数学II辞典|単元別の無料問題・解答解説

式と証明、複素数、図形と方程式、三角・指数・対数関数、微分積分を構造的に結びます。

1. 式と証明8項目

計算の精度と、不等式を「示す」書き方。数学IIの全単元の土台になります。

いくつか代入して正しければ、証明になる?

1.等式と恒等式を分ける

x²=xはx=0、1でだけ成立します。一方、(x+1)²=x²+2x+1はすべての実数xで成立する恒等式です。証明では対象となる範囲を最初に確認します。

2.左辺から右辺を引いてみる

等式A=Bを証明したいとき、A−Bを計算して0になることを示す方法があります。例えば(a+b)²−(a−b)²=4abなら、左辺から右辺を引いて展開すると、a²+2ab+b²−a²+2ab−b²−4ab=0。示したい等式を正しいと仮定せずに確かめられます。

3.差が0以上になる理由を考える

a²+b²≧2abは、左辺−右辺=(a−b)²≧0から分かります。等号は平方が0になるa=bのときです。

4.条件と等号を点検する

正の数a、bならa+b≧2√ab。これは(√a−√b)²≧0から導けます。平方根を使うためにa、bの符号条件が必要です。

5.まずは一問、解いてみよう

実数xについてx²+6x+9≧0を証明し、等号条件を答えよう。

解答と考え方を確認

x²+6x+9=(x+3)²≧0。等号はx=−3。

6.もう一問、考えてみよう

x>0のとき、x+9/xの最小値を求めよう。

解答と理由を確認

x+9/x−6=(x−3)²/x≧0。分母が正なので不等号の向きは変わりません。x=3で等号となるため最小値は6。

不等式を証明したら、等号が成り立つ場合も確かめてみましょう。最小値の問題では「これ以上小さくならない」だけでなく、その値を実際に取れることまで必要です。

3次の展開・因数分解 (a±b)³ の展開と a³±b³ の因数分解。数学Iの内容を係数比較に使えるようにしておく。
二項定理 (a+b)^n の展開で a^(n−r)b^r の係数は nCr。特定の項の係数を問う問題が頻出。
多項式の割り算 A=BQ+R(Rの次数はBより低い)。筆算か組立除法で商と余りを求める。
分数式の計算 通分・約分は因数分解してから。繁分数式は分母分子に同じものを掛けて整理する。
恒等式と係数比較 どんなxでも成り立つ式。両辺の同じ次数の係数を比べるか、都合のよい値を代入する。
等式の証明 左辺−右辺=0 を示すか、両辺をそれぞれ変形して同じ形に到達させる。
不等式の証明 (左辺)−(右辺)≧0 を示す。2乗の和や平方完成の形に持ち込むのが基本。
相加平均・相乗平均 a>0, b>0 のとき (a+b)/2≧√(ab)。等号は a=b のとき。最小値問題で使う。

つまずきやすい点

  • 相加相乗で正の条件を書かないa>0, b>0 が前提。この一言が無いと使えない。等号成立 a=b も必ず添える。
  • 恒等式を方程式として解く恒等式はすべての x で成立。係数比較か、都合のよい値を代入して連立にする。
  • 二項定理で項の番号を1つずらす一般項は nCr·a^(n−r)·b^r で、r は0から始まる。「第k項」なら r=k−1。
  • 不等式の証明で平方完成を使わない(左辺)−(右辺)を2乗の和に持ち込むのが基本。等号成立条件まで書いて完結する。
  • 多項式の割り算で次数を下げ切らない余りの次数は割る式より必ず低い。1次で割れば余りは定数。

入試での出方と最初の一手

  • 特定の項の係数を求める二項定理の一般項を書き、指数が条件に合う r を決める。文字が3つなら多項定理。
  • 分数式の恒等式(部分分数)分母を払って係数比較。数値代入で一気に決まることも多い。
  • 最小値を相加相乗で求める積が定数になる2つの正の量を作る。等号成立時の値が定義域内かを確認する。
  • 条件つき等式の証明条件式を1文字消去に使う。または対称式・基本対称式に書き換える。

→ 数学II・B・Cの要点辞典 第1章「式と証明」で詳しく読む

2. 複素数と方程式7項目

数の範囲を広げると、すべての n 次方程式に n 個の解が現れます。

判別式が負の二次方程式にも解があるのはなぜ?

1.数の範囲を広げる

実数では平方が負になる数はありません。i²=−1となる数iを導入すると、x²+1=0の解を±iと表せます。

2.共役で分母を実数にする

1/(1+i)には分子・分母に1−iを掛けます。分母は1−i²=2となり、結果は(1−i)/2です。

3.解と係数を結ぶ

x²−sx+p=0の2解をα、βとすると、(x−α)(x−β)の展開からα+β=s、αβ=p。解を個別に求めず対称式を計算できます。

4.高次式は因数を探す

多項式P(x)でP(a)=0なら(x−a)が因数です。P(x)=x³−1ならP(1)=0なので、x³−1=(x−1)(x²+x+1)と分けます。

5.まずは一問、解いてみよう

x²−2x+5=0を複素数の範囲で解こう。

解答と考え方を確認

(x−1)²=−4なのでx=1±2i。

6.もう一問、考えてみよう

x²−3x+4=0の2解をα、βとする。α²+β²を求めよう。

解答と理由を確認

α+β=3、αβ=4より、α²+β²=(α+β)²−2αβ=9−8=1。複素数の解でも解と係数の関係は使えます。

解を一つずつ求める前に、欲しい式を和と積で表せないか考えてみましょう。α²+β²なら(α+β)²−2αβ。この書き換えに気付くと、複素数の計算を増やさずに答えへ進めます。

複素数の四則 i²=−1 として計算。割り算は分母の共役複素数を掛けて実数化する。
2次方程式の複素数解 D<0 のとき虚数解。実数係数なら共役な複素数が対になって現れる。
解と係数の関係 α+β=−b/a、αβ=c/a。3次では基本対称式3つの関係を使う。
剰余の定理 P(x) を (x−a) で割った余りは P(a)。余りを求めるだけなら割り算は不要。
因数定理 P(a)=0 ⇔ P(x) は (x−a) を因数にもつ。a の候補は(定数項の約数)/(最高次の係数の約数)。
高次方程式 因数定理で1つ因数を見つけ、組立除法で次数を下げてから解く。
組立除法 1次式で割るときの筆算の省略形。係数だけを並べて掛けて足すを繰り返す。

つまずきやすい点

  • 虚数解のとき共役をペアで扱わない実数係数なら虚数解は必ず共役の組。片方が解なら他方も解。
  • 因数定理で候補を絞らず総当たりする候補は(定数項の約数)/(最高次の係数の約数)。±を両方試す。
  • 組立除法で0の係数を飛ばす欠けている次数は0を書く。詰めて書くと桁がずれる。
  • 解と係数の関係を3次で立てられない3次では和、2つずつの積の和、3つの積の3本。次数に応じて本数が増える。
  • 余りを求めるのに割り算をする1次で割るなら剰余の定理で代入するだけ。2次で割るなら余りを ax+b と置く。

入試での出方と最初の一手

  • 2次式で割った余り余りを ax+b と置き、割る式の解を代入して連立にする。
  • 高次方程式を解く因数定理で1つ因数を見つけ、組立除法で次数を下げる。残りを2次で処理。
  • 解の条件から係数を決める解と係数の関係で和と積を条件式にする。判別式で実数解の有無も添える。
  • 共役解を使った係数決定虚数解が1つ与えられたら共役も解。2解の和と積から2次式を復元する。

→ 数学II・B・Cの要点辞典 第2章「複素数と方程式」で詳しく読む

3. 図形と方程式10項目

図形を式に翻訳する単元。「条件を満たす点の集まり」という見方が軌跡・領域につながります。

図形を式にすると何が分かる?

1.距離を座標で表す

A(1,2)、B(4,6)の距離は√(3²+4²)=5。横と縦の差を直角三角形の辺として三平方の定理を使います。

2.条件を満たす点を集める

中心(a,b)から距離rの点(x,y)は(x−a)²+(y−b)²=r²を満たします。円の方程式は距離の条件そのものです。

3.交点は連立する

円x²+y²=5と直線y=x+1の交点では両方の式が成立します。代入してx²+(x+1)²=5を解きます。

4.領域は境界と内外を分ける

x²+y²<4は半径2の円の内部で、円周を含みません。まず等号の境界を描き、原点などの点を代入して側を決めます。

5.まずは一問、解いてみよう

(x−2)²+(y+1)²=9の中心と半径は?

解答と考え方を確認

中心(2,−1)、半径3。y+1=y−(−1)と読みます。

6.もう一問、考えてみよう

円x²+y²=5と直線y=x+1の交点を求めよう。

解答と理由を確認

2x²+2x−4=0より(x+2)(x−1)=0。x=−2、1を直線に代入し、交点は(−2,−1)、(1,2)。両方とも円の式を満たします。

交点を求めたら、座標を元の二つの式へ戻してみてください。円の上にあるだけでも、直線の上にあるだけでも交点とは言えません。二つの条件を同時に満たす点を求めていることを忘れないようにしましょう。

内分点・外分点 AB を m:n に内分する点は (nA+mB)/(m+n)。外分は n を −n に置き換える。
2点間の距離 √((x₂−x₁)²+(y₂−y₁)²)。三角形の形状決定でよく使う。
直線の方程式 点(x₁,y₁)を通り傾きmの直線は y−y₁=m(x−x₁)。一般形は ax+by+c=0。
平行・垂直条件 平行は傾きが等しい。垂直は傾きの積が −1(一方が y軸に平行な場合は別扱い)。
点と直線の距離 点(x₀,y₀)と ax+by+c=0 の距離は |ax₀+by₀+c|/√(a²+b²)。
円の方程式 (x−a)²+(y−b)²=r²。展開形 x²+y²+lx+my+n=0 は平方完成で中心と半径に戻す。
円と直線の位置関係 中心と直線の距離 d と半径 r を比べる。d<r で2点、d=r で接する、d>r で共有点なし。
円の接線 円上の点(x₁,y₁)での接線は x₁x+y₁y=r²(原点中心のとき)。外部の点からは2本引ける。
軌跡 条件を満たす点を(x,y)とおき、条件を式にしてから x,y だけの関係式に直す。
領域と最大最小 不等式の表す領域を図示し、k=ax+by を「傾き一定の直線」と見て平行移動させる。

つまずきやすい点

  • 円の方程式を平方完成せずに中心を読むx²+y²+lx+my+n=0 は平方完成が必要。半径の2乗が負なら円にならない。
  • 点と直線の距離で一般形に直さないax+by+c=0 の形にしてから公式へ。y=mx+k のままでは使えない。
  • 軌跡で除外点を書かない分母が0になる場合や、三角形が潰れる場合を除く。「ただし〜を除く」まで書く。
  • 領域の最大最小で境界を含むか判定しない不等号が等号つきかで境界を含むかが変わる。図に実線・破線で描き分ける。
  • 垂直条件で y 軸に平行な場合を落とす傾きの積が −1 は両方に傾きがあるときだけ。垂直・水平の組は別扱い。

入試での出方と最初の一手

  • 円の接線を引く接点を (x₁,y₁) と置いて x₁x+y₁y=r²、または中心との距離=半径で条件を作る。
  • 軌跡を求める動く点を (x,y) と置き、条件を式にしてから媒介変数を消去する。
  • 線形計画法制約を図示し、k=ax+by を傾き一定の直線として平行移動。頂点で最大最小をとる。
  • 2円の交点を通る図形2式を引くと共通弦の直線が出る。束(k を使った式)で交点を通る図形を表す。

→ 数学II・B・Cの要点辞典 第3章「図形と方程式」で詳しく読む

4. 三角関数8項目

公式が多く見えますが、加法定理から派生するものがほとんどです。

角度が90°を超えてもsinを使えるのはなぜ?

1.単位円で定義する

半径1の円上の点を(cosθ,sinθ)と定めると、直角三角形を越えて角度を扱えます。象限によって座標の正負が変わります。

2.弧度法に慣れる

半径r、弧の長さlのときθ=l/r。半周はπrad=180°なので、60°はπ/3です。

3.式の形をそろえる

sin²θ+cos²θ=1は単位円の方程式です。sin²θを1−cos²θに置き換えれば、cosθだけの二次式として解ける場合があります。

4.範囲内の解を全部拾う

0≦θ<2πでsinθ=1/2ならθ=π/6、5π/6。第1象限の角だけで終えず、単位円で同じ高さのもう1点を探します。

5.まずは一問、解いてみよう

0≦θ<2πでcosθ=−1/2を解こう。

解答と考え方を確認

第2・第3象限なのでθ=2π/3、4π/3。

6.もう一問、考えてみよう

0≦θ<2πで2sin²θ−sinθ−1=0を解こう。

解答と理由を確認

(2sinθ+1)(sinθ−1)=0よりsinθ=−1/2または1。したがってθ=π/2、7π/6、11π/6。

三角方程式を解いたら、単位円に答えの点を打ってみましょう。同じsinの値を取る点がほかにないか、角度が指定された範囲に入っているかを図で確かめられます。

弧度法 180°=π ラジアン。弧の長さ l=rθ、扇形の面積 S=(1/2)r²θ。
グラフと周期 y=sin x、y=cos x の周期は 2π、y=tan x は π。y=a sin(bx+c) の周期は 2π/|b|。
加法定理 sin(α±β)=sinα cosβ±cosα sinβ、cos(α±β)=cosα cosβ∓sinα sinβ。
2倍角の公式 sin2θ=2sinθcosθ、cos2θ=1−2sin²θ=2cos²θ−1。
半角の公式 sin²θ=(1−cos2θ)/2、cos²θ=(1+cos2θ)/2。次数を下げるために使う。
三角関数の合成 a sinθ+b cosθ=√(a²+b²) sin(θ+α)。最大最小を求めるときの定番。
積和・和積の公式 積を和に、和を積に直す。加法定理の足し引きから導ける。
三角方程式・不等式 単位円か グラフで解の範囲を読む。定義域の指定を必ず確認する。

つまずきやすい点

  • 合成で偏角の求め方を間違えるa sinθ+b cosθ の合成では tanα=b/a。a, b の符号から α の象限を決める。
  • 三角方程式で解の範囲を絞らない定義域が 0≦θ<2π なのか実数全体なのかで解の個数が変わる。単位円で全部拾う。
  • 2倍角の cos を1つの形しか覚えないcos2θ=1−2sin²θ と 2cos²θ−1 を使い分ける。残したい文字に合わせて選ぶ。
  • 周期を b で割らずに答えるy=sin(bx) の周期は 2π/|b|。b を掛けると周期は縮む。
  • degree と radian を混ぜる数学IIより先は原則ラジアン。π=180° の対応を最初に書いておく。

入試での出方と最初の一手

  • sinθ+cosθ を t と置くt²=1+2sinθcosθ から積が出る。t の変域 −√2≦t≦√2 を必ず添える。
  • 最大最小を合成で求める1つの sin にまとめてから、角の変域を計算して振れ幅を読む。
  • 三角方程式・不等式単位円かグラフに解を描く。周期を足した一般解が要るかを確認する。
  • 2倍角で次数を下げるsin²・cos² が出たら半角で1次に落とす。積分や合成につなげやすくなる。

→ 数学II・B・Cの要点辞典 第4章「三角関数」で詳しく読む

5. 指数関数・対数関数8項目

底が1より大きいか小さいかで不等号の向きが変わる。ここが最大の落とし穴です。

対数は何を答える数?

1.指数は掛け算の回数を拡張する

2³=8に対し、2⁰=1、2⁻¹=1/2。指数法則2ᵃ×2ᵇ=2ᵃ⁺ᵇを保つように指数の範囲を広げます。

2.対数は指数を逆に読む

log₂8=3は2を何乗すると8か、という問いです。底は正で1以外、真数は正という条件を先に確かめます。

3.積を和に変える

logₐ(MN)=logₐM+logₐNはM,N>0で使います。logₐ(M+N)を和に分ける公式はありません。

4.底による増減に注意する

底が1より大きいと増加、0と1の間なら減少します。(1/2)ˣ>(1/2)³なら指数はx<3です。

5.まずは一問、解いてみよう

log₃27+log₃(1/3)を計算しよう。

解答と考え方を確認

3+(−1)=2。27×1/3=9からlog₃9=2としてもよいです。

6.もう一問、考えてみよう

log₂(x−1)+log₂(x+1)=3を解こう。

解答と理由を確認

真数条件よりx>1。log₂((x−1)(x+1))=3からx²−1=8、x=±3。条件を満たすx=3だけが解です。

対数の方程式では、最初に書いた真数条件を消さずに残しておきましょう。計算で出た候補を最後にその条件へ戻すと、使えない解を答えに混ぜずに済みます。

指数法則 a^m·a^n=a^(m+n)、\(a^m\)^n=a^(mn)、a^(−n)=1/a^n、a^0=1。
有理数乗・累乗根 a^(1/n)=ⁿ√a、a^(m/n)=ⁿ√\(a^m\)。指数を分数に拡張しても法則は変わらない。
指数関数のグラフ y=a^x は a>1 で増加、0<a<1 で減少。常に点(0,1)を通り y>0。
対数の定義 a^p=M ⇔ log_a M=p。真数は正、底は正で1でない。
対数の性質 log(MN)=logM+logN、log(M/N)=logM−logN、log M^k=k log M。
底の変換公式 log_a b=log_c b/log_c a。底を揃えてから計算する。
指数・対数方程式と不等式 底を揃えて指数(真数)を比較。0<(底)<1 のときは不等号が逆転する。真数条件を先に確認。
常用対数の応用 桁数は log₁₀N の整数部分+1。最高位の数字は小数部分から判断する。

つまずきやすい点

  • 底が1未満のとき不等号を変えない0<(底)<1 なら対数・指数の大小は逆転する。底の値を最初に確認する。
  • 真数条件を書かないlog の中身は正。解いた後に真数条件で解を選別する。ここを飛ばすと余分な解が残る。
  • 底の変換を使わず異なる底のまま計算するlog_a b=log_c b/log_c a で底を揃えてから進める。
  • a^x=t と置いて t>0 を落とす置換したら新しい文字の変域を必ず書く。t>0 が抜けると解が増える。
  • 桁数で整数部分と小数部分を混同する桁数は log₁₀N の整数部分+1。最高位の数字は小数部分から判断する。

入試での出方と最初の一手

  • 指数・対数方程式底を揃えるか a^x=t と置換。真数条件・t>0 を先に書いておく。
  • 桁数と最高位の数字常用対数をとる。整数部分から桁数、小数部分から最高位を読む。
  • 対数の大小比較底を揃えて真数を比べる。底が1未満なら向きが逆になることを明記する。
  • 指数関数の最大最小a^x=t と置いて t の2次関数に帰着。t の変域を定義域から求める。

→ 数学II・B・Cの要点辞典 第5章「指数関数・対数関数」で詳しく読む

6. 微分法・積分法(数学II)10項目

多項式に限った微積分。増減表を正確に書けるかどうかがすべてです。

グラフの傾きと面積が計算で求まるのはなぜ?

1.変化率から接線へ

y=x²のx=aからa+hへの平均変化率は2a+h。hを0に近づけると2aになり、これが接線の傾きです。

2.導関数の符号を読む

f′(x)>0なら増加、<0なら減少します。f′(x)=0の候補だけで極大・極小を決めず、その前後の符号を確認します。

3.積分で元の関数を戻す

2xを微分前に戻すとx²+C。定積分∫₀²2x dxは[x²]₀²=4です。上下端の代入の順序を守ります。

4.面積は上下の差で表す

2曲線の囲む面積は交点を求め、区間ごとの上−下を積分します。負の定積分をそのまま面積としないよう注意します。

5.まずは一問、解いてみよう

f(x)=x³−3xの導関数を求めよう。

解答と考え方を確認

f′(x)=3x²−3=3(x−1)(x+1)。

6.もう一問、考えてみよう

y=xとy=x²で囲まれる面積を求めよう。

解答と理由を確認

交点はx=0、1。0≦x≦1ではx≧x²なので、∫₀¹(x−x²)dx=[x²/2−x³/3]₀¹=1/6。

面積を求める前に、交点の間でどちらのグラフが上にあるかを確かめましょう。例えば区間の途中のxを一つ代入すると判断できます。上下が途中で変わる問題なら、その点で積分を分けてください。

平均変化率と微分係数 平均変化率の極限が微分係数 f′(a)。グラフでは接線の傾き。
導関数の計算 \(x^n\)′=n x^(n−1)。定数倍と和・差はそのまま分けられる。
接線の方程式 点(a, f(a))での接線は y−f(a)=f′(a)(x−a)。「接点を文字でおく」のが定石。
増減表と極値 f′(x)の符号の変化を表にする。正から負で極大、負から正で極小。
3次関数のグラフ 極値をもつ条件は f′(x)=0 が異なる2実解をもつこと。
方程式の実数解の個数 y=f(x) と y=k の共有点の個数として読む。極大値・極小値と k を比較する。
不定積分 ∫x^n dx=x^(n+1)/(n+1)+C。積分定数 C を書き忘れない。
定積分 ∫[a,b] f(x)dx=F(b)−F(a)。上端と下端を入れ替えると符号が変わる。
面積 2曲線に挟まれた面積は ∫(上の関数−下の関数)dx。上下が入れ替わる点で区間を分ける。
1/6公式 放物線と直線で囲まれた面積は |a|(β−α)³/6。検算にも使える。

つまずきやすい点

  • 接線を「接点=通る点」と思い込む外部の点から引く接線は接点を文字で置く。通る点と接点は別物。
  • 増減表で f′ の符号だけ書いて値を書かない極値の値まで表に入れる。グラフの概形と最大最小の判断に必要。
  • f′(a)=0 を極値の十分条件と考える符号が変わらなければ極値ではない(y=x³)。前後の符号を確認する。
  • 定積分で積分定数を書く定積分に C は不要。不定積分にだけ付ける。
  • 面積で上下の入れ替わりを無視する交点で上下が入れ替わるなら区間を分ける。絶対値のまま積分しない。

入試での出方と最初の一手

  • 3次関数が極値をもつ条件f′(x)=0 が異なる2実解。判別式 D>0 を条件にする。
  • 方程式の実数解の個数y=f(x) と y=k の共有点として読む。極大値・極小値と k を比較する。
  • 放物線と直線で囲む面積交点を求め、1/6公式 |a|(β−α)³/6 で確認する。展開して積分するより速い。
  • 共通接線2曲線それぞれで接点を置き、傾きと通過点の一致を連立させる。

→ 数学II・B・Cの要点辞典 第6章「微分法」・第7章「積分法」で詳しく読む

式と証明standard

二点の剰余から一次式を決める|多項式の割り算オリジナル問題

割る式が二次式なら、余りは高くても一次式です。余りをax+bと置けば、二点での値が二つの未知数を決めます。

図形と方程式standard

円の外部の点から引く接線と接点|数学IIオリジナル問題

円の外部の点から引く2本の接線と接点を、点と直線の距離と半径・接線の垂直条件の2通りで求めます。

指数関数・対数関数standard

底が1より小さい対数不等式を定義域から解く|数学IIオリジナル問題

真数条件で定義域を確定し、底が1より小さいときの不等号反転と二次不等式の端点を正確に処理します。

数学IIの要点をまとめて確認する 数学II・B・Cの要点辞典 の第1〜7章が数学IIにあたります(式と証明/複素数と方程式/図形と方程式/三角関数/指数関数・対数関数/微分法/積分法)。三角関数の合成で角の範囲を書き換えるなど、失点しやすい箇所を明示しています。

前提となる無料解説

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数学IIの解法を「表現の乗換票」で選ぶ|式・図・座標・内積・曲線束を往復する

数学IIの総合問題では、知っている公式の数よりも「いまの表現のまま進むか、別の表現へ移るか」という判断が差になります。式を座標へ、パラメータを動く直線へ、三角式を内積へ移すと見通しがよくなります。ただし、移した瞬間に定義域、端点、除外値、重複度を置き忘れると、別表現で正しく解けても元の問いには答えていません。この講座では、乗換前の条件を切符のように保存し、解いた後に元の表現へ戻す習慣を作ります。

本稿は数学II辞典の公式集や既存専門記事の例題を複製しません。問題、数値、図に依存しない説明、誤答例、検算経路はすべて数強塾が独立に設計した完全新作です。各単元の詳しい公式は専門記事へ任せ、ここでは「どの表現を選ぶか」「何を持って乗り換えるか」「戻した結論をどう照合するか」だけを横断的に鍛えます。

到達目標

  • 式の見た目ではなく、未知量、動く量、固定量、求める答えの型から表現を選べる。
  • 最大・最小では、内点の停留候補だけでなく端点、折れ目、境界、退化点を候補表へ入れられる。
  • パラメータを一方へ分離し、方程式の実数解をグラフと動く直線の交点個数へ翻訳できる。
  • 円と直線の位置関係を距離と判別式の二経路で照合し、それぞれの入力条件を説明できる。
  • 三角関数の一次結合を内積へ移した後、角の範囲が等号成立方向を許すか確認できる。
  • 因数・剰余を代入値や接触の情報へ読み替え、商を求めずに必要な余りだけを決定できる。
  • 二曲線の共通点を通る曲線を線形結合で作り、円が直線へ退化する係数も監査できる。

前提診断|分野名ではなく、答えの型を読む

問題の信号 第一候補の表現 乗換時に保存する条件
線分上で最大・最小 一点を媒介変数で表す、または距離の幾何へ移す。 媒介変数の閉区間、端点、内点候補。
文字によって実数解の個数が変わる パラメータを分離し、水平線との交点個数へ移す。 絶対値の折れ目、枝ごとの定義域、接する高さ。
円と直線が接する 中心と直線の距離、または連立後の判別式。 半径が正、接するなら共有点が1個という対応。
単位円上の点と固定ベクトルの内積。 の範囲、等号方向が許されるか。
で割った余り 余りを一次式と置き、値と微分値で決める。 余りの次数、代入点、重複度。
二曲線の交点を通る別の曲線 二つの左辺の線形結合。 係数が同時に0でないこと、最高次項が消える退化。

乗換票の七欄:元の対象/求める答え/動く量/固定条件/移動先の表現/移動先で増えた候補/元へ戻す検査。この七欄を一行ずつ埋めれば、「解法を思いついたが条件を落とした」という失点を減らせます。

前提診断ミニテスト

  1. 閉区間の最大値を微分で調べるとき、導関数が0になる点以外に何を比較しますか。
  2. の解の個数を図で調べるとき、どちらを固定し、どちらを動かしますか。
  3. 内積不等式から上限5を得たとき、必ず最大値5と答えてよいですか。
  4. から分かる因数と、 から分かる因数の違いを答えてください。
診断の答え
  1. 区間の両端、微分できない点、式が枝分かれする点も比較します。
  2. 曲線 を固定し、直線 を上下に動かします。
  3. いいえ。等号方向が変数の許容範囲に含まれるかを確認します。
  4. 前者から 、後者から少なくとも が因数だと分かります。

数強塾オリジナル・完全新作例題|七つの乗換を一枚の台帳へ

例題1|内分公式を暗記せず、座標の釣り合いへ移す

とします。点 がベクトル方程式

を満たすとき、 の座標を求め、その位置を線分 上で説明してください。

段階ヒント
  1. を一方へ集めます。
  2. 座標ごとに重み付き平均を計算します。
  3. の向きと比を確認します。

完全解答

式を整理すると、

です。したがって、

なので同じ向きであり、 です。よって は線分 に内分します。

別解/独立検算

を元の釣り合い式へ戻すと、 で和は零ベクトルです。公式の係数順を覚える代わりに、元の力の釣り合いへ直接戻して検算できます。

誤答分析:係数2を点 側へ、係数3を点 側へ機械的に置くと混乱します。最初のベクトル方程式を展開し、どの点にどの重みが掛かっているかを式から読み直してください。

例題2|最大・最小を、内点・端点の候補表へ移す

のもとで、

の最大値と最小値、およびそれを与える を求めてください。

段階ヒント
  1. と置くと です。
  2. の二次関数になります。
  3. 頂点だけでなく二つの端点も同じ表で比較します。

完全解答

と置くと、非負条件から です。このとき、

比較すべき候補は です。それぞれ、

よって最小値は 、最大値は32で のときです。

別解/独立検算

は点 と固定点 の距離の平方です。線分の方向ベクトルを とすると、最短点では固定点からの差 が方向に垂直です。内積 を0とすれば です。最遠点は線分の端点二つを比較し、 を得ます。

誤答分析:平方完成の頂点だけを見て「最大値なし」とするのは、定義域を実数全体へ広げた誤りです。元の条件は閉じた線分なので、最大値は端点候補から出ます。

例題3|パラメータを高さへ変え、解の個数を交点で数える

実数 に対し、方程式

の異なる実数解の個数を の値によって分類してください。

段階ヒント
  1. 左辺を とし、 の左右で式を分けます。
  2. の枝は下に開く放物線で、頂点の高さは です。
  3. の枝は0から単調に増加します。
  4. 高さ が負、0、 の間、、それより上の五区分で数えます。

完全解答

左辺は、

です。左枝は で最大 を取り、 で0へ近づきます。右枝は で0を取り、その後は単調増加します。したがって異なる実数解の個数は、

です。特に では左枝の と、右枝に属する折れ目 の二解です。

別解/独立検算

左枝の方程式は で判別式 、右枝は です。各二次方程式の根を出した後、左は 、右は に戻して数えると、上の五区分と一致します。判別式だけでは枝の範囲外の根も数えるため、最後の帰還が必要です。

誤答分析:絶対値を外した二つの二次方程式の根を無条件に足すと、同じ折れ目を重ねたり、枝の定義域外の根を数えたりします。グラフの交点数と代数的な根の採用表を照合してください。

例題4|円と直線の接触を、距離と判別式で二重化する

と直線 が接するような実数 を求めてください。

段階ヒント
  1. 円の中心は 、半径は です。
  2. 中心と直線の距離を半径に等しくします。
  3. 絶対値から二つの平行な接線を回収します。

完全解答

中心 と直線の距離は、

です。これが半径 に等しいので、 です。よって、

となります。

別解/独立検算

直線から として円へ代入すると、 の二次方程式の判別式は です。接するとき判別式は0なので となり、距離法と同じ二値を返します。

誤答分析: だけを採ると、中心の反対側にある平行接線を落とします。距離は符号を持たないため、絶対値の二枝を保ちます。

例題5|三角式を内積へ移した後、角の範囲へ戻す

のとき、

の最大値と最小値を求めてください。

段階ヒント
  1. は単位円上の点です。
  2. 固定ベクトル との内積の上限は5です。
  3. 上限の等号方向が角の範囲に入るか確認します。
  4. 最小値は下限 と決めつけず、弧の端点と内点候補を比較します。

完全解答

Cauchy型の評価により、

等号は のときで、この方向の角は指定範囲に含まれます。よって最大値は5です。

一方、区間内の停留候補は の一点で、そこは最大です。最小値は端点を比較して、

より、

です。

別解/独立検算

で正から負へ変わります。したがって内点は最大候補で、最小は両端比較になります。内積法の等号方向と微分法の停留点が一致し、端点値も別に回収できています。

誤答分析: から最小値を とするのは、単位円全体へ範囲を広げた誤りです。指定された弧は の方向を含みません。

例題6|二重点での剰余を、値と傾きへ読み替える

多項式 を満たします。 で割った余りを求めてください。

段階ヒント
  1. 余りを と置きます。
  2. を代入します。
  3. 両辺を微分してから、もう一度 を代入します。

完全解答

余りの次数は2未満なので、

と書けます。 を代入すると です。また微分して を代入すると、 を含む項はすべて0になるので です。一次式で傾きが で値7だから、

です。

別解/独立検算

で値0、微分値も0です。したがって を少なくとも二重根にもち、 で割り切れます。余りを引いた差の重複度から、同じ結論を逆向きに確認できます。

誤答分析: だけでは一次の余りを一意に決められません。除数が二重因子なので、点での値に加えて傾きの情報が必要です。

例題7|共通点を求めず、曲線束から必要な一員だけを選ぶ

二つの円

の二つの共通点と原点を通る円の方程式を、共通点の座標を求めずに決定してください。

段階ヒント
  1. 左辺をそれぞれ とすると、 は両円の共通点を通ります。
  2. 原点を代入して を決めます。
  3. の係数が0になっていないかを確認します。

完全解答

共通点では なので、任意の に対して も成り立ちます。原点では なので、

よって を計算し、

を得ます。二次項の係数は7で0ではないため、これは直線へ退化せず円です。中心は 、半径は です。

別解/独立検算

求めた式へ原点を入れると0です。また の任意の共通点では が自動的に成立します。さらに平方完成すると となり、半径が正の実円であることも確認できます。

誤答分析:線形結合は常に円とは限りません。例えば では二次項が消え、 という共通弦の直線になります。共通点を通る資格と、求める図形の種類を別々に監査します。

七問を一枚へ戻す|表現選択の判断台帳

元の問い 選んだ表現 元へ戻す検査
点の位置 重み付きの釣り合い 元のベクトル式へ代入し、線分上の向きと比を確認。
制約付き最大・最小 一変数二次式/点と線分の距離 媒介変数の区間と端点を比較。
実数解の個数 固定曲線と水平線の交点 絶対値の枝の範囲、折れ目の重複を確認。
円と直線の接触 中心距離/判別式 二つの平行接線を回収し、二経路を照合。
三角式の最大・最小 単位ベクトルとの内積 等号方向と角の範囲、弧の端点を確認。
二重因子での剰余 点での値と傾き 差が二重根をもつことを確認。
共通点を通る曲線 左辺の線形結合 指定点への代入と最高次項の退化を確認。

練習|乗換先と帰りの切符を両方書く

  1. とし、 を満たす点 を求めてください。
  2. のもとで、 の最大値と最小値を求めてください。
  3. 主例題の関数 について、 の実数解の個数をそれぞれ答えてください。
  4. と直線 が接する を求めてください。
  5. の最大値と最小値を求めてください。
  6. のとき、 で割った余りを求めてください。
  7. とします。曲線 が直線へ退化する と、その直線の方程式を求めてください。
練習の解答と検算
  1. より です。元の式では となります。
  2. とすると式は です。最小値0は 、最大値32は で取ります。
  3. にあるので3個、 なので1個です。
  4. 中心 と直線の距離から 。したがって です。
  5. 導関数は区間内で負なので単調減少です。最大値4は 、最小値 で取ります。内積の上限5はこの弧では達成されません。
  6. 値5、傾き4の一次式なので です。
  7. 二次項の係数は なので です。 より 、すなわち です。

誤答分析|「正しい解法なのに不正解」を症状から戻す

答案の症状 失った切符 戻る場所
最小値は合うが最大値がない。 閉区間の端点。 媒介変数の定義域を書いた行。
交点個数が一つ多い。 枝の定義域、または折れ目の重複。 絶対値を外した直後。
接線のパラメータが一つしかない。 距離式の絶対値の二枝。 中心から直線までの符号なし距離。
三角式の最小値を振幅の負とした。 角の範囲と等号方向。 内積不等式の等号条件。
一次の余りが決まらない。 重複度に対応する微分値。 除法の恒等式を微分する行。
求めた曲線が直線になった。 最高次係数の退化検査。 線形結合の係数を決めた直後。

東大水準への橋渡し|解法を当てるのではなく、二つの表現を競わせる

難問では、最初に選んだ表現が最後まで最短とは限りません。そこで、一つの問題につき二つの経路を並走させます。

  1. 候補を作る経路:微分、判別式、因数分解、線形結合などで候補を漏れなく作る。
  2. 候補を削る経路:定義域、端点、図形の存在条件、等号成立条件、退化係数で採否を決める。
  3. 別表現の照合:代数で出した結論を距離・内積・交点個数へ移し、符号と個数が同じか確認する。

例えば円と直線なら「距離」と「判別式」、三角式なら「内積」と「微分」、最大・最小なら「平方完成」と「距離」、剰余なら「除法」と「接触条件」が独立した照合対になります。二経路が違う答えを返したときは、計算の細部より先に、定義域・端点・退化の三欄を見直します。

さらに一般化すると、表現変換は写像です。元の候補集合を移動先へ送るときに、異なる候補が同じ像へ重なることや、移動先に元へ戻れない点が生じることがあります。東大の記述答案では、変換式そのものよりも「この対応はどの範囲で一対一か」「逆向きに戻すと何が増えるか」を一文で示すと、論理の骨格が明確になります。

次の学習へ|詳しい公式と演習は専門記事へ渡す

企画・構成・例題・解答・検算:数強塾編集部。文章・数値・図・解説順を独立に制作したオリジナル教材です。教材版 5bb2b9d6e66756c3


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