藤原進之介です。このページでは順天堂大学2009年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
数学 問題
数学 解答
順天堂大学 医学部 2009年度 数学の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
2009年度は、マーク式の第1問(小問集合4題)・第2問(回転体の総合問題)と、記述式の第3問(定義の記述)という構成になっています。第1問は「定積分と平行移動による対称化」「絶対値付き3次関数の極値の個数」「行列の相似変換と \(n\) 乗の極限」「空間内の平面上での点の軌跡(円)とベクトル」という幅広い小問集合です。第2問は円錐の側面積を積分すると体積が得られるという視点を軸に、直線と円で囲まれた扇形の回転体の体積・表面積まで誘導つきで考えさせる問題です。第3問は値域・逆関数・対数関数の定義や底の変換公式を自分の言葉で述べさせる出題で、教科書の根本理解を試す構成と考えられます。誘導の意図を読み取って乗っていく力と、定義を正確に記述する力の両方が問われるセットといえそうです。
※以下の解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、正攻法と数値代入による二重検算済み)。問題原文は上記の大学発表PDFをご参照ください。
第1問(小問集合:積分・極値・行列の極限・空間ベクトル) 答:下記各小問参照
(1) 定積分と平行移動 答:\(I=8\)、\(a=0\)、\(b=-5\)、\(c=2\)、\(I=2\displaystyle\int_0^2 2\,dx\)
【📖大切な定義】曲線 \(y=f(x)\) を \(x\) 軸の負の向きに \(2\) だけ平行移動した曲線の式は \(y=f(x+2)\) です。また、奇関数の対称区間 \([-a,\ a]\) 上の定積分は \(0\) になり、偶関数(定数を含む)の部分だけが残ります。
【👀ここに注目】3次関数のグラフは変曲点に関して点対称です。\(f(x)=x^3-6x^2+7x+4\) の変曲点は \(x=2\) にあるので、これを原点まで平行移動すれば奇関数+定数の形になり、積分が一気に軽くなる仕組みです。
まず正面から計算すると \[I=\int_0^4(x^3-6x^2+7x+4)\,dx=\left[\frac{x^4}{4}-2x^3+\frac{7}{2}x^2+4x\right]_0^4=64-128+56+16=8\] 次に \(g(x)=f(x+2)\) を展開します。 \[g(x)=(x+2)^3-6(x+2)^2+7(x+2)+4=x^3-5x+2\] よって \(a=0\)、\(b=-5\)、\(c=2\) です。置換 \(x\to x+2\) により積分区間は \([0,\ 4]\) から \([-2,\ 2]\) に移るので \[I=\int_{-2}^{2}(x^3-5x+2)\,dx\] となり、奇関数 \(x^3-5x\) の部分は消えて \[I=\int_{-2}^{2}2\,dx=2\int_0^2 2\,dx=8\] と、定数 \(c=2\) だけの積分に帰着します。
【✅検算】\(g(0)=f(2)=8-24+14+4=2\)、\(g(1)=f(3)=27-54+21+4=-2\) を \(x^3-5x+2\) に代入すると \(2\)、\(1-5+2=-2\) で一致。\(I\) も \(2\int_0^2 2\,dx=8\) で最初の直接計算と一致します。
(2) 絶対値付き3次関数の極値 答:極値は \(2\) 個、\(x=-1\) でとる極大値 \(32\) が \(x\) 座標最小の極値、\(x=3\) でとる極小値 \(0\) が \(x\) 座標最大の極値
【📖大切な定義】絶対値記号を含む関数は、中身の符号で場合分けして式を書き直すのが出発点です。\(|x^2-9|\) は \(|x|\geqq3\) で \(x^2-9\)、\(|x|<3\) で \(-(x^2-9)\) となります。
【👀ここに注目】つなぎ目 \(x=\pm3\) では左右の微分係数が変わり得るので、増減表は「\(x=-3\)、\(-1\)、\(3\) の前後」をすべて調べる必要があります。微分が \(0\) でも増減が変わらなければ極値ではない、という点が本問の落とし穴です。
\(y=x^3-9x+3|x^2-9|\) を場合分けすると \[|x|\geqq3:\ y=x^3+3x^2-9x-27,\qquad |x|<3:\ y=x^3-3x^2-9x+27\] 外側では \(y’=3x^2+6x-9=3(x+3)(x-1)\)、内側では \(y’=3x^2-6x-9=3(x-3)(x+1)\) です。区間ごとの符号を調べると、\(x<-3\) で \(y’>0\)(増加)、\(-3<x<-1\) で \(y’>0\)(増加)、\(-1<x<3\) で \(y'<0\)(減少)、\(x>3\) で \(y’>0\)(増加)となります。したがって \(x=-3\) では増加のまま通過するので極値ではなく、極値は \(x=-1\)(極大)と \(x=3\)(極小)の \(2\) 個です。値は \[y(-1)=-1-3+9+27=32,\qquad y(3)=27-27+3\cdot0=0\] となり、\(x\) 座標が最も小さい極値は \(x=-1\) の極大値 \(32\)、最も大きい極値は \(x=3\) の極小値 \(0\) です。
【✅検算】数値微分で確認すると、\(x=-1.01\) で増加・\(x=-0.99\) で減少、\(x=2.99\) で減少・\(x=3.01\) で増加となり、極値の位置・種類とも一致。また \(x=-3\) の前後(\(x=-3.01,\ -2.99\))はいずれも増加で、極値でないことも確かめられます。元の式への直接代入でも \(y(-1)=(-1)+9+3\cdot8=32\)、\(y(3)=27-27+0=0\) で一致します。
(3) 行列の相似変換と \(n\) 乗の極限 答:\(Q=\begin{pmatrix}2&3\\1&2\end{pmatrix}\)、\(B=\begin{pmatrix}1&2\\0&\frac{1}{3}\end{pmatrix}\)、\(B^2=\begin{pmatrix}1&\frac{8}{3}\\0&\frac{1}{9}\end{pmatrix}\)、\(B^3=\begin{pmatrix}1&\frac{26}{9}\\0&\frac{1}{27}\end{pmatrix}\)、\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}A^n=\begin{pmatrix}-2&6\\-1&3\end{pmatrix}\)
【📖大切な定義】\(P=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}\) の逆行列は、\(ad-bc\neq0\) のとき \(P^{-1}=\dfrac{1}{ad-bc}\begin{pmatrix}d&-b\\-c&a\end{pmatrix}\) です。また \(B=PAQ\)(\(Q=P^{-1}\))のとき \(B^n=PA^nQ\) となるので、\(A^n=QB^nP\) と復元できます。
【👀ここに注目】\(B\) は対角行列にはなりませんが、上三角行列になれば十分です。対角成分 \(1\) と \(\dfrac{1}{3}\) が繰り返し現れ、右上の成分だけが等比数列の和の形で増えていく構造を、\(B^2\)、\(B^3\) の計算から読み取るのが誘導の意図と考えられます。
\(\det P=2\cdot2-(-3)(-1)=1\) なので \[Q=P^{-1}=\begin{pmatrix}2&3\\1&2\end{pmatrix}\] 次に \(PA\) を先に計算すると \[PA=\begin{pmatrix}2&-3\\-1&2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}-1&4\\-\frac{2}{3}&\frac{7}{3}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0&1\\-\frac{1}{3}&\frac{2}{3}\end{pmatrix}\] よって \[B=PAQ=\begin{pmatrix}0&1\\-\frac{1}{3}&\frac{2}{3}\end{pmatrix}\begin{pmatrix}2&3\\1&2\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&2\\0&\frac{1}{3}\end{pmatrix}\] 上三角なので累乗は素直に計算でき \[B^2=\begin{pmatrix}1&2+\frac{2}{3}\\0&\frac{1}{9}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&\frac{8}{3}\\0&\frac{1}{9}\end{pmatrix},\qquad B^3=\begin{pmatrix}1&\frac{8}{3}+\frac{2}{9}\\0&\frac{1}{27}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&\frac{26}{9}\\0&\frac{1}{27}\end{pmatrix}\] 一般に \(B^n=\begin{pmatrix}1&b_n\\0&3^{-n}\end{pmatrix}\) とおくと \(b_{n+1}=\dfrac{1}{3}b_n+2\) から \(b_n=3\left(1-3^{-n}\right)\) となり、\(n\to\infty\) で \[B^n\longrightarrow\begin{pmatrix}1&3\\0&0\end{pmatrix}\] \(B=PAP^{-1}\) より \(A^n=QB^nP\) なので \[\lim_{n\to\infty}A^n=\begin{pmatrix}2&3\\1&2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}1&3\\0&0\end{pmatrix}\begin{pmatrix}2&-3\\-1&2\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}2&6\\1&3\end{pmatrix}\begin{pmatrix}2&-3\\-1&2\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-2&6\\-1&3\end{pmatrix}\]
【✅検算】\(A\) の固有方程式は \(\lambda^2-\dfrac{4}{3}\lambda+\dfrac{1}{3}=0\)、すなわち \((\lambda-1)\left(\lambda-\dfrac{1}{3}\right)=0\) で、\(B\) の対角成分 \(1,\ \dfrac{1}{3}\) と一致します。さらに数値計算で \(A^{60}\) を求めると各成分が \(-2,\ 6,\ -1,\ 3\) に収束しており、極限行列 \(L=\begin{pmatrix}-2&6\\-1&3\end{pmatrix}\) が \(AL=L\)、\(L^2=L\)(射影)を満たすことも代入で確認できます。\(b_3=3\left(1-\dfrac{1}{27}\right)=\dfrac{26}{9}\) も \(B^3\) の計算と一致します。
(4) 平面上の点の軌跡(円)と距離の最小値 答:\((\vec{a}+\vec{b})\cdot(\vec{a}-\vec{b})=0\)、\(|\vec{a}+\vec{b}|=\sqrt{22}\)、\(|\vec{a}-\vec{b}|=\sqrt{2}\)、\(\left(x-\dfrac{\sqrt{22}}{4}\right)^2+\left(y-\dfrac{3\sqrt{2}}{4}\right)^2=\dfrac{5}{2}\)、中心 \(\left(0,\ \dfrac{3}{2},\ \dfrac{1}{2}\right)\)・半径 \(\dfrac{\sqrt{10}}{2}\)、\(\vec{p}=(0,\ 3,\ 1)\)、\(\vec{q}=(1,\ 1,\ -3)\) のとき最小値 \(\sqrt{11}\)
【📖大切な定義】大きさ \(1\) で互いに垂直な2つのベクトル \(\vec{d},\ \vec{e}\)(正規直交基底)を平面上にとると、その平面上の点は \(\vec{p}=x\vec{d}+y\vec{e}\) と表され、\((x,\ y)\) は通常の直交座標と同じように扱えます。特に \(|\vec{p}|^2=x^2+y^2\) が成り立ちます。
【👀ここに注目】\(|\vec{a}|^2=6=|\vec{b}|^2\) なので \((\vec{a}+\vec{b})\cdot(\vec{a}-\vec{b})=|\vec{a}|^2-|\vec{b}|^2=0\)。この直交性こそが、平面 OAB 上に「座標軸」を敷くための仕掛けです。
\(\vec{a}=(1,\ 2,\ 1)\)、\(\vec{b}=(2,\ 1,\ 1)\)、\(\vec{c}=(1,\ 4,\ -2)\) とします。\(\vec{a}+\vec{b}=(3,\ 3,\ 2)\)、\(\vec{a}-\vec{b}=(-1,\ 1,\ 0)\) より
\[(\vec{a}+\vec{b})\cdot(\vec{a}-\vec{b})=-3+3+0=0,\quad |\vec{a}+\vec{b}|=\sqrt{22},\quad |\vec{a}-\vec{b}|=\sqrt{2}\]
そこで \(\vec{d}=\dfrac{\vec{a}+\vec{b}}{\sqrt{22}}\)、\(\vec{e}=\dfrac{\vec{a}-\vec{b}}{\sqrt{2}}\) とおき、\(\vec{p}=x\vec{d}+y\vec{e}\) とします。直交条件 \(\vec{p}\cdot(\vec{c}-\vec{p})=0\) は \(x^2+y^2=\vec{p}\cdot\vec{c}\) と書け、\(\vec{a}\cdot\vec{c}=1+8-2=7\)、\(\vec{b}\cdot\vec{c}=2+4-2=4\) から
\[\vec{d}\cdot\vec{c}=\frac{7+4}{\sqrt{22}}=\frac{11}{\sqrt{22}}=\frac{\sqrt{22}}{2},\qquad \vec{e}\cdot\vec{c}=\frac{7-4}{\sqrt{2}}=\frac{3}{\sqrt{2}}=\frac{3\sqrt{2}}{2}\]
よって \(x^2+y^2=\dfrac{\sqrt{22}}{2}x+\dfrac{3\sqrt{2}}{2}y\)、平方完成して
\[\left(x-\frac{\sqrt{22}}{4}\right)^2+\left(y-\frac{3\sqrt{2}}{4}\right)^2=\frac{22}{16}+\frac{18}{16}=\frac{5}{2}\]
中心を3次元に戻すと
\[\frac{\sqrt{22}}{4}\vec{d}+\frac{3\sqrt{2}}{4}\vec{e}=\frac{\vec{a}+\vec{b}}{4}+\frac{3(\vec{a}-\vec{b})}{4}=\vec{a}-\frac{1}{2}\vec{b}=\left(0,\ \frac{3}{2},\ \frac{1}{2}\right)\]
であり、半径は \(\sqrt{\dfrac{5}{2}}=\dfrac{\sqrt{10}}{2}\) の円上を \(\vec{p}\) は動きます。
最後に \(|\vec{q}|\) の最小値を考えます。\(\vec{c}\) を平面 OAB に平行な成分と垂直な成分に分けると、平面の法線ベクトルは \(\vec{a}\times\vec{b}\) の方向で \(\vec{n}=(1,\ 1,\ -3)\)、\(\vec{c}\cdot\vec{n}=1+4+6=11=|\vec{n}|^2\) なので、垂直成分はちょうど \(\vec{n}\)、平行成分は \(\vec{c}-\vec{n}=(0,\ 3,\ 1)\) です。この平行成分 \((0,\ 3,\ 1)\) は中心 \(\left(0,\ \dfrac{3}{2},\ \dfrac{1}{2}\right)\) から距離 \(\sqrt{\dfrac{9}{4}+\dfrac{1}{4}}=\dfrac{\sqrt{10}}{2}\)、すなわち円上の点そのものになっています。したがって \(\vec{p}=(0,\ 3,\ 1)\) のとき \(\vec{q}=\vec{c}-\vec{p}=(1,\ 1,\ -3)\) は平面と垂直になり
\[|\vec{q}|_{\min}=\sqrt{1+1+9}=\sqrt{11}\]
【✅検算】\(\vec{p}=(0,\ 3,\ 1)\) は \(2\vec{a}-\vec{b}\) と表せて平面 OAB 上にあり、\(\vec{p}\cdot\vec{q}=0+3-3=0\) で直交条件も満足。円周上を1周分数値的に走査して \(|\vec{c}-\vec{p}|\) を計算すると最小値は \(3.3166\ldots=\sqrt{11}\) で一致しました。中心・半径も、方程式 \(x^2+y^2=\dfrac{\sqrt{22}}{2}x+\dfrac{3\sqrt{2}}{2}y\) に中心座標を代入して整合を確認しています。
第2問(回転体:円錐の側面積の積分と球の体積・表面積) 答:半径 \(1\)・高さ \(1\)、B\(\left(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{1}{2}\right)\)、AB\(=\dfrac{\sqrt{2}}{2}\)、側面積 \(2\sqrt{2}\,\pi t^2\)、積分値 \(\dfrac{1}{3}\pi\)、\(V=\dfrac{-4+4\sqrt{2}}{3}\pi\)、表面積 \((4-\sqrt{2})\pi\)
【📖大切な定義】回転体の体積は、回転軸に垂直な断面積を軸に沿って積分して求めるのが基本です(\(x\) 軸回転なら \(V=\displaystyle\int\pi y^2\,dx\))。また、底面の半径 \(r\)・母線の長さ \(\ell\) の円錐の側面積は \(\pi r\ell\) です。
【👀ここに注目】本問の前半は「軸に垂直な輪切り」ではなく、斜面 AB に垂直な向きに立てた線分 DE が作る円錐面で立体を「玉ねぎの皮」のように積み重ねる構図です。側面積を母線方向のパラメータ \(t\) で積分すると体積が出る、という考え方が、後半の「球の体積を半径で微分すると表面積」という事実と対応しています。
直線 \(y=x\)、\(x=1\)、\(x\) 軸で囲まれた三角形を \(x\) 軸の周りに回すと、底面の半径 \(1\)・高さ \(1\) の円錐になります。直線 \(y=-x+1\) と \(y=x\) の交点は \(x=-x+1\) より B\(\left(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{1}{2}\right)\) で、
\[\mathrm{AB}=\sqrt{\left(1-\frac{1}{2}\right)^2+\left(0-\frac{1}{2}\right)^2}=\frac{\sqrt{2}}{2}\]
です。線分 AB 上に \(t=\mathrm{AC}\) となる点 C をとると、C\(\left(1-\dfrac{t}{\sqrt{2}},\ \dfrac{t}{\sqrt{2}}\right)\)。C を通り AB に垂直な直線(方向 \((1,\ 1)\))と \(x\) 軸、\(x=1\) との交点はそれぞれ
\[\mathrm{D}\left(1-\sqrt{2}\,t,\ 0\right),\qquad \mathrm{E}\left(1,\ \sqrt{2}\,t\right)\]
となります。線分 DE と \(x=1\)、\(x\) 軸で囲まれた三角形 T を \(x\) 軸の周りに回すと、頂点 D・底面の半径 \(\sqrt{2}\,t\) の円錐ができ、その母線 DE の長さは \(\sqrt{(\sqrt{2}t)^2+(\sqrt{2}t)^2}=2t\) なので、側面積は
\[\pi\cdot\sqrt{2}\,t\cdot2t=2\sqrt{2}\,\pi t^2\]
です。これを \(t=0\) から \(a=\dfrac{\sqrt{2}}{2}\) まで積分すると
\[\int_0^{\frac{\sqrt{2}}{2}}2\sqrt{2}\,\pi t^2\,dt=\frac{2\sqrt{2}\,\pi}{3}\left(\frac{\sqrt{2}}{2}\right)^3=\frac{2\sqrt{2}\,\pi}{3}\cdot\frac{\sqrt{2}}{4}=\frac{1}{3}\pi\]
となり、最初の円錐(半径 \(1\)・高さ \(1\))の体積 \(\dfrac{1}{3}\pi\) と一致します。側面積を母線方向に積み上げると体積になる、という誘導の主張が確かめられました。
後半は、直線 \(y=x\)、円 \(x^2+y^2=2\)、\(x\) 軸で囲まれた扇形(中心角 \(45^\circ\)、半径 \(\sqrt{2}\))の \(x\) 軸回転体 V です。体積は \(0\leqq x\leqq1\) の円錐部分と \(1\leqq x\leqq\sqrt{2}\) の球冠部分に分けて
\[V=\int_0^1\pi x^2\,dx+\int_1^{\sqrt{2}}\pi(2-x^2)\,dx=\frac{\pi}{3}+\pi\left[2x-\frac{x^3}{3}\right]_1^{\sqrt{2}}=\frac{\pi}{3}+\pi\left(\frac{4\sqrt{2}}{3}-\frac{5}{3}\right)=\frac{-4+4\sqrt{2}}{3}\pi\]
表面積は、円錐の側面(母線 OB を回した部分:半径 \(1\)、母線 \(\sqrt{2}\))が \(\pi\cdot1\cdot\sqrt{2}=\sqrt{2}\,\pi\)、球帯(弧を回した部分)が「半径 \(R\) の球の帯の面積 \(2\pi Rh\)」より \(2\pi\cdot\sqrt{2}\cdot(\sqrt{2}-1)=(4-2\sqrt{2})\pi\)。合計して
\[S=\sqrt{2}\,\pi+(4-2\sqrt{2})\pi=(4-\sqrt{2})\pi\]
【✅検算】体積は数値積分で \(V=1.7350\ldots\)、\(\dfrac{(4\sqrt{2}-4)\pi}{3}=1.7350\ldots\) で一致。また球分(spherical sector)の公式 \(V=\dfrac{2}{3}\pi R^2h\)(\(R=\sqrt{2}\)、\(h=\sqrt{2}-1\))でも \(\dfrac{2}{3}\pi\cdot2(\sqrt{2}-1)=\dfrac{4\sqrt{2}-4}{3}\pi\) と同じ値になります。表面積は \((4-\sqrt{2})\pi=8.1234\ldots\) で、円錐側面と球帯の数値計算の和と一致。側面積 \(2\sqrt{2}\pi t^2\) も \(t=0.3\) での直接計算 \(\pi r\ell=\pi\cdot0.3\sqrt{2}\cdot0.6\) と一致します。
第3問(記述:値域・逆関数・対数関数の定義と底の変換公式) 答:下記の模範解答参照
【📖大切な定義】この大問はまさに「定義を書く」こと自体が問題です。用語(定義域・値域・1対1対応・逆関数・指数関数・対数関数)を、条件を漏らさずに文章化できるかが問われます。
【👀ここに注目】(2) では「逆関数が存在する条件」を忘れずに述べること、(3)(4) では底の条件 \(a>0,\ a\neq1\) と真数条件を明記することが答案の骨格になります。(4) は公式を書くだけでなく、指数法則から導出する過程まで要求されています。
(1) 値域の定義 関数 \(y=f(x)\) において、\(x\) がその定義域全体を動くとき、\(f(x)\) がとる値全体の集合 \[\{\,f(x)\mid x\ \text{は定義域の要素}\,\}\] を、この関数の値域といいます。
(2) 逆関数が存在する条件とその定義 関数 \(y=f(x)\) が定義域と値域の間の1対1対応であること、すなわち値域の任意の値 \(y\) に対して \(f(x)=y\) となる定義域の \(x\) がただ1つ定まることが、逆関数が存在する条件です(定義域で単調増加または単調減少であれば、この条件は満たされます)。このとき、値域の各 \(y\) にそのただ1つの \(x\) を対応させて得られる関数を \(f\) の逆関数といい、\(x=f^{-1}(y)\)、変数を書き換えて \(y=f^{-1}(x)\) と表します。すなわち \[y=f(x)\iff x=f^{-1}(y)\] が成り立ちます。
(3) 対数関数の定義 \(a>0,\ a\neq1\) とします。指数関数 \(y=a^x\) は実数全体で単調(\(a>1\) なら増加、\(0<a<1\) なら減少)で、値域は正の実数全体です。したがって任意の正の数 \(x\) に対して \(a^y=x\) となる実数 \(y\) がただ1つ定まります。この \(y\) を \(\log_a x\) と書き、正の数 \(x\) に \(\log_a x\) を対応させる関数 \[y=\log_a x\quad(x>0)\] を、\(a\) を底とする対数関数と定義します。これは指数関数 \(y=a^x\) の逆関数にほかなりません。
(4) 底の変換公式とその導出 \(a,\ c\) は \(1\) でない正の数、\(b>0\) とするとき \[\log_a b=\frac{\log_c b}{\log_c a}\] が成り立ちます(底の変換公式)。導出は次の通りです。\(x=\log_a b\) とおくと、対数の定義より \(a^x=b\) です。また \(a=c^{\log_c a}\) と表せるので、指数法則 \((c^p)^q=c^{pq}\) を用いると \[b=a^x=\left(c^{\log_c a}\right)^x=c^{x\log_c a}\] となります。よって対数の定義から \(\log_c b=x\log_c a\)。ここで \(a\neq1\) より \(\log_c a\neq0\) なので、両辺を \(\log_c a\) で割って \[x=\log_a b=\frac{\log_c b}{\log_c a}\] が得られます。(証明終)
【✅検算】具体値で確認すると、\(\log_2 8=3\) に対し \(\dfrac{\log_{10}8}{\log_{10}2}=\dfrac{0.9030\ldots}{0.3010\ldots}=3.000\ldots\) で一致します。また (2) の定義に従えば \(f(x)=a^x\) と \(f^{-1}(x)=\log_a x\) が \(f^{-1}(f(x))=x\)、\(f(f^{-1}(x))=x\) を満たすことも、定義の式から直ちに確かめられます。
【💡ポイントコラム1:3次関数は「変曲点対称」を使って平行移動】第1問(1)の誘導は、変曲点を原点(付近)へ動かして奇関数の部分を消し、定積分を定数項だけにする技法です。3次関数のグラフが変曲点に関して点対称であることを知っていれば、\(\displaystyle\int_{p-a}^{p+a}f(x)\,dx=2a\,f(p)\)(\(p\) は変曲点の \(x\) 座標)という美しい関係まで見通せます。マーク式では平行移動後の係数 \(a=0\) が検算にもなってくれる構図です。
【💡ポイントコラム2:対角化できなくても「三角化」で十分】第1問(3)の \(B=PAP^{-1}\) は対角行列ではなく上三角行列ですが、\(n\) 乗の計算には十分です。対角成分には固有値 \(1,\ \dfrac{1}{3}\) が並び、右上成分は \(b_{n+1}=\dfrac{1}{3}b_n+2\) という1次の漸化式(等比数列の和)で処理できます。「与えられた \(P\) で変換したら何が起きるか」を素直に計算し、現れた規則を一般化する姿勢が、この種の誘導問題では有効と考えられます。
【💡ポイントコラム3:平面に正規直交座標を敷くと軌跡が見える】第1問(4)は、空間内の平面 OAB 上に単位直交ベクトル \(\vec{d},\ \vec{e}\) で座標を敷き、直交条件 \(\vec{p}\cdot(\vec{c}-\vec{p})=0\) を平面内の円の方程式に落とす問題でした。「OP⊥PC を満たす点 P は、C の平面への正射影 H を直径の端とする円を描く」という幾何的な見方(直径 OH に対する円周角)とも整合し、最小値 \(\sqrt{11}\) が「C から平面までの距離」そのものになる点まで含めて、美しい構造を持った問題といえそうです。
2009年度は、どの大問にも「結果だけでなく仕組みを理解しているか」を測る仕掛けが埋め込まれています。第1問では平行移動による対称化・三角化による行列の累乗・正規直交基底の導入と、いずれも誘導が強力なぶん、誘導の一手一手が何のためかを考えながら進む姿勢が得点を左右しそうです。第2問の「側面積を積分すると体積」「体積を微分すると表面積」という視点は、積分の意味そのものを問う良問です。第3問のような定義の記述は、日頃から教科書の定義を自分の言葉で再現する練習をしているかどうかが正面から出ます。公式の暗記にとどまらず、定義と導出をセットで説明できる状態を作っておくことが、医学部入試への確かな備えになると考えられます。
本ページが扱う入試問題の著作権は 順天堂大学 に帰属します。出典:順天堂大学 2009年度 入学試験問題「数学」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
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順天堂大学 2009年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 微分・積分
- 関数・グラフ
- 空間図形
- 指数・対数
- ベクトル
- 整数
- 図形・三角関数
この年度の出題範囲と傾向
2009年度の問題PDFでは、微分・積分、関数・グラフ、空間図形、指数・対数、ベクトルに関する語句や設問を確認できました。順天堂大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は19年度、微分・積分は19年度、整数は19年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 微分・積分、関数・グラフ、空間図形、指数・対数、ベクトル
トー
数 学
[注意事項]
1. 監督者の指示があるまで, この問題冊子を開かないこと。
2. WO, 国の解答はマークシートにマークし, 問 国 の解答は専用の解答用紙に
書くこと。
3. マークシート解答用紙は, コンピュータで処理するので, 折り曲げたり治した
りしないこと。
4. マークシートに, 氏名・受験番号を記入し, 受験番号をマークする。マークが
ない場合や誤って記入した場合の答案は無効となる。また, 問還の解答用紙に
も受験番号・氏名を記入する。無記入の場合や受験番号を誤記入した場合はその
答案は無効になる。
受験番号のマーク例(3015の場合)
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5. AG, 国において, マークするときは, HBまたはBの黒負筆を用いるこ
と。誤ってマークした場合には, 消しゴムで丁寧に消し, 消しくずを完全に取り
除いたうえで, 新たにマークし直すこと。
6. マークで解答する場合は, 下記の例に従い、正しくマークすること。
正しいマーク例 許ったマーク例
[ぷるふぐ] os*s
Vをする
完全にマークしない
BP SALT
1 マークで解答する場合,| |の中の文字は, それぞれ符号(-)または, 数
字 1 文字が対応している。ただし, 符号は選択肢に含まれない場合がある。例え
ば, [ティ|の形の場合一 9から一1の整数または 10 から 99 の整数が入り得
る。
例 一2の場合
32の場合
M8 (661—89)
[1] (kits smeer—v ee. REL, それぞれの半題で同じ記号の
| ] には同一の値がはいる。
W のニー6旭キイテキ4とするとき7ーリ 7(の= である。
ーア(*)のグラフを* 軸の負の向きに 2 だい平行移動したとき
ァーgG) =8+artthete, a= , b=
c= になる。これより7ー 2 / | オ | みとなる。
@ ッーー9z十3ダー9 |の極値は| ア | 個あり.xー| イウ|で
とる極大値 がァ座標が最も小さい極値であり, x = でと
る極小値 が座標が最も大きい極値である。
ーュ1ュー やM8(661一90)
“it # 2 -3
@ a=( p | っ | を rownmecers
| 3
と
e-| ws
B=PAQEBSE, B= :
=
= ce)
B= , B= と な
るので
(aa pad)
lim A* = となる。
an bn
ただし一般に, e=| | に対して, 各成分が収束するとき
Cn か
lim a, lim by
im. c= ("TM ee Jers.
ue dimen lim dy
2 OMB (661-91)
4 原点0(0 0, 0), MAG, 2, 1), ABC2, 1, 1),
点C(1, 4, - 2)があり, 380, ABを含む平面上に点Pを, 直線OP
と直線 PCが直交するようにとる。このとき点Pの軌跡をベクトルで考えてみ
よう。
a@=OA, 6=OB, <=0Cとする。Oメニー 5 とするとき. 0. A, B
の存在する平面上の点 X はすべてこの形で表わされることに注意する。また
ヵー OP、2 = PC とすると, 7ニー7 となり. 直交条件はかカー 0 となる。
ET, (@+の・(14ーの= となる。
at+belatbl=/ THOKAY hve d,
a-b#|a-b|=/ で割ったベクトルを<とする。
これを用いてヵーァ7 十 ye とすると
JG) 。 ビーコソ
ーー - SSS
L+ ]
ERD, ILO, A, Bを含む平面上の
v
La). =. Spence, xe
円上にある。
p= (ea), (ea), eas
17 lite Ter | をとる。
— is — M8 (661—92)
| |する作者をマークせよょ。
ッーテとャー1およびヶ軸に囲まれた部分のr軸の周りでの回転体を考える。
この回転体は底面の半径 [ ア |, me の円雛になる。ここで回転
体の体積をあたえる積分の技生分関数は各 x の値における 軸に垂直な面による
この円雛の切り口の面積になっている。点A(1. 0)を通る直線ッニーァ1
Le] Le) y
RBS, SS) tyre RS, AB= YE
L> |
となり, a=ABEBS, TOT, 線分AB上の点Cに対して, t= AC とおく。
Cを通り AB に垂直な直線のx軸との交点をD, *ー1 との交点をE とする。こ
こで, 線分DE Ex = 1および*軸に囲まれた部分 のァ電の周りでの回転体を
考える。 この回転体の側面積は*の関数として Vy LR
される。 TOMBE IDS a CHIT SL —— Liza,
次に, 直線ッニ*および円x*キy*ー2とx軸によって囲まれた扇形の 軸の
+L
周りでの回転体 WEま1 球
の体積の公式を半径 の関数として微分すると表面積となる。このことに注意す
BL, COV の表面積は( -/ )r となる。
4 = OMB (661—93)
次の問いに答えよ。答えだけでなく式・説明など解答の途中の経過を示すこ
と。
(1) Biky =f) の値域の定義を述べよ。
(2 My =f (x) ad SES, 逆開数が存在する条件と逆関数の定義を述べ
よ。
(13) 対数関数を指数関数により定義せよ。
(4 対数関数の底の変換公式を書きなさい。さらに, 指数法則より底の変換公式
を示しなさい。
に5 OMB (661一94)

