[Ag(NH3)2]+ + 2OH−
銅(II)アンミン錯イオン
Cu2+ + 4NH3⇄[Cu(NH3)4]2+
硫化亜鉛の沈殿
Zn2+ + S2−→ZnS
亜鉛酸錯イオンと硫化水素
[Zn(OH)4]2− + H2S→ZnS + 2OH− + 2H2O
水酸化アルミニウムと酸
Al(OH)3 + 3H+→Al3+ + 3H2O
水酸化アルミニウムと塩基
Al(OH)3 + OH−→[Al(OH)4]−
水酸化亜鉛と酸
Zn(OH)2 + 2H+→Zn2+ + 2H2O
水酸化亜鉛と塩基
Zn(OH)2 + 2OH−→[Zn(OH)4]2−
ヨウ化鉛(II)の沈殿
Pb2+ + 2I−→PbI2
水酸化鉄(II)の沈殿
Fe2+ + 2OH−→Fe(OH)2
酸化銀の沈殿
2Ag+ + 2OH−→Ag2O + H2O
硝酸鉛(II)とヨウ化カリウム
Pb(NO3)2 + 2KI→PbI2 + 2KNO3
塩化銀とアンモニア
AgCl + 2NH3⇄[Ag(NH3)2]+ + Cl−
水酸化銅(II)と過剰アンモニア
Cu(OH)2 + 4NH3⇄[Cu(NH3)4]2+ + 2OH−
水酸化亜鉛と過剰アンモニア
Zn(OH)2 + 4NH3⇄[Zn(NH3)4]2+ + 2OH−
鉄(III)イオンの確認
Fe3+ + SCN−⇄[FeSCN]2+
07非金属・ハロゲン27式
窒素、硫黄、ハロゲン、リン、ケイ素の代表変化です。
水素と塩素
H2 + Cl2→2HCl
水素と臭素
H2 + Br2→2HBr
塩素と水
Cl2 + H2O⇄HCl + HClO
塩素と冷希水酸化ナトリウム
Cl2 + 2NaOH→NaCl + NaClO + H2O
アンモニア合成
N2 + 3H2⇄2NH3
アンモニアの接触酸化
4NH3 + 5O2→4NO + 6H2O
一酸化窒素の酸化
2NO + O2→2NO2
二酸化窒素から硝酸
4NO2 + O2 + 2H2O→4HNO3
硫黄の燃焼
S + O2→SO2
二酸化硫黄の接触酸化
2SO2 + O2⇄2SO3
塩素と熱濃水酸化ナトリウム
3Cl2 + 6NaOH→5NaCl + NaClO3 + 3H2O
フッ化水素の発生
CaF2 + H2SO4→CaSO4 + 2HF
二酸化ケイ素とフッ化水素
SiO2 + 4HF→SiF4 + 2H2O
二酸化窒素と水
3NO2 + H2O→2HNO3 + NO
アンモニアによる酸化銅の還元
2NH3 + 3CuO→N2 + 3Cu + 3H2O
発煙硫酸の生成
SO3 + H2SO4→H2S2O7
発煙硫酸から硫酸
H2S2O7 + H2O→2H2SO4
黄鉄鉱の焙焼
4FeS2 + 11O2→2Fe2O3 + 8SO2
硫化水素の完全燃焼
2H2S + 3O2→2SO2 + 2H2O
硫化水素の不完全燃焼
2H2S + O2→2S + 2H2O
リンの燃焼
P4 + 5O2→P4O10
十酸化四リンと水
P4O10 + 6H2O→4H3PO4
二酸化ケイ素と強塩基
SiO2 + 2NaOH→Na2SiO3 + H2O
ケイ酸ナトリウムと酸
Na2SiO3 + 2HCl→H2SiO3 + 2NaCl
二酸化ケイ素と炭酸ナトリウム
SiO2 + Na2CO3→Na2SiO3 + CO2
二酸化ケイ素と炭酸カルシウム
SiO2 + CaCO3→CaSiO3 + CO2
四フッ化ケイ素とフッ化水素
SiF4 + 2HF→H2SiF6
08脂肪族・炭化水素31式
置換、付加、酸化、脱水、エステル化を構造式から判断します。
メタンの塩素置換
CH4 + Cl2→CH3Cl + HCl
エチレンへの水素付加
CH2=CH2 + H2→CH3CH3
エチレンへの臭素付加
CH2=CH2 + Br2→BrCH2CH2Br
エチレンへの臭化水素付加
CH2=CH2 + HBr→CH3CH2Br
エチレンの水和
CH2=CH2 + H2O→CH3CH2OH
アセチレンの完全水素化
C2H2 + 2H2→C2H6
ベンゼンの臭素置換
C6H6 + Br2→C6H5Br + HBr
ベンゼンのニトロ化
C6H6 + HNO3→C6H5NO2 + H2O
トルエン側鎖の酸化
C6H5CH3 + 3[O]→C6H5COOH + H2O
エタノールの完全燃焼
C2H5OH + 3O2→2CO2 + 3H2O
エタノールとナトリウム
2C2H5OH + 2Na→2C2H5ONa + H2
エタノールの酸化
CH3CH2OH + CuO→CH3CHO + Cu + H2O
エタノールの分子内脱水
C2H5OH→C2H4 + H2O
エタノールからアセトアルデヒド
CH3CH2OH + [O]→CH3CHO + H2O
アセトアルデヒドから酢酸
CH3CHO + [O]→CH3COOH
アセトアルデヒドの銀鏡反応
CH3CHO + 2[Ag(NH3)2]+ + 3OH−→CH3COO− + 2Ag + 4NH3 + 2H2O
アセトアルデヒドのフェーリング反応
CH3CHO + 2Cu2+ + 5OH−→CH3COO− + Cu2O + 3H2O
酢酸と炭酸水素ナトリウム
CH3COOH + NaHCO3→CH3COONa + CO2 + H2O
酢酸とエタノールのエステル化
CH3COOH + C2H5OH⇄CH3COOC2H5 + H2O
酢酸エチルの酸加水分解
CH3COOC2H5 + H2O⇄CH3COOH + C2H5OH
酢酸エチルのけん化
CH3COOC2H5 + NaOH→CH3COONa + C2H5OH
エタンの塩素置換
C2H6 + Cl2→C2H5Cl + HCl
エチレンへの塩化水素付加
CH2=CH2 + HCl→CH3CH2Cl
アセチレンへの水素1段付加
HC≡CH + H2→CH2=CH2
アセチレンの水和
C2H2 + H2O→CH3CHO
ベンゼンの完全燃焼
2C6H6 + 15O2→12CO2 + 6H2O
ベンゼンの水素化
C6H6 + 3H2→C6H12
2-プロパノールの酸化
(CH3)2CHOH + CuO→(CH3)2CO + Cu + H2O
エタノールの分子間脱水
2C2H5OH→C2H5OC2H5 + H2O
酢酸とナトリウム
2CH3COOH + 2Na→2CH3COONa + H2
酢酸と炭酸ナトリウム
2CH3COOH + Na2CO3→2CH3COONa + CO2 + H2O
09芳香族9式
ベンゼン、フェノール、アニリンの置換・酸塩基反応です。
フェノールと水酸化ナトリウム
C6H5OH + NaOH→C6H5ONa + H2O
フェノールと臭素水
C6H5OH + 3Br2→C6H2Br3OH + 3HBr
アニリンと塩酸
C6H5NH2 + HCl→C6H5NH3Cl
ニトロベンゼンの還元
C6H5NO2 + 3H2→C6H5NH2 + 2H2O
アニリンのジアゾ化
C6H5NH2 + NaNO2 + 2HCl→C6H5N2Cl + NaCl + 2H2O
フェノールとナトリウム
2C6H5OH + 2Na→2C6H5ONa + H2
アニリンと臭素水
C6H5NH2 + 3Br2→C6H2Br3NH2 + 3HBr
ジアゾニウム塩の加水分解
C6H5N2Cl + H2O→C6H5OH + N2 + HCl
ナトリウムフェノキシドの酸処理
C6H5ONa + CO2 + H2O→C6H5OH + NaHCO3
10工業製法6式
アンモニアソーダ法、高炉、食塩水電解の物質循環です。
アンモニアソーダ法の炭酸水素ナトリウム生成
NaCl + NH3 + CO2 + H2O→NaHCO3 + NH4Cl
高炉でのコークス燃焼
C + O2→CO2
高炉での一酸化炭素生成
CO2 + C→2CO
食塩水電解の総括
2NaCl + 2H2O→2NaOH + H2 + Cl2
アンモニアソーダ法の総括
2NaCl + CaCO3→Na2CO3 + CaCl2
高炉でのスラグ生成
CaO + SiO2→CaSiO3
11糖・発酵・アミノ酸8式
加水分解、発酵、呼吸、縮合の量的関係を扱います。
グルコースの呼吸
C6H12O6 + 6O2→6CO2 + 6H2O
アルコール発酵
C6H12O6→2C2H5OH + 2CO2
スクロースの加水分解
C12H22O11 + H2O→C6H12O6 + C6H12O6
マルトースの加水分解
C12H22O11 + H2O→2C6H12O6
デンプン・セルロースの完全加水分解
(C6H10O5)n + nH2O→nC6H12O6
光合成の総括
6CO2 + 6H2O→C6H12O6 + 6O2
乳酸発酵
C6H12O6→2CH3CH(OH)COOH
グリシン2分子の縮合
2H2NCH2COOH→H2NCH2CONHCH2COOH + H2O
12高分子11式
付加重合、縮合重合、けん化と繰返し単位を整理します。
ポリエチレンの付加重合
nCH2=CH2→[-CH2-CH2-]n
ポリ塩化ビニルの付加重合
nCH2=CHCl→[-CH2-CHCl-]n
ナイロン66の縮合重合
nH2N(CH2)6NH2 + nHOOC(CH2)4COOH→[-NH(CH2)6NHCO(CH2)4CO-]n + 2nH2O
PETの縮合重合
nHOCH2CH2OH + nHOOCC6H4COOH→[-OCH2CH2OCOC6H4CO-]n + 2nH2O
ポリ酢酸ビニルからPVA
[-CH2-CH(OCOCH3)-]n + nNaOH→[-CH2-CH(OH)-]n + nCH3COONa
ポリプロピレンの付加重合
nCH2=CHCH3→[-CH2-CH(CH3)-]n
ポリテトラフルオロエチレンの付加重合
nCF2=CF2→[-CF2-CF2-]n
ポリスチレンの付加重合
nCH2=CHC6H5→[-CH2-CH(C6H5)-]n
PMMAの付加重合
nCH2=C(CH3)COOCH3→[-CH2-C(CH3)(COOCH3)-]n
ポリアクリロニトリルの付加重合
nCH2=CHCN→[-CH2-CH(CN)-]n
ナイロン6の縮合表示
nH2N(CH2)5COOH→[-NH(CH2)5CO-]n + nH2O
入試で落としやすい32の確認
- P ∝ nT はV一定のときだけ。
- 気体の温度は℃ではなくK。
- nとTが各2倍、V一定ならPは4倍。
- 密閉容器でもピストンならV一定とは限らない。
- 係数は式全体へ掛かる。
- 原子数合わせで下付き数字を変えない。
- 係数比はmol比であり、質量比ではない。
- 気体体積比=係数比は同温・同圧の気体同士。
- 22.4 L/molは温度・圧力の条件付き。
- HBr(g)とHBr(aq)、Br−、Br2を区別。
- 強酸と高濃度は別の概念。
- 価数・価電子数・酸化数を混同しない。
- CnH2nだから必ずアルケンとは限らない。
- 臭素水の脱色が常に付加反応とは限らない。
- 触媒は平衡到達を速めるが平衡定数を変えない。
- 酸化と還元は必ず同時に起こる。
- H2O2は酸化剤にも還元剤にもなる。
- Cuは希塩酸とは反応しにくいが硝酸とは反応。
- 融解塩電解と水溶液電解では生成物が違う。
- →と⇄、反応条件、過剰・不足を式と一緒に読む。
- 電気陰性度は結合中の共有電子を引く相対尺度で、通常は単位なし。
- 結合が極性でも、分子全体は形によって無極性になり得る。
- イオン化エネルギーは孤立した気体原子から電子を外すエネルギー。
- 電子親和力の放出量と反応エンタルピーの符号を混同しない。
- イオン化エネルギーの小さい順とイオン化傾向は単純一致しない。
- イオン化傾向は反応速度表ではなく、酸・温度・皮膜も確認する。
- Ag2Oは褐色、Fe(OH)3は赤褐色、ZnSは白色。
- 過剰NH3水でAg2Oは錯イオンとして溶け、Fe(OH)3は残る。
- 系統分離では、ろ過後の沈殿とろ液を別々の枝として更新する。
- 六方最密はABAB、立方最密はABCABC。
- HCPの高校の六角柱は6原子、最小セルは2原子。
- HCPは配位数12、理想充填率74.05%。
ALL UNITS · 33 REQUIRED TOPICS
全単元から
学ぶ場所を選ぶ
現行課程の必修33項目を、知識・詳説・オリジナル演習へ直結しました。単元名を押すと最初に学ぶ教材へ、右のボタンから理解や問題演習へ移動できます。
化学基礎
粒子・結合・mol・酸塩基・酸化還元
- 01化学の特徴↗
物質の構造・性質・反応・エネルギーを、観察事実と粒子モデルで結ぶ
- 02物質の分離・精製↗
ろ過・蒸留・抽出・再結晶・昇華・クロマトグラフィー
- 03単体と化合物↗
純物質と混合物、元素・単体・化合物、同素体、炎色反応・沈殿による元素の確認
- 04粒子の熱運動と物質の三態↗
固体・液体・気体、状態変化、熱運動、物理変化と化学変化の違い
- 05原子の構造・同位体↗
陽子・中性子・電子、原子番号・質量数、放射性同位体と利用
- 06電子配置と周期表↗
価電子、族・周期、周期律、イオン化エネルギー
- 07イオン・共有・金属結合↗
電子式、配位結合、分子形・極性、結晶・高分子の構造
- 08物質量↗
粒子数・質量・気体体積・モル濃度をmolで接続
- 09化学反応式と量的関係↗
原子数・電荷の保存、係数比、限界試薬、収率
- 10酸・塩基と中和↗
強弱・電離度、pH、中和、滴定、生成する塩の性質
- 11酸化と還元↗
酸化数、電子授受、酸化剤・還元剤、イオン化傾向、ダニエル電池
- 12化学が拓く世界↗
日常生活・社会を支える物質、反応、科学技術
理論化学
状態・溶液・熱・電気化学・速度・平衡
- 13状態変化↗
融点・沸点と分子間力、融解熱・蒸発熱、状態図・蒸気圧
- 14気体の性質↗
Boyle・Charles、状態方程式、混合気体・分圧、実在気体、分子運動
- 15固体の構造↗
体心・面心・六方最密、イオン結晶、配位数、非晶質
- 16溶解平衡↗
固体・気体の溶解度、飽和、再結晶、共通イオン、溶解度積
- 17溶液とその性質↗
蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧、コロイド
- 18化学反応と熱・光↗
反応エンタルピー、Hess、結合・生成エンタルピー、発光・吸収、吸熱反応の自発性
- 19電池↗
酸化還元で化学エネルギーを電気へ、実用電池・容量
- 20電気分解↗
外部電源、陽極・陰極、水溶液、Faradayの法則、電流効率・直列槽、電解精錬
- 21反応速度↗
平均・瞬間速度、速度式、濃度・温度・触媒の影響
- 22化学平衡とその移動↗
可逆反応、平衡定数の変形、反応商、Le Chatelierの原理、不活性気体
- 23電離平衡↗
水のイオン積、弱酸・弱塩基、塩の加水分解、緩衝液、滴定4領域
無機化学
典型元素・遷移元素を反応で横断
有機化学
炭素骨格・官能基・芳香族反応
- 26炭化水素↗
アルカン・アルケン・アルキンの構造、物性、置換・付加・酸化
- 27官能基をもつ脂肪族化合物↗
アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、油脂
- 28芳香族化合物↗
芳香族炭化水素、フェノール、芳香族酸・アミン、ジアゾ化
高分子
天然・合成、構造と物性、量的関係
- 29合成高分子化合物↗
付加・縮合・開環、合成条件、構造・物性・用途、プラスチック、繊維、ゴム、高分子反応
- 30天然高分子化合物↗
単糖・二糖・多糖、アミノ酸・タンパク質、天然ゴム(核酸は必修集計外の発展補足)
社会・探究
生活・未来・実験計画・資料読解
- 31様々な物質と人間生活↗
無機・有機・高分子の特徴と用途、安全、環境、資源循環
- 32化学が築く未来↗
新素材・医薬・エネルギー・分析・環境技術を科学的に評価
- 33観察・実験と探究の全過程↗
問い、仮説、変数、対照、測定、分析・解釈、妥当性、改善、表現(誤差評価は本教材の補助技能)
01 / EXAM STRATEGY
公式分析から逆算する
共通テスト化学の勝ち方
大学入試センターの2021〜2026年度本試験・評価報告書を設問単位で再分析。単純暗記ではなく、初見資料へ知識を移す力が得点差になります。
難度は動いても、基礎知識+複数段階の思考という軸は不変。 出典:大学入試センター「平均点の推移」↗
THE RULE
3層で仕上げる
- 暗記1事実を即答
- 説明粒子・平衡・電子で理由を言う
- 適用未知資料から条件を拾う
60 MINUTES · STARTING GUIDE
時間を守る
- 0〜50分
- 第1周・90秒保留
- 50〜56分
- 印へ戻る
- 56〜60分
- 否定語・単位・桁
公式配分ではない初期目安。過去問3回以上の大問別中央値と得意不得意から調整します。
READING ORDER
資料は設問から
設問 → 軸・単位 → 条件 → 保存量
長文を先に全部読まず、「何を求めるか」を作ってから情報を拾います。
現在地から始める3つの学習ルート
2026 本試験
5大問の出題地図
第1問 / 物質の状態
結合と物性/コロイド/固体溶解度/六方最密/アルコールロケット
- 必要な処理
- 構造→物性、溶媒100 g基準、格子の持分、燃焼量論→分圧・モル分率→状態方程式を接続。
- 典型誤答
- 溶液質量を溶媒質量にする/燃焼前後で全気体molが同じとする/℃をそのまま使う。
第2問 / 物質の変化
反応エンタルピー/電気分解/反応速度/塩の加水分解・緩衝液
- 必要な処理
- 状態と係数をそろえ、電子molへ換算し、実験を一要因ずつ比較。中和後の全粒子から平衡へ進む。
- 典型誤答
- 塩名だけで液性を決める/『弱酸+塩』という名前だけで緩衝液を選ぶ。
第3問 / 無機物質
酸化数/リン/硫酸塩水和物/遷移元素/FeSのKsp/金属イオン系統分離
- 必要な処理
- 酸化数・元素収支・加熱前後の質量を表にし、QionとKspを比較。操作ごとに沈殿とろ液を更新。
- 典型誤答
- ろ別済みのイオンを次段にも残す/過剰試薬・液性・酸化数変化を書き換えない。
第4問 / 有機・生体
芳香族/環状・鎖状有機物/立体異性/糖類/グルタチオン/グリシンのpH
- 必要な処理
- 官能基→反応点→炭素骨格の順に追い、不斉炭素・ペプチド結合・酸塩基種を構造式へ印す。
- 典型誤答
- 分子1個と1 molを混同/加水分解の水を落とす/pHが変わっても電荷を更新しない。
第5問 / 分野横断
クロム/ケイ素/ポリイミド/エステル生成と化学平衡
- 必要な処理
- 支給資料の定義を既知の酸化還元・縮合・量論へ翻訳し、単量体逆算と反応後量→ICE表をつなぐ。
- 典型誤答
- 繰返し単位を単量体そのものとする/脱離分子を落とす/過不足を処理せず平衡式へ入る。
2026年度の低正答率項目は、塩の加水分解、緩衝液、金属イオン系統分離、過不足のある平衡計算など。いずれも「覚えた順序の再生」ではなく、条件から粒子の状態を組み直す問題だったと本教材は整理しました。
正答率から逆算する4つの重点復習
正答率・設問位置・出題意図は大学入試センターの公式資料に基づきます。失点源・停止点・処方は、それらから本教材が行った学習上の推定であり、受験者個人の誤答原因を示す統計ではありません。 公式資料 ↗
塩の加水分解
- 失点源
- 塩の名称だけで液性を決め、共役イオンと水の反応まで戻れない。
- 処方
- 中和後の全粒子を書き、弱い酸・塩基の共役種からH₃O⁺/OH⁻生成を判定。
緩衝液の調製
- 失点源
- 『弱酸+その塩』を暗記し、中和後に共役対が残る量を数えない。
- 処方
- 強酸・強塩基を先にmol収支し、HAとA⁻の両方が残るかを確認。
金属イオン系統分離
- 失点源
- 覚えた試薬順を順方向に再生できても、分離結果から操作を逆算できない。
- 処方
- 各操作後の沈殿とろ液を二分し、液性・過剰試薬・錯体まで粒子表を更新。
過不足のある平衡
- 失点源
- 反応物がすべて同じ割合で消費される前提で、平衡時の残量を作れない。
- 処方
- 限界試薬を決めて反応後量を出してから、ICE表と平衡定数へ接続。
暗記後に落ちる22の「知識転移」
設問位置・公表正答率・要求された処理は、大学入試センターの高等学校評価・自己評価に基づく要約です。「典型的な停止点」「修正プロトコル」「復習導線」は公式見解ではなく、本教材による推定・学習提案です。過去問本文・図表・選択肢は転載していません。2022〜2024年度は旧課程のため、現行必修範囲の根拠ではなく初見資料への転用型参考として区別します。
| 年度・科目・設問 | 公式正答率 | 要求された処理 | 典型的な停止点 | 修正プロトコル | 復習導線 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022 化学旧課程・転用型参考第1問 問5b・一次資料 ↗ | —(設問別公表なし) | 密閉気液系のHenry物質収支 | 気相分圧を外部から固定された値とみなし、溶解で気相molも減る密閉系の保存則を置けない。 | 気相n=pVg/RTと液相n=kHpを同じpで表し、n全=pVg/RT+kHpを変化前後で保存する。 | 復習:密閉気液系のHenry物質収支(L16・DATA41・M05) |
| 2022 化学旧課程・転用型参考第2問 問3・一次資料 ↗ | —(設問別公表なし) | 可逆速度式から平衡定数へ | 反応式の係数を無条件で速度次数とみなし、問題文で与えられた正逆速度式を使わない。 | 支給されたvf・vrだけを書き、平衡のvf=vrから濃度比を孤立させてKcと照合する。 | 復習:可逆速度式から平衡定数へ(L04・L05・DATA42) |
| 2022 化学旧課程・転用型参考第5問 問2c・d・一次資料 ↗ | —(設問別公表なし) | 時系列グラフ・速度定数・終点量 | 速度定数が変わると、反応時間だけでなく化学量論で決まる完全反応時の生成量まで変わると考える。 | 傾き/時間は速度、終点の量は初期量と係数比として二列に分け、触媒・温度の効果を判定する。 | 復習:時系列グラフ・速度定数・終点量(L04・DATA42・M06) |
| 2023 化学旧課程・転用型参考第5問 問3a・b・一次資料 ↗ | —(設問別公表なし) | 透過率・吸光度・光路長 | %Tを小数へ直さず対数へ入れる、または光路長2倍で透過率を1/2とする。 | T=I/I₀→A=−log₁₀T→A=εclの順に変換し、同一溶液ならAの倍率からTを指数で戻す。 | 復習:透過率・吸光度・光路長(L10・DATA39・M01) |
| 2024 化学旧課程・転用型参考第1問 問4c・一次資料 ↗ | —(設問別公表なし) | 水・氷の状態・密度・熱量統合 | 融解した質量を出した後、残った氷と生成した水を同じ密度で体積換算する。 | 状態図で過程を確認→q/Lfで融解量→相ごとに残量→V=m/ρを別々に計算する。 | 復習:水・氷の状態・密度・熱量統合(L02・L08・DATA43) |
| 2024 化学旧課程・転用型参考第5問 問2・3・一次資料 ↗ | —(設問別公表なし) | 同位体希釈・高分解能MS・断片化 | 同位体比を単純平均し、m/z差を電荷数や支給された精密質量と照合せず物質名へ飛ぶ。 | 同位体mol保存で未知量を逆算し、ピークは電荷数→精密質量候補→親−断片の中性脱離量の順に読む。 | 復習:同位体希釈・高分解能MS・断片化(L12・DATA40・M02) |
| 2024 化学旧課程・転用型参考第3問 問2・一次資料 ↗ | —(設問別公表なし) | 同族データからAtの性質を推定 | 周期表の族傾向を暗記語だけで選び、表の融沸点・酸化還元データから未知元素へ外挿できない。 | 同族を上→下へ並べ、原子半径・分散力・単体の酸化力・陰イオンの還元力を別列で延長し、予測と確定値を区別する。 | 復習:同族データからAtの性質を推定(周期表・DATA44・M07) |
| 2025 化学第1問 問5b・一次資料 ↗ | 10.98% | 長い海水資料の条件整理 | 身近な題材でも、長い設定を一度に抱えて既知の法則へ戻せない。 | 設問→求める量→与条件→保存量の4欄に分割し、未使用条件は保留する。 | 復習:長い海水資料の条件整理(T13・M08) |
| 2025 化学第2問 問3・一次資料 ↗ | 26.12% | 弱酸を希釈したときのpH | 電離度の増加と、水素イオン濃度の減少を同じ向きだと誤認する。 | [H⁺]≈√(KaC)とα≈√(Ka/C)を別々に倍率比較し、近似条件も検算する。 | 復習:弱酸を希釈したときのpH(T07・L17・M07) |
| 2025 化学第3問 問4c・一次資料 ↗ | 34.79% | 与えられた反応式の量的利用 | 反応式を読めても、試料→採取量→係数比→原試料へ戻す途中で倍率を落とす。 | 全量をmolへそろえ、係数比を1回だけ使い、最後に採取率・希釈倍率を戻す。 | 復習:与えられた反応式の量的利用(T14・L09・M02) |
| 2025 化学第4問 問4c・一次資料 ↗ | 28.86% | 高分子の部分反応率と収量 | 高分子全体のmol、繰返し単位のmol、反応した官能基の割合を同じ量として扱う。 | 繰返し単位→反応点の個数→反応率→増減した式量の順に、変化する部分だけを収支する。 | 復習:高分子の部分反応率と収量(T30・L20・DATA04) |
| 2025 化学第5問 問1・一次資料 ↗ | 20.75% | 原油の分留と留出物 | 留分名を単独暗記し、塔内の温度勾配・沸点・分子の大きさを結べない。 | 塔底は高温・塔頂は低温を固定し、低沸点/短い炭素鎖ほど上、高沸点/長い炭素鎖ほど下へ配置する。 | 復習:原油の分留と留出物(T17・L11・石油化学) |
| 2025 化学第5問 問3c・一次資料 ↗ | 26.51% | 反応経路とエンタルピー収支 | 経路図の矢印だけを追い、反応前後に実際に存在する物質・状態・係数をそろえない。 | 目的反応を1行で書き、各経路を逆転・倍量した後、途中物質が全て消えるかとΔHの符号を検算する。 | 復習:反応経路とエンタルピー収支(T05・L08・熱化学) |
| 2026 化学基礎第2問 問2a・一次資料 ↗ | 16.69% | 混合物中の元素質量% | 化学式中の粒子数比、化合物の質量、元素だけの質量を同一視する。 | 成分molを未知数→総質量式→目的元素の質量だけを合計→試料質量で割る。 | 復習:混合物中の元素質量%(T14・DATA11・M02) |
| 2026 化学基礎第1問 問10・一次資料 ↗ | 31.70% | 過不足から濃度範囲を決定 | 反応した/残ったという観察を、等号1本の数値計算にしてしまう。 | 各観察を不等式へ翻訳し、下限と上限の両方を満たす共通範囲を取る。 | 復習:過不足から濃度範囲を決定(T14・DATA12・M09) |
| 2026 化学基礎第2問 問2b・一次資料 ↗ | 36.62% | 区別できない実験を選ぶ | 陽性反応を一つ見つけた時点で止まり、全候補を一意に分けられるか確認しない。 | 候補×試薬の反応表を作り、同じ観察が残る候補対を反例として探す。 | 復習:区別できない実験を選ぶ(T19・DATA13・M09) |
| 2026 化学基礎第2問 問3b・一次資料 ↗ | 34.68% | 信号グラフから含有率へ | グラフ読取値を最終の質量%とみなし、組成式と試料全量への換算を飛ばす。 | 信号→検出元素量→化合物量→試料中の質量%の単位鎖を1段ずつ書く。 | 復習:信号グラフから含有率へ(T16・DATA52・M01) |
| 2026 化学第1問 問5a・b・一次資料 ↗ | 各56% | 燃焼・分圧・状態方程式の連結 | 長い実験設定の数値を一式へ詰め込み、燃焼前後の気体molと温度変化を分離できない。 | 反応式で限界量と燃焼後の全気体molを確定し、最後にP₂/P₁=(n₂T₂)/(n₁T₁)へ接続する。 | 復習:燃焼・分圧・状態方程式の連結(T02・T14・DATA31) |
| 2026 化学第2問 問3・一次資料 ↗ | 45% | 実験値から反応速度定数を求める | 濃度倍率から次数を決めても、測定した速度を速度式へ戻してkとその単位を確定しない。 | 比較する実験を一要因ずつ選び、次数→k=v/([A]ᵐ[B]ⁿ)→全反応次数に応じた単位の順で処理する。 | 復習:実験値から反応速度定数を求める(T06・L04) |
| 2026 化学第2問 問4a・一次資料 ↗ | 33% | 塩の加水分解から液性を決める | 塩の名称や元の酸塩基の強弱だけで止まり、実際に水と反応する共役イオンを書けない。 | 完全電離後のイオンを列挙し、弱酸・弱塩基の共役種だけについて水とのプロトン移動を書く。 | 復習:塩の加水分解から液性を決める(T20・T26・L21) |
| 2026 化学第2問 問4c・一次資料 ↗ | 37% | 混合後に緩衝液となる組合せ | 『弱酸+塩』という試薬名で選び、強酸・強塩基との量的反応後に共役対が両方残るかを数えない。 | 先に中和のmmol表を完成し、HA/A⁻またはB/BH⁺がともに0より大きい候補だけを残す。 | 復習:混合後に緩衝液となる組合せ(T07・T26・L17) |
| 2026 化学第3問 問5b・一次資料 ↗ | 33% | Kspと系統分離手順の統合 | 沈殿式・錯体・液性を別々に暗記し、各操作後の沈殿とろ液を更新できない。 | 臨界イオン濃度をKspから求め、操作ごとに沈殿側/ろ液側の全粒子と過剰試薬を書き換える。 | 復習:Kspと系統分離手順の統合(T09・T20・L24・DATA27) |
02 / QUESTION TYPES
6年分を33の
問題タイプに圧縮
題材は毎年変わっても、使う法則と処理順は反復します。「見抜くサイン→処理手順→典型ミス」で初見問題を既知の型へ戻し、33型すべてを55題のオリジナル資料問題へ少なくとも1題ずつ接続しています。2021〜2024年度は旧課程であり、現行範囲の根拠ではなく処理型の転用参考として用います。
①サインを拾う問題文の名詞・単位・操作から型を決める
②保存量を置く原子・電荷・電子・物質量・エネルギー
③型の手順を実行最後に単位・符号・有効範囲を検算
複合問題の分類T01〜T33は排他的ではありません。多段問題には複数型を付け、まず主処理、次に専門型を選びます。
年度表示は本試験を基本とし、追試・試作は明記しています。S/A・「頻出」「重点」「代表」は公式区分ではなく、公開問題・評価資料を基にした本教材独自の処理型分析です。
S 最優先:複数年度・分野横断で反復 A 標準攻略:典型処理を確実に得点化
結晶・単位格子
- サイン
- 配位数/原子半径/密度/充塡率
- 解法
- 接触位置を図示 → 格子内粒子数Z → ρ=ZM/(Nₐa³)
- 誤答
- 角・面・体心の持分を重複計数
気体・蒸気圧
- サイン
- 水上置換/混合気体/状態変化
- 解法
- K・圧力単位を統一 → 分圧を分離 → PV=nRT
- 誤答
- 水蒸気圧を引かない/℃のまま代入
溶解度・再結晶
- サイン
- 溶解度曲線/飽和/析出量/水の蒸発
- 解法
- 溶媒100 g基準へ → 高温と低温の溶解量差 → 溶媒量補正
- 誤答
- 溶液100 gあたりと誤読/結晶水を無視
束一性・浸透圧
- サイン
- 沸点上昇/凝固点降下/半透膜/逆浸透
- 解法
- 電離後の粒子mol → 溶媒kgまたは体積 → ΔT=Km・ΠV=nRT
- 誤答
- 溶媒と溶液を混同/粒子数係数を忘れる
エンタルピー
- サイン
- 反応経路/熱量計/結合・生成エンタルピー
- 解法
- 目的反応を固定 → 式を逆転・倍量 → ΔHも同操作
- 誤答
- 発熱の符号と溶液が得た熱の符号を混同
速度・化学平衡
- サイン
- 初速度/濃度倍率/速度グラフ/初期量・変化量・平衡量
- 解法
- 速度:一要因ずつ比較 → 倍率から次数 → k / 平衡:反応式 → ICE表 → Q・K
- 誤答
- 係数を無条件で次数にする/純固体をKへ入れる/触媒でKが変わると誤認
酸塩基・滴定
- サイン
- 当量点/加水分解/緩衝液/pH曲線
- 解法
- 粒子のmol収支 → 過不足 → 強酸塩基または電離平衡
- 誤答
- 弱酸を完全電離/塩の名称だけで液性判定
酸化還元・電気化学
- サイン
- 電流×時間/電極質量/生成気体
- 解法
- 各極の半反応式 → e⁻molを共通通貨に → Q=It=nF
- 誤答
- 電池の正負極と電気分解の陽陰極を混同
反応追跡・系統分離
- サイン
- 試薬を順次添加/沈殿→溶解/液性変更
- 解法
- 各操作後の全イオンを書換え → 色・沈殿・錯体を追う
- 誤答
- 操作順だけを暗記し、過剰試薬後を見落とす
有機構造決定・反応経路
- サイン
- 燃焼生成物/検出反応/酸化・還元・加水分解/未知物質A〜F/試薬・条件
- 解法
- 分子式・不飽和度 → 官能基 → 炭素骨格 → 各矢印で変わる部位だけ記入 → 正逆方向から候補を交差 → 全経路・副生成物で検算
- 誤答
- 一本の反応だけで確定/試薬・温度・触媒を落とす/根拠なく骨格と複数官能基を同時変更
高分子・反応率
- サイン
- 単量体/官能基消費率/平均分子量
- 解法
- 繰返し単位を囲む → 結合様式 → 反応前後のmol収支
- 誤答
- 付加重合で小分子が脱離すると誤認
実験操作・安全・誤差
- サイン
- 器具図/共洗い/安全/値のずれ
- 解法
- 目的 → 操作原理 → 測定量 → 誤差の向きを因果で説明
- 誤答
- 手順を慣習で選び、測定値への影響を説明できない
初見資料・総合問題
- サイン
- 長いリード文/新物質/社会・工業題材
- 解法
- 設問を先読み → 新情報と既知法則を分離 → 保存量で接続
- 誤答
- 全文精読に時間を使い、独立小問を落とす
化学量論・過不足
- サイン
- 限界試薬/残量/含有率/水和物
- 解法
- 全量をmol化 → 反応進行度ξの上限 → 残量・生成量へ戻す
- 誤答
- 係数比を質量比として使う/過剰側を全消費
グラフ・区分変化
- サイン
- 折点/傾き/切片/極限/複数曲線
- 解法
- 端点 → 軸・単位 → 各区間の支配式 → 折点の化学的意味
- 誤答
- 見た目の傾きだけを比較/原点通過を決めつける
検量線・未知定量
- サイン
- 標準液/吸光度/信号強度/希釈
- 解法
- ブランク確認 → 比例域で内挿 → 希釈倍率 → 試料全量へ復元
- 誤答
- 外挿/原点固定/採取量と全量を混同
工業フロー・循環
- サイン
- 工程図/循環物質/触媒/収率
- 解法
- 各工程の入出力 → 中間体と循環物を消去 → 総括反応
- 誤答
- 触媒を反応物として消費/副生成物を落とす
未知元素・同族外挿
- サイン
- 未知元素E/族・周期/同族データ
- 解法
- 位置 → 価電子・典型イオン → 同族傾向 → 例外を確認
- 誤答
- 傾向を単調変化と決めつける/状態を断定
物質同定・反応マトリクス
- サイン
- 複数候補/試薬選択/観察結果
- 解法
- 候補×試薬の表 → 陽性・陰性結果 → 一意に識別できる列を選ぶ
- 誤答
- 一部候補だけ区別して満足/色と沈殿を混同
存在粒子・保存則
- サイン
- 順次操作/中和後/沈殿後/平衡到達後
- 解法
- 操作ごとに粒子一覧を更新 → 元素・電荷・物質量を検算
- 誤答
- 反応前の粒子を残す/傍観イオンを消す
結合・分子形・極性
- サイン
- 電子式/共有・非共有電子対/結合の極性/対称性
- 解法
- 価電子数 → Lewis構造 → 電子領域と分子形 → 結合双極子のベクトル和
- 誤答
- 極性結合があれば必ず極性分子と判断/非共有電子対を無視
同位体・質量分析
- サイン
- m/z/分子イオン/同位体ピーク/相対強度
- 解法
- 電荷数zを確認 → ピークを同位体・分子・断片へ対応 → 存在比で加重平均
- 誤答
- 強度比を質量比と誤認/多価・断片イオンを分子量とする
濃度調製・希釈
- サイン
- 標準液/純度・水和物/全量フラスコ/ホールピペット
- 解法
- 必要な溶質mol → 純度・結晶水補正 → 定量移送・標線 → 転倒混和
- 誤答
- 溶媒体積を溶液体積とする/熱いまま標線/希釈倍率を無視
最密構造・NaCl型
- サイン
- ABAB・ABCABC/配位数/空隙/イオン半径/密度
- 解法
- 格子点と空隙占有を分けて数える → 組成・配位数 → 接触方向 → Zで密度
- 誤答
- 式単位数と総イオン数を混同/接触しない対角線で半径を結ぶ
ヘンリー・ラウール
- サイン
- 気体の溶解度/分圧/モル分率/蒸気圧降下
- 解法
- 温度一定を確認 → 気体は成分分圧で比例換算/理想溶液はpᵢ=xᵢpᵢ° → 分圧を合計
- 誤答
- 全圧をそのまま使用/液相と気相のモル分率を混同
緩衝液・塩の加水分解
- サイン
- 弱酸と共役塩基/少量の酸塩基添加/塩の液性
- 解法
- 中和のmol収支 → 共役対ならKa式 → 一方だけなら電離・加水分解
- 誤答
- 中和前から平衡式/共役対が消えた後にも緩衝式
酸化還元滴定
- サイン
- 過マンガン酸/ヨウ素・チオ硫酸/標定/逆滴定
- 解法
- 液性ごとの半反応式 → 授受e⁻molを等置 → 採取試料 → 希釈前全量へ
- 誤答
- 液性で係数が変わる点を無視/空試験・逆滴定の差を加算
実用電池・電解精錬
- サイン
- 放電反応式/容量/粗銅・純銅/陽極泥
- 解法
- 電池か電解か → 各極反応 → e⁻mol → 質量・電気量・不純物の行方
- 誤答
- 正負極と陽陰極を混同/全不純物が陽極泥になると決めつける
有機立体異性体
- サイン
- 不斉炭素/鏡像/cis-trans/環状・二重結合
- 解法
- 構造異性体 → 立体配置部位 → 対称面・重ね合わせで重複とメソ体を除く
- 誤答
- 不斉中心n個なら常に2ⁿ個/紙面上の向き違いを別物とする
高分子の量的関係
- サイン
- 重合度/平均分子量/反応率/縮合水/官能基数
- 解法
- 繰返し単位の式量 → 重合度 → 脱離分子 → 官能基molを検算
- 誤答
- 単量体数と脱離分子数を同数/末端補正が必要でも無視
探究設計・誤差評価
- サイン
- 仮説/対照実験/反復測定/外れ値/有効数字
- 解法
- 問い → 独立・従属・統制変数 → 測定計画 → 再現性 → 誤差の向き
- 誤答
- 相関を因果と断定/外れ値を無根拠に除外/偶然と系統を混同
社会・環境の意思決定
- サイン
- 資源・エネルギー/排出量/収率/安全性/複数案比較
- 解法
- 機能単位と境界を固定 → 同一基準化 → 効率・負荷・安全・供給を別軸評価
- 誤答
- 異なる生産量を直接比較/工程外負荷を無条件に無視
糖・アミノ酸・ペプチド構造読解
- サイン
- 還元性/完全・部分加水分解/pH別電荷/等電点/N・C末端/断片
- 解法
- 結合部位を囲む → 還元末端と加水分解物を固定 → 各解離基の電荷を数える → 断片を重ねて配列 → 水・モル質量を検算
- 誤答
- スクロースを還元糖とする/完全加水分解だけで配列を決める/低pHほど負電荷が増えると逆転
2021 — 2026
年度別・主題の変化
平均点は難度指標の一つ。*は得点調整後。各年とも第5問は、未知題材に複数分野を接続する総合型です。 出典:大学入試センター「平均点の推移」↗
結晶・蒸気圧 / 電池・熱 / 錯体 / 油脂・ペプチド / グルコース横断
電子配置・混合気体 / 平衡・燃料電池 / ミョウバン・金属酸化 / 構造・高分子 / オゾン分解
結合・コロイド / 熱・電解・速度 / 系統分析 / 油脂 / 硫黄・酸化還元滴定・吸光
状態図 / エンタルピー・電池・滴定 / 安全・製錬 / 医薬品 / 質量分析
実在気体・逆浸透 / 発光・電池・平衡 / ヨウ素製造・NaI定量 / ビニロン / 原油・V・滴定・熱
固体溶解度・六方最密・ロケット / 熱・速度・緩衝 / 系統分離 / 糖・ペプチド / ポリイミド・エステル平衡
問題量ではなく「負荷の正体」を読む
大学入試センター自己評価の定義に統一して、設問数・解答数と、実験・計算・グラフ問題数を分離。各分類は重複する場合があります。
| 年度 | ページ数 | 設問数 | 解答数 | 実験 | 計算 | グラフ | 学習・時間戦略 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 33ページ | 19問 | 31個 | 8問 | 4問 | 8問 | 図・実験が多い。軸・単位・操作目的を先に確認し、必要な資料だけへ戻る。 |
| 2025 | 33ページ | 20問 | 30個 | 3問 | 8問 | 4問 | 長いリード文と複合設定で時間負担が増大。90秒で方針が立たなければ保存量だけ置いて進む。 |
| 2026 | 29ページ | 22問 | 33個 | 4問 | 7問 | 1問 | 見かけの図表量より、複数段階の条件処理が差を生んだ。存在粒子表・ICE表を省略しない。 |
計算は10本の一本道にする
公式を探す前に、何を共通通貨にするかを決めます。
物質量
n = m/M = N/Nₐ = cV全量をmolへ → 反応式の係数比 → 求める単位へ戻す
気体
PV = nRTK・圧力単位を統一 → 水蒸気圧補正 → 状態方程式
混合気体
M̄=ΣxᵢMᵢ=m/n=ρRT/P全成分を同じT・Pへ → 体積分率・分圧分率をモル分率へ → 加重平均
希薄溶液
ΔTb=iKbm, ΔTf=iKfm;ΠV=in₀RT式量単位の溶質mol n₀ → 溶媒kgまたは溶液体積 → ファントホッフ係数iで粒子数を反映
平衡
Kc=∏[生成物]^係数 / ∏[反応物]^係数純固体・純液体を除外 → 初期・変化・平衡の表 → 範囲内の解
熱量
q周囲=(m溶液c溶液+Ccal)ΔT;ΔrH=−q周囲/ξ溶液と熱量計が受ける熱を合計 → 反応進行量ξ → 反応系の符号へ反転
電気化学
Q = It = n(e⁻)F半反応式 → 電子mol → 電気量・物質量・質量へ換算
燃焼分析
n(C)=n(CO₂), n(H)=2n(H₂O)C・Hのmol → C,H,Oのみなら質量差でO → 最簡式 → 分子式
収率・純度
収率(%)=実収量/理論収量×100;純度(%)=純物質の質量/試料の質量×100試料質量×純度(小数)で有効成分の質量 → mol → 限界試薬 → 理論収量 → 収率(小数)で実収量
混合物・含有率
w(%) = 目的成分の質量 / 試料全質量 × 100成分molを未知数 → 総量式と測定量式を連立 → 化合物量から目的元素量へ → 全試料基準へ戻す
公式過去問で反復する4つの量変換
題材が変わっても、測定値を化学量へ戻し、同じ基準量にそろえる処理は反復します。
| 反復型 | 入口となる量 | 変換の一本道 | 境界条件・誤答防止 |
|---|---|---|---|
| 混合気体 | 質量・体積・圧力・温度/密度/成分比 | PV/RTで全mol → M̄=m/n=ΣxᵢMᵢ。密度ならM̄=ρRT/P | 体積分率=モル分率は同温・同圧の理想気体。質量分率とは別物 |
| 熱・エネルギー比較 | 熱量/反応エンタルピー/燃料質量/生成物量 | 反応進行量ξへ割り戻す → kJ/mol反応 → 問われた1 g・1 mol・1個へ換算 | 反応式を倍にすればΔHも倍。異なる基準量の値を直接比較しない |
| 折れ線・過不足 | 横軸の添加量/縦軸の生成量・残量・信号 | 端点と折点を反応式で説明 → 折点前後の限界試薬を切替 → 区間ごとに式を立てる | グラフ全体を1本の比例式にせず、折点の化学的意味を言語化 |
| 分析信号・組成 | 吸光度/ピーク強度/気体量/滴定量 | 信号→検量線・反応式→検出成分mol→化合物量→採取前の全試料→質量% | 読取値を最終答案にせず、希釈・採取率・化学式中の個数を復元 |
誤答を13の原因へ分類する
正解を写すのではなく、次に止める行動まで決めます。Mコードは途中式・選択過程と照合する処理ミス候補であり、正誤だけから原因を自動断定するものではありません。
単位の未変換
- 症状
- 式は合っているのに10³・60・273ずれる
- 原因
- mL→L、min→s、℃→K、J→kJを代入後に直そうとする
- 処方
- 数値を書き写す前に、各単位へ変換線を引く
係数比の誤用
- 症状
- 条件を確認せず質量比・液体体積比へ直結する(気体体積比は同温・同圧などでのみ物質量比と一致)
- 原因
- 化学反応式が表す比はまず物質量比であることを飛ばす
- 処方
- 全量をmolへ→係数比→指定単位へ戻す。気体体積を比べるときは温度・圧力を確認
条件の読み落とし
- 症状
- 酸性/塩基性、過剰/少量、電極材で生成物を誤る
- 原因
- 物質名だけで暗記した反応を再生する
- 処方
- 反応式の左上へ液性・温度・触媒・試薬量を書く
符号・向きの混同
- 症状
- ΔH、電子、電流、正負極を逆にする
- 原因
- 系と外界、電池と電気分解を同じ言葉で処理する
- 処方
- 誰が熱/電子を得たかを主語付きで一文にする
存在粒子の残像
- 症状
- 中和・沈殿後も反応前の粒子を残す
- 原因
- 複数操作を一つの反応式だけで処理する
- 処方
- 操作ごとに粒子一覧を消して書き直し、電荷も検算
グラフの見た目判断
- 症状
- 傾きだけで選び、軸・切片・極限と矛盾する
- 原因
- 化学量へ翻訳する前に選択肢を眺める
- 処方
- 端点→単位→折点→各区間の支配式の順で読む
傾向の過度な一般化
- 症状
- 周期表傾向や有機反応を例外なく単調とみなす
- 原因
- 語呂や矢印を適用条件なしで覚える
- 処方
- 『概ね』の傾向と、入試頻出の局所例外を二段で保存
難問への滞在
- 症状
- 第5問前に時間切れ、未着手が残る
- 原因
- 1問の完成に固執し期待得点を下げる
- 処方
- まず90秒を目安に、方針が立たなければ式・印だけ残して次へ。演習記録と得意不得意に応じて撤退時間を調整
否定・範囲・例外の誤読
- 症状
- 『区別できない』『誤っている』『すべて』『範囲』で逆の選択肢を選ぶ
- 原因
- 化学用語だけを拾い、設問の論理条件を処理前に固定していない
- 処方
- 否定語・全称・上下限を囲み、全候補を検査して反例が1つでもあるか確認
モデル・近似条件の未検算
- 症状
- 式は使えたのに極端な希釈・高圧気体・熱量測定で答えが破綻する
- 原因
- α≪1、水の自己電離、理想気体、熱損失無視などの適用条件を答えの後で確かめない
- 処方
- 計算末尾に『比・符号・範囲・単位・仮定』の5点チェックを置き、近似で捨てた量が十分小さいか数値比較
誤差方向の丸暗記
- 症状
- 『共洗い忘れは高い』『気泡は低い』と器具名だけで決める
- 原因
- 実際の濃度・mol・送液量と、器具の表示値を分けていない
- 処方
- 答案式を書き、各項へ『実際↑↓/表示↑↓』を付け、最終値まで矢印で伝える
外れ値の即時削除・盲目的平均
- 症状
- 平均から遠い値を消す、または明確な条件違反値まで全て平均する
- 原因
- 保存すべき生データと、比較に採用する解析データを同一視する
- 処方
- 全値を保存→条件記録→原因調査→基準に基づく採否→再測定を記録する
指標・環境ラベルの混同
- 症状
- 高収率=高原子効率、バイオ由来=生分解性、堆肥化可能=家庭で分解とみなす
- 原因
- 入口原料・理論反応式・実工程・指定廃棄条件を一軸化する
- 処方
- 原料/構造/分解条件/理論効率/実収率を別欄にして比較する
オリジナル共通テスト型・資料問題55セット
過去問本文・図表の転載ではなく、出題形式を研究して独自作成。まず自力で選び、開閉式の解説で条件整理から全手順まで確認できます。
熱量計自身が受け取る熱まで数える
同温度の強酸と強塩基を断熱容器内で混合した。中和で生じた熱は、溶液と熱量計だけが受け取ったものとする。
1. 溶液の密度は1.00 g/mL
2. 外界への熱損失と蒸発は無視
3. 反応したH⁺とOH⁻は各0.0500 mol
4. 反応系のΔHは受熱側の熱量と逆符号
| 測定・定数 | 値 | 単位 | 扱い |
|---|---|---|---|
| 混合後の溶液質量 m | 100.0 | g | q溶液=mcΔT |
| 溶液の比熱 c | 4.18 | J/(g·K) | 溶液全体に適用 |
| 熱量計の熱容量 Ccal | 42.0 | J/K | q熱量計=CcalΔT |
| 温度上昇 ΔT | 6.00 | K | 受熱側では正 |
反応1 mol当たりの中和エンタルピーとして最も適切なものを選べ。
A:−50.2 kJ/mol
B:−55.2 kJ/mol
C:+55.2 kJ/mol
D:−27.6 kJ/mol
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:−55.2 kJ/mol全手順解説
- 溶液が受け取る熱は100.0×4.18×6.00=2508 J。
- 熱量計が受け取る熱は42.0×6.00=252 J。熱容量の単位はJ/Kなので質量を掛けない。
- 受熱側の合計は2508+252=2760 J=2.76 kJ(有効数字3桁)。
- 反応系は同じ熱を失うため、ΔH=−2.76/0.0500=−55.2 kJ/mol。
得点化熱を受ける物体を列挙してからΣqを作る。反応系の符号は最後に反転する。
初速度表から次数と条件変更後を読む
反応A+B→生成物について、温度を一定にして初速度を測定した。速度式をv=k[A]ᵐ[B]ⁿとする。
1. 全実験で温度と溶媒体積は同じ
2. 表の濃度は混合直後の値
3. 初速度では生成物による逆反応を無視
4. kは4実験で共通
| 実験 | [A] / mol L⁻¹ | [B] / mol L⁻¹ | 初速度 / mol L⁻¹ s⁻¹ |
|---|---|---|---|
| 1 | 0.100 | 0.100 | 2.00×10⁻³ |
| 2 | 0.200 | 0.100 | 8.00×10⁻³ |
| 3 | 0.100 | 0.200 | 4.00×10⁻³ |
| 4 | 0.200 | 0.200 | 1.60×10⁻² |
速度式と、実験1から[A]を1/2倍・[B]を3倍にしたときの初速度倍率の組合せを選べ。
A:v=k[A][B]、1.50倍
B:v=k[A]²[B]、0.750倍
C:v=k[A][B]²、4.50倍
D:v=k[A]²[B]²、2.25倍
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:v=k[A]²[B]、0.750倍全手順解説
- 実験1→2では[B]一定、[A]が2倍で速度が4倍。2ᵐ=4よりm=2。
- 実験1→3では[A]一定、[B]が2倍で速度が2倍。2ⁿ=2よりn=1。
- よって速度式はv=k[A]²[B]。実験4でも2²×2=8倍となり、表の値と一致する。
- 条件変更後の倍率は(1/2)²×3=3/4=0.750。反応式の係数から次数を決めない。
得点化比較する2行は一つの濃度だけが変わる組を選び、最後に未使用行で検算する。
少量・過剰試薬を反応マトリクスにする
3種類の水溶液P、Q、Rは、それぞれAl³⁺、Cu²⁺、Fe³⁺のうち一種だけを含む。各溶液の別々の試料へ試薬を加えた。
1. 各列の実験には新しい別試料を使用
2. 試薬添加後は十分に撹拌
3. 観察を妨げる他の金属イオンは含まれない
4. NH₃水ではNH₃による錯体形成とOH⁻生成の両方を考える
| 試料 | NaOH水溶液を少量 | NaOH水溶液を過剰 | NH₃水を過剰 |
|---|---|---|---|
| P | 白色沈殿 | 無色溶液になる | 白色沈殿が残る |
| Q | 青白色沈殿 | 沈殿が残る | 深青色溶液になる |
| R | 赤褐色沈殿 | 沈殿が残る | 赤褐色沈殿が残る |
P、Q、Rに含まれるイオンの組合せとして正しいものを選べ。
A:P=Al³⁺、Q=Cu²⁺、R=Fe³⁺
B:P=Cu²⁺、Q=Fe³⁺、R=Al³⁺
C:P=Fe³⁺、Q=Al³⁺、R=Cu²⁺
D:P=Al³⁺、Q=Fe³⁺、R=Cu²⁺
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:P=Al³⁺、Q=Cu²⁺、R=Fe³⁺全手順解説
- Pは白色水酸化物が過剰OH⁻に溶ける一方、過剰NH₃には溶けない。両性のAl(OH)₃よりP=Al³⁺。
- QはCu(OH)₂の青白色沈殿を生じ、過剰NH₃で深青色の[Cu(NH₃)₄]²⁺になるためQ=Cu²⁺。
- Rの赤褐色沈殿はFe(III)の含水酸化物(FeO(OH)等;旧来の近似表記Fe(OH)₃)で、過剰OH⁻・NH₃のいずれにも溶けないためR=Fe³⁺。一定組成のFe(OH)₃として量論計算はしない。
- 三行を候補×観察の表として照合するとP=Al³⁺、Q=Cu²⁺、R=Fe³⁺だけが全結果を満たす。
得点化沈殿が生じた時点で止めず、色と過剰試薬後の溶解・錯体化まで追跡する。
官能基反応率から平均重合度を決める
二官能性単量体を等物質量用い、副反応・環化・単官能性不純物を無視できる理想的な縮合重合を考える。官能基の反応率をp、数平均重合度をXₙとする。
1. 2種類の官能基は初めに等量
2. 各結合形成で双方の官能基を1個ずつ消費
3. 末端以外の構造欠陥と環状分子を無視
4. 与えた関係Xₙ=1/(1−p)を使用可
| 反応率 p | 90.0% | 95.0% | 98.0% | 99.0% |
|---|---|---|---|---|
| 数平均重合度 Xₙ | 10 | 20 | 50 | 100 |
Xₙを50以上にするために必要な官能基反応率の最小値を選べ。
A:90.0%
B:95.0%
C:98.0%
D:99.0%
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:98.0%全手順解説
- 目標条件は1/(1−p)≧50。pは百分率でなく0〜1の小数として扱う。
- 両辺が正なので1−p≦1/50=0.0200。したがってp≧0.980。
- 表とグラフでもp=0.980のときXₙ=50と確認でき、最小値は98.0%。
- 95.0%から98.0%へのわずか3ポイントの上昇でもXₙは20から50へ増える。高重合度には非常に高い反応率が必要。
得点化縮合重合は『ほとんど反応した』だけでは高重合度にならない。1−pの小ささを見る。
中和後の存在粒子から緩衝pHへ進む
酢酸水溶液へNaOH水溶液を混合してから、さらにHCl水溶液を加えた。強酸・強塩基との反応を完了させた後に、弱酸の電離平衡を考える。
1. 体積は加算できる
2. CH₃COOHのKa=1.8×10⁻⁵
3. NaOHとHClは完全電離
4. 7.00 mmolと3.00 mmolは中和後の形式物質量とし、その後の弱酸の再電離による微小変化は無視
5. 活量係数と水の自己解離は無視
| 投入順 | 溶液 | 濃度 / mol L⁻¹ | 体積 / mL | 物質量 / mmol |
|---|---|---|---|---|
| 1 | CH₃COOH | 0.100 | 100.0 | 10.0 |
| 2 | NaOH | 0.100 | 40.0 | 4.00 |
| 3 | HCl | 0.100 | 10.0 | 1.00 |
HCl添加後のCH₃COOHとCH₃COO⁻の物質量、およびpHの組合せとして最も適切なものを選べ。
A:7.00 mmol、3.00 mmol、pH 4.38
B:5.00 mmol、5.00 mmol、pH 4.74
C:6.00 mmol、4.00 mmol、pH 4.57
D:10.0 mmol、0 mmol、pH 2.18
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:7.00 mmol、3.00 mmol、pH 4.38全手順解説
- 最初の中和ではOH⁻ 4.00 mmolがCH₃COOHを同量消費する。直後はCH₃COOH 6.00 mmol、CH₃COO⁻ 4.00 mmol。
- 次に加えたH⁺ 1.00 mmolはCH₃COO⁻+H⁺→CH₃COOHで消費される。したがって中和後の形式物質量は酸7.00 mmol、共役塩基3.00 mmol。
- 両者が共存するので緩衝液。弱酸の再電離による微小変化を無視すると、Ka≈[H⁺][CH₃COO⁻]/[CH₃COOH]より[H⁺]≈1.8×10⁻⁵×7/3=4.2×10⁻⁵ mol/L。
- pH=−log(4.2×10⁻⁵)=4.38。濃度比では共通の全体積が約分されるが、存在粒子のmol収支を先に終える。
得点化混合直後に平衡式を書かず、強く進む中和→残存粒子→共役対の有無→Kaの順を守る。
最後の分画から元のイオンへ逆算する
Ag⁺、Cu²⁺、Al³⁺、Ba²⁺を含む混合水溶液を、下表の順に分離した。沈殿A〜Dを最後の操作から逆向きにたどる。
1. 試薬は記載の選択性が得られる量を使用
2. 操作3のHClは中性付近まで少量ずつ加え、過剰にしない
3. この濃度ではBa(OH)₂は沈殿しない
4. 各沈殿は次の操作前に完全にろ別
| 操作 | ろ液へ加える試薬・処理 | 観察・分画 |
|---|---|---|
| 1 | 希HCl | 白色沈殿A。Aは希NH₃水に溶解 |
| 2 | 操作1のろ液へNaOH水溶液を過剰 | 青白色沈殿Bと無色のろ液 |
| 3 | 操作2のろ液へ希HClを中性付近まで | 白色沈殿C |
| 4 | 操作3のろ液へNa₂SO₄水溶液 | 白色沈殿D |
沈殿A、B、C、Dの組合せとして正しいものを選べ。
A:A=AgCl、B=Cu(OH)₂、C=Al(OH)₃、D=BaSO₄
B:A=AgCl、B=Al(OH)₃、C=Cu(OH)₂、D=BaSO₄
C:A=BaSO₄、B=Cu(OH)₂、C=Al(OH)₃、D=AgCl
D:A=AgCl、B=Cu(OH)₂、C=BaSO₄、D=Al(OH)₃
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:A=AgCl、B=Cu(OH)₂、C=Al(OH)₃、D=BaSO₄全手順解説
- 最後のDから逆算する。SO₄²⁻で生じる酸にも溶けにくい白色沈殿はBaSO₄なので、DはBa²⁺由来。
- 操作3では過剰OH⁻中の[Al(OH)₄]⁻を中性付近へ戻すとAl(OH)₃が再沈殿する。よってC=Al(OH)₃。酸を過剰にすると再溶解する点に注意。
- 操作2で過剰OH⁻にも溶けず残る青白色沈殿はCu(OH)₂。Al(OH)₃は両性なのでろ液側へ移る。
- 操作1の白色沈殿が希NH₃水へ溶けることからA=AgCl。A〜Dを全て戻すと元の4イオンと一致する。
得点化操作順を丸暗記せず、各分画で『沈殿側/ろ液側のどちらへ移ったか』を最後から戻す。
限界イオンを反応させてからKspへつなぐ
AgNO₃水溶液とNaCl水溶液を混合してAgClを沈殿させ、25℃で十分に平衡へ達した。まず沈殿反応の過不足を処理し、その後に溶解平衡を考える。
1. 混合後の体積は200.0 mL
2. AgClのKsp=1.8×10⁻¹⁰
3. 活量係数は1とみなす
4. AgCl固体は平衡時にも残る
| 溶液・定数 | 濃度 | 体積 | 混合前の物質量 |
|---|---|---|---|
| AgNO₃水溶液 | 1.00×10⁻³ mol/L | 100.0 mL | 1.00×10⁻⁴ mol Ag⁺ |
| NaCl水溶液 | 2.00×10⁻³ mol/L | 100.0 mL | 2.00×10⁻⁴ mol Cl⁻ |
| Ksp(AgCl) | 1.8×10⁻¹⁰ | 25℃ | [Ag⁺][Cl⁻] |
平衡時の[Ag⁺]として最も適切なものを選べ。溶解による[Cl⁻]の増加は、残存Cl⁻濃度に比べて無視できる。
A:0 mol/L
B:1.8×10⁻¹⁰ mol/L
C:3.6×10⁻⁷ mol/L
D:5.0×10⁻⁴ mol/L
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:3.6×10⁻⁷ mol/L全手順解説
- Ag⁺+Cl⁻→AgCl(s)は1:1。Ag⁺ 1.00×10⁻⁴ molが限界で、Cl⁻は1.00×10⁻⁴ mol余る。
- 残存Cl⁻濃度は1.00×10⁻⁴/0.2000=5.00×10⁻⁴ mol/L。沈殿したからCl⁻も0とはしない。
- 固体AgClが残るのでKsp=[Ag⁺][Cl⁻]を適用。[Ag⁺]=1.8×10⁻¹⁰/(5.00×10⁻⁴)=3.6×10⁻⁷ mol/L。
- 得た3.6×10⁻⁷は5.00×10⁻⁴より十分小さく、溶解によるCl⁻増加を無視した近似と整合する。Ag⁺は完全に0にはならない。
得点化『ほぼ完全に進む反応』で過不足を処理した後、残った固体と溶液の平衡を別段階で立てる。
検出反応から構造を決め、物性まで予測する
分子式C₄H₈Oの化合物Xへ検出・還元反応を行った。Xの構造を確定し、生成物Yの立体構造と分子間力へつなぐ。
1. Xは単一の純物質
2. 2,4-DNPH反応はカルボニル化合物の検出
3. 銀鏡反応はこの条件で脂肪族アルデヒドに陽性
4. H₂/NiではC=Oが還元されアルコールになる
| 情報・操作 | 結果 |
|---|---|
| 分子式 | C₄H₈O(不飽和度1) |
| 2,4-DNPH反応 | 橙色沈殿を生じる |
| 銀鏡反応 | 陰性 |
| H₂/Niで還元 | アルコールYを生じる |
| YにI₂/NaOH | 黄色沈殿を生じる |
X、Yと物性・立体構造の組合せとして正しいものを選べ。
A:X=ブタナール、Y=1-ブタノール、Yは鏡像異性体をもつ
B:X=2-ブタノン、Y=2-ブタノール、沸点は概ねブタン<X<YでYは鏡像異性体をもつ
C:X=3-ブテン-1-オール、Y=1,2-ブタンジオール、Xが銀鏡反応を示す
D:X=テトラヒドロフラン、Y=1-ブタノール、Xは2,4-DNPH反応を示す
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:X=2-ブタノン、Y=2-ブタノール、沸点は概ねブタン<X<YでYは鏡像異性体をもつ全手順解説
- C₄H₈Oの不飽和度は(2×4+2−8)/2=1。2,4-DNPH陽性なので、その1はC=Oを含む候補へ絞れる。
- 銀鏡反応が陰性なのでアルデヒドを除き、分子式を満たす鎖状ケトンXは2-ブタノンCH₃COCH₂CH₃。
- C=Oの還元でY=2-ブタノールCH₃CH(OH)CH₂CH₃。CH₃CH(OH)−部分をもつためヨードホルム反応とも一致する。
- Yの2位炭素はH、OH、CH₃、C₂H₅の4種を結び鏡像異性体をもつ。分散力中心のブタン、双極子をもつX、水素結合するYの順に沸点が概ね高くなる。
得点化構造決定で止めず、官能基→分子間力→沸点・水溶性、置換基4種→光学異性まで一続きに説明する。
機能単位をそろえて材料2案を比較する
同じ性能の製品1.00 kgを製造するA(バージン材)とB(再生材)について、指定された境界内の温室効果ガス排出量を比較する。
1. 機能単位は完成製品1.00 kg
2. 表にない工程の排出量は両案で等しく比較から除外
3. Aの製造残さ処理は材料由来原単位2.00 kg-CO₂e/kg投入に含まれ、別加算しない
4. 電力の排出係数は0.400 kg-CO₂e/kWh
5. Bの未回収残さは全量を処分
| 項目 | 案A:バージン材 | 案B:再生材 | 排出原単位・扱い |
|---|---|---|---|
| 製品収率 | 80.0% | 70.0% | 必要投入量=1.00/収率 |
| 材料由来 | 原料2.00 kg-CO₂e/kg投入 | 回収・前処理0.300 kg-CO₂e/kg回収物 | 実投入量を掛ける |
| 製造電力 | 4.00 kWh/kg製品 | 2.50 kWh/kg製品 | 完成製品1.00 kg基準 |
| 残さ処分 | 材料原単位に含む(別加算0) | 0.200 kg-CO₂e/kg残さ | Bの投入量−製品量 |
指定境界内で、案Bは案Aより排出量を何%削減するか。最も近い値を選べ。
A:36.9%
B:52.4%
C:63.1%
D:73.0%
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:63.1%全手順解説
- Aは投入量1.00/0.800=1.25 kg。材料由来1.25×2.00=2.50、電力4.00×0.400=1.60より合計4.10 kg-CO₂e。
- Bは回収物1.00/0.700=1.4286 kg。回収・前処理1.4286×0.300=0.4286 kg-CO₂e。
- Bの電力は2.50×0.400=1.00、残さは1.4286−1.00=0.4286 kgなので処分0.4286×0.200=0.0857。合計1.5143 kg-CO₂e。
- 削減率=(4.10−1.5143)/4.10×100=63.1%。機能単位とシステム境界をそろえた比較だけが有効。
得点化『再生材だから低負荷』と先に決めず、同じ製品量へ換算して収率・電力・残さを同じ境界で足す。
Ahを電子molへ直して鉛蓄電池を追う
定格容量5.00 Ahの鉛蓄電池1セルを、定格容量の80.0%に相当する電気量だけ放電した。放電の総括反応を用いて、この1セル内の硫酸消費量を求める。
1. 1 Ah=3600 C
2. F=9.65×10⁴ C/mol
3. H₂SO₄のモル質量98.0 g/mol
4. 副反応と自己放電は無視
| 項目 | 値・反応 | 使い方 |
|---|---|---|
| 定格容量 | 5.00 Ah | 実放電量は80.0% |
| 放電総括反応 | Pb+PbO₂+2H₂SO₄→2PbSO₄+2H₂O | 反応1回当たり2 mol e⁻移動 |
| ファラデー定数 | 9.65×10⁴ C/mol | Q/Fで電子mol |
この放電で消費されるH₂SO₄の質量として最も近いものを選べ。
A:7.31 g
B:14.6 g
C:29.2 g
D:49.0 g
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:14.6 g全手順解説
- 実際の電気量は5.00×0.800×3600=1.44×10⁴ C。AhをそのままCとして使わない。
- 電子の物質量は1.44×10⁴/(9.65×10⁴)=0.149 mol。
- 総括反応1回で2 mol e⁻が移動しH₂SO₄を2 mol消費するため、電子molとH₂SO₄ molは1:1。H₂SO₄は0.149 mol。
- 質量は0.149×98.0=14.6 g。正負極の物質変化を足し合わせた総括反応でも電子当量を保つ。
得点化電池容量はAh→C→e⁻mol→総括反応の係数比、の順に必ず共通通貨へ直す。
気体測定から混合物中の元素質量%へ戻す
MgCO₃とCaCO₃だけからなる10.00 gの粉末へ過剰の塩酸を加え、発生した乾燥CO₂を測定した。気体の物質量から2成分を分け、粉末全体に占めるMg元素の質量百分率を求める。
1. 乾燥CO₂は25.0℃、1.00×10⁵ Paで2.65 L
2. R=8.31×10³ Pa·L·K⁻¹·mol⁻¹
3. M(MgCO₃)=84.3、M(CaCO₃)=100.1、M(Mg)=24.3 g/mol
4. MCO₃+2HCl→MCl₂+H₂O+CO₂(M=MgまたはCa)
5. 炭酸塩はすべて反応し、気体の損失はない
| 量 | MgCO₃ | CaCO₃ | 混合物・測定値 |
|---|---|---|---|
| 成分の物質量 | x mol | y mol | x+y=n(CO₂) |
| 成分質量 | 84.3x g | 100.1y g | 84.3x+100.1y=10.00 g |
| 目的元素Mg | 24.3x g | 0 g | 24.3x/10.00×100 wt% |
粉末全体に占めるMg元素の質量百分率として最も近いものを選べ。
A:3.80%
B:10.9%
C:38.0%
D:62.0%
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:10.9%全手順解説
- 温度を298 Kへ直し、n(CO₂)=PV/(RT)=1.00×10⁵×2.65/{8.31×10³×298}=0.107 mol。両炭酸塩とも1 molからCO₂を1 mol生じるのでx+y=0.107。
- 総質量から84.3x+100.1y=10.00。y=0.107−xを代入するとx=0.0451 mol、y=0.0620 mol。両方とも0以上であり測定条件と整合する。
- MgCO₃の質量は84.3×0.0451=3.80 gだが、問われているのはMgCO₃ではなくMg元素。Mgは24.3×0.0451=1.095 g。
- Mg元素の質量百分率は1.095/10.00×100=10.9%。化合物の成分比と試料全体の含有率を二段階に分ける。
得点化『測定量→各成分mol→各成分質量→目的元素質量→試料全体の%』の単位鎖を切らない。
観察結果を二つの不等式へ翻訳する
濃度c mol/Lの塩酸を10.00 mLずつ取り、物質量の異なるMgへ加えた。『全て溶けた』『固体が残った』という観察だけから、cの取り得る範囲を求める。
1. 各実験には新しい塩酸10.00 mLを使用
2. Mg表面の酸化被膜は除かれ、Mg以外は反応しない
3. Mg+2HCl→MgCl₂+H₂
4. 反応を完了させ、Mgのわずかな残存も観察できる
5. 測定量の不確かさは無視
| 実験 | 加えたMg | 反応後の観察 | n(HCl)への条件 |
|---|---|---|---|
| A | 0.750 mmol | Mgは全て溶けた | n(HCl)≧1.50 mmol |
| B | 1.00 mmol | Mgが残った | n(HCl)<2.00 mmol |
塩酸の濃度cの範囲として最も適切なものを選べ。
A:0.0750≦c<0.100 mol/L
B:0.150≦c<0.200 mol/L
C:0.150<c≦0.200 mol/L
D:c=0.175 mol/L
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:0.150≦c<0.200 mol/L全手順解説
- Mg 0.750 mmolを全て溶かすには、係数比1:2よりHClが1.50 mmol以上必要。ちょうど1.50 mmolでもMgは残らないので、等号を含めてn(HCl)≧1.50 mmol。
- Mg 1.00 mmolを全て溶かすにはHClが2.00 mmol必要。Mgが残ったので不足しており、n(HCl)<2.00 mmol。こちらは等号を含めない。
- 二つを同時に満たす範囲は1.50 mmol≦n(HCl)<2.00 mmol。
- 塩酸は10.00 mL=0.01000 Lなので、n=cVから0.150≦c<0.200 mol/L。中点0.175に一意決定する情報はない。
得点化観察語を先に論理記号へ直す。全消費は『必要量以上』、固体残存は『必要量未満』で、境界の等号を観察の意味から決める。
『区別できない』を候補対の反例で証明する
ラベルのない無色水溶液XはNaCl、Na₂CO₃、Na₂SO₄のいずれかである。どの候補にも同じ操作を行い、Xを一意に特定できるかを検討する。
1. 必要なら新しい別試料を使う
2. 希HClを加えるとCO₃²⁻からCO₂が発生
3. Ba²⁺はCO₃²⁻とSO₄²⁻のどちらとも白色沈殿を生じる
4. BaCO₃は希HClで気体を発して溶けるがBaSO₄は溶けない
5. 試薬自身の色は観察を妨げない
| 候補 | 希HClだけ | BaCl₂水溶液だけ | BaCl₂後、沈殿へ希HCl |
|---|---|---|---|
| NaCl | 変化なし | 変化なし | 沈殿なし |
| Na₂CO₃ | CO₂発生 | 白色BaCO₃ | 気体を発して溶解 |
| Na₂SO₄ | 変化なし | 白色BaSO₄ | 溶けずに残る |
三つの候補を一意に区別できない操作を選べ。操作中の全観察を記録するものとする。
A:BaCl₂水溶液だけを加える
B:BaCl₂水溶液を加え、沈殿が出た場合はさらに希HClを加える
C:希HClを加えて観察後、同じ試料へBaCl₂水溶液を加える
D:二つの新しい試料を用い、一方へ希HCl、他方へBaCl₂水溶液を加える
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:BaCl₂水溶液だけを加える全手順解説
- BaCl₂だけではNaClは変化なしだが、Na₂CO₃とNa₂SO₄はいずれも白色沈殿となる。異なる候補2個が同じ観察なので一意に区別できない。
- BaCl₂後に希HClを加えれば、BaCO₃は気体を発して溶け、BaSO₄は残るため三候補を区別できる。
- 希HClを先に加える操作でも、Na₂CO₃だけが発泡し、その後BaCl₂でNa₂SO₄だけが沈殿する。NaClはどちらも変化なし。
- 別試料を使う場合の観察対はNaCl=(変化なし,変化なし)、Na₂CO₃=(発泡,白沈)、Na₂SO₄=(変化なし,白沈)で全て異なる。
得点化識別できるかは『陽性があるか』ではなく、全候補の観察ベクトルが互いに異なるかで判定する。区別不能は同じ結果をもつ候補対を一組示せば証明できる。
当量点の塩をKbへ翻訳してpHを出す
酢酸をNaOHでちょうど当量まで中和した後と同じ組成のCH₃COONa水溶液を考える。残っている酢酸イオンの加水分解からpHを求める。
1. 25℃
2. CH₃COONaの濃度C=0.100 mol/L
3. Ka(CH₃COOH)=1.8×10⁻⁵
4. Kw=1.0×10⁻¹⁴
5. 活量係数と水の自己電離の寄与は近似計算では無視し、最後に妥当性を確認
| 段階 | 関係式・値 | 意味 |
|---|---|---|
| 共役関係 | Kb(CH₃COO⁻)=Kw/Ka | 弱酸の共役塩基 |
| 加水分解 | CH₃COO⁻+H₂O⇄CH₃COOH+OH⁻ | x=[OH⁻]と置く |
| 希薄近似 | Kb≈x²/C | 計算後にx/C≪1を検査 |
この水溶液のpHとして最も近いものを選べ。
A:5.13
B:7.00
C:8.87
D:12.87
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:8.87全手順解説
- Kb=Kw/Ka=1.0×10⁻¹⁴/(1.8×10⁻⁵)=5.56×10⁻¹⁰。塩濃度をそのまま[OH⁻]にはしない。
- 加水分解量をxとするとKb=x²/(0.100−x)。x≪0.100ならx≈√(5.56×10⁻¹⁰×0.100)=7.46×10⁻⁶ mol/L。
- pOH=−log(7.46×10⁻⁶)=5.13、したがってpH=14.00−5.13=8.87。
- x/C=7.46×10⁻⁵≪1で近似は妥当。[OH⁻]は10⁻⁷ mol/Lより十分大きく、水の自己電離無視とも整合する。
得点化弱酸滴定の当量点は『酸と塩基が等量』でも中性とは限らない。中和後の主粒子を共役塩基のKbへつなぐ。
圧縮と不活性気体をQpで判別する
温度一定でN₂(g)+3H₂(g)⇄2NH₃(g)が平衡にある。同じ初期平衡状態から独立に三つの操作を行い、操作直後のQpとKpを比較する。
1. 全気体を理想気体とみなす
2. 各操作の直後はまだ反応が進んでいない
3. 操作A〜Cは互いに独立
4. 温度一定なのでKpは変化しない
5. 操作Cでは不活性気体添加後も全圧を一定に保つ
| 操作 | 反応成分の分圧 | Qpの変化 | 予想される移動 |
|---|---|---|---|
| A:容器体積を1/2 | 全て2倍 | 2²/2⁴=1/4倍 | 未記入 |
| B:体積一定でAr添加 | 全て不変 | 不変 | 未記入 |
| C:全圧一定でAr添加 | 全てs倍(0<s<1) | s²/s⁴=s⁻²倍 | 未記入 |
A、B、C後の平衡移動の組合せとして正しいものを選べ。
A:A:右、B:移動なし、C:左
B:A:左、B:右、C:移動なし
C:A:右、B:左、C:右
D:A:移動なし、B:左、C:右
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:A:右、B:移動なし、C:左全手順解説
- Qp=p(NH₃)²/{p(N₂)p(H₂)³}。初めはQp=Kp。
- Aでは全反応成分の分圧が2倍なのでQp'=Qp/4<Kp。Qpを増やす右向きへ進む。
- Bでは反応成分の物質量・体積・温度が変わらず各分圧も不変。Qp'=Kpで移動しない。全圧上昇だけでは判定しない。
- Cでは体積が増え、各反応成分の分圧が共通にs倍(s<1)。Qp'=s⁻²Qp>Kpなので、気体molの多い左へ進む。
得点化不活性気体は条件次第。『全圧』ではなくKp式へ入る反応成分の分圧を操作直後に更新する。
同じ電気量を二つの電解槽へ通す
電解槽A(CuSO₄水溶液・Pt電極)と電解槽B(AgNO₃水溶液・Pt電極)を直列につなぎ、1.50 Aを1930 s流した。各槽の陰極生成物とAの陽極生成物を電子molで追う。
1. F=9.65×10⁴ C/mol
2. Aの陰極では電気量の80.0%がCu析出、残り20.0%がH₂発生に使われる
3. Aの陽極は全電気量でO₂発生、Bの陰極は100% Ag析出
4. Cu²⁺・Ag⁺・水は十分量
5. M(Cu)=63.5、M(Ag)=107.9 g/mol
6. 隔膜により生成物の二次反応は起こらない
| 場所 | 半反応式 | 使うe⁻mol |
|---|---|---|
| A陰極:Cu | Cu²⁺+2e⁻→Cu | 全e⁻の0.800倍 |
| A陰極:H₂ | 2H₂O+2e⁻→H₂+2OH⁻ | 全e⁻の0.200倍 |
| A陽極:O₂ | 2H₂O→O₂+4H⁺+4e⁻ | 全e⁻ |
| B陰極:Ag | Ag⁺+e⁻→Ag | 全e⁻ |
AのCu析出質量、AのH₂物質量、AのO₂物質量、BのAg析出質量の正しい組合せを選べ。
A:0.762 g、0.00300 mol、0.00750 mol、3.24 g
B:0.953 g、0.00600 mol、0.00375 mol、1.62 g
C:0.762 g、0.00600 mol、0.0150 mol、3.24 g
D:1.52 g、0.00300 mol、0.00750 mol、6.47 g
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:0.762 g、0.00300 mol、0.00750 mol、3.24 g全手順解説
- Q=It=1.50×1930=2895 C、全電子量は2895/(9.65×10⁴)=0.0300 mol。直列なのでBにも同じ0.0300 mol e⁻が通る。
- AのCu析出に使う電子は0.0300×0.800=0.0240 mol。Cu=0.0240/2=0.0120 mol、質量0.0120×63.5=0.762 g。
- Aの残り電子0.00600 molからH₂=0.00600/2=0.00300 mol。陽極は全電子量を使うのでO₂=0.0300/4=0.00750 mol。
- BではAg⁺:e⁻=1:1なのでAg=0.0300 mol、質量0.0300×107.9=3.24 g。電流効率を陽極や別槽へ誤って重ねない。
得点化直列槽は電気量を分けない。各槽で同じe⁻molを出発点にし、電流効率は指定された目的反応へだけ適用する。
吸熱反応の自発性をJ→kJで判定する
ある反応について、一定温度・圧力での自発性を表す式ΔG=ΔH−TΔSが資料として与えられた。高校化学の定性的理解を、与式による数値判定へ移す。
1. ΔH=+50.0 kJ/mol
2. ΔS=+2.00×10² J/(mol·K)
3. T=298 K
4. ΔG<0なら与えた条件で自発的
5. ΔH・ΔSは扱う温度範囲で一定とみなす
| 量 | 値 | 計算前の処理 |
|---|---|---|
| ΔH | +50.0 kJ/mol | そのまま |
| ΔS | +2.00×10² J/(mol·K) | +0.200 kJ/(mol·K)へ |
| 温度T | 298 K | ℃へ戻さない |
ΔG=0となる境界温度と、298 Kでの自発性の組合せとして正しいものを選べ。
A:250 K、ΔG=−9.6 kJ/molで自発的
B:250 K、ΔG=+9.6 kJ/molで非自発的
C:2.50×10⁵ K、ΔG=−5.95×10⁴ kJ/molで自発的
D:境界温度はなく、吸熱反応なので全温度で非自発的
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:250 K、ΔG=−9.6 kJ/molで自発的全手順解説
- ΔS=2.00×10² J/(mol·K)=0.200 kJ/(mol·K)。ΔHと同じkJ基準へそろえる。
- 境界は0=50.0−T×0.200よりT=250 K。ΔH>0、ΔS>0なので高温側で−TΔSが優勢になる。
- 298 KではΔG=50.0−298×0.200=−9.6 kJ/mol。ΔG<0なので、与えた条件では自発的。
- 自発的は『熱力学的に進み得る』という意味で、速いことを保証しない。速度には活性化エネルギーが関係する。
得点化吸熱反応でもエントロピー増大により進み得る。資料でΔG式が与えられたら、K・J→kJ・符号・速度との区別を一組で検算する。
分岐・架橋データから鎖運動を推論する
A・Bの平均分子量と、Cの架橋前の主鎖(前駆体)の平均分子量が同程度である三つの高分子試料について、鎖構造と物性を比較した。物質名の暗記でなく、鎖の詰まり方と滑りやすさから説明する。
1. A・Bはポリエチレンで架橋なし
2. Cは柔軟な主鎖を少量架橋したゴム状材料で、比較する分子量は架橋前の主鎖(前駆体)の値
3. 密度・加熱挙動は同じ測定条件
4. 添加剤の影響は無視
| 試料 | 鎖構造 | 密度 / g cm⁻³ | 加熱・力学的挙動 |
|---|---|---|---|
| A | 長鎖分岐が多い・架橋なし | 0.92 | 加熱で軟化・流動、柔軟 |
| B | 分岐が少ない・架橋なし | 0.96 | 加熱で軟化・流動、Aより剛い |
| C | 少量の共有結合架橋 | 0.93 | 加熱しても流動しにくく、変形後に復元 |
表から導ける構造–物性の説明として最も適切なものを選べ。
A:BはAより鎖が詰まりやすく密度・剛性が高い。Cでは架橋が鎖全体の滑りを抑える
B:Aは分岐が多いほど結晶化しやすいためBより高密度である
C:AとBは加熱で軟化するため三次元網目をもつ熱硬化性樹脂である
D:Cの架橋は鎖を滑りやすくし、熱可塑性の流動を高める
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:BはAより鎖が詰まりやすく密度・剛性が高い。Cでは架橋が鎖全体の滑りを抑える全手順解説
- AとBは化学組成と平均分子量が近く、主な差は分岐。分岐が少ないBは鎖が規則的に接近しやすい。
- 表でもBの密度0.96>Aの0.92 g/cm³、かつBがより剛い。数値証拠と鎖の充塡という理由が一致する。
- Cは鎖間の共有結合架橋が長距離の滑りを妨げるため、加熱しても流動しにくく、変形後の復元力を示す。
- 一つの傾向を全高分子へ一般化せず、極性・配向・分子量・添加剤などの条件も別に確認する。
得点化材料問題は『結論→表の数値・観察→鎖構造の理由』で記述する。用途名から逆算するだけで終えない。
絵表示からSDSと分別判断へ進む
学校実験で用いる候補試薬P〜Rについて、ラベルとSDSの要点を簡略化した資料が示された。具体的処置はSDSと指導者の指示に従うものとする。
1. Pはエタノール
2. Qは塩酸
3. Rは過マンガン酸カリウム
4. 表示は危険有害性の種類を示し、曝露量まで含む全リスクを直接表すものではない
5. 生徒は自己判断で廃液を混合・中和しない
| 試薬 | 主な絵表示・危険 | SDSで確認する要点 |
|---|---|---|
| P | 炎:引火性 | 着火源、換気、強酸化剤との隔離 |
| Q | 腐食性 | 保護具、応急措置、次亜塩素酸塩・硫化物等との混触回避 |
| R | 円上の炎:酸化性/枯れ木と魚:水生環境有害性 | 有機物・還元剤との隔離、指定回収 |
資料に基づく実験前・廃棄時の判断として最も適切なものを選べ。
A:PとRはどちらも実験試薬なので隣接保管し、廃液も同じ容器へ入れる
B:Qは酸なので、残った次亜塩素酸塩と混ぜれば安全に中和できる
C:SDSを事前確認し、RをPから隔離し、廃液は表示・指示どおり分別する。異常時は操作を止め報告する
D:どくろ表示がない試薬は、直接においを嗅いで同定してよい
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:SDSを事前確認し、RをPから隔離し、廃液は表示・指示どおり分別する。異常時は操作を止め報告する全手順解説
- Pは引火性、Rは酸化性があり、酸化剤と可燃性有機物を近接・混合しない。ラベル後にSDSの保管・反応性を読む。
- 酸と次亜塩素酸塩・硫化物などの混合は有毒気体を生じ得るため、自己判断の中和は不適切。
- 絵表示がない、またはどくろでないことは安全の保証ではない。濃度・量・曝露経路と危険有害性情報を確認する。
- 廃棄も化学反応の一場面。物質群別に指定回収し、こぼれ・曝露・破損時は操作を止めて指導者へ報告する。
得点化GHS絵表示→危険有害性情報→SDSの応急措置・取扱い・反応性・廃棄→学校の指示、の順に安全判断する。
表示体積と実際のmolを分けて誤差を追う
未知の一価酸10.00 mLをホールピペットで採取し、0.1000 mol/L NaOH水溶液で滴定してc酸=cNaOHVNaOH/V酸から濃度を求める。次の操作A〜Dは互いに独立とする。
1. 真の酸濃度は0.1000 mol/L
2. 正常時のNaOH滴下量は10.00 mL
3. 体積変化以外の副反応はない
4. 各操作後も公称値0.1000 mol/Lと採取量10.00 mLを式へ用いる
5. 指示薬誤差と終点–当量点差は、過滴下を扱う操作B以外では無視
6. 操作Dは問題の仮定として、採取した酸の物質量が正常時の95.0%
| 操作 | 実際または表示上の変化 | 式へ入る滴定量 | 算出値 |
|---|---|---|---|
| A:ビュレット先端に0.40 mLの気泡 | 滴下中に気泡が消え、0.40 mLは先端充填 | 10.40 mL | 未記入 |
| B:終点を0.20 mL過滴下 | NaOHを余分に加える | 10.20 mL | 未記入 |
| C:三角フラスコへ蒸留水20 mL | 酸のmolは不変 | 10.00 mL | 未記入 |
| D:ピペット内の水で採取酸量が正常時の95.0% | 問題の仮定として酸のmolが5.0%減る | 9.50 mL | 未記入 |
A、B、C、Dで求める酸濃度のずれの組合せとして正しいものを選べ。
A:A:過大、B:過大、C:影響なし、D:過小
B:A:過小、B:過大、C:過小、D:影響なし
C:A:過大、B:過小、C:過大、D:過小
D:A:影響なし、B:過大、C:過小、D:過大
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:A:過大、B:過大、C:影響なし、D:過小全手順解説
- Aは表示差10.40 mLのうち0.40 mLが先端を満たし、フラスコへ届いたのは当量分10.00 mL。表示値で計算すると0.1000×10.40/10.00=0.1040 mol/Lで過大。
- Bは過滴下した表示値を使うため0.1000×10.20/10.00=0.1020 mol/Lで過大。終点と当量点の差を体積へ翻訳する。
- Cは酸のmolが変わらず、当量に必要なNaOHも10.00 mLのまま。フラスコ内の濃度は下がっても算出する元試料濃度へは影響しない。
- Dは採取した酸のmolが正常時の95.0%となり、NaOHは9.50 mLで当量。計算値は0.0950 mol/Lで過小。操作名でなく計算式の各量を追う。
得点化誤差問題は『操作→実際のmol・送液量→器具の表示→答案式→高低』の5段階で判定する。
液面差と水蒸気圧を二段で補正する
水上置換で集めた気体を、集気管内の水面が外側より2.00 cm高い状態で読んだ。湿った気体の内圧を液面差で求め、その後に水蒸気圧を引く。
1. 温度27.0℃=300 K
2. 気体体積0.300 L
3. 大気圧100.0 kPa
4. 27.0℃の水蒸気圧3.50 kPa
5. 水の密度1.00×10³ kg/m³、g=9.80 m/s²
6. R=8.30 kPa·L/(mol·K)
7. 生成気体は27.0℃の水と十分接触して水蒸気で飽和し、水との反応・溶解は無視
| 量 | 関係 | 値 | 符号の理由 |
|---|---|---|---|
| 液柱差 | ρgh | 0.196 kPa | 2.00 cm=0.0200 m |
| 湿潤気体全圧 | P外−ρgh | 99.8 kPa | 内側水面が高いので内圧が低い |
| 乾燥気体分圧 | P湿潤−P水蒸気 | 96.3 kPa | 飽和水蒸気分を除く |
乾燥気体の物質量と、液面差・水蒸気圧の両補正を無視した場合のずれとして正しいものを選べ。
A:1.16×10⁻² mol、無補正値は過小
B:1.16×10⁻² mol、無補正値は過大
C:1.20×10⁻² mol、無補正値は正しい
D:3.87×10⁻² mol、無補正値は過大
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:1.16×10⁻² mol、無補正値は過大全手順解説
- 液柱圧は1.00×10³×9.80×0.0200=196 Pa=0.196 kPa。内側の液面が高いのは、外気が内側より強く押しているためP湿潤=100.0−0.196=99.8 kPa(適切な桁へ丸める)。
- 集めた気体は目的気体と飽和水蒸気の混合物。未丸めではP目的=99.804−3.50=96.304 kPa、適切な桁では96.3 kPa。水蒸気圧は足さない。
- n=PV/(RT)=96.3×0.300/(8.30×300)=1.16×10⁻² mol。単位はkPa・LでRとそろっている。
- 両補正を無視すると100.0×0.300/(8.30×300)=1.20×10⁻² molで過大。終了時は冷却・溶解による内圧低下と逆流を装置ごとに予測する。
得点化水上捕集は『液面差で湿潤全圧→水蒸気圧を引く→Kへ直してPV=nRT』の順。
外れ値を消さず、条件違反を根拠に再測定する
濃度だけを変え、一定量の生成物が生じるまでの時間を25.0℃で反復測定した。実験ノートには0.200 mol/Lの3回目だけ開始時18.0℃と記録されていた。
1. 判定に要する生成物量は反応物の初期量に比べ十分小さく、測定区間の濃度変化は無視できる
2. この初速度近似の下で1/tを初速度に比例する指標とする
3. 温度以外の器具・全体積・判定方法は同じ
4. 温度上昇でこの反応は速くなる
5. 生データは全て保存する
| 濃度 / mol L⁻¹ | 測定時間 / s | 条件記録 | 25.0℃での再測定 |
|---|---|---|---|
| 0.0500 | 100.1, 99.9, 100.0 | 全て25.0℃ | 不要 |
| 0.100 | 50.2, 49.8, 50.0 | 全て25.0℃ | 不要 |
| 0.200 | 25.1, 24.9, 39.8 | 39.8 sだけ開始時18.0℃ | 25.0 s |
データ処理と濃度次数について最も適切な記述を選べ。
A:39.8 sは平均から遠いので記録から削除し、濃度について2次とする
B:39.8 sを無条件に平均し、0.200 mol/Lの代表値を29.93 sとする
C:39.8 sは生データに残し、温度統制違反を理由に25℃比較から除外して再測定する。有効平均100.0, 50.0, 25.0 sより濃度について1次
D:全ての値を残す必要があるので、条件違反が判明しても再測定してはならない
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:39.8 sは生データに残し、温度統制違反を理由に25℃比較から除外して再測定する。有効平均100.0, 50.0, 25.0 sより濃度について1次全手順解説
- 39.8 sを記録から消してはいけない。条件欄とともに生データとして保持し、解析対象から外す根拠を『開始温度18.0℃で統制条件を満たさない』と記録する。
- 25.0℃で再測定した25.0 sを加えると、有効な平均時間は濃度順に100.0、50.0、25.0 s。
- 測定区間の濃度変化を無視できる条件で、初速度に比例する指標1/tは濃度が2倍になるごとに2倍。したがってv₀∝[A]¹で濃度について1次。
- 異なる温度の39.8 sを含めて29.9 sとするのは、別条件を同じ母集団として平均する処理。反対に、仮説に合わないだけで外すこともできない。
得点化全値を保存しつつ、比較条件・採否理由・再測定を分けて記録することが再現可能な探究。
酸塩基抽出から回収率まで一工程で追う
安息香酸1.22 gとナフタレン1.28 gをジエチルエーテルへ溶かし、NaHCO₃水溶液で分離した。操作は学校・実験室で指導者管理下に行い、着火源を排除した換気設備下で扱う資料問題とする。
1. M(安息香酸)=122 g/mol
2. NaHCO₃は0.200 mol/Lを60.0 mL使用
3. 抽出後の有機層密度0.80 g/mL、水層密度1.02 g/mL
4. 安息香酸+HCO₃⁻→安息香酸イオン+CO₂+H₂O
5. 酸性化・乾燥後の安息香酸回収量1.10 g
6. ジエチルエーテルは引火性・揮発性が高い。分液漏斗の活栓を人へ向けず、指示された方法で放圧する
| 段階 | 主に有機層 | 主に水層 | 操作目的・注意 |
|---|---|---|---|
| NaHCO₃抽出後 | ナフタレン | 安息香酸イオンと過剰HCO₃⁻ | CO₂発生を想定し、活栓を人へ向けず指示どおり放圧 |
| 層の位置 | 上層 | 下層 | 与えられた密度で判定 |
| 水層を酸性化 | — | 安息香酸が再生・析出 | 別容器で酸を徐々に加え、残存HCO₃⁻由来のCO₂発生へ注意。冷却→ろ過→指定された少量の冷水で洗浄→乾燥 |
分離原理と安息香酸の回収率について正しい記述を選べ。
A:上層にナフタレン、下層に安息香酸イオン。水層を酸性化して安息香酸を再生し、回収率は90.2%
B:安息香酸は中性分子のまま上層へ残り、回収率は110%
C:有機層は常に下層で、乾燥剤に水層全体を吸収させる。回収率は47.6%
D:回収率が90.2%なら、回収固体の純度も必ず90.2%
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:上層にナフタレン、下層に安息香酸イオン。水層を酸性化して安息香酸を再生し、回収率は90.2%全手順解説
- 安息香酸は1.22/122=0.0100 mol、HCO₃⁻は0.200×0.0600=0.0120 molで十分。安息香酸はイオン化して水層へ移る。
- 資料で与えた抽出後の相密度は有機層0.80<水層1.02 g/mLなので有機層が上。純溶媒名の印象でなく、実際の相密度から決める。
- 水層を適切な別容器へ移し、酸を徐々に加える。安息香酸イオンが中性の安息香酸となって析出し、過剰HCO₃⁻からもCO₂が生じる。冷却・ろ過・指定された少量の冷水による洗浄・乾燥へ進む。
- 回収率=1.10/1.22×100=90.2%。回収率は量の指標で、融点・分析値などによる純度評価とは別。
得点化有機実験は『構造と酸性度→層間移動→再生→精製→回収率と純度を別評価』で読む。
入口原料と出口機能を2軸で分類する
材料A〜Cの原料由来・分解条件・回収系が資料として与えられた。『環境配慮』という一語でまとめず、各軸を独立に評価する。
1. AはバイオPEで、化学構造は通常のPEと同じ
2. Bは化石資源由来の生分解性ポリエステル
3. Cはバイオマス由来PLAで工業コンポスト規格へ適合
4. 分解性は記載した環境・温度・時間でのみ保証
5. 地域の分別・処理ルートに従う
| 材料 | 入口原料 | 生分解・堆肥化 | 回収上の資料 |
|---|---|---|---|
| A:バイオPE | バイオマス由来 | 非生分解性 | 適切に選別すればPE系へ |
| B:生分解性ポリエステル | 化石資源由来 | 指定条件で生分解 | 通常PE系へ混ぜない |
| C:PLA | バイオマス由来 | 指定した工業コンポスト条件へ適合 | 家庭・海洋での速い分解は資料外 |
資料から導ける最も適切な結論を選べ。
A:バイオ由来なら必ず生分解性なので、Aも自然環境中ですぐ分解する
B:Bは化石資源由来なので、生分解性をもつことは化学的に不可能
C:原料由来と分解機能は独立した軸で、堆肥化可能性も指定条件と回収ルートを確認する
D:Cは工業コンポスト適合なので、家庭・土壌・海洋のどこでも同じ時間で完全分解する
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:原料由来と分解機能は独立した軸で、堆肥化可能性も指定条件と回収ルートを確認する全手順解説
- Aは再生可能資源を入口に使うが、PE構造は非生分解性の例。バイオ由来と生分解性は同義でない。
- Bは化石資源由来でも、指定環境で低分子化した後に微生物へ取り込まれ、CO₂・水・バイオマス等へ変換される性質をもち得る。由来だけでは決まらない。
- Cの『工業コンポスト適合』は温度・湿度・微生物・時間など定めた条件での性質。家庭・土壌・海洋まで一般化できない。
- 材料選択は入口原料、構造と物性、出口機能、地域の回収・処理系を別々に評価する。散乱を推奨する表示ではない。
得点化バイオ由来=入口、生分解性=出口機能、堆肥化可能=指定処理条件。3語を分ける。
高収率と高原子効率を別々に評価する
エタノール1 molを理論上生成する二つの経路A、Bを比較する。原子効率(アトムエコノミー/原子経済性)は反応式上の全反応物の式量のうち目的生成物へ入る割合、収率は理論生成量に対する実収量とする。
1. A:C₂H₄+H₂O→C₂H₆O、収率70.0%
2. B:C₂H₅Br+NaOH→C₂H₆O+NaBr、収率90.0%
3. 原子量C=12、H=1、O=16、Na=23、Br=80
4. 目的生成物はエタノールC₂H₆O
5. 溶媒・触媒・過剰試薬・精製廃棄物はこの単純化指標に含めない
| 経路 | 全反応物式量 | 目的物式量 | 収率 |
|---|---|---|---|
| A:水和 | 28+18=46 | 46 | 70.0% |
| B:置換 | 109+40=149 | 46 | 90.0% |
各経路の原子効率と1 mol理論基準の実収量、および評価として正しいものを選べ。
A:A:70.0%・32.2 g、B:90.0%・41.4 g。収率と原子効率は常に同じ
B:A:100%・32.2 g、B:30.9%・41.4 g。Bは収率が高いがAは原子効率が高い
C:A:100%・46.0 g、B:90.0%・46.0 g。実収量は収率に依存しない
D:A:46.0%・70.0 g、B:149%・90.0 g。副生成物があるほど原子効率が高い
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:A:100%・32.2 g、B:30.9%・41.4 g。Bは収率が高いがAは原子効率が高い全手順解説
- Aは46/(28+18)×100=100%。反応物の全原子が目的物へ入る。実収量は46.0×0.700=32.2 g。
- Bは46/(109+40)×100=30.9%。高い90.0%収率でも、NaBrへ入る原子は目的物へ入らない。実収量は46.0×0.900=41.4 g。
- したがってBはこの条件で実収量が多い一方、反応式上の原子利用はAが高い。収率を改善しても反応式が同じなら原子効率は変わらない。
- 実際の環境評価には溶媒、過剰試薬、エネルギー、毒性、精製、廃棄まで必要。原子効率は一つの理論指標で全LCAの代わりではない。
得点化収率=実験で得た割合、原子効率=反応式の理論設計。高い方が同じ経路とは限らない。
第1当量点を越えて残る共役対を選ぶ
二価弱酸H₂A水溶液へNaOH水溶液を加えた。OH⁻による段階的中和を完了させた後、残った共役酸塩基対からpHを求める。
1. H₂A水溶液は0.100 mol/Lを100.0 mL、NaOH水溶液は0.200 mol/Lを70.0 mL使用
2. Ka₁=2.0×10⁻⁴、Ka₂=4.0×10⁻⁷
3. NaOHは完全電離し、OH⁻とのプロトン移動を先に量的に処理する
4. 体積は加算でき、活量係数と水の自己解離は無視
5. pH計算では量的中和後の分析量を用い、その後の組成変化は小さいものとする
| 投入物・定数 | 値 | 換算・役割 |
|---|---|---|
| H₂A | 0.100 mol/L × 100.0 mL | 10.0 mmol、放出可能なH⁺は2段階 |
| NaOH | 0.200 mol/L × 70.0 mL | 14.0 mmol OH⁻ |
| 第1段階 | H₂A+OH⁻→HA⁻+H₂O | まず10.0 mmol進む |
| 第2段階 | HA⁻+OH⁻→A²⁻+H₂O | 残ったOH⁻ 4.00 mmolだけ進む |
量的中和後の各成分の物質量とpHの組合せとして最も適切なものを選べ。
A:H₂A 6.00 mmol、HA⁻ 4.00 mmol、A²⁻ 0 mmol;pH 3.52
B:H₂A 0 mmol、HA⁻ 4.00 mmol、A²⁻ 6.00 mmol;pH 6.57
C:H₂A 0 mmol、HA⁻ 6.00 mmol、A²⁻ 4.00 mmol;pH≈6.22
D:H₂A 0 mmol、HA⁻ 10.0 mmol、A²⁻ 0 mmol;pH 5.05
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:H₂A 0 mmol、HA⁻ 6.00 mmol、A²⁻ 4.00 mmol;pH≈6.22全手順解説
- H₂Aは0.100×0.1000=0.0100 mol=10.0 mmol、OH⁻は0.200×0.0700=14.0 mmol。
- 最初の10.0 mmol OH⁻でH₂AをすべてHA⁻へ変える。この時点でHA⁻は10.0 mmol。
- 残ったOH⁻は4.00 mmol。HA⁻を同量だけA²⁻へ変えるので、HA⁻ 6.00 mmol、A²⁻ 4.00 mmolとなる。
- 第2段階の共役対なので、量的中和後の分析量と組成変化が小さいという仮定の下でKa₂≈[H⁺][A²⁻]/[HA⁻]とおく。[H⁺]≈4.0×10⁻⁷×6.00/4.00=6.0×10⁻⁷ mol/L。
- pH≈−log(6.0×10⁻⁷)=6.22。共通の全体積は濃度比で約分される。
得点化多価酸では、加えたOH⁻量がどの当量域にあるかを確定してから、その区間のKaと共役対を選ぶ。
沈殿開始pHを逆算して滴定曲線の区間を特定する
HCl、弱酸HA、金属イオンM²⁺を含む水溶液へ固体NaOHを少量ずつ加える。M(OH)₂が沈殿し始めるpHをKspから求め、そのpHへ達するまでに必要なNaOH量を酸塩基平衡から決める。
1. 溶液体積は100.0 mLで、HCl 1.00 mmol、HA 2.00 mmol、[M²⁺]=0.0100 mol/Lを含む
2. HAのKa=1.0×10⁻⁵、M(OH)₂のKsp=1.0×10⁻¹⁸、Kw=1.0×10⁻¹⁴
3. 固体NaOH添加による体積変化は無視
4. M²⁺はHAおよびA⁻と錯体を作らず、沈殿開始直前まで[M²⁺]=0.0100 mol/L
5. M²⁺の加水分解および可溶性ヒドロキソ錯体の生成は無視し、沈殿開始までは添加OH⁻を消費する金属イオン反応は起こらない
6. 強酸を先に中和し、その後にHA/A⁻平衡を考える
7. 遊離H⁺・OH⁻の物質量はmmol単位の収支では無視できる
| 量・平衡 | 値 | 判定への使い方 |
|---|---|---|
| 強酸HCl | 1.00 mmol | NaOHが最初に消費される |
| 弱酸HA | 2.00 mmol、Ka=1.0×10⁻⁵ | 中和途中はHA/A⁻緩衝域 |
| 金属イオン | [M²⁺]=0.0100 mol/L | 沈殿開始直前まで一定 |
| 水酸化物 | M(OH)₂、Ksp=1.0×10⁻¹⁸ | Q=[M²⁺][OH⁻]² |
M(OH)₂が沈殿し始めるときまでに加えたNaOHの物質量と、そのときのpHの組合せとして最も適切なものを選べ。
A:1.00 mmol、pH 3.35
B:2.00 mmol、pH 5.00
C:2.82 mmol、pH 6.00
D:3.00 mmol、pH 8.65
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:2.82 mmol、pH 6.00全手順解説
- 沈殿開始時は[M²⁺][OH⁻]²=Ksp。[OH⁻]=√(1.0×10⁻¹⁸/0.0100)=1.0×10⁻⁸ mol/L。
- Kwより[H⁺]=1.0×10⁻¹⁴/(1.0×10⁻⁸)=1.0×10⁻⁶ mol/L、したがってpH=6.00。
- このpHではKa=[H⁺][A⁻]/[HA]より[A⁻]/[HA]=Ka/[H⁺]=10。
- HAとA⁻の合計2.00 mmolを11等分すると、A⁻=20/11=1.818 mmol、HA=2/11=0.182 mmol。
- NaOHはまずHCl 1.00 mmolを中和し、その後HA 1.818 mmolをA⁻へ変える。合計1.00+1.818=2.818 mmol≈2.82 mmol。
- 弱酸を全量中和する3.00 mmolより前、緩衝域内で沈殿が始まる。
得点化Ksp問題でも、先に沈殿量を求めるとは限らない。臨界イオン濃度→pH→滴定曲線上の区間→添加量の順に逆算できる。
付加中間体から脱水後の繰返し単位を復元する
芳香族ジアルデヒドDとジアミンAを等物質量混合すると、低温で中間体高分子Xを生じ、加熱により脱水して高分子Pへ変化した。未知反応について与えられた模型反応だけを使い、Xの結合、Pの組成、質量変化を推論する。
1. DはOHC–C₆H₄–CHO、分子式C₈H₆O₂、使用量0.250 mol
2. AはH₂N–CH₂CH₂–NH₂、分子式C₂H₈N₂、使用量0.250 mol
3. DとAの二つずつの官能基はすべて反応する
4. 直鎖状の十分長い高分子とし、末端・環化・副反応は無視
5. 原子量はH=1.0、C=12、N=14、O=16
| 資料 | 反応・構造 | 反応形式 | 小分子 |
|---|---|---|---|
| 単量体D | OHC–C₆H₄–CHO | アルデヒド基を2個 | — |
| 単量体A | H₂N–CH₂CH₂–NH₂ | アミノ基を2個 | — |
| 模型反応1 | R–CHO+H₂N–R′→R–CH(OH)–NH–R′ | 付加、中間体Xの結合 | 脱離なし |
| 模型反応2 | R–CH(OH)–NH–R′→R–CH=N–R′+H₂O | 加熱脱水、Pの結合 | 結合1個につきH₂O 1 mol |
中間体Xの主鎖結合、最終高分子Pの繰返し単位の分子式、加熱段階で減少する理論質量の組合せとして正しいものを選べ。
A:X:–CH(OH)–NH–、P:C₁₀H₁₀N₂、9.00 g
B:X:–CH=N–、P:C₁₀H₁₄N₂O₂、0.00 g
C:X:–CO–NH–、P:C₁₀H₁₂N₂O、4.50 g
D:X:–CH₂–NH–、P:C₁₀H₁₂N₂、18.0 g
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:X:–CH(OH)–NH–、P:C₁₀H₁₀N₂、9.00 g全手順解説
- 模型反応1をそのまま対応させると、Xの新しい主鎖結合は–CH(OH)–NH–。既知のポリアミド名へ置き換えない。
- D 1分子とA 1分子の原子数を足すと、中間体の構造単位はC₁₀H₁₄N₂O₂。付加段階では小分子は脱離しない。
- 各単量体は二官能性なので、末端を無視すればD+Aの1組当たり結合形成は2回。加熱時に2H₂Oを失う。
- C₁₀H₁₄N₂O₂−2H₂O=C₁₀H₁₀N₂。式量は158。
- 0.250 molの構造単位から失う水は0.500 mol、質量は0.500×18.0=9.00 g。
- 初期質量は0.250×(134+60)=48.5 g、生成物は48.5−9.00=39.5 g。別計算0.250×158=39.5 gとも一致する。
得点化初見高分子は名称当てをせず、与えられた1結合の変化を官能基数倍し、原子収支と質量収支の二通りで検算する。
ABABを投影・層間距離・配位数へ翻訳する
直径dの同じ球を最密に並べる。A層の三つの球が作る正三角形のくぼみにB層の球を置き、その上へ最初のA層と同じ水平位置をもつA層を重ねた。表と接触条件だけから立体配置を復元する。
1. 球は剛体で、接触する球の中心間距離はd
2. A層内・B層内では各球が同じ層の6球と接触
3. B層球の水平投影は、接触するA層3球の中心が作る正三角形の重心
4. 積層はA–B–A–B…で、表面・端の球は考えない
5. A層と隣のB層の中心間の鉛直距離をhとする
| 層 | 鉛直位置 | 上面投影 | 中心球の隣接層との接触 |
|---|---|---|---|
| 下のA層 | z=0 | 三角格子A | 上のB層3球 |
| B層 | z=h | A層の三角形のくぼみ | 下のA層3球+上のA層3球 |
| 上のA層 | z=2h | 下のA層と同じ水平位置 | 下のB層3球 |
この積層について正しい組合せを選べ。
A:上面投影で二つのA層は重なり、h=√(2/3)d、内部の1球の配位数は12
B:上面投影で三層は全て別位置となり、h=d/2、配位数は8
C:二つのA層は重なるが、h=√3d/2、配位数は6
D:積層はABCABC型となり、h=d、配位数は4
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:上面投影で二つのA層は重なり、h=√(2/3)d、内部の1球の配位数は12全手順解説
- B層球の投影は正三角形の重心。重心から各頂点までの水平距離はd/√3である。
- 接触する球の中心間距離dを斜辺とすると、d²=h²+(d/√3)²。よってh=√(2/3)d。
- ABAB積層では第3層が第1層と同じ水平位置へ戻るため、上面投影で二つのA層の中心は重なる。ABCABCの立方最密とは区別する。
- 内部の1球は同じ層の6球、上の層の3球、下の層の3球と接触するので配位数は6+3+3=12。
- 式・投影・接触数の三つが同じ立体模型を表しているため、正しい組合せは最初の選択肢。
得点化最密構造は名称暗記で終えず、上面投影ではA層が2層ごとに重なること、側面では層間距離、中心球では6+3+3を同時に確認する。
初めからある水もICE表へ入れてKを求める
一定体積の均一な液相で、カルボン酸RCOOHとアルコールR′OHからエステルRCOOR′と水が生じる可逆反応を考える。初めから生成物も含む混合物を平衡へ達するまで反応させた。
1. RCOOH+R′OH⇄RCOOR′+H₂O
2. 初期量は酸2.00 mol、アルコール3.00 mol、エステル0.500 mol、水1.00 mol
3. 平衡時のエステルは1.50 mol
4. 全成分は同一液相にあり、この資料ではKc=[エステル][H₂O]/([酸][アルコール])とする
5. 反応中の体積変化・副反応・蒸発は無視し、温度は一定
| 成分 | 初期 / mol | 変化 / mol | 平衡 / mol |
|---|---|---|---|
| RCOOH | 2.00 | −x | 未記入 |
| R′OH | 3.00 | −x | 未記入 |
| RCOOR′ | 0.500 | +x | 1.50 |
| H₂O | 1.00 | +x | 未記入 |
平衡時の4成分の物質量とKcの組合せとして最も適切なものを選べ。
A:酸1.00、アルコール2.00、エステル1.50、水2.00 mol;Kc=1.50
B:酸1.00、アルコール2.00、エステル1.50、水1.00 mol;Kc=0.750
C:酸2.00、アルコール3.00、エステル1.50、水2.00 mol;Kc=0.500
D:酸1.50、アルコール2.50、エステル1.50、水1.50 mol;Kc=0.600
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:酸1.00、アルコール2.00、エステル1.50、水2.00 mol;Kc=1.50全手順解説
- エステルが0.500 molから1.50 molへ増えたので反応進行量x=1.00 mol。係数は全て1である。
- 平衡時は酸2.00−1.00=1.00 mol、アルコール3.00−1.00=2.00 mol、エステル1.50 mol、水1.00+1.00=2.00 mol。初めからある水を消さない。
- 一定体積では濃度へ直したときの体積因子が分子・分母で相殺する。Kc=(1.50×2.00)/(1.00×2.00)=1.50。
- 水を加えれば操作直後の反応商Qが増えて逆向き、生成水を除けばQが下がって正向きへ進むが、温度一定ならKc自体は変わらない。
- 水を平衡式から除けるのは、純液体や溶媒として活量一定と扱う条件がある場合。この資料では濃度が変わる反応成分として明示されている。
得点化平衡式へ入れるかは物質名でなく相と問題のモデルで決める。ICE表では初期生成物も含め、係数比で全成分を同時更新する。
燃焼後の全気体molと質量当たり発熱量をつなぐ
体積一定の密閉容器にエタン、酸素、窒素を入れて完全燃焼させた。燃焼後の圧力を求めるとともに、エタンとメタノールを同じ質量だけ燃焼させた場合の発熱量を比較する。
1. 初めの温度は300 K、全圧は100.0 kPa
2. 初めの物質量はC₂H₆ 1.00 mol、O₂ 4.00 mol、N₂ 5.00 mol
3. 燃焼後の温度は600 Kで、生成したH₂Oは全て水蒸気として気相に残る
4. 容器の体積は一定で、漏れ・副反応・気体の溶解を無視する
5. N₂は反応せず、全気体を理想気体として扱う
6. 燃焼反応はC₂H₆(g)+(7/2)O₂(g)→2CO₂(g)+3H₂O(g)
7. 質量当たり発熱量の比較では、生成水を気体とした同一基準の資料値を使う
8. 気体定数はR=8.31 kPa·L mol⁻¹ K⁻¹
| 区分 | 物質・状態 | 値 | 計算での役割 |
|---|---|---|---|
| 容器・燃焼前 | C₂H₆(g) | 1.00 mol | 限界反応物 |
| 容器・燃焼前 | O₂(g) | 4.00 mol | 3.50 mol消費、0.500 mol残る |
| 容器・燃焼前 | N₂(g) | 5.00 mol | 反応前後で不変 |
| 比発熱量資料 | C₂H₆(g)、M=30.0 g/mol | |ΔcH|=1.44×10³ kJ/mol | mol当たりからg当たりへ換算 |
| 比発熱量資料 | CH₃OH(l)、M=32.0 g/mol | |ΔcH|=6.40×10² kJ/mol | mol当たりからg当たりへ換算 |
燃焼後の容器内圧力と、同じ質量を完全燃焼させたときの「エタンの発熱量÷メタノールの発熱量」の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:210 kPa、2.40倍
B:200 kPa、2.40倍
C:150 kPa、2.40倍
D:210 kPa、0.417倍
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:210 kPa、2.40倍全手順解説
- 燃焼前の全気体量は1.00+4.00+5.00=10.00 mol。
- C₂H₆ 1.00 molはO₂を3.50 mol消費し、CO₂ 2.00 molとH₂O(g) 3.00 molを生じる。O₂は4.00−3.50=0.500 mol残る。
- 燃焼後の全気体量はCO₂ 2.00+H₂O 3.00+O₂ 0.500+N₂ 5.00=10.50 mol。600 Kでは条件どおり水を液体として除かない。
- 体積一定なのでP₂/P₁=(n₂T₂)/(n₁T₁)。P₂=100.0×(10.50/10.00)×(600/300)=210 kPa。
- エタンの質量当たり発熱量は1.44×10³/30.0=48.0 kJ/g。メタノールは6.40×10²/32.0=20.0 kJ/g。
- 同じ質量なら発熱量比は48.0/20.0=2.40。mol当たりの値を直接比較しない。
得点化燃焼後圧力では反応前後の全気体molを数え直し、温度比と同時に扱う。同質量の燃料比較では、mol当たりの|ΔcH|をモル質量で割ってkJ/gへそろえる。
恒量と硫酸イオン量から水和数・未知原子量を逆算する
2価金属Xの硫酸塩水和物XSO₄·nH₂Oをるつぼで加熱した。加熱・放冷・質量測定を繰り返して恒量を確認した後、残った無水塩をすべて水へ溶かし、過剰のBaCl₂水溶液を加えてSO₄²⁻をBaSO₄として定量した。
1. 試料は純粋なXSO₄·nH₂Oで、指定温度では結晶水だけが失われる
2. 予備実験により、恒量へ達した固体は無水塩XSO₄であり、硫酸塩の分解・Xの酸化数変化は起こらないことが確認されている
3. 各加熱後はデシケーター内で室温まで放冷してから測定し、吸湿は無視できる
4. 残ったXSO₄は全量を使用し、SO₄²⁻は定量的にBaSO₄として沈殿する
5. BaSO₄の溶解度と操作中の試料損失は無視
6. 相対原子質量はH=1.0、O=16、S=32、Ba=137とする
| 測定段階 | るつぼを含む質量 / g | 判断 |
|---|---|---|
| 空のるつぼ | 18.430 | 試料質量を求める基準 |
| 加熱前 | 24.680 | るつぼ+水和物 |
| 1回目の加熱・放冷後 | 22.880 | まだ恒量ではない |
| 2回目の加熱・放冷後 | 22.430 | 次の測定と比較 |
| 3回目の加熱・放冷後 | 22.430 | 質量一致、恒量 |
| 無水塩全量から得たBaSO₄ | 5.825 | BaSO₄単独の質量 |
水和数nとXの相対原子質量の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:n=4、Xの相対原子質量=82.0
B:n=10、Xの相対原子質量=64.0
C:n=5、Xの相対原子質量=64.0
D:n=5、Xの相対原子質量=160
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:n=5、Xの相対原子質量=64.0全手順解説
- 2回目と3回目の質量がともに22.430 gなので恒量へ達した。1回目の22.880 gは完全脱水前なので使用しない。
- 水和物の初期質量は24.680−18.430=6.250 g。恒量後のXSO₄は22.430−18.430=4.000 g。
- 失われた結晶水は6.250−4.000=2.250 g、物質量は2.250/18.0=0.1250 mol。
- BaSO₄の式量は137+32+4×16=233。生成量は5.825/233=0.02500 mol。XSO₄ 1式単位にはSO₄²⁻が1個なので、XSO₄も0.02500 mol。
- XSO₄の式量は4.000/0.02500=160。よってXの相対原子質量は160−(32+4×16)=64.0。
- 水和数は結晶水mol÷塩の式単位molなのでn=0.1250/0.02500=5.00。
- 検算すると水和物の式量は6.250/0.02500=250で、64.0+32+4×16+5×18.0=250とも一致する。
得点化恒量を確認してから無水塩質量を固定し、別の定量値で塩の式単位molを求める。水和数は水mol÷塩molであり、質量比ではない。
濃度倍率から次数を分離し、速度定数の単位まで決める
反応A+B→生成物について、温度を一定にして初速度を測定した。速度式をv=k[A]ᵐ[B]ⁿとし、表の値からm、n、kを求めた後、別条件の初速度を予測する。
1. 各実験では混合直後の濃度を用いる
2. 温度と触媒量は全実験で一定
3. 反応次数は総括反応式の係数から仮定せず、実験値から決める
4. 速度vの単位はmol L⁻¹ s⁻¹
| 実験 | [A] / mol L⁻¹ | [B] / mol L⁻¹ | 初速度v / mol L⁻¹ s⁻¹ |
|---|---|---|---|
| 1 | 0.100 | 0.100 | 2.00×10⁻⁴ |
| 2 | 0.200 | 0.100 | 8.00×10⁻⁴ |
| 3 | 0.100 | 0.200 | 4.00×10⁻⁴ |
| 予測条件 | 0.150 | 0.300 | ? |
m、n、k、および予測条件の初速度の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:m=2、n=1、k=0.200 L² mol⁻² s⁻¹、v=1.35×10⁻³ mol L⁻¹ s⁻¹
B:m=2、n=1、k=0.200 L mol⁻¹ s⁻¹、v=9.00×10⁻⁴ mol L⁻¹ s⁻¹
C:m=1、n=1、k=0.0200 L mol⁻¹ s⁻¹、v=9.00×10⁻⁴ mol L⁻¹ s⁻¹
D:m=4、n=2、k=0.200 L² mol⁻² s⁻¹、v=1.35×10⁻³ mol L⁻¹ s⁻¹
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:m=2、n=1、k=0.200 L² mol⁻² s⁻¹、v=1.35×10⁻³ mol L⁻¹ s⁻¹全手順解説
- 実験1→2では[B]一定、[A]が2倍でvが4倍。2ᵐ=4よりm=2。次数そのものを速度倍率4としない。
- 実験1→3では[A]一定、[B]が2倍でvが2倍。2ⁿ=2よりn=1。総反応次数はm+n=3。
- 実験1からk=2.00×10⁻⁴/{(0.100)²×0.100}=0.200。3次反応なので単位は(mol L⁻¹ s⁻¹)/(mol L⁻¹)³=L² mol⁻² s⁻¹。
- 予測条件ではv=0.200×(0.150)²×0.300=1.35×10⁻³ mol L⁻¹ s⁻¹。
- 実験2・3からも同じkが得られることを検算する。kの数値だけでなく、総次数に応じた単位まで答案に含める。
得点化倍率比較は一度に1成分だけ変わる実験対を使う。次数→k→予測速度の順に進み、kの単位を濃度の総次数から復元する。
溶質molを保存して濃縮後の浸透圧差を求める
半透膜で純水側と隔てた非電解質水溶液へ圧力を加え、理想的な逆浸透で溶媒だけを水溶液側から純水側へ移した。濃縮後の浸透圧と、逆浸透を続けるために必要な圧力差を考える。
1. 初めの水溶液は1.00 L、溶質濃度0.100 mol/L
2. 溶媒0.400 Lが純水側へ移動し、水溶液体積は0.600 Lになった
3. 膜は溶質を全く通さず、溶質の会合・電離はない
4. 温度298 K、R=8.31 kPa·L mol⁻¹ K⁻¹
5. 純水側の溶質粒子濃度は0とみなす
| 段階 | 水溶液体積 / L | 溶質量 / mol | 粒子濃度 / mol L⁻¹ |
|---|---|---|---|
| 逆浸透前 | 1.00 | 0.100 | 0.100 |
| 溶媒移動量 | −0.400 | 0 | 溶質は膜を通らない |
| 逆浸透後 | 0.600 | 0.100 | ? |
濃縮後の濃度、浸透圧、および逆浸透を続けるための水溶液側−純水側の圧力差として最も適切なものを選べ。
A:0.167 mol/L、4.13×10² kPa、4.13×10² kPaより大きい
B:0.0600 mol/L、1.49×10² kPa、1.49×10² kPaより小さい
C:0.167 mol/L、2.48×10² kPa、2.48×10² kPaに等しい
D:0.100 mol/L、2.48×10² kPa、圧力差は不要
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:0.167 mol/L、4.13×10² kPa、4.13×10² kPaより大きい全手順解説
- 初めの溶質量は0.100 mol/L×1.00 L=0.100 mol。膜が溶質を通さないため、溶媒移動後も0.100 molである。
- 濃縮後の濃度はc=n/V=0.100/0.600=0.1667 mol/L。除いた0.400 Lを溶質量から引かない。
- 非電解質なのでc粒子=c₀。Π=cRT=0.1667×8.31×298=4.13×10² kPa。
- 純水側のΠを0とすれば浸透圧差は4.13×10² kPa。逆方向へ溶媒を移し続けるには、実際の水溶液側の圧力を純水側よりこの差より大きくする。
- ちょうど浸透圧差に等しいと正味の溶媒移動が止まる理想境界であり、逆浸透を続ける条件は不等号で表す。
得点化逆浸透では『移ったのは溶媒』を最初に固定する。溶質n保存→新体積→粒子濃度→浸透圧差→必要圧力の不等号へ進む。
強塩基との反応後に共役対が共存する組合せを選ぶ
0.100 mol/Lの弱酸HA 100.0 mL(Ka=1.8×10⁻⁵)へ、表の水溶液をそれぞれ加えた。体積加成を仮定し、中和を完了させた直後の主要粒子から緩衝液となる組合せを選ぶ。
1. HA+OH⁻→A⁻+H₂Oは定量的に進む
2. NaOHとHClは完全電離
3. 25℃でpKa=4.74としてよい
4. 緩衝式はHAとA⁻がともに残る場合だけ使う
5. pH計算では中和直後のHA・A⁻の分析量を用い、その後の再平衡による組成変化は小さいものとする
| 候補 | 加える溶液 | 加える量 | 反応前の強酸・強塩基量 |
|---|---|---|---|
| I | 0.100 mol/L NaOH | 40.0 mL | OH⁻ 4.00 mmol |
| II | 0.100 mol/L NaOH | 100.0 mL | OH⁻ 10.0 mmol |
| III | 0.100 mol/L NaOH | 120.0 mL | OH⁻ 12.0 mmol |
| IV | 0.100 mol/L HCl | 20.0 mL | H⁺ 2.00 mmol |
緩衝液となる候補と、そのpHの組合せとして最も適切なものを選べ。
A:I、pH≈4.56
B:II、pH≈4.74
C:III、pH≈11.15
D:IV、pH≈4.56
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:I、pH≈4.56全手順解説
- HAは0.100×0.1000=0.0100 mol=10.0 mmol。まず強く進む中和のmol収支を行い、混合前濃度を緩衝式へ直接入れない。
- IではOH⁻ 4.00 mmolがHAを同量消費し、HA 6.00 mmolとA⁻ 4.00 mmolが共存するため緩衝液となる。
- 同じ混合後体積中なので[A⁻]/[HA]=4.00/6.00。分析量を用いる近似ではpH≈pKa+log(4/6)=4.74−0.176≈4.56。
- IIは当量でA⁻だけとなり、塩の加水分解を扱うがHA/A⁻緩衝液ではない。IIIはOH⁻過剰、IVは強酸H⁺が残る。
- 弱酸と強塩基を混ぜたという材料名で決めず、中和後に弱種と共役種が十分量ずつ共存するかを判定する。
得点化緩衝液選択は『中和前の組合せ』でなく『中和後の存在粒子』で決める。当量・過剰強酸塩基では緩衝式を使わない。
全圧とモル分率から対象気体の分圧を作って比例する
一定温度で、反応しない気体Xを含む混合気体と一定量の溶媒を接触させた。平衡時の溶解量がXの分圧に比例する範囲で、気相条件を変更した後の溶解量を求める。
1. 温度と溶媒量は変更前後で同じ
2. Xは溶媒と化学反応せず、Henryの法則が成り立つ
3. 初めの全圧100 kPa、Xの気相モル分率0.200で、Xが1.50 mmol溶けた
4. 変更後の全圧200 kPa、Xの気相モル分率0.300
5. 溶解による気相組成の変化は無視できる
| 状態 | 全圧 / kPa | 気相中Xのモル分率 | Xの分圧 / kPa | Xの溶解量 / mmol |
|---|---|---|---|---|
| 変更前 | 100 | 0.200 | 20.0 | 1.50 |
| 変更後 | 200 | 0.300 | ? | ? |
変更後のXの分圧と溶解量の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:60.0 kPa、4.50 mmol
B:200 kPa、15.0 mmol
C:60.0 kPa、2.25 mmol
D:0.600 kPa、0.0450 mmol
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:60.0 kPa、4.50 mmol全手順解説
- 混合気体では対象気体Xの分圧をpX=yX P全で求める。変更前は0.200×100=20.0 kPa。
- 変更後はpX=0.300×200=60.0 kPa。全圧200 kPaをそのまま比例式へ入れない。
- 温度・溶媒量一定でn溶解∝pXだから、n₂/n₁=p₂/p₁=60.0/20.0=3.00。
- n₂=1.50×3.00=4.50 mmol。全圧の倍率2とモル分率の倍率1.5の積が分圧倍率3になる。
得点化Henryの法則で比例するのは混合気体の全圧でなく対象成分の分圧。p=yPを先に作り、温度・溶媒量一定を確認して比を取る。
半中和点はpOH、当量点は共役酸のKaで解く
25℃で0.100 mol/L NH₃水20.0 mLを0.100 mol/L HClで滴定した。NH₃のKb=1.8×10⁻⁵、Kw=1.0×10⁻¹⁴として、半中和点と当量点を別の平衡で求める。
1. 体積は加成的
2. NH₃+H⁺→NH₄⁺は定量的に進む
3. 半中和点ではNH₃とNH₄⁺の物質量が等しい
4. 当量点ではNH₄⁺の酸解離を考え、解離は小さいとしてよい
| 段階 | HCl滴下量 / mL | 中和後の主要酸塩基種 | 使う関係 |
|---|---|---|---|
| 半中和点 | 10.0 | NH₃ 1.00 mmol、NH₄⁺ 1.00 mmol | pOH=pKb |
| 当量点 | 20.0 | NH₄⁺ 2.00 mmol / 全40.0 mL | Ka=Kw/Kb |
半中和点のpHと当量点のpHの組合せとして最も適切なものを選べ。
A:4.74、7.00
B:9.26、8.72
C:9.26、5.28
D:4.74、5.28
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:9.26、5.28全手順解説
- pKb=−log(1.8×10⁻⁵)=4.74。半中和点では[NH₃]=[NH₄⁺]なのでpOH=pKb=4.74、pH=14.00−4.74=9.26。
- 当量点ではNH₃を残さず、生成したNH₄⁺の濃度は2.00 mmol/40.0 mL=0.0500 mol/L。緩衝式を使わない。
- NH₄⁺のKa=Kw/Kb=1.0×10⁻¹⁴/(1.8×10⁻⁵)=5.56×10⁻¹⁰。
- [H⁺]≈√(KaC)=√(5.56×10⁻¹⁰×0.0500)=5.27×10⁻⁶ mol/L、よってpH=5.28。
- 弱塩基を強酸で滴定した当量点は共役酸が加水分解するため酸性。弱酸−強塩基滴定の曲線を上下そのまま使わない。
得点化弱塩基滴定は、共役対共存域をpOH・Kbで扱い、当量点では共役酸のKaへ翻訳する。pH=pKbという誤式を避ける。
ΔnでKpへ変換し、平衡組成と到達速度を分ける
500 KでN₂(g)+3H₂(g)⇄2NH₃(g)の濃度平衡定数はKc=1.681×10³である。理想気体としてKpとの関係を求め、発熱反応であるアンモニア生成に対する温度上昇と触媒の作用を比較する。
1. R=0.0820 L·atm mol⁻¹ K⁻¹を用いる
2. Kp=Kc(RT)^Δn、Δn=気体生成物係数和−気体反応物係数和
3. 本問は濃度をmol L⁻¹、分圧をatmで表した数値による教科書型の関係を用いる。熱力学的平衡定数は標準状態で規格化した活量による無次元量として区別する
4. 正反応は発熱反応
5. 触媒は正逆反応の活性化エネルギーを下げるが、同温度のKを変えない
| 操作・量 | 判断材料 | 確認するもの |
|---|---|---|
| Kp/Kc変換 | Δn=2−(1+3) | RTの指数と単位系 |
| 温度上昇 | 正反応が発熱 | K・平衡移動・正逆速度 |
| 触媒添加 | 正逆の別経路 | 到達時間と平衡組成 |
500 KでのKpと、温度上昇・触媒添加の説明の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:Kp=1.00。温度上昇でKは小さくなり平衡は反応物側へ寄るが、正逆反応の速度定数は一般にともに増加する。触媒は平衡組成を変えず到達を速める
B:Kp=1.00。温度上昇でもKは不変で、触媒が平衡をNH₃側へ移す
C:Kp=1.681×10³。温度上昇でKは大きくなり、触媒は正反応だけを速める
D:Kp=2.83×10⁶。温度上昇で正逆反応速度がともに低下し、触媒はKを大きくする
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:Kp=1.00。温度上昇でKは小さくなり平衡は反応物側へ寄るが、正逆反応の速度定数は一般にともに増加する。触媒は平衡組成を変えず到達を速める全手順解説
- Δn=2−(1+3)=−2。係数差には気体だけを数え、この反応式を逆転・倍量していないかも確認する。
- RT=0.0820×500=41.0。Kp=1.681×10³×(41.0)⁻²=1.681×10³/1681=1.00。
- 発熱正反応で温度を上げると、熱を吸収する逆向きが有利となりKは小さく、平衡組成は反応物側へ寄る。Kが変わる操作は温度である。
- 一方、温度上昇は通常、正反応・逆反応の速度定数をともに増加させる。『NH₃が減るから正反応が遅くなる』と平衡組成と速度を混同しない。
- 触媒は正逆反応をともに速め、同温度のKと最終平衡組成を変えず、平衡到達時間だけを短くする。
得点化Kp/Kcは反応式のΔnを使う。温度は速度とKの両方へ作用し、触媒は速度だけへ作用するため、平衡組成と到達の速さを二列で整理する。
透過率を吸光度へ直し、光路長倍率を指数で戻す
ある溶液を一定波長で測定した。透過率T、吸光度A、光路長lの関係が資料としてT=I/I₀、A=−log₁₀T=εclと与えられたとき、同じ溶液でセルの光路長だけを変えた結果を予測する。
1. 透過率Tは百分率でなく0〜1の小数で式へ入れる
2. 溶液の濃度・温度と測定波長は同じ
3. 光路長lでT=0.400であった
4. Beer–Lambertの関係が成り立つ範囲とする
5. 2023年度公式自己評価の処理型を参考に、数値・表・選択肢を独自作成
| 光路長 | 透過率T | 吸光度A | 光路長lに対するAの倍率 |
|---|---|---|---|
| l | 0.400 | −log₁₀0.400 | 1 |
| 2l | ? | ? | 2 |
光路長lでの吸光度A₁、光路長2lでの吸光度A₂、2lでの透過率T₂の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:0.398、0.398、0.400
B:40.0、80.0、0.200
C:0.398、0.796、0.160
D:0.398、0.796、0.200
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:0.398、0.796、0.160全手順解説
- A₁=−log₁₀0.400=0.39794…より0.398。40.0%を式へ入れる場合は、先に100で割ってT=0.400とする。
- 同じ濃度・波長ではA=εclだから、光路長を2倍にするとA₂=2A₁=0.79588…より0.796。
- A₂=−log₁₀T₂へ戻すとT₂=10⁻ᴬ²。または−logT₂=−2logT₁よりT₂=T₁²=0.400²=0.160。
- 吸光度は光路長に比例するが、透過率は光路長に対して指数的に減る。したがって『光路長2倍なら透過率1/2』ではない。
- Beer–Lambert式の詳細を現行課程の暗記必修とせず、問題で与えられた定義を使う資料読解・発展演習として扱う。
得点化%T→小数T→Aの順を固定する。光路長・濃度の倍率はAへ掛け、最後にT=10⁻ᴬで戻す。比例する量と指数で変わる量を取り違えない。
同位体mol収支と親ピーク−断片ピークを二段で読む
元素Xを含む試料へ同位体濃縮標準を加え、混合後の重い同位体の物質量分率を測定した。さらに別の分子の高分解能質量スペクトルについて、支給された精密質量だけから中性脱離種を判定する。
1. 試料中Xの物質量をn mmol、重い同位体分率をr₀=0.100とする
2. 標準は2.00 mmol、重い同位体分率rₛ=0.900
3. 完全混合後の重い同位体分率r混=0.300
4. MSの親イオンと断片イオンはいずれも電荷数+1
5. 親ピークm/z=88.052、断片ピークm/z=70.041
6. 候補中性種の精密質量はH₂O 18.011、NH₃ 17.027、CO 27.995、CH₄ 16.031と与える
| 由来 | Xの全量 / mmol | 重い同位体分率 | 重い同位体量 / mmol |
|---|---|---|---|
| 未知試料 | n | 0.100 | 0.100n |
| 濃縮標準 | 2.00 | 0.900 | 1.80 |
| 混合後 | n+2.00 | 0.300 | 0.300(n+2.00) |
未知試料中Xの物質量と、親イオンから脱離した中性種の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:6.00 mmol、H₂O
B:2.00 mmol、NH₃
C:4.00 mmol、CO
D:8.00 mmol、CH₄
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:6.00 mmol、H₂O全手順解説
- 混合前後で重い同位体のmolを保存し、0.100n+2.00×0.900=(n+2.00)×0.300と置く。分率を単純平均しない。
- 0.100n+1.80=0.300n+0.600より0.200n=1.20、したがってn=6.00 mmol。検算すると重い同位体は2.40 mmol、全量8.00 mmolで分率0.300。
- 両ピークは1価なので、親−断片のm/z差は脱離した中性種の質量に対応する。88.052−70.041=18.011。
- 支給表の18.011と一致するH₂Oを選ぶ。整数質量だけでNH₃などを推測せず、問題で与えられた精密質量を照合する。
- 中性脱離は候補を絞る証拠の一つであり、この差だけで分子構造全体が一意に決まるとは限らない。
- 同位体希釈・高分解能MSの詳細は機器分析の資料読解・発展。未知公式の暗記でなく、同位体mol保存・電荷数・差分という既習操作へ戻す。
得点化同位体比は『全量×分率』で各同位体のmolへ戻して保存する。MSは電荷数を確定してから、親ピーク−断片ピークを支給された中性種質量と照合する。
気相と液相を同じ分圧で表し、密閉系の総molを保存する
一定温度の密閉容器に、溶媒とそれに溶ける気体Xが入っている。気相を理想気体とし、液相への溶解量がXの平衡分圧に比例するとき、気相体積を小さくした後の分圧と溶解量を求める。
1. 容器内のXの総量は0.1000 molで、圧縮中に漏れず反応もしない
2. 温度300 K、R=8.31 kPa·L mol⁻¹ K⁻¹
3. 溶媒量は一定で、溶解量はn液=kHp、kH=2.00×10⁻⁴ mol kPa⁻¹
4. 気相体積を2.00 Lから0.500 Lへ変え、再び平衡にした
5. 気相のXはn気=pVg/(RT)で表す
| 状態 | 気相体積Vg / L | 気相Xの量 | 液相Xの量 | 保存式 |
|---|---|---|---|---|
| 圧縮前 | 2.00 | p×2.00/(8.31×300) | 2.00×10⁻⁴p | n気+n液=0.1000 |
| 圧縮後 | 0.500 | p×0.500/(8.31×300) | 2.00×10⁻⁴p | n気+n液=0.1000 |
圧縮後のXの平衡分圧と、液相に溶けているXの物質量の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:100 kPa、0.0200 mol
B:2.50×10² kPa、4.99×10⁻² mol
C:4.99×10² kPa、9.98×10⁻² mol
D:400 kPa、0.0800 mol
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:2.50×10² kPa、4.99×10⁻² mol全手順解説
- 密閉系では圧縮後の分圧を外部から固定できない。Xの総量を気相と液相へ分け、0.1000=p×0.500/(8.31×300)+(2.00×10⁻⁴)pと置く。
- pの係数は0.500/2493+0.000200=4.0056×10⁻⁴ mol kPa⁻¹。よってp=0.1000/(4.0056×10⁻⁴)=2.496×10² kPa≈2.50×10² kPa。
- 液相量はn液=kHp=2.00×10⁻⁴×249.6=4.99×10⁻² mol。気相量は約5.01×10⁻² molで、合計0.1000 molに戻る。
- 参考に圧縮前はp≈99.8 kPa。体積を1/4にしても分圧が単純に4倍にならないのは、分圧上昇により液相へ移るXが増えるため。
- DATA36のように巨大な外部気相で組成変化を無視できる比例問題と、総量一定の密閉容器を条件文から区別する。
得点化密閉Henry系はn全=n気+n液=pVg/(RT)+kHpを一本にする。圧縮前後で保存するのは分圧でなく、気相と液相を合わせた物質量。
支給された正逆速度式を等置し、平衡組成と到達時間を分ける
可逆反応A(aq)⇄B(aq)+C(aq)について、実験から正反応速度vf=kf[A]、逆反応速度vr=kr[B][C]が与えられた。平衡条件と物質収支から最終組成を求め、両方向を同じ倍率で速める触媒の効果を判断する。
1. 25℃でkf=0.0400 s⁻¹、kr=0.200 L mol⁻¹ s⁻¹
2. 初めに[A]=0.400 mol/L、[B]=[C]=0
3. 体積一定で副反応はない
4. 触媒添加時はkfとkrがともに5.00倍になった
5. 速度式は問題で与えられたものであり、反応式の係数から一般に決めない
| 条件 | kf | kr | kf/kr | 平衡到達時間 |
|---|---|---|---|---|
| 触媒なし | 0.0400 s⁻¹ | 0.200 L mol⁻¹ s⁻¹ | 0.200 mol L⁻¹ | 基準 |
| 触媒あり | 0.200 s⁻¹ | 1.00 L mol⁻¹ s⁻¹ | 0.200 mol L⁻¹ | 短くなる |
Kcの数値、触媒なしの平衡濃度[A]・[B]・[C]、触媒添加の説明の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:Kc=0.200、各0.200 mol/L、触媒は同じ平衡組成へ速く到達させる
B:Kc=5.00、[A]=0、[B]=[C]=0.400 mol/L、触媒は生成物側へ移す
C:Kc=0.00800、[A]=0.320、[B]=[C]=0.080 mol/L、触媒でKcが5倍になる
D:Kc=0.200、各0.200 mol/L、触媒は平衡時のBとCを5倍にする
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:Kc=0.200、各0.200 mol/L、触媒は同じ平衡組成へ速く到達させる全手順解説
- 平衡では正逆反応が止まるのではなくvf=vr。0.0400[A]=0.200[B][C]より、kf/kr=0.200 mol L⁻¹。濃度をmol L⁻¹で数値代入する本問の教科書型Kc=[B][C]/[A]の数値は0.200となる。
- ここでは濃度をmol/Lで表した数値による濃度平衡定数を扱う。熱力学的な平衡定数は、各濃度を標準濃度で規格化した活量で表す無次元量である。速度定数比の単位とKcの数値を混同しない。
- Aがx mol/L反応したとすると[A]=0.400−x、[B]=[C]=x。したがってx²/(0.400−x)=0.200。
- x²+0.200x−0.0800=0の正の解はx=0.200。よって平衡では[A]=[B]=[C]=0.200 mol/L。濃度と係数比も検算する。
- 触媒添加後もkf/kr=(0.200 s⁻¹)/(1.00 L mol⁻¹ s⁻¹)=0.200 mol L⁻¹で、Kcの数値は不変。正逆の速度がともに上がるので到達時間は短くなるが、同じ温度・初期量の平衡組成は同じ。
- この接続は正逆速度式が支給された場合に限る。総括反応式の係数を、そのまま未知の速度式の次数へ一般化しない。
得点化平衡条件vf=vr→支給速度式を代入→Kcの形へ整理→ICE表の順に進む。kが変える到達時間と、K・保存量が決める終点組成を分離する。
融解した質量を出し、残る氷と水の体積を別々に足す
1.00 atm、0℃で氷と水が共存できる境界上にある氷へ熱を加えた。温度は0℃のまま一部だけが融解するとき、エネルギー収支と相ごとの密度から最終体積を求める。
1. 初めに0℃の氷100.0 gがある
2. 16.7 kJの熱を加え、外部への熱損失はない
3. 氷の融解エンタルピーを334 J g⁻¹とする
4. 0℃で氷の密度0.917 g cm⁻³、水の密度1.00 g cm⁻³
5. 圧力は1.00 atmで一定、容器の体積は数えない
| 相 | 変化後の質量 / g | 密度 / g cm⁻³ | 体積の式 |
|---|---|---|---|
| 残った氷 | 100.0−m融解 | 0.917 | (100.0−m融解)/0.917 |
| 生成した水 | m融解 | 1.00 | m融解/1.00 |
加熱後の状態と、氷と水を合わせた体積の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:氷50.0 g+水50.0 g、約104.5 cm³
B:水100.0 g、100.0 cm³
C:氷50.0 g+水50.0 g、100.0 cm³
D:氷83.3 g+水16.7 g、約107 cm³
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:氷50.0 g+水50.0 g、約104.5 cm³全手順解説
- 状態図では1.00 atm・0℃は固液境界。供給熱が全量融解に必要な33.4 kJより小さいので、温度上昇ではなく一部融解へ使われる。通常圧近傍の氷Ihと液体水の固液共存線は負勾配だが、全物質・全圧力へ一般化しない。
- q=16.7 kJ=1.67×10⁴ J。融解した質量はm融解=q/Lf=1.67×10⁴/334=50.0 g。したがって氷50.0 gと水50.0 gが共存する。
- 残氷の体積は50.0/0.917=54.5 cm³、液体水は50.0/1.00=50.0 cm³。合計は104.5 cm³。
- 質量は100.0 gのまま保存されるが、密度が相で異なるため体積をまとめて一つの密度で割らない。
- 水は氷より密度が大きいので、一部融解すると全体積は初めの100.0/0.917≈109.1 cm³から減少する。この方向も検算になる。
得点化状態図で相を確定→q/Lで変化量→各相の残量→V=m/ρを相別に計算する。質量保存と体積非保存を同時に確認する。
ハロゲンの族内傾向からAtを推定し、予測と確定値を分ける
17族のF、Cl、Br、Iについて支給されたデータを読み、同じ傾向が次のAtまで続くと仮定したモデルで、Atの相対的な性質と酸化還元反応を推定する。Atは放射性で実測情報が限られるため、正確な数値の暗記でなく外挿の根拠を問う。
1. 下表の共有結合半径・融点・沸点・標準電極電位はこの問題で支給された値として使う
2. E°が大きいX₂ほど電子を受け取りやすく、単体の酸化力が強い
3. 本問ではF→Cl→Br→Iの傾向がAtまで続くと仮定する
4. Atのバルク物性は未確定な点が多く、推定を実測済みの確定値として表現しない
5. 2024年度本試験・公式評価の処理型を参考に、数値・表・選択肢を独自再構成
| 元素X | 共有結合半径 / pm | X₂の融点 / ℃ | X₂の沸点 / ℃ | 25℃の単体 | E°(X₂/2X⁻) / V |
|---|---|---|---|---|---|
| F | 64 | −220 | −188 | 気体 | +2.87 |
| Cl | 99 | −101 | −34.0 | 気体 | +1.36 |
| Br | 114 | −7.2 | +58.8 | 液体 | +1.07 |
| I | 133 | +114 | +184 | 固体 | +0.54 |
| At | ? | ? | ? | ? | ? |
表の傾向だけから行うAtの推定と、Br₂水溶液をAt⁻水溶液へ加えたときのモデル上の判断として最も適切なものを選べ。
A:Atの半径は64 pm未満、単体は気体で、At₂がBr⁻を酸化すると推定する
B:Atの半径は133 pmより大きく、単体は25℃で固体と予測する。Br₂がAt⁻を酸化する向きが有利と推定するが、Atの正確な物性値とは断定しない
C:Atの半径は133 pmより大きいが単体は気体で、Br₂とAt⁻は族が同じなので必ず反応しない
D:At₂の沸点は表だけから正確に300.0℃と確定でき、At₂はF₂より強い酸化剤である
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:Atの半径は133 pmより大きく、単体は25℃で固体と予測する。Br₂がAt⁻を酸化する向きが有利と推定するが、Atの正確な物性値とは断定しない全手順解説
- 17族を下ると電子殻が増えるため、支給値でも共有結合半径は64→99→114→133 pmと増加する。したがってAtは133 pmより大きいと外挿する。
- 分子が大きく分極しやすくなるにつれ分散力が強まる。支給表では融点が−220→−101→−7.2→114℃、沸点が−188→−34.0→58.8→184℃とともに上昇する。両方の傾向が続くモデルでAtの融点も25℃より高いと外挿するため、25℃では固体と予測する。沸点が25℃より高いことだけでは液体か固体かは決められない。
- E°(X₂/2X⁻)は下ほど小さい。At₂/At⁻がI₂/I⁻よりさらに小さいと仮定すれば、Br₂が還元され、At⁻が酸化されるBr₂+2At⁻→2Br⁻+At₂の向きが有利。
- 原子半径・沸点・電極電位は別々の物理量であり、『下ほど全部大きい』とはしない。単体の酸化力が弱まる一方、ハロゲン化物イオンは酸化されやすくなる傾向を区別する。
- Atは放射性で入手・測定が難しく、相対論的効果もある。ここで答えるのは支給データと仮定に基づく予測で、正確な融点・沸点や状態を確定事実として暗記しない。
得点化周期表問題は、同じ族を縦に並べて物理量ごとの増減を読む。未知元素へは『表から言える予測』だけを延長し、未測定値や例外まで断定しない。
状態を固定し、係数付きの生成物−反応物で燃焼熱を求める
25℃、標準状態でエタノール4.60 gを完全燃焼させた。支給された標準生成エンタルピー表から、反応式どおりの標準反応エンタルピーと、燃焼時の系・外界の熱を求める。
1. 反応式はC₂H₅OH(l)+3O₂(g)→2CO₂(g)+3H₂O(l)
2. M(C₂H₅OH)=46.0 g/mol
3. 表の数値は本問で支給された値として使う
4. ΔrH°は反応式どおりに反応進行量ξ=1 mol進んだときの値
5. 定圧でq系=ξΔrH°、外界との熱交換だけを考えてq外界=−q系
| 物質 | 状態 | ΔfH° / kJ mol⁻¹ | 注意 |
|---|---|---|---|
| C₂H₅OH | 液体(l) | −278 | 反応物 |
| O₂ | 気体(g) | 0 | 基準状態の単体 |
| CO₂ | 気体(g) | −394 | 生成物の係数2 |
| H₂O | 液体(l) | −286 | 反応式で指定 |
| H₂O | 気体(g) | −242 | 状態違いの比較値 |
ΔrH°、エタノール4.60 g燃焼時のq系、q外界の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:ΔrH°=+1368 kJ mol⁻¹、q系=+137 kJ、q外界=−137 kJ
B:ΔrH°=−1236 kJ mol⁻¹、q系=−124 kJ、q外界=+124 kJ
C:ΔrH°=−402 kJ mol⁻¹、q系=−40.2 kJ、q外界=+40.2 kJ
D:ΔrH°=−1368 kJ mol⁻¹、q系=−137 kJ、q外界=+137 kJ
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 D:ΔrH°=−1368 kJ mol⁻¹、q系=−137 kJ、q外界=+137 kJ全手順解説
- 生成物側は2×(−394)+3×(−286)=−1646 kJ。化学式を一度ずつ足すのでなく、反応係数を掛ける。
- 反応物側は(−278)+3×0=−278 kJ。基準状態のO₂(g)のΔfH°は0。
- ΔrH°=ΣνΔfH°(生成物)−ΣνΔfH°(反応物)=−1646−(−278)=−1368 kJ mol⁻¹。
- 水蒸気の値を使うと−1236 kJ mol⁻¹となるが、目的反応の生成物はH₂O(l)なので不適切。状態は物質名の一部として固定する。
- エタノールは4.60/46.0=0.100 mol。係数が1なのでξ=0.100 mol、丸め前はq系=0.100×(−1368)=−136.8 kJ。有効数字3桁でq系=−137 kJ。
- 発熱反応では系が137 kJを失い、外界が同量を受け取るため、有効数字3桁でq外界=+137 kJ。
- 係数を掛けずに計算すると(−394−286)−(−278)=−402 kJ mol⁻¹となり、選択肢Cの誤答になる。
得点化状態を反応式へ固定→係数を掛ける→生成物−反応物→ξへ換算→系と外界の符号を反転、の順に処理する。
空試験との差から消費ヨウ素を出し、希釈前の試料へ戻す
ビタミンC錠剤1個を溶かして200.0 mLとし、その20.00 mLを採取した。既知量のヨウ素溶液を過剰に加えてビタミンCと反応させ、残ったI₂をNa₂S₂O₃水溶液で滴定した。同じ操作を試料なしでも行い、空試験とした。
1. 試料液20.00 mLへ0.05000 mol/L I₂溶液20.00 mLを加えた
2. 残存I₂を0.08000 mol/L Na₂S₂O₃水溶液で滴定した
3. ビタミンCとI₂の物質量比は1:1
4. I₂+2S₂O₃²⁻→2I⁻+S₄O₆²⁻
5. ビタミンCのモル質量は176.1 g/mol
6. 空試験は試料液の代わりに同体積の水を用い、その他の操作・待ち時間を同一にした
7. 錠剤中のビタミンC以外の成分はI₂およびS₂O₃²⁻を消費せず、終点の呈色を妨害しない
| 操作 | 試料の有無 | I₂添加量 | Na₂S₂O₃滴定量 |
|---|---|---|---|
| 試料滴定 | 20.00 mLの試料液 | 20.00 mL | 14.36 mL |
| 空試験 | 試料なし | 20.00 mL | 22.84 mL |
錠剤1個に含まれるビタミンCの質量と、空試験補正・デンプン添加操作の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:59.7 mg;V空試験−V試料を用い、残留I₂が淡黄色になってからデンプンを加える
B:1.19 g;V空試験−V試料を用い、残留I₂が淡黄色になってからデンプンを加える
C:597 mg;V空試験−V試料を用い、残留I₂が淡黄色になった終点直前にデンプンを加える
D:749 mg;添加I₂量から試料滴定の残存I₂だけを引いて空試験を使わず、デンプンは滴定開始前に加える
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:597 mg;V空試験−V試料を用い、残留I₂が淡黄色になった終点直前にデンプンを加える全手順解説
- これは直接滴定ではなく、過剰に加えたI₂の残量を測る逆滴定。ビタミンCが多いほど残存I₂が少なくなり、試料滴定量は空試験量より小さくなる。
- 試料によって余分に減ったチオ硫酸イオン量は0.08000×(22.84−14.36)×10⁻³=6.784×10⁻⁴ mol。
- I₂+2S₂O₃²⁻→2I⁻+S₄O₆²⁻より、ビタミンCが消費したI₂は(6.784×10⁻⁴)/2=3.392×10⁻⁴ mol。ここでI₂:S₂O₃²⁻=1:2を誤って1:1と扱うと、算出質量は2倍になる。
- ビタミンC:I₂=1:1なので、採取した20.00 mL中のビタミンCも3.392×10⁻⁴ mol。
- 希釈倍率は200.0/20.00=10.00。錠剤全体では3.392×10⁻³ mol。
- 質量は3.392×10⁻³×176.1=0.5973 g≈597 mg。
- 空試験を無視すると、添加I₂ 1.000 mmolから試料の残存I₂ 0.5744 mmolだけを引き、背景消費までビタミンC由来とみなして約749 mgと過大評価する。
- 水を用いる空試験は試薬由来の背景消費を補正するが、試料マトリクス固有の干渉は補正しない。本問はビタミンC以外の成分が滴定を妨害しない条件で一意に求められる。
- デンプンは残留I₂が淡黄色になった終点近くで加える。高濃度のI₂がある初期から加えると強い複合体を形成し、I₂の放出が遅れて終点が不明瞭になりやすい。青色が消失した点を終点とする。
得点化逆滴定では空試験−試料の差を取り、I₂:S₂O₃²⁻=1:2、採取倍率、デンプンの終点直前添加を順番に検算する。
同じ総溶媒量でも、少量ずつ反復すると残存率が下がる
水100.0 mLに溶質Xが10.00 mmol溶けている。水と混ざらない有機溶媒を合計100.0 mL使い、1回で抽出する方法と、50.0 mLずつ2回に分けて抽出する方法を比較する。
1. 分配比はD=c有機/c水=4.00とする。この式は本問で支給され、暗記を要求しない
2. 各抽出では十分に振り混ぜて平衡にし、完全に層分離してから有機層を回収する
3. 2回抽出では、1回目の有機層を除いた後、新しい有機溶媒50.0 mLを加える
4. 水相体積は100.0 mLのまま、有機相との相互溶解・溶媒蒸発・Xの電離や反応は無視する
5. 各有機層を合わせたものを回収液とする
| 方法 | 1回当たりの有機溶媒 | 抽出回数 | 有機溶媒総量 |
|---|---|---|---|
| 方法A | 100.0 mL | 1回 | 100.0 mL |
| 方法B | 50.0 mL | 2回 | 100.0 mL |
方法A、BのX回収率と、最終的に水層へ残るXの量の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:方法A・Bとも回収率80.0%、水層残存量2.00 mmol。総有機溶媒量が同じなので結果も同じ
B:方法Aは回収率80.0%、水層残存量2.00 mmol。方法Bは回収率88.9%、水層残存量1.11 mmol
C:方法Aは回収率80.0%、水層残存量2.00 mmol。方法Bは回収率96.0%、水層残存量0.400 mmol
D:方法Aは回収率20.0%、水層残存量8.00 mmol。方法Bは回収率11.1%、水層残存量8.89 mmol
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:方法Aは回収率80.0%、水層残存量2.00 mmol。方法Bは回収率88.9%、水層残存量1.11 mmol全手順解説
- 抽出前の水層中Xをn前、平衡後に水層へ残る量をn後、有機溶媒体積をVo、水相体積をVwとする。
- D=(n有機/Vo)/(n後/Vw)、n有機=n前−n後より、n後=n前×Vw/(Vw+DVo)。分配比を濃度比でなく物質量比として直接使わない。
- 方法Aでは残存率=100.0/(100.0+4.00×100.0)=0.200。水層には10.00×0.200=2.000 mmol残り、8.000 mmol、すなわち80.0%を回収する。
- 方法Bの各回の残存率は100.0/(100.0+4.00×50.0)=1/3。
- 1回目後は10.00×1/3=3.333 mmol、2回目後は3.333×1/3=1.111 mmol。残存率は各回について掛け合わせる。
- したがって方法Bの回収量は10.00−1.111=8.889 mmol、回収率は88.89%≈88.9%。
- 96.0%は、100.0 mLでの残存率20.0%を、50.0 mL抽出にもそのまま2回掛けた誤答。各回のVoが変われば残存率も変わる。
- 参考として25.0 mLずつ4回なら、各回の残存率は1/2、最終残存量は10.00×(1/2)⁴=0.625 mmol、回収率93.75%。支給モデル内では同じ総量を分けるほど回収率が高くなる。
得点化各抽出の水層残存率Vw/(Vw+DVo)を求め、反復回数だけ掛ける。回収率は最後に1−残存率とする。
結晶水が母液の水も持ち去る再結晶を二本の収支で解く
無水塩A 91.0 gを80℃の水100.0 gに溶かして飽和溶液とした。これを20℃まで冷却すると、A·5H₂Oだけが結晶として析出し、母液は20℃で飽和になった。
1. 80℃でのAの溶解度は水100 g当たり91.0 g
2. 20℃でのAの溶解度は、残っている液体の水100 g当たり20.0 g
3. M(A)=160 g/mol、M(A·5H₂O)=250 g/mol
4. A·5H₂O 1 molはA 1 molと結晶水5 molを含む
5. 冷却中の蒸発、Aの分解、他の水和物の生成、ろ過時の母液付着は無視する
6. 溶解度は水和物質量でなく、無水塩Aの質量として表されている
| 温度 | Aの溶解度 / g per 水100 g | 平衡固相 | 扱い |
|---|---|---|---|
| 80℃ | 91.0 | なし | A 91.0 gと水100.0 gの飽和溶液 |
| 20℃ | 20.0 | A·5H₂O | 結晶水を母液の水から差し引く |
析出するA·5H₂Oの質量と、20℃の母液に残るA・液体水の質量の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:結晶71.0 g、母液中A 20.0 g・水100.0 g
B:結晶111 g、母液中A 20.0 g・水60.1 g
C:結晶125 g、母液中A 11.0 g・水55.0 g
D:結晶80.0 g、母液中A 11.0 g・水100.0 g
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:結晶125 g、母液中A 11.0 g・水55.0 g全手順解説
- 析出するA·5H₂Oをx molと置く。結晶へ移る無水塩Aは160x g、結晶水は5×18.0x=90x gである。
- したがって母液中のAは91.0−160x g、液体水は100.0−90x g。結晶水を溶質側だけでなく水側からも差し引く。
- 20℃の溶解度は残った液体水100 g当たり20.0 gなので、(91.0−160x)/(100.0−90x)=20.0/100.0。
- 91.0−160x=20.0−18.0xより71.0=142x、x=0.500 mol。
- 析出する水和物は0.500×250=125 g。内訳はA 80.0 gと結晶水45.0 g。
- 母液にはAが91.0−80.0=11.0 g、水が100.0−45.0=55.0 g残る。11.0/55.0×100=20.0より20℃の溶解度と一致する。
- 全質量も初めの191.0 gに対し、結晶125 g+母液(11.0+55.0) g=191.0 gで一致する。
- 91.0−20.0=71.0 gと単純に引く方法は、結晶水によって溶媒水も減ることを無視している。
- 71.0 gのAを水和物へ換算して111 gとしても、母液のA 20.0 g、水60.1 gではA/水×100≈33.3となり、20℃の飽和条件を満たさない。
得点化析出水和物のmolを未知数にし、無水塩と液体水の収支を別々に立てる。低温溶解度の分母は初めの水でなく、結晶水を除いた残存水。
電位差と電子molを分け、電極量から電池容量を求める
標準還元電位表を用いてZn–Cu電池の標準起電力を求める。また、負極のZn 3.25 gが全て酸化されるまで放電したときの電子量、Cu析出量、理論電気量を求める。
1. 標準還元電位はCu²⁺/Cu=+0.34 V、Zn²⁺/Zn=−0.76 V
2. M(Zn)=65.0 g/mol、M(Cu)=63.5 g/mol
3. F=9.65×10⁴ C/mol
4. Cu²⁺は十分にあり、Znが限界物質
5. 電流効率は100%、自己放電・副反応・電極の脱落は無視する
6. E°cellは標準状態の電位差であり、放電中の実際の端子電圧が常に1.10 Vという意味ではない
| 電極対 | 表に示された還元半反応 | E° / V | 放電時の役割 |
|---|---|---|---|
| Cu²⁺/Cu | Cu²⁺+2e⁻→Cu | +0.34 | 正極・還元 |
| Zn²⁺/Zn | Zn²⁺+2e⁻→Zn | −0.76 | 負極では逆向きに酸化 |
E°cell、Zn全量酸化時の電子量・Cu析出質量・理論電気量、および外部回路の電子方向の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:E°cell=2.20 V、電子0.100 mol、Cu 3.18 g、9.65×10³ C、電子は負極Znから正極Cuへ流れる
B:E°cell=−0.42 V、電子0.100 mol、Cu 3.18 g、9.65×10³ C、電子はCuからZnへ流れる
C:E°cell=1.10 V、電子0.100 mol、Cu 3.18 g、9.65×10³ C、電子は負極Znから正極Cuへ流れる
D:E°cell=1.10 V、電子0.100 mol、Cu 6.35 g、9.65×10³ C、電子は負極Znから正極Cuへ流れる
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:E°cell=1.10 V、電子0.100 mol、Cu 3.18 g、9.65×10³ C、電子は負極Znから正極Cuへ流れる全手順解説
- 放電時の負極ではZn(s)→Zn²⁺+2e⁻、正極ではCu²⁺+2e⁻→Cu(s)。総括反応はZn+Cu²⁺→Zn²⁺+Cu。
- 還元電位が高いCu²⁺/Cuが還元される正極、低いZn²⁺/Znが逆向きに進む酸化の負極となる。
- E°cell=E°正極−E°負極=+0.34−(−0.76)=1.10 V。半反応式を2倍しても電位を2倍しない。
- 電位は単位電荷当たりのエネルギーに対応する示強量である。反応式を倍にするとΔrG°と電子数nはともに倍になるため、E°=−ΔrG°/(nF)は不変。
- Znの物質量は3.25/65.0=0.0500 mol。Zn 1 molから電子2 molが出るので、電子量は0.100 mol。
- Cu²⁺+2e⁻→CuよりCuは0.100/2=0.0500 mol。質量は0.0500×63.5=3.175 g≈3.18 g。
- 理論電気量はQ=n(e⁻)F=0.100×9.65×10⁴=9.65×10³ C。参考に2.68 A·hに相当する。
- 外部回路の電子はZn負極からCu正極へ流れる。慣用電流の向きはこれと逆。
- 1.10 Vは標準電位表から得る標準起電力である。実際の電極電位は濃度・活量などで変化し、Znがなくなれば放電を継続できない。
得点化E°は正極−負極で求めて係数倍しない。一方、物質量と電気量は半反応式の電子係数で換算する。
一次標準物質でNaOHを標定し、採取試料から原液へ戻す
乾燥したフタル酸水素カリウムKHPを用いてNaOH水溶液を標定した。続いて食酢を正確に希釈し、その一部を標定済みNaOHで滴定して、原液の酢酸濃度と酢酸換算質量を求める。
1. KHPは純粋な一価酸としてNaOHと1:1で反応し、M(KHP)=204.2 g/mol
2. KHP 0.5105 gの中和にNaOH水溶液24.80 mLを要した
3. 食酢10.00 mLをメスフラスコで正確に100.0 mLへ希釈した
4. 希釈液20.00 mLの中和に標定済みNaOH水溶液16.40 mLを要した
5. 食酢中の滴定可能な酸は酢酸だけとし、CH₃COOHとNaOHは1:1で反応する
6. M(CH₃COOH)=60.0 g/mol
7. 指示薬・器具・温度による誤差は計算では無視する
| 段階 | 試料 | 測定量 | 求めるもの |
|---|---|---|---|
| NaOH標定 | KHP 0.5105 g | NaOH 24.80 mL | NaOHの正確な濃度 |
| 食酢の希釈 | 原液10.00 mL | 全量100.0 mL | 希釈倍率10.00 |
| 希釈液の滴定 | 希釈液20.00 mL | NaOH 16.40 mL | 原液の酢酸濃度 |
NaOH濃度、食酢原液の酢酸濃度、原液100 mL当たりの酢酸換算質量、および一次標準物質について最も適切な組合せを選べ。
A:0.1008 mol/L、0.08266 mol/L、0.496 g/100 mL。KHPは一価酸だが希釈倍率を戻さない
B:0.1008 mol/L、0.8266 mol/L、4.96 g/100 mL。高純度で安定なKHPを一次標準物質として用い、吸湿・CO₂吸収性のあるNaOHを標定する
C:0.2016 mol/L、1.653 mol/L、9.92 g/100 mL。KHPを二価酸として計算する
D:0.1008 mol/L、0.8266 mol/L、4.96 g/100 mL。NaOH固体を一次標準物質として直接秤量できるためKHP標定は不要
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 B:0.1008 mol/L、0.8266 mol/L、4.96 g/100 mL。高純度で安定なKHPを一次標準物質として用い、吸湿・CO₂吸収性のあるNaOHを標定する全手順解説
- KHPの物質量は0.5105/204.2=0.002500 mol。
- KHPは本問で一価酸と指定され、NaOHとの比は1:1。したがってNaOHも0.002500 mol。
- c(NaOH)=0.002500/0.02480=0.100806… mol/L。有効数字4桁で0.1008 mol/L。
- 希釈液20.00 mL中の酢酸は0.100806…×0.01640=0.00165323… mol。
- 希釈液の濃度は0.00165323…/0.02000=0.0826613… mol/L。
- 10.00 mLを100.0 mLへ希釈したので倍率は10.00。原液濃度は0.0826613…×10.00=0.826613… mol/L、4桁で0.8266 mol/L。
- 原液100.0 mL中の酢酸は0.826613…×0.1000=0.0826613… mol。質量は0.0826613…×60.0=4.95968… g。
- 酢酸のモル質量60.0が3桁なので、最終値は4.96 g/100 mL。この値は質量/体積濃度であり、密度を与えずに質量百分率と呼ばない。
- 途中計算では0.100806…を保持し、最後に丸める。0.1008を使っても最終丸め値は同じだが、段階ごとの丸めを重ねない。
- 『100.0 mLへ希釈』は最終体積を100.0 mLにする意味であり、水100.0 mLを加える意味ではない。
- KHPは高純度品を乾燥して正確に秤量でき、組成が明確で比較的安定なため一次標準物質に適する。一方、NaOHは吸湿しCO₂も吸収するため、固体秤量だけで正確な濃度を保証せず標定する。
得点化一次標準物質mol→NaOH濃度→採取液の酸mol→希釈液濃度→原液→指定体積の質量、の順に進み、丸めは最後に行う。
還元性・断片・水収支・pH別電荷を一枚でつなぐ
二糖S、直鎖トリペプチドP、グリシンについて得られた資料から、糖の同定、ペプチド配列、加水分解の量的関係、pHによる電荷を同時に判定する。
1. Sは現行課程で扱う代表的な二糖(マルトース、スクロース)のいずれかである
2. Sは加水分解前には銀鏡反応を示さず、完全加水分解するとグルコースとフルクトースを1 molずつ生じる
3. PはGly・Ala・Valを各1残基含む直鎖トリペプチドで、N末端はGly
4. Pの部分加水分解物からGly–AlaとAla–Valが得られた
5. M(Gly)=75.0、M(Ala)=89.0、M(Val)=117 g/mol
6. 直鎖ペプチド結合1個の完全加水分解にH₂O 1分子を消費する
7. グリシンのpKaは2.34と9.60。側鎖は解離せず、各pHでは主要化学種だけを考える
| 資料 | 観察・条件 | 固定できること | 誤答防止 |
|---|---|---|---|
| 二糖S | 加水分解前は非還元性、後にGlc+Fru | Sはスクロース | 生成単糖だけでなく加水分解前の還元性も照合 |
| Pの断片1 | Gly–Ala | Glyの次はAla | 完全加水分解では隣接順序は残らない |
| Pの断片2 | Ala–Val | Alaの次はVal | 重なるAlaを2回数えない |
| グリシン | pKa₁=2.34、pKa₂=9.60 | pH 1/6/12で+1/0/−1 | 低pHほどプロトン化、高pHほど脱プロトン化 |
S、Pの配列、Pのモル質量、P 1 molの完全加水分解で消費する水、およびpH 1・6・12でのグリシンの正味電荷の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:スクロース、Gly–Ala–Val、245 g/mol、水2 mol、電荷+1・0・−1
B:マルトース、Gly–Val–Ala、263 g/mol、水3 mol、電荷−1・0・+1
C:スクロース、Gly–Ala–Val、281 g/mol、水2 mol、電荷0・+1・−1
D:フルクトース、Ala–Gly–Val、245 g/mol、水1 mol、電荷+1・−1・−1
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:スクロース、Gly–Ala–Val、245 g/mol、水2 mol、電荷+1・0・−1全手順解説
- Sは加水分解前に銀鏡反応を示さず、加水分解後にグルコースとフルクトースを生じるのでスクロース。マルトースは加水分解前から還元性を示す。
- Gly–AlaとAla–Valを共通のAlaで重ねるとGly–Ala–Val。N末端がGlyという条件とも一致する。完全加水分解で得る遊離アミノ酸の種類と量だけでは配列は決まらない。
- 3残基の直鎖にはペプチド結合が3−1=2個あり、生成時にH₂O 2 molが脱離する。したがってM(P)=75.0+89.0+117−2×18.0=245 g/mol。
- 完全加水分解は二つのペプチド結合へ水を1分子ずつ加えるので、P 1 mol当たりH₂O 2 molを消費する。分子1個なら水分子2個で、基準を混同しない。
- pH 1は両pKaより低く主にH₃N⁺–CH₂–COOHで正味+1。pH 6は二つのpKaの間で主にH₃N⁺–CH₂–COO⁻の双性イオンとなり正味0。pH 12は両pKaより高く主にH₂N–CH₂–COO⁻で正味−1。
- pHを上げるほど脱プロトン化が進むため、正味電荷は+1→0→−1へ変化する。電気泳動では正味電荷と反対符号の電極へ移動する。
得点化糖は加水分解前後の還元性、ペプチドは重なる断片とN/C末端、量計算は結合数n−1、アミノ酸はpKaを境にした主要化学種で判定する。
ブランク補正後の内挿値を希釈前全量へ戻す
呈色成分Xの標準液と未知試料を同じ波長・セルで測定した。ブランクを含む検量線から希釈試料を定量し、原液全量のX質量へ戻す。
1. 標準液・未知試料へ同量の呈色試薬を加え、同じ最終体積・波長・光路長で測定
2. 0〜8.00 mg/Lで、ブランク補正吸光度と濃度は比例
3. 原液10.00 mLを全量50.00 mLへ正確に希釈し、その希釈液を測定
4. 原液は全250.0 mL
5. 標準範囲外への外挿、反応損失、体積収縮は考えない
| 溶液 | X濃度 / mg L⁻¹ | 測定吸光度 |
|---|---|---|
| ブランク | 0.00 | 0.020 |
| 標準1 | 2.00 | 0.120 |
| 標準2 | 4.00 | 0.220 |
| 標準3 | 6.00 | 0.320 |
| 標準4 | 8.00 | 0.420 |
| 希釈した未知試料 | ? | 0.270 |
希釈液濃度、原液濃度、原液250.0 mL中のX質量と処理の組合せとして最も適切なものを選べ。
A:5.40 mg/L、27.0 mg/L、6.75 mg;ブランクを無視して原点通過とする
B:5.00 mg/L、1.00 mg/L、0.250 mg;希釈倍率を逆向きにする
C:5.00 mg/L、25.0 mg/L、6.25 mg;ブランク補正後に範囲内で内挿し希釈倍率を戻す
D:0.250 mg/L、1.25 mg/L、0.313 mg;補正吸光度をそのまま濃度とする
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 C:5.00 mg/L、25.0 mg/L、6.25 mg;ブランク補正後に範囲内で内挿し希釈倍率を戻す全手順解説
- ブランク0.020を引くと、標準の補正吸光度は0.100、0.200、0.300、0.400。傾きは0.0500 (mg/L)⁻¹。
- 未知の補正吸光度は0.270−0.020=0.250なので、希釈液は0.250/0.0500=5.00 mg/L。標準範囲内の内挿である。
- c原液×10.00=c希釈×50.00より、原液は5.00×5.000=25.0 mg/L。
- 原液中の質量は25.0 mg/L×0.2500 L=6.25 mg。
- 吸光度を濃度へ直接読み替えず、信号→補正→内挿→希釈前→全量の単位鎖を保つ。
得点化ブランク→比例域で内挿→希釈倍率→原試料全量、の順を固定する。
単流転化率と再循環を分け、装置境界の総括反応へ戻す
アンモニア合成工程で、生成NH₃を完全分離し、未反応N₂・H₂を反応器へ全量再循環する定常フローを考える。
1. 新規供給はN₂ 100 mol/h、H₂ 300 mol/h
2. 反応器へ入るN₂をx mol/h、H₂を3x mol/hとする
3. N₂の単流転化率は各通過で25.0%
4. 反応器内の正味反応はN₂+3H₂⇄2NH₃だけ
5. NH₃は分離器で完全除去。未反応N₂/H₂は全量再循環
6. パージ・不活性物質・漏れ・副反応なし。Fe触媒は反応器内に保持
| 流れ | N₂ / mol h⁻¹ | H₂ / mol h⁻¹ | NH₃ / mol h⁻¹ |
|---|---|---|---|
| 新規供給 | 100 | 300 | 0 |
| 反応器入口 | x | 3x | 0 |
| 反応器出口 | 0.75x | 2.25x | 0.50x |
| 再循環 | 0.75x | 2.25x | 0 |
| 製品 | 0 | 0 | 0.50x |
定常状態のx、NH₃製品量、工場全体の総括物質収支と触媒の扱いの組合せとして正しいものを選べ。
A:x=400 mol/h、NH₃=200 mol/h;工場境界ではN₂+3H₂→2NH₃、Feは総括反応で消費しない
B:x=100 mol/h、NH₃=50.0 mol/h;N₂+3H₂→2NH₃、再循環を無視
C:x=400 mol/h、NH₃=200 mol/h;N₂+3H₂+Fe→2NH₃、Feも反応物
D:x=133 mol/h、NH₃=66.7 mol/h;2NH₃→N₂+3H₂、流れを逆向きに読む
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:x=400 mol/h、NH₃=200 mol/h;工場境界ではN₂+3H₂→2NH₃、Feは総括反応で消費しない全手順解説
- N₂について定常収支はx=100+0.75x。よって0.25x=100、x=400 mol/h。
- 各通過で正味反応するN₂は0.25x=100 mol/h、H₂は300 mol/h、NH₃は0.50x=200 mol/h。
- 未反応のN₂ 300 mol/hとH₂ 900 mol/hは内部再循環で、工場境界の入出力から相殺する。
- したがって外部から入るN₂ 100とH₂ 300がNH₃ 200になり、工場境界の総括物質収支はN₂+3H₂→2NH₃となる。反応器内では可逆反応として扱う。
- 単流転化率25%でも、本問の無損失・無パージ条件では新規供給の総括転化率は100%。Fe触媒は反応速度を高めるが反応物として消費しない。
得点化工程図は各装置の入出力を書き、内部再循環・中間体・触媒を消去して工場境界の総括収支を作る。
非共有電子対と対称性から分子全体の極性を決める
CO₂、H₂O、NH₃、CH₄について、価電子総数からLewis構造を作り、中心原子まわりの電子領域と結合双極子の和から分子形・極性を判定する。
1. 価電子数はH=1、C=4、N=5、O=6
2. Hは2電子、C・N・Oは原則8電子を満たす中性Lewis構造
3. 単結合・二重結合はいずれも1つの電子領域として数える
4. 分子形は原子核の配置を表し、中心原子の非共有電子対は形へ影響するが形の名称には含めない
5. 同種結合の双極子が対称に配置されればベクトル和は0
| 分子 | 価電子総数 | 中心原子の結合領域 | 中心原子の非共有電子対 |
|---|---|---|---|
| CO₂ | 16 | 2 | 0 |
| H₂O | 8 | 2 | 2 |
| NH₃ | 8 | 3 | 1 |
| CH₄ | 8 | 4 | 0 |
4分子の分子形と分子全体の極性の組合せとして正しいものを選べ。
A:CO₂:直線形・無極性/H₂O:折れ線形・極性/NH₃:三角錐形・極性/CH₄:正四面体形・無極性
B:CO₂:折れ線形・極性/H₂O:直線形・無極性/NH₃:正三角形・無極性/CH₄:正四面体形・極性
C:CO₂:直線形・極性/H₂O:折れ線形・無極性/NH₃:三角錐形・極性/CH₄:正四面体形・無極性
D:CO₂:直線形・無極性/H₂O:正四面体形・無極性/NH₃:正三角形・極性/CH₄:正方形・無極性
正解・全手順を開く正解・全手順を閉じる
正解 A:CO₂:直線形・無極性/H₂O:折れ線形・極性/NH₃:三角錐形・極性/CH₄:正四面体形・無極性全手順解説
- CO₂はO=C=Oで中心Cの2領域が180°に並ぶ直線形。等しいC=O結合双極子が逆向きに打ち消され無極性。
- H₂Oは中心Oの4領域中2つが非共有電子対で、原子核配置は折れ線形。O–H双極子は打ち消されず極性。
- NH₃は4領域中1つが非共有電子対で三角錐形。N–H双極子の和は0でなく極性。
- CH₄は4結合領域が正四面体形。対称なC–H結合双極子は打ち消され無極性。
- 電子対配置と分子形を区別し、極性結合の有無だけでなく立体的なベクトル和を最後に確認する。
得点化価電子総数→Lewis構造→電子領域→原子核の形→結合双極子の和、の5段階で判定する。
03 / COMPLETE MAP
高校化学・12学習区分
化学基礎と化学を分断せず、現行課程の「化学と社会・探究」までを、本教材独自の12区分で入試に使う順につなぎ直した全体地図です。
物質の構成
原子・同位体・電子配置・周期表・結合・結晶・物質量
物質の状態
気体・液体・固体・状態図・溶液・希薄溶液・コロイド
熱・速度・平衡
反応エンタルピー・ヘス・速度式・平衡定数・ルシャトリエ
酸塩基・酸化還元
pH・滴定・緩衝・半反応式・電池・電気分解
反応の原理
気体発生・沈殿・錯イオン・系統分離・工業製法
非金属元素
H・貴ガス・ハロゲン・O/S・N/P・C/Si
金属元素
典型金属・両性金属・遷移元素・イオンの色
脂肪族化合物
炭化水素・アルコール・カルボニル・酸・エステル・油脂
芳香族化合物
ベンゼン・フェノール・芳香族酸・アニリン・分離
天然高分子
単糖・多糖・アミノ酸・タンパク質・天然ゴム(核酸は発展補足)
合成高分子
付加重合・縮合重合・樹脂・合成ゴム・繊維
化学と社会・探究
材料・医薬・水処理・資源循環・グリーンケミストリー・探究設計
現行学習指導要領の必修項目と掲載場所
文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編」の化学基礎・化学を、独学用の33チェックへ分解。
| 課程・必修項目 | ここまで学ぶ | 掲載教材 | 共通テストでの使い方 |
|---|---|---|---|
| 化学基礎化学の特徴 | 物質の構造・性質・反応・エネルギーを、観察事実と粒子モデルで結ぶ | 未知現象を粒子・保存則へ翻訳 | |
| 化学基礎物質の分離・精製 | ろ過・蒸留・抽出・再結晶・昇華・クロマトグラフィー | 操作目的、回収率、誤差の向き | |
| 化学基礎単体と化合物 | 純物質と混合物、元素・単体・化合物、同素体、炎色反応・沈殿による元素の確認 | 用語分類、構成粒子、元素確認を対応 | |
| 化学基礎粒子の熱運動と物質の三態 | 固体・液体・気体、状態変化、熱運動、物理変化と化学変化の違い | 加熱曲線、粒子モデル、変化の分類 | |
| 化学基礎原子の構造・同位体 | 陽子・中性子・電子、原子番号・質量数、放射性同位体と利用 | 核種、存在比、質量分析 | |
| 化学基礎電子配置と周期表 | 価電子、族・周期、周期律、イオン化エネルギー | 位置から未知元素を外挿 | |
| 化学基礎イオン・共有・金属結合 | 電子式、配位結合、分子形・極性、結晶・高分子の構造 | 構造と物性を因果で選ぶ | |
| 化学基礎物質量 | 粒子数・質量・気体体積・モル濃度をmolで接続 | 単位変換と有効数字 | |
| 化学基礎化学反応式と量的関係 | 原子数・電荷の保存、係数比、限界試薬、収率 | 過不足、残量、純度・含有率 | |
| 化学基礎酸・塩基と中和 | 強弱・電離度、pH、中和、滴定、生成する塩の性質 | 当量点、存在粒子、塩の液性 | |
| 化学基礎酸化と還元 | 酸化数、電子授受、酸化剤・還元剤、イオン化傾向、ダニエル電池 | 液性別半反応式と電子mol | |
| 化学基礎化学が拓く世界 | 日常生活・社会を支える物質、反応、科学技術 | 初見技術を既知法則へ翻訳 | |
| 化学状態変化 | 融点・沸点と分子間力、融解熱・蒸発熱、状態図・蒸気圧 | 相境界・移動経路・熱収支 | |
| 化学気体の性質 | Boyle・Charles、状態方程式、混合気体・分圧、実在気体、分子運動 | K換算、水上置換、分圧分離 | |
| 化学固体の構造 | 体心・面心・六方最密、イオン結晶、配位数、非晶質 | 単位格子数、半径、密度 | |
| 化学溶解平衡 | 固体・気体の溶解度、飽和、再結晶、共通イオン、溶解度積 | 析出量、Ksp、Henryの法則 | |
| 化学溶液とその性質 | 蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧、コロイド | 粒子数係数、溶媒kg、半透膜 | |
| 化学化学反応と熱・光 | 反応エンタルピー、Hess、結合・生成エンタルピー、発光・吸収、吸熱反応の自発性 | 符号、経路操作、熱量計、エントロピーの定性 | |
| 化学電池 | 酸化還元で化学エネルギーを電気へ、実用電池・容量 | 正負極、放電反応、電子mol | |
| 化学電気分解 | 外部電源、陽極・陰極、水溶液、Faradayの法則、電流効率・直列槽、電解精錬 | 電極材・液性・Q=It・両極収支 | |
| 化学反応速度 | 平均・瞬間速度、速度式、濃度・温度・触媒の影響 | グラフの傾き、次数、速度定数 | |
| 化学化学平衡とその移動 | 可逆反応、平衡定数の変形、反応商、Le Chatelierの原理、不活性気体 | ICE表、QとK、温度・圧力・体積変化 | |
| 化学電離平衡 | 水のイオン積、弱酸・弱塩基、塩の加水分解、緩衝液、滴定4領域 | 中和後の粒子、Ka・Kb、緩衝成立条件 | |
| 化学典型元素 | 同族元素の単体・化合物を周期表で整理、気体・沈殿・工業製法 | 同族傾向、条件付き反応、系統比較 | |
| 化学遷移元素 | Cr・Mn・Fe・Cu・Zn・Agの色、沈殿、錯体、酸化還元、系統分離 | 液性・過剰試薬・沈殿とろ液の更新 | |
| 化学炭化水素 | アルカン・アルケン・アルキンの構造、物性、置換・付加・酸化 | 一般式、不飽和度、異性体 | |
| 化学官能基をもつ脂肪族化合物 | アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、油脂 | 検出反応、酸化、加水分解、構造決定 | |
| 化学芳香族化合物 | 芳香族炭化水素、フェノール、芳香族酸・アミン、ジアゾ化 | 置換経路、分離、試薬・観察 | |
| 化学合成高分子化合物 | 付加・縮合・開環、合成条件、構造・物性・用途、プラスチック、繊維、ゴム、高分子反応 | 繰返し単位、重合度、反応率、構造→物性 | |
| 化学天然高分子化合物 | 単糖・二糖・多糖、アミノ酸・タンパク質、天然ゴム(核酸は必修集計外の発展補足) | 加水分解、呈色、電荷、構造と物性 | |
| 化学様々な物質と人間生活 | 無機・有機・高分子の特徴と用途、安全、環境、資源循環 | 機能単位とライフサイクル比較 | |
| 化学化学が築く未来 | 新素材・医薬・エネルギー・分析・環境技術を科学的に評価 | 便益・リスク・証拠を別軸評価 | |
| 横断観察・実験と探究の全過程 | 問い、仮説、変数、対照、測定、分析・解釈、妥当性、改善、表現(誤差評価は本教材の補助技能) | 初見資料、実験計画、妥当性・再現性 |
04 / CORE THEORY LAB
理論化学を
原理と例題で通す
基礎から発展まで26テーマを「原理→式→処理順→1問→誤答」の同じ型で学びます。暗記した公式が、どの条件で使えるかまで説明できる状態を目指します。
単位格子と密度
単純立方・体心立方・面心立方の格子内粒子数Zは1・2・4。接触する方向から原子半径rと格子定数aを結ぶ。
- 頂点・面心・体心の粒子を図へ印す
- Zを決め、aをcmへ換算
- ρ=ZM/(Nₐa³)で検算
面心立方、M=63.5 g/mol、a=4.00×10⁻⁸ cm。密度は?
Z=4より ρ=4×63.5÷{6.02×10²³×(4.00×10⁻⁸)³}=6.59 g/cm³。誤答面対角線と体対角線を取り違えない。
状態図・気体・蒸気圧
状態図は温度・圧力で安定な相を示す。物質量一定の理想気体ではPV/Tが一定で、一定温度のPV=一定がボイル、一定圧力のV/T=一定がシャルルの法則。混合気体の全圧は分圧の和。
- 状態図は点の温度・圧力と移動経路を読み、境界・三重点・臨界点を確認
- 気体は℃をKへ直し、一定の物質量なら変化前後のPV/Tを等置
- 混合気体・水上置換では各成分と水蒸気の分圧を分離
27℃・1.00×10⁵ Paで2.00 Lの気体を、物質量一定のまま127℃・2.00×10⁵ Paへ変える。体積は? また全圧1.000×10⁵ Pa、水蒸気圧3.2×10³ Paなら乾燥気体の分圧は?
V₂=2.00×(1.00×10⁵/2.00×10⁵)×(400/300)=1.33 L。乾燥気体は1.000×10⁵−3.2×10³=9.68×10⁴ Pa。誤答V–TグラフがK表示で原点を通るのは物質量・圧力一定の理想気体。境界線上は2相共存し、水の固液境界は負勾配という例外がある。
溶解・再結晶・束一性
溶解は溶質–溶媒間の新しい相互作用をつくる過程で、飽和溶液では溶解と析出が同速。非揮発性溶質は溶媒のモル分率と蒸気圧を下げ、沸点上昇・凝固点降下・浸透圧は希薄溶液中の粒子数で決まる。逆浸透では、半透膜が溶質を通さない理想条件なら濃縮側の溶質量を保存する。
- 極性・水和と、溶解度が溶媒100 g基準であることを確認
- 再結晶は冷却・蒸発・結晶水を反映して高温と低温の溶解量差
- 束一性は粒子数を数える。逆浸透では溶質nを保存して変化後の体積からc=n/Vを求め直す
(A) 溶解度が80℃で80、20℃で20。水50 gの飽和溶液を冷却。(B) 尿素0.600 g(M=60.0)を水100 gへ溶かす。(C) CaCl₂ 0.0100 molを水100 gへ溶かし電離度α=0.800。(B)(C)ではKf=1.86 K·kg/mol。(D) 1.00 Lの0.100 mol/L非電解質溶液から逆浸透で溶媒0.400 Lだけが移動し、移動後の水溶液体積は0.600 Lとする。
(A) 40−10=30 g析出。(B) m=0.100 mol/kg、i=1よりΔTf=0.186 K。(C) ν=3、i=1+(3−1)×0.800=2.60よりΔTf=2.60×1.86×0.100=0.484 K。(D) 溶質0.100 molを保存しc=0.100/0.600=0.167 mol/L。同温度のΠは初めの1.67倍。誤答溶液質量を溶媒kgへ使わない。電解質では与えられた電離度からiを求める。逆浸透では溶質nを保存し、体積は指定値または問題で許された近似だけを使う。
反応速度・速度式・触媒
反応速度は単位時間内の濃度変化を反応係数で正規化した量。濃度–時間曲線の割線の傾きが区間の平均速度、接線の傾きが瞬間速度。速度式の指数は実験で決め、触媒は活性化エネルギーを下げるがΔH・K・平衡組成は変えない。
- 反応物の濃度減少には負号、生成物の増加には正号を付け係数で割る
- 曲線では2点の割線か、指定時刻の接線かを区別
- 初速度表から各次数を決め、kを各実験で計算して値と次数依存の単位が一致するか検算
(A) 2A→Bで10.0 s間に[A]が0.080 mol/L減少。(B) v=k[A]²で[A]=0.100 mol/L、v=4.00×10⁻³ mol L⁻¹ s⁻¹。反応速度とkは?
(A) v=−(1/2)×(−0.080/10.0)=4.0×10⁻³ mol L⁻¹ s⁻¹。(B) k=4.00×10⁻³/(0.100)²=0.400 L mol⁻¹ s⁻¹。誤答−Δ[A]/Δtを係数2で割り忘れない。vとkの単位を同じにせず、総括反応式の係数を速度式の指数と決めつけない。
反応商・化学平衡・溶解度積
平衡では正逆速度が等しく、同じ式へ現在濃度を入れた反応商QとKの比較で進む向きを決める。初期・変化・平衡量を係数で結ぶ方法は均一平衡と溶解平衡に共通。
- 反応式からK式を書き、純固体・純液体を除く
- 初期濃度から係数比で変化量xを置くICE表を作る
- KまたはKspへ代入し、0≦各濃度・元素保存・近似条件を検算
H₂+I₂⇄2HI。初期濃度がH₂=I₂=1.00 mol/L、HI=0、Kc=4.00のとき平衡濃度は?
変化量をxとするとKc=(2x)²/(1.00−x)²=4.00。正の範囲で2x/(1−x)=2よりx=0.500。平衡時H₂=I₂=0.500、HI=1.00 mol/L。誤答平方根後の負号・物理範囲外の解を採らない。Kへ純固体を入れず、共通イオン存在時のKspをs²としない。
酸塩基・滴定曲線
混合直後は化学量論で強く進む反応を完了させ、その後に残った粒子の電離・加水分解を考える。当量点は必ずしもpH7ではない。
- 酸・塩基のmolから反応式に従うH⁺授受当量を求め、過不足を処理する
- 中和後の存在粒子を全て書く
- 強弱・Ka・加水分解からpHを判断
0.100 mol/L酢酸20.0 mLを0.100 mol/L NaOH 20.0 mLで滴定。当量点の液性は?
酢酸イオン2.00 mmolが残り加水分解するため塩基性(pH>7)。誤答酸・塩基のmol数が等しいことを一般の当量条件とせず、当量点=中性点とも決めつけない。
電池・電気分解
半反応式で電子係数をそろえる。電池の放電時は負極で酸化・正極で還元し、二次電池の充電時は放電反応が逆向きに進む。電気分解は陽極で酸化・陰極で還元する。
- 放電・充電・電気分解のどれかを判定し、電極材と電解質から両極の候補を書く
- 水溶液電解では活性電極の反応を確認後、イオンと水の候補を指定条件で比較して半反応式を書く
- Q÷Fで電子molへ直し、電子係数比で生成物molへ
Cu²⁺を含む水溶液へ1.93×10⁴ C通電。Cu析出量は?
電子0.200 mol。Cu²⁺+2e⁻→CuよりCu 0.100 mol、約6.35 g。誤答充電時も放電時の半反応式をそのまま使わない。電流Aと時間sを掛け、分をそのまま使わない。
反応エンタルピー・自発性
ΔHは定圧での熱の出入り。熱量計では、書かれた反応式に対する反応進行量ξへ割り戻す。各元素の基準状態(指定温度・標準圧力で最も安定な単体)の標準生成エンタルピーは0で、ほかの同素体は0とは限らない。数値的なΔGによる自発性判定は発展事項。
- 目的反応・係数・物質の状態を固定
- 生成エンタルピーは係数を含めて生成物−反応物、熱量計は符号付きq周囲を反応進行量ξで割り符号を反転
- 課程内は自発性を定性的に判断し、発展資料でのみT・ΔH・ΔSの単位をそろえてΔGを計算
ΔH<0、ΔS>0の反応はどの温度で自発的?
【発展】ΔH・ΔSの符号が対象温度範囲で変わらない近似では、T>0でΔG=ΔH−TΔSは常に負となり、その範囲の全温度で自発的。反応が速いことまでは意味しない。誤答発熱反応だから必ず速い、としない。熱量計のnを物質量なら何でもよいとせず、反応式基準のξを使う。
化学量論・過不足・濃度範囲
反応係数νに対し各物質量はn=n₀+νξ。反応物ごとに消費できるξの上限を求め、最小値を限界試薬が決める。『全て反応した』は必要量以上、『残った』は必要量未満という不等式にも翻訳できる。
- 質量・体積・濃度をすべてmolへ
- 各反応物のn₀/係数を比較し、限界試薬または境界値を決める
- 観察を=ではなく≦・<・≧・>のどれかへ翻訳
- 最小値ξから残量・生成量、または上下限の共通範囲を求める
(A) 2H₂+O₂→2H₂OでH₂ 3.0 mol、O₂ 2.0 mol。(B) 10.00 mLの未知HClでMg 0.750 mmolは全て溶け、Mg 1.00 mmolではMgが残った。濃度範囲は?
(A) ξ=min(3.0/2,2.0)=1.5。O₂は0.5 mol残り、H₂Oは3.0 mol。(B) Mg+2HClより1.50 mmol≦n(HCl)<2.00 mmol。0.150 mol/L≦c<0.200 mol/L。誤答少ないmolの物質が必ず限界試薬とは限らない。『全部溶けた』を厳密な等号にせず、等号を含む側も観察の意味から決める。
化学反応と光・吸光光度法
化学反応前後の化学エネルギー差は光の発生・吸収として現れることがある。光吸収で高いエネルギー状態へ励起され、基底状態へ戻るときに光を放つ場合がある。化学発光は化学反応がつくる励起状態からの発光。【資料読解・発展】透過率Tは入射光強度I₀に対する透過光強度Iの比で、吸光度Aは−log₁₀T。適切な濃度範囲ではA=εclとなり、濃度cと光路長lに比例する。
- 発光か吸収かを区別し、波長から光子エネルギーを比較
- 吸光測定では%Tを100で割ってTへ直し、波長・ブランク・軸と単位を確認
- 比例域で内挿し、希釈倍率と採取量から原試料へ戻す
同じ溶液を光路長lのセルで測るとT=0.40だった。光路長2lでは?
Aが2倍なので−logT₂=2(−log0.40)、したがってT₂=0.40²=0.16。透過率が半分の0.20になるわけではない。誤答発光と反射を同一視しない。%Tをそのまま対数へ入れず、検量線範囲外へ外挿しない。Beer–Lambert式は問題で与えられる資料読解として扱う。
物質の分類・分離・精製
物質は純物質と混合物に分かれ、純物質は単体と化合物に分かれる。元素は原子番号で定まる原子の種類で、単体とは区別する。分離は粒径・溶解度・沸点・分配・吸着性などの差を利用する。
- 各成分と利用できる性質の差を書く
- ろ過・蒸留・抽出・再結晶・昇華・クロマトグラフィーから順序を選ぶ
- 各段階のろ液・残留物・留出物を追跡し回収率で検算
NaCl 7.20 gと砂4.80 gの混合物を水で処理し、ろ液からNaCl 6.84 gを回収した。回収率は?
6.84÷7.20×100=95.0%。砂の回収量を分母に使わない。誤答元素と単体を同義にしない。蒸発乾固・蒸留・再結晶は回収対象で使い分ける。
同位体・相対質量・質量分析
同位体は陽子数が同じで中性子数が異なる原子。相対原子質量は各同位体質量の存在比による加重平均で、質量分析ではイオンの質量電荷比m/zとピーク強度から組成を読む。【機器分析・発展】同位体希釈では添加前後の同位体量を保存し、高分解能MSやフラグメントは問題で与えられた精密質量・生成規則だけを使う。
- 原子番号から陽子数、質量数との差から中性子数を求める
- m/zと電荷数から核種・分子種を割り当てる
- 存在比を小数へ直して同位体ごとのmol収支を立て、親ピーク−断片ピークは脱離した中性種の質量候補と照合
³⁵Clが75.80%、³⁷Clが24.20%。質量を質量数で近似したClの相対原子質量は?
35×0.7580+37×0.2420=35.484より35.48。同位体希釈では全量の加重平均を置き、未知の試料量を逆算する。誤答同位体と同素体を混同しない。2価イオンではm/zが質量のおよそ1/2。精密質量や断片化規則を暗記必修とせず、必ず支給資料の定義と電荷数を確認する。
化学結合・電子式・分子形・極性
イオン結合は陽陰イオン間の静電気力、共有結合は共有電子対、金属結合は自由電子による結合。分子の形は中心原子まわりの電子対反発で決まり、分子全体の極性は結合極性と立体配置の両方で決まる。
- 価電子総数を数え骨格と共有電子対を書く
- 非共有電子対を補い電子対配置から形を決める
- 結合の極性と対称性から打ち消しを判定
CO₂とH₂Oの分子形と分子全体の極性は?
CO₂は直線形で双極子が打ち消され無極性。H₂Oは非共有電子対により折れ線形で、打ち消されず極性分子。誤答極性結合を含む分子が必ず極性分子とは限らない。
反応式・mol・濃度の基礎
化学反応式は原子数と電荷を保存し、係数比は粒子数比・物質量比を表す。質量・粒子数・理想気体のP,V,T・溶液濃度をいったんmolへ変換すると、異なる設問を同じ手順で処理できる。
- 化学式を変えず係数で原子数と電荷をそろえる
- 与えられた量をmolへ直し係数比で目的物質のmolを求める
- 指定単位へ戻して桁と単位を確認
0.200 mol/L Na₂CO₃水溶液25.0 mLを完全中和する0.100 mol/L HClは何mL?
Na₂CO₃+2HCl→2NaCl+H₂O+CO₂。Na₂CO₃は5.00×10⁻³ mol、HClは1.00×10⁻² mol。V=0.100 L=1.00×10² mL。誤答cVのVはL、PV/RTはRに合う単位と絶対温度K。添字を変えて反応式を合わせず、係数だけを調整する。
最密構造・イオン結晶・非晶質
六方最密と立方最密は配位数12、充填率約74%。代表的なイオン結晶の配位数はNaCl型6:6、CsCl型8:8、ZnS型4:4。共有結合結晶ではダイヤモンドの各Cは4配位、黒鉛の各Cは層内3配位、SiO₂では各SiがOへ4配位し各OがSiへ2配位する。非晶質には長距離秩序がない。
- 層の積み重なりABABまたはABCABCと配位数を確認
- 境界上の粒子を持分で数え組成比を決める
- 構成粒子・結合・配位数から硬さと伝導性を説明し、結晶と非晶質を長距離秩序・融解挙動・回折像で比較
NaCl型、M=58.5 g/mol、a=5.64×10⁻⁸ cmの密度は? またNaCl型・CsCl型・ZnS型の配位数は?
Z=4よりρ=4×58.5÷{6.02×10²³×(5.64×10⁻⁸)³}=2.17 g/cm³。配位数は順に6、8、4。誤答最密構造の配位数12とイオン結晶の配位数を混同しない。黒鉛をダイヤモンドと同じ4配位・不導体にせず、SiO₂を独立分子の集まりとしない。
ヘンリーの法則・ラウールの法則
一定温度・一定量の溶媒では、反応しにくい気体の溶解量はその気体の分圧に比例する。理想溶液では各成分の蒸気分圧は液相モル分率と純物質の蒸気圧の積で、全圧は分圧の和。
- 温度と溶媒量が一定か確認し、対象気体の分圧比で溶解量を比例換算
- 液相モル分率から各成分の蒸気分圧を求める
- 分圧の和とΣyᵢ=1で検算
(A) ある気体が100 kPaで2.00 mmol溶ける。同温度・同量の溶媒で分圧40.0 kPaなら? (B) Pₐ°=100. kPa、Pᵦ°=40.0 kPa、液相xₐ=0.300の理想溶液の全圧と気相yₐは?
(A) 2.00×40.0/100=0.800 mmol。(B) Pₐ=30.0 kPa、Pᵦ=28.0 kPa、P全=58.0 kPa、yₐ=30.0÷58.0=0.517。誤答全圧でなく対象気体の分圧を使う。温度・溶媒量が変われば単純比例せず、ラウール式のxは液相組成。
共役酸塩基・緩衝液
ブレンステッド酸はH⁺供与体、塩基はH⁺受容体。H⁺一個の差をもつ粒子が共役対。弱酸HAと共役塩基A⁻が共存すると、加えた少量の酸・塩基を消費してpH変化を小さくする。緩衝能は共役対の総濃度が高いほど大きく、総濃度一定ならHAとA⁻が同程度のとき最大になりやすい。
- 強酸・強塩基と緩衝成分を先に化学量論で反応
- 反応後のHAとA⁻の物質量比を求める
- Ka式からpHを計算しpKa付近か確認
Ka=1.8×10⁻⁵、HAとA⁻各10.0 mmolへHCl 1.00 mmolを添加。体積変化無視でpHは?
A⁻=9.00 mmol、HA=11.0 mmol。pKa=4.745、pH=4.745+log(9/11)=4.66。誤答HClの全H⁺をそのまま濃度にしない。pH=pKaだけで緩衝能の大きさまで決めず、緩衝容量超過後には式を適用しない。
酸化還元滴定
酸化剤が受け取る電子量と還元剤が放出する電子量は等しい。ヨウ素滴定ではI₂+2S₂O₃²⁻→2I⁻+S₄O₆²⁻を基準にし、デンプンは終点近くの淡黄色になってから加える。逆滴定は最初に加えた過剰試薬から残量を引く。空試験補正の符号は測定原理で決め、対象物が多いほど最終滴定量が増えるか減るかで検算する。
- 半反応式または総括式を作り、標定済み滴定液のcVを反応molへ変換
- 直接滴定・逆滴定・空試験のどれかを判定し、差を取る対象と符号を言葉で固定
- 採取液のmolから希釈倍率・試料全量へ戻し、終点指示薬と添加時期も検算
(A) 酸性Fe²⁺水溶液25.00 mLを0.0200 mol/L KMnO₄ 18.60 mLで滴定。(B) I₂を含む25.00 mLを0.0100 mol/L Na₂S₂O₃で滴定すると20.30 mL、同条件の空試験は0.30 mL。各濃度は?
(A) MnO₄⁻:Fe²⁺=1:5よりFe²⁺=1.86×10⁻³ mol、濃度0.0744 mol/L。(B) 本問は背景消費を差し引く定義なので補正体積20.00 mL。S₂O₃²⁻=2.00×10⁻⁴ mol、I₂はその1/2で1.00×10⁻⁴ mol、濃度0.00400 mol/L。誤答補正式を器具名だけで固定しない。常に1:1、空試験量を無条件に加算・減算、逆滴定の残量を初期量と同方向へ足す、濃青色の初期からデンプンを大量添加、を避ける。過マンガン酸滴定の酸性化には通常、塩酸でなく希硫酸を用いる。
探究設計・測定誤差・データ分析
独立変数以外の条件をそろえ、対照・空試験・反復を設ける。偶然誤差は反復でばらつきを評価できるが、器具のずれなどの系統誤差は平均しても消えない。精度と正確度は別に判断する。
- 問いと仮説、独立・従属・統制変数を明示
- 空試験・対照・複数回測定を計画し有効数字を器具に合わせる
- 平均・ばらつき・外れ値を検討しデータ範囲内で結論
24.80、24.90、25.00 mL。基準25.00 mLのとき平均・相対誤差・範囲は?
平均24.90 mL、相対誤差0.40%、範囲0.20 mL。平均値は基準値より0.40%低い。ずれとばらつきを分けて評価。誤答相関だけで因果を断定しない。除外基準は原則として結果を見る前に定める。事後に装置異常や統制条件違反が判明した場合は、生データを残し、原因・採否理由・再測定を記録する。
有機・高分子の量論と資源循環
付加重合では原則として単量体の全原子が高分子へ入り、縮合重合では結合形成ごとにH₂Oなどが脱離する。再利用は機械的再生・化学的再生・エネルギー回収を区別し、工程を含む物質収支で比較する。
- 単量体の官能基と生成結合を印して重合形式を判定
- 繰返し単位と脱離分子の式・物質量を求める
- 変換率・収率を適用し質量収支を確認
テレフタル酸1.00 molとエチレングリコール1.00 molを用い、両単量体の各85.0%がPETの繰返し単位へ転化した。末端を無視するとPETと脱離水は?
繰返し単位式量=166+62.0−36.0=192。PET=192×0.850=163 g、水=36.0×0.850=30.6 g。誤答縮合重合で単量体質量の和をそのまま高分子質量にしない。単離収率と反応転化率も区別する。
塩の加水分解と滴定4領域
弱酸を強塩基で滴定すると、初期はKa、共役対共存域は緩衝、当量点はA⁻のKb=Kw/Ka、当量後は過剰OH⁻で解く。弱塩基Bを強酸で滴定する場合は鏡像で、初期はKb、B/BH⁺共存域は緩衝、当量点はBH⁺のKa=Kw/Kb、当量後は過剰H⁺が支配する。
- 先に中和のmol収支を完了し、弱種・共役種・過剰な強酸塩基を決める
- 共役対が両方ならKaまたはKb、当量点なら残った塩の加水分解、当量後なら過剰H⁺・OH⁻を使う
- 近似後にx/C≪1、水の自己電離無視、25℃ならpH+pOH=14を検算
25℃、0.100 mol/L NH₃ 20.0 mLを0.100 mol/L HClで滴定する。Kb=1.8×10⁻⁵。半中和点と当量点のpHは?
半中和点は[NH₃]=[NH₄⁺]なのでpOH=pKb=4.74、pH=9.26。当量点はNH₄⁺が2.00 mmol/40.0 mL=0.0500 mol/L、Ka=Kw/Kb=5.56×10⁻¹⁰。[H⁺]≈√(KaC)=5.27×10⁻⁶ mol/LよりpH=5.28。誤答弱塩基滴定の半中和点でpH=pKbとせずpOH=pKb。当量点をpH7とせず、共役対が一方しかない当量点へ緩衝式を使わない。
平衡定数の変形と操作別Q
反応式を逆転するとKは逆数、全係数をn倍するとKⁿ、複数反応を加えるとKを掛ける。平衡操作はKの暗記方向でなく、操作直後の反応商QとKを比べる。不活性気体の効果は体積一定か全圧一定かで異なる。理想気体として濃度基準と分圧基準を結ぶ発展式では、気体係数差Δnも反応式から数える。本教材のKp/Kc数値計算は濃度をmol L⁻¹、分圧を指定単位で表す教科書型の関係であり、熱力学的平衡定数は標準状態で規格化した活量による無次元量として区別する。
- 目的反応へ各反応式を逆転・倍量・加算し、その操作をKへ同時に反映
- 圧縮・希釈・成分追加直後の分圧または濃度だけでQを再計算
- QとKで移動方向を決める。発展式ではΔnと、問題指定に整合するR・圧力・濃度の単位を確認
N₂+3H₂⇄2NH₃が平衡にある。体積を1/2にすると? 不活性気体を体積一定で加えると? また5.00×10² K、Kc=1.681×10³、R=0.0820 L·atm/(mol·K)のとき発展式によるKpは?
体積半減直後のQpは2²/2⁴=1/4倍でQp<KpとなりNH₃側へ移動。不活性気体を体積一定で加えても反応成分の分圧は不変で移動しない。Δn=2−4=−2よりKp=1.681×10³×(0.0820×5.00×10²)⁻²=1.00。誤答不活性気体で全圧が上がっただけで向きを決めない。KpとKcを無条件に同じ数値とせず、反応式のΔnと単位系を確認する。
水溶液電解の両極・物質収支
水溶液電解では陰極・陽極の候補を水、溶存イオン、電極材から選び、両極を同じ電子量で結ぶ。目的反応の電流効率ηが与えられればn(e⁻)=Itη/F。直列槽では同じ電気量が各槽を通る。
- 溶融塩か水溶液か、電極が不活性か活性かを確認して両半反応式を書く
- Q=Itをe⁻molへ直し、効率があれば小数ηを掛け、各極の電子係数で生成量へ換算
- 電解前後の全イオン、電極質量、気体、液性を更新し、目的イオン枯渇後の反応切替も確認
0.500 mol/L CuSO₄水溶液2.00×10² mLをPt電極で、1.93×10⁴ Cだけ電解する。F=9.65×10⁴ C/mol。Cu析出量とO₂は?
e⁻=0.200 mol。陰極Cu²⁺+2e⁻→CuよりCu=0.100 mol=6.35 g。陽極2H₂O→O₂+4H⁺+4e⁻よりO₂=0.0500 mol(標準状態1.12 L)。初めのCu²⁺も0.100 molなのでちょうど全量が析出し、さらに通電すれば陰極反応は水素発生へ切り替わる。誤答両極へ電気量を半分ずつ配らない。溶液中の目的イオンが尽きても同じ電極反応が続くとしない。
金属イオン系統分離の分岐
系統分離は沈殿の難溶性、錯体形成、酸塩基平衡と酸化還元を段階的に利用する。H₂SではpH上昇により[S²⁻]が大きくなるため、酸性と塩基性で沈殿できる硫化物が変わる。一方、酸性H₂SはFe³⁺をFe²⁺へ還元し得るため、Fe(III)含水酸化物を沈殿させる前に余分なH₂Sを除き、鉄をFe³⁺へ戻す工程が要る。
- 希HClでAgClなどの難溶性塩化物を沈殿・ろ別し、ろ液へ酸性H₂Sを通してCuSなどを沈殿・ろ別
- ろ液を煮沸して過剰H₂Sを除き、指定された少量のHNO₃などでFe²⁺をFe³⁺へ再酸化
- NH₄Clを先に加えてからNH₃でFe(III)の赤褐色含水酸化物を選択沈殿・ろ別し、続いてろ液を塩基性にしてZnSを沈殿
- 最後にCO₃²⁻などで残る典型金属を分け、各分画を色・溶解・錯体反応で確認
Ag⁺、Cu²⁺、Fe³⁺、Zn²⁺、Ca²⁺の混合液を順に分ける代表工程は?
希HCl→AgCl、酸性H₂S→CuS(Fe³⁺還元に伴うSも生じ得る)。CuSろ別後、H₂Sを煮沸除去しFe²⁺をFe³⁺へ再酸化する。NH₄Clを先に加えNH₃→Fe(III)の赤褐色含水酸化物(FeO(OH)等;旧来の近似表記Fe(OH)₃)、塩基性H₂S→ZnS、(NH₄)₂CO₃→CaCO₃。各沈殿をその都度ろ別する。誤答酸性H₂Sを沈殿試薬だけとみなしFe³⁺の酸化数変化を落とさない。H₂Sを残したまま酸化剤やNH₃を加えず、NH₃より先にNH₄Clを加える。Fe(III)沈殿を一定組成のFe(OH)₃として量論計算しない。有毒なH₂Sを自己実験せず、実操作は学校・設備・指導者の管理下で行う。
自発性とエントロピー(ΔG計算は発展)
現行課程では、吸熱反応でも粒子やエネルギーがより多くの微視的状態へ分散してエントロピーが増大すれば自発的に進み得ることを定性的に扱う。厳密な自発性は系だけでなく周囲を含む全体で考え、速く進むかは活性化エネルギーと反応速度の問題である。
- 相・気体mol・混合や拡散から、系の取り得る状態が増えるかを定性的に読む
- 熱の出入りにより周囲へ与える影響も分け、自発性と速度を混同しない
- 発展式を使う資料問題ではTをK、ΔHとTΔSを同じkJ/molへそろえ、ΔG<0を判定
【発展】資料にΔH=+50.0 kJ/mol、ΔS=+2.00×10² J/(mol·K)とある。ΔH・ΔSを対象温度範囲で一定とみなし、298 Kで自発的か?
ΔS=0.200 kJ/(mol·K)。ΔG=50.0−298×0.200=−9.6 kJ/molなので、与えた条件では自発的。境界はT=50.0/0.200=250 Kで、この近似の範囲では高温側が有利。誤答ΔSのJをkJへ直さないまま計算しない。ΔH・ΔSの温度依存性を無条件に無視せず、ΔG<0でも反応が短時間で観察できるとは限らない。
高分子の構造から物性を予測
高分子の物性は繰返し単位だけでなく、鎖の分岐・極性・水素結合・剛直性・配向・結晶化・架橋・添加剤で決まる。構造が鎖の詰まり方と動きやすさを変え、それが密度・強度・柔軟性・加熱挙動・用途へ現れる。
- 主鎖・側鎖と極性基、水素結合部位を構造式から拾う
- 線状・分岐・架橋、配向・結晶性から鎖の滑りやすさを比較
- 密度・強度・柔軟性・加熱挙動のデータと整合させ、同時に回収性も評価
同程度の分子量のPE-Aは分岐が多く密度0.92、PE-Bは分岐が少なく密度0.96 g/cm³。一般に硬いのはどちらで、なぜ?
PE-B。分岐が少ない鎖は規則的に詰まりやすく、結晶性・密度・剛性が高くなる傾向がある。数値は証拠、鎖の充塡が化学的理由。誤答『HDPEだから硬い』で止めず構造を説明する。傾向には分子量・温度・添加剤などの条件も影響する。
P–T PHASE DIAGRAM
状態図は「点」ではなく
移動経路で読む
- 現在地温度・圧力の点がどの領域か確認。
- 経路加熱は右、加圧は上へ移動。
- 境界線上は2相平衡、交差すれば相変化。
- 例外通常の融解曲線は正勾配。水は氷の方が体積大のため負勾配。
三重点より低圧では、加熱しても液相を通らず昇華します。臨界温度より高温では、加圧だけで液化できません。
塩の分類名と水溶液の液性を分ける
正塩・酸性塩・塩基性塩は化学式の組成分類。液性は溶解後の各イオンと水の平衡から判定します。
| 区分 | 例 | 分類・反応の根拠 | 水溶液の液性 | 典型ミス |
|---|---|---|---|---|
| 正塩 | NaCl・Na₂CO₃・NH₄Cl | 酸の電離可能なHと塩基のOHが形式上すべて置換 | 中性とは限らない。Na₂CO₃は塩基性、NH₄Clは酸性 | 『正塩=中性塩』としない |
| 酸性塩 | NaHSO₄・NaHCO₃・NaH₂PO₄ | 多価酸のHが一部残る組成分類 | NaHSO₄は酸性、NaHCO₃は弱塩基性など、各イオンの平衡で判定 | 『酸性塩=酸性水溶液』としない |
| 塩基性塩 | MgCl(OH)・2CuCO₃·Cu(OH)₂ | 塩基由来のOHなどが一部残る組成分類 | 難溶性の場合も多く、名称だけで溶液pHを断定しない | 化学式全体の電荷中性を検算 |
| 強酸+強塩基の塩 | NaCl・KNO₃ | 共役イオンの加水分解がともにごく小さい | 通常ほぼ中性 | 『すべての正塩』へ一般化しない |
| 強酸+弱塩基の塩 | NH₄Cl | NH₄⁺+H₂O⇄NH₃+H₃O⁺ | 酸性 | Cl⁻が酸性にするのではない |
| 弱酸+強塩基の塩 | CH₃COONa・Na₂CO₃ | A⁻+H₂O⇄HA+OH⁻ | 塩基性 | Na⁺が塩基性にするのではない |
| 弱酸+弱塩基の塩 | CH₃COONH₄ | 陽イオンの酸性と陰イオンの塩基性が競合 | 対応するKaとKbを比較 | 必ず中性と決めない |
分散相と分散媒からコロイドを分類する
ゾル・ゲル・エマルション・エアロゾルを、名称だけでなく「何が何に分散しているか」で再生します。
| 分散系 | 分散相 | 分散媒 | 特徴 | 例 | 典型ミス |
|---|---|---|---|---|---|
| ゾル | 固体など | 液体 | 流動性のあるコロイド分散系 | 金ゾル・硫黄ゾル | 真の溶液としない |
| ゲル | 分散粒子の網目 | 網目内に液体を保持 | 半固体状で流動性が小さい | ゼラチンゲル・シリカゲル | 単に高濃度の溶液としない |
| エマルション | 液体 | 別の液体 | 互いに混ざりにくい液体の分散 | 牛乳・乳化液 | 乳化剤の有無と安定性を区別 |
| 液体エアロゾル | 液体 | 気体 | 微小液滴が気体中に分散 | 霧 | 水蒸気そのものとしない |
| 固体エアロゾル | 固体 | 気体 | 微粒子が気体中に分散 | 煙 | 気体分子の均一混合としない |
| サスペンション | 比較的大きな固体粒子 | 液体 | 静置で沈降しやすく、ろ過で分離しやすい | 泥水 | すべての分散系をコロイドとしない |
05 / PERIODIC TABLE
周期表を「地図」として読む
元素名を覚えるだけでなく、電子配置・イオン化エネルギー・電気陰性度・金属性の傾向を位置から復元します。元素を押すと入試の要点を表示します。
族=縦列
同族は価電子配置が似るため、イオンの価数や反応性が似る。現行周期表は1〜18族。
周期=横列
典型元素では周期番号が最外殻の電子殻に対応。同周期は左から右へ原子番号が1ずつ増える。
周期律=性質の反復
原子番号順に並べると性質が周期的に変化する。メンデレーエフの表を経て、現在は原子番号が基準。
位置 → 電子 → 性質
場所を見て価電子・イオン・結合・酸化数を予測する。この復元が資料問題で使える理解になる。
本表の「半金属」はB・Si・Ge・As・Sb・Teを便宜上まとめた表示です。Po・Atなど境界元素の分類は資料により異なるため、問題文の定義を優先します。
周期表を飛ばして、選択元素の解説へ原子半径
概ね左下ほど大きい。周期では有効核電荷、族では電子殻増加が支配。
イオン半径
同じ元素なら一般に陽イオン<原子<陰イオン。等電子系列では核電荷が大きいほど小さい。電子殻数や配位数が異なる値を単純比較しない。
第一イオン化エネルギー
概ね右上ほど大。Be/B、N/O、Mg/Al、P/Sなど局所的な逆転がある。
電子親和力
電子1個を受け取るとき放出するエネルギー。概ね右上で大きくハロゲンが大。ClとFなど局所例外があり、閉殻の貴ガスは単純な傾向から除く。
電気陰性度
概ね右上ほど大きくFが最大。貴ガスは通常比較から除く。
金属性
概ね左下ほど強い。陽イオンになりやすさと結びつけて判断。
MEMORY 01 · 原子番号1〜20
水兵リーベ、僕の船。
七曲がりシップス、クラークか。
語呂だけで止めず、1周期は2個、2・3周期は8個という区切りとセットで再生。
MEMORY 02 · 21〜36
5個ずつ音で切る
遷移元素10個→典型元素6個という構造を先に覚える。
MEMORY 03 · 分類
境界と例外を固定
- 両性 Al・Zn・Sn・Pb「ああ、すんなり」
- 液体 状態確立済みではBr₂・Hg
- 気体 H₂,N₂,O₂,F₂,Cl₂+He〜Rn
2022 NEW CURRICULUM
古い教材との差分
- 遷移元素:教科書では3〜12族(定義により12族を含めない場合あり)
- アルカリ土類金属:2族すべて
- 18族の名称:貴ガス
- 昇華の逆過程:凝華
- 熱化学:反応エンタルピー ΔH
GROUP RECALL
頻出4族は縦に再生
名称だけでなく、上からの順番・単体の状態・反応性を同時に結びます。
アルカリ金属
Li · Na · K · Rb · Cs · FrLi〜Csの実測範囲では概ね、下ほど水との反応が激しい。Frへ単純外挿せず、Hは含めない。
アルカリ土類金属
Be · Mg · Ca · Sr · Ba · Ra現行課程では2族すべて。炎色と硫酸塩の溶解性を比較。
ハロゲン
F · Cl · Br · I | At · Ts比較する4単体はF₂・Cl₂が気体、Br₂が液体、I₂が固体(常温・常圧)。At・Tsへ状態を単純外挿しない。
貴ガス
He · Ne · Ar · Kr · Xe · Rn · OgHe〜Rnは単原子気体(教科書では単原子分子とも表現)で、閉殻のため反応性が低い。Heは低温・浮揚、Neは放電管、Arは電球・不活性雰囲気。Xeには化合物があり、Ogの常温状態は未確定。
06 / REDOX BUILDER
生成物が与えられれば
5手で組み立てられる
係数を丸暗記せず、原子数と電荷の保存から半反応式を組み立てます。反応物・生成物と液性を条件文で確定し、まず酸性条件で完成させる手順が基本です。
STEP 5 / 5
原子数と電荷を検算
原子数の保存と電荷の保存を別々に処理すれば、見慣れない酸化剤でも同じ手順で完成します。
COMBINE EXAMPLE
KMnO₄でFe²⁺を酸化
MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5e⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O
Fe²⁺ → Fe³⁺ + e⁻ ×5
MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5Fe²⁺ → Mn²⁺ + 4H₂O + 5Fe³⁺電子数の最小公倍数をそろえて加え、両辺のe⁻を消去。最後に原子数と総電荷を検算します。
OXIDATION & BASIC
酸化側と塩基性変換を具体化
酸化側: H₂O₂ → O₂ + 2H⁺ + 2e⁻
生成物MnO₂を指定し、酸性方式で整えた中間式: MnO₄⁻ + 4H⁺ + 3e⁻ → MnO₂ + 2H₂O
両辺に4OH⁻、H₂Oを約分:
MnO₄⁻ + 2H₂O + 3e⁻ → MnO₂ + 4OH⁻別例: ClO⁻ + H₂O + 2e⁻ → Cl⁻ + 2OH⁻
酸化では電子を右辺へ置く。塩基性表記への変換はH⁺を直接削除せず、同数のOH⁻を両辺へ加えて水に変えます。ここではMnO₂を生成物として指定した式を変換したのであり、実際のMnO₄⁻の還元生成物は液性などに依存します。酸性では通常Mn²⁺、中性付近ではMnO₂、強塩基性ではMnO₄²⁻も確認します。上の最終式はMn各1、O各6、H各4、総電荷各−4で検算できます。
07 / ENTHALPY LAB
熱量計算を
符号から理解する
旧課程の「熱化学方程式」は、現行課程では化学反応式と反応エンタルピーΔHで表現します。計算は熱の受け手と出し手を分ければ迷いません。入試ではJ・kJを基本とし、calが与えられた場合は1 cal = 4.184 J(1 kcal = 4.184 kJ)で換算します。
THE CORE
反応エンタルピーΔH = H生成物 − H反応物式を逆向き:符号反転
係数をn倍:ΔHもn倍
式を加える:ΔHも加える
吸熱でも進む理由を4符号で整理
課程内の核はエントロピー増大の定性的理解。ΔGによる数値判定は、共テの初見資料にも対応する発展ツールです。符号が扱う温度範囲で一定とみなせる場合を示します。
| ΔH | ΔS(系) | 温度依存(発展) | 定性的な見方 | 典型ミス |
|---|---|---|---|---|
| ΔH<0 | ΔS>0 | 全温度でΔG<0 | 発熱とエントロピー増大の両方が進行を後押し | 自発的だから速いとしない |
| ΔH>0 | ΔS<0 | 全温度でΔG>0 | 吸熱かつエントロピー減少で自発性には不利 | 外部から仕事を加えれば絶対に起こらない、とは限らない |
| ΔH<0 | ΔS<0 | 低温側で自発的になりやすい | 発熱の利点とエントロピー減少の不利が競合 | 温度を上げれば常に反応が進むとしない |
| ΔH>0 | ΔS>0 | 高温側で自発的になりやすい | 吸熱でもエントロピー増大が高温で優勢になり得る | J/KとkJを換算せず境界温度を出さない |
必修の言い方:吸熱反応でもエントロピー増大が進行要因になり得る。厳密には系+周囲の全体で判断し、自発的=速いではありません。 文科省解説 p.114 ↗
WORKED EXAMPLE
中和エンタルピーを実測値から求める
1.00 mol/L HCl 50.0 mL と 1.00 mol/L NaOH 50.0 mLを混合。溶液100.0 g、比熱4.18 J/(g·K)、温度上昇6.80 Kとする。外界への熱損失と熱量計の熱容量は無視する。
- 溶液が受け取った熱q溶液 = mcΔT
- 生成したH₂Oの物質量n(H₂O)=0.0500 mol
- 反応系は熱を失うΔrH = −q溶液/n(H₂O)
最小値は質量0.01 g、比熱0.001 J/(g·K)、熱量計熱容量0 J/K、反応進行量0.0001 mol。Ccalを無視する指定なら0。温度変化は正負を含む数値で入力し、ΔT>0なら周囲側が受熱、ΔT<0なら周囲側が放熱です。
溶液・熱量計側の熱量 q周囲 2.84 kJ
反応エンタルピー -56.8 kJ/mol
HESS'S LAW
途中経路に依存しない
目的反応になるよう既知の式を逆向き・倍量・加算。物質の状態まで一致させ、始点と終点の差を求めます。
08 / INORGANIC INDEX
無機化学は
分類で覚える
元素ごとの丸暗記から離れ、気体・沈殿・色・錯イオン・工業製法の横断表で比較します。
気体の発生・捕集・検出を一続きで覚える
発生法は試薬・濃淡・加熱・触媒まで一組で、捕集法は水溶性と空気に対する密度から別に決めます。臭い欄は知識資料であり、未知気体を直接かいで確認しません。
| 気体 | 代表発生法 | 色・臭い | 捕集 | 検出 | 要点 |
|---|---|---|---|---|---|
| H₂ | Zn+希HCl(または希H₂SO₄) | 無色・無臭 | 上方/水上 | 装置から離し、空気と混ざった少量を点火するとポン音 | 可燃性。酸化性酸でH₂発生と決めず、H₂とO₂の混合物が爆鳴気 |
| O₂ | 2H₂O₂→2H₂O+O₂(MnO₂触媒) | 無色・無臭 | 水上 | 赤熱した(火の消えかかった)線香が再燃・激しく燃える | 助燃性。MnO₂は触媒で、反応前後の量を収支へ入れない |
| NH₃ | 2NH₄Cl+Ca(OH)₂→CaCl₂+2NH₃+2H₂O(加熱) | 無色・刺激臭 | 上方 | 湿った赤リトマス→青/HClで白煙 | 塩基性・極めて水溶性。乾燥はCaO |
| HCl | NaCl+H₂SO₄→NaHSO₄+HCl(濃硫酸・加熱) | 無色・刺激臭 | 下方 | NH₃で白煙/湿った青リトマス→赤 | 酸性・水溶性大。濃硫酸は揮発しにくい酸として働く |
| Cl₂ | MnO₂+4HCl→MnCl₂+Cl₂+2H₂O(濃塩酸・加熱) | 黄緑・刺激臭 | 下方 | 湿った色紙を漂白 | 酸化性・有毒。乾いた色紙では漂白作用を確認しにくい |
| H₂S | FeS+2HCl→FeCl₂+H₂S(希塩酸) | 無色・腐卵臭 | 下方 | Pb²⁺で黒色PbS | 還元性・有毒。においで直接判定しない |
| SO₂ | Na₂SO₃+2HCl→2NaCl+H₂O+SO₂/Cu+2H₂SO₄→CuSO₄+SO₂+2H₂O(熱濃硫酸) | 無色・刺激臭 | 下方 | 酸性KMnO₄をMn²⁺へ還元して退色(酸性不足ではMnO₂褐色) | 主に還元性。条件により酸化剤にもなる |
| CO₂ | CaCO₃+2HCl→CaCl₂+H₂O+CO₂(希塩酸) | 無色・無臭 | 下方 | 石灰水を白濁 | 水に溶け一部反応するため水上置換を標準としない酸性酸化物 |
| NO | 3Cu+8HNO₃→3Cu(NO₃)₂+2NO+4H₂O(希硝酸) | 無色 | 水上 | 空気で褐色NO₂へ | 空気中で酸化される。捕集前の装置内空気を追い出す |
| NO₂ | Cu+4HNO₃→Cu(NO₃)₂+2NO₂+2H₂O(濃硝酸) | 赤褐色・刺激臭 | 下方 | 初め水と反応してHNO₃とHNO₂。HNO₂の後続反応まで含めると総括的にHNO₃とNO | 酸化性・有毒。水上置換しない |
| C₂H₂ | CaC₂+2H₂O→C₂H₂+Ca(OH)₂ | 無色(純物質はほぼ無臭) | 水上 | 臭素水を脱色/希薄な中性〜塩基性KMnO₄では紫色が消えてMnO₂の褐色沈殿/すすを伴って燃焼 | 粗製気体の臭いを純C₂H₂の性質とせず、発生口へ直接点火しない |
沈殿・色・過剰試薬
「生じるか」だけでなく、過剰に加えた後まで追う。
| イオン | 試薬 | 沈殿色 | 過剰・追加操作 |
|---|---|---|---|
| Ag⁺ | Cl⁻ / Br⁻ / I⁻ | 白 / 淡黄 / 黄 | AgClは希NH₃、AgBrは濃NH₃に溶解、AgI不溶 |
| Ba²⁺ | SO₄²⁻ | 白 | 希酸にも溶けにくい |
| Cu²⁺ | OH⁻ | 青白 | NH₃過剰で深青色溶液 |
| Fe²⁺ | OH⁻ | 緑白 | 空気酸化で赤褐色へ |
| Fe³⁺ | OH⁻ | 赤褐 | 含水酸化物(FeO(OH)等)を生じ、酸に溶ける |
| Al³⁺ | OH⁻ | 白 | 過剰NaOHに溶ける・NH₃には不溶 |
| Zn²⁺ | OH⁻ | 白 | 過剰NaOHにもNH₃にも溶ける |
| Cu²⁺ / Pb²⁺ / Fe²⁺ | S²⁻ | 黒 | 硫化物の沈殿条件は液性で変化 |
| Cd²⁺ | S²⁻ | 黄 | 無機の色問題で頻出 |
陰イオンは前処理・液性・追加確認まで追う
各試験は原試料を別々に分取して行います。酸や試薬が持ち込むイオンと、似た観察を示す妨害物質まで確認します。
| 陰イオン | 操作・前処理 | 観察 | 追加確認・条件 | 典型ミス・安全 |
|---|---|---|---|---|
| Cl⁻ | 希HNO₃で酸性化→AgNO₃ | AgCl 白 | 希NH₃に溶ける | 前処理にHClを使ってCl⁻を持ち込まない |
| Br⁻・I⁻ | 希HNO₃で酸性化→AgNO₃ | AgBr 淡黄・AgI 黄 | AgBrは濃NH₃に溶け、AgIは不溶 | HClでCl⁻を持ち込まず、色だけでなくNH₃への溶解も使う |
| SO₄²⁻ | 希HCl→BaCl₂ | BaSO₄ 白 | 希酸にも溶けにくい | CO₃²⁻・SO₃²⁻のBa塩という妨害を酸で除く。H₂SO₄を加えない |
| CO₃²⁻・HCO₃⁻ | 酸を加え、発生気体を石灰水へ | CO₂でCaCO₃白濁 | SO₃²⁻共存時は酸性KMnO₄でSO₂を除去後、CO₂を確認。CO₂過剰ではCa(HCO₃)₂へ | SO₂もCaSO₃を生じて白濁する。気泡だけでCO₂と確定しない |
| SO₃²⁻ | 酸性化し、支給された酸化還元試薬で確認 | SO₂を生じ、酸性KMnO₄を還元して退色 | 液性不足ならMnO₂が生じ得る | 刺激臭を直接かいで確認しない |
| S²⁻ | 金属イオンとの沈殿を液性込みで比較 | CuS・PbSなど黒、CdS黄、ZnS白 | 酸性では[S²⁻]が低く沈殿範囲が変わる | 酸を加えて生じ得るH₂Sは有毒。においで判定しない |
| PO₄³⁻ | 中性付近でAg⁺など(支給条件を優先) | Ag₃PO₄ 黄 | 酸性化で平衡・溶解性が変わる | 試薬の液性を無視して沈殿を断定しない |
工業製法の一本化
原料・触媒・平衡条件・副生成物をセットで。
| 製品 | 製法 | 反応の軸 | 条件・要点 |
|---|---|---|---|
| アンモニア | ハーバー・ボッシュ法 | N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃ | Fe触媒・高温高圧 |
| 硝酸 | オストワルト法 | NH₃ → NO → NO₂ → HNO₃ | Pt触媒・酸化・吸収 |
| 硫酸 | 接触法 | SO₂ → SO₃ → 発煙硫酸 | V₂O₅触媒 |
| 炭酸ナトリウム | アンモニアソーダ法 | NaCl+NH₃+CO₂+H₂O→NaHCO₃↓+NH₄Cl | 2NaHCO₃→Na₂CO₃+CO₂+H₂O。NH₃を再生し、CaCl₂が副生 |
| 水酸化ナトリウム | イオン交換膜法 | 濃NaCl水溶液を電気分解 | 陽極Cl₂・陰極H₂ |
| アルミニウム | 溶融塩電解 | Al₂O₃を氷晶石に溶かす | ホール・エルー法 |
| 鉄鋼 | 高炉→転炉 | Fe₂O₃+3CO→2Fe+3CO₂ | コークスからCOを作り鉄鉱石を還元。CaCO₃→CaO、CaO+SiO₂→CaSiO₃(スラグ)。高炭素の銑鉄を転炉で脱炭・不純物酸化して鋼へ |
| 銅 | 黄銅鉱の選鉱・製錬→電解精錬 | CuFeS₂→銅鈹→粗銅→純銅 | 粗銅を陽極、純銅板を陰極、CuSO₄水溶液を電解液にする。Cuは陽極で溶け陰極へ析出、Ag・Auなどは陽極泥 |
族・系列ごとの横断整理
位置 → 酸化数 → 単体 → 化合物 → 例外の順で比較。
| 族・系列 | 代表元素 | 共通する軸 | 必修知識 | 典型ミス |
|---|---|---|---|---|
| 1族(H以外) | Li・Na・K | +1価/軟らかい/水と反応 | 単体は石油中。水酸化物は強塩基。炎色と製法を対応 | Hをアルカリ金属へ含めない |
| 2族 | Be・Mg・Ca・Sr・Ba・Ra | +2価/下ほど反応性増大 | 水酸化物の溶解度は概ね下ほど増大、硫酸塩は下ほど難溶 | 現行課程ではBe・Mgもアルカリ土類金属 |
| 13族 Al | Al・Al₂O₃・Al(OH)₃ | 両性/不動態/溶融塩電解 | 酸・強塩基との反応式、テルミット反応、ミョウバン | 酸化皮膜があっても常に不反応ではない |
| 14族 C・Si | CO・CO₂/SiO₂・ケイ酸塩 | 酸化物・同素体・共有結合結晶 | 石灰水、COの還元性、ガラス・セメント・半導体 | CO₂とSiO₂の構造・状態を同じとしない |
| 15族 N・P | NH₃・HNO₃/P₄・H₃PO₄ | 窒素固定・肥料・酸化剤 | NH₃製法、硝酸の濃度別生成気体、リンの同素体 | NOは無色、空気酸化後のNO₂が赤褐色 |
| 16族 O・S | O₂・O₃・H₂O₂/H₂S・SO₂・H₂SO₄ | 酸化数が多様/酸化還元 | H₂O₂の二面性、SO₂の還元性、濃硫酸の3作用 | 中間酸化数の物質は酸化剤にも還元剤にもなる |
| 17族 | F₂・Cl₂・Br₂・I₂ | 上ほど酸化力大/下ほど融沸点大 | 置換反応、AgX沈殿、Cl₂の漂白、I₂デンプン反応 | ハロゲン単体とハロゲン化物イオンの還元力は逆傾向 |
| 3〜12族(教科書区分) | Cr・Mn・Fe・Cu・Zn・Ag | 多くで複数酸化数・有色イオン・触媒作用・錯体形成 | CrO₄²⁻/Cr₂O₇²⁻、MnO₄⁻、Fe²⁺/Fe³⁺、Cu²⁺錯体 | 定義により12族を含めない場合がある。Zn²⁺は無色など例外あり |
頻出遷移元素6種の反応マトリクス
Cr・Mn・Fe・Cu・Zn・Agを、色・沈殿・錯体・酸化還元・用途で比較。
| 元素 | イオン・色 | 沈殿 | 過剰試薬・酸化還元 | 材料・用途 |
|---|---|---|---|---|
| Cr | Cr³⁺:緑〜紫/CrO₄²⁻:黄/Cr₂O₇²⁻:橙 | Cr(OH)₃:灰緑・両性 | 酸性のCr₂O₇²⁻は強い酸化剤 | めっき・ステンレス鋼 |
| Mn | Mn²⁺:淡赤/MnO₄⁻:赤紫 | MnO₂:黒褐 | MnO₄⁻は酸性でMn²⁺、中性付近でMnO₂へ | 乾電池・酸化剤 |
| Fe | Fe²⁺:淡緑/Fe³⁺:黄褐 | Fe(OH)₂:緑白/Fe(III)含水酸化物(FeO(OH)等):赤褐 | Fe²⁺⇄Fe³⁺、Fe³⁺+SCN⁻で血赤色錯体 | 鉄鋼・触媒 |
| Cu | Cu²⁺:青 | Cu(OH)₂:青白/Cu₂O:赤 | NH₃過剰で深青色錯体、電解精錬 | 電線・黄銅・青銅 |
| Zn | Zn²⁺:無色 | Zn(OH)₂:白・両性 | 過剰OH⁻とNH₃の両方に溶ける | めっき・黄銅・電池 |
| Ag | Ag⁺:無色 | AgCl:白/AgBr:淡黄/AgI:黄 | AgClは希NH₃、AgBrは濃NH₃に溶け、AgIは不溶 | 銀鏡・感光材料 |
09 / ORGANIC PATHWAY
有機反応を
矢印でつなぐ
各矢印を「反応形式・試薬・観察」で説明できれば、構造決定と合成経路が同時に解けます。
アルコール性KOH:脱離
同族列・一般式・物性の入口
官能基 → 分子間力 → 沸点・水溶性 → 反応の順に予測。
| 物質群 | 一般式・官能基 | 命名・例 | 物性の理由 | 主要反応 |
|---|---|---|---|---|
| アルカン | CₙH₂ₙ₊₂ | -ane/メタン・エタン… | 無極性に近く水に難溶。炭素数増加で沸点は概ね上昇 | 置換・燃焼 |
| シクロアルカン | 単環・飽和:CₙH₂ₙ | cyclo-/シクロヘキサン | 環1個で不飽和度1。C=Cがなくても単純アルケンと同じ一般式 | 置換・燃焼 |
| アルケン | 鎖式・C=C 1本:CₙH₂ₙ | -ene/エチレン・プロピレン… | C=Cの回転が制限され、条件を満たすと幾何異性(単純例cis–trans、一般にE/Z) | 付加・酸化・重合 |
| アルキン | 鎖式・C≡C 1本:CₙH₂ₙ₋₂ | -yne/アセチレン… | 三重結合1本は不飽和度2。付加は2段階 | 付加・酸化 |
| アルコール | R–OH | alkanol/メタノール・エタノール… | 低級は水素結合で水に溶けやすく、対応アルカンより高沸点 | 酸化・脱水・置換 |
| エーテル | R–O–R′ | alkoxyalkane/ジエチルエーテル | 同炭素数のアルコールより分子間水素結合が弱く低沸点 | HIなど強酸性条件で開裂/燃焼 |
| アルデヒド/ケトン | R–CHO/R–CO–R′ | -al/-one | C=Oは極性をもち、低級化合物は水に溶ける | 酸化・還元・検出 |
| カルボン酸/エステル | R–COOH/R–COOR′ | -oic acid/-oate | 酸は水素結合が強く高沸点。エステルは中性 | 中和・エステル化・加水分解 |
ベンゼン
芳香族性を保つため置換反応が中心。
- Cl₂ / FeCl₃ → クロロベンゼン
- 濃HNO₃ / 濃H₂SO₄ → ニトロベンゼン
- 発煙硫酸、または濃H₂SO₄・加熱 → ベンゼンスルホン酸
ベンゼン → フェノール
スルホン化 → NaOH融解 → 酸遊離。フェノールはFeCl₃で紫色、臭素水で白色沈殿。
ベンゼン → アニリン
ニトロ化 → Sn/HClで還元 → 塩基遊離。ジアゾ化とカップリングでアゾ染料へ。
トルエン → 安息香酸
側鎖を強く酸化。環への置換はo,p配向、側鎖の反応との区別が重要。
官能基別・試薬と観察の全表
「何が何に変わるか」を、反応形式と観察まで一行で。
| 物質群 | 反応形式 | 試薬・条件 | 生成物・観察 | 典型ミス |
|---|---|---|---|---|
| アルカン | 置換・燃焼 | Cl₂/光、O₂ | ハロゲン化・CO₂/H₂O | 高級アルカンでは置換位置により混合物 |
| アルケン | 付加・酸化・付加重合 | H₂、X₂、HX、H₂O/H⁺、KMnO₄ | 通常のHX付加・酸触媒水和は安定な中間体を経る向き(マルコフニコフ型)が主/臭素水脱色/穏やかなKMnO₄で隣接ジオール、強条件でC=C開裂 | 非対称付加の方向を条件なしで断定しない。過酸化物存在下HBrなど機構が変わる例外は支給条件に従う |
| アルキン | 段階的付加 | H₂、X₂、HX、H₂O/H⁺・Hg²⁺ | 三重結合→二重→単結合/水和後にカルボニル化合物 | 水和を水だけで進む反応とせず、付加1回と2回後を区別 |
| アルコール | 酸化・脱水・Naとの反応 | [O]、濃H₂SO₄・加熱、Na、I₂/NaOH | 1級→アルデヒド→酸、2級→ケトン。CH₃CH(OH)–をもつものとエタノールはヨードホルム反応陽性 | 3級は通常の酸化を受けにくい。ヨードホルム陽性を全2級アルコールへ広げない |
| アルデヒド・ケトン | 酸化・還元・検出 | 銀鏡、フェーリング、2,4-DNPH、H₂、I₂/NaOH | 脂肪族アルデヒドは典型的に銀鏡・フェーリング陽性。CH₃CO–をもつカルボニル化合物とアセトアルデヒドはヨードホルム反応陽性 | ギ酸・還元糖も還元性検出に陽性。芳香族アルデヒドは通常フェーリング陰性。ヨードホルム反応はI₂だけでなく塩基性条件が必要 |
| カルボン酸 | 中和・エステル化 | 塩基、炭酸塩、アルコール/H⁺ | 塩・CO₂・エステル | フェノールより強いが強酸ではない |
| エステル | 加水分解・けん化 | H⁺/H₂O、NaOH | 酸+アルコール/カルボン酸塩+アルコール | 塩基性加水分解は実質一方向 |
| 油脂 | 付加・けん化 | H₂/Ni、NaOH | 硬化油、脂肪酸塩+グリセリン | 不飽和度とヨウ素価を逆にしない |
| ベンゼン | 求電子置換 | Cl₂/FeCl₃、濃HNO₃/濃H₂SO₄、発煙硫酸または濃H₂SO₄・加熱 | ハロゲン化・ニトロ化・スルホン化 | 通常条件で臭素水を脱色する付加反応ではない。スルホン化は可逆で条件に注意 |
| フェノール | 弱酸・置換・呈色 | NaOH、Br₂水、FeCl₃ | 塩、2,4,6-トリブロモ体白沈、紫呈色 | NaHCO₃とはほぼ反応しない |
| アニリン | 弱塩基・塩形成・臭素化・ジアゾ化 | HCl、Br₂水、NaNO₂/HCl・低温 | アニリニウム塩/2,4,6-トリブロモアニリン白色沈殿と臭素水脱色/ジアゾニウム塩 | ジアゾ化は0〜5℃程度。臭素水との置換をベンゼンの通常反応と混同しない |
| 芳香族ジアゾ化合物 | カップリング・加水分解 | フェノール類(塩基性側など支給条件)、温水 | アゾ染料/フェノール+N₂発生 | ジアゾニウム塩は高温で分解しやすい。カップリングの液性・位置は支給条件を優先 |
| サリチル酸 | エステル化・アセチル化 | CH₃OH/H⁺、無水酢酸 | サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸 | どちらのOHが反応するかを構造で確認 |
反応後の抽出・洗浄・乾燥・精製
反応式で終わらず、どの物性差で目的物を移動・回収・同定するかまで追います。実施は学校・設備・指導者の管理下が前提です。
| 工程 | 原理・目的 | 判断すること | 典型ミス・安全 |
|---|---|---|---|
| 反応・還流 | 沸点付近で反応を進め、揮発成分を冷却して戻す | 反応を速めつつ損失を抑える | 密閉加熱/冷却水停止/自宅再現 |
| 停止・冷却 | 後続操作に適した温度・反応性へ | SDS・実験手順に従い、急な沸騰・圧力上昇・副反応を防ぐ | 熱いまま分液漏斗へ移す/自己判断で停止試薬を加える |
| 抽出・層分離 | 分配差または酸塩基反応で目的物を層間移動 | 上下層は密度・滴下試験・資料で確認 | 有機層は常に上と決める |
| 洗浄・放圧 | 水溶性の酸・塩基・塩を除く | 炭酸水素塩等で気体が出る場合は指示どおり放圧 | 玉栓を付けたまま下層を流す |
| 有機層の乾燥 | 無水塩などで残留する微量水を除く | 乾燥剤が新たに固まらず所定の状態を保つか、指定手順で確認 | 水層全体を乾燥剤で消すと考える |
| 乾燥剤除去・溶媒除去 | ろ過・デカント後、沸点差で溶媒を分ける | 目的物の揮発性・熱安定性を考える。引火性溶媒は着火源を排除し、換気設備・指導者管理下で扱う | 乾燥剤ごと加熱/蒸発乾固を無条件に行う/開放火炎で加熱 |
| 再結晶・蒸留 | 溶解度差または沸点差で純度を高める | 回収率と純度のトレードオフを記録 | 大量の熱溶媒/最初から最後まで全留分を混合 |
| 同定・評価 | 質量、融点・沸点、呈色、スペクトル等を組合せる | 純粋な結晶性物質は一般に狭い温度範囲で融け、可溶性不純物は多くの場合、融点を下げて融解範囲を広げる。文献値と複数の証拠を照合 | 回収率と純度は別指標。分解・多形・溶媒和物では融点だけで単純判定しない |
分子式
元素分析・燃焼から含有元素を決める。質量差でOを出せるのはC,H,Oのみの試料。
不飽和度
環とπ結合の合計を先に限定。
官能基
呈色・酸化・加水分解で候補を絞る。
対称性
異性体数・生成物数で骨格を確定。
異性体を模型なしでも数える
結合順 → 回転制限 → 鏡映 → 重ね合わせの順に判定。
| 種類 | 成立条件 | 代表例 | 漏れを防ぐ手順 |
|---|---|---|---|
| 構造異性 | 原子の結合順が異なる | C₄H₁₀の直鎖と分岐 | 骨格→位置→官能基の順で列挙し、対称性で重複除去 |
| 幾何異性(cis–trans/E–Z) | C=Cの各炭素がそれぞれ異なる2置換基をもつ | cis-/trans-2-ブテン。一般の置換体は優先順位を用いるE/Z | 二重結合があっても片方のCに同じ置換基2個なら生じない。全例をcis/transだけで命名しない |
| 鏡像異性 | 主に4種類の置換基をもつ不斉炭素がある | 乳酸 CH₃CH(OH)COOH | 不斉炭素1個なら通常1組(2種)。内部対称面・メソ体に注意 |
| 立体表示 | くさび=手前、破線=奥、平面線=紙面 | 分子模型・投影式 | 紙面上の回転と鏡映を区別し、重ね合わせ可能性で判定 |
10 / POLYMER PAIRS
高分子は分類と生成法で
天然高分子と合成高分子を分け、合成品は原料、重合・高分子反応、結合、用途を対応させます。
| 合成高分子 | 原料・前駆体 | 重合・高分子反応 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ポリエチレン | エチレン | 付加/[–CH₂–CH₂–]ₙ | 袋・容器 |
| ポリプロピレン | プロピレン | 付加/[–CH₂–CH(CH₃)–]ₙ | 繊維・容器 |
| ポリ塩化ビニル | 塩化ビニル | 付加/[–CH₂–CHCl–]ₙ | 管・シート |
| ポリスチレン | スチレン | 付加/[–CH₂–CH(C₆H₅)–]ₙ | 発泡材・容器 |
| ポリ酢酸ビニル | 酢酸ビニル | 付加 | 接着剤・PVA原料 |
| ポリメタクリル酸メチル | メタクリル酸メチル | 付加 | 透明板 |
| PET | テレフタル酸+エチレングリコール | 縮合/[–O–CH₂–CH₂–O–CO–C₆H₄–CO–]ₙ | ボトル・繊維 |
| ナイロン66 | アジピン酸+ヘキサメチレンジアミン | 縮合/[–NH–(CH₂)₆–NH–CO–(CH₂)₄–CO–]ₙ | 合成繊維 |
| ナイロン6 | ε-カプロラクタム | 開環重合/[–NH–(CH₂)₅–CO–]ₙ | 合成繊維 |
| ポリイミド | 酸二無水物+ジアミン | 開環重付加→脱水環化 | 耐熱材料 |
| ポリアクリロニトリル(PAN) | アクリロニトリル | 付加重合 | アクリル繊維・炭素繊維前駆体 |
| ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) | テトラフルオロエチレン | 付加重合 | 耐薬品・低摩擦材料 |
| ニトリルゴム(NBR) | 1,3-ブタジエン+アクリロニトリル | 共重合 | 耐油性ゴム |
| クロロプレンゴム(CR) | クロロプレン | 付加重合 | 耐候・耐油性ゴム |
| フェノール樹脂 | フェノール+ホルムアルデヒド | 縮合・熱硬化/三次元網目。単一の線状繰返し単位で固定しない | 電気部品 |
| 尿素樹脂 | 尿素+ホルムアルデヒド | 縮合・熱硬化/三次元網目。単一の線状繰返し単位で固定しない | 接着剤 |
| メラミン樹脂 | メラミン+ホルムアルデヒド | 縮合・熱硬化/三次元網目。単一の線状繰返し単位で固定しない | 食器・化粧板 |
| SBR | スチレン+1,3-ブタジエン | 共重合 | タイヤ |
| ビニロン | PVA+ホルムアルデヒド | 隣接OHの一部をアセタール化 | 繊維 |
鎖構造から物性を予測する
同じ「プラスチック」でも、分岐・極性・剛直性・架橋・配向で鎖運動が変わります。
| 構造因子 | 鎖への作用 | 物性の傾向 | 代表例 | 典型ミス |
|---|---|---|---|---|
| 鎖の分岐 | 分岐が少ないほど規則的に詰まりやすい | 結晶性・密度・剛性が上がる傾向 | HDPEとLDPE | ポリエチレンの比較を全高分子へ無条件に一般化しない |
| 極性・水素結合 | 鎖間相互作用を強める | 強度・耐熱性が高まる一方、親水基は吸水にも影響 | ナイロンの–CONH– | 官能基一つだけで物性を断定しない |
| 剛直な環・主鎖 | 鎖の回転・変形を抑える | 硬さ・耐熱性が高まる傾向 | PETの芳香環、ポリイミド | 耐熱性と燃えないことを同義にしない |
| 少量の架橋 | 鎖の滑りを抑えつつ変形後の復元力を保つ | 弾性・耐久性が増す | 天然ゴムの加硫 | 加硫を新たな付加重合としない |
| 三次元架橋 | 共有結合網目が鎖全体の流動を止める | 硬く、再加熱しても流れにくい | フェノール・尿素・メラミン樹脂 | 熱硬化性を高融点の熱可塑性としない |
| 可塑剤 | 鎖間へ入り分子鎖を動きやすくする | 柔軟性が増すが移行・回収性も評価対象 | 軟質PVC | 可塑剤をPVCの繰返し単位の一部としない |
| 配向・結晶化 | 鎖をそろえ、密に配置できる領域を増やす | 繊維方向の強度・密度が増す傾向 | 延伸した合成繊維 | どの方向にも同じ強度になるとしない |
重合・高分子反応を条件までつなぐ
生成結合、条件、副生成物を一組に。合成実験は必ず学校・設備・指導者の管理下で行います。
| 方法 | 出発物質 | 条件・操作の軸 | 結合・生成物 | 典型ミス |
|---|---|---|---|---|
| 付加重合 | C=Cなどをもつ単量体 | 開始剤・加熱または触媒など(物質ごとに異なる) | 原則として小分子を脱離せず主鎖を形成 | 条件を示さず全付加重合を同じ機構としない |
| 縮合重合 | 二官能性単量体 | 官能基の当量を近づけ、加熱・触媒・副生小分子の除去 | エステル・アミド結合形成とH₂O等の脱離 | 高重合度に高い反応率と官能基当量が必要な点を落とす |
| 界面重合 | ジアミン水層+ジカルボン酸塩化物有機層 | 学校実験では界面でナイロン膜を生成し指導下で観察 | アミド結合形成時にHClが生じ、塩基が捕捉 | ナイロン66の工業的製法と全く同じ条件だとみなさない |
| 開環重合 | 環状単量体 | 環を開いて連鎖または段階的に結合 | ε-カプロラクタムからナイロン6 | 環が開けば必ず小分子が脱離するとしない |
| 高分子反応 | 既存高分子の官能基 | けん化・一部ホルマール化など | PVAc→PVA→ビニロン(一部ホルマール化) | PVAをビニルアルコールの直接付加重合で得るとせず、未反応OHが残ることも落とさない |
| 硬化・架橋 | フェノール+ホルムアルデヒド等/ゴム鎖+硫黄 | 触媒・加熱で網目形成/加硫で鎖間架橋 | 流動抑制、耐熱・弾性などを調整 | 硬化・加硫を単量体からの重合だけで説明しない |
| 共重合 | 2種以上の単量体 | 組成と並び方で性質を設計 | SBRはスチレンと1,3-ブタジエン | 混合した2種類の単独高分子と共重合体を同一視しない |
グルコースを起点に比較
デンプン・グリコーゲンはα結合、セルロースはβ-1,4結合。加水分解生成物とヨウ素反応を対応。
アミノ酸 → ペプチド
等電点、電気泳動、呈色反応、変性。側鎖の酸・塩基性を電荷へ翻訳。
核酸:ヌクレオチドの3要素
必修集計外の初見資料対策。リン酸+糖+塩基、DNAとRNAの違いを読む。
糖・タンパク質・天然ゴム・繊維+核酸(発展)
必修内容と発展補足を区別し、分類または構成単位、結合、加水分解、検出・物性を同時に確認。
| 物質 | 分類/構成単位 | 構造・構成 | 検出・性質 |
|---|---|---|---|
| グルコース | 単糖 | アルデヒド型と環状構造の平衡 | 還元性あり |
| フルクトース | 単糖 | ケトースだが塩基性条件で異性化 | 還元性あり |
| マルトース | 二糖 | グルコース+グルコース | 還元性あり |
| スクロース | 二糖 | グルコース+フルクトース | 還元性なし |
| ラクトース | 二糖 | ガラクトース+グルコース | 還元性あり |
| デンプン | 多糖 | アミロース:α-1,4・らせん/アミロペクチン:α-1,4+α-1,6分岐 | ヨウ素で青紫(主にアミロース)。加熱で退色し冷却で戻る |
| グリコーゲン | 多糖 | α-グルコース/高度に分岐 | 動物の貯蔵多糖 |
| セルロース | 多糖 | β-グルコース/直鎖 | ヨウ素反応なし |
| タンパク質 | 構成単位:アミノ酸 | 一次構造=アミノ酸配列。二次・三次・四次構造が機能へ影響 | 変性では通常、高次構造が崩れてもペプチド結合からなる一次構造は切れない。ビウレット反応などで確認 |
| 核酸(発展補足) | 構成単位:ヌクレオチド | リン酸+糖+塩基 | 必修集計外。DNAとRNAを比較 |
| 天然ゴム | 天然高分子(ゴム) | cis-1,4-ポリイソプレン/加硫で硫黄架橋 | 弾性材料。加硫は重合でなく架橋処理 |
| 繊維の分類 | 天然:木綿・麻はセルロース、絹・羊毛はタンパク質 | 再生:ビスコース/銅アンモニアレーヨンは再生セルロース | 半合成:アセテートはセルロース酢酸エステル。天然原料=天然繊維ではない |
電荷・結合・配列を一つにする
pHとpIの大小から正味電荷を決め、泳動方向へつなぐ。
| 論点 | 原理 | 判定・反応 | 共テでの注意 |
|---|---|---|---|
| グリシン・アラニン | H₂N–CH₂–COOH/H₂N–CH(CH₃)–COOH | グリシンのα炭素はHを2個もち不斉でない。アラニンは4種の置換基をもち鏡像異性体あり | 一般式だけで全アミノ酸に不斉炭素があるとしない |
| 双性イオン | –NH₃⁺と–COO⁻を同時にもつ | 結晶中や等電点付近で主要 | 融点が高く、水に溶けるものが多い |
| 等電点 pI | 平均正味電荷が0になるpH | pH<pI:正、pH>pI:負 | 正なら陰極、負なら陽極へ泳動 |
| 酸性・塩基性 | 側鎖の解離基が電荷を決める | Asp/Gluは酸性、Lys/Arg/Hisは塩基性 | α位の官能基だけで判定しない |
| ペプチド結合 | –CO–NH– | 直鎖n残基なら結合n−1個 | 生成でn−1 molの水が脱離、完全加水分解で同量を消費 |
| 呈色・配列 | ビウレット:同一分子にペプチド結合2個以上/キサントプロテイン:主にTyr・Trpなどの芳香環/ニンヒドリン:主に遊離α-アミノ基 | アルカリ性Cu²⁺で赤紫。濃HNO₃で黄→塩基性化して橙。Pheは通常条件では弱い。ニンヒドリンは通常青紫、プロリン系は黄 | ジペプチドをビウレット陽性とせず、『芳香族側鎖なら全て同程度』ともせず、呈色一つだけで物質・配列を確定しない |
| 変性 | 高次構造が崩れ性質・機能が変わる | 加熱・強酸塩基・重金属イオンなど | 通常、ペプチド結合からなる一次構造は保たれる |
高分子計算を原子・結合・molで解く
単量体名の暗記から、繰返し単位と官能基の収支へ。
重合度
重合度 ≈ 平均分子量 ÷ 繰返し単位の式量ポリエチレンの平均分子量2.80×10⁴なら、28で割って約1000。
誤答末端基を無視する近似か、問題文の扱いを確認。縮合・ペプチド
直鎖n量体:結合数 = n−1アミノ酸100分子から直鎖ポリペプチド1分子なら、H₂Oは99分子脱離。
誤答環状化・分岐・複数分子生成ではn−1を機械適用しない。けん化価
油脂1 gをけん化するKOHのmg数純粋なトリアシルグリセロールを仮定すると、油脂1 molに必要なKOHは3 mol。V=3M(KOH)×1000/M(油脂)。
誤答この式は3本のエステル結合をもつ単一成分を仮定する。混合油脂では平均的なけん化価として扱う。ヨウ素価
油脂100 gが付加するI₂のg数C=C 1 molにつきI₂ 1 molが付加。消費I₂から油脂中の二重結合molを逆算。
誤答ヨウ素価が大きいほど不飽和結合が多い。融点との傾向を逆にしない。糖の加水分解
繰返し単位近似:(C₆H₁₀O₅)ₙ+nH₂O→nC₆H₁₂O₆末端を無視した質量換算では、無水グルコース単位162 gからグルコース180 g。
誤答これは繰返し単位・末端無視の換算。有限の直鎖n糖ではグリコシド結合はn−1本、完全加水分解で水はn−1分子(またはmol)消費する。問題文の末端の扱いを優先。官能基の反応率
反応した官能基mol ÷ 初期官能基mol二官能性単量体1 molは官能基2 mol。分子数と官能基数を分けて数える。
誤答単量体molをそのまま官能基molとしない。11 / EXPERIMENT PLAYBOOK
実験操作は
「目的→原理→誤差」で解く
器具名の暗記だけでは初見実験に対応できません。何を分ける・量る・守る操作かを先に決め、結果へ与える影響まで説明します。掲載実験は資料分析または学校・設備・指導者の管理下を前提とし、自宅での再現手順ではありません。
「値が大きくなる/小さくなる/変わらない」を、失った物質量・余分な体積・熱の出入りで判定。
器具は「何をどの精度で量るか」で選ぶ
共洗い・定量移送・メニスカス・温度条件を、器具の校正目的へつなぎます。
| 器具 | 量る量・精度 | 準備・読取り | 典型ミス |
|---|---|---|---|
| ビーカー | 反応・溶解・概量 | 注ぎ口とガラス棒で移送。目盛は概略 | 表示目盛を精密体積として濃度計算 |
| メスシリンダー | 所定範囲の体積・中程度の精度 | 水平面でメニスカスを目線と水平に読む | 手に持ったまま斜めから読む/高精度滴定へ代用 |
| メスフラスコ | 標線までの一定全体積 | 溶質を別容器で溶かして定量移送し、室温へ戻して標線・転倒混和 | 熱いまま標線/溶媒体積を完成溶液体積とする |
| ホールピペット | 一定体積を高精度に採取 | 試料溶液で共洗いし、安全ピペッターを使用。自然排出し規定の残液を吹かない | 蒸留水が内壁に残る/最後の一滴を強制排出 |
| ビュレット | 滴下した可変体積を高精度に測定 | 滴定液で共洗い、先端気泡を除き漏れを確認。初値と終値の差を使う | 漏斗を挿したまま/初値を必ず0.00に合わせる必要があると誤認 |
| 電子天秤 | 質量 | 風袋引きまたは差し引き秤量。試料を室温へ戻し、扉を閉じ安定値を読む | 熱い容器・吸湿性試料を放置/薬品を皿へ直接こぼす |
| 温度計・温度センサー | 温度と時間変化 | 感温部を測りたい系へ置き、容器壁・底への接触を避け、校正・応答遅れを考える | 最高表示を混合瞬間温度と無条件にみなす |
| 気体用シリンジ | 気体体積 | 気密・摩擦・温度・圧力平衡を確認して読む | 漏れ・空気混入・水蒸気・反応液の蒸気を無視 |
滴定・気体実験を工程で追跡する
一操作の正誤ではなく、前工程の誤差が最終計算の分子・分母へどう伝わるかを確認します。
| 工程 | 量・目的 | 正しい判断 | 誤差・安全の検算 |
|---|---|---|---|
| 滴定 1:標準液 | 純度・水和・秤量値→mol→全体積 | 定量移送、室温で標線、十分混和 | 溶け残り・移送損失・熱膨張の向きを追う |
| 滴定 2:採取 | ホールピペットで一定量 | 共洗い・自然排出。三角フラスコ内の蒸留水は物質量を変えない | 内壁の水は濃度を薄めるが採取molを変えるかを区別 |
| 滴定 3:終点 | 滴下量=ビュレット終値−初値と指示薬変色 | 先端気泡を除き、終点直前は1滴ずつ、器壁を蒸留水で洗い落とす | 終点と当量点を同義にせず、過滴下の濃度誤差を式で判定 |
| 滴定 4:検証 | 近い滴定値を反復し平均、必要なら空試験 | 外れ値は原因・再測定を検討し、採用基準を先に置く | 都合よい値だけ選ぶ/空試験量の符号を逆に補正 |
| 気体 1:装置 | 反応性・溶解性・密度から発生・乾燥・捕集法 | 接続、気密、導管位置、吸収瓶を実験前に確認 | 密閉・導管閉塞・吸収液の逆流 |
| 気体 2:捕集 | 装置内空気を追い出した後の試料気体 | 初めの気体を分け、水上・上方・下方置換を性質で選ぶ | 最初から純気体とみなし、空気混入を無視 |
| 気体 3:定量 | V・T・Pと必要なら水蒸気圧 | K・圧力単位をそろえ、P乾燥気体=P全−P水蒸気 | 常に22.4 L/mol/水上捕集で全圧をそのまま使用 |
| 気体 4:終了 | 加熱停止・導管・吸収液の位置 | 装置ごとの安全手順で逆流を防ぎ、有害気体を指定吸収 | 全装置に一つの終了順を丸暗記/自宅で有毒気体を再現 |
標定・希釈・逆滴定・重量分析を一本化する
測定値から最終試料へ戻る経路を先に描き、反応係数・採取倍率・空試験補正・秤量形を順に適用します。
| 方法 | 目的・原理 | 計算の核 | 適用場面 | 操作・誤答の確認 |
|---|---|---|---|---|
| 一次標準液の調製 | 高純度・安定・組成既知の物質を正確に量り、定容 | 物質量m/Mと全体積 | 吸湿・分解・CO₂吸収が小さい物質を選ぶ | 乾燥状態・定量移送・メスフラスコ標線 |
| 滴定液の標定 | 一次標準物質との反応から滴定液の実濃度を決定 | 反応係数×cV | NaOHやKMnO₄など、調製濃度をそのまま保証しにくい液 | 以後は表示値でなく標定値・ファクターを使う |
| 採取・希釈 | ホールピペットで一部を採り、元の全量へ倍率で戻す | V全/V採取 | 濃度は希釈で変わるが溶質molは保存 | 採取倍率と滴定の反応係数を混ぜない |
| 逆滴定・空試験 | 過剰試薬の残量、または試料なしの背景消費を差し引く | 初期−残存/空試験−試料(定義を確認) | 直接滴定できない試料・背景反応を補正 | 差の符号を現象で検算 |
| 沈殿重量分析 | 難溶で組成既知の沈殿へ変え、洗浄・乾燥/強熱・恒量 | 沈殿質量→沈殿mol→対象mol | 付着・乾燥不足は過大、損失・不完全沈殿は過小になりやすい | 洗い過ぎによる溶解、共沈、組成変化も確認 |
変色域を滴定曲線の急変域へ重ねる
範囲は高校教材で用いる代表値。数値が支給された問題では支給値を優先し、指示薬名だけでなく当量点付近のpH急変域で選びます。
| 指示薬 | 変色域 | 色 | 適する代表滴定 | 避ける誤答 |
|---|---|---|---|---|
| メチルオレンジ(MO) | pH 3.1〜4.4(代表値) | 酸性側:赤/塩基性側:黄 | 強酸−強塩基、強酸−弱塩基 | 弱酸−強塩基では当量点より手前で変色しやすい |
| ブロモチモールブルー(BTB) | pH 6.0〜7.6(代表値) | 酸性側:黄/中性付近:緑/塩基性側:青 | 強酸−強塩基 | 中性付近を色で見る指示薬。弱酸・弱塩基の当量点へ名称だけで選ばない |
| フェノールフタレイン(PP) | pH 8.3〜10.0(代表値) | 酸性・中性側:無色/塩基性側:赤〜赤紫 | 強酸−強塩基、弱酸−強塩基 | 強酸−弱塩基では当量点後まで変色しにくい |
| 選択不能の例 | 急変域が狭い/ほぼない | 弱酸−弱塩基など | pH計・別の定量法を検討 | 指示薬の色が変わる点=理論上の当量点、と無条件に同一視しない |
操作から最終値まで誤差の矢印を通す
『共洗い忘れ』などの名前で決めず、実際量・表示量・答案式のどこが変わるかを追跡します。
| 事象 | 一次影響 | 算出値への伝達 | 判定の鍵 |
|---|---|---|---|
| ビュレットを水だけで洗浄 | 滴定液が希釈され、当量までの表示体積が増える | 公称濃度×大きい表示体積で試料濃度を過大評価 | どの液が薄まったかを確認 |
| ビュレット先端の気泡が途中で消失 | 表示体積の一部が先端充填に使われ、フラスコへ届かない | 実際より大きい滴下量を式へ入れ、通常は過大 | 表示量と実際の送液量を分ける |
| 終点を過ぎて滴下 | 表示滴下量が過大 | 滴定液量が分子側なら試料濃度を過大評価 | 対象の計算式を書いてから方向判定 |
| 三角フラスコへ蒸留水を追加 | 試料のmolは不変、全体積だけ増える | 当量滴下量と算出濃度は原則不変 | 反応時濃度低下と採取molを混同しない |
| ホールピペット内に水が残る | 採取した元試料のmolが減り、滴下量も減る | 元試料濃度を通常は過小評価 | 固定体積でも中身の濃度が変わる |
| 水上捕集で水蒸気圧を引かない | 乾燥気体の分圧を全圧と誤る | PV/RTで目的気体molを過大評価 | P乾燥=P湿潤−P水蒸気 |
| 熱量測定で外界との熱交換(発熱時は外へ、吸熱時は外から) | 断熱を仮定した値より観測|ΔT|が小さくなる | 通常は求めた|ΔH|を過小評価 | 『数値が小さい』と『より負』を分ける |
| 析出電極を乾燥せず秤量 | 付着液を析出物質量へ含める | 析出質量・電流効率を過大評価 | 洗浄・乾燥・室温・差し引き秤量 |
| 重量分析:沈殿不完全・移送損失 | 目的沈殿の秤量値が小さい | 分析対象量を過小評価 | 沈殿量↓→換算後の対象量↓ |
| 重量分析:洗浄不足・母液残留 | 可溶性不純物を含めて量る | 通常は過大評価 | 純粋な目的沈殿と仮定して計算している |
| 重量分析:洗浄過多・不適切な洗液 | 目的沈殿が溶解・分散して失われる | 過小評価 | 不純物除去と目的物損失を別々に追う |
| 重量分析:乾燥不足・吸湿 | 水・溶媒を含めて量る | 過大評価 | 乾燥→冷却→恒量確認 |
| 重量分析:強熱で秤量形が変化 | モル質量・揮発成分が変わる | 方向は反応式次第 | 沈殿形と最終秤量形を区別 |
空気・液面差・水蒸気・逆流を一枚で診断
装置図は、発生→純化→捕集→測定→終了の各境界で、何が混入・損失・逆流するかを読みます。
| チェック | 正しい判断 | 測定・安全への影響 | 典型ミス |
|---|---|---|---|
| 気密・空気追出し | 接続部と栓を確認し、初めの気体を分ける | 残存空気を生成物へ数えない | 最初から純気体とみなす |
| 温度平衡 | 反応終了後、測定系を指定温度へそろえる | 高温のまま読んだ膨張体積を補正 | 反応直後の体積を標準状態体積とする |
| 液面差 | ΔP=ρgh。内側液面が高ければ内圧<外圧 | 湿潤気体の全圧を決める | 液面の高い側ほど圧力が高いと逆にする |
| 水蒸気圧 | P乾燥=P湿潤−P水蒸気 | 目的気体だけの分圧をPV=nRTへ | 水蒸気圧を足す/全圧を直接使う |
| 溶解・反応 | 水への溶解性や吸収液との反応を確認 | 失われた気体があれば見かけ体積は小さい | 全気体を無条件に水上置換 |
| 逆流 | 冷却・溶解による内圧低下を想定し装置別に防止 | 導管位置、逆流防止瓶、終了操作を計画 | 全装置共通の一手順を丸暗記 |
頻出操作・安全・典型ミス
正しい手順を、理由とセットで再生します。
| 操作 | 原理・目的 | 正しい操作 | 典型ミス・確認点 |
|---|---|---|---|
| ろ過 | 粒径・溶解性の差 | ガラス棒を伝わせ、液面をろ紙上端より下に | 沈殿を取りたいか、ろ液を取りたいかを先に確認 |
| 蒸留・分留 | 沸点差 | 温度計球部は枝管付近、冷却水は下→上 | 密閉しない・沸騰石は加熱前・蒸発乾固しない |
| 再結晶 | 温度による溶解度差 | 高温で最少量の溶媒に溶かし、ゆっくり冷却 | 熱時ろ過と冷時ろ過の目的を区別 |
| 抽出 | 溶媒間の分配差 | 分液漏斗を振ったら倒立し、活栓の先を自分・他人へ向けずに開けて放圧 | 上下層は密度で判定し、上部の栓を外してから活栓を開き下層を出す |
| クロマトグラフィー | 吸着・分配の差 | 原点は鉛筆で溶媒面より上。展開後は溶媒先端を直ちに記録 | Rf=スポット中心の移動距離/溶媒先端の移動距離。同じ固定相・展開溶媒・温度などでのみ比較でき、同じRfだけでは同一物質の確証にならない |
| 滴定 | 当量関係 | ビュレット・ホールピペットは共洗い | 三角フラスコは蒸留水で濡れていてよい |
| メスフラスコ | 一定体積の溶液調製 | 標線直前まで加え、最後は滴下して目線を水平に | 溶質を直接メスフラスコ内で加熱溶解しない |
| 気体発生 | 反応性・溶解性・密度 | 装置内の空気を追い出してから捕集 | 加熱終了時の逆流、導管閉塞、毒性気体の処理 |
| 濃硫酸の希釈 | 大きな溶解熱 | 水へ濃硫酸を少量ずつ加えて撹拌 | 濃硫酸へ水を加えると局所沸騰・飛散の危険 |
| 熱量測定 | エネルギー保存 | 簡易法は最高・最低値。時系列データでは反応後の温度曲線を混合時刻へ外挿 | 熱量計熱容量を含めるか確認。溶液・熱量計の熱と反応系のΔHは符号が逆 |
| 電気分解 | 電子授受 | 電極材・電解質・極性を記録 | 発生気体の体積比だけでなく電子係数で検算 |
| 検量線 | 信号と濃度の関係 | 標準液→直線→未知試料の信号を内挿 | 外挿、原点固定、単位不一致を避ける |
全分野の代表実験を「データ→推論」で読む
文科省が例示する実験領域を、観察結果・導く法則・交絡要因まで一巡。ここは実施手順書ではなく、学校実験と共テ資料の読解表です。
| 実験領域 | 測定・観察 | 導く関係 | 交絡要因・誤答 |
|---|---|---|---|
| 極性と溶解 | 水・ヘキサン等への溶解、層の有無 | 分子の極性と溶質–溶媒間相互作用を対応 | 振とう直後の乳化を溶解と誤認/密度だけで溶解性を説明 |
| 凝固点降下 | 純溶媒・各濃度の冷却曲線と凝固点 | ΔTfと質量モル濃度の関係、分子量へ接続 | 過冷却の最低温度を平衡凝固点とする/溶媒kgを誤る |
| Hess・熱量測定 | 複数経路の温度変化、質量、熱容量 | 直接測れない反応のΔHを経路和から求める | 熱損失・容器熱容量・状態・係数をそろえず比較 |
| Faradayの法則 | 電気量Itと電極質量・気体量 | 生成量がe⁻molに比例することを半反応式で検証 | 電極を洗浄・乾燥せず秤量/副反応・電流効率を無視 |
| 反応速度 | 濃度・温度・触媒を一つずつ変えた時間変化 | 初速度・一定生成量までの時間から要因を比較 | 複数条件を同時変更/触媒で平衡組成まで変わると結論 |
| 平衡移動 | 濃度・温度変更後の色や組成 | 操作直後のQとK、発熱・吸熱方向で変化を説明 | 色の濃さを物質量だけで判断/全圧だけで気相平衡を判定 |
| 弱酸のKa | 既知濃度と校正したpH計によるpH | [H⁺]から平衡濃度を作りKaと電離度を推定 | pH計の校正・温度を無視/弱酸を完全電離とする |
| 無機系統分離 | 各操作後の沈殿・ろ液・色・溶解 | 液性、Ksp、錯体形成からイオンを逆算 | 沈殿をろ別せず次工程/H₂S等を自己実験 |
| 有機の分離・検出 | 水層・有機層、呈色、沈殿、気体 | 酸塩基抽出と官能基反応を構造決定へ接続 | 同じ試料へ全試薬を連続添加/陰性一つで構造確定 |
| 高分子 | ナイロン等の生成、加熱挙動、糖・タンパク質の反応 | 結合形成・架橋・官能基から物性と検出を説明 | 外観だけで重合形式を断定/安全条件なしの自宅合成 |
保護具
目・皮膚・衣服を守る保護眼鏡と実験衣を着用し、薬品に適合する手袋を選ぶ。長髪をまとめ、足を覆う靴で行う。手袋だけで安全とは考えない。
採取・臭い
口で吸わず、直接嗅がないピペットは安全ピペッターを使い、口で吸引しない。臭いは指示された場合だけ、容器から離れて手で少量をあおぐ。揮発性物質はドラフト内。
希釈
水に酸を加える濃硫酸へ水を注ぐと局所的に沸騰し飛散する。水へ少量ずつ加え、冷却しながら撹拌。
加熱
密閉しない沸騰石は加熱前。試験管口を人へ向けず、可燃性蒸気に裸火を近づけない。加熱終了時は逆流を防ぐ。
有毒気体
ドラフト・吸収Cl₂、H₂S、SO₂、NO₂などは少量で扱い、吸入せず、発生後の気体を性質に合う溶液へ吸収する。
異常・曝露
緊急洗浄を直ちに開始し、同時に報告皮膚・眼への付着時は事前に定めた洗眼・洗浄を直ちに開始しながら教員へ報告する。人体上で自己判断の中和をしない。こぼれ・吸入・破損時も操作を止め、SDSと施設手順に従う。
廃液・終了
分別し、最後に手洗い廃液・固形廃棄物は教員の指示と表示に従い分別し、許可なく流しへ捨てない。片付け、手袋を外した後に石けんで手を洗う。
読取り
目線と器具の精度目盛に目線を水平にし、メニスカスの指定位置を読む。目盛付き器具は器具・設問で示された読取精度に従い、デジタル値は表示桁を勝手に増やさない。
絵表示は「危険の種類」から読む
ラベルを見たら、危険有害性情報・注意書き、SDSの応急措置・取扱い・混触危険・廃棄へ進みます。絵表示だけでリスクの大小や具体処置を断定しません。
| 絵表示名 | 危険有害性の核 | 確認する行動 | 典型ミス |
|---|---|---|---|
| 爆発 | 爆発物・自己反応性物質など | 衝撃・摩擦・熱への感受性をSDSで確認 | 『火を近づけなければ安全』と限定しない |
| 炎 | 引火性・可燃性、自然発火性など | 着火源、換気、保管温度を確認 | 裸火だけを着火源とせず火花・高温面も考える |
| 円上の炎 | 酸化性 | 可燃物・還元剤から隔離 | 酸化剤自身が必ず燃料として燃えるとしない |
| ガスボンベ | 高圧ガス | 転倒、加熱、容器損傷を防ぐ | 不燃性ガスなら圧力危険もないとしない |
| 腐食性 | 皮膚腐食・重篤な眼損傷、金属腐食 | 保護具とSDS第4節の応急措置を事前確認 | 酸だけの表示とせず強塩基なども含み得る |
| どくろ | 急性毒性が強い | 吸入・経口・経皮の曝露経路を遮断 | 臭いの強さを毒性の大小としない |
| 感嘆符 | 刺激性・皮膚感作性・有害性など | 危険有害性情報と注意書きを物質ごとに読む | 軽微・安全という意味にしない |
| 健康有害性 | 発がん性、呼吸器感作性、特定標的臓器毒性など | 慢性影響と曝露管理を確認 | 直ちに症状がないことを安全の証拠にしない |
| 環境 | 水生環境有害性 | 回収・廃棄方法と漏出防止を確認 | 人体毒性と同じ分類軸だと混同しない |
SDSは16項目:危険有害性、応急措置、火災・漏出、取扱い・保管、曝露防止、安定性・反応性、廃棄などを確認します。 NITE SDS記載内容 ↗
探究問題は「比較可能性」を守る
仮説・変数・対照・反復・誤差を、結果の妥当性へつなぐ。
| 観点 | 正しい考え方 | 典型ミス |
|---|---|---|
| 問い・仮説 | 検証可能な問いと、根拠を含む予測を先に置く | 結果を見た後に都合のよい仮説へ書き換える |
| 変数 | 独立変数を1つ変え、従属変数を測る。その他を統制 | 温度効果を調べるのに濃度まで同時に変える |
| 対照実験 | 目的の因子だけを除いた条件を置き、因果を比較 | 『何もしない』ではなく比較可能な同一条件を作る |
| 反復・標本 | 同条件を複数回測定し、ばらつきと平均を評価 | 回数を増やせば系統誤差まで消えると考える |
| 精密さと正確さ | 精密さ=測定値どうしのばらつきの小ささ(同一条件での反復性など)、正確さ=基準値への近さ | 値がそろっているだけで正しいと判断 |
| 偶然誤差 | 読み取り・揺らぎで正負に散る。反復で影響を小さくできる | 特定方向へずれる誤差と混同 |
| 系統誤差 | 校正ずれ・熱損失など同じ方向へ偏る。原因修正が必要 | 平均を取れば必ず0になると考える |
| 有効数字 | 測定精度を超える桁を答えに残さない | 途中で丸めすぎる。計算途中は1〜2桁余分に保持 |
| 検量線・外れ値 | 比例域で内挿し、外れ値は理由を調べ再測定 | 都合の悪い点を根拠なく除外、比例域外へ外挿 |
| 生データ・再現可能性 | 単位・条件・器具・全測定値を記録し、処理後データと分ける | 平均値だけ残し、除外値や測定条件を消す |
| 相関・因果 | 相関は出発点。対照・機構・交絡要因を検討して因果を主張 | 二量が同時に変化しただけで原因と断定 |
| 考察・改善・表現 | 結論→証拠→化学的理由→限界→次の改善を一続きで示す | 教科書の理論値と違うことだけを『失敗』として終える |
| 研究倫理 | 値の改変・無根拠な除外・出典なし転用をせず、負の結果も記録 | 仮説に合う測定だけを選んで報告 |
12 / CHEMISTRY & SOCIETY
化学が拓く世界を
根拠で評価する
現行課程の「化学が拓く世界」「化学が築く未来」まで収録。便益だけでなく、資源・安全・環境負荷・回収を同じ物差しで比較します。
「化学物質だから危険」「天然だから安全」と決めず、量・曝露・代替案・製造から廃棄までの証拠で判断。
身近な題材を既知法則へ戻す
共テの長いリード文も、物質・反応・保存量へ分解。
| 題材 | 化学の核 | 便益 | 評価すべき論点 |
|---|---|---|---|
| 水と衛生 | 凝集・ろ過・活性炭・塩素消毒・逆浸透 | 安全な飲料水と淡水化 | 副生成物・エネルギー・濃縮排水まで評価 |
| 食料と農業 | 肥料、発酵、酸化防止、pH・水分活性 | 収量・保存性・栄養 | 富栄養化・過剰施肥・食品ロスとの均衡 |
| 石油精製・石油化学 | 分留塔の温度勾配、沸点範囲、ナフサの熱分解 | 燃料、溶媒、エチレン・プロピレン等の化学原料 | 留分は混合物。分留という物理変化と、クラッキングという化学変化を区別 |
| 医薬と生命 | 官能基、立体構造、酸塩基平衡、DDS | 治療・診断・衛生 | 用量、選択性、副作用、廃棄を根拠で比較 |
| 金属・セラミックス | 合金、腐食防食、酸化物、焼結 | 建築・輸送・電子材料 | 採掘・製錬エネルギーと再資源化率 |
| 高分子材料 | 重合、架橋、複合化、生分解 | 軽量化・断熱・医療材料 | 耐久性と回収性、マイクロプラスチックのトレードオフ |
| 電池とエネルギー | 酸化還元、電位差、イオン移動、触媒 | 蓄電・再エネ平準化・移動体 | 資源制約、劣化、安全性、回収工程 |
| 大気と気候 | 燃焼、光化学、酸塩基、温室効果 | エネルギー利用と環境観測 | CO₂だけでなくNOₓ・SOₓ・粒子状物質を区別 |
| グリーンケミストリー | 原子効率、触媒、低毒性溶媒、省エネルギー | 必要な機能をより少ない負荷で実現 | 『天然=安全』ではなく全ライフサイクルで判断 |
| 光・磁性・先端材料 | TiO₂光触媒、GaN系LED、Nd磁石、フラーレン・CNT・グラフェン、超伝導材料 | 浄化、照明、発電機・モーター、電子・量子材料 | 希少元素の供給、製造エネルギー、代替材料、回収可能性を比較 |
| 機能性高分子・機器分析 | イオン交換・吸水・導電・感光・生分解性、クロマトグラフィー・吸光・質量分析 | 水処理、センサー、微細加工、物質同定 | 選択性・検出限界・校正・廃棄と、機能性と再資源化の両立 |
結合・微構造から材料選択を説明する
答案は「結論 → 数値・観察の証拠 → 化学的理由」。強さだけでなく密度・異方性・耐熱性・回収まで同じ機能単位で比較します。
| 材料群 | 結合・微構造 | 物性 | 用途 | 回収・評価 |
|---|---|---|---|---|
| 金属・合金 | 自由電子と非方向性の金属結合、結晶中の転位 | 導電性、延性・展性、合金化による強度・耐食性調整 | 電線、構造材、ステンレス鋼 | 異種金属・添加元素の分離、腐食、再溶解エネルギー |
| セラミックス | イオン結合・共有結合性の強い網目、塑性変形しにくい構造 | 硬質・耐熱・耐食だが脆い傾向 | 耐火物、碍子、切削材 | 焼成エネルギー、破砕後の高品位再利用 |
| ガラス | 長距離規則性の乏しい非晶質網目 | 透明性、耐食性、明確な融点でなく軟化範囲 | 窓、光ファイバー、容器 | 色・組成の混合と異物が再溶融品質へ影響 |
| 高分子 | 長い分子鎖、分子間力、分岐・結晶化・架橋 | 軽量、成形性、絶縁性、弾性を広く設計 | 包装、繊維、医療・断熱材料 | 添加剤・多層材・混合樹脂が選別と再生を難化 |
| CFRP | 炭素繊維が主に荷重を担い、樹脂が形状保持と応力伝達 | 軽量・高い比強度、方向依存性 | 航空・風車・スポーツ材料 | 繊維と熱硬化性樹脂の分離・再資源化が難しい |
| 半導体・発光材料 | バンド構造と不純物添加、電子・正孔の再結合 | 導電性制御、電気–光変換 | Si素子、GaN系LED | 高純度化エネルギー、希少元素、回収工程 |
効率・原料・分解・回収を同義にしない
高収率でも副生成物は多くなり得ます。バイオ由来でも非生分解性はあり、堆肥化可能性には指定条件があります。
| 評価軸 | 定義・基準 | 何を評価するか | 言えないこと |
|---|---|---|---|
| 収率 | 実収量÷理論収量 | 実験・工程で目的物をどれだけ回収できたか | 副生成物の原子量や溶媒・廃棄物を直接評価しない |
| 原子効率 | 反応式上の目的物式量÷全反応物式量 | 投入原子が理論上どれだけ目的物へ入るか | 高収率でも原子効率が高いとは限らない |
| 機能単位 | 同じ性能・寿命をもつ製品量へ換算 | 材料・製法を公平に比較する共通基準 | 質量だけ同じで機能や寿命が違う案を直接比較しない |
| バイオ由来 | 再生可能な有機資源を原料に使う入口軸 | 化石資源使用や炭素循環を検討 | 生分解性・低毒性・低排出を自動的に保証しない |
| 生分解性 | 指定環境で微生物等により低分子化・代謝される出口機能 | 温度・湿度・微生物・時間・完全分解条件を確認 | 『自然へ捨ててよい』『どこでもすぐ消える』ではない |
| 堆肥化可能・再資源化可能 | 規格化されたコンポスト条件/回収・選別・再生系への適合 | 認証条件と地域の回収ルートを確認 | 工業コンポスト適合を家庭・海洋分解や既存リサイクル適合と同義にしない |
入口と出口を分離:環境省は、バイオマス由来と生分解性を別軸で整理し、分解環境に合う材料選択を求めています。原子効率は反応物原子を目的物へ最大限取り込む設計指標です。 環境省 バイオプラスチック ↗ ACS Green Chemistry ↗
見落としやすい必修事項を埋める
原理・処理順・典型ミスまで一行で確認。
| 項目 | 原理・式 | 共通テストでの処理 | 典型ミス |
|---|---|---|---|
| 融解熱・蒸発熱 | 純物質を一定圧力で相平衡を保ちながら相転移させる間は温度が一定。顕熱q=mcΔT、潜熱q=mLまたはnΔH。融解・蒸発は吸熱、凝固・凝縮は同じ大きさで逆符号。 | 加熱曲線を単相の温度変化と相転移の停滞部に分け、各区間の熱量を加算。質量基準かmol基準かも確認。混合物、過冷却・過熱、臨界点付近では単純な温度一定を前提にしない。 | 相転移中にもmcΔTを使う/一定圧力・純物質・平衡という条件を落とす/融解熱と蒸発熱を混同/凝固・凝縮の符号を変えない |
| 気体の分子量測定 | 理想気体ならM=mRT/(PV)=ρRT/P。水上捕集ではP気体=P全−P水蒸気。 | 容器体積・温度・圧力から気体molを求め、空容器との差から得た気体だけの質量を割る。残存空気・水蒸気・純度を補正。 | ℃のまま代入/標準状態でないのに22.4 L mol⁻¹/全圧をそのまま使う |
| 水和物の加熱減量 | 完全脱水なら減量を結晶水とみなし、n(H₂O)=Δm/18.0、n(無水塩)=m無水物/M無水塩、x=n(H₂O)/n(無水塩)。 | 再加熱して質量が変わらない恒量を確認し、加熱前後で無水塩の式量単位molが保存される式を立てる。水和数または未知原子量を逆算し、整数化は最後に行う。 | 減量を無水塩量とする/水和物全質量を無水塩のモル質量で割る/完全脱水を確認しない/途中でxを丸める |
| ヘンリー・ラウール | 一定温度で気体の溶解量はその気体の分圧に比例。理想溶液ではPᵢ=xᵢPᵢ°、P全=ΣPᵢ、yᵢ=Pᵢ/P全。 | 対象気体の分圧と液相モル分率を先に求め、各蒸気分圧を別々に計算。Σxᵢ=1、Σyᵢ=1で検算。 | 全圧をヘンリー式へ代入/液相xと気相yを混同/温度変更後も同じ定数 |
| 親水・疎水・保護コロイド | 親水コロイドは水和が強い。疎水コロイドは少量の電解質で凝析しやすい。保護コロイドは疎水粒子を覆って安定化し、金数は小さいほど保護作用が強い。チンダル現象は光の散乱、ブラウン運動は媒質分子との衝突、透析は半透膜による小粒子除去。 | 粒子の電荷・水和・電解質の量と価数を読む。電気泳動では帯電粒子が反対符号の電極へ移るので、移動先から粒子の符号を逆算。疎水の凝析、親水の塩析、保護作用も区別。 | 凝析と塩析を同義にする/陽極へ動く粒子を正とする/金数が大きいほど保護作用が強いと逆にする |
| 実用電池・銅の電解精錬 | 放電時、乾電池・アルカリ乾電池はZn側で酸化、MnO₂側で還元。Liイオン電池は負極黒鉛からLi⁺が脱離。銅精錬は粗銅陽極でCu→Cu²⁺+2e⁻、純銅陰極で逆反応。 | 電池か電気分解かを判定し、各極反応を電子molで接続。Ag・Auなどは陽極泥、Fe・Znなどは主に溶液へ。 | Liイオン電池の負極を金属Liと断定/正負極と陽陰極を混同/全不純物が陽極泥 |
| 放射性同位体の利用 | N=N₀(1/2)^(t/T₁/₂)、放射能A=λN。半減期は通常、温度・圧力・化学状態でほとんど変化しない。 | 経過時間を半減期の何倍かへ直し、残存割合・壊変割合・放射能を区別。¹⁴C年代測定、トレーサー、核医学、厚さ測定を目的と対応。 | 半減期ごとに一定量を引く/残存と壊変を逆にする/同位体と同素体を混同 |
| 腐食・防食・合金・Al再資源化 | 鉄の酸化部はFe→Fe²⁺+2e⁻、中性・酸素存在下の還元部はO₂+2H₂O+4e⁻→4OH⁻。被覆・犠牲防食・電気防食・不動態化で抑える。 | 水・O₂・電解質・異種金属接触から両極を決定。黄銅Cu–Zn、青銅Cu–Sn、ステンレス鋼Fe–Cr–Ni、ジュラルミンAl–Cu–Mg系を用途と対応。 | 犠牲金属にFeより貴な金属/合金を一定化学式の化合物/Al再生は環境負荷ゼロ |
| 弱塩基の電離平衡 | B+H₂O⇄BH⁺+OH⁻、Kb=[BH⁺][OH⁻]/[B]。共役対ではKa(BH⁺)Kb(B)=Kw=1.0×10⁻¹⁴(25℃)。0.100 mol/L NH₃、Kb=1.8×10⁻⁵なら[OH⁻]≈√(Kbc)=1.34×10⁻³ mol/L。 | 先に初濃度・変化量x・平衡濃度を置き、xが十分小さいときだけc−x≈c。例ではpOH=2.87、pH=11.13。NH₄⁺の共通イオンがあれば電離は抑制される。 | Kb式へH⁺を入れる/KaKb=Kwを同じ酸または塩基どうしに使う/近似後のx/cを検算しない |
| 気体分子のエネルギー分布 | 理想気体1分子の平均並進運動エネルギーは(3/2)kT、1 molでは(3/2)RT。同温度なら気体の種類によらず平均エネルギーは同じだが、二乗平均平方根速度はvrms=√(3RT/M)で軽い気体ほど大きい。 | 分布曲線は面積が粒子数(割合)。温度上昇で山は低く幅広くなり、右へ広がる。しきいエネルギーを超える面積の増加を、反応速度上昇へ結び付ける。 | 高温ほどピークが高い/同温度で重い分子ほど平均運動エネルギーが小さい/曲線下の面積が温度で変わる |
| ペプチド配列決定 | 完全加水分解は構成アミノ酸、N末端分析は先頭残基、部分加水分解は隣接断片を与える。例:Gly・Ala・Val各1残基からなるトリペプチドで、N末端Gly、断片Gly–AlaとAla–Valなら配列はGly–Ala–Val。 | 全体集合と各残基数を固定し、N末端を起点に重なりをもつ断片を並べる。最後に全残基数・出現回数・C末端を検算。 | 断片の向きを逆にする/一つの断片だけで確定/完全加水分解で並び順も分かると考える |
13 / MEMORY ATLAS
検索して、隠して、
思い出す
カードを開く前に3秒だけ思い出してください。「定着」を押したカードは端末内に記録されます。
173件を表示
質量数・原子番号・中性子数の関係は?
WHY同位体は Z が同じで N が異なる。イオンになっても原子核は変わらない。
典型元素の価電子数はどう読む?
WHY同族元素の化学的性質が似るのは価電子配置が似るため。価電子数と最外殻電子数を同じ語として扱わない。
注意遷移元素では単純な族番号対応を使わない。
族・周期・周期律とは?
WHY同族は最外殻電子配置が似て性質が似る。同周期は最外殻の電子殻が同じ。
典型元素・遷移元素の範囲は?
WHY資料ごとに12族の扱いを確認する。高校の問題では問題文・使用教科書の定義を優先し、fブロックはランタノイド・アクチノイドとして別表示する。
1・2・17・18族の族名は?
WHY現行課程ではBe・Mgを含む2族すべてをアルカリ土類金属とする。
注意古い教材の『希ガス』『Be・Mgを除く』に注意。
常温・常圧で液体の単体は?
WHY気体単体はH₂・N₂・O₂・F₂・Cl₂とHe〜Rnの貴ガスが代表で、酸素の同素体O₃も常温・常圧で気体。Fr・Atや超重元素は十分なバルク試料による状態が確定していないため、周期表では理論予測と実測済みを分ける。
結合と構成粒子の対応は?
WHY融点・電気伝導性・硬さは、粒子間に働く力から判断する。分類名を例外のない定義だとせず、実際の構成粒子を確認する。
物質量をつなぐ4本の式は?
WHY共通テストの複合計算も、まず全量を mol に翻訳すると一本道になる。
気体の状態方程式で温度と体積の単位は?
WHY27℃は300 K。一定温度のPV=一定がボイル、一定圧力のV/T=一定がシャルルの法則で、どちらも状態方程式へつながる。
注意℃のまま代入しない。
質量モル濃度とモル濃度の違いは?
WHY温度変化で溶液体積は変わるが、溶媒質量は変わりにくい。
沸点上昇・凝固点降下を決めるものは?
WHY希薄溶液ではΔTb=iKbm、ΔTf=iKfm、Π=icRT。蒸気圧降下で沸騰にはより高温、凝固にはより低温が必要になる。
反応速度を大きくする基本要因は?
WHY濃度–時間曲線の割線が平均速度、接線が瞬間速度。有効衝突の回数または割合が増えると速くなり、触媒は活性化エネルギーを下げるが平衡定数は変えない。
平衡定数 K に固体・純液体を入れない理由は?
WHY反応商Qは現在の組成を同じ形へ代入した値。Q<Kなら正向き、Q>Kなら逆向きへ進みQ=Kとなる。Kは温度だけで変化し、触媒や初期量では変わらない。
ルシャトリエの原理の判断順は?
WHY温度上昇では、正反応が発熱(ΔH<0)なら逆向き、吸熱(ΔH>0)なら正向きへ移動する。
反応式を逆転・n倍・加算するとKはどう変わる?
WHYK式の濃度・分圧の指数が反応係数なので、式への操作が指数・積としてそのまま現れる。
注意反応式を2倍してKも2倍、としない。
平衡混合気体へ不活性気体を加えると必ず平衡は移動する?
WHY全圧ではなく、Kp式へ入る反応成分それぞれの分圧がどう変わるかをQで判定する。
注意『圧力が上がった/下がった』だけで向きを決めない。
25℃で pH と pOH の関係は?
WHY強酸・強塩基は電離後の係数まで反映する。
緩衝液の正体は?
WHY加えたH⁺やOH⁻を共役対が受け取り、濃度変化を小さくする。
注意弱酸と強塩基を当量混合すると塩だけになり緩衝液ではない。
酸化剤と還元剤は電子をどうする?
WHY役割の名前は『相手に起こす変化』、自身の変化は逆。
注意酸化剤自身が酸化される、ではない。
電池と電気分解の電極の覚え分けは?
WHY放電中の電池は自発反応で電子が負極から出る。二次電池の充電時は外部電源で放電反応を逆向きに進めるため、放電時の正負極と反応をそのまま流用しない。
反応エンタルピー ΔH の符号は?
WHY系から外界へ熱が出ると系のエンタルピーは下がる。
電子殻の収容上限と原子番号20までの配置は?
WHY殻の上限と実際のエネルギー順を区別する。KとCaでは4s軌道が3dより先に埋まる。
相対原子質量はどう計算する?
WHY周期表の原子量が多くの場合整数でないのは、天然同位体の混合比を反映するため。
4種類の結晶の融点・伝導性をどう比較する?
WHY動ける荷電粒子があるか、結晶全体を結ぶ力が強いかで説明する。
注意黒鉛は共有結合結晶だが層間がずれて軟らかく、層内に動ける電子があり電気を通す。一般的性質を全物質へ例外なく当てはめない。
沸騰条件と外圧の関係は?
WHY高地で沸点が下がること、圧力鍋で沸点が上がることを同じ原理で説明できる。
標準状態の気体1 molの体積は?
WHY標準状態が指定されない気体は安易に22.4 L/molを使わずPV=nRTで処理する。標準生成エンタルピーでいう標準状態は、指定温度・標準圧力での各物質の基準状態なので、気体モル体積の条件と区別する。
注意室温を気体モル体積の標準状態と取り違えず、問題文の温度・圧力・『標準』の意味を確認する。
再結晶で得られる結晶量はどう求める?
WHY飽和溶液では溶解と析出が同じ速さで進む動的平衡にある。冷却で溶解度が下がると析出が優勢になる。水の蒸発がある場合は冷却後の溶媒質量を先に直す。
注意溶液100 gあたりとせず、溶媒100 gあたりで読む。
分配比と複数回抽出をどう計算する?
WHY同じ総量の抽出溶媒なら、条件が同じ範囲では小分けにして平衡化する方が残存率の積を小さくできる。DはpH、化学形、温度などの条件で変わり得るため、問題の定義と条件を固定する。
注意上層/下層を有機/水と決めつけない。各回で両相を十分分離し、新しい抽出溶媒を使う設定か確認する。
水和物が析出する再結晶で何を二重に保存する?
WHY冷却後の溶解度は『残った水100 gあたりの無水塩質量』へ適用する。結晶水を初めの溶媒水のまま母液へ残すと、析出量を誤る。
注意析出結晶の全質量だけを溶質から引かない。水和数と、溶解度が無水塩換算か水和物換算かを問題文で確認する。
コロイドの頻出現象をどう区別する?
WHY凝析は少量の電解質による疎水コロイドの電荷遮蔽・中和、塩析は多量の電解質との水和競合で親水コロイドを析出させる。似た沈殿現象でも原理と必要量が異なる。
ゾル・ゲル・エマルション・エアロゾルをどう分類する?
WHY牛乳は代表的なエマルション、霧は液体/気体、煙は固体/気体のエアロゾル。名称は分散相と分散媒、流動性を対応させて覚える。
注意外観が均一でも真の溶液とは限らず、ゲルを単に濃いゾルとだけ説明しない。
中和滴定の物質量関係は?
WHYNH₃のような塩基はOH⁻を直接放出せず、NH₃+H⁺→NH₄⁺としてH⁺を受け取る。多価酸・多価塩基では1 mol当たりの当量数を反映する。
一次標準物質と標定済み滴定液は何が違う?
WHYNaOH固体は吸湿・CO₂吸収で正確な秤量が難しく、その水溶液も空気中のCO₂を吸収する。KMnO₄水溶液も不純物や保存中の変化を受け得る。表示濃度をそのまま使わず、問題で与えられた標定値・ファクターを以後のcVへ使う。
注意一次標準物質を『最初にビュレットへ入れる溶液』とせず、標定と試料分析の滴定量を混同しない。
塩の水溶液の液性をどう判定する?
WHY塩を完全電離させた後、実際に水と反応する共役イオンがH₃O⁺またはOH⁻を生じる。液性は塩の組成分類や名前ではなく、共役イオンの平衡で決まる。
注意出所の異なる『KaとKb』をそのまま比べず、BH⁺のKaとA⁻のKbへそろえる。正塩=中性水溶液とも決めつけない。
弱酸HAの塩A⁻のpHをどう計算する?
WHY共役な酸塩基対では同温度でKaKb=Kw。計算後に[OH⁻]/C≪1か確認する。
注意塩濃度をそのまま[OH⁻]とせず、弱酸滴定の当量点で緩衝式を使わない。
酸性塩・塩基性塩という名前から水溶液の液性を決められる?
WHYNaHCO₃は酸性塩だが水溶液は弱塩基性。NaHSO₄は酸性を示す。正塩・酸性塩・塩基性塩と、溶液のpHを二つの列へ分ける。
注意化学式にHがある塩をすべて酸性水溶液、OHがある塩をすべて塩基性水溶液としない。
弱酸・弱塩基遊離反応の向きをどう判断する?
WHYCH₃COO⁻+H⁺→CH₃COOH、NH₄⁺+OH⁻→NH₃+H₂O。炭酸水素塩ではHCO₃⁻+H⁺→CO₂+H₂Oまで進む。難電離・気体・沈殿の生成が反応の駆動力になる。
注意『強い酸が弱い酸を追い出す』だけで、酸化還元や揮発性、過剰試薬など別の条件を無視しない。
酸化数を決める基本規則は?
WHY増加が酸化、減少が還元。過酸化物のOは−1、金属水素化物のHは−1という例外に注意。
電気量と生成物量をつなぐ式は?
WHY最後に半反応式の電子係数を使って物質のmolへ換算する。
電気分解の生成物は何から決める?
WHY不活性電極か活性電極か、溶融塩か水溶液かを先に固定し、候補となる半反応式を列挙して問題の指定条件に照らす。
電流効率・直列電解槽を含む計算はどう処理する?
WHY電流は回路全体で共通でも、電子1 mol当たりの析出・気体生成molは各電極反応の電子係数で異なる。
注意直列の各槽へ電気量を分配したり、80%を80のまま掛けたりしない。
支給された標準電極電位から起電力と反応方向をどう決める?
WHY電位は示強量なので、電子数をそろえて半反応式を倍してもE°を倍しない。物質量・電気量は係数で変えるが、電位差は二つの電極電位の差。
注意表の一方を酸化電位として符号反転した後にさらに引いたり、反応係数をE°へ掛けたりしない。
結合エンタルピーからΔHを求める式は?
WHY平均結合エンタルピーを使うため概算値。気体分子の結合をすべて数える。
吸熱反応でも自発的に進むことがあるのはなぜ?
WHY現行課程の必修はこの定性的理解。発展的には一定温度・圧力でΔG=ΔH−TΔS<0なら自発的と表せる。
注意自発的=速い、吸熱=自発的でない、としない。自発性と反応速度は別。
熱量計で熱損失や容器の熱容量を無視するとΔHはどうずれる?
WHY溶液・熱量計側の符号付き熱量q周囲=(mc+C熱量計)ΔTを作り、書かれた反応式の反応進行量ξへ割り戻してΔrH=−q周囲/ξとする。時系列データでは反応後の温度曲線を混合時刻へ外挿する場合がある。
注意発熱反応の値が『小さくなる』を、より負になることと混同しない。ΔT<0ならq周囲<0となるため、吸熱・発熱で系と周囲の熱の符号を分ける。
状態図の三重点・臨界点・境界線は何を表す?
WHY一定圧力で温度を横にたどり、交差する境界から融解・沸騰・昇華を読む。
注意線で囲まれた領域ではなく、境界線上で2相が共存する。
単純・体心・面心立方格子の粒子数は?
WHY頂点は1/8、面心は1/2、体心は1個を、その単位格子が所有する。
注意格子定数aをcmへ直してから密度式へ代入する。
実在気体が理想気体へ近づく条件は?
WHY低温では引力、高圧では分子体積の影響が無視できなくなる。
浸透と逆浸透の向きは?
WHY浸透圧は溶質粒子濃度でΠ=c粒子RT=ic₀RT。理想的に溶質を通さない逆浸透では溶質の物質量nを保存し、濃縮後はc=n/Vで求め直す。
初速度法で反応次数をどう求める?
WHY速度式v=k[A]ᵐ[B]ⁿの指数は、総括反応式の係数から一般には決められず実験で求める。
触媒はエネルギー図の何を変える?
WHY平衡到達を速めるが、平衡組成は変えない。
沈殿が生じる条件をイオン積でどう判定する?
WHY共通イオンを加えると平衡が固体側へ移り、溶解度が下がる。
弱酸HAの電離定数Kaは何を表す?
WHY濃度C、電離度αならKa=Cα²/(1−α)。十分小さいαではKa≈Cα²。
1価の弱酸を10倍に希釈すると、pHと電離度はどう変わる?
WHY希釈でHA⇄H⁺+A⁻の電離は進むが、溶液全体の濃度低下の効果が勝つため、電離度が増えても[H⁺]は減る。計算後にα≪1を確かめ、極端な希釈では水の自己電離も無視しない。
注意『電離度が上がるから[H⁺]も上がる』と逆向きに判断しない。
滴定曲線で当量点と中性点は同じ?
WHY指示薬は変色域が当量点付近の急変域に入るものを選ぶ。
注意フェノールフタレインやメチルオレンジを常に機械的に選ばない。
ダニエル電池の負極・正極・電子の向きは?
WHY塩橋・隔膜は電荷の偏りを抑えて回路を保つ。電子が溶液内を流れるのではない。
鉛蓄電池の放電で電解液濃度はどうなる?
WHY充電では反応が逆向きに進む二次電池。
水素–酸素燃料電池の全反応は?
WHY化学エネルギーを燃焼熱経由ではなく直接電気エネルギーへ変換する。
標準生成エンタルピーから反応ΔHを求める式は?
WHY基準状態は指定温度・標準圧力で最も安定な単体。黒鉛は0だがダイヤモンド、O₂は0だがO₃は0とは限らない。係数と物質の状態も一致させる。
ギブズエネルギー変化と自発性の関係は?
WHYΔG=ΔH−TΔSなのでエンタルピーとエントロピーの両方が向きを決める。現行課程では自発変化とエントロピー増大の定性的理解が中心で、数値的なΔG計算は発展事項。
化学反応と光、波長と1光子のエネルギーをどう結ぶ?
WHY光を吸収すると電子などが高いエネルギー状態へ励起され、基底状態へ戻る際に光を放つことがある。化学発光は化学反応で生じた励起状態からの発光で、光分解・光合成は主に光吸収を利用する。
透過率から吸光度と未知濃度へ進む原理は?
WHY同じ溶液なら光路長を2倍にすると吸光度は2倍だが、透過率は半分でなくT²になる。測定範囲外への外挿や、波長・セルの違いは誤差になる。
頻出の炎色反応は?
WHY『リアカー無きK村、動力借るとするもくれない馬力』など自分の語呂と色見本を対応させる。
ハロゲン単体の酸化力の順は?
WHY上ほど電子を受け取る力が強く、下位のハロゲン化物イオンを酸化できる。At・Tsは放射性で実測情報も限られるため、この4単体の状態変化をそのまま延長して断定しない。
アンモニアの製法・捕集・検出は?
WHYNH₃は水に非常によく溶け、空気より軽い塩基性気体。
塩素の製法・色・作用は?
WHYCl₂+H₂O⇄HCl+HClO。次亜塩素酸の酸化作用が漂白・殺菌を担う。
注意有毒気体を直接かがず、装置・吸収処理・保護具を含む学校の手順に従う。
SO₂の酸化・還元作用の見分けは?
WHYSの酸化数+4は中間なので、+6にも0にも変化できる。
注意『KMnO₄なら必ず無色』とせず、液性とMnの生成物を確認する。
銀ハロゲン化物の色とNH₃への溶解は?
WHY下へ行くほど溶解度積が小さく、錯体形成でも溶けにくい。
両性金属と両性水酸化物は?
WHY『ああすんなり』で金属をまとめ、過剰OH⁻では錯イオンになる。
Fe²⁺とFe³⁺の水溶液・塩基添加時の色は?
WHYFe(II)の緑白色沈殿は空気酸化され、Fe(III)の赤褐色含水酸化物へ変化する。
Cu²⁺にNH₃水を少量→過剰と加えると?
WHY沈殿生成の後、配位子NH₃が過剰になると錯イオン化する。
ハーバー・ボッシュ法の条件は?
WHY発熱かつ気体mol減少なので低温・高圧が平衡上有利。ただし速度との妥協で高温を使う。
接触法で硫酸をつくる要所は?
WHYSO₃を水へ直接吸収すると硫酸の霧になり吸収しにくい。
気体の乾燥剤はどう選ぶ?
WHYNH₃は酸性の濃H₂SO₄やCaCl₂を避けCaO、H₂Sは酸化性の濃H₂SO₄を避ける。
Cuと硝酸の反応生成気体は濃度でどう変わる?
WHYどちらも硝酸が酸化剤。CuはHよりイオン化傾向が小さく、非酸化性酸とは反応しにくい。
濃硫酸の代表的性質は?
WHY希硫酸の強酸性と、濃硫酸固有の性質を分けて覚える。
斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄をどう区別する?
WHY同じ元素でも分子構造・結晶配列が異なると物性が変わる。斜方と単斜は結晶配列、ゴム状は鎖状構造と非晶質性が主な違い。
注意同素体を同位体や異性体と混同せず、ゴム状硫黄の色を条件によらず固定したり、永続的に最安定としたりしない。
金属イオン系統分離の判断軸は?
WHYH₂Sの電離度はpHで変わり、酸性では特に難溶な硫化物だけが沈殿する。酸性H₂S後は過剰H₂Sの除去と鉄の再酸化も条件に応じて必要。
Ag⁺・Cu²⁺・Fe³⁺・Zn²⁺・Ca²⁺を分ける代表順序は?
WHYH₂S+2Fe³⁺→S+2Fe²⁺+2H⁺が起こり得るため、Fe(III)沈殿の前にH₂S除去と再酸化が必要。pHを上げるとH₂Sの電離が進み[S²⁻]が増えるため、酸性では沈殿しなかったZnSまで沈殿できる。NH₄ClはNH₃水との共通イオンで[OH⁻]を抑える。
注意各沈殿をろ別せず次の試薬へ進めたり、液性・酸化数を無視して『H₂Sなら全硫化物』としない。Fe(III)沈殿を一定組成のFe(OH)₃として量論計算しない。実操作は学校・設備・指導者の管理下で行う。
Alの製錬と両性をどう結ぶ?
WHY水溶液では水が先に還元されるため、Al単体は溶融塩電解で得る。
アルカリ金属の水との反応性は族でどう変わる?
WHY下ほど原子半径が大きく第一イオン化エネルギーが小さく、最外殻電子を失いやすい。
2族の水酸化物と硫酸塩の溶解性の傾向は?
WHYCa(OH)₂の石灰水、Mg(OH)₂の難溶性、BaSO₄白色沈殿を同じ族で比較する。
石灰石から消石灰までの反応系列は?
WHY気体検出と工業材料を一つの循環として覚える。
CO₂とSiO₂の構造・性質はどう違う?
WHYどちらも酸性酸化物だが、分類だけで室温の水溶液中でも同じ速さで反応するとみなさない。結合様式が反応条件と物性を大きく変える。
黄リンと赤リンの重要な違いは?
WHY同じ元素の単体でも構造が異なり性質が違う同素体。
クロム酸イオンと二クロム酸イオンの色と平衡は?
WHYpH変化とルシャトリエの原理を無機の色へ接続する。
MnO₄⁻の還元生成物は液性でどう変わる?
WHY酸性条件の半反応式だけでなく、問題文の液性を必ず読む。
金属と酸・水・金属塩の反応をどう判定する?
WHYZn+Cu²⁺→Zn²⁺+Cuのように、金属単体の酸化されやすさと金属イオンの還元されやすさは逆向き。ただし水溶液中のLi・K・Ca・Naなどは水との反応を優先して判定する。不動態、酸化物・難溶性塩の皮膜、反応速度、酸化性酸では例外があるため、支給された電位・条件を優先する。
注意イオン化傾向を水との見かけの反応速度や標準電極電位の単純な数値順と同一視しない。濃硝酸でAl・Fe・Niが不動態化する条件、PbSO₄など難溶性皮膜、酸化性酸では支給条件を優先する。
SiO₂・ケイ酸ナトリウム・水ガラス・シリカゲルの流れは?
WHY共有結合結晶SiO₂は水に溶けにくいが、強塩基と高温でケイ酸塩になる。シリカゲルは大きな表面積で水蒸気などを吸着する。
注意H₂SiO₃を一定組成の独立分子だけからなる物質と断定しない。シリカゲルの作用は多孔質表面への吸着で、吸収と区別する。
アルケンの代表反応と非対称付加の向きは?
WHYπ結合が反応点。冷・希・中性〜塩基性KMnO₄なら隣接ジオールとMnO₂、熱・酸性など強い酸化条件ならC=C開裂が起こり得る。
注意配向則を条件なしで絶対視しない。過酸化物存在下のHBrラジカル付加などの例外は問題文の条件に従い、KMnO₄も穏やかな酸化と開裂を区別する。
アルコール酸化の分類は?
WHYOHが付く炭素にHがあるかを先に見る。
アルデヒド基の検出反応は?
WHYどちらも還元性を検出する反応で、ギ酸・還元糖も陽性になり得る。2,4-DNPHや分子式など別情報と組み合わせて構造を決める。
注意陽性だけでアルデヒドと確定しない。芳香族アルデヒドは通常フェーリング反応を示さない。
エステル化とけん化の違いは?
WHY塩基条件では生成したカルボン酸が直ちに塩となる。
ベンゼンの三大置換反応は?
WHY芳香族性を保つため付加より置換が起こりやすい。
注意試薬名だけでなく触媒・温度などの条件を反応矢印と一緒に覚える。
フェノールの酸性と検出は?
WHYフェノキシドイオンが共鳴で安定化されるため、アルコールより酸性が強い。
アニリンの代表反応は?
WHYジアゾ化→カップリングでアゾ染料へつながる。
有機構造決定の最初の3手は?
WHY情報を反応ごとに処理せず、分子式という制約へ順に重ねる。
構造異性体を漏れなく数える順序は?
WHY鎖式・環式、位置異性、官能基異性を混ぜずに樹形図で数える。
燃焼生成物からC・Hを求めるには?
WHY原子の保存を使い、含有元素を確認してから最簡式→分子量から分子式へ進む。
注意N・ハロゲンなどを含む試料で、残りをすべてOとしない。
アルキンの反応で押さえる点は?
WHY三重結合にはπ結合が2本あり、付加量と反応条件をセットで追う。水だけを加えれば進む反応ではない。
カルボン酸を炭酸やフェノールと見分けるには?
WHY酸性の強さは概ねカルボン酸>炭酸>フェノール>アルコール。
油脂の加水分解・硬化・不飽和度は?
WHYC=Cが多いほどBr₂やI₂を多く消費し、一般に融点が低い。
セッケンが硬水で使いにくい理由は?
WHY疎水基を内側にしたミセルが油を包む。合成洗剤は硬水でも沈殿しにくい。
サリチル酸から作る2つの頻出物質は?
WHY2つの官能基のどちらが反応したかを構造式で追う。
エタノールの脱水生成物は温度でどう変わる?
WHY温度・濃度など問題文の条件が生成物を決める。境界を絶対値として丸暗記せず、低温側のエーテル化と高温側の脱離を区別する。
安息香酸・フェノール・中性物質を塩基でどう分ける?
WHY酸性の強さはカルボン酸>炭酸>フェノール。
アニリンのジアゾ化を低温で行う理由は?
WHYフェノール類とのカップリングでアゾ染料をつくる。
C,H,N,ハロゲンを含む分子の不飽和度は?
WHY環1個または二重結合1本が1、三重結合1本が2に相当する。
デンプン・セルロース・グリコーゲンの構造差は?
WHYヨウ素による青紫色の主因はアミロースらせんへの取り込みで、加熱すると弱まり、冷却で戻る。構成単位が同じでも結合と分岐で性質が変わる。
タンパク質・アミノ酸の呈色反応は?
WHYPheは通常条件で反応が弱く、芳香族側鎖なら全て同程度に陽性とはしない。ジペプチドは通常ビウレット陰性。ニンヒドリンは主に遊離α-アミノ基を青紫色にするが、プロリン系は黄色になる。
付加重合と縮合重合の見分けは?
WHYポリエチレンは付加、ナイロン66・PETは縮合。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違いは?
WHYフェノール・尿素・メラミン樹脂は代表的な熱硬化性樹脂。
ナイロン66とPETの結合・単量体は?
WHY加水分解したときに戻る二官能性単量体から逆算する。
天然ゴムと加硫の関係は?
WHY天然ゴムは植物由来の天然高分子。加硫は単量体から高分子を作る重合ではなく、既存の鎖どうしを架橋する処理。架橋が多いエボナイトとの物性差も構造で説明する。
イオン交換樹脂は何を交換する?
WHY交換対イオンはH⁺・OH⁻型だけでなくNa⁺型やCl⁻型などもある。樹脂骨格は溶けず、電気的中性を保ちながら対イオンが入れ替わる。
注意全ての陽イオン交換樹脂が常にH⁺、陰イオン交換樹脂が常にOH⁻を放出するとしない。
【発展】DNAとRNAの糖・塩基の違いは?
WHYヌクレオチドはリン酸+糖+塩基。DNA二重鎖ではA-T、G-Cが相補的。本教材では現行課程の必修集計から外し、初見資料へ備える発展補足として扱う。
マルトース・スクロース・ラクトースの構成単糖は?
WHYスクロースだけ還元性を示さない点もセットで比較する。
ビニロンの製造経路は?
WHYビニルアルコールは不安定で直接重合せず、ビニロンには未反応OHも残る。『すべてのOHが反応する』としない。
ポリイミドはどの段階を経て生じる?
WHY付加段階では水が脱離せず、後段のイミド化で脱水する。2026共通テストでは官能基数・過不足・平衡と結び付いた。
原油の分留塔で留分の位置をどう判断する?
WHY代表的には低沸点側から石油ガス、ナフサ・ガソリン、灯油、軽油、重油・残油の順。各留分は単一物質ではなく、沸点範囲をもつ炭化水素の混合物。
注意分子量が大きい留分ほど塔頂へ上がる、と逆にしない。
ナフサの熱分解は何をつくる工程?
WHY分留は沸点差による物理的分離、熱分解は共有結合を切って別の物質へ変える化学反応。
注意原油の分留だけでエチレンが単離されると考えたり、クラッキングを重合と逆に覚えたりしない。
化学は物質をどの視点で探究する学問?
WHY目に見える色・状態・量の変化を、原子・分子・イオン・電子の振る舞いと保存則で説明し、生活・社会の課題へつなぐのが高校化学の軸。
注意現象名や式の暗記だけで終えず、観察事実と粒子レベルの説明を区別して結び付ける。
純物質と混合物はどう区別する?
WHY空気・海水・石油は均一に見えても混合物。蒸留水や純粋な塩化ナトリウムは純物質。
注意見た目が均一という理由だけで純物質と判定しない。
元素・単体・化合物の違いは?
WHYO₂とO₃は同じ酸素元素からなる別の単体。H₂Oには酸素元素が含まれるが、酸素単体O₂が含まれるわけではない。
注意『水中に酸素元素がある』と『酸素分子が溶けている』を同義にしない。
固体・液体・気体を粒子の熱運動でどう説明する?
WHY加熱・冷却で熱運動と粒子間隔のバランスが変わり、融解・凝固・蒸発・凝縮・昇華が起こる。状態が変わっても物質を構成する粒子の種類は変わらない。
注意気体粒子そのものが大きくなる、固体粒子が動かない、相変化で別物質になる、と考えない。
物理変化と化学変化をどう見分ける?
WHY氷の融解や混合物の分離は物理変化、燃焼・中和・電気分解は化学変化。どちらも全原子の種類と数、および閉じた系の全質量は保存される。
注意見た目が変わるだけで化学変化とせず、気体・沈殿・色・熱の発生も『新しい物質が生じた証拠になり得る』と条件付きで判断する。
混合物の分離法は何の差を利用する?
WHY分離・精製は物質を別物質へ変える操作ではなく、物理的性質の差を利用する。
注意混合物の分離と、化合物を化学反応で分解する操作を混同しない。
電子式から共有結合を組み立てる手順は?
WHY結合に使われない電子対は非共有電子対。Hは2電子、それ以外の典型元素は原則として最外殻8電子を目指す。
注意OやNに残る非共有電子対を消さない。
配位結合は普通の共有結合と何が違う?
WHYNH₃のNの非共有電子対がH⁺へ与えられるとNH₄⁺になる。形成後は他の共有結合と本質的に区別できない。
注意生成後も一方向だけに働く弱い結合だと考えない。
極性分子と無極性分子をどう判定する?
WHYH₂OやNH₃は極性分子。CO₂やCCl₄は極性結合をもっても対称な形で打ち消され、分子全体は無極性。
注意極性結合を1本でも含めば必ず極性分子になる、とは限らない。
分子間力と沸点をどう結び付ける?
WHYHがF・O・Nに結合した分子では水素結合が生じやすい。同族の無極性分子では概ね分子量が大きいほど分散力が強い。
注意分子内の共有結合と、沸騰で断ち切る分子間力を混同しない。
1 molは何を数える単位?
WHY粒子は原子・分子・イオン・電子・化学式単位など。何の1 molかを明示すると係数ミスを防げる。
注意NaCl 1 molはNa⁺とCl⁻を各1 mol含む。Cl₂ 1 molではない。
化学反応式の係数比は何の比?
WHY2H₂+O₂→2H₂Oならmol比は2:1:2だが、質量比は4:32:36。反応前後の全質量は保存される。
注意係数比をそのまま質量比にしない。
限界試薬・純度・収率を一つの流れで処理するには?
WHY実際の生成量は理論生成量へ収率を掛ける。過剰試薬は全量が反応するとは限らない。
注意純度と収率を同じ段階で掛けたり、過剰側を限界試薬にしたりしない。
酸・塩基とその価数を粒子でどう捉える?
WHYH₂SO₄は通常2価の酸、Ca(OH)₂は2価の塩基、NH₃はH⁺を1個受け取る1価の塩基として扱う。
注意化学式中のHやOHを、反応に関与するか確認せず全て価数へ数えない。
強酸・強塩基を混合した後のpHはどう求める?
WHY中和前の濃度を直接引かず、物質量で過不足を判定してから体積変化を反映する。
注意当量点以外でもpH=7としたり、混合前の体積で割ったりしない。
弱酸HAとその塩からなる緩衝液のpHはどう計算する?
WHY同じ溶液中では濃度比をmol比で置き換えられる。半中和点ではn(HA)=n(A⁻)なのでpH≈pKa。
注意緩衝成分との反応前の量をそのまま式へ入れない。
混合気体の全圧・分圧・モル分率の関係は?
WHY水上置換では全圧から水蒸気圧を引く。
注意質量分率をそのままモル分率として使わない。
混合気体の平均モル質量を成分比・密度からどう求める?
WHY同温・同圧では体積分率=モル分率=分圧分率。例えばHeとO₂がモル比1:1ならM̄=(4.00+32.0)/2=18.0 g/mol。
注意質量分率でモル質量をそのまま加重平均したり、混合前の各気体体積を異なる温度・圧力のまま比べたりしない。
密度と質量分率からモル濃度へどう換算する?
WHY密度ρをg/mL、wを小数で使えば、溶液1 L中の溶質molへ直接変換できる。
注意質量百分率を小数へ直さずw=20のように代入しない。
ヘンリーの法則は何が圧力に比例するという法則?
WHY混合気体では全圧ではなく対象気体の分圧を使う。温度が変われば比例定数も変わる。
注意NH₃やHClのように水と強く相互作用・反応する気体へ単純適用しない。
アルケンに幾何異性体が生じる条件は?
WHY2-ブテンにはcis体とtrans体があるが、1-ブテンでは末端炭素にHが2個あるため生じない。
注意C=Cを含む化合物すべてに幾何異性体がある、または置換基4種の一般例も必ずcis–transだけで命名できる、としない。
不斉炭素原子と鏡像異性体の関係は?
WHY一対は旋光の向きが反対で、非キラルな環境では多くの物理的・化学的性質が等しい。
注意紙面上で回転して一致するものを鏡像異性体として重複計数しない。
グルコースが還元性を示すのはなぜ?
WHYグルコースは銀鏡・フェーリング反応を示す。フルクトースも塩基性条件で異性化するため還元性を示す。
注意ケトースであることだけを理由に、フルクトースは還元性を示さないと判定しない。
アミノ酸の電荷と電気泳動の向きはpHでどう変わる?
WHY等電点付近では正味電荷がほぼ0となり、電場中の移動が最小になる。
注意陽イオンが陽極へ、陰イオンが陰極へ移動すると逆に覚えない。
支給されたpKaからアミノ酸の等電点pIをどう求める?
WHYグリシンでpKa₁=2.34、pKa₂=9.60ならpI=(2.34+9.60)/2=5.97。pHがこれより高ければ正味負、低ければ正味正として泳動方向を決める。
注意酸性・塩基性側鎖をもつアミノ酸で最小と最大のpKaを機械的に平均せず、正味0の化学種を挟む二つを選ぶ。
n個のアミノ酸から直鎖状ペプチドをつくると水と結合は何個?
WHY1本の直鎖へn個の単位をつなぐ箇所はn−1個。粒子数と物質量の基準をそろえる。
注意環状ペプチドや側鎖間結合へ直鎖のn−1則を無条件に使わない。
天然繊維・再生繊維・半合成繊維をどう分類する?
WHY再生繊維は高分子の基本骨格をセルロースとして再形成し、半合成繊維は天然高分子を化学修飾する。セルロース硝酸エステルもOHを硝酸エステル化した誘導体。
注意天然原料を使う=天然繊維とせず、レーヨンとアセテートを同じ分類にしない。セルロース硝酸エステルをC–NO₂をもつニトロ化合物としない。
付加重合体の平均重合度をどう求める?
WHYポリエチレンなら繰返し単位C₂H₄の式量は28。平均分子量2.8×10⁵なら平均重合度は約1.0×10⁴。
注意二重結合が開くとH₂などが脱離すると考えない。
縮合重合体の繰返し単位の式量はどう決める?
WHYPETやナイロン66では単量体1組からなる繰返し単位中に結合が2か所できるため、通常は水2分子分を引く。
注意有限鎖の正確な分子量では末端基が残るため、繰返し単位による近似と区別する。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の加熱挙動を構造から説明すると?
WHY鎖間をつなぐ共有結合の架橋が、分子鎖全体の滑りを妨げる。
注意熱硬化性樹脂を『融点が非常に高い熱可塑性樹脂』としない。
ポリエチレンでは分岐の多少が密度・硬さへどう影響する?
WHY化学式だけでなく、鎖が空間で配列できる程度が分子間力の総和と物性を変える。
注意全高分子で分岐が少なければ必ず同じ物性になると一般化しない。側鎖・分子量・温度も影響する。
高分子の極性基・水素結合は強度や吸水性へどうつながる?
WHYナイロンのアミド結合は鎖間水素結合、PVCのC–Cl結合は極性に関係する。物性は結晶性・架橋・添加剤との合成結果。
注意一つの官能基だけで融点・強度・溶解性を断定しない。
H₂・O₂・O₃の製法または検出で押さえる点は?
WHYH₂とO₂の混合物が爆鳴気で、H₂単独の名称ではない。実験は教員管理下で装置内の空気を追い出し、少量を発生装置から離して確認する。
注意発生口へ直接点火しない。可燃性H₂と助燃性O₂を逆にせず、臭いを直接かがない。
HClとH₂Sの性質・検出をどう区別する?
WHYH₂SはPb²⁺と黒色PbS、Cd²⁺と黄色CdSを生じ、系統分離に使われる。
注意毒性気体をにおいで直接確認しない。
NOとNO₂の色・空気中での変化は?
WHY希硝酸とCuで主にNO、濃硝酸とCuで主にNO₂が生じる。初期反応と総括反応を同じ段階の式として混同しない。
注意観察時に褐色だからNO₂が直接生じたと決めつけない。
アンモニアソーダ法でNa₂CO₃を得る流れは?
WHY溶解度差と、原料・循環物・副生成物を工程図で追う代表例。
注意NH₃を総括反応で消費される主原料としたり、CaCl₂副生成物を落としたりしない。
温室効果・酸性降下物・オゾン層破壊をどう区別する?
WHY原因物質と反応場所・影響を分けると、似た環境用語を因果で整理できる。
注意温暖化、酸性雨、オゾン層破壊をすべてCO₂だけで説明しない。
資源循環を化学的に評価する視点は?
WHY回収率だけでなく、分離・輸送・再処理に必要な物質とエネルギーをライフサイクル全体で比較する。
注意エネルギー回収を、物質が再生される材料リサイクルと同一視しない。
GHS絵表示とSDSは何をどう読む?
WHY絵表示は危険の種類を素早く示す入口で、濃度・量・曝露経路を含むリスクの全てを一枚で示すものではない。
注意絵表示がない=安全、または同じ絵表示=同じ取扱い、と決めない。
廃液を勝手に混ぜてはいけない化学的理由は?
WHY廃棄でも反応性は残る。『薄い』『使用済み』だけでは混触危険を否定できない。
注意生徒が自己判断で中和・混合せず、異常時は操作を止めて指導者へ報告する。
滴定操作の誤差方向を丸暗記せず判定するには?
WHY一価酸ならc酸=c滴定液V滴定液/V酸。先端気泡の消失や過滴下は表示上の滴定量を大きくして通常は過大、三角フラスコへ加えた蒸留水は酸のmolを変えず影響しない。
注意『共洗い忘れは常に高い』のように操作名だけで決めず、何の器具に何が残ったかを確認する。
Cl⁻・SO₄²⁻・CO₃²⁻を妨害まで含めてどう識別する?
WHY酸性化はCO₃²⁻やSO₃²⁻など、同じ試薬で沈殿し得る妨害を除く。H₂SO₄を硫酸イオン試験へ、HClを塩化物イオン試験へ使うと目的イオンを持ち込み、偽陽性になる。SO₂もSO₂+Ca(OH)₂→CaSO₃↓+H₂Oで石灰水を白濁させる。
注意白色沈殿だけで陰イオンを確定せず、試薬の順序・酸の種類・追加確認を読む。未知気体を直接かいで判定しない。
沈殿重量分析の操作と誤差方向をどうつなぐ?
WHY母液や可溶性不純物の付着、乾燥不足は秤量値を大きくして過大になりやすい。不完全沈殿、ろ過・移送損失、溶けやすい洗液による溶解は過小になりやすい。
注意洗浄は多いほど常に良いとせず、共沈・吸着・沈殿の溶解、強熱による秤量形の変化を問題条件ごとに確認する。
水上置換した気体の圧力補正と逆流をどう考える?
WHY冷却や気体の溶解で装置内圧が下がると、大気圧が水を装置側へ押して逆流させる。逆流防止瓶などを事前に組み込み、終了操作は気体の性質と装置ごとの指定手順に従う。
注意水蒸気圧を足さない。導管を抜く操作を有毒気体の吸収装置などへ機械適用しない。
平均から離れた測定値はどう扱う?
WHY仮説に合わないだけでは除外できない。一方、異なる温度など明確な統制違反を他の反復値と盲目的に平均するのも不適切。
注意値が遠いという事実だけで削除したり、原因を確認せず全て平均したりしない。
有機合成後の分離・精製はどの目的順で考える?
WHY抽出は分配や酸塩基反応、洗浄は水溶性不純物の除去、乾燥剤は有機層へ残る微量の水、蒸留・再結晶は物性差を利用する。
注意全合成へ同じ工程を機械適用しない。乾燥剤で水層そのものを消す、有機層は常に上、回収率が高ければ純度も高い、としない。
バイオ由来・生分解性・堆肥化可能はどう違う?
WHYバイオPEのようにバイオ由来でも非生分解性の材料があり、化石資源由来でも生分解性の材料はあり得る。分解温度・時間・環境を確認する。
注意細片化だけを生分解としない。工業的コンポスト適合を、家庭・土壌・海洋のどこでも短期間で分解する保証としない。
原子効率と収率は何が違う?
WHY副生成物が多い反応は収率が高くても原子効率が低いことがある。原子効率は実験操作を改善して収率を上げても反応式が同じなら変わらない。
注意触媒・溶媒・過剰試薬・精製廃棄物まで含む全工程の環境負荷を、原子効率だけで代表させない。
初見資料問題で先に読むものは?
WHY長いリード文を丸ごと記憶せず、必要情報に目的をもって印を付ける。
60分をどう配分する?
WHY難問1題への固執より未着手をなくす方が期待得点を保ちやすい。配分は公式ルールや固定法則ではなく、再現できる自分用プランへ更新する。
グラフ問題の4点確認は?
WHY既知の公式を探す前に、グラフが示す増減と保存量を言語化する。
計算問題で式を立てる前の3点確認は?
WHYmL→L、℃→K、J→kJ、質量百分率→小数を先にそろえると桁ミスを防げる。
14 / QUICK PRACTICE
共テ化学
30問 基礎知識チェック
33問題型すべての実力診断ではなく、学習前後の基礎知識確認です。知識を1段階だけ使う問題で穴を発見し、結果より誤答理由を言葉にします。資料読解・多段計算はオリジナル資料問題で別に確認してください。
発熱反応の反応エンタルピー ΔH の符号は?
15 / FAQ
共通テスト化学の
よくある質問
01共通テスト化学は暗記だけで何点取れますか?+
暗記だけでは安定しません。公式評価でも、知識を初見の実験・グラフ・身近な題材へ適用する力が重視されています。本ページでは『1事実の暗記→理由の説明→資料問題への適用』の3層で学べるようにしています。
02半反応式は丸暗記すべきですか?+
頻出式を覚えることは有効ですが、骨格、OをH₂O、HをH⁺、電荷をe⁻の順に合わせれば未知の式も作れます。塩基性条件は酸性条件で完成後、両辺へOH⁻を加えてH⁺を消します。
03熱化学方程式と反応エンタルピーは何が違いますか?+
現行課程では化学反応式の右にΔHを付けて表します。計算の核は同じで、生成物のエンタルピーから反応物を引き、発熱なら負・吸熱なら正です。
04無機化学はどの順番で覚えるべきですか?+
元素別の前に、気体、沈殿、色、錯イオン、工業製法という反応の軸で横断整理します。その後に周期表の族ごとへ戻すと、例外が目立ち定着します。
05有機化学の反応経路を覚えるコツは?+
物質名の羅列ではなく、炭素骨格が変わるか、官能基が何から何へ変わるか、試薬・条件は何かの3点を矢印ごとに説明します。酸化・還元・付加・置換・脱離・加水分解で分類すると経路が一本につながります。
06共通テスト対策はいつから始めるべきですか?+
全範囲の基礎学習と並行して、単元ごとに共通テスト型の資料問題へ触れるのが効率的です。直前期は60分通し演習と、誤答をM01〜M13の13パターンへ分類し、各カードの復習・演習リンクから原因別に戻ります。
072027年の共通テスト化学はいつ、何分・何点ですか?+
令和9年度本試験は2027年1月16日(土)・17日(日)で、『化学』を含む理科は第2日の1月17日(日)です。理科1科目登録者は10:40〜11:40の60分・100点、2科目登録者は9:30〜11:40の130分(うち解答時間120分、各解答科目60分)です。理科は5出題科目から最大2科目を選び、受験科目数は出願時に登録し、当日は変更できません。『化学』1科目の配点は100点で、理科2科目登録時は2科目合計200点です。
082027年度の共通テスト化学はどの形式で出題されますか?+
紙の問題冊子とマークシート式解答用紙を用い、多肢選択式または数値・記号等で答える形式です。前問と後問の答えを組み合わせる連動型が出題される場合もあります。令和9年度の『化学』の問題作成方針は、基本概念・原理法則の深い理解に加え、観察・実験・調査結果の数学的な分析・解釈、未知資料の分析的・総合的考察を重視すると明記しています。
09共通テスト化学の過去問は何年分、どの順で解くべきですか?+
まず現行課程の2025・2026年度を、単元学習後と直前期の2回に分けて解きます。旧課程の2021〜2024年度は、現行範囲の根拠ではなく資料読解・計算・実験の処理型を転用する類題として使い、最後は未見状態を残した年度を60分で通してください。
102027年度対策として、このページの何が最新ですか?+
2026年度本試験と大学入試センターの2026年度公式評価までを反映しています。2027年度本試験は実施前です。令和9年度の公式問題作成方針と、2021〜2026年度に実際に確認された反復型から対策を組み立てています。
11目標点別に、どこから始めればよいですか?+
50点未満なら全単元地図と理論レッスン、50〜79点なら問題タイプと計算ルート、80点以上ならオリジナル資料問題と誤答原因分析から始めます。30問の基礎知識チェックで知識の穴を特定し、対応リンクへ戻ると最短です。
令和9年度の受験案内・最新公式情報:大学入試センター「令和9年度試験」↗
SOURCES & POLICY
根拠のある攻略ページとして
学習範囲は文部科学省、出題分析は大学入試センター、用語差分は教科書発行者、物性・化学用語・分析化学・電気化学の定義と呈色反応の例外はNIST・IUPAC・日本化学会資料、安全表示はNITE、環境材料は環境省、原子効率はACSを基準に再構成。「受験の月」と「化学のグルメ」は情報設計の参考として分析し、文章・図版は複製せず独自教材として制作しています。
2027年度の日程・試験時間・配点:大学入試センター「令和9年度 共通テスト実施要項」↗
2027年度の解答方式・問題作成方針:出題方法等↗問題作成方針↗文部科学省の実施大綱↗
- 講座区分
- 本教材は数強塾グループが公開された公式資料を基に独自制作した無料講座で、文部科学省・大学入試センターその他公的機関が提供・監修・推奨する公式教材ではありません。
- 編集
- 数強塾グループ 教材制作チーム
- 更新方針
- 大学入試センターの本試験・設問別正答率・評価報告書の公表後に年度分析を更新
- 訂正方針・連絡先
- 根拠資料と計算過程を再確認し、誤りは教材版と更新日を上げて訂正します。指摘は数強塾お問い合わせフォームから受け付けます。
知識の穴を、得点の伸びしろに。
今日から10分、
化学をつなげよう。
大学受験化学・全範囲 VISUAL ATLAS 2027
反応を「点」ではなく
矢印と条件でつなぐ
化学基礎から理論・無機・有機・高分子・実験考察までを、現行の学習指導要領に沿って16領域へ整理しました。図だけを暗記せず、各矢印の試薬・条件・観察事実を文章と表で確認できるオリジナル教材です。
01 / OFFICIAL COVERAGE
大学受験化学の全範囲チェック表
文部科学省の「化学基礎」「化学」の大項目・内容の取扱いを、受験勉強で点検しやすい粒度へ分解しています。01化学基礎
物質の分類・分離
- 純物質と混合物
- 元素・単体・化合物
- ろ過・蒸留・分留
- 抽出・再結晶・昇華
- クロマトグラフィー
- 炎色反応・沈殿反応
02化学基礎
原子・周期表
- 原子番号・質量数
- 同位体・放射性同位体
- 電子配置・価電子
- 周期律・族・周期
- イオン化エネルギー
- 電子親和力・電気陰性度
03化学基礎+化学
化学結合・結晶
- イオン結合
- 共有結合・配位結合
- 金属結合
- 極性・分子間力
- 分子結晶・共有結合結晶
- イオン結晶・金属結晶
- 単位格子・充填率・密度
04化学基礎
物質量・反応式
- mol・粒子数
- モル質量
- 気体のモル体積
- モル濃度
- 化学反応式と量的関係
- 限界反応物・純度・収率
05化学基礎+化学
酸・塩基
- アレニウスとブレンステッド
- 強弱・電離度
- pH・水のイオン積
- 中和滴定
- 塩の加水分解
- 緩衝液
- 弱酸・弱塩基の電離平衡
06化学基礎+化学
酸化還元・電気化学
- 酸化数
- 半反応式
- 酸化剤・還元剤
- イオン化傾向
- 電池・標準電極電位
- 電気分解・ファラデーの法則
07化学
物質の状態と平衡・気体
- 状態変化・蒸気圧
- ボイル・シャルル
- 理想気体の状態方程式
- 混合気体・分圧
- 実在気体
- 気体分子のエネルギー分布
08化学
溶液・固体
- 固体・気体の溶解度
- 溶解平衡・溶解度積
- 蒸気圧降下
- 沸点上昇・凝固点降下
- 浸透圧
- コロイド
09化学
物質の変化と平衡
- 化学反応とエネルギー
- 反応エンタルピー・ヘスの法則
- 結合エネルギー
- 反応速度式・活性化エネルギー
- 平衡定数・反応商
- ルシャトリエの原理
10無機化学
典型元素
- 水素・希ガス
- ハロゲン
- 酸素・硫黄
- 窒素・リン
- 炭素・ケイ素
- アルカリ金属
- アルカリ土類金属
- アルミニウム・亜鉛・スズ・鉛
11無機化学
遷移元素・無機分析
- 鉄・銅・銀・クロム・マンガン
- イオンの色
- 沈殿の色
- 錯イオン
- 両性水酸化物
- 陽イオン系統分離
- 気体・陰イオンの検出
12有機化学
脂肪族有機
- アルカン・アルケン・アルキン
- 異性体・立体化学
- アルコール・エーテル
- アルデヒド・ケトン
- カルボン酸・エステル
- 油脂・セッケン
13有機化学
芳香族有機
- ベンゼンと置換反応
- フェノール
- 芳香族カルボン酸
- ニトロベンゼン・アニリン
- ジアゾ化・カップリング
- 芳香族の分離・精製
14有機化学
有機構造決定
- 元素分析・分子式
- 不飽和度
- 官能基検出
- 酸化・還元・加水分解
- 銀鏡・ヨードホルム
- 光学異性・幾何異性
- 反応経路推定
15高分子
合成高分子
- 付加重合
- 縮合重合
- 開環重合
- 熱可塑性・熱硬化性
- ゴム・繊維・樹脂
- イオン交換樹脂
- 平均分子量・重合度
16高分子+実験
天然高分子・探究
- 単糖・二糖・多糖
- アミノ酸・ペプチド
- タンパク質・酵素
- 核酸(発展)
- 実験計画・誤差・グラフ
- 分離精製・安全
- 化学と資源・環境
02 / THEORY
理論化学:計算を分岐図にする
どの公式かを当てる前に、与えられた量をmolへ翻訳し、保存則と反応式を中心に組み立てます。与えられた量をmolへそろえ、反応式、状態、平衡、電気量のどの関係を使うかを分岐する。
化学平衡、酸塩基平衡、溶解平衡を、反応式、初期量、変化量、平衡量の順に処理する。
検算の共通語:原子数、電荷、物質量、エネルギー、単位、濃度の範囲。答えが物理的にあり得るかを最後に言葉で確認します。
03 / INORGANIC
無機化学:族・製法・分析を一本化
物質名だけでなく、電子配置、酸化数、沈殿、錯体、工業製法を同じ地図上で往復します。典型元素の単体、代表化合物、製法、性質を周期表の族ごとに関連付ける。
ハーバー・ボッシュ法、オストワルト法、接触法、ソルベー法、食塩水電解を原料と条件で区別する。
Ag+、Cu2+、Fe3+、Al3+、Zn2+、Ca2+、Na+を、試薬の順序と沈殿・溶解で分離する基本骨格。
気体の発生反応を、酸塩基・酸化還元・加熱分解に分け、水への溶解性と空気に対する密度で捕集法を選ぶ。
| 気体 | 代表的発生反応 | 捕集 | 確認 | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| H₂ | Zn + 2HCl → ZnCl₂ + H₂ | 水上置換 | 点火で音を立てて燃える | 濃H₂SO₄・濃HNO₃では条件に注意 |
| O₂ | 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂(MnO₂) | 水上置換 | 火のついた線香が激しく燃える | MnO₂は触媒 |
| CO₂ | CaCO₃ + 2HCl → CaCl₂ + H₂O + CO₂ | 下方置換 | 石灰水を白濁、過剰で透明 | 弱酸遊離 |
| NH₃ | 2NH₄Cl + Ca(OH)₂ → CaCl₂ + 2NH₃ + 2H₂O | 上方置換 | 湿った赤リトマス紙を青 | CaOで乾燥。濃H₂SO₄不可 |
| HCl | NaCl + H₂SO₄ → NaHSO₄ + HCl | 下方置換 | NH₃と白煙 | 水に非常によく溶ける |
| Cl₂ | MnO₂ + 4HCl → MnCl₂ + 2H₂O + Cl₂ | 下方置換 | 湿った色紙を脱色 | 毒性。漂白は酸化作用 |
| H₂S | FeS + 2HCl → FeCl₂ + H₂S | 下方置換 | 酢酸鉛紙を黒変 | 毒性。還元性 |
| SO₂ | Cu + 2H₂SO₄(濃) → CuSO₄ + SO₂ + 2H₂O | 下方置換 | 酸性KMnO₄を脱色 | 還元性と漂白作用を区別 |
| NO | 3Cu + 8HNO₃(希) → 3Cu(NO₃)₂ + 2NO + 4H₂O | 水上置換 | 空気でNO₂へ酸化 | 無色 |
| NO₂ | Cu + 4HNO₃(濃) → Cu(NO₃)₂ + 2NO₂ + 2H₂O | 下方置換 | 赤褐色、水と反応 | 有毒 |
04 / ORGANIC
有機化学:官能基と反応条件を矢印へ
反応物と生成物だけでなく、酸化・還元・付加・置換・脱離・加水分解という変換の型を読みます。アルカン、アルケン、アルキン、アルコール、カルボニル、カルボン酸、エステルを反応条件とともにつなぐ。
ベンゼンの置換反応を起点に、ニトロ化、還元、ジアゾ化、フェノール、安息香酸、サリチル酸、スチレンへつなぐ。
元素分析、分子量、不飽和度、官能基反応、分解生成物、異性体数を順に使い、候補を絞って全データで検算する。
| 変換 | 反応型 | 試薬・条件 | 判断の核 |
|---|---|---|---|
| アルカン → ハロゲン化物 | 置換 | Cl₂またはBr₂、光 | H原子がハロゲンへ置換 |
| アルケン → ジハロゲン化物 | 付加 | Br₂ | 臭素の色が消える |
| アルケン → アルコール | 水和 | H₂O、酸触媒 | 非対称なら生成位置を確認 |
| アルケン → アルカン | 水素付加 | H₂、Ni/Pt/Pd | C=Cが単結合へ |
| アルコール → アルケン | 分子内脱水 | 濃H₂SO₄、加熱 | 小分子H₂Oが脱離 |
| アルコール → エーテル | 分子間脱水 | 濃H₂SO₄、比較的低温 | 2分子からH₂Oが脱離 |
| 第一級アルコール → アルデヒド → 酸 | 酸化 | 穏やかな酸化→さらに酸化 | 生成物段階を条件で分ける |
| 第二級アルコール → ケトン | 酸化 | 酸化剤 | 第三級は通常の酸化を受けにくい |
| カルボン酸 + アルコール ⇄ エステル | エステル化 | 濃H₂SO₄、加熱 | 可逆反応・水を除くと右へ |
| エステル + NaOH → カルボン酸塩 + アルコール | けん化 | NaOH、水、加熱 | 塩基性では実質的に右へ |
| アルデヒド | 銀鏡反応 | アンモニア性硝酸銀 | 還元性。ギ酸も陽性 |
| メチルケトン型 | ヨードホルム反応 | I₂、NaOH | CH₃CO− または酸化されて同型になる構造 |
| ベンゼン → ニトロベンゼン | ニトロ化 | 濃HNO₃・濃H₂SO₄ | 求電子置換 |
| ニトロベンゼン → アニリン | 還元 | Sn/HCl後に塩基 | アニリニウム塩から遊離 |
| アニリン → ジアゾニウム塩 | ジアゾ化 | NaNO₂・HCl、0〜5℃ | 低温を保つ |
| フェノキシド → サリチル酸塩 | カルボキシ化 | CO₂、加圧・加熱 | 酸性化してサリチル酸 |
| トルエン → 安息香酸 | 側鎖酸化 | KMnO₄など | ベンゼン環でなく側鎖が酸化 |
05 / POLYMER & BIOMOLECULES
高分子:結合が物性を決める
モノマーの官能基、重合形式、繰返し単位、鎖構造、熱的性質、用途を同時に整理します。付加重合、縮合重合、開環重合、天然高分子を、生成する結合と物性へ関連付ける。
| 高分子 | モノマー | 生成 | 性質・用途の手掛かり |
|---|---|---|---|
| ポリエチレン | エチレン | 付加重合 | 包装、容器 |
| ポリプロピレン | プロピレン | 付加重合 | 繊維、容器 |
| ポリ塩化ビニル | 塩化ビニル | 付加重合 | 配管、シート |
| ポリスチレン | スチレン | 付加重合 | 容器、断熱材 |
| PTFE | テトラフルオロエチレン | 付加重合 | 耐薬品・低摩擦 |
| PET | テレフタル酸+エチレングリコール | 縮合重合 | 繊維、ボトル |
| ナイロン66 | ヘキサメチレンジアミン+アジピン酸 | 縮合重合 | 合成繊維 |
| ナイロン6 | ε-カプロラクタム | 開環重合 | 合成繊維 |
| フェノール樹脂 | フェノール+ホルムアルデヒド | 縮合・網目化 | 熱硬化性樹脂 |
| 尿素樹脂 | 尿素+ホルムアルデヒド | 縮合・網目化 | 接着剤 |
| デンプン・セルロース | グルコース | グリコシド結合 | 貯蔵・構造多糖 |
| タンパク質 | α-アミノ酸 | ペプチド結合 | 酵素・構造・輸送 |
天然高分子の計算:単糖から多糖、アミノ酸から直鎖ペプチドを作ると、結合が1本増えるごとに原則として水1分子が脱離します。末端と分岐・環状構造の有無を必ず確認します。
06 / DEEP LEARNING
図から詳説・反応式・演習へ戻る
図は入口です。既存の詳細教材と問題演習を往復し、「見れば分かる」から「白紙で再現できる」へ進めます。OFFICIAL PAST PAPERS · 2006–2026
共通テスト・センター試験 化学 過去問PDF
大学入試センターが公開している化学の試験冊子と正答を、2026年から2006年まで年度別に整理しました。まず本試験を時間を測って解き、採点後にこのページの単元教材へ戻る使い方がおすすめです。
- 21年分
- PDF 79件
- 本試験は全年度収録
- 追・再試験は公開確認分を収録
掲載範囲:2021–2026年は共通テスト、2006–2020年はセンター試験です。2015年は新課程「化学」と旧課程「化学I」の両方を掲載しています。2006–2011年の追試験化学は、公式公開ページでPDFを確認できなかったため含めていません。