根号を含む式は、平方数を根号の外へ出してから計算します。積と商は根号の中をまとめられますが、和と差は同じ根号の項だけをまとめます。この違いを整理し、最後に分母の有理化と展開まで一つの手順として身につけましょう。
根号の積と商の基本
a≧0、b≧0のとき、平方根の積には次の関係があります。
a≧0、b>0のとき、商には次の関係があります。
根号の中をできるだけ小さくする
根号の中に平方数の因数があれば、積の関係を使って根号の外へ出します。
例1:√12を簡単にする
=√4×√3
=2√3
答え:2√3
例2:√50を簡単にする
答え:5√2
| 元の数 | 平方数を含む分解 | 簡単にした形 |
|---|---|---|
| √8 | √(4×2) | 2√2 |
| √18 | √(9×2) | 3√2 |
| √27 | √(9×3) | 3√3 |
| √72 | √(36×2) | 6√2 |
| √75 | √(25×3) | 5√3 |
根号を含む数の乗法
例3:√6×√15
=√(9×10)
=3√10
答え:3√10
例4:(2√3)(-4√6)
外の係数どうし、根号どうしをそれぞれ掛けます。
=-8√18
=-8×3√2
=-24√2
答え:-24√2
根号を含む数の除法
例5:√48÷√3
答え:4
例6:6√15÷3√5
=2√(15/5)
=2√3
答え:2√3
加法・減法は同じ根号だけまとめる
文字式の同類項と同じように、√2の項どうし、√3の項どうしをまとめます。
7√3-2√3=5√3
√2+√3のように根号の中が異なる項は、そのままではまとめられません。
例7:√12+√27
先に、それぞれの根号を簡単にします。
=2√3+3√3
=5√3
答え:5√3
分母の有理化
分母に根号がある分数で、分子と分母に同じ根号を掛けて分母を有理数にすることを分母を有理化するといいます。
例8:3/√5を有理化する
=(3×√5)/(√5×√5)
=3√5/5
答え:3√5/5
例9:2/√3を有理化する
分子と分母に√3を掛けています。
分子と分母に同じ0でない数を掛けても分数の値は変わりません。√5×√5=5となるため、分母から根号がなくなります。
分配法則と乗法公式を使う
根号を含んでいても、分配法則と乗法公式は同じように使えます。
例10:(√3+2)(√3-2)
(a+b)(a-b)=a²-b²を使います。
=(√3)²-2²
=3-4=-1
答え:-1
例11:(√2+√5)²
=2+2√2√5+5
=7+2√10
答え:7+2√10
例12:√2(√8+3)
=√16+3√2
=4+3√2
答え:4+3√2
計算する順序
- 根号を簡単にする:平方数の因数を根号の外へ出す。
- 積・商を計算する:外の係数と根号の中をそれぞれ整理する。
- 同じ根号の項をまとめる:文字式の同類項と同じ考え方を使う。
- 分母を有理化する:分母に根号が残る場合は同じ根号を掛ける。
- 最終確認:根号の中に平方数の因数がなく、まとめられる項が残っていないか確認する。
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| √12=√4+√3 | 積は分けられるが和は分けられない。√(4×3)=2√3 |
| √2+√3=√5 | 異なる根号の項はまとめない |
| √8+√2をまとめられないとする | √8=2√2に直して3√2 |
| 2√3×4√5=8√8 | 根号の中は3×5なので8√15 |
| 有理化で分母だけに根号を掛ける | 分数の値を保つため、分子と分母の両方に掛ける |
| 答えの根号内に平方数を残す | 最後に4、9、16、25などで割れるか確認する |
確認問題
- √18を簡単にしましょう。
- √75を簡単にしましょう。
- √12×√6を計算しましょう。
- √45÷√5を計算しましょう。
- 4√3-√12を計算しましょう。
- 2√8+√50を計算しましょう。
- 5/√7の分母を有理化しましょう。
- (√5+3)(√5-3)を計算しましょう。
- (√3+√2)²を展開しましょう。
- √3(2√12-√27)を計算しましょう。
確認問題の解答と考え方
- √18=√(9×2)=3√2です。
- √75=√(25×3)=5√3です。
- √72=√(36×2)=6√2です。
- √(45/5)=√9=3です。
- √12=2√3なので、4√3-2√3=2√3です。
- 2√8+√50=4√2+5√2=9√2です。
- 分子と分母に√7を掛け、5√7/7です。
- (√5)²-3²=5-9=-4です。
- 3+2√6+2=5+2√6です。
- 2√12=4√3、√27=3√3なので、かっこ内は√3です。√3×√3=3です。
まとめ
- 根号の中に平方数の因数があれば、根号の外へ出す。
- 積は√a√b=√(ab)、商は√a/√b=√(a/b)を使う。
- 加法・減法では、根号を簡単にしてから同じ根号の項だけをまとめる。
- 分母の有理化では、分子と分母に同じ根号を掛ける。
- 根号を含む式にも分配法則と乗法公式を使える。
- 最後に、根号内の平方数・同類項・分母の根号を確認する。
学習範囲の根拠
本記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第3学年「数と式」にある、根号を含む式の計算と、平方根を用いて数量関係を表し処理する学習内容に沿って構成しています。
保護者の方へ:見守りのポイント
根号計算のミスは、公式の理解より「簡単化をいつ行うか」が原因になることが多くあります。加減の前に根号を簡単にしたか、積の後に平方数が残っていないかを一緒に確認してください。答えだけを訂正するより、簡単化・積商・同類項・有理化のどの段階で違ったかを印で残すと改善しやすくなります。
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