藤原進之介です。このページでは東京慈恵会医科大学2021年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
数学 問題
数学 解答
📑 この年度の大問インデックス(全4問)
解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。
🧭 東京慈恵会医科大学 2021年度数学|大問ごとに「使う型」を対応させた表
解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。
型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。東京慈恵会医科大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。
東京慈恵会医科大学 医学部 2021年度 数学の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
出題の全体像:大問4題の記述式(第1問のみ空欄補充形式)。第1問は確率(さいころの操作で玉を並べる規則性の読み取り)、第2問は微分積分( の接線・回転体の体積・面積比の極限)、第3問は三角不等式と整数(互いに素な を用いた単位円の等分点の証明)、第4問は図形と無限級数(正方形の入れ子構造と面積の和)です。
合否を分ける点:慈恵医大らしく「設定の読解」に時間を要する問題が並びます。第1問・第4問は設定さえ正しく図式化できれば計算量は多くありません。一方、第2問(2)は が初等関数で書けないことを見抜き、評価(はさみうち)に切り替えられるかが分かれ目。第3問は証明の答案構成力そのものが問われる、本セットで最も差がつく問題です。
時間配分の考え方:第1問・第4問を先に確実に仕留め、第2問(1)まで取り切ったうえで、第2問(2)と第3問に残り時間を投入する順序が現実的です。完答よりも「証明の方針を明示した部分点答案」を積み上げる意識が有効です。
※以下の解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、正攻法と数値代入による二重検算済み)。問題原文は上記の大学発表PDFをご参照ください。
第1問(確率) 答:(ア) (イ)
【📖大切な定義】反復試行の確率:1回の試行で事象Aが確率 で起こるとき、 回の独立な試行でAがちょうど 回起こる確率は 。──「各回が独立」という前提が崩れる(並び順に条件がつく)と、単純な二項係数では数えられず、場合の順序まで指定して数える必要があります。
【👀ここに注目】1回の操作は、確率 で「白」を1個(ブロック W)、確率 で「赤白」を2個(ブロック RW)置く操作です。5回の操作で得られる列は、W と RW の5個のブロックの連結。赤玉は必ず RW ブロックの先頭にしか現れない、が全ての鍵です。
方針:玉の総数はブロック RW の回数 を使って 個。位置の条件は「その位置から RW ブロックが始まる」ことと言い換え、直前までのブロックの長さの合計で場合分けします。
解答(ア):玉が7個 ⇔ ⇔ RW がちょうど2回。左から3個目が赤 ⇔ ある RW ブロックが3個目から始まる ⇔ それ以前のブロックの長さの合計が2。長さ合計2の作り方は「RW 1個」か「W 2個」なので、
- 1回目 RW・2回目 RW・残り W:列は R W R W W W W
- 1・2回目 W・3回目 RW・もう1回の RW が4回目または5回目:2通り
計3通り。いずれも RW 2回・W 3回の操作列だから確率は各 。よって
解答(イ):5個目が赤 ⇔ ある操作 が RW で、その直前までの長さの合計が4。操作 より前の 回のうち RW が 回とすると 、すなわち 。
- :1〜4回目すべて W、5回目 RW。確率
- :1〜3回目に RW 1回(3通り)、4回目 RW、5回目は任意。確率
- :1・2回目とも RW、3回目 RW、4・5回目は任意。確率
【✅検算】W/RW の5回操作 通りを全列挙して確率を厳密に合算すると (ア) 、(イ) に一致。
【💡ポイントコラム】「あとの操作は任意」の処理:(イ) の や の場合、5個目の色は5回目の操作に依存しません。「残りの操作の確率の和は1」として掛けずに済ませるのが、確率の加法・乗法定理を正しく使えている証拠。ここで無意味に場合分けを増やすと計算ミスの温床になります。
第2問(微分積分) 答:(1) (2)
【📖大切な定義】 軸回転体の体積:曲線 ()を で 軸のまわりに回転してできる立体の体積は 。──「 を で表し直してから2乗する」手順を飛ばすと、被積分関数を取り違えて全滅します。
【👀ここに注目】 は と逆に解けるので 。回転体の計算が というきれいな形に落ちます。一方 (2) は が初等関数で表せないため、値を求めずに大きさを評価する方向へ発想を切り替えます。
解答(1): で曲線上の点は をみたすから、
解答(2):まず接線 を求める。 より接点 での傾きは で、
の 切片は 、 切片は 。・ 軸・ 軸で囲まれる三角形の面積は
次に 。 は下に凸だから で曲線は接線の上側にあり、
ここで は初等的に計算できないが、 で だから
と評価できる。したがって
で、分子は 以上 以下、分母は 。上下から評価すると
両端はいずれも分子・分母を で割れば で1に収束するから、はさみうちの原理により
【✅検算】(1) は で数値積分 と公式値が一致(37.2583)。(2) は で数値計算した比が と、閉形式 どおりに1へ単調に近づくことを確認。
【💡ポイントコラム】「積分できない関数」は評価する: の原始関数は高校数学(および初等関数)の範囲では書けません。出題者がこの形を置いたのは「値を求めよ」ではなく「極限に効かない大きさであることを示せ」というメッセージ。 のような1行の評価で主要項 に対して無視できることを示すのが正攻法です。
第3問(三角関数・整数) 答:(1) 、(証明) (2) 証明(下記)
【📖大切な定義】余弦の大小と角の位置: のとき、ある整数 に対し 。── の単調性を「 の整数倍からの距離」に翻訳できないと、 型の不等式は処理できません。
【👀ここに注目】2条件を同時にみたす範囲は「 が の直前にいる」ことを意味します。連立不等式を の区間に直すと、区間の端点が と という分数になり、(2) の「 等分点」に自然につながります。
解答(1): は、上の定義より、ある整数 が存在して と同値。さらに を課すと、 では は の部分だけが残る( では となる。ただし端点 が許されるのは 、すなわち のときだが、これは として の形に含まれる)。よって条件は
この区間が と交わるのは ( では左端が を超える)。また隣り合う区間について (⇔ ⇔ : で成立)だから、 個の閉区間は互いに共通部分をもたない。ゆえに 。第 区間の長さは
で について単調増加だから、小さい順に並べて 。したがって
解答(2): で と仮定すると、 より 。 と は互いに素だから 。しかし なのでこれは不可能。よって 。■
余り は 以上 以下の 個の相異なる整数だから、集合として に一致する(なお より )。一方、 を用いると
だから、 は偏角 の単位円上の点。 が をちょうど1回ずつとるので、 は偏角 の点全体、すなわち単位円を 等分する 個の分点である。■
【✅検算】 について区間 の和集合と元の連立不等式の解を 点の格子で照合し不一致0。 で 、余りの集合 も確認。
【💡ポイントコラム】互いに素と「完全剰余系」: のとき を で割った余りは全て異なる──これは1次合同式 が一意に解けることと同値で、整数問題の頻出装置です。本問は「三角不等式の顔をした整数問題」であり、(1) の計算結果 が見えた瞬間に (2) の景色(回転 の軌道が全分点を巡回する)が開けます。
第4問(図形と無限級数) 答:
【📖大切な定義】無限等比級数の和:初項 、公比 ()のとき 。──「相似の構造から公比を特定する」段階を曖昧にすると、初項だけ合っていても和が合いません。収束条件 の確認も答案では必須です。
【👀ここに注目】作図は各正方形に対して90°回転対称なので、 も正方形であり、各段階は相似。したがって三角形 の面積 は等比数列になります。1辺 の正方形で1段分を座標計算すれば全てが決まります。
方針: とおき、 で内分点と交点を計算。 の初項と、辺の比(相似比)を求めて等比級数の和を で表します。
解答:()とする。内分点は 。
直線 は 、直線 は 。連立して
すなわち 。三角形 は底辺 (長さ 、 軸上)と、 の 座標を高さとする三角形だから
次に相似比。同様に直線 と直線 ( と を通る直線)を連立すると が得られるので、
よって面積比(公比)は
より だから で収束する。 として
したがって条件は
【✅検算】作図を座標で数値シミュレーション(80段まで反復)すると、 で 、また でも和が と8桁一致。
本年度の教訓
2021年度の慈恵医大は「読解 → 図式化 → 定型計算」の3段変換が一貫したテーマでした。第1問はブロック分解、第2問は評価による極限、第3問は三角→整数の翻訳、第4問は相似構造の抽出と、いずれも最初の言い換えが正しければ後半は教科書レベルの計算です。逆に、言い換えを誤ると計算力では取り返せません。過去問演習では答え合わせよりも「どの一言で問題が定型に変わったか」を言語化する復習が効果的です。また、 のように「求められないものは評価する」という発想は難関医学部で繰り返し問われるため、はさみうちの評価を1行で書く練習を積んでおきましょう。
証明問題(第3問)は、結論から逆算して「示すべき主張の連鎖」を先に箇条書きし、それぞれに根拠(互いに素・鳩の巣的議論・単調性)を割り当てる書き方が採点上も安全です。
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本ページが扱う入試問題の著作権は 東京慈恵会医科大学 に帰属します。出典:東京慈恵会医科大学 2021年度 入学試験問題「数学」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
東京慈恵会医科大学 数学 過去問|他の年度を見る
東京慈恵会医科大学の数学の過去問は18年度ぶんを公開しています。そのうち18年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
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「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。
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東京慈恵会医科大学 2021年度 英語同じ大学・同じ年度の英語です。2021年度の数学を解いたあとに続けて確認すると、その年の出題の重さが掴めます。
公開している全年度は東京慈恵会医科大学医学部 数学の傾向と対策にまとめてあります。
問題PDFをテキストでも確認
東京慈恵会医科大学 2021年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 図形・三角関数
- 確率・場合の数
- 微分・積分
- 整数
- 空間図形
- 指数・対数
この年度の出題範囲と傾向
2021年度の問題PDFでは、図形・三角関数、確率・場合の数、微分・積分、整数、空間図形に関する語句や設問を確認できました。東京慈恵会医科大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は19年度、微分・積分は19年度、確率・場合の数は17年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 図形・三角関数、確率・場合の数、微分・積分、整数、空間図形
できる立体の体積 を 。 を用いて表せ。
(2) BEBE tim, 2 を求めよ。
amg と
3. a ?ち は古いに素である自然数の定数で, 。 = 2 とする。0 <ミィのとき,
cosa: S cos 2aa
sin2ez $0
BART 2 の値の範囲は, 互いに共通部分をもたないヵ 個の閉区間の和集合であり, それらヵ 個の
閉区間の長さの値を小さい方から順に x」, 0, ty とする。 た=1, に対し9。 = 20(26填1)
LBS, ay 平面において, 一般角 9 の動径と単位円との交点を Z, とするとき, 次の問いに答え
よ。ただし, 動径は原点を中心とし, z 軸の正の部分を始線とする。
(1) n=0 Cbd, Op = eb (hat... a) と表されることを示せ。
(2) た= 1 ...., に対し, kb ta CHokE SOME 余りを7 とする。1S4<7 So
をみたす任意の自然数 GIRL Ary を示し, MZ, oy Zo は単位円を等分する
6 個の分点であることを示せ。
ご
4. 実数:は0 <#< 1 をみたす定数とする。1 辺の長さが 1 の正方形 AiBiOiD」 があり,
四角形 Any iBn4iCnsiDrsi (n= 1, 2, 3,...) を次のように帰納的につくる。
四角形 A。B。O。D。 がつくられたとき,
© 各辺 AaB。B。O CaD DA。 をを:ユーをに内分する点を, 順に HK とする。
© AnIn と BaK。 の交点 Ansts BaKn と CnHn の交点 Bntis CnHn と Daf。 の交点 Cr
Daln と AnJn の交点 D。+」を頂点として, 四角形 A+iBr1CarrD。+ュ をつくる。
ws
- AA。A。iK。 OBE a, とするとき, MOBS a, の和が L となるような定数との値を
n=1
求めよ。
ーー

