ベクトル、平面上の曲線、複素数平面を、図形を式で動かすための言葉として学びます。「数学的な表現の工夫」では、表・グラフ・行列を使い、身近な問いを整理します。
1. ベクトル12項目
図形問題を「基準を決めて成分で書く」問題に変える道具。始点をどこに置くかで難易度が変わります。
図形の向きと長さを同時に計算できるのはなぜ?
1.移動を成分で表す
A(1,2)からB(4,6)への移動はAB=(3,4)。出発点をずらしても同じ向き・長さの移動なら同じベクトルです。
2.足し算で経路をつなぐ
AB+BC=AC。途中の点Bを経由しても全体の移動はAからCなので、図形の条件を式に置き換えられます。
3.内積を角度と結ぶ
a・b=|a||b|cosθは成分ならa₁b₁+a₂b₂。0でない2ベクトルの内積が0ならcosθ=0で垂直です。
4.AからBへどれだけ進むかを考える
AP:PB=m:n(m,n>0)なら、AからBへの移動のm/(m+n)だけ進みます。したがって位置ベクトルはp=a+m(b−a)/(m+n)=(na+mb)/(m+n)。係数の順番も、この移動から導けます。
5.まずは一問、解いてみよう
a=(2,1)、b=(1,−2)は垂直?
解答と考え方を確認
内積2×1+1×(−2)=0。両方とも0ベクトルでないので垂直です。
6.もう一問、考えてみよう
A(1,2)、B(7,5)をAP:PB=1:2に内分するPを求めよう。
解答と理由を確認
P=(2A+B)/3=((2+7)/3,(4+5)/3)=(3,3)。AからBへの移動(6,3)の1/3だけ進むと考えても同じです。
内分点の公式を忘れたら、AからBへ何割進む点なのかを考えてみましょう。1:2なら全体の3分の1です。点が本当にAとBの間にあるか、座標を図に置いて確かめる習慣も付けてください。
| ベクトルの加法・実数倍 | 平行四辺形または三角形をつくって足す。0でないベクトルの実数倍は、正の倍率なら同じ向き、負の倍率なら逆向きとなり、長さは倍率の絶対値倍になる。0倍は0ベクトル。 |
|---|---|
| 成分表示と大きさ | 平面では (x, y)、大きさは √(x²+y²)。成分どうしで足し算・実数倍ができる。 |
| 内積 | a·b=|a||b|cosθ=x₁x₂+y₁y₂。0でない2つのベクトルでは、垂直 ⇔ 内積が0。|a|²=a·a。 |
| なす角 | a,bがともに0でないときcosθ=(a·b)/(|a||b|)、0≦θ≦π。内積の成分表示と等号で結びます。 |
| 位置ベクトル | 基準点Oを決めて各点をベクトルで表す。A≠B、m,n>0としてAP:PB=m:nに内分する点は(nOA+mOB)/(m+n)。 |
| 一直線上にある条件 | A≠Bのとき、A,B,Cが一直線上 ⇔ AC=k·ABとなる実数kが存在する。A=Bならこの式だけでは判定できません。 |
| 同一平面上にある条件 | A,B,Cが一直線上にないとき、Dが平面ABC上 ⇔ AD=s·AB+t·ACとなる実数s,tが存在する。基準の2ベクトルが1次独立であることを確認します。 |
| 三角形の面積 | 同じ頂点から出る2辺のベクトルa,bに対しS=(1/2)√(|a|²|b|²−(a·b)²)。成分ならS=(1/2)|x₁y₂−x₂y₁|。 |
| 直線のベクトル方程式 | d≠0のとき、点Aを通る直線はp=a+t·d(tは全実数)。線分の場合はtの範囲を制限します。 |
| 円のベクトル方程式 | 中心C、半径r>0の円は|p−c|=r。A≠Bのとき、ABを直径とする円は(p−a)·(p−b)=0。長さの積|p−a||p−b|とは異なります。 |
| 空間ベクトルの成分 | (x, y, z)。大きさは √(x²+y²+z²)。内積は x₁x₂+y₁y₂+z₁z₂。 |
| 平面の方程式と法線ベクトル | 0でない法線ベクトル(a,b,c)と点(x₀,y₀,z₀)で、平面はa(x−x₀)+b(y−y₀)+c(z−z₀)=0。 |
つまずきやすい点
- 内積を成分と定義式で混ぜるa·b=|a||b|cosθ と x₁x₂+y₁y₂ は同じ量の2通りの表し方。等号で結んで角を出す。
- 始点をそろえずに位置ベクトルを使う基準点を1つ決めて全部そこからのベクトルで書く。途中で始点を変えない。
- 一直線上の条件を「平行」とだけ書くA≠Bを確認し、AC=k·ABとなる実数kの存在を明記。線分AB上なら0≦k≦1も必要です。
- 空間で同一平面上の条件を落とすA,B,Cが一直線上にないことを確認してAD=s·AB+t·ACと表します。位置ベクトルではd=(1−s−t)a+sb+tcとなり係数和が1です。
- 垂直条件を成分だけで処理する0でない2ベクトルについて内積0と垂直が対応します。零ベクトルでは角度を定めず、成分からも零かどうかを確認します。
入試での出方と最初の一手
- 交点の位置ベクトル2通りに表して係数比較。1次独立なベクトルで表すのが前提。
- 垂線の足・最短距離垂直条件(内積0)を式にする。または媒介変数で表して距離を最小化する。
- 三角形の面積S=(1/2)√(|a|²|b|²−(a·b)²)。成分なら (1/2)|x₁y₂−x₂y₁|。
- 平面と直線の交点直線を媒介変数で表し、平面の方程式に代入して係数を決める。
平面ベクトル|内分・係数・内積・線分の範囲を追試8問で確認
数強塾オリジナルの確認問題です。入試問題の転載ではありません。この節のABなどの2文字は、向きをもつベクトルを表します。線分の長さは|AB|と書き、a,b,pは同じ原点Oからの位置ベクトルとします。
解く前の確認:点の位置か移動か → 基準点は同じか → 零ベクトルでないか → 係数比較できるか → 直線か線分か。解答を閉じて最初の答案を残し、ヒント後と後日の解き直しを分けましょう。
追試1|終点の座標と移動の成分は同じ?
A(−1,2)、B(3,5)についてAB、BA、|AB|を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:AB=(3−(−1),5−2)=(4,3)、BA=(−4,−3)、|AB|=√(4²+3²)=5。Bの位置ベクトルOB=(3,5)とは異なります。
出発点を引く順序を確認します。A,Bをともに(2,−1)だけ平行移動するとA′(1,1)、B′(5,4)となりますが、A′B′=(4,3)で移動は変わりません。
後日はBからAへ向かう長さ1のベクトルを求めましょう。BA/|BA|=(−4/5,−3/5)。長さを1にしても向きは保ちます。
追試2|内分と外分で点はどちらに来る?
A(1,−1)、B(7,2)を2:1に内分するPと、2:1に外分するQを求めてください。比はAP:PB、AQ:QBという長さの比です。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:Pの位置は(a+2b)/3=(5,1)。AからBへの移動(6,3)の2/3だけ進みます。外分点Qの位置は(2b−a)/(2−1)=(13,5)。AからBへの移動を2倍進んだBの外側で、|AQ|:|QB|=2:1です。
一般にm,n>0、m≠nで外分点は(mb−na)/(m−n)。公式の符号だけでなく点の順序で検算します。1:1の外分点は有限の位置には存在せず、分母0の式を使いません。
後日、1:2の外分なら( b−2a)/(1−2)=2a−b=(−5,−4)。今度はAの外側になります。
追試3|係数の和が1なら線分上?
A(1,1)、B(5,3)、p=(3a−b)/2とします。Pは線分AB上にありますか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:p=(3/2)a−(1/2)b=(1−t)a+tbでt=−1/2。P=(−1,0)は直線AB上ですが、線分AB上ではありません。線分には0≦t≦1が必要です。
係数和1は直線上という条件を表しますが、負の係数を許すと延長線上も含みます。後日p=(a+3b)/4ならt=3/4なので線分上、P=(4,5/2)です。
追試4|二つの係数が正なら三角形の内側?
O(0,0)、A(4,0)、B(0,6)とし、OP=(3/4)OA+(1/2)OBとします。Pは三角形OABの内部または周上ですか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:P=(3,3)は外側です。OP=sOA+tOBが三角形の内部または周上にある条件はs≧0、t≧0、s+t≦1。今回はs+t=5/4>1です。直線ABの式x/4+y/6=1に代入しても5/4となり、Oと反対側にあります。
位置ベクトルをO,A,Bの重みで書くと、(1−s−t)O+sA+tB。三つの係数がすべて非負で和1、という形で見ると不足した条件が分かります。O,A,Bが一直線上にないことが前提です。
後日s=1/4、t=1/2ならP=(1,3)、係数和3/4で内部です。辺AB上はs+t=1、各係数が正なら辺の両端を除く部分です。
追試5|係数比較はいつでもできる?
a=(1,2)、b=(2,4)のとき、sa+tb=3aからs=3、t=0と決めてよいですか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:決められません。b=2aなので、条件は(s+2t)a=3a、つまりs+2t=3です。(s,t)=(3,0)、(1,1)、(−1,2)など無数にあります。
1次独立な2ベクトルで表しているときに、同じベクトルの係数を比較できます。平面では「両方とも零でなく、平行でない」が確認の仕方です。後日a=(1,2)、b=(2,5)なら行列式1×5−2×2=1≠0で独立。同じ条件からs=3、t=0だけに決まります。
追試6|内積0なら、零ベクトルでも角は90°?
a=(t,0)、b=(0,2)とします。内積と、二つのベクトルのなす角を調べてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:a・b=0は任意の実数tで成立します。t≠0なら両方とも零でなく、cosθ=0/(2|t|)=0よりθ=90°。t=0ではaが零ベクトルで向きが定まらず、なす角は定義しません。
内積の計算自体は零ベクトルでもできますが、角度を求める式では|a||b|で割ります。t=0を落とさず分けてください。後日a=(1,t)、b=(t,1)なら両方とも常に零でなく、内積2t=0より垂直となるのはt=0です。
追試7|垂線の足が線分の外にあるとき
A(0,0)、B(2,0)、P(3,2)について、Pから直線ABまでの距離と、線分ABまでの最短距離を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:直線への垂線の足はH(3,0)、距離は2です。ただしHは線分ABの外側です。線分上の点Qを(2t,0)、0≦t≦1と置くと、|PQ|²=(2t−3)²+4。この範囲ではtが1に近づくほど小さくなり、t=1、Q=Bで最小値5。最短距離は√5です。
垂直条件で得るtは3/2となり、線分の範囲を外れます。直線の答えをそのまま線分の答えにせず、端点を比べます。
後日Pを(1,2)に変えると足(1,0)が線分内に入り、直線・線分への距離はともに2です。
追試8|直径の円は内積、それとも長さの積?
A(−1,0)、B(3,0)を直径の両端とする円の式を、(p−a)・(p−b)=0から求めてください。|p−a||p−b|=0では何を表しますか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:P(x,y)とすると、(x+1)(x−3)+y²=0。平方完成して(x−1)²+y²=4、中心(1,0)、半径2の円です。A,B自身もこの式を満たします。
P≠A,BならPAとPBがともに零でなく、内積0から角APBが90°だと説明できます。P=A,Bでは角度を定められませんが、円の端点として式には含まれます。
一方、長さの積|p−a||p−b|=0は、どちらかの長さが0という条件です。P=AまたはBという2点だけで、円全体ではありません。後日A(0,0)、B(0,4)ならx²+(y−2)²=4です。
「式は合ったが範囲を落とした」をどう記録する?
架空の記録:9月9日、追試7で直線・線分の両方の距離を2と回答。「垂線の足はAとBの間にある?」と問いかけると、t=3/2が範囲外だと気づき、線分では端点Bまでの√5へ訂正できた。ここまでは助言ありの修正です。
9月12日の予定(未実施):Pを(−1,2)に変更し、足(−1,0)がAの外側にあること、線分の最短点はAで距離√5であることを自力で説明する。最初の答案、助言、後日のヒントの有無を分け、未実施を不正解にしません。一問で全習得と判定せず、このページでは答案を自動保存・送信しません。
保護者の方は「点は本当にその範囲にある?」と聞けます。講師の方は計算・独立性・零ベクトル・範囲のどこが不足したかを分けると、次の指導を選びやすくなります。
答案を使った体験授業の準備を見る。完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)で、つまずいた箇所から相談内容を整理します。
よくある質問
位置ベクトルの係数の和が1なら内分点ですか?
係数が負なら延長線上の場合もあります。内分点には両方の係数が正、端点を含む線分には両方が非負という範囲が必要です。
内積が0の条件を使う前に何を確認しますか?
角度や垂直を説明するなら両ベクトルが零でないことを確認します。円の方程式では端点も含むため、角度の説明とは区別します。
独自8問・自作図は計算と条件を点検していますが、個別講師の監修は未確認です。担当科目・経歴は公式講師紹介をご確認ください。一次参考:OpenStax Calculus Volume 3の平面のベクトル、内積。問題・解説・図は本ページ用の独自制作です。
空間ベクトル|ねじれ・法線・距離・球と平面を追試8問で確認
数強塾オリジナルの確認問題です。入試問題の転載ではありません。座標は(x,y,z)の順、ABなどはAからBへのベクトルを表します。直線の媒介変数は、特に断らない限り実数全体を動きます。
先に確認すること:基準のベクトルが独立か、方向や法線が零でないか、交点が本当に存在するか、距離はどこへの垂線か。図からの予想と式での確認を分けましょう。平面ベクトルの条件確認へ戻る。
追試1|平面の法線は、一つの辺に垂直ならよい?
A(1,0,0)、B(0,2,0)、C(0,0,3)を通る平面の式を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:AB=(−1,2,0)、AC=(−1,0,3)は平行でなく、平面を定めます。n=(a,b,c)が両方に垂直なら−a+2b=0、−a+3c=0。例えばn=(6,3,2)を選べます。
点Aを使い、6(x−1)+3y+2z=0、つまり6x+3y+2z=6。B,Cも代入して成立することを確認します。一つの方向に垂直なだけでは平面の法線とは限りません。零ベクトルは両方と内積0ですが、法線には選びません。
後日Cを(0,0,6)へ変えると、法線の一例は(6,3,1)、平面は6x+3y+z=6です。
追試2|方向が直交しても交点はある?
直線ℓ:(x,y,z)=(s,0,0)と、直線m:(x,y,z)=(0,t,1)の位置関係を調べてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:方向ベクトルは(1,0,0)、(0,1,0)で、内積0、方向のなす角は90°です。しかしℓ上はz=0、m上はz=1なので交点はありません。平行でもないため、2直線はねじれの位置にあります。
方向の角度と、実際に同じ点を通るかは別の条件です。空間では2直線を平面図に描くと交わって見える場合があっても、座標を全て一致させる必要があります。
後日mを(0,t,0)へ変えると、s=t=0で原点に交わります。今度は同じ平面z=0上で交差します。
追試3|直線と平面は、必ず1点で交わる?
平面π:2x−y+z=4に対し、次の3直線の関係を調べてください。
- ℓ₁:(x,y,z)=(1,0,0)+t(1,1,1)
- ℓ₂:(x,y,z)=(1,0,0)+t(1,2,0)
- ℓ₃:(x,y,z)=(2,0,0)+t(1,2,0)
ヒント・解答・確認するポイント
解答:ℓ₁を代入すると2+2t=4、t=1。交点は(2,1,1)です。ℓ₂では左辺が常に2なので交わりません。ℓ₃では左辺が常に4なので、直線全体が平面に含まれます。
一般に直線p=a+td、平面n・p=cなら、(n・d)t=c−n・a。n・d≠0なら交点1つ、n・d=0なら右辺が0かどうかで「全体が含まれる」と「交点なし」に分かれます。n,dは零でないことが前提です。
tの係数が0になったときに、そのまま割り算をしないのが確認点です。
追試4|点から平面への距離と垂線の足
P(1,2,3)から平面x+2y+2z=2への距離と、垂線の足Hを求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:法線n=(1,2,2)、|n|=3。距離は|1+4+6−2|/3=3。足はPから法線方向に移動するのでH=P−λnと置きます。平面に代入すると11−9λ=2からλ=1、H=(0,0,1)です。
Hが平面上にあることと、PHが法線に平行なことを両方確認します。距離の公式の分母は|n|ですが、足を求める係数は(n・P−2)/|n|²です。分母を混同しないでください。
後日、平面に関するPの対称点P′を求めるとP′=2H−P=(−1,−2,−1)。中点がHで、符号付きの平面の式の値が9から−9へ変わります。
追試5|共面条件は基準の3点にも注意する
A(0,0,0)、B(1,0,1)、C(0,1,1)、D(1,1,k)が同一平面上にあるkを求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:ABとACは独立です。AD=sAB+tACと置くと、(1,1,k)=(s,t,s+t)。s=1、t=1、k=2です。平面の式z=x+yでも同じ結果になります。
k=2のDは平面上ですが、s+t=2なので三角形ABCの内部・周上にはありません。平面上と三角形内を区別します。
基準の3点が一直線上だと同じ方法は使えません。例えばA(0,0,0)、B(1,0,0)、C(2,0,0)、D(0,1,0)は全て平面z=0上ですが、ADをABとACの和で表せません。この場合はA,B,Dなど一直線上でない3点を選び直します。
追試6|球と平面の交わりはいつ円になる?
球面(x−1)²+(y+1)²+(z−2)²=9と、平面z=4、z=5、z=6の交わりをそれぞれ調べてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:球の中心C(1,−1,2)、半径R=3。中心から各平面への距離dは順に2、3、4です。
- z=4:d<R。中心H(1,−1,4)、半径√(9−4)=√5の円。式はz=4と(x−1)²+(y+1)²=5の両方です。
- z=5:d=R。接点(1,−1,5)の1点。
- z=6:d>R。共有点なし。
交わる円の半径ρは、中心C・垂線の足H・円周上の点を結ぶ直角三角形からρ²+d²=R²。平面の式も残さないと、空間内の円を指定したことにはなりません。
後日z=1ならd=1、中心(1,−1,1)、半径√8=2√2の円になります。
追試7|四面体の高さは斜めの辺の長さ?
A(0,0,0)、B(2,0,0)、C(0,3,0)、D(1,1,4)からなる四面体の体積を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:底面ABCは直角三角形で面積2×3/2=3。底面の平面はz=0だから、Dからの高さは4です。体積V=(1/3)×3×4=4。
|AD|=√18は斜めの辺の長さで、高さではありません。Dから平面への垂直な距離を使います。また底面積の1/2と、錐体の体積の1/3を別々に確認してください。
後日Dを(1,1,−2)に変えると、高さは非負の距離2、体積は2です。負のz座標をそのまま高さに入れません。Dのx,y座標だけを動かしてもz=4のままなら体積は4で変わりません。
追試8|別々の直線に同じ媒介変数を使ってよい?
直線ℓ:(x,y,z)=(s,0,0)と、直線m:(x,y,z)=(1,t,1)の最短距離を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:それぞれの点L(s,0,0)、M(1,t,1)は独立に動きます。|LM|²=(s−1)²+t²+1≧1で、s=1、t=0のとき等号成立。最短距離は1、最短の2点は(1,0,0)と(1,0,1)です。
その間のベクトル(0,0,1)は両直線の方向ベクトルと内積0で、共通の垂線になっています。
勝手にs=tとすると、(s−1)²+s²+1=2(s−1/2)²+3/2となり、最短距離を√(3/2)と誤ります。二つの点の動きを結び付ける条件は問題にありません。後日mのz座標を2に変えると距離は2です。
どの条件を追加したら改善したかを残す
架空の記録:9月9日、追試3で3直線すべてのtを求めようとして、係数0で止まった。「平面の式の左辺はtを変えると動く?」と問いかけると、ℓ₂は常に2、ℓ₃は常に4と確認し、交点なし・全体が含まれると分類できた。ここまでは助言ありの修正です。
9月12日の予定(未実施):ℓ₂、ℓ₃の方向を(0,1,1)に変更し、n・d=0が続くこと、始点の違いで分類が変わることを解答を見ずに説明する。最初の答案、役立った質問、後日のヒントの有無を別に記録。未実施を不正解にせず、一問で全習得とは判定しません。このページは答案を自動保存・送信しません。
保護者の方は「交点は本当にある?」「どの面までの距離?」と確認できます。講師の方は位置関係・独立性・計算・パラメータの扱いを分け、次の指導を決められます。
答案を使った体験授業の準備を見る。体験授業は完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)です。
空間ベクトルでよくある質問
交点がない2直線は平行ですか?
空間ではねじれの位置もあります。方向が平行かを確かめ、交点の条件を3成分全てで確認します。
平面の式に出てくる法線の長さは1ですか?
一般には1ではありません。距離は法線の長さで割って調整します。例えば(1,2,2)の長さは3なので、点を代入した値の絶対値だけでは距離になりません。
独自8問は計算と適用条件を点検していますが、個別講師の監修は未確認です。担当科目や経歴は公式講師紹介をご覧ください。一次参考:OpenStax Calculus Volume 3の空間の直線と平面、空間座標とベクトル。例題・解説は本ページ用の独自制作です。
→ 数学II・B・Cの要点辞典 第10章「ベクトル」で詳しく読む
- つまずき高校数学 平面ベクトル(数C)
- つまずき高校数学 空間ベクトル(数C)
- 演習ベクトル(基本)の特訓道場
- 演習空間ベクトルの特訓道場
- 難関大第8章 ベクトル
- 難関大第9章 空間図形
- 予想問題北大予想問題|空間ベクトル5題
- 予想問題共通テスト予想問題|ベクトル・複素数平面5題
2. 平面上の曲線7項目
放物線・楕円・双曲線は、どれも「距離の条件」から定義されます。定義に戻ると式が作れます。
楕円や放物線の式はどこから出てくる?
1.距離の条件から図形を見る
放物線は、焦点と準線までの距離が等しい点の集合です。例えば焦点F(0,1)、準線y=−1なら、点P(x,y)について√(x²+(y−1)²)=|y+1|。両辺を2乗して整理するとx²=4y、つまりy=x²/4です。見慣れた放物線の式が、距離の条件から出てきました。
2.標準形で軸を読む
x²/9+y²/4=1は中心が原点、長半径3、短半径2の楕円です。x軸との交点は(±3,0)、y軸との交点は(0,±2)です。分母の9、4は長さを2乗した数だと確かめられます。
3.媒介変数は同じ点を追う
x=2cos t、y=sin tなら、cos²t+sin²t=1からx²/4+y²=1。0≦t≦2πなら楕円を1周しますが、0≦t≦πなら上半分だけです。同じ式に直せても、表す範囲が違うことに注意しましょう。
4.極座標は距離と方向で表す
x=r cosθ、y=r sinθ、x²+y²=r²。極方程式を直交座標へ移すと、見慣れた円などとして読めることがあります。
5.まずは一問、解いてみよう
x²/16+y²/9=1の長軸の長さは?
解答と考え方を確認
x方向の半径4なので長軸は8。短軸は6です。
6.もう一問、考えてみよう
r=2cosθ、r≧0、−π/2≦θ≦π/2を直交座標の式に直し、図形を答えよう。
解答と理由を確認
r²=2r cosθよりx²+y²=2x。平方完成して(x−1)²+y²=1なので中心(1,0)、半径1の円です。このθの範囲で円全体を表し、原点もθ=±π/2で表されます。
曲線の式を見たら、まず軸との交点を求めてみましょう。媒介変数や極座標では、変数の範囲によって曲線の一部分だけを表すこともあります。式を直したあとも、元の範囲を忘れないようにしてください。
| 放物線 | 準線上にない焦点と、準線から等距離にある点の集まり。p≠0のときy²=4pxの焦点は(p,0)、準線はx=−p。p=0では放物線になりません。 |
|---|---|
| 楕円 | 異なる2焦点からの距離の和が、焦点間の距離より大きい一定値。x²/a²+y²/b²=1、a>b>0なら焦点は(±√(a²−b²),0)、距離の和は2a。和が焦点間の距離と等しければ線分になります。 |
| 双曲線 | 異なる2焦点からの距離の差の絶対値が、0より大きく焦点間の距離より小さい一定値。a,b>0のときx²/a²−y²/b²=1の焦点は(±√(a²+b²),0)、漸近線はy=±(b/a)x。符号付きの差を指定すると一方の枝だけになることがあります。 |
| 2次曲線の平行移動 | x を x−p、y を y−q に置き換える。展開形は平方完成で標準形に戻す。 |
| 2次曲線と直線 | 連立・消去後に本当に2次方程式となるか、最高次の係数を確認して判別式を使います。次数が下がる場合は別に調べ、共有点1個だけで接線とは決めません。垂直な直線も別途確認します。 |
| 媒介変数表示 | r,a,b>0として円は(r cosθ,r sinθ)、楕円は(a cosθ,b sinθ)。θの消去後も元の範囲と端点を残し、その範囲の全点を表せるか逆向きに確かめます。 |
| 極座標と極方程式 | (r,θ)で点を表し、x=r cosθ、y=r sinθで直交座標へ移します。この節はr≧0を基本とします。θの範囲・原点・負のrを許すかという問題の約束を確認します。 |
つまずきやすい点
- 楕円と双曲線で焦点の式を混同する楕円は a²−b²、双曲線は a²+b²。定義(距離の和/距離の差の絶対値が一定)から辿る。
- 平行移動した2次曲線を標準形に戻さない平方完成して (x−p)、(y−q) の形にする。中心・焦点はそこから読む。
- 媒介変数の変域を書かないθ の範囲で描かれる部分が変わる。曲線の一部だけのこともある。
- 極座標のrの約束を確認しないr≧0ならrが負になるθを除きます。符号付きrを許す約束なら、負のrはθと反対方向へ|r|だけ進む点です。
入試での出方と最初の一手
- 2次曲線と直線の共有点連立・消去後に本当に2次方程式となるか、最高次の係数を確認して判別式を使います。次数が下がる場合は別に調べ、共有点1個だけで接線とは決めません。垂直な直線も別途確認します。
- 軌跡が2次曲線になる距離の条件を式にして整理する。定義(焦点と準線、距離の和・差の絶対値が一定)と非退化条件に当てはめる。
- 媒介変数表示から直交座標へ三角関数ならsin²θ+cos²θ=1でθを消去し、範囲・端点・逆向きの成立も確認する。
- 極方程式と直交座標の往復x=r cosθ、y=r sinθ、r²=x²+y² で相互に変換する。
平面上の曲線|焦点・接線・媒介変数・極座標を追試8問で確認
以下は数強塾オリジナルの確認問題です。入試問題の転載ではありません。式を作れたあとに、距離の条件・式の次数・表す範囲を確かめます。角度は弧度法、極座標は特記しない限りr≧0とします。
解く順序:元の距離条件を書く → 平方や消去で条件を失っていないか確認 → 端点・除外点を調べる → 得た図形の全点が元の条件を満たすか戻って確認。最初の答案、助言を受けた箇所、後日の自力解答を分けて残してください。
追試1|焦点と準線から放物線を作れる?
焦点F(2,0)、準線x=−2から等距離にある点P(x,y)の軌跡を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:√((x−2)²+y²)=|x+2|。両辺はともに0以上なので、2乗しても同値です。(x−2)²+y²=(x+2)²よりy²=8x。自動的にx≧0となり、右向きに開く放物線です。
逆にy²=8xを満たせば、2つの距離の2乗が等しく、距離は0以上なので元の条件も成立します。y²=4pxのpは2で、係数8をそのまま焦点のx座標にはしません。
後日、焦点を(−2,0)、準線をx=2に変えるとy²=−8x、x≦0です。開く向きが変わる理由まで説明しましょう。
追試2|平行移動した楕円の焦点と軸の長さ
(x−1)²/9+(y+2)²/4=1の中心、長軸・短軸の長さ、焦点を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:中心は(1,−2)。長半径3、短半径2なので長軸6、短軸4。中心から焦点までの距離は√(9−4)=√5で、焦点は(1±√5,−2)です。2焦点からの距離の和は6です。
分母は半径の2乗です。「9が軸の長さ」「焦点が(±√5,0)」という誤りは、半径と長さ、原点と中心を分けて直します。
後日、分母9と4を交換すると長軸は縦向きとなり、焦点は(1,−2±√5)。中心は変わりません。
追試3|距離の和が一定なら必ず楕円?
F₁(−3,0)、F₂(3,0)とします。PF₁+PF₂が①4、②6、③10となる点Pの集合をそれぞれ答えてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:①存在しません。三角不等式からPF₁+PF₂≧F₁F₂=6だからです。②線分F₁F₂です。Pが両焦点の間にあるときだけ和が6となり、両端点も含みます。③楕円x²/25+y²/16=1です。a=5、c=3よりb²=a²−c²=16。
「一定」という言葉だけでは不十分で、和が焦点間の距離より大きいことが必要です。式を2乗して整理する前に、そもそも点が存在するか確認します。
後日、和を8に変えるとa=4、b²=7なのでx²/16+y²/7=1になります。
追試4|双曲線の両方の枝か、片方だけか
F₁(−3,0)、F₂(3,0)について、PF₁−PF₂=4の軌跡を求めてください。|PF₁−PF₂|=4との違いも説明しましょう。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:x²/4−y²/5=1の右側の枝、すなわちx≧2の部分です。差の絶対値が4ならa=2、c=3、b²=c²−a²=5。符号付きの差が正ならF₁の方が遠く、PF₁²−PF₂²=12xからx>0となります。双曲線上ではx²≧4なのでx≧2です。
逆に右の枝では距離差の絶対値が4かつPF₁>PF₂なので、差は正の4です。絶対値を付けた条件なら左右両方、差が−4なら左側x≦−2を表します。
境界も大切です。差が0なら垂直二等分線x=0、差が6ならx≧3、y=0の半直線で、通常の双曲線ではありません。差が6を超える点は存在しません。双曲線の定義では、差の絶対値は0より大きく焦点間の距離より小さくします。
追試5|判別式で接線を求める前に
直線y=x+cが楕円x²/4+y²=1に接する実数cを求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:代入すると5x²+8cx+4c²−4=0。x²の係数5は0になりません。判別式D=(8c)²−4·5·(4c²−4)=16(5−c²)よりc=±√5です。接点はx=−4c/5、y=c/5で、元の楕円と直線の両方に代入して確かめられます。
求めたのは傾き1の接線です。楕円には垂直な接線x=±2もありますが、y=x+cという直線の集まりには含まれません。
後日、水平な直線y=cならc=±1が接線となります。直線の向きが変わったときも元の式から考え直しましょう。
追試6|共有点が1つでも接線ではない反例
双曲線x²−y²=1と直線y=x+1の共有点を求めてください。「1点で交わるから接線」と言えますか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:x²−(x+1)²=1より−2x−1=1、x=−1、y=0。共有点は(−1,0)の1つですが、接線ではありません。この点での接線はx=−1です。
二乗の項が消え、連立後は1次方程式です。2次方程式の重解を調べるD=0の議論をそのまま使えません。接線x=−1は、P(−1,0)と近くの双曲線上の点Qを結ぶ割線でも確認できます。x²−y²=1から(x+1)/y=y/(x−1)となり、QがPへ近づくとこの比は0。割線の横の変化/縦の変化が0に近づくので、接線は垂直です。
一般にy=x+bを代入すると−2bx−b²=1。b=0なら共有点なし、b≠0ならx=−(1+b²)/(2b)、y=(b²−1)/(2b)の1点です。共有点の個数だけで接線を判定しないでください。
後日、双曲線をx²−y²=4、直線をy=x+2に変えると共有点は(−2,0)。その点での接線はx=−2で、与えられた直線とは異なります。
追試7|媒介変数を消したら範囲も残す
x=2cos t、y=sin t、0≦t≦π/2が表す図形を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:x²/4+y²=1かつx≧0、y≧0の部分です。t=0で(2,0)、t=π/2で(0,1)となり、両端を含む楕円の右上の4分の1です。
逆にこの部分の点では、cos t=x/2、sin t=yとなるtを0≦t≦π/2から取れます。消去後の式だけを書くと、描かれない残り4分の3まで含めてしまいます。
後日、0≦t≦πへ広げると上半分全体で、端点は(2,0)、(−2,0)です。式は同じでも範囲が変わります。
追試8|極方程式で原点と角度の範囲を落とさない
r=2cosθ、r≧0、0≦θ≦π/2が表す図形を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:(x−1)²+y²=1かつy≧0の上半円です。r²=2r cosθより円の式が出ますが、θの範囲も確認します。x=2cos²θ=1+cos2θ、y=2sinθcosθ=sin2θとなり、0≦2θ≦πなので上半円全体を表します。
θ=0は(2,0)、θ=π/2は原点です。最初にrで割るとr=0の原点を落とす恐れがあります。原点では方向は一意でありませんが、元の式を満たすθが存在するので含めます。
後日、−π/2≦θ≦π/2ならr≧0を保ち、−π≦2θ≦πとなるため円全体を表します。変換した円の式と、実際に通る範囲を分けて答えましょう。
記録例|「1点で交わる」をどう見直したか
以下は記入方法を示す架空例で、実際の生徒の成績ではありません。2026年9月9日:追試6を「共有点が1つだから接線」と解答。「代入後にx²の項は残っている?」という助言で1次式になったことに気づき、接線と断定できないと修正。これは助言ありの到達として残します。
2026年9月12日:x²−y²=4とy=x+2を解答を閉じて解き直す予定。現時点では未実施であり、自力で解けたとは記録しません。実施後に、共有点・式の次数・接線の違いを自分で説明できたか追記します。このページは答案を自動保存・送信しません。
よくある質問
楕円と双曲線の焦点の公式だけ覚えればよい?
中心・軸の向き・非退化条件も必要です。追試3のように距離の和が小さすぎれば点がなく、追試4の符号付きの差では片方の枝だけになります。公式の前に元の距離条件を書きましょう。
媒介変数を消去できたら解答は完成?
変数の範囲や除外点が残っています。追試7の楕円は4分の1、追試8の円は上半分です。得た図形の全点が元の式で表せるか、端点も含めて確認してください。
体験授業は完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)です。つまずいた答案と、どの助言で考え直せたかをお持ちいただくと、戻る単元を相談しやすくなります。体験授業の準備と学習記録を見る。
この追加節の問題・数値・解説・図は独自制作です。個別の講師による監修は未確認です。指導担当者は数強塾の公式講師紹介でご確認ください。定義の参考:OpenStax Precalculus 2eの楕円、双曲線、放物線。これらの問題の転載ではありません。
媒介変数表示の盲点|通らない点・通過回数を確認する4問
媒介変数を消去すると、点が満たす式は分かります。しかし実際に通る範囲、除外点、進む向き、同じ点を通る回数は、消去した式だけでは決まりません。前の追試7・8に続く数強塾オリジナル問題です。入試問題の転載ではありません。
確認の手順:①tの範囲と分母を確認 → ②消去 → ③得た曲線上の点からtを復元 → ④端点・除外点・通過回数を確かめる。まず「最初の2問」を解答を閉じて解き、後日の2問は別の日に試してください。
なぜ「円の式が出た」だけでは足りない?
x=2(1−t²)/(1+t²)、y=4t/(1+t²)、tは実数全体とします。分母1+t²は常に正で、計算するとx²+y²=4です。一方、x+2=4/(1+t²)>0なので、円の左端(−2,0)を通りません。tをいくら大きくしても、その点に近づくだけです。∞はこの問題で許された実数tの値ではありません。
逆向きの確認:円x²+y²=4上の(−2,0)以外の点ではx+2>0です。t=y/(x+2)と置くと、1+t²=4/(x+2)。このtを元の2式へ戻すと、横座標はx、縦座標はyになります。したがって軌跡は「円から(−2,0)だけを除いたもの」であり、ほかに抜けた点はありません。
最初の1問|近づく点と、通る点
上の媒介変数表示でt=2の点を求めてください。また、(−2,0)を「t=∞のときの点」として軌跡に加えてよいでしょうか。
解答・確認するポイント
t=2なら(x,y)=(−6/5,8/5)。その2乗和は36/25+64/25=4です。(−2,0)は加えられません。許されるtは有限の実数で、すべてのtでx+2>0です。「極限として近づく」と「あるtで等しくなる」を区別します。
最初の2問|円を1周、それとも2周?
x=2cos(2t)、y=2sin(2t)、0≦t≦2πとします。点は円を何周し、(2,0)になるtはいくつありますか。区間の両端も数えてください。
解答・確認するポイント
角2tは0から4πまで増えるので、反時計回りに2周します。(2,0)になるのは2t=0、2π、4π、すなわちt=0、π、2πの3つの値です。2周と、両端を含めて同じ位置になる時刻の数は一致しません。軌跡を点の集合として答えるなら円x²+y²=4全体です。
後日の1問|範囲を変えると、どちらの半円?
x=2(1−t²)/(1+t²)、y=4t/(1+t²)で、t≧0へ変更します。軌跡を端点の扱いとともに答えてください。
解答・確認するポイント
円x²+y²=4の上半分y≧0から(−2,0)を除いた部分です。(2,0)はt=0なので含みます。逆にこの部分の点ではt=y/(x+2)≧0が取れ、元の式を満たします。y≧0だけで終えると、実際には通らない左端を含めてしまいます。
後日の2問|同じ放物線を途中で引き返す
x=t²、y=t⁴、−2≦t≦1が表す軌跡を答えてください。(1,1)と(4,16)になるtをすべて求め、tが増すときの移動順も説明しましょう。
解答・確認するポイント
y=x²、0≦x≦4の部分です。逆にこの範囲のxにはt=−√x∈[−2,0]が取れるので、全点を通ります。(1,1)はt=−1、1の2回、(4,16)はt=−2の1回です。
t=−2から0までは(4,16)から原点へ、0から1までは原点から(1,1)へ戻ります。軌跡の式と範囲が同じでも、全区間を同じ回数通るとは限りません。xの最大値をt=1だけで決めると、t=−2でx=4になることを落とします。
記録例|「消去できた」をどこまで確認できたか
以下は記入方法を示す架空例です。初回に円全体と回答。「x+2は0になる?」という助言の後、左端を除くと訂正。ここは助言ありと記録します。後日、t≧0の問題を自力で解き直す予定とし、実施前は未確認です。端点と逆向きの確認を自分で説明できたか、実施日とともに残してください。このページは答案を自動保存・送信しません。
保護者の方は「その点になるtはある?」、講師の方は「点からtを戻せる?」と問いかけ、計算・範囲・通過回数のどこで止まったかを分けて確認できます。
体験授業の準備と答案の残し方を見る。完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)で、戻る単元を相談する手掛かりにできます。
この追加節は独自問題4問と自作図で構成し、個別講師の監修は未確認です。担当者の情報は数強塾の公式講師紹介をご確認ください。媒介変数表示と移動方向の参考:OpenStax Precalculus 2e「Parametric Equations」。掲載問題は同書の転載ではありません。
→ 数学II・B・Cの要点辞典 第12章「式と曲線」で詳しく読む
- つまずき高校数学 平面上の曲線(数C)
- 演習式と曲線の特訓道場
- 難関大第7章 座標
3. 複素数平面7項目
0でない複素数の掛け算を、回転と拡大・縮小として読みます。回転の中心、偏角の範囲、割れない点を確認しましょう。
複素数を掛けると図形が回転するのはなぜ?
1.複素数を点として見る
z=a+biを点(a,b)と対応させます。絶対値|z|=√(a²+b²)は原点からの距離です。
2.i倍を座標で確かめる
i(a+bi)=−b+aiなので(a,b)が(−b,a)へ移ります。これは原点を中心に反時計回り90°の回転です。
3.極形式で掛け算を読む
0でない複素数をz=r(cosθ+i sinθ)と表すと、積の絶対値は掛け算、偏角は足し算になります。倍率と回転角を分けて考えられます。
4.中心が違えば平行移動する
点αを中心に回すときは、まずz−αで中心を原点へ移し、回転させてからαを足します。90°回転ならw=α+i(z−α)。
5.まずは一問、解いてみよう
z=2+iを原点の周りに反時計回り90°回転した点は?
解答と考え方を確認
iz=−1+2i。点(2,1)が(−1,2)へ移ります。
6.もう一問、考えてみよう
点1を中心に点3+iを反時計回り90°回転した点を求めよう。
解答と理由を確認
w=1+i((3+i)−1)=1+i(2+i)=2i。中心からの距離は回転前後とも√5です。
回転の式が分からなくなったら、中心を原点へ移す、回す、元へ戻す、の順に書いてみましょう。回転前後で中心からの距離が変わらないことも、計算の確認に使えます。
| 複素数平面と絶対値 | z=a+bi を点(a, b)に対応させる。|z|=√(a²+b²) は原点からの距離。 |
|---|---|
| 共役複素数 | z̄=a−bi。z·z̄=|z|²。z が実数 ⇔ z=z̄、純虚数 ⇔ z=−z̄(z≠0)。 |
| 極形式 | z≠0ならz=r(cosθ+i sinθ)、r=|z|>0。偏角θは2πの整数倍の差を除いて定まり、指定範囲の代表を選びます。z=0の偏角は定義しません。 |
| 積と商の図形的意味 | 0でない複素数の積は絶対値が積、偏角が和。商は絶対値が商、偏角が差。割る数は0にできず、0の偏角を計算しません。 |
| ド・モアブルの定理 | 整数nについて(cosθ+i sinθ)^n=cos nθ+i sin nθ。一般の非整数指数へそのまま広げません。 |
| 1のn乗根 | 正の整数nについて、解はcos(2kπ/n)+i sin(2kπ/n)、k=0,…,n−1。n≧3では正n角形の頂点、n=2では±1、n=1では1です。 |
| 複素数と図形 | 点αを中心にθ回転は w−α=(cosθ+i sinθ)(z−α)。3点の位置関係は商の偏角で判定する。 |
つまずきやすい点
- 偏角の範囲を決めずに答える0≦θ<2πなど指定された範囲へ戻します。n乗根では2kπを含めて割り、異なる解を全て拾います。
- 回転の中心を原点と決めつけるα 中心の回転は w−α=(cosθ+i sinθ)(z−α)。中心を引いてから掛ける。
- 共役の性質を計算のたびに導く和・積の共役は共役の和・積。z が実数 ⇔ z=z̄ を道具として持っておく。
- ド・モアブルを極形式にせず使う高い整数乗では極形式が便利です。低い次数なら直交形で展開して検算してもよく、計算しやすい形を選びます。
入試での出方と最初の一手
- 1のn乗根nは正の整数。n≧3なら正n角形として図示できます。n=1,2も別に確認し、解を重複させません。
- 図形の回転・相似z≠αで(w−α)/(z−α)を調べます。比が0でなければ絶対値が倍率、偏角が回転角。中心そのものは商を使わず変換式で確認します。
- 3点の位置関係β≠αとして(γ−α)/(β−α)が実数なら共線です。さらにγ≠αで商が0でない純虚数なら、αからの2方向は垂直。点の一致と角度は分けます。
- 複素数の軌跡r>0で|z−α|=rは円、r=0なら1点。α≠βなら|z−α|=|z−β|は垂直二等分線。分母0などの除外点と、逆に条件を満たすことも確認します。
複素数平面|回転中心・偏角・商・軌跡の追試8問
数強塾オリジナルの確認問題です。入試問題の転載ではありません。z̄はzの共役、Re zとIm zは実部と虚部を表します。この節では純虚数をbi(実数b≠0)とし、0を含めません。
確認順序:中心を引く → 絶対値と偏角を分ける → 割れない点を残す → 指定範囲へ戻す → 軌跡では逆向きも確かめる。解答を見る前の答案と、ヒント後の修正を分けて残しましょう。
追試1|原点以外を中心に回転・拡大する
α=1+iを中心に、z=3+iを反時計回り90°回転し、中心からの距離を2倍にした点wを求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:w=α+2i(z−α)=1+i+2i×2=1+5i。最初に中心αを引き、回転と倍率を掛け、最後にαを足します。
|z−α|=2、|w−α|=4なので距離が2倍です。2izだけでは原点を中心とする変換になり、今回の条件と違います。中心z=αそのものはw=αに移り、商で割って確認する必要はありません。
後日、同じ中心で時計回り90°、倍率1ならw=α−i(z−α)=1−iです。
追試2|偏角を2倍したら指定範囲を超えた
z=−1−iについて、偏角を0≦θ<2πで表し、z²の偏角も同じ範囲で答えてください。z=0の偏角は0ですか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:|z|=√2、θ=5π/4。z²=2iなので偏角はπ/2です。2θ=5π/2から2πを引くとπ/2になります。5π/2は同じ向きを表しますが、指定範囲の答えではありません。
−π<θ≦πという約束なら、zの代表は−3π/4です。偏角は2πの整数倍だけ変えられます。z=0は原点からの向きが定まらないので、偏角を0とは定義しません。
後日z³を考えると絶対値2√2、指定範囲の偏角は15π/4−2π=7π/4です。
追試3|3乗根は偏角を一度割るだけ?
z³=8iを満たす複素数を全て求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:8i=8{cos(π/2)+i sin(π/2)}。|z|=2、偏角は(π/2+2kπ)/3=π/6+2kπ/3、k=0,1,2。よって√3+i、−√3+i、−2iの3個です。
π/2を3で割ったπ/6だけでは一つしか得られません。元の偏角に2kπを加えてから割ります。k=3はk=0と同じ解に戻るため、重複して数えません。
後日z³=0なら解はz=0だけです。「3次だから異なる3個」とは限りません。重複を含めた数と異なる解の数を区別します。
追試4|商が純虚数でも点が重なっていない?
α=1+i、β=3+i、γ=1+ti(tは実数)とします。αからβ、αからγへの方向が垂直になるtの条件を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:(γ−α)/(β−α)=i(t−1)/2。t≠1なら商は0でない純虚数で、2方向は垂直です。t=1ではγ=αとなり、一方の方向が定まらないため角度を考えません。
分母β−α=2は0でないことも確認します。商の実部が0という条件だけだと、商0のケースまで含めてしまいます。
後日γ=1+t+iなら商t/2は実数で共線です。ただしt=0ではγ=α、t=2ではγ=β。異なる3点を求める問題ならこの2値を除きます。
追試5|円の式が出たあと、除外点は残る?
(z−1)/(z+1)が純虚数となるzの軌跡を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:まずz≠−1。z=x+iyとして分母を実数化すると、商の実部は(x²+y²−1)/{(x+1)²+y²}、虚部は2y/{(x+1)²+y²}です。
実部0からx²+y²=1。さらに純虚数は0を含めないのでy≠0が必要です。したがって単位円からz=1、−1の2点を除いた軌跡です。−1は分母0、1は商0という別々の理由で除かれます。
逆に単位円上で±1でない点なら、分母は0でなく、実部0・虚部非零なので元の条件を満たします。もし条件が「商の実部が0」だけなら、z=1は含み、除くのは−1だけです。
追試6|円が直線に移るとき、逆向きも確認する
|z|=1、z≠1とし、w=1/(z−1)とします。wの軌跡を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:w≠0で、逆にz=1+1/w。|z|=1から|w+1|=|w|となります。w=u+viとすると(u+1)²+v²=u²+v²、u=−1/2です。
よって候補は直線Re w=−1/2。この直線上の任意のwは0でないのでz=1+1/wを作れます。|w+1|=|w|から|z|=1、また1/w≠0からz≠1。したがって直線全体が軌跡です。
一方向の式変形だけで「全体」と決めず、候補の全てが実際に得られるかを確かめます。例えばz=−1はw=−1/2、z=iはw=−1/2−i/2へ移ります。z=1には有限のwを割り当てません。
追試7|共役は回転と同じ変換?
z=2+3iに対してz̄、−z̄、iz̄を求め、各変換を図形的に説明してください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:z̄=2−3iは実軸に関する対称移動。−z̄=−2+3iは虚軸に関する対称移動。iz̄=3+2iは直線y=xに関する対称移動です。
一般のz=x+iyに対し、iz̄=y+ixで実部と虚部が入れ替わります。共役をとる操作を、一定の複素数を掛ける回転だけで全ての点に表すことはできません。もしz̄=czが全てのzで成立すれば、z=1からc=1ですが、z=iでは−i=iとなって矛盾します。
後日、原点を中心に反時計回り90°回転するizと比較すると、iz=−3+2i。同じ距離を保つ変換でも、移る点は異なります。
追試8|三角形の面積は虚部の符号まで注意
α=1+i、β=3+i、γ=2+4iを頂点とする三角形の面積を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:u=β−α=2、v=γ−α=1+3i。ūv=2+6iなので、面積S=(1/2)|Im(ūv)|=3です。座標でも底辺2・高さ3で同じ値になります。
u=a+bi、v=c+diならIm(ūv)=ad−bc。これは平面ベクトルの面積式と対応します。頂点の順序を逆にすると虚部の符号が変わるので、面積では絶対値を付けます。|u||v|/2だけでは、間の角のsinを落としています。
後日、αを中心に2i倍する変換を両方の辺へ行うと長さは各2倍、面積は4倍の12です。回転だけなら面積は変わりません。
「円が出た」で終わらず、除いた理由を記録する
架空の記録:9月9日、追試5で単位円全体と回答。「分母0になる点と、商が0になる点はどれ?」と問いかけると、−1と1を別の理由で除外できた。これは助言ありで修正できた段階です。
9月12日の予定(未実施):条件を「(z−1)/(z+1)の実部が0」に変え、今度は1を含み−1だけを除く理由を、解答を見ずに説明する。最初の答案、役立った質問、後日のヒントの有無を残します。未実施を不正解にせず、一問の成功で全単元を習得したとは判定しません。このページに自動保存・送信機能はありません。
保護者の方は「その点でも元の式は使える?」と確認できます。講師の方は回転中心・偏角・零の除外・軌跡の十分性を分けると、次の指導が具体的になります。
答案を使った体験授業の準備を見る。体験授業は完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)です。
複素数平面でよくある質問
偏角に2πを足しても同じなら、n乗根も一つですか?
割る前は同じ向きでも、2kπをnで割ると違う向きが得られます。追試3のようにk=0からn−1まで調べ、重複しない解を求めます。
軌跡の式を求めたら終わりですか?
分母0や角度が定まらない点を確認し、逆に候補の点が元の条件を満たすことも示します。追試5・6で確認できます。
独自8問は計算と条件を点検していますが、個別講師の監修は未確認です。担当科目・経歴は公式講師紹介をご確認ください。基本事項の一次参考:OpenStax Precalculus 2eの複素数の極形式・積商・n乗根、複素数と共役。問題と解説は本ページ用の独自制作です。
→ 数学II・B・Cの要点辞典 第11章「複素数平面」で詳しく読む
- つまずき高校数学 複素数平面(数C)
- 難関大第7章 座標
- 予想問題北大予想問題|複素数平面5題
- 予想問題共通テスト予想問題|ベクトル・複素数平面5題
複素数の一次変換で円の像を求める|数学Cオリジナル問題
複素数を掛ける操作は、実部と虚部をばらばらに計算するだけではありません。絶対値が拡大率、偏角が回転角を表します。
一般形の楕円を標準形に直して接線を求める|数学Cオリジナル問題
一般形を平方完成して楕円の中心・半軸・焦点を読み取り、曲線上の点における接線を公式と微分の2通りで求めます。
数学Cの要点をまとめて確認する 数学II・B・Cの要点辞典 の第10〜12章が数学Cにあたります(ベクトル/複素数平面/式と曲線)。長さは2乗して内積に、絶対値は2乗して共役に——同じ発想が別の記号で現れることを対比して整理しています。
4. 数学的な表現の工夫
式を立てる前に、何を見たいのかを決めよう。
数字が並んだ表、道を結んだ図、行列。同じ出来事でも、表し方を変えると気付けることが変わります。この章では、表やグラフを選ぶ理由を考え、経路と行列の問題を自分で確かめます。
必要な前提は割合、表の読み方、掛け算と足し算です。行列を初めて見る場合も、行と列が何を表すかから始められます。
1.比べたいものに合わせて、表とグラフを選ぶ
正確な値を調べるなら表、項目の大小なら棒グラフ、時間による変化なら折れ線グラフが役立ちます。連続した量の分布ならヒストグラム、分布の位置や散らばりの比較なら箱ひげ図、二つの量の関係なら散布図を考えます。円グラフで全体の内訳を示すときは、項目が重複せず全体を分けているか確認します。どれが一番よいかは、調べたい問いによって変わります。
例題1|人数と割合では、結論が変わる
ある学校で、図書館を週1回以上利用する生徒を調べました。次の架空のデータで、利用者が多いクラスと、利用する生徒の割合が高いクラスをそれぞれ答えましょう。
| クラス | 在籍人数 | 利用者 |
|---|---|---|
| A組 | 30人 | 18人 |
| B組 | 40人 | 20人 |
解答と、比べ方の理由
利用者数は20人のB組が多いです。利用者の割合は、A組が18÷30=0.60=60%、B組が20÷40=0.50=50%なので、A組が高くなります。
席数を考えるなら人数、各クラスでどれくらい利用されているかを比べるなら割合が手掛かりになります。ただし週1回以上の利用者数は同時利用人数ではなく、席数には時間帯別の利用状況も必要です。割合だけで実際に必要な席数は決まりませんし、人数だけではクラスの大きさの違いを除けません。
見直すポイント:タイトル、単位、分母、調査対象、調査時点を確認します。棒グラフで軸の途中を省くと、差が大きく見えることがあります。散布図で一緒に増える傾向が見えても、それだけで原因と結果が証明されたわけではありません。
2.つながりを離散グラフで表す
離散グラフは、対象を頂点、つながりを辺で表す図です。ここでのグラフは、関数のグラフとは別の意味です。辺に移動時間などの数値を付けると、道順を比べられます。
例題2|近そうな道と、時間の短い道
AからDへ移動します。通れる道はAB・AC・BC・BD・CDの5本で、どちら向きにも通れます。所要時間はそれぞれ4・2・1・3・6分。立ち寄り時間はなく、図にない道は使えません。最短の道順と時間を求めましょう。
解答と、最短だと確かめる方法
A→C→B→Dで、2+1+3=6分です。A→B→Dは7分、A→C→Dは8分、A→B→C→Dは11分になります。
同じ頂点を繰り返さないAからDへの道順は、この4通りです。全ての道の時間が正なので、途中で同じ頂点へ戻る回り道は取り除くと短くなります。したがって、この4通りを比べれば最短を確かめられます。
モデルに残したもの:道のつながりと所要時間。省いたもの:混雑、信号待ち、時間帯による変化。実際の道順を決める場合は、その省略が目的に合うかも考えます。
3.行列で、関係や計算を整理する
数を行と列に並べたものが行列です。横が行、縦が列。「何行目が何を表し、何列目が何を表すか」を先に決めると、一つ一つの数の意味を読めます。
例題3|道のつながりを0と1で表す
例題2の道について、A・B・C・Dの順に行と列を並べ、直接つながっていれば1、つながっていなければ0とします。自分自身へ直接戻る道はないので、対角の数は0です。この表の数の部分を行列Mとします。
| M | A | B | C | D |
|---|---|---|---|---|
| A | 0 | 1 | 1 | 0 |
| B | 1 | 0 | 1 | 1 |
| C | 1 | 1 | 0 | 1 |
| D | 0 | 1 | 1 | 0 |
AからDまで、ちょうど2本の道を通る移動は何通りあるでしょう。Aの行とDの列を見て、途中の頂点がA・B・C・Dの場合を順に調べます。
解答と、掛け算が表す意味
0×0+1×1+1×1+0×0=2通り。A→B→DとA→C→Dです。例えば途中がBなら、「AからBへ行ける」と「BからDへ行ける」の両方が必要なので、1×1を計算します。それぞれの途中の頂点を通る場合を足します。
これは行列M²のA行D列の数に当たります。行列の積は、左の行と右の列の対応する数を掛けて足します。左の列数と右の行数が等しいことが必要で、積の行数は左、列数は右から決まります。一般に掛ける順序は交換できません。このように隣接行列の累乗が数えるのは、辺の本数を固定し、頂点や辺の繰り返しを許す移動です。ここでは2本の道を通る移動の数であり、最短時間ではありません。0と1の行列では、例題2の所要時間を保存していないからです。
道がどちら向きにも通れるため、表は対角線をはさんで対称です。一方通行を表すなら、AからBとBからAは別々に確認します。行列に書けば自動的に正しくなるのではなく、各数の意味を確かめることが必要です。
例題4|重みを付けて、選び方を比べる
ノートA・Bを、書きやすさ・持ち運びやすさ・丈夫さの3項目で5点満点で評価しました。下表は学習用の架空の評価です。全ての項目で、高い点ほどよいものとします。
| 項目 | A | B | 重み |
|---|---|---|---|
| 書きやすさ | 4 | 2 | 3 |
| 持ち運び | 2 | 5 | 2 |
| 丈夫さ | 5 | 3 | 1 |
各評価に重みを掛けて足した得点を求めます。次に、重みを上から1・3・2に変えた場合も比べましょう。
解答と、結論が変わる理由
最初の重みではA=3×4+2×2+1×5=21、B=3×2+2×5+1×3=19でAが高くなります。重みを変えるとA=1×4+3×2+2×5=20、B=1×2+3×5+2×3=23でBが高くなります。
重みを横1行、評価を3行2列に並べると、行列の積でA・Bの得点をまとめて表せます。ここでの計算は、評価の差を数として扱い、項目ごとの得点を足し合わせるという仮定に基づきます。評価や重みを決めた人の考えが含まれるため、総得点だけで誰にとっても最適だとは言えません。
4.解説を閉じて、確かめよう
答えだけでなく、使った数や表現を選んだ理由も書いてください。途中で止まったら、対応する例題へ戻ってから、もう一度取り組めます。
- A組は40人中24人、B組は60人中27人が参加しました。参加人数が多いのはどちらですか。参加率が高いのはどちらですか。
- 例題2で、CDの所要時間だけが1分になりました。AからDへの最短時間と道順はどう変わりますか。
- 例題3の行列Mで、M²のA行A列の数を求め、その数が表す移動を列挙してください。同じ頂点に戻る移動も数えます。
- 例題4の重みを上から2・1・3にすると、A・Bの得点はいくつになりますか。
- 60人と66人を棒グラフにし、軸を54人から始めると、棒の見える部分は6人分と12人分になります。「人数が2倍になった」と言えるでしょうか。
5問の解答と理由を確認
- 人数は27人のB組。参加率はA組60%、B組45%なのでA組。分母をそろえず人数だけを比べると、参加率の比較にはなりません。
- A→C→Dで2+1=3分。ほかの単純な道順は7分・6分・6分なので、これが最短です。
- 0×0+1×1+1×1+0×0=2。A→B→A、A→C→Aの2通りです。移動の数え上げでは、頂点の重複を許すかどうかを条件として確認します。
- A=2×4+1×2+3×5=25、B=2×2+1×5+3×3=18です。
- 言えません。66÷60=1.1なので人数は1.1倍、10%増です。見えている棒の長さの比が2でも、元の人数の比が2とは限りません。
自分の問いで、表現を選び直す
学校生活の小さな問いを一つ選び、「調べたいこと」「集めるデータ」「選ぶ表現」「省略する条件」を4行で書いてみましょう。同じデータを別の表現に変えて、見やすくなった点と見えなくなった点を一つずつ説明できれば、この章の考え方を使えています。
5.数学的な表現の工夫|集計・グラフ・行列を選び直す追試8問
以下は数強塾オリジナルの確認問題で、数値・場面は学習用の架空例です。入試問題の転載ではありません。前の4例題・5問に続き、条件を変えても「なぜその表し方を使うか」を説明しましょう。
見直す順序:何を知りたいか → 分母と単位 → 表の行・列の意味 → 表現で失われた情報 → その結論が成り立つ条件。解答を閉じた最初の答案と、助言で直した答案を分け、数日後は条件変更問題に自力で取り組みます。
追試1|割合の平均と、全体の割合は同じ?
同じ確認問題で、Aグループは50人中30人、Bグループは10人中9人が正解しました。2グループに重複する人はいません。全体の正解率は75%でしょうか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:全体は39人/60人=65%です。Aは60%、Bは90%ですが、(60+90)/2=75%は2つのグループの率を同じ重さで平均した値です。人数が違うため、全体の正解率にはなりません。
人数を重みにすると(50×0.60+10×0.90)/(50+10)=0.65。同じ重みでよいかは、何を平均するかによります。分母を戻して正解人数と対象人数を足すと確かめられます。
後日、Bを30人中27人に変えると(30+27)/(50+30)=57/80=71.25%。各グループの率が同じでも、人数構成で全体の率は変わります。
追試2|階級の幅が違うヒストグラム
40人の通学時間を、0分以上5分未満が10人、5分以上15分未満が10人、15分以上20分未満が20人と整理しました。長方形の面積で人数を表すには、高さをいくつにしますか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:高さは度数÷階級の幅で、順に2、1、4人/分です。幅が5・10・5分なので、面積はそれぞれ10・10・20人に対応します。階級幅が異なるとき、高さをそのまま人数にすると面積の比が人数の比と一致しません。
| 時間(分) | 幅(分) | 人数 | 高さ(人/分) |
|---|---|---|---|
| 0以上5未満 | 5 | 10 | 2 |
| 5以上15未満 | 10 | 10 | 1 |
| 15以上20未満 | 5 | 20 | 4 |
この集計だけでは、例えば5〜15分の10人が具体的に何分だったかは分かりません。後日、最後の区間を30人に変えれば高さは30/5=6人/分、全体は50人です。
追試3|重み0と「道がない」を区別する
移動費用を表す有向グラフで、A→Bは0円、B→Cは2円、A→Cは5円です。この3本だけが使え、逆向きには進めません。AからCへの最小費用を求め、辺の費用表で「道がない」を0と書いてよいか答えてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:A→B→Cで0+2=2円です。直接A→Cなら5円。A→Bの0は無料の辺が存在する意味なので、道がない箇所には「—」など別の記号を使います。
| 出発↓/到着→ | A | B | C |
|---|---|---|---|
| A | — | 0 | 5 |
| B | — | — | 2 |
| C | — | — | — |
これは各辺の費用表で、全地点間の最短費用表でも、0と1の隣接行列でもありません。自己ループはないので対角も「—」です。移動しない場合の費用0とは区別します。
後日、A→Bの辺をなくすと最小費用は直接の5円です。無料の辺を消すか残すかで答えが変わります。
追試4|隣接行列の累乗は何を数える?
使える有向の辺はA→B、B→C、C→Aの3本だけとします。頂点の順をA・B・C、行を出発点、列を到着点とする隣接行列Mを作り、M²のA行C列、M³のA行A列を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:MのA行は(0,1,0)、B行は(0,0,1)、C行は(1,0,0)です。M²のA行C列は0×0+1×1+0×0=1で、A→B→Cの1通り。M³のA行A列も1で、A→B→C→Aの1通りです。
累乗は「ちょうどその本数の辺を使う移動」を数え、頂点や辺の繰り返しも許します。最初と最後が同じだからと除外すると、この意味とずれます。また行・列の約束を逆にすれば表は転置され、読む位置も変わります。
後日、Aからちょうど2本の辺でAに戻る移動は0通り、ちょうど4本ならBに着く移動が1通りです。「以内」と「ちょうど」も区別してください。
追試5|行列の掛ける順序を変えると?
点を原点のまわりに反時計回りに90°回す操作をR:(x,y)→(−y,x)、横方向だけ2倍にする操作をS:(x,y)→(2x,y)とします。点(1,1)にRの後Sを行う場合と、Sの後Rを行う場合を比べてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:Rの後Sなら(1,1)→(−1,1)→(−2,1)。Sの後Rなら(1,1)→(2,1)→(−1,2)で、結果は違います。
座標を縦2行の列ベクトルvで表すと、Rは第1行(0,−1)・第2行(1,0)、Sは第1行(2,0)・第2行(0,1)の行列です。Rの後SはS(Rv)=(SR)v、Sの後RはR(Sv)=(RS)v。列ベクトルに右側の行列から作用します。
SRは第1行(0,−2)・第2行(1,0)、RSは第1行(0,−1)・第2行(2,0)。掛ける順序は一般に交換できません。後日、Sを縦横とも2倍の操作Tに変えると、RTもTRも(x,y)→(−2y,2x)です。交換できない例があることと、いつも違うことは同じではありません。
追試6|重みをどこまで変えると順位が逆転する?
例題4のノートAの評価(4,2,5)、Bの評価(2,5,3)を使います。項目の順は書きやすさ・持ち運び・丈夫さで、重みを(t,2,1)、t≧0とします。Aが高得点になるtの範囲を求めてください。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:A=4t+9、B=2t+13。差A−B=2t−4なので、t>2でAが上、t=2で同点、0≦t<2でBが上です。計算例を1つ比べるだけでなく、境目を求めると重みの選び方への依存が分かります。
重みを合計1にそろえるなら、両得点を同じ正数t+3で割ります。順位は変わりません。重みをすべて2倍にしても得点が2倍になるだけで、順位は同じです。
ただしこの結論は、評価の差を数として扱い、項目の得点を足し合わせるモデルの中での比較です。全員に共通する「よいノート」を証明したわけではありません。後日、t=1、2、3を代入して境目の両側を確認しましょう。
追試7|合計110%なら円グラフにできない?
50人のクラスで、科学クラブ参加者は30人、運動クラブ参加者は25人、両方に参加する人は10人です。「科学60%、運動50%」を、そのままクラスの内訳の円グラフにしてよいでしょうか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:そのままではいけません。10人が重複して数えられているためです。科学のみ20人、運動のみ15人、両方10人、どちらもなし5人に分ければ、重ならず全体50人を表します。割合は40%・30%・20%・10%で合計100%です。
少なくとも一方に参加するのは30+25−10=45人で90%。複数回答の参加率を比べるなら「重複あり」と明記した棒グラフなどが使えます。60%と50%を110で割って無理に100%に直すと、クラス人数に対する割合という意味が変わります。
後日、両方が15人なら、科学のみ15人、運動のみ10人、両方15人、どちらもなし10人です。分けた人数の合計と元のクラブ人数を両方確かめましょう。
追試8|表の3点が一直線なら、次の値も決まる?
表にt=0、1、2のときy=1、3、5とあります。これだけで「t=3なら必ずy=7」と言えるでしょうか。
ヒント・解答・確認するポイント
解答:必ずとは言えません。一次関数y=2t+1なら7ですが、y=2t+1+t(t−1)(t−2)も表の3点を満たし、t=3では13です。t=0、1、2では追加した積が0になるので、同じ表だけでは区別できません。
「一次関数で表される」という条件が別に与えられればy=2t+1と決められます。一方、観測した点を結んだ折れ線から、その間や先の値がすべて同じ規則に従うと断定することはできません。
後日、t=3で7というデータも加わった場合を考えてください。それでもy=2t+1+t(t−1)(t−2)(t−3)は4点すべてを満たし、t=4では33です。表から予測する場合は、仮定・使う範囲・確かめる追加データを示しましょう。
記録例|「平均の分母」を自分で選べたか
記入方法を示す架空例です。2026年9月9日:追試1を75%と解答。「2グループを合わせると何人中何人?」という問いかけを受け、39/60=65%へ修正。これは助言ありとして記録します。
2026年9月12日:Bを30人中27人に変えた問題を、解答を閉じて解き直す予定。現在は未実施です。実施後に71.25%の計算だけでなく、率を単純平均しない理由まで自力で説明できたか追記します。答案はこのページから自動保存・送信されません。
よくある質問
行列にすれば最短経路を求められますか?
行列が保存している情報によります。0と1の隣接行列の通常の累乗は、辺の本数を固定した移動を数えます。費用や所要時間がなければ、その最小値は求められません。追試3の0円と辺なし、追試4の移動の数を分けて確認しましょう。
グラフが間違っていなければ、結論も正しいですか?
分母・階級幅・重複集計・予測の仮定によって、読める内容が変わります。追試1・2・7・8のように、数値を正しく並べたあとも、その問いに答える表現になっているか確かめます。
体験授業は完全マンツーマン形式(Zoom・45分ほど)です。どの数を選んだか、どの問いかけで見直せたかを残した答案が、戻る単元を相談する手掛かりになります。体験授業の準備と学習記録を見る。
この追加節の問題・数値・図・解説は独自制作です。個別講師による監修は未確認です。指導担当者の情報は数強塾の公式講師紹介をご確認ください。行列の演算条件の参考:OpenStax College Algebra 2e「Matrices and Matrix Operations」。問題の転載ではありません。
学習範囲の確認:文部科学省「高等学校学習指導要領解説 数学編・理数編」の数学C「数学的な表現の工夫」(冊子125〜128頁)。この章の例題・数値・解答は数強塾の独自教材です。履修範囲は学校の授業計画も確認してください。
前提となる無料解説
数学III・Cの入試演習をまとめて探すなら——極限・微分法・積分法・複素数平面・式と曲線を、出題のされ方の順に並べた索引を用意しました。各単元を「つまずきの整理 → 特訓道場30題 → 予想問題5題」の3段で並べています。数学III・C 入試実戦ハブ