中2|一次関数解き方がわからないときは 中2数学|一次関数とは?式・変化の割合・グラフを基礎から解説【中2数学】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
利用時間を
B:
30
一次関数の利用では、現実の場面から伴って変わる二つの数量を選び、y=ax+bで表します。傾きと切片に場面の意味と単位を持たせ、式が使える変域を定めると、料金の比較、水量、速さ、動点を同じ考え方で説明・予測できます。
具体的な場面を式にする6つの手順
- 目的を確認する。何を求め、何を比べ、何を予測するかを明確にする。
- 二つの数量を決める。変化の基準をx、それに対応して決まる量をyとし、単位を書く。
- 出発時の値を探す。x=0のときのyが切片bになる。
- 一定の変わり方を探す。xが1増えたときのyの変化が傾きaになる。
- 式と変域を書く。y=ax+bと、場面で可能なx・yの範囲を書く。
- 場面へ戻して確かめる。単位、端点、整数条件、式を使える範囲を確認する。
式・表・グラフの使い分け
| 表現 | 得意なこと | 確認する点 |
|---|---|---|
| 式 | 正確な値を計算する、等しい時点を方程式で求める | 係数と定数項の単位、変域 |
| 表 | 対応する値と、一定の増減を整理する | 値の間隔が異なるときは増加量の割合を見る |
| グラフ | 増減、大小、交点、全体の傾向を一目で捉える | 軸の量・単位・目盛り、線分としてかく範囲 |
一つの表現だけで終えず、目的に合う表現を選び、別の表現でも結果を確かめると誤りに気づきやすくなります。
料金を比べる問題
例1:二つの料金プラン
問題:利用時間1分ごとに、プランAは基本料金400円と1分80円、プランBは基本料金700円と1分50円がかかります。何分で料金が等しくなり、その前後ではどちらが安いですか。
利用時間をx分、料金をy円とします。
B:y=50x+700
料金が等しいときは、二式のyが等しいので、
30x=300
x=10
10分のとき、料金は80×10+400=1200円です。
大小の確認:0分ではAが400円、Bが700円なので10分未満ではAが安くなります。10分を超えると、1分当たりの増加額が小さいBが安くなります。
答え:10分でともに1200円。10分未満はA、10分を超えるとBが安い。
グラフでは、二本の直線の交点が「料金が等しい時点」です。交点より左側と右側で、下にある直線のプランが安いと読めます。
水量の問題
例2:水槽から一定量ずつ水を出す
問題:18 Lの水が入った水槽から、毎分3 Lずつ水を出します。x分後の水量をy Lとして式と変域を求め、水槽が空になる時刻を答えましょう。
- 傾き-3 L/分:1分ごとに水量が3 L減る。
- 切片18 L:0分後の水量。
空になるときy=0なので、-3x+18=0よりx=6です。
変域:時間は0分から6分まで、水量は0 Lから18 Lまでです。
答え:y=-3x+18、6分後に空になる。
式だけなら6分後も負の値を返しますが、実際の水量は負になりません。グラフも無限の直線ではなく、(0, 18)から(6, 0)までの線分として表します。
速さと追いつく問題
一定の速さで進むとき、道のりは時間の一次関数になります。道のり=速さ×時間なので、傾きは速さです。
例3:後から出発した人が追いつく
問題:Aさんは時速4 kmで歩き始めました。1時間後、Bさんが同じ地点から同じ方向へ時速6 kmで出発しました。Bさんの出発から何時間後、出発地点から何kmの場所で追いつきますか。
Bさんが出発してからの時間をx時間、出発地点からの道のりをy kmとします。Aさんはすでに1時間歩いているので、Aさんの歩行時間はx+1時間です。
B:y=6x
追いつくときは同じ時刻に同じ場所にいるので、道のりが等しくなります。
x=2
y=6×2=12です。
確かめ:Aさんは合計3時間歩き、4×3=12 km。Bさんは2時間で6×2=12 kmです。
答え:Bさんの出発から2時間後、出発地点から12 kmの場所。
動点と図形の面積
点が一定の速さで辺上を動くとき、移動距離は時間の一次関数です。その距離が三角形の底辺または高さになる区間では、面積も時間の一次関数になります。
例4:長方形の辺上を動く点
問題:横10 cm、縦6 cmの長方形ABCDで、点PがAからBへ毎秒2 cmで動きます。出発からx秒後の三角形ADPの面積をy cm²として、式と変域を求めましょう。
AP=2x cmです。AD=6 cmを三角形の底辺と見ると、高さは点Pから直線ADまでの距離APです。
PがAからBまで10 cm進む時間は10÷2=5秒です。
答え:y=6x(0≦x≦5)。
確かめ:5秒後はP=Bで、面積は(1/2)×6×10=30 cm²です。
PがBで曲がってCへ進むなら、点Pから直線ADまでの距離は10 cmのままなので、三角形ADPの面積は30 cm²で一定になります。動く辺が変わる場所では、式が変わるかを確認し、必要なら区間ごとに分けます。
実験データを一次関数とみなす
実験では測定誤差や環境の影響があるため、データの点が完全な一直線上に並ぶとは限りません。それでも、ある範囲でほぼ一定の割合で変化しているなら、目的に応じて一次関数とみなして予測できます。
例5:加熱時間と水温
| 加熱時間x(分) | 0 | 2 | 4 | 6 |
|---|---|---|---|---|
| 水温y(℃) | 20 | 29 | 38 | 47 |
2分ごとに9℃上がるので、1分当たりの変化は9÷2=4.5℃です。0分の水温は20℃なので、
同じ条件が続くと仮定すれば、10分後は4.5×10+20=65℃と予測できます。
この予測は、加熱方法、容器、周囲の温度などの条件が同じで、観測した範囲に近い場合に妥当と考えられます。沸点を超えても同じ式で水温が上がり続けるとは限らないため、遠い範囲への延長には注意が必要です。
整数だけを取る一次関数
一次関数のグラフがいつも連続な線になるとは限りません。個数や多角形の頂点数のように、xが整数だけを取る場面では、対応する点だけが意味を持ちます。
例6:n角形の内角の和
n角形の内角の和をy度とすると、
頂点が一つ増えるごとに内角の和が180度増えるので、変化の割合は180です。ただしnは3以上の整数で、3.5角形のような値は考えません。
グラフの交点が表すもの
二つの一次関数のグラフの交点では、同じxに対するyが等しくなります。場面によって、交点は次の意味を持ちます。
- 料金:二つのプランの料金が等しい利用量
- 移動:二人が同じ時刻に同じ場所にいる時点
- 水量:二つの容器の水量が等しい時点
- 温度:二つの物体の温度が等しい時点
計算上の交点が見つかっても、そのxが問題の変域外なら、現実の場面では「等しくならない」と判断します。
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| 基本料金を傾きにする | x=0でもある量は切片。1単位増えるごとの量が傾き |
| 減る量なのに傾きを正にする | 水を出す、残量が減るなどでは傾きは負 |
| 時間の基準が人ごとに違う | xが「誰の出発から何時間か」を明記し、全員を同じ基準へ直す |
| グラフをどこまでも延ばす | 水が空になる時点、点が頂点に着く時点などで変域を区切る |
| 交点のxだけ答える | 時刻・場所・料金など、問題が求める量と単位を確認する |
| 観測データを無条件に遠くまで予測する | 同じ条件が続く範囲と、モデルの誤差・限界を説明する |
確認問題
- 基本料金600円、1 kmにつき100円のタクシーで、走行距離をx km、料金をy円とします。式を作り、8 kmの料金を求めましょう。
- 50 Lの水が入った水槽へ毎分4 Lずつ水を入れます。x分後の水量y Lを表す式と、12分後の水量を求めましょう。
- プランAは基本料金900円・1回30円、プランBは基本料金500円・1回50円です。利用回数が何回のとき料金が等しく、その前後でどちらが安いですか。
- 時速3 kmで歩く人が出発して2時間後、同じ地点から自転車が時速9 kmで同じ方向へ出発しました。自転車の出発から何時間後、何kmの場所で追いつきますか。
- 長さ12 cmの辺上を点Pが毎秒1.5 cmで動き、固定された長さ8 cmの辺を底辺とする三角形の高さがPの移動距離になります。x秒後の面積y cm²を表す式と変域を求めましょう。
- ある実験で、x=0のときy=18、xが2増えるごとにyが5増えました。一次関数の式と、x=8のときのyを求めましょう。
確認問題の解答と確かめ
- y=100x+600。8 kmでは100×8+600=1400円です。
- y=4x+50。12分後は4×12+50=98 Lです。
- Aはy=30x+900、Bはy=50x+500。30x+900=50x+500よりx=20、料金は1500円。20回未満はB、20回を超えるとAが安いです。
- 自転車の出発からx時間後とすると、歩く人は3(x+2)km、自転車は9x km進みます。3x+6=9xよりx=1、道のりは9 kmです。
- 高さは1.5x cmなので、y=(1/2)×8×1.5x=6x。点Pが12 cm進むのは12÷1.5=8秒なので、0≦x≦8、0≦y≦48です。
- 変化の割合は5÷2=2.5、切片は18なのでy=2.5x+18。x=8ではy=20+18=38です。
まとめ
- 基準となる量をx、それに対応して決まる量をyとし、単位を明記する。
- 傾きは1単位当たりの変化、切片はx=0のときの値。
- 交点は二つの量が等しくなる時点だが、変域内にあるかを確認する。
- 水量や動点では、式が成り立つ区間を変域として書く。
- 個数など離散的な量は整数の点だけを考える。
- 実験データを一次関数とみなすときは、条件・範囲・誤差・予測の限界を説明する。
学習範囲の根拠
この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第2学年「一次関数を用いて具体的な事象を捉え考察し表現すること」を基準に構成しています。表・式・グラフの選択、具体的な事象の理想化・単純化、予測とその根拠の説明を反映しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。
