中学受験・算数

フェリス女学院中学校 2022年度 算数 過去問の傾向と対策

数強塾のプロ講師陣

フェリス女学院中学校 2022年度 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル類題つき】

2022年度 フェリス女学院中 算数の概要(公開情報より)

  • フェリスの算数は試験時間50分・100点満点で、式や考え方を書かせる記述形式が特徴とされています。
  • プロ家庭教師の解説サイト等の公開情報によると、2022年度は大問5題で、「小問集合(四則計算・食塩水の濃度・数の性質・平面図形・場合の数)」「整数の性質」「仕事算」「旅人算」「立体図形」という構成だったとされています。
  • 複数の分析で、2022年度の受験者平均点は37点(100点満点)と紹介されており、前年(57点とされる)から大きく下がった「難化の年」だったと言われています。
  • 特に第1問の小問集合の難度が高く、序盤でリズムを崩された受験生が多かったのではないか、と分析されています。

※以下の解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、受験算数の正攻法と別解による二重検算済み)。本ページの類題はすべて数強塾のオリジナル問題です。実際の入試問題はフェリス女学院中学校の公式サイトでご確認ください。

2022年度のフェリスは、受験者平均点が大きく下がったとされる「難化の年」でした。こうした年ほど大切なのは、難問を全部解ききる力よりも、解けるはずの問題を確実に取りきる力です。平均点が下がる年は、合否を分けるラインも下がります。つまり「みんなが解ける標準問題+あと1〜2問」を落ち着いて確保できた受験生が合格をつかんだ、と考えられます。ここでは、2022年度に出題されたと伝えられる仕事算をはじめ、フェリス対策として鍛えておきたい分野から数強塾が自作した5つのオリジナル類題に挑戦しましょう。なお、2025年度版では「数の性質・平面図形と比・旅人算・ニュートン算・規則性」を、2024年度版では「時計算・場合の数・水そう・図形の移動・食塩水」を、2023年度版では「つるかめ算・立体図形・売買算・約束記号・論理推理」を扱ったので、本ページではそれらと重ならない5分野(仕事算・流水算・円とおうぎ形の求積・日暦算・道順の場合の数)を取り上げます。

類題1(仕事算)

問題(数強塾オリジナル):ある仕事を仕上げるのに、Aさん1人では24日、Bさん1人では36日かかります。この仕事を2人でいっしょに始めましたが、途中でAさんが何日か休んだため、仕事が終わるまでにちょうど18日かかりました。Bさんは1日も休んでいません。Aさんが休んだのは何日間ですか。

【📖大切な考え方】仕事算は、仕事全体の量を「かかる日数の最小公倍数」とおくと、1日あたりの仕事量が整数になって計算がらくになります。24と36の最小公倍数は72なので、全体を72とおきましょう。

【👀ここに注目】「Bさんは1日も休んでいない」という一文がカギ。休まなかった人の仕事量は先に確定できるので、まず休まなかったBさんの分を全体から引いて、残りをAさんが何日でやったかを考えれば、休んだ日数は引き算で出ます。

方針:全体を72とおく → Bの18日分を引く → 残りがAの働いた分 → 働いた日数から休みを求める。

解答

仕事全体を 72 とすると、
Aさんが1日にする仕事は 72 ÷ 24 = 3、Bさんが1日にする仕事は 72 ÷ 36 = 2。
Bさんは18日間休まず働いたので、Bさんがした仕事は 2 × 18 = 36。
残りの 72 − 36 = 36 がAさんのした仕事だから、Aさんが働いた日数は 36 ÷ 3 = 12日。
よってAさんが休んだのは 18 − 12 = 6日間

【✅検算】Aが12日働くと 3 × 12 = 36、Bが18日働くと 2 × 18 = 36、合わせて 36 + 36 = 72 で仕事全体とぴったり一致。(休んだ日数を□として 3 × (18 − □) + 2 × 18 = 72 を解く別解でも □ = 6 で一致)

【💡ポイントコラム】仕事算で「だれかが休む」問題は、休まなかった人から先に処理するのが鉄則。動きが確定している部分を先に計算して取り除けば、残りは1人だけの単純な問題になります。フェリスに限らず、条件が複雑な問題ほど「確定している部分から埋める」姿勢が効きます。

類題2(流水算)

問題(数強塾オリジナル):ある川の下流のP地点と上流のQ地点は36kmはなれています。静水時の速さが時速12kmの船が、PからQまで上るのに4時間かかりました。川の流れの速さは一定とします。
(1) 川の流れの速さは時速何kmですか。
(2) この船が帰りにQからPへ下る途中、エンジンが故障して30分間川に流されました。修理のあとは再びもとの静水時の速さで進んだところ、無事Pに着きました。QからPまで、全部で何時間何分かかりましたか。

【📖大切な考え方】流水算の基本は「上りの速さ=静水時の速さ−流れの速さ」「下りの速さ=静水時の速さ+流れの速さ」。まず上りの実際の速さを求めれば、流れの速さが引き算でわかります。

【👀ここに注目】エンジンが止まっている間、船は止まるのではなく流れの速さでP(下流)に向かって進んでいます。「故障=停止」と思いこまないこと。流された30分も、Pに近づく移動として距離にカウントします。

方針:(1)は上りの速さから逆算。(2)は「流された距離」を先に求め、残りの距離を下りの速さで割ります。

解答

(1) 上りの速さは 36 ÷ 4 = 時速9km。
流れの速さは 12 − 9 = 時速3km

(2) 下りの速さは 12 + 3 = 時速15km。
エンジンが止まっていた30分間は、流れの速さ(時速3km)で下流に流されるので、その間に進んだ距離は 3 × 0.5 = 1.5km。
残りの 36 − 1.5 = 34.5km をエンジンで下るのにかかる時間は 34.5 ÷ 15 = 2.3時間。
2.3時間 = 2時間18分。
よって全部で 2時間18分 + 30分 = 2時間48分

【✅検算】2時間48分のうち航行が2時間18分(= 2.3時間)で 15 × 2.3 = 34.5km、漂流が0.5時間で 3 × 0.5 = 1.5km。合計 34.5 + 1.5 = 36km でPQ間の距離とぴったり一致。

【💡ポイントコラム】この問題、じつは「故障が下りのどのタイミングで起きても」答えは変わりません。流された距離と航行した距離の合計が36kmであることだけで時間が決まるからです。解き終わったあとに「なぜ場所の条件がなくても解けたのか」まで考えられると、フェリスが求める“理由を説明できる力”が育ちます。

類題3(円とおうぎ形の求積)

問題(数強塾オリジナル):半径12cmの四分円(中心O、半径OA、OBのおうぎ形で、角AOBは90度)があります。OAを直径とする半円と、OBを直径とする半円を、四分円の内側にかきました。2つの半円が重なっている部分をP、四分円の内側でどちらの半円にも入っていない部分をQとします。Pの面積とQの面積の差を求めなさい。

OABPQ
(図は数強塾作成のイメージ図です)

【📖大切な考え方】PやQの面積を1つずつ求めようとすると、レンズ形の面積が必要になって小学生の道具では計算できません。こういうときは「差」を面積の式のたし引きだけで求めるのが定石。図形問題の「差を求めなさい」は、「個別には求められないよ(求めなくていいよ)」という出題者からのヒントであることが多いのです。

【👀ここに注目】半円2つの面積をたすと、重なりPは2回数えられ、Qは1回も数えられません。この「数えられ方のずれ」こそが、差を生み出す正体です。

方針:(半円2つの面積の和)と(四分円の面積)を比べます。

解答

四分円の面積は 12 × 12 × 3.14 ÷ 4 = 36 × 3.14(平方cm)。
半円は半径 12 ÷ 2 = 6cmだから、1つの面積は 6 × 6 × 3.14 ÷ 2 = 18 × 3.14。2つ分で 36 × 3.14(平方cm)。
ここで、四分円の内側を「P(重なり)」「Qでも Pでもない部分(半円のうち重なっていない部分)」「Q」の3種類に分けて考えます。
半円2つの面積の和 =(重なっていない部分)+ P × 2 (Pを2回数えるため)
四分円の面積 =(重なっていない部分)+ P + Q
この2つの式は、どちらも 36 × 3.14 で等しいので、
(重なっていない部分)+ P × 2 =(重なっていない部分)+ P + Q
両方から(重なっていない部分)と P を1つずつ取りのぞくと、 P = Q。
よってPとQの面積の差は 0平方cm(PとQの面積は等しい)

【✅検算】細かい方眼に区切ってPとQにあたる部分の面積を数値的に見積もる別解でも、Pはおよそ20.5平方cm、Qもおよそ20.5平方cmとなり、差が0であることと一致。

【💡ポイントコラム】「半円2つの和=四分円」という偶然のような一致は、半径が半分になると面積が4分の1になる(6cmの円の面積は12cmの円の16分の4…つまり4分の1)ことから来ています。相似な図形の面積比=相似比×相似比、という関係は求積問題の裏でいつも働いています。

類題4(日暦算)

問題(数強塾オリジナル):2022年2月1日は火曜日でした。2022年はうるう年ではありません。
(1) 2022年12月25日は何曜日ですか。
(2) 2022年の毎月の「1日(ついたち)」のうち、火曜日になる月は、2月をふくめて全部で何か月ありますか。

【📖大切な考え方】曜日は7日ごとにくり返すので、「2つの日付の間が何日か」を数えて7で割った余りだけ曜日を進めます。日数の数え方は「何日後」で統一しましょう(2月1日の1日後が2月2日)。

【👀ここに注目】月の日数(31日・30日・28日)を7で割った余りは、それぞれ3・2・0。つまり「31日の月をまたぐと曜日が3つ進む、30日の月なら2つ、28日の2月なら変わらない」。この余りだけをたどれば、毎月1日の曜日は一気に調べられます。

方針:(1)は2月1日から12月25日までの日数を数えて7で割る。(2)は月の日数の余り(3・2・0)を順にたどって毎月1日の曜日を表にします。

解答

(1) 2月1日から12月25日までは、
2月の残り27日 + 3月31日 + 4月30日 + 5月31日 + 6月30日 + 7月31日 + 8月31日 + 9月30日 + 10月31日 + 11月30日 + 12月25日分の25日
= 27 + 31 + 30 + 31 + 30 + 31 + 31 + 30 + 31 + 30 + 25 = 327日後。
327 ÷ 7 = 46 余り 5 なので、曜日は火曜日から5つ進みます。
火 → 水 → 木 → 金 → 土 → 日 で、日曜日

(2) 「次の月の1日」は、その月の日数を7で割った余り(31日の月=3、30日の月=2、28日の月=0)だけ曜日が進みます。2月1日(火)から順にたどると、
2月1日=火 → 3月1日=火(2月は28日、余り0)→ 4月1日=金(3月は31日、3つ進む)→ 5月1日=日(4月は30日、2つ)→ 6月1日=水(3つ)→ 7月1日=金(2つ)→ 8月1日=月(3つ)→ 9月1日=木(3つ)→ 10月1日=土(2つ)→ 11月1日=火(3つ)→ 12月1日=木(2つ)。
また1月1日は、2月1日の31日前なので曜日を3つ戻して土曜日。
1日が火曜日になるのは 2月・3月・11月 の 3か月

【✅検算】実際の2022年のカレンダーと照合すると、12月25日は日曜日、毎月1日が火曜日なのは2月・3月・11月で、(1)(2)とも一致。(1月1日=土曜日から365日を順に数え上げる全探索の別解でも同じ結果)

【💡ポイントコラム】日暦算は「月の日数を7で割った余り(大の月3・小の月2・平年2月0)」を覚えてしまうと、途中の月をまたぐ計算が暗算レベルになります。うるう年(2月29日)の判定条件とあわせて、道具として仕込んでおきましょう。

類題5(場合の数・道順)

問題(数強塾オリジナル):東西・南北にそれぞれ5本ずつ道が通った碁盤の目の形の町があります(区画はたて4つ、よこ4つ)。左下すみの交差点をA、右上すみの交差点をB、Aから右へ2区画・上へ2区画進んだ、町のちょうど真ん中の交差点をCとします。遠回りせずに(右または上にだけ進んで)AからBまで行きます。
(1) 道順は全部で何通りありますか。
(2) 工事のため交差点Cを通れないとき、道順は何通りありますか。

ABC
(図は数強塾作成のイメージ図です)

【📖大切な考え方】道順の数は、各交差点に「そこまでの行き方の数」を書きこんでいく方法(書きこみ方式)が最強。左どなりと下どなりの数をたすだけで、どんな禁止条件がついても対応できます。

【👀ここに注目】「Cを通らない」は、(全体)−(Cを通る道順)の引き算で数えるのが速い。「〜しない」場合の数は、正面から数えるより余事象(反対側)から攻めるのが定石です。

方針:(1)は右4回・上4回の並べ方。(2)は「A→Cの道順 × C→Bの道順」を全体から引きます。

解答

(1) AからBまでは、右に4回・上に4回、合計8回の移動の並べ方の数だけ道順があります。
8回のうちどの4回を「右」にするかを選ぶと考えて、
(8 × 7 × 6 × 5) ÷ (4 × 3 × 2 × 1) = 1680 ÷ 24 = 70通り

(2) まずCを通る道順を数えます。
AからCまでは右2回・上2回で、(4 × 3) ÷ (2 × 1) = 6通り。
CからBまでも右2回・上2回で、同じく6通り。
Cを通る道順は 6 × 6 = 36通り。
よってCを通らない道順は 70 − 36 = 34通り

【✅検算】各交差点に行き方の数を書きこむ方式(Cには0を書く)で全部たどる別解でも、Bにたどり着く数は34通りで一致。全体も、書きこみ方式でCを消さずに数えると70通りで一致。

【💡ポイントコラム】計算で出す方法(組み合わせ)と書きこみ方式は、どちらか一方に頼らず両方使えるようにしておくと、片方が検算になります。フェリスのように途中の考え方を書かせる学校では、「計算で出して、書きこみで確かめた」と示せること自体が強い答案になります。

2022年度から学ぶフェリス算数の教訓

2022年度は受験者平均点が大きく下がったとされる年で、序盤の小問集合の難度に動揺した受験生が多かったのではないかと分析されています。難化した年に強いのは、①「難しい問題は全員にとって難しい」と割り切り、取れる問題から確実に得点を積み上げられる子、②仕事算・流水算・道順など典型分野の解法を、条件が少しひねられても土台から組み立て直せる子、③検算を答案の中に組みこみ、取った点を絶対に失わない子です。日々の学習では「解けた問題こそ、別の解き方でもう一度解く」習慣をつけると、難化の年に効く得点の安定感と、フェリスが求める記述力が同時に育ちます。

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は フェリス女学院中学校 に帰属します。出典:フェリス女学院中学校 2022年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
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