中学受験・算数

広尾学園小石川中 算数の傾向と対策

数強塾のプロ講師陣

広尾学園小石川中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】

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広尾学園小石川中学校(東京都文京区本駒込)は、2021年に共学校として開校した新しい進学校です。「世界を見つめ、未来を創る」をテーマにかかげ、本科コースと、専門分野の外国人教員が英語で授業を行うインターナショナルコースの2コースを設けています。都営三田線「千石」駅などから徒歩圏にあり、都内を中心に多くの受験生が志望します。本ページでは、広尾学園小石川中学校が公式に公開している入試情報の範囲で算数の傾向を整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が作成したオリジナルの自作類題を、方針・解答・二重検算つきで掲載します。

公式情報でわかる入試のかたち

広尾学園小石川中学校の中学校 募集要項(公式)および受験情報ページ(公式)によると、中学入試には大きく分けて、2月に実施される一般入試と、11月・12月に実施される帰国生入試があります。一般入試は複数回にわたって実施され、午前・午後の日程が設けられている回もあります。算数は各回で課される主要教科の一つです。

同校は2021年開校とまだ歴史が浅く、公表されている過去の入試資料は他の伝統校にくらべて蓄積が多くありません。試験時間・配点・各回の詳細な科目構成などは、年度によって変更される可能性があるため、本ページでは公式に確認できた範囲にとどめ、断定的な記述は避けています。受験にあたっては、必ず最新の公式募集要項でご確認ください。

※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。

出題分野の傾向

ここでは特定年度の問題を引き写すことはせず、算数という科目の性質と、公表されている入試のかたち(複数回入試・午後入試あり)、そして開校の新しい進学校という位置づけから考えられる一般的な傾向を、数強塾の言葉で整理します(あくまで傾向としてお読みください。断定は避けています)。

  • 幅広い分野からバランスよく:受験算数の主要分野——計算・数の性質、割合と比、速さ、平面図形・立体図形、規則性、場合の数など——から、かたよりなく出題される傾向が一般的な進学校では見られます。特定の1分野に苦手を残さないことが、まず土台になります。
  • 前半の基礎を確実に取りきる:多くの中学入試では、前半に計算問題や一行問題(小問集合)、後半に文章題・図形などの応用問題が置かれる、標準的な組み立てが見られます。前半を速く正確に取りきり、後半に時間を残す時間配分が、そのまま得点力につながります。
  • 規則性・場合の数の「考える問題」:新設の進学校では、暗記した解法をあてはめるだけでなく、その場で規則を見つけて考える力を問う問題(規則性・数の並び・場合の数など)が重視される傾向が一般に見られます。手を動かして書き出し、規則をつかむ練習が生きてきます。
  • 図形は長さ・面積・体積を横断的に:平面図形(面積・相似)や立体図形(体積・水の深さ)は、中学入試で毎年のように問われる中心分野です。図に長さを書きこみ、相似比と面積比・体積比の関係を正しく使い分ける力が問われます。
  • 午後入試も見すえた「速さ」の意識:午後入試がある回では、限られた時間の中でテンポよく解ききる力がより大切になります。1問を速く正確にという姿勢を、日ごろの計算練習から身につけておきましょう。

※以下の類題は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製や数値替えではありません。全問、正攻法の解答に加えて、独立した別の方法による二重検算で答えの一致を確認しています。

オリジナル類題で対策

類題1(速さ・往復する旅人算)

【問題】(オリジナル) A地点とB地点は1800mはなれています。太郎はAからBへ分速90m、次郎はBからAへ分速60mで、同時に出発します。
(1) 2人がはじめて出会うのは、出発してから何分後ですか。
(2) はじめて出会う地点は、Aから何mのところですか。
(3) 2人は出会ったあとも進み続け、それぞれ相手の出発点に着いたら、休まずに同じ速さで折り返します。2人が2回目に出会うのは、出発してから何分後ですか。

【方針】 向かい合って進む旅人算は、「出会い=速さの和」が急所です。(3)のように2人が2地点の間を往復してくり返し出会う問題では、「2人が進んだ道のりの合計」に注目すると見通しがよくなります。1回目の出会いまでに2人合わせて1本ぶん(1800m)、2回目の出会いまでには合わせて3本ぶん進む、という関係を使います。

【解答】 (1) 2人は1分あたり合わせて \( 90+60=150 \) m近づきます。1800mぶん近づくと出会うので \( 1800\div150=12 \)。よって12分後
(2) 太郎は12分で \( 90\times12=1080 \) m進みます。よって出会う地点はAから1080m
(3) 2回目の出会いまでに2人が進む道のりの合計は、AB間3本ぶんで \( 1800\times3=5400 \) m。合わせて1分に150m進むので \( 5400\div150=36 \)。よって36分後

【検算(別解)】 (3)を2人の位置から確かめます。太郎はBまで \( 1800\div90=20 \) 分で着いて折り返し、次郎はAまで \( 1800\div60=30 \) 分で着いて折り返します。36分後の位置(Aからの距離)を調べると、太郎は20分でB(1800m)に着き、そこから \( 36-20=16 \) 分で \( 90\times16=1440 \) m戻るので \( 1800-1440=360 \) m。次郎は30分でA(0m)に着き、そこから \( 36-30=6 \) 分で \( 60\times6=360 \) m進むので360m。2人ともAから360mの地点におり、たしかに出会います。答えと一致します。

類題2(規則性・マッチ棒で作る正方形)

【問題】(オリジナル) 同じ長さのマッチ棒を使い、正方形を横一列につなげて並べていきます。正方形1個を作るには4本、2個には7本、3個には10本、…と、となりの正方形と1辺を共有しながら増やしていきます。
(1) 正方形を6個作るには、マッチ棒は何本必要ですか。
(2) マッチ棒をちょうど61本使うと、正方形は何個作れますか。
(3) マッチ棒が150本あります。この作り方でできるだけ多くの正方形を作ると、正方形は何個できて、マッチ棒は何本余りますか。

【方針】 本数の増え方を調べると、正方形が1個増えるごとにマッチ棒は3本ずつ増えています(\( 4,7,10,\dots \))。はじめの1個が4本で、あとは3本ずつ増えるので、正方形が \( n \) 個のときの本数は \( 4+3\times(n-1)=3\times n+1 \) 本と表せます。「1個ぶんの共通の増え方(3本)×個数+はじめの差」で式を作るのが規則性の基本です。

【解答】 正方形 \( n \) 個に必要な本数は \( 3\times n+1 \) 本です。
(1) \( 3\times 6+1=19 \)。よって19本
(2) \( 3\times n+1=61 \) より \( 3\times n=60 \)、\( n=20 \)。よって20個
(3) \( 3\times n+1\le150 \) となる最大の \( n \) を求めます。\( 3\times n\le149 \) より \( n\le49.6\dots \)、最大は \( n=49 \)。このとき使う本数は \( 3\times49+1=148 \) 本。余りは \( 150-148=2 \) 本。よって49個できて、2本余ります

【検算(別解)】 (1)を順にたし算で確かめます。1個目4本、以降は3本ずつ足して \( 4,7,10,13,16,19 \)。6個目はちょうど19本で一致します。(3)は、もし50個作ろうとすると \( 3\times50+1=151 \) 本必要で、150本では足りません。49個なら148本で、残り2本では新しい正方形(次の1個には3本必要)を作れないため、49個・2本余りで正しいと確かめられます。

類題3(場合の数・碁盤の目の道順)

【問題】(オリジナル) 右の図のように、東西に4区画、南北に3区画の碁盤の目の道があります。南西のかどのA地点から、北東のかどのB地点まで、遠回りをせずに(東または北へだけ進んで)行きます。
(1) AからBへ行く行き方は全部で何通りありますか。
(2) Aから東へ2区画、北へ1区画進んだ交差点をPとします。Pを必ず通る行き方は何通りありますか。
(3) (2)のPと、その真北のとなりの交差点Qを結ぶ道が工事中で通れません。この道を通らずにAからBへ行く行き方は何通りありますか。

【方針】 最短の道順は、「東へ進む回数と北へ進む回数の組み合わせ」で数えます。ある交差点までの行き方の数は、その交差点のすぐ西の点までの数と、すぐ南の点までの数をたした数に等しくなります(各交差点に数を書きこんでいく方法)。特定の点を通る行き方は「A→その点」×「その点→B」で求め、ある道を通れない場合は「全体-その道を通る行き方」で求めます。

【解答】 東へ合計4区画、北へ合計3区画進みます。
(1) 各交差点に、西の点と南の点の数をたしながら数を書きこんでいくと、Bには35が入ります。よって35通り
(2) A→Pは、東2・北1の進み方で3通り。P→Bは、残り東2・北2の進み方で6通り。よってPを通る行き方は \( 3\times6=18 \)(通り)。18通り
(3) 通れないのはP→Q(Pから北へ1区画)の道です。この道を通る行き方は「A→P」×「Q→B」。A→Pは3通り、QからBへは東2・北1で3通り。よって \( 3\times3=9 \)(通り)。全体35通りからこれを引いて \( 35-9=26 \)。26通り

【検算(別解)】 (1)を組み合わせの計算で確かめます。東4回・北3回の合計7回の進み方のうち、北3回をどこに入れるかを選ぶ数で \( \dfrac{7\times6\times5}{3\times2\times1}=35 \)(通り)。書きこみ法の35と一致します。(2)も、A→Pが東2北1の \( \dfrac{3\times2\times1}{(2\times1)\times1}=3 \) 通り、P→Bが東2北2の \( \dfrac{4\times3\times2\times1}{(2\times1)\times(2\times1)}=6 \) 通りで、\( 3\times6=18 \) 通り。いずれも解答と一致します。

類題4(立体図形・水そうと石)

【問題】(オリジナル) 底面が「たて20cm、よこ30cm」の長方形で、高さが40cmの直方体の水そうがあります。水そうは水平に置かれています。
(1) この水そうを満水にすると、水は何cm³入りますか。また、それは何Lですか。
(2) いま、水は深さ25cmまで入っています。この中に、体積3000cm³の石を完全に沈めました。水面の高さは何cmになりますか(水はあふれないものとします)。
(3) (2)のあと、この水そうを満水にするには、さらに水を何cm³注げばよいですか。

【方針】 水そうの底面積=たて×よこをまず求めておくと、あとの計算がすべて速くなります。石を沈めると、石の体積のぶんだけ水がおし上げられて水面が上がるので、上がる高さは「石の体積÷底面積」で求まります。満水までに必要な水は、「増やしたい高さ×底面積」で計算します。

【解答】 底面積は \( 20\times30=600 \)(cm²)。
(1) 満水の体積は \( 600\times40=24000 \)(cm³)。\( 1000 \) cm³=1Lなので \( 24000\div1000=24 \)(L)。よって24000cm³(24L)
(2) 石3000cm³ぶんだけ水面が上がります。上がる高さは \( 3000\div600=5 \)(cm)。もとの深さ25cmに足して \( 25+5=30 \)。よって30cm
(3) 満水は40cm、いまは30cmなので、あと \( 40-30=10 \)(cm)ぶん。石はすでに水面(30cm)より下に沈んでいるので、30cmより上の部分はすべて水で満たせばよく、必要な水は \( 600\times10=6000 \)(cm³)。よって6000cm³

【検算(別解)】 (2)を「水と石が占める体積」から確かめます。はじめの水の体積は \( 600\times25=15000 \)(cm³)。石3000cm³を加えると、水そうの中で占める体積は \( 15000+3000=18000 \)(cm³)。これを底面積で割ると \( 18000\div600=30 \)(cm)で、水面の高さ30cmと一致します。(3)も、満水24000cm³から、(2)の時点で占めている18000cm³を引くと \( 24000-18000=6000 \)(cm³)となり、答えと一致します。

学習アドバイス

【時期別の進め方】

  • 6年生の夏まで:計算・数の性質、割合と比、速さ、平面図形・立体図形、規則性、場合の数など、全分野の典型問題を穴なく仕上げることが最優先です。新しい進学校ほど、暗記だけでなく「その場で考える問題」への対応力が問われる傾向があるため、まずは各分野の基本の考え方を、理由までふくめて理解しておきましょう。毎日の計算練習で、速さと正確さの両方を鍛えることも欠かせません。
  • 秋(9〜11月):本ページの類題のように「出会いは道のりの合計で考える」「規則は増え方に注目して式にする」「道順は書きこみで数える」「石を沈めたら体積÷底面積で水面が上がる」といった考え方の型を、確実に使えるようにしていきます。午後入試を受ける場合は、限られた時間でテンポよく解く練習も意識しましょう。過去問演習は、学校配布資料や公式に公開された情報を活用してください。
  • 直前期(12月〜1月):前半の計算・一行問題を速く正確に固めて確実に得点し、後半の応用問題(規則性・場合の数・図形)に時間を残す——この解く順番と時間の使い方を、本番と同じ形式でくり返し練習しましょう。答えを出したら必ず見直し・検算をする習慣を、最後まで大切にしてください。帰国生入試を受ける場合は、その日程に合わせて仕上げの時期を早めに設定します。

【分野別のポイント】

  • 速さ:旅人算は「出会い=速さの和」「追いつき=速さの差」を線分図とセットで。往復してくり返し出会う問題は「道のりの合計」で考えると速い(類題1)。出した答えで2人の動きを再現して確かめる姿勢を大切に。
  • 規則性:増え方(差)に注目して規則を見つけ、「1個ぶんの増え方×個数+はじめの差」で式を作る(類題2)。最後は書き出しで答えを確かめると、ミスに気づけます。
  • 場合の数:道順は各交差点への書きこみで数え、特定の点や道が条件になる問題は「かけ算」と「引き算」で整理する(類題3)。組み合わせの計算でも確かめられるようにしておきましょう。
  • 立体図形:水そうの問題は、まず底面積を出しておくのが鉄則。石を沈める・水を注ぐといった変化は「体積÷底面積」「高さ×底面積」で一貫して処理できます(類題4)。図に数値を書きこんで、体積の関係を目で見て確かめましょう。

広尾学園小石川の算数は、開校が新しいぶん、伝統校のような大量の過去問には頼りにくい面があります。だからこそ、計算・基礎を取りこぼさない正確さと、幅広い分野をまんべんなく仕上げること、そしてその場で規則を見つけて考える力が、合格への近道になると考えられます。日々の学習で、式・図・検算をていねいに積み重ねていきましょう。

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