医学部受験

北里大学 2009年度 数学

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは北里大学2009年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
三角形OABにおいて
そのなす角が である。三角形OABの面積と を求めよ。
——さて、どこから手をつける?
数強塾オリジナルの類題です。この年度の実際の入試問題ではありません。実際の問題と解答は、このページのPDFでご確認ください。

数学 問題

数学 解答

📑 この年度の大問インデックス(全3問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

北里大学 医学部 2009年度 数学の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

出題形式と傾向:この年度(平成21年度・医学部医学科選抜・学士入学試験)は大問3題構成のようです。第1問は空所補充(マーク)型の小問集合で、(1)二項展開の係数と定数項の和・条件を満たす の組、(2)放物線の焦点・接線と法線・法線と焦点半径のなす角、(3)さいころを4回振って球を入れる確率、(4)三角形の面積・ベクトルの内分点・垂線の足・交点、と幅広い分野を横断しています。第2問は2次正方行列の交換可能条件からケーリー・ハミルトンの定理を用いて を解く記述問題、第3問は4次関数の極値・面積・面積比の方程式に関する記述問題です。第2問・第3問は「解答の過程を必ず記すこと」と明記された記述式である点が、単問マーク型の大学とは異なる特徴といえそうです。

合否を分ける点:第1問は分量が多く、二項定理・放物線の性質・反復試行の確率・平面ベクトルという別分野を、途切れずに正確な値へ落とし込む処理力が問われているように見えます。第2問は「交換可能 から の形を絞る」「ケーリー・ハミルトンで次数を下げる」という2本柱が骨格で、第3問は「偶関数の対称性で積分を軽くする」「面積比の等式を高次方程式に翻訳し、増減で解の一意性を示す」という流れが中心になります。難問を1つ解く力より、これらの基本手筋を記述で説明しきる再現性が合格ラインに直結すると考えられます。

※以下の解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、正攻法と数値代入による二重検算済み)。問題原文は上記の大学発表PDFをご参照ください。

第1問(小問集合:二項定理/放物線/確率/平面ベクトル) 答:(ア) |(イ) /(ウ) |(エ) 4(組)|(オ) |(カ) |(キ) |(ク) |(ケ) |(コ) |(サ) |(シ) |(ス) |(セ) |(ソ) /(タ) |(チ) |(ツ) /(テ) |(ト)

【📖大切な定義】二項定理より 。よって の係数は ((ア))です。放物線 の焦点は 。反復試行では各回が独立で、 回中の並び方を数え上げるのが基本になります。平面ベクトルでは、内分点は の形、面積は外積型 で扱えます。

【👀ここに注目】(1) は「全係数と定数項の和」を の代入 と読み替えると一気に見通せます。(2) は法線と焦点半径のなす角が、計算すると というきわめて簡潔な形に化けるのが急所です。(4) は基底を に固定し、内積 を一度求めておくと全問が滑らかにつながります。

方針・解答(1) の係数は ((ア))。「 の係数すべてと定数項の和」は を代入した に等しく、これが 625 なので

したがって ((イ))または ((ウ))。次に の係数は で、これが 216 のとき 、すなわち と組み合わせ、 を2次方程式 の解として求めると、 のもとで次の4組が得られます。

よって条件を満たす組は全部で 4 組((エ))。この4組の で、いちばん小さいのは ((オ)、このとき )。

方針・解答(2) だから焦点は ((カ))。点 すなわち を満たします。 を微分して より での接線の傾きは 。接線は

((キ)、 を用いました)。法線は傾き をもち

((ク))。直線 の傾きは 。法線の傾き との間で、なす角 の正接を計算すると

と、みごとに簡約されます。 より 、正の数 ((ケ))。

方針・解答(3):さいころを4回振り、出た目の箱に球を1個ずつ入れます。各回は独立で、目の並びは全部で 通り。
(i) 1個の箱だけに球が入るのは、4回とも同じ目のとき。箱の選び方6通りで ((コ))。
(ii) 箱1と箱2の両方に球が入り他に入らないのは、4回の目がすべて に属し、かつ1と2が少なくとも1回ずつ出る場合。目が に入るのは 通り、そこから「全部1」「全部2」の2通りを除いて 通り。よって ((サ))。
(iii) 2個の箱に2つずつ入るのは、箱の選び方 通り、そのうえで4回の並びを に分ける並べ方 通りだから ((シ))。
(iv) 4個の箱に1つずつ入るのは、4回とも異なる目が出る場合で 通り。よって ((ス))。

方針・解答(4) とおくと
(i) 面積は ((セ))。
(ii) に内分するので 。よって係数は (ソ) 、(タ)
(iii) から に下ろした垂線の足で、。ゆえに となり

係数は (チ) の係数は1)。
(iv) と表し、同時に が直線 上にあることから とも書けます。 は1次独立なので係数を比較して

第2式を第1式に代入すると 、整理して 。したがって

係数は (ツ) 、(テ)
(v) は底辺 と共有し、 方向成分が高さの比を与えます。 成分は1、 なので

が (ト) です。

【✅検算】(1) 代表として を戻すと の係数は 代入は で条件に一致。 最小の 係数 で成立。(2) なら の傾き 、法線の傾き 。なす角は と一致。(3) 確率は具体列挙とも整合し、たとえば(iv)は 。(4) で、 が線分 双方の内部にあることと矛盾しません。面積も外積型 で同じ値です。

【💡ポイントコラム】「全係数の和は 代入」:多項式の係数をすべて足したいときは、変数に1を代入するのが定石です。(1) では の全係数と定数項の和を と読み替えた瞬間に、条件が という一本の式へ凝縮しました。展開して1項ずつ足す必要はありません。係数の和・偶数次だけの和( の平均)など、代入で情報を引き出す発想は多くの場面で有効そうです。

【💡ポイントコラム】反復試行は「並びの総数を数える」:(3) の4つの確率は、いずれも「 通りの目の並び」を分母に固定し、条件を満たす並びを数え上げるだけで求まりました。(ii) の「両方の箱に入る」は から全部同じの2通りを引く「余事象の間引き」、(iii)(iv) は箱の選び方と並べ替えの積、と役割がはっきりしています。確率の問題では、まず全事象を1つの数え上げ空間にそろえてしまうと、各設問の違いが「数え方の違い」として見通しよく整理できます。

第2問(行列:交換可能条件とケーリー・ハミルトンの定理) 答:(1) |(2) |(3) |(4)

【📖大切な定義】2次正方行列 について、ケーリー・ハミルトンの定理は は対角成分の和、 は行列式です。これにより の1次結合に落とせ、さらに高次のべきも同じ枠内で表せます。また の実数倍でないとき、 からは が従います(1次独立性)。

【👀ここに注目】まず を成分比較して の自由度を の2つに絞るのが出発点です。すると の1次結合で書け、 のべきはすべて (あるいは )と の世界で閉じます。最後の は、 の1次結合で表し、 の実数倍でないことから係数を比較すれば、 の連立に帰着します。

方針・解答(1) について

の各成分を比較すると から から (残り2式もこれらと矛盾しません)。よって

方針・解答(2) を (1) の と比較します。 より 。( も右下成分と一致します。)よって

方針・解答(3) に対するケーリー・ハミルトンの定理を用います。 だから

と比較して、 より の実数倍でないので係数は一意に定まり

方針・解答(4):(3) を使って を下げます。

ここに (2) の を代入すると

の係数は )。 と比較し、 の実数倍でないので

第1式より だから、第2式は 。このとき で、第1式は 、すなわち より 。よって

【✅検算】(1) の は実際 を満たします(たとえば なら で明らかに交換可能)。(4) は数値でも確認できます。 より 。この を3乗すると各成分は にごく近い値となり、 が数値的にも成り立ちます。また で第1式も満たされています。

【💡ポイントコラム】交換可能な行列は「 の1次結合」 を満たす は、 が単位行列の定数倍でない限り の形に限られます(この年の(1)(2)がまさにその具体化)。この事実を知っていると、成分の泥臭い連立を組む前に「答えは の重ね合わせ」と当たりをつけられます。さらにケーリー・ハミルトンで を1次に落とせば、 の何乗でも の世界で計算が閉じ、 のような高次方程式も係数比較だけで解けるようになります。

第3問(微分・積分:4次関数の極値・面積・面積比) 答:(1) で極大値 で極小値 |(2) |(3)

【📖大切な定義】 は偶関数です。極値は の前後の符号変化で判定し、面積は「 軸との上下関係」を確かめてから積分の符号を決めます。偶関数の定積分は と半分にできるのも有効です。

【👀ここに注目】 と4つの実根 より )をもつので、区間 では では が符号で読めます。(3) の は分母 15 が共通なので分子どうしの等式に直せ、 での解の一意性は因数分解と増減で示せます。

方針・解答(1) を微分して

より または 。符号を調べると の前後で (極大)、 の前後で (極小)。極大値は 。極小値は を代入して

よって で極大値 で極小値

方針・解答(2) なので、偶関数性を使って

では だから 。原始関数を とすると

(整理すると分子は )。

方針・解答(3) は分母 15 が共通なので分子で

これを整理すると 、2で割って

が1つの解です。残る について、 での符号を調べます。 で正( かつ増加)なので で単調増加。 より では で、 となる は存在しません。したがって を満たす はただ1つ、 と定まります。

【✅検算】(1) の極小値は、 のとき 、極大値は 付近の代わりに)で見ると と負で、極小 と整合します。(2)(3) は を代入して 。すると でぴたりと一致し、 が成り立ちます。因数分解も を展開すると に戻ることで確認できます。

【💡ポイントコラム】面積比の方程式は「因数分解+増減で一意性」:(3) のように「 を満たす を求めよ」という問いは、まず両辺を多項式の等式に直し、明らかな解を1つ見つけて因数分解し、残りの因数が指定範囲で符号を変えないことを微分で示す、という型で処理できます。この年は が素直に見つかり、残る4次式が で正であることを単調増加+端点の値で押さえるだけでした。「解を1つ当てて割り、残りの符号を追う」という段取りは、解の個数を問う問題全般に通じる考え方といえそうです。

この年から学ぶ教訓:2009年度の北里医学部(選抜・学士入学)は、第1問で二項定理・放物線・確率・平面ベクトルを横断する処理力を、第2問・第3問で「交換可能条件とケーリー・ハミルトンによる次数下げ」「偶関数の対称性と面積比の一意性」を記述で問う構成でした。共通して効いていたのは、(1)係数の和は 代入で捉える、(2)反復試行は全事象を1つの数え上げ空間にそろえる、(3)行列は を押さえて次数を下げる、(4)面積比の等式は因数分解と増減で解の一意性を示す、という4つの発想です。難問を1つ解く力よりも、これらの基本手筋を過不足なく記述しきる再現性が、合格ラインに直結すると考えられます。

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は 北里大学 に帰属します。出典:北里大学 2009年度 入学試験問題「数学」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。

北里大学 数学 過去問|他の年度を見る

北里大学の数学の過去問は20年度ぶんを公開しています。そのうち20年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。

「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。

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北里大学 2009年度 英語

同じ大学・同じ年度の英語です。2009年度の数学を解いたあとに続けて確認すると、その年の出題の重さが掴めます。

公開している全年度は北里大学医学部 数学の傾向と対策にまとめてあります。

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問題PDFをテキストでも確認

北里大学 2009年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 微分・積分
  • 確率・場合の数
  • 図形・三角関数
  • 方程式・不等式

この年度の出題範囲と傾向

2009年度の問題PDFでは、微分・積分、確率・場合の数、図形・三角関数、方程式・不等式に関する語句や設問を確認できました。北里大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は20年度、微分・積分は20年度、確率・場合の数は19年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 微分・積分、確率・場合の数、図形・三角関数、方程式・不等式

【8】は。 解答の過程を必ず記すとと。
この線より上には解答を書かないこと。
0) つぎの| | にあてはまる答を下の解和拉に記せ。

(1) a, 1は0 でない定数とする。 (ar + OM ORMACBO Sx! (ただし, 15k S4) OMI 2 項係数と4, ヵ を用いて ERENS, x! OR
すべてと定数項の和が 625 であるとき, あは々 を用いて 。 または と表される。このとき, さらに, a> dx? の係数が 216 となると
ED a, 5 の組は全部で MOY, そのうち1 の値が 1 番小さいものは? 一 である。

Q) 放物線C:"ー4z の上に点 PCg, ELS. REL, 2子 0 とする。 との放物線の全点A の座標は であり, 点Pにおけるでの接線と法線の
方程式は, 5を用いてそれぞれゥ=ニ| @ |. = と表される。 TOUBLMMAPORT AMT CHSLES, 正の数》の値は
b= である。

8) 6個の箱があり, 1から 6 まで番号がついている。さいころを振り。出た日の数と同じ数のついた箱に球を1つ入れる。ただし。 球は元に戻さない。これ
を4 回線り返す。

(i) 1個の逢にだけ球が入る確率は である。

Gi) 番号1のついた箱と番号 2 のついた箱の両方に村が入り, 他の箱には球が入らない確率は である。
Gi) 2個の細に2つずっつ球がが入る確率は である。

WW) 4個の箱に1 DT ARAA SENS である。

(4) 三角形ABCがあり, AB=3, BC=4, ZABC=60° CHS, ACE 2:1 に内分した点をセとし, Aから線分BCに下ろした垂線の足を是 とす

る。 また, MY BE と線分 AH の交点をPとする。BCニ4 BA一) とおく。
(i) 三角形ABCの面積は である。

10 現をと?を用いて表すと, BE=| |24+| の |]? である。
10 HKをると#を用いて表すと。呈はー| の |] 4+7 である。

ww BPをと?を用いて表すと、BPニ| Oo |2+| @ |b cas.
(9) 三角形 BPC の両積は である。

et
R
Hyp A
OML(049—D

平成 21 年度 医学部医学科選抜・学士入学試験問是 数学一2
注意事項 1. 数学(選抜)の用紙は 3 枚である。 3 枚とも解答すること。
2. 3 枚とも受験療号と氏名の記入を忘れないこと。
3. (2), (3), 解答の過程を必ず記すこと。
この線より上には解答を書かないこと。
1 1 b
(2) zona =( 1 | : x=(" ‘| は AX=XA を満たしているとする。ただし, a, b,c, d は実数で.ヵ地 0 とする。また, 互を単位行列と
する。 .
(1) GAXea kb OSEMYTHE.
S x=
(2) Sst X=mA+ ak を満たす実数、ヵをgoと)を用いて表せ。
= m= a=
(3) 等式 X?ーsX十万 を満たす実数s, tba, ) を用いて表せ。
答 sz ,t=
@ Y=A OLX, FAXERDK,
答 X=
2 採
やM1(049一2)

平成 21年度 医学部医学科選抜・学士入学試験問題 数学一3
注意事項 1. 数学(選抜)の用紙は 3 枚である。 3 枚とも解答すること。
2. 3枚とも受験番号と氏名の記入を忘れないこと。
3. (2), 【3)は, 解答の過程を必ず記すこと。
との線より上には解答を書かないこと。
{3】 定数1に対し, f@)=(?-1)G?-a*) EBS. HRY =f) (一1ミァ*ミ1) と*軸とで囲まれた部分の面積を Si、 My =f) (1 SxSa)
と*軸とで囲まれた部分の面積を $。 とする。
1) f(r) OMB a を用いて表せ。
&
Q StS を4 を用いて表せ。
答 = » a=
(3) 115.= 19S, EH a OM MEE LOCHSTLERL, かつg の値を求めよ。
S a=
、 採
のM1(049一3)

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