藤原進之介です。このページでは慶應義塾大学2016年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。
数学 問題
数学 解答
📑 この年度の大問インデックス(全4問)
解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。
🧭 慶應義塾大学 2016年度数学|大問ごとに「使う型」を対応させた表
解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。
| 大問 | 出題テーマ | 使う型(解法パターン事典) |
|---|---|---|
| 【1】 | 第I問(場合の数・整数・定積分) | 場合の数 |
| 【2】 | 第II問(確率・漸化式) | 確率漸化式 |
| 【3】 | 第III問(空間ベクトル・正四面体・切り口) | 空間ベクトル |
| 【4】 | 第IV問(微分・動点・道のり) | 微分法(数II) |
型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。慶應義塾大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。
慶應義塾大学 医学部 2016年度 数学の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
■ 全体の傾向
2016年度の慶應義塾大学 医学部 数学は大問4題構成です。第I問は「定員つき部屋への割り当て(場合の数)」「一次不定方程式が正の整数解をちょうど1組もつ条件」「絶対値を含む定積分の最小化」からなる小問集合、第II問は三角形の頂点を移動する点の確率漸化式、第III問は座標空間の点から作る正四面体とその平面による切り口(台形)の面積、第IV問は偏角と動径で記述される平面上の動点の速度・道のりを扱う微分の総合問題です。
第II問は偶数回・奇数回で様子が変わる漸化式を を含む形で表し切る処理が要となり、第III問は正四面体の座標決定から切り口の台形を上底・下底・高さに分解する丁寧な計算が続きます。第IV問の(3)は道のりと2点間距離の関係を示す記述問題で、条件をベクトルの言葉に翻訳できるかが分かれ目になると考えられます。
※以下の解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、正攻法と数値代入による二重検算済み)。問題原文は上記の大学発表PDFをご参照ください。
第I問(場合の数・整数・定積分) 答:(あ) /(い) /(う) /(え) /(お) /(か) /(き) /(く)
【📖大切な定義】 区別できる人を定員の決まった部屋へ分ける「多項係数」による数え上げ、一次不定方程式 の解の間隔、そして が中央(中点)で最小になる性質です。
【👀ここに注目】(1)(i) 定員どおりに入れる
教員2人と学生7人の合計 人を、定員 の3部屋へ過不足なく入れます。 人からどの 人・ 人・ 人を各部屋に割り振るかは多項係数で
通りです。次に「2人の教員が異なる部屋に入る」割り当ては、全体から「同じ部屋に入る」場合を引きます。両教員が定員2の部屋なら残り 人を に入れて 、定員3の部屋なら 、定員4の部屋なら で、同室は 。よって
が異なる部屋に入る割り当て方です。
【👀ここに注目】(1)(ii) 学生のみを定員以内で
今度は 人の学生だけを、各部屋の定員 を超えない範囲で入れます(空室可)。各部屋の人数を とすると で、割り当ては の和です。条件を満たす を数え上げると
となります(例えば 、 など)。
【👀ここに注目】(2) 正の整数解がちょうど1組
の正の整数解は、1組見つかると でずれるので、 座標が 間隔で並びます。 が のとき なので、解は1組か2組です。実際に調べると
となり、正の解がちょうど1組なのは (え) のときで、解は (お),(か) です()。
【👀ここに注目】(3) 絶対値を含む定積分の最小
と置換すると で、 のとき なので
と書き換えられます。 を で微分すると、 より小さい部分の長さから大きい部分の長さを引いた値になり
( のとき)です。これが となる (き) で最小です。このとき区間の中点なので、両側は底辺・高さともに の直角三角形2つ分となり
が最小値です。
【✅検算】 (1) は9人・7人を計算機で全列挙して直接数えると と一致しました。(2) も のみ正の解が1組(他は2組)で確認できます。(3) は を から まで細かく走査すると最小点は 、最小値 となり整合しました。
💡ポイントコラム① 「異なる部屋に入る」は、余事象(同じ部屋)を数える方が速いことが多いです。同室の場合は教員2人がどの定員の部屋に入るかで場合分けし、残りを多項係数で処理すると見通しよく数えられます。
💡ポイントコラム② のように係数が互いに素な不定方程式では、解の が おき・ が おきに並びます。「区間 に何本入るか」を で見積もると、解の個数の当たりがつきます。
💡ポイントコラム③ は「 を動かして左右の面積のつり合いを取る」と考えると、最小は中点 。統計での「絶対偏差を最小にするのは中央値」と同じ発想です。
第II問(確率・漸化式) 答:(あ) /(い) /(う) /(え) /(お) /(か) /(き)(く)(こ) /(け) /(さ) /(し)
【📖大切な定義】 点が頂点 のどこにあるかで状態を追う確率漸化式です。遷移は (各 )、(各 )、(確率 )で、 に入るのは「 に留まる」か「 から戻る」場合だけ、という構造をとらえます。
【👀ここに注目】(1) 漸化式を立てる
回後に にいるのは、 回後に で留まる()か、 から必ず戻る()場合です。 は から来る()か で留まる()、 は から来る()だけなので
すなわち (あ)~(か) は順に です。
【👀ここに注目】(2) 偶奇に分けて解く
実際に計算すると と、奇数回では が成り立ちます。数列を で追うと、 の分子は で漸化式 を満たし、解くと 。同様に の分子は で です。したがって
と表せます( は が2回ずつ同じ値をとることに対応します)。例えば で と一致します。
【👀ここに注目】(3) 初めて に来る確率
初めて に置かれるまで、点は の中だけを動きます( からしか へ戻らないため、それ以前は戻りが無い)。 未訪問で 回後に にいる確率を とすると から 。 回目に初めて に来るのは「 回後に (未訪問)」から ()なので
です(: と整合)。
【👀ここに注目】(4) をちょうど1回経て または
初訪問が 回目(確率 )なら、直後は で に戻り、そこから 回目まで に留まれば(確率 型で 通りの重み) は1回きりです。共通確率がちょうど打ち消して各項が となり、和を取ると
と求まります()。
【✅検算】 状態遷移を各 について ~ 万回モンテカルロ試行すると、 は上の公式( など)に一致。 は 、 は と、いずれもシミュレーション値とよく合いました。
💡ポイントコラム① が現れる漸化式は、 を主部、 を特殊解とする定数係数の形に落とし込むと解けます。分子の数列 や を書き出して隣接関係を探すのが第一歩です。
💡ポイントコラム② 「初めて 」「ちょうど1回 」は、 に入るまで/入った後の区間を 上の別の歩みとして切り分けると扱えます。 が確率 なので、 の訪問は前後を切り離す「区切り」として働きます。
💡ポイントコラム③ (4) では各項の指数部分が位置 によらず一定になり、和が というきれいな形に。これは の型で、覚えておくと計算が速くなります。
第III問(空間ベクトル・正四面体・切り口) 答:(あ) /(い) /(う) /(え) /(お) /(か) /(き) /(く) /(け) /(こ) /(さ) /(し) /(す) /(せ)
【📖大切な定義】 という内積の角度公式、そして正四面体(全辺が等しい四面体)の座標決定です。切り口の面積は、断面の台形を上底・下底・高さに分けて求めます。
【👀ここに注目】(1) 角の実現条件
は平面 上で なので水平半径 、 も 上で同じ半径です。( は水平射影のなす角)なので 。この最大値は の で、()を実現するには 、すなわち (あ) が必要十分です。さらに も課すと
より (い) です。
【👀ここに注目】(2) 正四面体の座標
辺の長さは 。 で より 、(う) 。 は から となり (え) ,(お) 。 は の3式を連立すると から ( の側)を選び
を得ます( の側は で条件に反するため除外)。実際に6辺すべてが であることを確認できます。
【👀ここに注目】切り口が四角形になる範囲
を各頂点で計算すると 。平面 は、(ともに )と を 対 に分ける で四辺 を切り、断面は四角形です。よって (け) ,(こ) 。切り口は辺 の方向 (長さ )に平行な2辺をもつ台形で、その長さは と 。和は
高さは、2辺を結ぶベクトルから平行成分を除いた大きさで (し) 。面積は
となり、 から (す) 、そのとき
が最大値です。
【✅検算】 4頂点の座標から6辺の長さを計算するとすべて 。平面 との切り口を、各辺との交点を求めて多角形として面積計算すると、 では頂点4個の四角形、 では三角形となり、面積は で最大 と一致しました。
💡ポイントコラム① 上で という条件は、水平半径 の円上を動く点として読むと内積計算に持ち込めます。角度の最大・最小は水平射影のなす角 を や にした端で決まります。
💡ポイントコラム② 正四面体の座標は「全辺が等しい」を距離の2乗の連立で書くと、2次方程式に帰着して2解が出ます。片方は正負の条件で除外できるので、問題の「いずれも正」という但し書きが解の選択を助けます。
💡ポイントコラム③ 断面が四角形か三角形かは、切る平面 が頂点を に分けるか に分けるかで決まります。各頂点の 値を先に並べると、 の範囲分けが一目で見えます。
第IV問(微分・動点・道のり) 答:(あ) /(い) /(3) 証明(本文参照)
【📖大切な定義】 偏角 と動径 による位置 の速度、および速度ベクトルと動径方向単位ベクトル のなす角です。速さは で与えられます。
【👀ここに注目】(1) なす角の余弦
のもとで速度は 。動径方向 との内積は 、大きさは 、 なので
となります( は、速度の動径方向成分が であることに対応します)。
【👀ここに注目】(2) のときの
より 。両辺2乗して整理すると 、 から です。 を用いて
が得られます。
【👀ここに注目】(3) 道のりと2点間距離の関係(証明)
条件(i)(ii)より両動点とも ( は定数)と書け、位置は です。速度は で、内積を計算すると
条件(iii)「常に 」は 、すなわち と同値です。このとき2点間距離は
一方、
となり、示すべき等式が成り立ちます。
【✅検算】
💡ポイントコラム① 極座標的な運動では、速度の動径方向成分が
💡ポイントコラム②
💡ポイントコラム③ (3)は「道のり=距離の差」という一見不思議な等式ですが、2点が常に一定の角度差を保ち相似に膨らむため、2点間距離自身が
■ この問題からの教訓 2016年度の慶應医は、「数え方の工夫」「偶奇での場合分け」「座標化と分解」「条件のベクトル翻訳」と、分野をまたいで手を動かす力が問われました。第I問は余事象や置換で数え上げを軽くし、第II問は
▶ 関連:慶應義塾大学 2017年度 数学|2015年度 数学|過去問解説・数学問題集
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本ページが扱う入試問題の著作権は 慶應義塾大学 に帰属します。出典:慶應義塾大学 2016年度 入学試験問題「数学」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
解けなかった問題を、そのままにしない。
医学部の数学は「難問勝負」ではなく精度勝負です。手が止まったのが方針なのか、場合分けの宣言なのか、検算なのか——どこで崩れたかで、次にやることは変わります。
慶應義塾大学 数学 過去問|他の年度を見る
慶應義塾大学の数学の過去問は31年度ぶんを公開しています。そのうち31年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
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「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。
🔁 同じ年度の他の科目
慶應義塾大学 2016年度 英語同じ大学・同じ年度の英語です。2016年度の数学を解いたあとに続けて確認すると、その年の出題の重さが掴めます。
公開している全年度は慶應義塾大学 医学部 数学 過去問の傾向と解答・解説 年度別…にまとめてあります。
問題PDFをテキストでも確認
慶應義塾大学 2016年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 確率・場合の数
- 図形・三角関数
- 微分・積分
この年度の出題範囲と傾向
2016年度の問題PDFでは、確率・場合の数、図形・三角関数、微分・積分に関する語句や設問を確認できました。慶應義塾大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は31年度、微分・積分は30年度、整数は30年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 確率・場合の数、図形・三角関数、微分・積分
BEM RA EAE UR A mee
ee NN
NN数へ学いNN
、 注意事項 : LUI 、 ee
A, 受験番号と氏名は解答用紙の所定の記入欄にそれぞれ記入してください。 ee
1 2. 受験番号は所定楠の枠の中に1 字1字記入してください。 ーー 1
: 3. 解答は, 必ず解答用紙の所定の欄に記入してください。 NN
: 4. この問題和子の余白を計算および下書きに用いてください。 KM い :
: : 5. この問題冊子の総ページ数は12ページです。 試験開始の合図とともにすべての -
NO ページが揃っているかどうか確認してください。ページの脱落や重複があった
2 - ら直ちに監督者申し出てください。 ) 。 JUL
(6, COMMBFIS, 試験終了後に持ち帰ってください。 :
- sn ais :
om ーー 下書き計算用 一
ーー一 FRR II
以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文意を完成させなさい。ただし設問(2)
5 の空欄(え) には選択肢より適切な数を選んで記入しなさい。 ee 1
1 、 (1) 定員2 名, 3%, 4名の8つの部屋がある。 」
(i) 2人の教員と7人の学生の合計9人をとれらの3つの部屋に定員どおりに入れる
割り当て方は| (あぁ) |とおりである。また, その創り当て方のなかで2 人の救員
が異なる部屋に入るようにずる割り当て方は| (い) | とおりである。
て Gi) 7人の学生のみを, これらの3つの部屋に定員を超えないように入れる割り
、 当て方は| (う) |とおりである。 ただし誰も入らない部屋があってもよい。
(2) sae Yen ALE e+ tty=clte=[ (え) |のときァ>0. y>0r sma
をちょうど1組もつ。そのときの解は *, =(| Gぉ) | | 7) |)でぁs。 1
(A) の選択肢 222 223 224 HO
(3) すべての実数婦 に対して ny -
ee 7の= | e-wea でい
により定義される開数 om は, カー| (き) |において最小仙| (く) |をとる。
5 — 下書き計算用 —
」 以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。 1
三角形 ABC の頂点上に関かれた点P に対する次の哲作を考える。
: 操作 ーーー |
fe | (Tl) MP OTR A 上に置かれているときは、 確率 訪 でそのままにしておき、
ee CRAB 上に移す。 ne oe
ご CT2) APRRAB KiB cose ete, WERE でそのままにしておき。
Wek す で頂点で上に移す。
(T3) 点P が頂点C 上に置かれているときは, 必ず頂点 A 上に移す。 1
] LLB n,m SERRE LU; 点Pを順点& 上に置いて 操作 を繰り返し行う。 BET
をヵ回繰り返し終えたとき, 点Pが頂点A 上に置かれている確率を避, 頂点B上に
TCO SRE bp, 頂点C 上に置かれている確率を e。 とする。
ーー OO) BB2OR Ban, dys 0. Bain, Bocas Coes で表すと Ne
ae =| (あ) |aat) (の) fort To
= (3) Jar +) G) |あっ: LV 。
co (お) 18コキ| 7) en 1
、 である。 っ は RA Los |
(2) (1)よりを求めると。 Gmi=[ (き) | anコー| (く) |であり,
」 @in=[ (は) | bm=| (に) |である。 sn
SM (3) 操作Tをヶヵ回繰り返し終えたとき初めて点P が頂点C 上に置かれる確率を ぬ と
するど, a=| (き) |であぁる。 : 1 」 : ‘
(4) SET £n RD RUMARLE SA PAPAAKREBO LEON, DotA
までに 1 回だけ頂点 C 上に直かれていた確率を 。 とすると,%王| (し) CHS,
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