藤原進之介です。このページでは近畿大学2022年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。
数学 問題
数学 解答
📑 この年度の大問インデックス(全3問)
解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。
近畿大学 医学部 2022年度 数学の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
出題形式と傾向:大問3題で、第1問は空欄補充(マーク式)、第2問・第3問は記述式という混合構成です。分野は、鋭角三角形と垂線・垂心・共円条件をめぐる平面幾何(第1問)、感染の広がりを漸化式でモデル化する数列(第2問)、2つの放物線が囲む面積と の最大・最小を扱う2次関数+線形計画(第3問)。図形・数列・関数の主要3分野を、いずれも「定義に忠実な立式」で処理させる、医学部としては標準〜やや易の総合セットです。
合否を分ける点:第1問は垂心の性質と直角=タレスの定理による共円を座標で押さえられるか、第2問は「感染して4日間だけ他者に感染させる」という条件を という漸化式に翻訳し、感染者数を「直近4日ぶんの新規感染者の和」と読めるか、第3問は を「傾き2の直線群」と見て放物線への接線条件に帰着できるかが要になります。計算量は多くないぶん、条件の言い換えの精度が得点を左右する構成と考えられます。
※以下の解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、正攻法と数値代入による二重検算済み)。問題原文は上記の大学発表PDFをご参照ください。
第1問(平面幾何・垂線と垂心・共円) 答:ア 、イ 、ウ 、エ 、オ 、カ
【📖大切な定義】三角形の各頂点から対辺に下ろした3本の垂線は1点で交わり、その点を垂心といいます。本問の は垂線 と垂線 の交点なので、垂心にほかなりません。また「線分を直径とする円周上の点からその線分を見込む角は直角」(タレスの定理)の逆を使うと、直角がそろった4点が同一円周上に乗ることを示せます。
【👀ここに注目】 が を に内分するので 。 より直角三角形が2つでき、三平方の定理だけで が定まります。座標を を原点、 を 軸にとると計算全体が一気に見通せます。
(1) の方針・解答: より (ア)。次に と から (イ)。
(2) の方針・解答: を原点、 を 軸にとり と置きます。 は直線 。 は垂心で 上にあるので 。 は を通り に垂直で、 より方向 、 が となるのは 、このとき 。よって 。
(ウ)。
は から へ を 倍した点 で、 より 。 だから (エ)。
は一直線上にあり なので (オ)。
最後に ( は 軸、 は 軸方向)、( は 上で に垂直)だから、 を直径とする円周上に が乗り、4点 は共円。半径は で、 より、半径 (カ)。
【✅検算】相似を使う正攻法でも一致します。 より 、。メネラウスの定理を と直線 に適用すると 、すなわち から 。半径は 。座標・相似・メネラウスのいずれでも全値が一致しました。
【💡ポイントコラム】「垂線2本の交点」と出てきたら、それは自動的に第3の垂線も通る垂心です。垂心がらみでは相似三角形( など、対応する直角と共通角から)が量産され、辺の比が芋づる式に求まります。
【💡ポイントコラム】4点が同一円周上にあるかは「直角を2つ探す」が最速です。 なら はともに を直径とする円上にあり、その円が求める外接円。半径は直径 の半分、と直ちに分かります。
第2問(数列・漸化式による感染モデル) 答:(1) 感染者 人・新規 人 (2) 感染者 人・新規 人 (3) 感染者 人・新規 人
【📖大切な定義】調査 日目の新規感染者数を 、感染者数(その日に感染している人の総数)を とおきます。1人の感染者は感染1〜3日目に毎日1人へうつし、感染4日目は他者にうつさず、感染5日目に回復して感染者でなくなります。つまり感染者でいる期間は「感染1〜4日目」の4日間なので、感染者数は直近4日ぶんの新規感染者の和 で表せます。
【👀ここに注目】ある日の新規感染者は、その日に「感染させる力を持つ人」全員が1人ずつ生み出します。感染させるのは感染1〜3日目の人なので、新規感染者の漸化式は「直近3日ぶんの新規感染者の和」 となります(トリボナッチ型)。初期値は 。この は、調査1日目の1人が2日目・3日目にそれぞれ1人ずつうつすことに対応します。
(1) の方針・解答: を順に計算します。。よって10日目の新規感染者は 人。感染者数は 人。
(2) の方針・解答:全員が予防対策をとり「感染3日目以降はうつさない」なら、感染させるのは感染1〜2日目の2日間。新規感染者は (フィボナッチ型)、。よって 。感染者でいる期間(1〜4日目の4日間)は変わらないので 人、新規は 人。
(3) の方針・解答:さらにワクチンで「感染2日目以降はうつさない」なら、感染させるのは感染1日目の1日だけ。新規感染者は 、 より (毎日ちょうど1人が新規感染)。感染者数は 人、新規は 人。
【✅検算】問題文の与件(調査5日目までに1,2,4,8,14人)と一致するか確かめます。感染者数の定義 ( 以下は0)で(1)のモデルを見ると、 となり与件を完全に再現します。さらに を独立に確かめるため、初日の1人から枝分かれする感染を世代ごとにプログラム的に数え上げても、10日目の新規感染は149、その時点の感染中人数は298となり一致しました。
【💡ポイントコラム】「毎日1人にうつす」「◯日目以降はうつさない」という条件は、そのまま漸化式の項数に翻訳できます。うつす期間が 日なら新規感染は「直近 日ぶんの和」。(1)は3日で3項和、(2)は2日でフィボナッチ、(3)は1日で定数列、と自然につながります。
【💡ポイントコラム】「感染者数」と「新規感染者数」を混同しないことが最大の落とし穴です。感染者数はいま感染している人の在庫(直近4日ぶんの和)、新規感染者数はその日に増えたぶん( そのもの)。在庫と流入を分けて数える発想は、確率漸化式や年金・借入の数列でも同じく効きます。
第3問(2次関数・面積と の最大最小) 答:(1) (2) 最大値9のとき 、最小値 のとき
【📖大切な定義】2つの放物線 が ()で交わるとき、囲まれた面積は差 の定積分で、有名な公式 (いわゆる 公式の係数2倍版)が使えます。
【👀ここに注目】。 なので交点は 、区間の幅は 。ここに面積公式を当てると の3次式1本で(1)が片づきます。
(1) の方針・解答:区間 で だから、面積は 。これが9に等しいので ( を満たす)。
(2) の方針・解答: すなわち は傾き2・切片 の直線群で、 が大きいほど切片は下がります。動く点 は「 かつ 」を満たす、(1)の2放物線に挟まれた領域を動きます。
最大: が最大になるのは直線が領域の下側の縁 に接するとき。 より接点は 、、接点 。ここで 。これが9のとき ()。
最小: が最小になるのは直線が上側の縁 に接するとき。 より接点は 、、接点 。。これが のとき ()。
【✅検算】 のとき2放物線の交点は 、下の縁 上で は で最大値 をとり一致。 のとき、上の縁 上で は で最小、値は に すなわち を代入すると となり確かに 。接点が区間 の内部()にあることも確認済みで、端点で最大最小をとる場合は条件を満たさないことも別途確かめました。
【💡ポイントコラム】面積の 公式は「上−下 」の形にしてから使うのが安全です。先頭係数(本問は差の段階で2)を落とすと面積が半分になる事故が起きがち。交点の幅 の3乗に比例する、と押さえておけば の方程式づくりも速くなります。
【💡ポイントコラム】 の最大最小は「傾き2の直線を平行移動して領域にギリギリ接する位置」を探す線形計画の発想です。境界が放物線なら、接する=微分係数が2、で接点が一発。最大は下側の境界 、最小は上側の境界 に触れる、という上下の対応を図でイメージすると迷いません。
この年度から学べる教訓:2022年度の近畿大学医学部は、3題とも「日本語の条件を数式の言葉へ翻訳する」力を試すセットでした。第1問は垂線2本の交点を垂心と見抜き、直角を2つ集めて共円に持ち込む。第2問は「うつす期間」をそのまま漸化式の項数に写し、感染者数を在庫(直近4日の和)と流入(新規 )に分けて数える。第3問は を傾き2の直線群と読み、放物線への接線条件へ落とす。いずれも派手な計算力より、定義に忠実な立式と、別ルート(座標・相似・メネラウス、公式と数え上げ、微分と代入)での検算が事故を防ぎます。手が止まったら「この条件は何の定義か」に立ち返る姿勢が、この形式では特に有効と考えられます。
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本ページが扱う入試問題の著作権は 近畿大学 に帰属します。出典:近畿大学 2022年度 入学試験問題「数学」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
解けなかった問題を、そのままにしない。
医学部の数学は「難問勝負」ではなく精度勝負です。手が止まったのが方針なのか、場合分けの宣言なのか、検算なのか——どこで崩れたかで、次にやることは変わります。
近畿大学 数学 過去問|他の年度を見る
近畿大学の数学の過去問は16年度ぶんを公開しています。そのうち16年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。
🔁 同じ年度の他の科目
近畿大学 2022年度 英語同じ大学・同じ年度の英語です。2022年度の数学を解いたあとに続けて確認すると、その年の出題の重さが掴めます。
公開している全年度は近畿大学 医学部 数学 過去問の傾向と解答・解説 年度別まと…にまとめてあります。
問題PDFをテキストでも確認
近畿大学 2022年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 図形・三角関数
- 整数
この年度の出題範囲と傾向
2022年度の問題PDFでは、図形・三角関数、整数に関する語句や設問を確認できました。近畿大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は15年度、微分・積分は15年度、指数・対数は13年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 図形・三角関数、整数
(2) 解答は必ず別に配布する解答用紙に記入すること。
(3) 分数形が解答で求められているときは, 既約分数 (それ以上約分できない分数) で答える。
(4) 根号を含む形で解答する場合は, 根号の中に現れる自然数が, 最小となる形で答える。
(5) 根号を含む分数形の解答は, 分母を有理化した形で答える。
() (令和4年1月30日 一般入試・前期)
(問題次ページから始まる)
鋭角三角形 ABCがあり, AB=13, BC=15 であるとする。点んから
辺BCに下ろした垂線と BO との交点を D EBS, ADAW BCE 1: 210A
するときについて考える。
a) aD=[_7 |AC=| イ |でぁる。
(2) RC MSW ABIES LEBME ABLORAL E LBS, 直線 AD と
直線 CB LORREH EK, このときOHニ=[ ゥ| =[= |
At し である。 また,4太B,D,反は円周上にあり, その円の
半径は| カ |である。
ニュー
( 計 算 用 紙 )
ee Glew
ある地域で発生した感染症 A について, 次の感染モデルを考える。
感染症 A は, 1 日に感染者1 人から他者 1 人に感染する。以下では, 感染症 人
に感染した翌日から数えてヵ日目を「感染ヵ日目」(ただしゅ=1.2,...) という
ことにする。感染症 A は, 対策を講じなければ, 感染 1 日目から3 日間は1日に
感染者 1人から他者 1 人に感染し, 感染4 日目の感染者からは感染せず, 感染5
日目に回復 して感染症 A の感染者ではなくなる。また, 調査1 日目に新規感染者
が1人いたとする。
このモデルの下での感染者数は, 調査 1 日目 1 人, 調査2 日目 2人, 調査3 日目
4 人, 調査4 日目 8人, 調査5日目14人となる。地域住民の数が十分に多いと仮
ELT, 次の問いに答えよ。ただし, 他地域からの感染等, 感染モデルに含まれ
ないその他一切の影響を考えなくてよいものとする。
(1) 上記感染モデルの下での調査 10 日目の感染者数および新規感染者数を求
めよ。
(2) 地域住民全員が感染予防対策を施していれば, 感染 3 日目以降の感染症A
も他者に感染することはない。この修正モデルの下での調査10 日目の感
染者数および新規感染者数を求めよ。
(3) 地域住民全員が感染予防対策を施し, さらにワクチンを接種していれば, 感
染2日目以降の感染症 A も他者に感染することはない。この修正モデルの
下での調査 10 日目の感染者数および新規感染者数を求めよ。
aay =
( at 算 用 ® )
oe
