フェリス女学院中学校 算数 段階的攻略ドリル【基礎からフェリス実戦まで|数強塾オリジナル】
フェリス女学院中学校(神奈川県横浜市中区)は、キリスト教にもとづく人格教育と、自ら考え表現する学びで知られる伝統ある女子校です。JR・市営地下鉄「石川町」駅などから徒歩圏にあり、全国から多くの受験生が志望します。フェリスは、オンライン数学専門塾「数強塾」がとくに力を入れて対策している最重要校のひとつです。本ページでは、学校が公式に公開している情報の範囲でフェリスの算数の傾向を整理したうえで、基礎からフェリス実戦レベルまで段階的に力がつくように、数強塾が独自に作成したオリジナルの攻略ドリルをお届けします。
このドリルについて(大切なお知らせ)
本ドリルは、フェリス志望のお子様のために数強塾が作成した完全オリジナルの段階別問題です。実在する過去問の問題文や図版の転載・複製ではなく、数値を差しかえただけのコピーでもありません。すべて数強塾が一から作った自作問題で、各問の答えは受験算数の正攻法で解いたうえで、独立した別の方法による二重検算をおこない、答えの一致を確認しています(方程式にたよらない解き方を基本にしています)。
使い方:Step1(基礎固め)から順に取り組み、各ステップをクリアしてから次へ進むのがおすすめです。各問には【問題】【解答】【✅別解で検算】がついています。まず自分で解き、答え合わせのあとに解答の考え方(方針)まで読み込むと、力が定着しやすくなります。各ステップの終わりに【このステップの到達目標/つまずきやすい点】をまとめました。
実際の入試問題・図・配点などは、必ずフェリス女学院中学校 公式サイトの最新情報でご確認ください。
はじめに:フェリスの算数のかたち(公開情報より)
特定年度の問題を引き写すことはせず、公開情報から知られる一般的な傾向を、数強塾の言葉で整理します(断定は避け、あくまで傾向としてお読みください)。フェリスの算数は、計算や一行問題だけでなく、途中の考え方や式・図を書いて答えを導く記述型の設問がみられる点に特徴があるといわれます。割合と比、速さ、平面・立体図形、数の性質、規則性、場合の数など、主要分野から思考力を問う融合的な出題がバランスよく出される傾向があると考えられます。単に公式を当てはめるだけでなく、条件を整理し、筋道を立てて説明する力を養うことが、フェリス対策の柱になります。本ドリルは、その力を基礎から段階的に育てられるように構成しています。
Step1 基礎固め(計算の工夫・割合基礎・速さ基礎・図形基礎)
まずは、すべての土台となる基礎を確実にします。計算の工夫、割合、速さ、図形、数の性質の基本を、正確に・速く処理できるようにしましょう。
問題1-1(計算の工夫)
【問題】(オリジナル) 次の計算をくふうして求めなさい。
(1)
(2)
(3)
【解答】 (1) と分けて、。よって100000。
(2) 共通の99でくくると 。よって9900。
(3) 分配法則を逆に使い 。よって25。
✅【別解で検算】 (1) 順に計算しても 、 で一致。(2) 、 で一致。(3) 、、 で一致します。
問題1-2(割合の基礎)
【問題】(オリジナル)
(1) 40人の55%は何人ですか。
(2) ある数の30%が18のとき、ある数はいくつですか。
(3) 定価800円の品物を15%引きで買うと、代金は何円ですか。
【解答】 (1) 。よって22人。
(2) もとにする量は 。よって60。
(3) 15%引きは定価の85%だから 。よって680円。
✅【別解で検算】 (1) 55%は「半分+5%」と考えて 人で一致。(2) 60の30%は でもとの条件と一致。(3) 引く金額から求めると 、 円で一致します。
問題1-3(速さの基礎)
【問題】(オリジナル)
(1) 分速80mで15分歩くと、何m進みますか。
(2) 3600mの道のりを分速120mで進むと、何分かかりますか。
(3) 時速72kmは、分速何mですか。
【解答】 (1) 。よって1200m。
(2) 。よって30分。
(3) 時速72kmは1時間で72km=72000m進む。1時間は60分だから 。よって分速1200m。
✅【別解で検算】 (1) 逆に で分速に戻り一致。(2) で道のりに戻り一致。(3) (km/分)=1200m/分。分速1200mで60分進むと m=72kmで一致します。
問題1-4(平面図形の基礎)
【問題】(オリジナル) 円周率は3.14とします。
(1) 底辺8cm、高さ5cmの平行四辺形の面積を求めなさい。
(2) 半径10cmの円の面積を求めなさい。
(3) 三角形の3つの角のうち、1つが90°、もう1つが35°のとき、残りの角は何度ですか。
【解答】 (1) 平行四辺形の面積は底辺×高さなので 。よって40cm²。
(2) 円の面積は半径×半径×円周率で 。よって314cm²。
(3) 三角形の内角の和は180°なので 。よって55°。
✅【別解で検算】 (1) 同じ底辺・高さの三角形2つ分と考えても cm²で一致。(2) 直径20cmの正方形(面積400cm²)にほぼ収まり、円はその約8割弱で314cm²は妥当な大きさ。逆算 で半径10cmに戻り一致。(3) 求めた3つの角の和は ° で一致します。
問題1-5(数の性質の基礎)
【問題】(オリジナル)
(1) 24と36の最大公約数を求めなさい。
(2) 6と8の最小公倍数を求めなさい。
(3) 1から50までの整数の中に、3の倍数は何個ありますか。
【解答】 (1) 、。共通するのは 。よって12。
(2) 6の倍数6,12,18,24…と8の倍数8,16,24…で最初に共通するのは24。よって24。
(3) あまり2なので、3の倍数(3,6,…,48)は16個。
✅【別解で検算】 (1) 24と36の公約数は1,2,3,4,6,12で、いちばん大きいのは12で一致。(2) 、最大公約数2で割って と、公式でも一致。(3) いちばん大きい3の倍数は48で (番目)だから16個で一致します。
このステップの到達目標:計算の工夫・割合・速さ・図形・数の性質の基本公式と定義を、迷わず正確に使えること。
つまずきやすい点:割合で「もとにする量」がどれかを取りちがえる/速さの単位換算(時速⇄分速、km⇄m)でミスする/円の面積と円周を混同する、の3つが典型です。ここで出た答えは、必ず逆算や別の見方で確かめる習慣をつけましょう。
Step2 標準演習(比の応用・旅人算・面積比・場合の数入門)
基礎が固まったら、受験算数の中心となる標準問題へ。比の使い方、旅人算、面積比、場合の数の数え方を身につけます。
問題2-1(比の応用・やりとり)
【問題】(オリジナル) 姉と妹の所持金の比は7:4で、2人の合計は3300円です。
(1) 姉の所持金は何円ですか。
(2) 姉が妹に何円かをあげたところ、2人の比が3:2になりました。姉は何円あげましたか。
(3) (1)の状態にもどって考えます。今度は2人が同じ金額ずつおこづかいをもらったところ、比が5:3になりました。1人いくらずつもらいましたか。
【方針】 比の問題は「合計や差など、変わらない量」に注目します。(2)ではやりとりをしても2人の合計は変わらないこと、(3)では同じ額を足すので2人の差は変わらないことが手がかりです。
【解答】 (1) 比の合計は 。姉は 。よって2100円(妹は1200円)。
(2) やりとりでは合計3300円が変わりません。比3:2の合計は5なので、姉は 円になります。あげた額は 。よって120円。
(3) 同じ額を足しても差は変わらず、はじめの差は 円。あとの比5:3の差は2にあたり、これが900円なので、比の1は 円。妹(比3)は 円になったので、もらった額は 。よって150円。
✅【別解で検算】 (2) 妹は 円になり、 を660で割ると で一致。(3) 姉も同じ150円もらうと 円、 を450で割ると で一致します。
問題2-2(旅人算・池のまわり)
【問題】(オリジナル) 1周1200mの池のまわりを、兄と弟が同じ地点から同時にスタートします。兄は分速90m、弟は分速60mです。
(1) 反対向きに進むとき、2人が最初に出会うのは何分後ですか。
(2) そのとき兄が進んだ道のりは何mですか。
(3) 同じ向きに進むとき、兄が弟にちょうど1周分の差をつけて追いつくのは何分後ですか。
【方針】 反対向きは速さの和で近づき、同じ向きは速さの差で追いつきます。「出会う(追いつく)時間=距離÷速さの和(差)」が基本の式です。
【解答】 (1) 2人は1分あたり mずつ近づくので 。よって8分後。
(2) 兄は8分で m進む。よって720m。
(3) 同じ向きでは1分あたり mずつ差が広がり、1周1200mの差がつくのは 。よって40分後。
✅【別解で検算】 (1)(2) 弟は8分で m進み、 m=ちょうど1周ぶんで、2人合わせて1周したので出会う位置として一致。(3) 40分で兄は m(3周)、弟は m(2周)進み、差はちょうど1周ぶんの1200mで一致します。
問題2-3(面積比)
【問題】(オリジナル) 三角形ABCの辺BC上に点Dがあり、 です。
(1) 三角形ABDと三角形ADCの面積の比を求めなさい。
(2) 三角形ABC全体の面積が30cm²のとき、三角形ABDの面積を求めなさい。
(3) さらに辺ABの真ん中の点をEとします。三角形EBDの面積を求めなさい。
【方針】 高さが共通の三角形は、面積の比=底辺の比になります。(3)は、頂点をEにずらすと高さが半分になる(EはABの中点)ことを使います。
【解答】 (1) 三角形ABDとADCは、頂点Aから辺BCへの高さが共通なので、面積比は底辺の比に等しく 。よって3:2。
(2) 三角形ABCを3:2に分けた大きいほうなので 。よって18cm²。
(3) 三角形EBDと三角形ABDは底辺BDが共通。EはABの中点なので、BDまでの高さは三角形ABDのちょうど半分。したがって面積も半分で 。よって9cm²。
✅【別解で検算】 座標で確かめます。、、 とし、面積30cm²になるよう とおくと三角形ABCは cm²。三角形ABDは cm²で(2)と一致。ABの中点は で、三角形EBDは cm²で(3)と一致します。
問題2-4(場合の数入門・道順)
【問題】(オリジナル) 右へ3区画、上へ2区画進むと着く碁盤の目の道があります。左下のAから右上のBまで、右か上のどちらかにだけ進んで最短で行きます。
(1) 行き方は全部で何通りですか。
(2) Aから右へ1・上へ1進んだ交差点Pを必ず通る行き方は何通りですか。
(3) Aから右へ2・上へ1進んだ交差点Qが工事中で通れないとき、行き方は何通りですか。
【方針】 最短経路は、各交差点に「そこまでの行き方の数」を書きこみ、左と下の数をたしていく方法(書きこみ法)が確実です。特定の点を通る/通らないは、その点を通る場合の数を全体から考えます。
【解答】 (1) 書きこみ法で右上まで数えると、いちばん上の段は左から1,3,6,10と増え、Bは10通り。
(2) Pを通る行き方は「AからPまで」×「PからBまで」。AからPは2通り、PからBは(右2・上1で)3通り。。よって6通り。
(3) Qを通る行き方は、AからQまで3通り、QからBまで(右1・上1で)2通りで 通り。全体10通りからこれを引いて 。よって4通り。
✅【別解で検算】 (3) Qを0(通れない)として書きこみ法をやり直すと、上の段は左から1,3,3,4となり、Bは4通りで一致。(1) 組み合わせの式でも「右3・上2の並べ方」は 通りで一致します。
問題2-5(割合の文章題・売買)
【問題】(オリジナル) ある品物に、仕入れ値の40%の利益を見込んで定価をつけたところ、定価は1400円になりました。
(1) この品物の仕入れ値は何円ですか。
(2) 定価の1割引きで売ると、1個あたりの利益は何円ですか。
(3) この品物を50個仕入れ、30個は定価で、残り20個は定価の2割引きで売り切りました。全部の利益は何円ですか。
【方針】 売買は「定価=仕入れ値×(1+見込む利益の割合)」の関係が出発点。利益は「売った値段−仕入れ値」で求めます。
【解答】 (1) 定価は仕入れ値の 倍なので 。よって1000円。
(2) 1割引きの売値は 円。利益は 。よって260円。
(3) 定価売り30個の利益は 円。2割引き(売値 円)20個の利益は 円。合わせて 。よって14400円。
✅【別解で検算】 (1) 仕入れ値1000円の40%増しは 円で定価に一致。(3) 売上の合計から確かめると 円、仕入れ総額は 円で、利益は 円で一致します。
このステップの到達目標:比・旅人算・面積比・場合の数の典型的な解き方の型を、線分図や書きこみと結びつけて使えること。
つまずきやすい点:やりとりの比で「合計が変わらないのか、差が変わらないのか」を混同する/旅人算で速さの和と差を取りちがえる/場合の数を数えもれ・重複して数える、の3つが典型です。書きこみ法や線分図で「見える化」してから式を立てましょう。
Step3 発展(融合問題・規則性・数の性質の応用・水量変化)
ここからは複数の考え方を組み合わせる発展レベルです。規則性、公約数・公倍数の応用、水量変化、速さと比の融合など、フェリスで問われやすい思考の幅を広げます。
問題3-1(規則性・数列)
【問題】(オリジナル) 3, 7, 11, 15, 19, … と、規則的に並ぶ数があります。
(1) 10番目の数はいくつですか。
(2) 1番目から10番目までの数の合計はいくつですか。
(3) 99はこの中で何番目の数ですか。
【方針】 4ずつ増える数列(等差数列)です。 番目の数は「最初の数+4×()」= と表せます。合計は「(最初+最後)×個数÷2」で求めます。
【解答】 (1) 10番目は 。よって39。
(2) 合計は 。よって210。
(3) より 、。よって25番目。
✅【別解で検算】 (2) 別の見方で と一致。(3) 25番目は でもとの条件と一致します。
問題3-2(数の性質の応用・公約数と公倍数)
【問題】(オリジナル) たて48cm、横72cmの長方形の紙があります。
(1) この紙を、あまりが出ないように同じ大きさの正方形に切り分けます。いちばん大きい正方形の1辺は何cmですか。
(2) そのとき、正方形は全部で何枚できますか。
(3) 逆に、この長方形の紙を同じ向きにすきまなく並べて正方形を作ります。いちばん小さい正方形の1辺は何cmですか。
【方針】 「大きい紙を小さい正方形に分ける」→最大公約数、「小さい紙を並べて大きい正方形を作る」→最小公倍数が対応します。
【解答】 (1) 、。最大公約数は 。よって24cm。
(2) たてに 枚、横に 枚並ぶので 。よって6枚。
(3) 最小公倍数は 。よって144cm。
✅【別解で検算】 (1) 24は48も72も割り切り(、)、これより大きい共通の約数はないので最大公約数24で一致。(3) 144はたて48でも横72でも割り切れ(、)、これより小さい共通の倍数はないので最小公倍数144で一致します。
問題3-3(水量変化)
【問題】(オリジナル) 底面が縦30cm・横40cmの直方体の水そうに、毎分6Lの割合で水を入れます。(1L=1000cm³)
(1) 水の深さは毎分何cmずつ増えますか。
(2) 深さ45cmまで入れるのに何分かかりますか。
(3) 深さ45cmまで入れたあと給水を止め、毎分9Lの割合で排水します。水そうが空になるまで何分かかりますか。
【方針】 水量の問題は「体積=底面積×深さ」を軸に、単位(Lとcm³)をそろえて考えます。深さの増え方は「毎分の水量÷底面積」です。
【解答】 (1) 底面積は cm²。毎分6L=6000cm³なので 。よって毎分5cm。
(2) 。よって9分。
(3) 深さ45cmの水の体積は cm³=54L。毎分9Lで排水すると 。よって6分。
✅【別解で検算】 (2) 深さ45cmの体積54Lを、毎分6Lで割ると 分で一致。(3) 排水で深さは毎分 cm下がるので、45cm下がるのに 分で一致します。
問題3-4(融合・速さと比)
【問題】(オリジナル) A君とB君が同じ地点を同時に出発し、同じ方向へ一定の速さで進みます。2人の速さの比は5:3です。
(1) 出発して15分後、2人の間は600mはなれていました。A君の分速は何mですか。
(2) B君の分速は何mですか。
(3) A君が3000m進んだとき、B君は出発地点から何mのところにいますか。
【方針】 同じ時間だけ進むとき、進む道のりの比は速さの比に等しくなります。差が広がる速さも「速さの差」で決まります。
【解答】 (1) 速さの比が5:3なので、1分あたり差は「比の2」ぶん広がります。15分で600mの差なので、1分あたりの差は m。これが比の2にあたるので、比の1は m。A君は比5で 。よって分速100m。
(2) B君は比3で 。よって分速60m。
(3) 同じ時間に進む道のりの比も5:3。A君が3000mのとき、B君は 。よって1800m。
✅【別解で検算】 (1)(2) 15分後、A君は m、B君は m進み、差は mで条件と一致。(3) A君が3000m進むのは 分後で、B君は mとなり一致します。
問題3-5(場合の数の発展・硬貨の組み合わせ)
【問題】(オリジナル) 50円玉、10円玉、5円玉をつかって、ちょうど100円をつくります。使わない硬貨があってもかまいません。
(1) 50円玉を1枚つかうとき、残りの50円を10円玉と5円玉でつくる方法は何通りですか。
(2) 50円玉を1枚もつかわないとき、100円を10円玉と5円玉でつくる方法は何通りですか。
(3) 全部で何通りの作り方がありますか。
【方針】 いちばん大きい50円玉の枚数で場合分けし、それぞれで10円玉の枚数を0枚から順に数えます(残りは5円玉で必ずつくれます)。
【解答】 (1) 残り50円で10円玉は0〜5枚のどれでもよく(残りは5円玉)、 枚の6通り。
(2) 100円で10円玉は0〜10枚のどれでもよく、 枚から 枚までの11通り。
(3) 50円玉は0枚・1枚・2枚が考えられます。2枚だと100円ちょうどで残り0円(1通り)、1枚だと(1)より6通り、0枚だと(2)より11通り。合わせて 。よって18通り。
✅【別解で検算】 金額の合計が100円になるかを、それぞれの代表例で確認します。例えば50円玉1枚+10円玉3枚+5円玉4枚は 円で成立。50円玉の枚数ごとの通り数 は、それぞれ「残り金額÷10+1」(、、)と一致し、合計18通りで一致します。
このステップの到達目標:規則性・公約数公倍数・水量・速さと比といった複数の考え方を組み合わせる力を身につけること。
つまずきやすい点:規則性で「番目」と「増えた回数()」を混同する/最大公約数と最小公倍数のどちらを使うか迷う/水量でLとcm³の単位をそろえ忘れる、の3つが典型です。まず「何を求めたいか」を言葉にしてから式に移りましょう。
Step4 フェリス実戦(記述で過程を書く総合問題・条件整理・思考力)
仕上げは、途中の考え方を自分の言葉と式・図で説明する実戦レベルです。フェリスでは、答えだけでなく「どう考えたか」を書く力が問われる傾向があります。各問の【答案の書き方】も参考に、採点者に伝わる書き方を練習しましょう。
問題4-1(条件整理・推理)
【問題】(オリジナル) A、B、C、Dの4人が徒競走をしました。同じ順位の人はいません。次のことがわかっています。
① AのすぐあとにBがゴールした。
② CはDより先にゴールした。
③ Aは1位ではなかった。
④ Dは最下位(4位)ではなかった。
4人の順位を、1位から順に答えなさい。また、その理由を説明しなさい。
【方針】 条件整理は「決まりやすい条件」から手をつけ、場合分けして矛盾するものを消すのが基本です。①はAとBがとなり合う(Aが先)という強い条件なので、そこから候補をしぼります。
【解答】 ①より、AとBはとなり合い、Aが先。③でAは1位でないので、Aが入れるのは2位か3位。
・Aが2位のとき、Bは3位。残る1位・4位はC・D。②でCが先なのでCが1位、Dが4位。しかし④に反する(Dが4位)ので不適。
・Aが3位のとき、Bは4位。残る1位・2位はC・D。②でCが先なのでCが1位、Dが2位。④(Dは4位でない)も満たす。
よって順位は1位C、2位D、3位A、4位B。
【答案の書き方】 「①よりA・Bはとなり合いAが先」「③よりAは2位か3位」と、使った条件を明記しながら場合分けを書きます。不適な場合は「④に反するので不適」と理由をそえて消すのがポイント。最後に「以上より1位C…」と結論を1行でまとめると、採点者に筋道が伝わります。
✅【別解で検算】 得られた順位(C, D, A, B)が①〜④をすべて満たすか確認します。①A(3位)のすぐあとにB(4位)=○、②C(1位)はD(2位)より先=○、③Aは1位でない=○、④Dは4位でない(2位)=○。すべて成り立ち、これ以外の場合は上で不適と分かったので、答えはこの1通りに決まります。
問題4-2(速さの総合・とちゅうで引き返す)
【問題】(オリジナル) 太郎さんは家から1800mはなれた図書館へ、分速60mで歩いて向かいました。出発して10分後に忘れ物に気づき、その地点から同じ速さで家までもどりました。家で2分すごしたあと、今度は分速200mの自転車で図書館へ向かいました。
(1) 忘れ物に気づいた地点は、家から何mのところですか。
(2) 気づいてから家にもどるまで、何分かかりますか。
(3) 太郎さんが図書館に着くのは、最初に家を出てから何分後ですか。求め方も書きなさい。
【方針】 動きが変わる問題は、「歩き→もどる→休けい→自転車」と場面ごとに時間を出して合計します。図(ダイヤグラム)に整理すると見通しがよくなります。
【解答】 (1) 10分歩いたので 。よって家から600m。
(2) 600mを分速60mでもどるので 。よって10分。
(3) 場面ごとの時間は、歩き10分+もどり10分+休けい2分=22分で家を再出発。自転車で1800mを分速200mで進むと 分。合計 。よって31分後。
【答案の書き方】 (3)は「10分+10分+2分=22分(再出発)」「1800÷200=9分」「22+9=31分」と、時間の足し算を1行ずつ示すと明快です。単位(分)をそろえ、最後に「よって31分後」と結ぶと採点者に伝わります。
✅【別解で検算】 各場面の時間を合計すると 分。行きの歩き(600m)と帰り(600m)は同じ道のり・同じ速さなので時間も等しく各10分。これも「600÷60=10分」と一致し、全体31分で一致します。
問題4-3(平面図形の総合・台形の面積を二等分)
【問題】(オリジナル) 上底ADが6cm、下底BCが14cm、高さが8cmの台形ABCD(ADとBCは平行)があります。
(1) 台形ABCDの面積を求めなさい。
(2) 対角線BDを引くと2つの三角形に分かれます。三角形ABDと三角形DBCの面積の比を求めなさい。
(3) 下底BC上に点Pをとり、頂点Aと結んだ直線APで台形の面積を2等分します。BPの長さを求めなさい。求め方も書きなさい。
【方針】 台形の面積は「(上底+下底)×高さ÷2」。(2)は高さ8cmが共通の三角形どうしなので底辺の比。(3)は、切り分けてできる三角形ABPの高さが台形の高さ8cmであることに気づくのがカギです。
【解答】 (1) 。よって80cm²。
(2) 三角形ABDは底辺AD=6、三角形DBCは底辺BC=14で、どちらも高さ8cm。面積比は底辺の比に等しく 。よって3:7。
(3) 直線APで分けると、三角形ABPと四角形APCDに分かれます。三角形ABPは底辺BP、高さは台形の高さ8cm。面積を半分の40cm²にしたいので 、、。よって10cm(BC=14cmより短いので、Pは辺BC上にとれます)。
【答案の書き方】 (3)は「台形全体80cm²の半分は40cm²」「三角形ABP=BP×8÷2」「これを40とおくとBP=10」と、面積の式から逆算する流れを書きます。図に高さ8cmとBPを書きこみ、Pが辺BC(14cm)上にあることも一言そえると丁寧です。
✅【別解で検算】 BP=10cmのとき三角形ABPは cm²。残りの四角形APCDは cm²で、ちょうど半分ずつになり一致します。(2)の比も、三角形ABD=cm²、三角形DBC=cm²、 で一致し、合計 cm²で(1)とも合います。
問題4-4(規則性の記述・碁石の正方形)
【問題】(オリジナル) 碁石を並べて、正方形の「わく(周りだけ・中は空)」の形を作ります。
(1) 1辺に5個ずつ並べるとき、碁石は全部で何個必要ですか。
(2) 全部で36個の碁石を使うとき、1辺には何個並びますか。
(3) 1辺に 個並べるとき、必要な碁石の総数を を使った式で表し、その式になる理由を説明しなさい。
【方針】 四隅を重ねて二重に数えないことが急所です。「四隅の4個+各辺の内側 () 個×4辺」と分けて数えると、理由まではっきり説明できます。
【解答】 (1) 四隅4個と、各辺の内側 個×4辺=12個で 。よって16個。
(2) 総数は 個と表せる(下記(3))ので 、、。よって10個。
(3) 総数は (個)。理由:4つの辺にそれぞれ 個ずつあると数えると 個だが、四隅の4個をそれぞれ2回ずつ数えているため、重なった4個を引いて となる。
【答案の書き方】 (3)は「4辺で数えると 個、四隅を二重に数えているので 」という理由を、図や具体例( で16個)とともに書くと説得力が増します。式だけでなく「なぜそうなるか」を言葉で添えるのがフェリス型記述のコツです。
✅【別解で検算】 「四隅4個+各辺の内側 ()×4」で数えても となり、同じ式に一致。 では 、 では で、(1)(2)とそれぞれ一致します。
問題4-5(数の性質の記述・各位の和)
【問題】(オリジナル) 3けたの整数のうち、各位の数字の和が6になるものは全部で何個ありますか。数え方も説明しなさい。
【方針】 百の位は1以上(0は使えない)という点に注意して、百の位で場合分けし、残りの2けたの和が決まったときの組み合わせを数えます。
【解答】 百の位を (1〜9)、十の位を 、一の位を とすると 。百の位 を決めると、 となり、 は0から までの 通り( は自動的に決まる)。
なら6通り、 なら5通り、 なら4通り、 なら3通り、 なら2通り、 なら1通り( は和が6を超えるので0通り)。
合計は 。よって21個。
【答案の書き方】 「百の位を と決めると残り2けたの和は 、その組は 通り」という数え方の根拠を先に書き、 から順に通り数を並べ、最後に合計する——この流れが伝わりやすい書き方です。「百の位は0にできない」という条件を明記すると加点されやすくなります。
✅【別解で検算】 もし百の位も0を許して の組を数えると、仕切りの考え方で 通り。このうち (=実際は3けたにならない)の場合は で7通り。よって3けたは 個となり一致します。
このステップの到達目標:答えを出すだけでなく、使った条件・場合分け・式の意味を、採点者に伝わる形で書けること。
つまずきやすい点:結論だけ書いて途中の理由が抜ける/場合分けの「不適な場合」を消す根拠を書かない/記述で単位や結論の一文を省く、の3つが典型です。「なぜそう言えるのか」を一言そえる習慣を、日ごろの答案づくりから身につけましょう。
学習の進め方(時期別の目安)
いつ何をやるかは一人ひとり異なりますので、あくまで一般的な目安としてお読みください(断定は避けています)。
- 6年生の夏ごろまで:Step1・Step2を中心に、割合・速さ・図形・数の性質・場合の数の基礎から標準までを、穴なく仕上げる時期と考えられます。毎日の計算練習で、速さと正確さの両方を育てましょう。
- 秋(9〜11月ごろ):Step3の発展・融合問題に取り組み、複数の考え方を組み合わせる力を広げる時期です。本ドリルの「方針」に出てくる考え方の型(速さと比、公約数・公倍数、水量、規則性など)を、確実に使えるようにしていきましょう。
- 直前期(12月〜1月ごろ):Step4のように途中の考え方を書く練習を増やす時期です。答えが合っていても、式・図・理由を書いて他の人に伝わるかを意識すると、記述型の設問に強くなります。実際の入試形式や配点は、学校公式の最新情報でご確認ください。
各ステップは、順番にクリアしてから次へ進むのがおすすめです。まちがえた問題は、時間をおいてもう一度、何も見ずに解き直すと定着します。答えを出したら必ず【別解で検算】のように、別の見方でもう一度確かめる習慣を大切にしてください。これはフェリスに限らず、算数の力を伸ばす王道だと考えられます。
フェリスの算数を、プロと1対1で段階的に
藤原進之介が厳選した一流のプロ講師がお子様の担任になります!フェリス算数を段階的に伴走します。まずは学習状況にあわせて、次の一歩をご提案します。
▶ フェリス女学院中 算数 年度別まとめ|中学受験 算数 学校別まとめ
よくある質問
Q. このドリルの問題は、フェリスの過去問ですか。
A. いいえ。掲載している問題はすべて数強塾が作成したオリジナルの自作問題で、過去問の問題文・図の転載や、数値を差しかえただけのコピーではありません。公開情報から知られる傾向をふまえて、基礎からフェリス実戦レベルまで段階的に力がつくよう独自に作っています。実際の過去問・図は学校公式サイトでご確認ください。
Q. 答えは正確ですか。
A. 各問の答えは、受験算数の正攻法(方程式にたよらない解き方)で解いたうえで、独立した別の方法による二重検算をおこない、答えの一致を確認しています。とはいえ解き方は一通りではありませんので、お子様なりの別解が出てきたら、それも大切にしてください。
Q. どの順番で取り組めばよいですか。
A. Step1(基礎固め)から順に進め、各ステップの【到達目標】を満たしてから次へ進むのがおすすめです。つまずいたら一つ前のステップに戻り、時間をおいて解き直すと定着しやすくなります。
Q. Step4の記述問題は、どう練習すればよいですか。
A. 各問の【答案の書き方】を参考に、使った条件・場合分け・式の意味を言葉でそえて書く練習をしましょう。答えが合っていても、他の人に伝わるかを意識すると、記述型の設問に強くなります。第三者に採点してもらうと、より効果的だと考えられます。
Q. さらにフェリス対策を進めるには、何を見ればよいですか。
A. フェリス算数 オリジナル予想問題集で実戦形式に慣れ、フェリス過去問解説一覧で年度別の傾向を確認するのがおすすめです。学習状況にあわせた進め方は、無料相談でもご案内できます。


