極限、微分法、積分法を、変化率と小さな量の足し合わせという一つの流れで理解します。
1. 関数5項目
極限・微積分で扱う関数を先に整理する単元。まず、xにどのような値を入れられるかを確かめましょう。
式が同じでも定義域が変わると逆関数が変わる?
1.定義域を先に決める
y=√(x−1)ではx≧1、y=1/(x−2)ではx≠2。式変形の前に、元の式が意味を持つ範囲を確認します。
2.合成は内側から処理する
f(x)=√x、g(x)=x−1ならf(g(x))=√(x−1)。外側の平方根の条件からx≧1となります。
3.逆関数は対応を逆にする
y=2x+3をxについて解いてx=(y−3)/2。変数名を交換すると逆関数はy=(x−3)/2です。
4.1対1の範囲へ絞る
y=x²は全実数ではxと−xが同じ値になり逆関数を持ちません。x≧0に限定すると逆関数はy=√xとなります。
5.まずは一問、解いてみよう
f(x)=1/(x+2)の定義域は?
解答と考え方を確認
分母が0でない必要があるのでx≠−2。
6.もう一問、考えてみよう
f(x)=(x−1)²(x≧1)の逆関数を求めよう。
解答と理由を確認
y=(x−1)²でx−1≧0だからx=1+√y。逆関数はy=1+√x(x≧0)。負の平方根は元の定義域を満たしません。
逆関数を求めたら、元の関数の定義域と値域も書き添えてみましょう。なぜ平方根の正の側を選んだのかまで説明できれば、この単元の大切な点を押さえられています。
| 分数関数 | k≠0のとき、y=k/(x−p)+q は y=k/x の平行移動。漸近線は x=p と y=q。 |
|---|---|
| 無理関数 | y=√(ax+b)+c。根号の中が0以上という定義域の条件を必ず書く。 |
| 逆関数 | y=f(x) を x について解いて x と y を入れ替える。グラフは y=x に関して対称。 |
| 逆関数の存在条件 | 異なる入力が異なる出力に対応する、1対1の関数であること。狭義の単調増加・単調減少は、この条件を満たす十分条件です。必要なら定義域を制限します。 |
| 合成関数 | (g∘f)(x)=g(f(x))。内側の値域が外側の定義域に含まれることを確認する。 |
つまずきやすい点
- 無理関数の定義域を書かない根号の中が0以上。定義域を落とすとグラフの範囲も逆関数も狂う。
- 逆関数の定義域と値域を入れ替え忘れる元の関数の値域が逆関数の定義域になる。セットで書き換える。
- 1対1でないのに逆関数を作るまず1対1かを確認します。狭義単調なら1対1ですが、単調でないことだけでは1対1でないとはいえません。制限が必要ならその範囲を明記します。
- 合成関数で内側の値域を確認しない内側の値域が外側の定義域に入るかを確かめる。
- 分数関数の漸近線を1本しか書かないk≠0ならx=p と y=q の2本。k=0の場合は別に調べます。
入試での出方と最初の一手
- 分数関数・無理関数のグラフ平行移動の形に直してから描く。漸近線と定義域を先に決める。
- 逆関数を求めるy=f(x)をxについて解いてから、xとyを入れ替えます。定義域と値域も入れ替えましょう。
- グラフの共有点の個数y=f(x) と y=g(x) を同じ図に描く。無理関数は端点の位置が決め手。
- 合成関数の等式対応する定義域・値域を確認し、f(g(x))=x と g(f(x))=x の両方を確かめます。一方の等式だけで一般に互いに逆関数とは断定できません。
2. 数列の極限と無限級数8項目
「収束するか発散するか」を先に見極めてから計算する。順序を逆にすると失敗します。
無限に足しても有限の値になることがある?
1.近づく先を考える
1/nは0に近づきますが、どの有限のnでも0ではありません。極限は項の値と区別します。
2.等比数列の大きさを見る
|r|<1ならrⁿ→0。r=−1では1と−1を往復するため極限はありません。符号も含めて確認します。
3.級数は部分和の極限
1+1/2+1/4+…の最初のn項の和は2(1−(1/2)ⁿ)。n→∞で2となるので、この無限級数の和は2です。
4.一般項0だけでは足りない
級数が収束するなら一般項は0へ近づきますが、逆は成り立ちません。1+1/2+1/3+…は一般項が0でも発散します。
5.まずは一問、解いてみよう
3(1/2)ⁿのn→∞での極限は?
解答と考え方を確認
(1/2)ⁿ→0なので極限は0。
6.もう一問、考えてみよう
Σ(n=1〜∞)3(1/2)ⁿ⁻¹の和を求めよう。
解答と理由を確認
初項3、公比1/2で|1/2|<1。部分和は3(1−(1/2)ᴺ)/(1−1/2)なので、N→∞で6。
無限に足す問題では、まず「最初のn項の和」を書いてみてください。項そのものの極限と、和の極限を区別できるかが確認のポイントです。
| 数列の極限 | n→∞ での挙動。収束(極限値をもつ)、正の無限大に発散、負の無限大に発散、振動の4通り。 |
|---|---|
| ∞/∞ 型の処理 | 分母の最高次の項で分母・分子を割る。有理式なら次数の比較で結論が出る。 |
| ∞−∞ 型の処理 | 根号を含むときは分子を有理化して、差を商の形に直す。 |
| はさみうちの原理 | aₙ≦bₙ≦cₙ で aₙ と cₙ が同じ値に収束すれば bₙ も収束する。三角関数や整数部分で使う。 |
| 無限等比数列 r^n | |r|<1 で0に収束、r=1 で1、r>1 で発散、r≦−1 で振動。 |
| 無限級数 | 部分和 Sₙ の極限として定義する。まず Sₙ を求めてから n→∞ とする。 |
| 無限等比級数 | 初項a、公比rの和は |r|<1 のとき a/(1−r)。a≠0ではそれ以外は発散します。a=0なら各項0で、任意の実数rについて和は0です。 |
| 級数の収束と項の極限 | 級数が収束するなら aₙ→0。逆は成り立たない(調和級数が反例)。 |
つまずきやすい点
- ∞−∞ をそのまま0とする不定形。根号なら有理化、分数なら通分して形を変えてから極限をとる。
- はさみうちで両端の極限を一致させない両端が同じ値に収束して初めて使える。不等式の向きも確認する。
- r^n の場合分けを網羅しない|r|<1、r=1、r>1、r≦−1 の4通り。r=−1 は振動。
- 無限級数を項の極限で判定するaₙ→0 は収束の必要条件にすぎない。部分和 Sₙ の極限で判定する。
- 等比級数の収束条件を書かない|r|<1 のときのみ a/(1−r)。条件を書かずに公式を使わない。
入試での出方と最初の一手
- ∞/∞ の極限分母の最高次で分母分子を割る。指数が混ざるときは最も強い項でくくる。
- √ を含む極限分子を有理化して差を商に直す。∞−∞ の定石。
- はさみうち[x] や sin の有界性を利用して上下から挟む。不等式を先に作る。
- 循環小数・図形の極限無限等比級数に帰着させる。初項と公比を特定するのが一手目。
→ 数学IIIの要点辞典 第2章「数列の極限と無限級数」で詳しく読む
- つまずき高校数学 極限(数III)
- 演習数学III 極限の特訓道場
- 難関大第11章 数列
- 予想問題北大予想問題|極限・無限級数5題
3. 関数の極限と連続性7項目
微分の定義そのものを支える単元。有名な極限は導き方ごと覚えます。
代入して0/0になっても、極限を求められるのはなぜ?
1.その点と近くの値を区別する
極限lim(x→1)f(x)はxが1に近づくときの様子です。f(1)が未定義でも、近くの値に一定の行き先があれば極限は存在します。
2.約分で近くの形を読む
(x²−1)/(x−1)はx≠1でx+1と等しいので、x→1で2。約分はx=1での元の式の値を作る操作ではありません。
3.左右から確かめる
|x|/xは右側で1、左側で−1。左右の極限が違うため、x→0の極限は存在しません。
4.連続は値との一致まで必要
x=aで連続というにはf(a)が定義され、極限が存在し、その極限がf(a)に一致する必要があります。
5.まずは一問、解いてみよう
lim(x→3)(x²−9)/(x−3)を求めよう。
解答と考え方を確認
x≠3でx+3に等しいため極限は6。
6.もう一問、考えてみよう
x≠2でf(x)=(x²−4)/(x−2)、x=2でf(2)=kとする。連続になるkは?
解答と理由を確認
x≠2ではf(x)=x+2だからx→2で4。f(2)も4なら連続なのでk=4。
約分した式で極限が求まる理由と、その点での関数の値が別の話である理由を説明してみましょう。迷ったら、xが近づく様子とxがその値になる場合を分けて考えてください。
| 関数の極限 | x→a のときの f(x) の挙動。f(a) の値とは無関係に定まる。 |
|---|---|
| 片側極限 | 右側極限と左側極限が一致するとき極限が存在する。分数関数や絶対値で必ず確認する。 |
| sin x/x の極限 | ラジアンでx→0 のとき sin x/x→1。三角関数を含む極限の基本形で、面積の大小比較から導ける。 |
| e に関する極限 | (1+1/x)^x→e(x→∞)、(1+h)^(1/h)→e(h→0)。対数・指数の微分の根拠。 |
| (e^x−1)/x と log(1+x)/x | logを自然対数とすると、どちらもx→0で1に収束。log(1+x)には1+x>0が必要です。 |
| 連続関数 | lim[x→a]f(x)=f(a) が成り立つこと。多項式・三角・指数・対数は定義域で連続。 |
| 中間値の定理 | [a,b]で連続で f(a) と f(b) の符号が異なれば、その間に f(c)=0 となる c が存在する。実数解の存在証明に使う。 |
つまずきやすい点
- 片側極限を確認しない分数関数や絶対値では左右で値が違うことがある。両側を調べる。
- sin x/x の x を角度以外で使うこの極限はラジアンでのみ成立。degree では成り立たない。
- lim f(x) と f(a) を同一視する連続でなければ一致しない。連続性は別に確認する。
- 中間値の定理で連続性を書かない区間で連続であることが前提。これを書かずに使うと根拠不足。
- e の極限の形に合わせず代入する等式を保ちながら(1+u)^(1/u)の形へ整理し、u→0、u≠0、1+u>0を確認します。
入試での出方と最初の一手
- 三角関数を含む極限sin x/x→1 の形を作る。角度をそろえて分母分子に同じ角を用意する。
- 指数・対数の極限(e^x−1)/x→1、log(1+x)/x→1 に帰着させる。
- 実数解の存在証明中間値の定理。連続性を述べ、符号が変わる2点を示す。
- 連続性・微分可能性の判定接続点で左右の極限と関数値が一致するか。微分可能なら左右の微分係数も一致。
→ 数学IIIの要点辞典 第3章「関数の極限と連続性」で詳しく読む
- つまずき高校数学 極限(数III)
- 演習数学III 極限の特訓道場
- 難関大第6章 関数
- 予想問題北大予想問題|極限・無限級数5題
4. 微分法10項目
基本の導関数に積・商・合成の微分法を組み合わせます。公式の形と、使える定義域・微分可能性を一緒に確認しましょう。
合成関数の微分では、なぜ内側の微分も掛ける?
1.変化の連鎖を見る
y=u²、u=3x+1なら、xの変化がuを3倍の速さで動かします。dy/dx=(dy/du)(du/dx)として両方の変化率を掛けます。
2.積は両側の変化を数える
(fg)′=f′g+fg′。x sin xならsin x+x cos xです。両方を微分して掛けるだけではありません。
3.指数・対数の基本を押さえる
(eˣ)′=eˣ、(log x)′=1/x(x>0、logは自然対数)。合成なら内側の微分を掛けます。
4.式が使える範囲を確かめる
√xの導関数1/(2√x)はx>0で使います。元の関数が定義される点でも、通常の有限の導関数が存在するとは限りません。
5.まずは一問、解いてみよう
y=(3x+1)²を微分しよう。
解答と考え方を確認
y′=2(3x+1)×3=6(3x+1)。展開して微分しても18x+6で一致します。
6.もう一問、考えてみよう
y=x e⁻ˣを微分しよう。
解答と理由を確認
積の微分と合成関数の微分よりy′=e⁻ˣ−x e⁻ˣ=(1−x)e⁻ˣ。e⁻ˣの微分に−1が必要です。
微分した式を見直し、積の微分で出る2つの項と、合成関数の内側の微分を指で追ってみましょう。どの公式をどこに使ったかが分かれば、式が長くなっても同じように進められます。
| 微分の定義 | f′(x)=lim[h→0]{f(x+h)−f(x)}/h。定義に戻れという指示のときは必ずこの式から書く。 |
|---|---|
| 積の微分法 | f,gがその点で微分可能なら、(fg)′=f′g+fg′。 |
| 商の微分法 | f,gが微分可能でg≠0の点では、(f/g)′=(f′g−fg′)/g²。分子の順序と分母の条件を確認します。 |
| 合成関数の微分(連鎖律) | {f(g(x))}′=f′(g(x))·g′(x)。gがxで、fがg(x)で微分可能であることが前提。外側の導関数にg(x)を入れ、内側の導関数を掛けます。 |
| 三角関数の導関数 | 角度はラジアン。(sin x)′=cos x、(cos x)′=−sin x、(tan x)′=1/cos²x(cos x≠0)。 |
| 指数・対数関数の導関数 | logは自然対数。(e^x)′=e^x、(a^x)′=a^x log a(a>0)、(log x)′=1/x(x>0)、(log|x|)′=1/x(x≠0)。 |
| 対数微分法 | 両辺の対数をとってから微分する。y=x^x(x>0)や積・商が多い式で有効。log|y|を用いる場合もy≠0の区間で扱います。 |
| 陰関数の微分 | 両辺を x で微分し、y の項には dy/dx を掛ける。円や楕円の接線で使う。 |
| 媒介変数表示の微分 | dy/dx=(dy/dt)/(dx/dt)。dx/dt≠0 の確認が要る。 |
| 高次導関数 | f″、f‴…。凹凸の判定や n 次導関数の一般形を求める問題で使う。 |
つまずきやすい点
- 商の微分で分子の順序を逆にする(f′g−fg′)/g²。分子は「上を微分×下」が先。
- 合成関数で内側の微分を掛け忘れる外側を微分したあと必ず内側の導関数を掛ける。内側がさらに合成なら、その層まで確認します。
- 対数微分法で絶対値を落とすy≠0の区間ではlog|y|を使えます。y=0となる点は別に確認し、元の関数の定義域を勝手に広げません。
- 媒介変数の微分で dx/dt≠0 を確認しない分母が0になる点は別扱い。そこが特異点になることがある。
- 陰関数の微分で y の項に dy/dx を掛け忘れるy は x の関数。y² を微分すると 2y·(dy/dx)。
入試での出方と最初の一手
- 積・商・合成の組合せ外側から順に分解して1つずつ適用する。式を分けて書くとミスが減る。
- 対数微分法y=x^x や積・商が多い式。両辺の対数をとってから微分する。
- 陰関数の接線両辺を微分して dy/dx を求め、接点の座標を代入する。
- 媒介変数表示の接線dy/dx=(dy/dt)/(dx/dt)。接点は t の値で指定される。
数学III微分法|内側の微分・定義域・微分可能性を確認する8問
数強塾オリジナルの確認問題です。入試過去問ではありません。ここではlogを自然対数、三角関数の角をラジアンとして扱います。解答を閉じて解き、迷った行を残してからヒントを読みましょう。
確認する順序:元の定義域を書く → 積・商・合成の構造を分ける → 微分する → 例外の点を確認する。正答だけでなく、どの助言で修正できたか、日を空けても説明できたかを分けます。
追試1|合成が二重なら、内側はどこまで?
y=sin((3x−1)²)を微分してください。
ヒント・解答・確認するポイント
ヒント:x→3x−1→(3x−1)²→sin((3x−1)²)の3段階に分けます。
解答:y′=cos((3x−1)²)×2(3x−1)×3=6(3x−1)cos((3x−1)²)。全実数で微分可能です。
2(3x−1)だけでは、一番内側の3が抜けています。cosの中身を微分後の式に置き換えない点も確認しましょう。後日の変更問題はsin((2x+1)³):答えは6(2x+1)²cos((2x+1)³)。
追試2|積の微分と指数の内側の微分
y=x²e−3xを微分してください。「2x×(−3e−3x)」でよいでしょうか。
ヒント・解答・確認するポイント
ヒント:積の微分は、片方ずつ微分した2項の和です。
解答:y′=2xe−3x−3x²e−3x=(2x−3x²)e−3x。全実数で成立します。両方を微分したものの積は誤りです。
まず積の微分で2項を作り、次に指数−3xの微分−3を確認します。後日x³e−2xなら、(3x²−2x³)e−2xです。
追試3|商の微分を別の形で検算する
y=(x²+1)/(x−1)を微分し、使えるxの範囲も答えてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:x≠1で、y′={2x(x−1)−(x²+1)}/(x−1)²=(x²−2x−1)/(x−1)²。
元の式をx+1+2/(x−1)と割り算してから微分すると、y′=1−2/(x−1)²。同じ式になるので、分子の順序を確認できます。x=1は元の関数が未定義で、導関数の値も作れません。
後日、分子をx²+3に変えるとy′=1−4/(x−1)²(x≠1)。最初の答案で分母条件を落としたかも記録します。
追試4|logとlogの絶対値、導関数が同じでも?
f(x)=log(x²−4)、g(x)=log|x²−4|の定義域と導関数を比べてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:fはx<−2またはx>2で定義され、f′=2x/(x²−4)。gはx≠±2で定義され、g′=2x/(x²−4)。ただしそれぞれの定義域で使います。
−2<x<2ではg=log(4−x²)なので、g′=−2x/(4−x²)=2x/(x²−4)。fはこの範囲で実数の関数として未定義です。「導関数の式が同じだから元の定義域も同じ」は誤りです。
後日、4を9に変えて確認しましょう。境界は±3、導関数は2x/(x²−9)となります。
追試5|xのx乗で、指数を定数としてよい?
x>0でy=xxを微分してください。
ヒント・解答・確認するポイント
ヒント:指数も底も動きます。log y=x log xとして積の微分を使います。
解答:y′/y=log x+1、したがってy′=xx(log x+1)。x×xx−1は指数を定数として扱ってしまっています。
x>0ならy>0なので対数をとれます。この解法でx≦0まで定義域を広げません。後日y=x2xならy′=2x2x(log x+1)です。
追試6|連続、一回微分、二回微分を区別する
f(x)=|x|とg(x)=x|x|は、x=0で連続ですか。微分可能ですか。gの二階微分係数はありますか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:どちらも0で連続です。fの差商は|h|/hなので右から1、左から−1。fは0で微分できません。
gの差商はh|h|/h=|h|→0だからg′(0)=0。x>0ではg=x²、x<0ではg=−x²なので、全実数でg′=2|x|です。ところがg′の0での差商2|h|/hは右2、左−2で一致せず、g″(0)は存在しません。
微分可能なら連続ですが、逆はfが反例です。一回微分できることから二回微分できるとも断定できません。片側だけの式を0へ代入せず、差商で確かめます。
追試7|逆関数の微分は、どの点の逆数?
f(x)=x³+xの逆関数をgとします。g′(2)を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
ヒント:まずf(a)=2となるaを探します。入力2をそのままf′へ入れる問題ではありません。
解答:f′=3x²+1>0で狭義増加、両端の極限は±∞なので全実数から全実数への逆関数があります。f(1)=2よりg(2)=1。f′(1)=4≠0なのでg′(2)=1/f′(1)=1/4。1/f′(2)=1/13ではありません。
逆関数が存在するだけでは有限の導関数まで保証しません。例えばx³の逆関数は立方根ですが、0での差商は1/|h|2/3→+∞で、有限の微分係数はありません。後日このfでg′(0)を求めると1です。
追試8|円の陰関数微分で分母が0になったら
円x²+y²=25の点(3,4)と(5,0)における接線を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:yをxの微分可能な関数として扱える所では2x+2yy′=0。y≠0ならy′=−x/yです。(3,4)では傾き−3/4、接線はy−4=−(3/4)(x−3)、すなわち3x+4y=25。
(5,0)では−x/yに代入できません。円の中心と接点を結ぶ半径が水平なので接線は垂直な直線x=5です。「接線がない」ではありません。近傍でx=√(25−y²)と見ればdx/dy=−y/√(25−y²)がy=0で0になり、同じ垂直接線を確認できます。
後日は(0,5)で確認します。y′=0で接線はy=5。分母条件と、水平・垂直の区別を言葉でも説明しましょう。
つまずき→指導→後日の自力再現をどう残す?
架空の学習記録例:9月9日、追試4でfの定義域を「x≠±2」と誤答。「元のlogの中が正になる範囲を先に書こう」と助言すると、x²−4>0を解いて訂正できた。この時点は助言ありで修正であり、自力習得と同じ扱いにはしません。
9月12日の再確認予定(未実施):log(x²−9)とlog|x²−9|を解答を見ずに比較する。日時、最初の答案、ヒントの有無、定義域の理由まで説明できたかを記録する。未実施と不正解は区別し、一問の正解だけで微分法の全習得とは判定しません。このページに答案の自動保存・送信機能はありません。
保護者の方は「答えは?」に加え、「その式を使えない点はどこ?」と聞いてみてください。塾講師の方は、計算ミス・構造の見落とし・条件の不足を分けると、次の指導内容を選びやすくなります。
答案を使った体験授業の準備を見る。数強塾の体験授業は完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)です。
よくある質問
連続なら公式で微分してよいですか?
連続だけでは微分可能とは限りません。絶対値や式の接続点では、追試6のように左右の差商を確認します。
log|f(x)|なら定義域を考えなくてよいですか?
f(x)≠0が必要です。また、元がlog f(x)ならf(x)>0の条件を保持します。絶対値を後から付けて元の関数を変更しないでください。
教材の確認範囲:今回追加した独自8問は式変形・適用条件を点検していますが、個別講師による監修は未確認です。公式の講師紹介で担当科目・経歴をご確認ください。基本公式の参考:OpenStax・連鎖律、指数・対数の微分。例題と解説は本ページ用の独自制作です。
- つまずき高校数学 微分法の応用(数III)
- 演習数学III 微分の特訓道場
- 演習微分(基本)の特訓道場
- 難関大第15章 微積分
- 予想問題北大予想問題|微分法5題
5. 微分法の応用10項目
増減・凹凸だけでなく、定義域、端点の値、端での極限を合わせて判断します。グラフの形と、値を実際にとるかを分けましょう。
導関数が0なら必ず最大・最小になる?
1.候補と判定を分ける
f(x)=x³はf′(0)=0ですが0の前後で増加します。導関数が0になることだけでは極値を決められません。
2.符号表で増減を見る
f′が+から−なら極大、−から+なら極小。分母や指数関数など常に正の因子を先に確認すると符号が読みやすくなります。
3.端点も比較する
閉じた有限区間で連続なら最大・最小が存在します。内部で導関数が0の点、微分できない点、端点の値を比べます。
4.二階微分で曲がり方を調べる
f″>0なら下に凸、f″<0なら上に凸。変曲点は連続な曲線上で凹凸が変わる点です。f″=0だけでは決まらず、二階微分できない点も含めて確認します。
5.まずは一問、解いてみよう
f(x)=x³がx=0で極値を持たない理由は?
解答と考え方を確認
f′(x)=3x²は0の左右とも正で、増加から減少へも減少から増加へも変わらないからです。
6.もう一問、考えてみよう
0≦x≦3でf(x)=x e⁻ˣの最大値・最小値を求めよう。
解答と理由を確認
f′=(1−x)e⁻ˣより0〜1で増加、1〜3で減少。f(0)=0、f(1)=1/e、f(3)=3/e³を比べ、最大値1/e(x=1)、最小値0(x=0)。
増減表を自分で書き、極値の候補と端点の値を比べてみましょう。「導関数が0だから最大」と決めずに、その前後で増加・減少がどう変わるかを説明できれば大丈夫です。
| 接線と法線 | fがaで有限の微分係数をもつ場合、接線はy−f(a)=f′(a)(x−a)。f′(a)≠0なら法線の傾きは−1/f′(a)、f′(a)=0なら法線は直線x=aです。 |
|---|---|
| 平均値の定理 | fが[a,b]で連続、(a,b)で微分可能なら、f(b)−f(a)=f′(c)(b−a)を満たすcがa<c<bに存在します(a<b)。不等式の証明にも使います。 |
| 増減と極値 | f′(x) の符号変化で判定。f′(a)=0 でも極値とは限らない(y=x³ が反例)。 |
| 凹凸と変曲点 | 区間でf″(x)>0なら下に凸、f″(x)<0なら上に凸。曲線上の連続な点の前後で凹凸が変わるかを確認します。定義域にない点は変曲点にしません。 |
| 漸近線 | x→±∞ での挙動と、分母が0になる点を調べる。y=ax+b 型はf(x)/x→aに加え、f(x)−ax→bという有限の極限を確認します。 |
| グラフの概形 | 定義域・対称性・増減・凹凸・漸近線・軸との交点を順に調べて描く。 |
| 最大最小 | 閉じた有限区間で連続なら最大・最小が存在します。内部の停留点・微分不能点・端点を比較。開区間では上限・下限を実際にとるかも確認します。 |
| 方程式・不等式への応用 | f(x)=k の解の個数はグラフと水平線の共有点。不等式は差を関数とみて最小値を調べる。 |
| 速度・加速度 | 位置を時刻で微分すると速度、もう一度微分すると加速度。平面では成分ごとに扱う。 |
| 近似式 | 0で微分可能なら、xが0に近いときf(x)≒f(0)+f′(0)x。精度の保証には誤差評価が別途必要です。 |
つまずきやすい点
- 凹凸を調べずにグラフを描くf″ の符号まで表に入れる。変曲点を落とすと概形が変わる。
- 漸近線を x→∞ だけで済ませるx→−∞ と、分母が0になる点の両方を調べる。
- 極値と最大最小を同一視する閉区間では端点も候補。端の値を必ず比較する。
- 平均値の定理の c の存在範囲を書かないa<c<b と明記する。開区間である点に注意。
- 速度・加速度で符号の意味を取り違える速度の符号は向き、絶対値が速さ。加速度は速度の変化率。
入試での出方と最初の一手
- グラフの概形を描く定義域→対称性→増減→凹凸→漸近線→交点の順に調べる。
- 方程式の実数解の個数y=f(x) と y=k の共有点。増減表から極値を出して k と比較する。
- 不等式の証明差を関数とみて最小値が0以上を示す。増減表で最小を特定する。
- 最大最小の応用変数を1つに絞り、定義域を求めてから微分する。図形量の設定が一手目。
微分法の応用|極値・変曲点・漸近線・実数解の追試8問
数強塾オリジナルの確認問題です。入試問題の転載ではありません。logは自然対数を表します。答えを閉じた状態で、定義域と増減を先に書いてください。
答案に残す4点:①使えるxの範囲、②導関数の符号、③端点の値または極限、④その値を実際にとるか。必要なときは二階微分と連続性も確認します。公式で迷ったら微分法の8問へ戻れます。
追試1|閉区間を開区間に変えると最小値は?
f(x)=x²e−xについて、0≦x≦3での最大・最小を求めてください。次に0<x<3ではどうなるか答えてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:f′=x(2−x)e−x。0<x<2で正、2<x<3で負です。f(0)=0、f(2)=4/e²、f(3)=9/e³で、2から3へ減少するため4/e²>9/e³。閉区間では最大値4/e²(x=2)、最小値0(x=0)です。
開区間でもx=2を含むので最大値は同じです。一方、f(x)>0でx→0+のとき0へ近づくものの0はとりません。最小値はなく、下限は0です。「0に近づく」ことと「0になる」ことを分けます。
後日は区間1≦x≦3で確認。f(1)=1/eとf(3)=9/e³を比較します。e<3より9/e³>1/eなので最小値1/e(x=1)、最大値4/e²(x=2)。端点同士の比較を省略しないでください。
追試2|f′=0とf″=0は何の候補?
x³とx⁴について、原点が極値をとる点か、変曲点かをそれぞれ判定してください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:x³の一階微分3x²は原点の左右で正。極値はありません。二階微分6xは負から正へ変わるので、原点は上に凸から下に凸へ変わる変曲点です。
x⁴の一階微分4x³は負から正へ変わるため、原点で極小値0をとります。二階微分12x²は左右とも正で、原点では0でも変曲点ではありません。
f′=0は極値の候補、f″=0は変曲点を探す際の候補ですが、どちらも結論ではありません。なお、微分できない点でも極値をとる場合があります。例えば|x|は原点で微分できませんが最小値0をとります。
追試3|増加するだけで実数解があるといえる?
x+log x=kの正の実数解の個数を、実数kについて調べてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:定義域はx>0。f=x+log xは連続で、f′=1+1/x>0なので狭義増加です。x→0+でf→−∞、x→∞でf→∞。どんな実数kでも両側の値を選べて中間値の定理で解が存在し、狭義増加なので一つだけです。
増加という事実だけでは、指定した高さkまで届くかは分かりません。端での極限が存在の根拠を補います。対比としてex=kは全実数で狭義増加ですが、k≦0には実数解がありません。
後日x+2log x=kに変更しても、同じ定義域・連続性・端の極限とf′=1+2/x>0から、任意の実数kについて一つです。
追試4|二階微分の符号が変わる0は変曲点?
f(x)=x+1/xの定義域、極値、凹凸、変曲点、漸近線を調べてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:x≠0。f′=1−1/x²はx<−1とx>1で正、−1<x<0と0<x<1で負。x=−1で極大値−2、x=1で極小値2です。これは各点の近くでの極値であり、定義域全体での最大・最小はありません。
f″=2/x³なので、x<0では上に凸、x>0では下に凸。しかし0は定義域に含まれず、曲線上に点がありません。変曲点はありません。
x→0+ではf→+∞、x→0−ではf→−∞なので垂直漸近線はx=0。x→±∞ではf(x)−x=1/x→0なので斜め漸近線はy=xです。増減表も0をまたいで一本の連続な枝として扱わないでください。
後日x+4/xなら極値のxは±2、極大値−4・極小値4。0は引き続き変曲点ではありません。
追試5|f(x)/x→1なら漸近線はy=x?
x>0でf(x)=x+√xを考えます。f(x)/x→1だからy=xが漸近線だという説明を検討してください。対比としてg(x)=(x²+3)/(x−1)の斜め漸近線を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:f(x)/x=1+1/√x→1ですが、f(x)−x=√x→∞。直線y=xとの縦の差は0に近づかないので漸近線ではありません。y=ax+bが漸近線ならa=1が必要ですが、f(x)−xに有限の極限がないため有限のbも選べません。
g(x)=x+1+4/(x−1)(x≠1)なので、x→±∞でg(x)−(x+1)→0。斜め漸近線はy=x+1です。傾きだけでなく切片まで確かめるのがポイントです。
後日、分子をx²+2x+3に変えると、x+3+6/(x−1)となり斜め漸近線はy=x+3です。
追試6|対数の不等式は定義域と等号まで
log x≦x−1を証明し、等号が成り立つxを答えてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:実数のlog xを扱うのでx>0。h(x)=x−1−log xとおくと、h′=1−1/x=(x−1)/x。0<x<1で負、x>1で正なのでx=1で最小値h(1)=0をとります。よってlog x≦x−1で、等号はx=1のみです。
定義域を書かずにx=0を代入したり、h′が負の区間を忘れて「常に増加」と書いたりしないでください。グラフを眺めるだけではなく符号と最小値を根拠にします。
後日はu=1+tと置き換えて、log(1+t)≦tを示しましょう。条件はt>−1、等号はt=0です。
追試7|無限遠で0へ近づく枝も、解として数える?
全実数xについて、xe−x=kの実数解の個数を実数kで場合分けしてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:f′=(1−x)e−xなので、x<1で増加、x>1で減少。最大値はf(1)=1/eです。x→−∞でf→−∞、x→∞でf→0+。左の枝の値域は(−∞,1/e]、右の枝(x>1)は(0,1/e)です。
- k<0:1個(負の解)。
- k=0:1個(x=0)。
- 0<k<1/e:2個。
- k=1/e:1個(x=1)。
- k>1/e:0個。
指数関数は0にならないため、k=0の解はx=0だけです。「x=∞」は実数解ではありません。k=1/eでも二つの枝が同じ点で合うので二重に数えません。無限遠での極限は、例えばex≧x²/2(x>0)より0<xe−x≦2/x→0と確認できます。
後日xe−2x=kでは最大となるxは1/2、境界の最大値は1/(2e)。0・境界の等号を別に扱う5通りの分類は同じです。
追試8|通る点と接点は同じとは限らない
原点を通り、曲線y=log xに接する直線を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:原点は曲線上にありません。接点を(t,log t)、t>0とおくと、接線はy−log t=(x−t)/t、つまりy=x/t+log t−1。原点を通る条件はlog t−1=0なのでt=e。求める接線はy=x/eで、接点は(e,1)です。
傾き1/tと、直線が原点を通る条件を別々に使っています。x=0を導関数1/xへ代入する方法は使えません。後日、通る点を(0,1)に変えるとlog t−1=1からt=e²、接線はy=x/e²+1となります。
助言で直せた答案と、後日の自力解答を分ける
架空の記録:9月9日、追試7でk=0の解を「0と∞の2個」とした。「極限の値を有限のxで実際にとれる?」と問いかけると、e−x≠0よりx=0だけだと修正できた。ここまでは助言ありの修正です。
9月12日の予定(未実施):xe−2x=kに変え、解答を見ずに5通りの分類と境界値を説明する。最初の答案、役立った質問、後日のヒントの有無、根拠を記録します。未実施を不正解にせず、一問の成功を全単元の習得とは扱いません。答案の自動保存・送信は行いません。
保護者の方は「どの範囲を調べたの?」「近づくだけ? 実際にその値になる?」と確認できます。講師の方は計算、符号、定義域、値をとるかの4点に分けると、次の指導が具体的になります。
答案を使った体験授業の準備を見る。体験授業は完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)です。
応用で迷いやすい質問
導関数が0になる点だけ調べれば最大・最小を求められますか?
端点や、関数は定義されていても微分できない点を落とす可能性があります。定義域を先に確認し、開区間なら上限・下限を実際にとるかも調べます。
二階微分の符号が左右で違えば変曲点ですか?
その点が曲線上にあり連続であることも確認します。追試4の0は定義域にないので変曲点ではありません。
追加した独自8問は計算・条件を点検していますが、個別講師の監修は未確認です。担当科目や経歴は公式講師紹介をご覧ください。定義・定理の一次参考:OpenStax Calculus Volume 1の最大・最小、増減と凹凸、無限遠と漸近線。問題と解説は本ページ用の独自制作です。
→ 数学IIIの要点辞典 第5章「微分法の応用」で詳しく読む
- つまずき高校数学 微分法の応用(数III)
- 演習微分の応用の特訓道場
- 難関大第15章 微積分
- 予想問題北大予想問題|微分法5題
6. 積分法とその応用12項目
積分する前に、求めたい量・区間・符号・断面を決めます。計算結果を図形や単位に戻して確かめましょう。
置換や部分積分は何を元にしている?
1.合成関数の微分を逆に使う
∫2x cos(x²)dxはu=x²と置けばdu=2x dxとなり、∫cos u du=sin u+C。答えはsin(x²)+Cです。
2.積の微分を逆に使う
(fg)′=f′g+fg′を積分して∫fg′dx=fg−∫f′g dx。これが部分積分で、片方を微分すると簡単になる積に有効です。
3.面積は符号、体積は断面を見る
面積なら上下の差、回転体なら回転軸に垂直な断面積を積分します。円の断面なら半径の二乗にπを掛けます。
4.答えを微分して確かめる
不定積分の結果を微分すれば元の被積分関数に戻るはずです。定積分の置換では積分区間も新しい変数へ変換します。
5.まずは一問、解いてみよう
∫2x ex² dxを求めてみましょう。
解答と考え方を確認
u=x²、du=2x dxよりex²+C。微分すると2x ex²に戻ります。
6.もう一問、考えてみよう
∫₀¹x eˣ dxを求めよう。
解答と理由を確認
部分積分で∫x eˣdx=x eˣ−∫eˣdx=(x−1)eˣ+C。0から1では0−(−1)=1。
積分の答えは、一度微分して確かめてみましょう。置換積分では何を置き換えたか、部分積分ではどちらを微分したかを言葉にすると、次の問題でも方法を選びやすくなります。
| 基本の不定積分 | 実数αについてx>0で∫x^α dx=x^(α+1)/(α+1)+C(α≠−1)。ほかの範囲は実数のべきの定義域を確認。∫dx/x=log|x|+Cは0を含まない区間で成立し、区間ごとに定数を考えます。logは自然対数。∫e^x dx=e^x+C。 |
|---|---|
| 三角関数の積分 | 角はラジアン。∫sin x dx=−cos x+C、∫cos x dx=sin x+C。∫dx/cos²x=tan x+Cはcos x≠0の区間で使います。 |
| 置換積分 | 連続な被積分関数と連続微分可能な置換x=g(t)を使う場合、dx=g′(t)dt。定積分では端点・向きを変換し、同じ変数で最後まで計算します。 |
| 部分積分 | f,gが連続微分可能な区間で∫f g′dx=fg−∫f′g dx。「多項式×指数」「多項式×三角」「logを含む式」などで使います。 |
| 部分分数分解 | 有理関数は必要に応じて割り算・部分分数分解を行い、べき・log・arctan型などへ整理します。分母0の点をまたぐ定積分は通常の定積分として計算しません。 |
| 偶関数・奇関数の定積分 | a>0で[−a,a]上の可積分な関数なら、奇関数の積分は0、偶関数は0からaまでの2倍。1/xのように0で未定義の関数にそのまま適用しません。 |
| 定積分と微分 | fが連続ならd/dx ∫[a,x] f(t)dt=f(x)。上端u(x)が動く場合はf(u(x))u′(x)。下端も動くときは下端側の項を引きます。 |
| 面積 | 区間で連続な2曲線の間の面積は∫|f−g|dx。上下が逆転する点で分けます。媒介変数では進む向きと重複も確認します。 |
| 体積 | 断面積S(x)を積分します。断面が円板ならπR²、円環ならπ(R²−r²)。x軸との間の領域で円板になる場合にV=π∫y²dxを使います。 |
| 区分求積法 | fが[0,1]で連続ならlim(n→∞)(1/n)Σ(k=1〜n)f(k/n)=∫[0,1]f(x)dx。幅1/nと分点k/nを対応させます。 |
| 曲線の長さ | 連続微分可能な曲線y=f(x)ならL=∫√(1+(dy/dx)²)dx。連続微分可能な媒介変数表示ではL=∫√((dx/dt)²+(dy/dt)²)dt。同じ部分を繰り返す表示では、その走行分も数えます。 |
| 定積分と不等式 | a≦bで可積分なf,gが区間全体でf≦gを満たすなら、∫[a,b]f≦∫[a,b]g。積分区間の向きと存在も確認します。 |
つまずきやすい点
- 置換積分で積分区間を変えない定積分では x の区間を t の区間に直す。ここを忘れると値が変わる。
- 部分積分でどちらを微分するか決めずに進めるlog や多項式を微分側に置くのが基本。1回で簡単にならなければ選択を見直す。
- ∫dx/x で絶対値を落とすx≠0の区間でlog|x|+C。xが負でも|x|は正ですが、絶対値を付けても0をまたぐ積分の問題は解消しません。
- 回転体の体積で半径を取り違える軸からの距離が半径。y軸回転では水平な断面を確認し、円板ならπ∫R²dy、円環ならπ∫(R²−r²)dyです。
- 区分求積法で 1/n を落とすlim (1/n)Σf(k/n)。幅 1/n を掛けて初めて積分になる。
入試での出方と最初の一手
- 置換か部分積分かの判断内側の微分が現れるなら置換、片方の微分で簡単になる積なら部分積分を検討。見た目だけで決めず、変形後の計算を確認します。
- 面積を求める交点を出して上下を決める。媒介変数なら t の積分に置換する。
- 回転体の体積回転軸に垂直に切って、穴の有無と半径を確認。軸をまたぐ領域では回転した部分が重なるので、体積を二重に足しません。
- 区分求積で和の極限(1/n)Σf(k/n) の形に整理して ∫[0,1]f(x)dx に読み替える。
積分の応用|面積・回転体・区分求積・曲線長の追試8問
数強塾オリジナルの確認問題です。入試問題の転載ではありません。logは自然対数、三角関数の角はラジアンとします。計算を始める前に、積分する量と区間を短く説明してください。
答案の確認順序:領域を決める → 符号や断面を調べる → 積分式を立てる → 計算 → 図形として不自然でないかを確かめる。置換計算に迷ったら積分法の基本追試へ戻れます。
追試1|定積分の値と面積は同じ?
定積分∫(0〜3π/2)sin x dxの値と、この区間でのy=sin xとx軸の間の面積をそれぞれ求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:定積分は[−cos x](0から3π/2)=1。一方、sin xは0〜πで非負、π〜3π/2で非正です。面積は∫(0〜π)sin x dx−∫(π〜3π/2)sin x dx=2+1=3です。
定積分では下側の部分が負として足されますが、面積では絶対値をとります。積分結果1の絶対値をとっても面積3にはなりません。後日0〜2πに変えると、定積分0・面積4です。
追試2|上下関係を決めてから面積を出す
y=√xとy=x²で囲まれた領域の面積を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:√xが実数となるx≧0で交点を調べます。√x=x²を両辺二乗するとx=x⁴、x=0または1。元の式にも成立します。0<x<1では√x>x²なので、面積は∫(0〜1)(√x−x²)dx=2/3−1/3=1/3です。
二乗で得た候補は元の式に戻して確認し、積分前に上下を決めます。後日、下側をy=x³に変えると交点は0と1、面積は2/3−1/4=5/12です。
追試3|穴のある回転体は半径の差を二乗する?
0≦x≦2、1≦y≦x+1の領域をx軸のまわりに1回転させます。体積を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:位置xでの断面は外半径R=x+1、内半径r=1の円環です。断面積はπ{(x+1)²−1²}。したがってV=π∫(0〜2)(x²+2x)dx=π(8/3+4)=20π/3。
π(R−r)²ではありません。円環の面積は大きい円の面積から穴の面積を引きます。誤ったπ∫x²dxでは8π/3となり、小さく数えています。
後日、同じ領域をy=−1のまわりに回すと、R=x+2、r=2。体積はπ∫(0〜2)(x²+4x)dx=32π/3です。半径は座標そのものではなく回転軸からの距離です。
追試4|回転軸をまたぐと、穴は残る?
長方形0≦x≦1、−1≦y≦2をx軸のまわりに1回転させます。体積は3π、4π、5πのどれですか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:4πです。各xでyの区間は回転軸を含み、軸からの距離0〜2をすべて覆います。断面は半径2の円板で、体積はπ×2²×1=4π。
負側の−1〜0を回した円は、正側の0〜2を回した円に含まれます。二つを足す5πは重複を数えています。内半径1の穴を引く3πも誤りです。
後日、長方形のyの範囲を1≦y≦2へ変えると、穴がある円環になり体積は3πです。回転前の区間が軸を含むかを先に確認します。
追試5|y軸回転では、水平に切ると何が見える?
0≦x≦1、0≦y≦x²の領域をy軸のまわりに1回転させた体積を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:0≦y≦1の高さで水平に切ると、√y≦x≦1。外半径1、内半径√yの円環です。V=π∫(0〜1){1²−(√y)²}dy=π∫(0〜1)(1−y)dy=π/2。
π∫(0〜1)(x²)²dx=π/5は、同じ領域をx軸回転したときの体積です。回転軸を変えたら断面から考え直します。
後日、領域を0≦x≦1、0≦y≦xに変えると、高さyでy≦x≦1となり、y軸回転の体積はπ∫(0〜1)(1−y²)dy=2π/3。
追試6|区分求積の幅と置換後の区間
lim(n→∞)(1/n)Σ(k=1〜n)√(1+3k/n)を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:f(x)=√(1+3x)は[0,1]で連続。幅1/n、右端k/nを使う区分求積だから∫(0〜1)√(1+3x)dxです。
u=1+3xならdx=du/3、x=0→u=1、x=1→u=4。よって(1/3)∫(1〜4)√u du=(2/9)(43/2−1)=14/9。
uの範囲だけを1〜4に変え、係数1/3を落とすと14/3になります。なお、和の前が3/nなら答えも3倍の14/3です。式の中の3と、幅の3を区別して説明しましょう。
追試7|積分区間の上端も下端も動くとき
F(x)=∫(x〜2x)log(1+t²)dtを微分してください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:log(1+t²)は全実数で連続です。原始関数をHとするとF(x)=H(2x)−H(x)。連鎖律よりF′(x)=2log(1+4x²)−log(1+x²)。全実数xで使えます。
上端の微分2と、下端の項の引き算を忘れないでください。x<0では上端2xのほうが小さくなりますが、向き付きの定積分として同じ式が成立します。
後日、G(x)=∫(1〜x²)log(1+t²)dtならG′(x)=2x log(1+x⁴)。x²を中身へ入れるだけでなく、その微分2xも掛けます。
追試8|曲線の長さは面積の積分と違う
曲線y=(2/3)x3/2の0≦x≦3の部分の長さを求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:y′=√xはこの区間で連続です。長さL=∫(0〜3)√(1+(y′)²)dx=∫(0〜3)√(1+x)dx=(2/3)(43/2−1)=14/3。
∫y dxはx軸との間の面積、両端を結ぶ直線の長さは弦の長さです。どちらも曲線長とは区別します。弦の長さは√21で、14/3>√21。曲線長が弦より短くなっていないことも検算になります。
媒介変数x=t²、y=(2/3)t³、0≦t≦√3なら、速さは√((2t)²+(2t²)²)=2t√(1+t²)。積分して同じ14/3になります。
媒介変数の積分は同じ場所を繰り返した分も数えます。例えばx=cos t、y=sin tを0〜4πで積分した走行距離は4πですが、円そのものの一周の長さは2πです。区間が何周を表すかも確認しましょう。
積分式を立て直せた過程を記録する
架空の記録:9月9日、追試3でπ∫(R−r)²と立式。「断面は大きい円から何を引いた形?」と助言すると、π∫(R²−r²)へ直し20π/3を求められた。この段階は助言ありの修正です。
9月12日の予定(未実施):回転軸をy=−1へ変えた問題を解答を見ずに解く。R=x+2、r=2と書けたか、断面積と体積32π/3を説明できたかを残します。最初の答案・助言・後日の自力再現を別に記録し、未実施を不正解にはしません。一問の成功で全単元習得とは判定せず、このページに自動保存・送信機能はありません。
保護者の方は「何を積み重ねたの?」「穴はある?」と聞けます。講師の方は、図形の把握・積分式・計算のどこで止まったかを分けると、指導内容を絞れます。
答案を使った体験授業の準備を見る。完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)で、つまずいた答案から相談内容を整理できます。
積分の応用でよくある質問
面積は定積分を求めてから絶対値を付ければよいですか?
途中で上下関係が変わる場合は違います。追試1のように、正負が相殺される前に区間を分け、面積として足し合わせます。
回転体にはいつもπ∫y²dxを使えますか?
回転軸と断面によります。円板・円環・重なりを確認し、断面積を積分してください。y軸回転なら水平断面でdyを使う方法もあります。
独自8問と自作図は計算・条件を点検していますが、個別講師の監修は未確認です。担当科目・経歴は公式講師紹介をご確認ください。一次参考:OpenStax Calculus Volume 1の曲線間の面積、断面による体積、曲線長、微積分の基本定理。問題・解説・図は本ページ用の独自制作です。
→ 数学IIIの要点辞典 第6章「積分法」・第7章「積分法の応用」で詳しく読む
- つまずき高校数学 積分法の応用(数III)
- 演習積分の応用の特訓道場
- 演習積分(基本)の特訓道場
- 難関大第15章 微積分
- 予想問題北大予想問題|積分法5題
接線条件から囲まれた面積まで|三次関数の数学IIIオリジナル問題
『接する』は、同じ点を通るだけでなく傾きも同じという二条件です。接点を決めた後は、差を因数分解すると面積の符号が見えます。
放物線と直線で囲まれた図形を回転して体積を求める|数学IIIオリジナル問題
放物線と直線の上下関係から円環の断面積を作り、その最大値と回転体の体積を微分・積分で求めます。
数学IIIの要点をまとめて確認する 数学IIIの要点辞典(全7単元) に、関数・極限・微分法・積分法とその応用をまとめてあります。不定形は型ごとに処理法が決まっているという一覧と、置換積分で積分区間を変え忘れる最頻出ミスの防ぎ方を書きました。
前提となる無料解説
数学III・Cの入試演習をまとめて探すなら——極限・微分法・積分法・複素数平面・式と曲線を、出題のされ方の順に並べた索引を用意しました。各単元を「つまずきの整理 → 特訓道場30題 → 予想問題5題」の3段で並べています。数学III・C 入試実戦ハブ