2026年入試で志願者が大きく増えた募集単位は、今回、大学公式の確定結果を同じ学科・同じ日程で比べられた国公立前期の範囲では、室蘭工業大学システム理化学科の50.6%増、鳥取大学工学部社会システム土木系学科の46.1%増、室蘭工業大学創造工学科の19.6%増、秋田県立大学情報工学科の14.6%増でした。ただし、これは全国全大学を並べた順位ではありません。比較条件をそろえられた募集単位だけの「クリーン集計」です。
そして、結論を先に言えば、2026年の志願者増加だけでは2027年の難化を断定できません。鳥取大学は2025年度から2026年度に前期募集人員が73人から63人へ減っています。秋田県立大学情報工学科は出願者が48人から55人へ増えましたが、公式表の受験者数÷合格者数は約1.56倍から約1.46倍へ下がりました。逆に東京電機大学工学部機械工学科では、志願者が1,572人から1,388人へ減ったのに、大学公表の実質倍率は4.6倍から6.8倍へ上がっています。
見るべき順番は「増加率→募集人員→受験者→合格者→2027年度の制度差→自分の換算得点」です。本記事では、大学名の人気を推測するのではなく、この順番で数字を分解します。全国の工学系全体の2026年度動向は工学部の入試動向を整理した記事へ分け、本記事は増加した個別募集単位と2027年度の出願判断に集中します。
2026年入試で志願者が増えた理工系大学を増加率で比較
まず、「大学全体の志願者数」をそのまま並べません。学部新設、学科改組、試験日の追加、共通テスト利用方式の増設があると、同じ受験生が複数回数えられ、大学全体の合計だけでは何が増えたのか分からないからです。本記事の国公立表は、次の四条件を満たす前期募集単位に絞りました。
- 2025年度と2026年度で学部・学科の名称と募集単位を対応させられる
- 前期、後期、推薦などを合算しない
- 募集人員、志願者、受験者、合格者を大学公式の確定結果で確認できる
- 増加率を
(2026志願者-2025志願者)÷2025志願者×100で再計算する
国公立前期のクリーン集計
| 順位 | 大学・募集単位 | 2025→2026志願者 | 増加率 | 募集人員 | 志願者÷募集人員 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 室蘭工業大学・システム理化学科・前期 | 180→271 | +50.6% | 93→93 | 1.94→2.91 |
| 2 | 鳥取大学・工学部社会システム土木系学科・前期 | 76→111 | +46.1% | 73→63 | 1.04→1.76 |
| 3 | 室蘭工業大学・創造工学科・前期 | 265→317 | +19.6% | 127→127 | 2.09→2.50 |
| 4 | 秋田県立大学・システム科学技術学部情報工学科・前期 | 48→55 | +14.6% | 20→20 | 2.40→2.75 |
人数は、室蘭工業大学の2025年度結果・2026年度結果、鳥取大学の2025年度結果・2026年度結果、秋田県立大学の2025年度結果・2026年度結果から採りました。女子数、県内者数など括弧内の数字は内数なので、総数へ足していません。
ここでの「1位」は大学の教育力、就職力、偏差値の順位ではありません。あくまで、採用した四つの同一募集単位における志願増加率の順位です。室蘭工業大学でも二つの学科の増加率は異なります。「室蘭工業大学が一律50.6%増」と読み替えてはいけません。
また、河合塾の2026年度結果集計では、国公立大の工学系前期は志願者61,951人から63,571人へ約2.6%増、私立大の工系は706,160件から759,716件へ約7.6%増でした。国公立大2026年度結果集計、私立大2026年度結果集計 本表の増加率は、この全体集計より大きく動いた具体例です。ただし、河合塾集計には改組等も含まれ、私立の志願者数は延べ出願を含みます。母集団の違う数字を一つの全国順位へ足し合わせてはいけません。
私立は「志願者の実人数」ではなく方式別の出願件数として読む
私立一般選抜では、同じ受験生が試験日を変えたり、同じ得点を利用して複数学科へ出願したりできます。そこで国公立前期表と順位を混ぜず、方式を固定した観察表にします。
| 大学・募集単位・方式 | 2025→2026志願者 | 増加率 | 2025→2026受験者 | 大学公表倍率・実質倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 大阪工業大学・工学部電気電子システム工学科・A日程 | 285→369 | +29.5% | 279→351 | 2.8→4.2 |
| 東京電機大学・理工学部生命科学系・一般選抜前期 | 240→301 | +25.4% | 229→280 | 2.6→3.5 |
| 東京電機大学・工学部先端機械工学科・一般選抜前期 | 722→823 | +14.0% | 685→763 | 3.4→3.7 |
| 東京電機大学・工学部電子システム工学科・一般選抜前期 | 693→770 | +11.1% | 634→719 | 3.9→5.2 |
大阪工業大学は2025年度前期結果と2026年度前期結果の均等配点型A日程を対応させました。同大の表は、第2志望制度のあるグループについて倍率を第1志望のみで算出すると注記しています。東京電機大学は2026年度一般選抜前期結果に2025年度比較も掲載しています。東京電機大学の前期は複数試験日から選べ、併願もできるため、大学公表値は一人ずつの人数ランキングではなく募集単位への延べ志願として扱います。
なお、大阪工業大学の結果表にはA日程だけの募集人員欄がないため、この表では志願者÷募集人員を作っていません。数字がない欄を、学科定員やA・AC合計枠から推定して埋めないのも比較の精度を守るためです。
志願者増加の理由|新学部・科目変更・併願方式を読み解く
志願者増加を見つけても、すぐに「人気が上がった」と原因を決めないことが重要です。数強塾式では、増加を「需要」「供給」「制度」「集計」の四つに分けます。公式結果だけで観測できるのは人数の変化です。受験生一人ひとりの志望理由を調査していない以上、半導体人気、就職期待、立地などを単一原因として断定はできません。
需要シグナル:募集単位と枠が同じでも志願者が増えた
室蘭工業大学システム理化学科は募集93人のまま180人から271人へ、創造工学科は募集127人のまま265人から317人へ増えました。秋田県立大学情報工学科も募集20人のまま48人から55人へ増えています。少なくとも「募集枠を減らしたから志願倍率が上がった」だけでは説明できない例です。
ただし、ここから「2027年度も同率で増える」とは進めません。前年の出願状況を見た反動、地域別の受験者数、共通テスト後の出願移動など、確定結果表だけでは区別できない要因が残るからです。ここでは安定した条件下の増加を「需要シグナル」と呼び、「人気上昇の証明」とは呼びません。
供給要因:募集人員が減れば、志願者増と競争の両方が重なる
鳥取大学社会システム土木系学科前期は、募集人員が73人から63人へ減る一方、志願者は76人から111人へ増えました。東京電機大学電子システム工学科前期も、募集40人から35人へ減り、志願者は693人から770人へ増えています。分子が増え、分母が減るため、志願者÷募集人員は大きく動きます。
さらに、鳥取大学の2027年度入学者選抜要項では、同学科は前期50人・後期28人です。2026年度の前期63人・後期18人から、前期を13人減らし、後期を10人増やす設計です。これは2027年度選抜要項に公表された枠情報ですが、2027年度の志願者数はまだ存在しません。仮に2026年度と同じ111人が前期へ出願したなら111÷50=2.22となる、という計算はできますが、これは制度感度を見る仮定であって2027年倍率予想ではありません。
制度要因:名前が似ていても比較対象が変わったら順位から外す
公立諏訪東京理科大学機械電気工学科の前期A方式は、2025年度の志願者128人から2026年度160人へ25.0%増えました。しかし、大学は2026年度入学者選抜方法の変更通知で、コース別募集を廃止し、学科一括募集へ変更しています。2025年度結果ではコース・学科一括の下位区分があり、2026年度結果では学科単位です。合計同士の方向感は見られても、完全に同じ選択肢へ出願した増加率とは言い切れないため、上のクリーン順位から除外しました。
東京電機大学の2026年度結果には、電子情報工学系に「2026年4月より」の注記があります。2025年度155人、2026年度387人という大幅増をそのまま増加率ランキングへ入れると、改組・名称変更を人気増と誤認しかねません。こうした行は「注目すべき制度変更」ではあっても「同一条件の伸び率」ではありません。
集計要因:併願可能な方式を増やすと延べ志願は増え得る
大阪工業大学の2027年度入試制度案内は、一般前期A日程について、2日間の自由選択、学科併願に加え、数学・理科・英語の各重視方式を併願できると案内しています。重視方式は当該科目の得点を2倍して判定する新しい選択肢です。これは出願機会を広げる制度であり、大学全体の延べ志願件数が動く可能性はあります。しかし、2027年度の出願結果は未実施であり、「この変更で何%増える」とは計算できません。確認時点では学生募集要項・出願書類ページで一般選抜の正式学生募集要項が9月上旬掲載予定とされているため、本記事はこのページを制度案内として扱います。
一方、東京電機大学は2027年度正式入試要項で、工学部第二部の一般選抜を数学1科目100点へ変更しています。昼間の工学部一般前期3科目とは別制度です。科目が減ると出願しやすくなる人はいても、夜間部という学修時間帯、数学IIIを含まない範囲、入学後の希望を無視して「穴場」とは判断できません。新方式の初年度は前年の同名方式がないので、前年比ランキングより、募集人員・科目・日程の差分表が先です。
志願者が増えると2027年は難化する?倍率との正しい関係
「倍率」という一語に、少なくとも三つの異なる比率が混ざります。
- 志願倍率:志願者数÷募集人員。出願時点の混み方を見る
- 受験率:受験者数÷志願者数。欠席や別大学への移動を含む
- 実質倍率:受験者数÷合格者数。実際に受けた人と合格発表人数の比をみる
合格者数は募集人員と同じではありません。入学辞退を見込んで募集人員より多く合格を出す大学もあります。追加合格を結果表に含めるかどうかも大学ごとに異なります。したがって「志願倍率3倍だから3人に1人しか受からない」とは限りません。
同じ志願増でも実質倍率の動きは違う
| 募集単位 | 志願倍率 2025→2026 | 受験率 2025→2026 | 実質倍率または表内比 2025→2026 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 室蘭工業・システム理化学前期 | 1.94→2.91 | 80.6%→84.1% | 1.14→1.64 | 志願・受験・実質の三つが上昇 |
| 鳥取・社会システム土木前期 | 1.04→1.76 | 86.8%→79.3% | 1.00→1.29 | 募集減と志願増が同時。欠席割合も変化 |
| 秋田県立・情報工前期 | 2.40→2.75 | 87.5%→92.7% | 1.56→1.46 | 出願増でも受験者÷合格者は低下 |
| 東京電機・工学部電子システム前期 | 17.33→22.00 | 91.5%→93.4% | 3.9→5.2 | 募集減・志願増・合格者減が重なる。延べ志願 |
秋田県立大学の1.56、1.46は、公式行の受験者÷合格者を本記事で計算した参考値です。2026年度表は一般選抜の合格者に第2志望学科での合格を含むと注記しているため、第一志望者だけの純粋な競争率とはみなしません。この注記を外すと、数字が精密に見えても比較の意味は不正確になります。
反対向きの例もあります。東京電機大学工学部機械工学科前期は、2025年度から2026年度に募集55人から45人、志願1,572人から1,388人、受験1,492人から1,293人、合格322人から191人へ変化しました。志願者は約11.7%減ですが、大学公表の実質倍率は4.6倍から6.8倍へ上昇しています。志願者の増減だけで難化・易化を判定できない、最も分かりやすい反例です。
2027年度について言えること・まだ言えないこと
| 確度 | 2026年9月4日時点で言えること | 言えないこと |
|---|---|---|
| A:公式公表済み | 2027年度の募集人員、科目、配点、方式変更の公表内容 | 実際の志願者、受験者、合格者 |
| B:観測済み | 同じ募集単位での2025→2026増減と実質倍率 | 増加が2027年度にも続く確率 |
| C:条件付き | 募集減なら同じ志願者数でも志願倍率が上がるという算術 | 合格最低点や偏差値が何点上がるか |
| D:未確定 | 模試機関の2027年度予想難易度は候補整理の補助になる | 本番問題が難化するか、合格者層がどう変わるか |
例えば、鳥取大学社会システム土木系前期の2027年度募集50人に対し、志願者が2026年度111人から20%減って89人になったと仮定しても、89÷50=1.78で、2026年度の111÷63=1.76に近い志願倍率です。前年増への反動で志願者が減っても、枠の減少が打ち消す場合があります。逆に、室蘭工業大学システム理化学科で2026年度271人から20%減の217人と仮定すれば、217÷93=2.33です。2026年度の2.91より下がりますが、2025年度の1.94よりは高い。この二つは幅を考えるための仮定で、2027年度の出願予報ではありません。
さらに、「難化」には四種類あります。志願倍率が上がる、実質倍率が上がる、予想偏差値が上がる、当日の問題が難しくなる、です。これらは同義ではありません。偏差値の年度比較で方式変更を見落とさない方法は理工系大学の偏差値と数学戦略の記事で確認し、本記事の人数データと別欄に記録してください。
数学重視方式は狙い目か?志願動向と配点から検証
志願者が増えた大学でも、数学が総合点の何%を占めるかで、自分への影響は変わります。「数学が得意だから倍率上昇を相殺できる」と一律には言えません。倍率は集団の比率、配点は自分の得点構造であり、単位が違うからです。先に2027年度の公式配点を同じ式へ直します。
| 2027年度募集単位 | 数学の評価点 | 基準総点 | 数学比率 | 資料段階・注意 |
|---|---|---|---|---|
| 室蘭工業大学・昼間前期 | 共テ200+個別200=400 | 1,120 | 35.7% | 正式一般選抜学生募集要項。調査書20を含む |
| 鳥取大学・社会システム土木前期 | 共テ100+個別200=300 | 770 | 39.0% | 選抜要項。個別は物理または英語100との組合せ |
| 秋田県立大学・情報工前期 | 共テ200+個別300=500 | 学力試験1,500 | 33.3% | 選抜要項。調査書は配点合計の0.5%を上限に加点 |
| 公立諏訪東京理科大学・機械電気前期A | 共テ200+個別300=500 | 1,200 | 41.7% | 選抜要項。2026年に募集単位変更があるため増加率順位外 |
| 東京電機大学・工学部等一般前期 | 数学100 | 300 | 33.3% | 正式要項。3科目受験が必要、数学満点選抜を併用 |
室蘭工業大学は2027年度一般選抜学生募集要項、秋田県立大学は2027年度入学者選抜要項、公立諏訪東京理科大学は2027年度入学者選抜要項に基づきます。鳥取大学を含む三つの国公立例は個別数学に数学IIIを含みます。東京電機大学一般前期は数学・理科または国語・英語の300点で、工学部は数学IIIを含む問題の解答が必要です。また、数学100点満点者を対象にする別の合否判定がありますが、数学以外を欠席してよい制度ではありません。
数学得点率を10ポイント上げたときの総合点への感度は、室蘭工業大が40点、鳥取大が30点、秋田県立大が50点、公立諏訪東京理科大が50点、東京電機大一般前期が10点です。総点に対しては順に約3.57%、3.90%、3.33%、4.17%、3.33%となります。倍率が何倍なら何点必要という換算はできませんが、同じ10ポイント改善が自分の総点をどれだけ動かすかは比較できます。
数強塾式「数学80%・他65%」の紙上試算
数学得意型Mを「数学80%、数学以外65%」、均衡型Bを「全科目70%」と仮定します。調査書・書類点、得点調整、科目別最低基準は除き、学力試験の配点感度だけを見る例です。そのため、室蘭工業大は調査書20点を除く1,100点、鳥取大は書類10点を除く760点で計算し、直前の公式総点に対する比率表とは分母が異なります。
| 募集単位 | 数学得意型M | 均衡型B | M-B |
|---|---|---|---|
| 室蘭工業・昼間前期 | 400×0.80+700×0.65=775 | 1,100×0.70=770 | +5 |
| 鳥取・社会システム土木前期 | 300×0.80+460×0.65=539 | 760×0.70=532 | +7 |
| 秋田県立・情報工前期 | 500×0.80+1,000×0.65=1,050 | 1,500×0.70=1,050 | 0 |
| 公立諏訪東京理科・機械電気前期A | 500×0.80+700×0.65=855 | 1,200×0.70=840 | +15 |
| 東京電機・一般前期 | 100×0.80+200×0.65=210 | 300×0.70=210 | 0 |
この試算には簡単な境界があります。学力試験小計を T、数学配点を M とすると、数学80%・他65%と全科目70%の差は、0.10M-0.05(T-M)=0.15M-0.05T です。数学配点がこの小計の3分の1を超えると数学得意型が上回り、ちょうど3分の1なら同点になります。したがって、「数学高配点」という印象ではなく、数学比率が3分の1をどれだけ超えるかを見れば、この仮定の有利さを機械的に判定できます。
ただし、高配点は下振れも拡大します。数学が想定80%から60%へ落ちれば、他科目が同じでも室蘭工業大は80点、鳥取大は60点、秋田県立大と公立諏訪東京理科大は100点、東京電機大一般前期は20点下がります。「得意」の根拠は模試の最高点ではなく、時間を測った過去問3年の中央値と最低点で確認してください。方式別の配点をさらに比較する場合は、数学高配点の国公立大学と数学高配点の私立大学を使い分けると、国公立の共テ換算と私立の併願方式を混同しません。
志願者増加校を含めた2027年の併願校の組み直し方
志願者増加を知ったとき、大学を一校追加するだけではリスク分散になりません。国公立前期を二校並べても原則として同じ日程なので、両方を受ける計画にはできません。私立も、名称の違う方式へ多数出願していても、同じ一回の数学得点を使い回すなら、数学の不調というリスクは分散していません。
数強塾式では、大学数ではなく「失敗原因が重ならないか」で表を作ります。次は紙上で使える例です。L・M・Hは合格可能性ではなく、その要因への依存度が低い・中程度・高いという記号です。
| 役割 | 候補の置き方 | 制度比較リスク | 募集枠変更リスク | 数学下振れリスク | 日程・手続リスク | 確認する行動 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 国公立前期の本命 | 室蘭・鳥取・秋田県立などから1校 | L〜M | 大学別。鳥取はH | M〜H | 同日前期なのでH | 2027要項、共テ換算、過去問最低点を確認 |
| 公立中期・後期 | 前期と別日程で進学意思のある学科 | M | M | 方式次第 | 移動・手続がM〜H | 前期発表との順序、試験地、入学手続期限を確認 |
| 私立3科目型 | 東京電機・大阪工業などの学びが合う学科 | M | 学科別 | M | 複数日受験と手続金がM | 延べ志願と実人数を混ぜず、試験日ごとに管理 |
| 別配点の私立 | 数学重視、共テ利用など | 新方式ならH | M | 配点が高ければH | 同じ得点利用なら相関H | 通常方式との合否判定、必要科目、得点調整を確認 |
鳥取大学前期は2027年度に募集人員が減るという制度リスクがあります。室蘭工業大学昼間前期は2027年度正式要項で創造工127人、システム理化学93人と2026年度結果表の枠が一致します。秋田県立大学情報工前期も2027年度選抜要項で20人です。この違いを倍率予想へ直結させるのではなく、鳥取を選ぶなら共テ後の出願状況だけで慌てない準備を厚くする、室蘭・秋田県立を選ぶ場合も2026年増が続くケースと反動減の両方を想定する、という行動へ変換します。
出願候補を組み直す7手順
- 募集単位を一行に固定する。 大学名だけでなく、学部・学科・日程・方式まで書く。
- 2025・2026の四数を転記する。 募集、志願、受験、合格を公式確定結果から写し、速報と混ぜない。
- 比較可能性に印を付ける。 同一条件はA、枠変更はB、改組・新方式・集計変更はCとし、Cを増加率順位から外す。
- 二つの倍率を計算する。 志願÷募集と受験÷合格を別セルに置く。大学公表倍率の定義が違えば公表値を優先して注記する。
- 2027差分を一行で書く。 「前期63→50」「数学1科目へ」「新しい重視方式」のように、予測ではなく事実を書く。
- 過去問を大学配点へ換算する。 3年分を本番時間で解き、最高点ではなく中央値と最低点を記録する。数学高配点なら最低点の下振れ幅も点数化する。
- 日程と支払期限を重ねる。 受験日、合格発表、一次手続金、国公立発表後まで延納できる範囲をカレンダーに置く。
最後に、三つの条件分岐を作ります。2027年度の志願者が2026年度比で20%減、同数、20%増の三ケースです。各ケースで志願÷募集だけを再計算し、「増加ケースでも受ける」「同数なら受ける」「減少しないと受けない」のどこに自分がいるかを書きます。その後、過去問最低点が目標換算点を下回る場合の科目対策を決めます。これなら、速報を見た瞬間に志望を変えるのではなく、事前に決めた条件で判断できます。
出願前の最終チェック
- 2027年度資料が「正式募集要項」「選抜要項」「変更予告」「入試制度案内」のどれか
- 募集人員が学部定員ではなく、自分の方式の人数か
- 志願者数が実人数か延べ出願件数か
- 実質倍率の分母が合格者、入学者、追加合格込みのどれか
- 数学III、理科科目、英語、共通テスト情報の要件を満たすか
- 数学の高配点が上振れだけでなく最低点にも耐えるか
- 合格したら学びたい分野か、通学・住居・学費を含めて進学できるか
志願者増加率は、候補を捨てる判定ではなく、確認を深くする警報です。2026年度に増えたという事実、2027年度に変わる制度、自分の得点を三つの別紙に分ければ、未実施の倍率を当てにいかなくても出願判断は具体化できます。数強塾の受講内容や相談窓口を確認したい場合は数強塾公式サイトをご覧ください。相談時にも、大学名だけでなく、この7手順で作った募集単位・配点・過去問得点の表があると課題を整理しやすくなります。
執筆:藤原進之介(数強塾)

