医学部受験

北里大学 2010年度 数学

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは北里大学2010年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
三角形OABにおいて
そのなす角が である。三角形OABの面積と を求めよ。
——さて、どこから手をつける?
数強塾オリジナルの類題です。この年度の実際の入試問題ではありません。実際の問題と解答は、このページのPDFでご確認ください。

数学 問題

数学 解答

📑 この年度の大問インデックス(全3問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

🧭 北里大学 2010年度数学|大問ごとに「使う型」を対応させた表

解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。

大問出題テーマ使う型(解法パターン事典)
第1問第1問(小問集合:三角関数と3次関数/双曲線の接線/場合の数と確率)確率
第2問第2問(1次変換:行列の決定・対角化・数列の極限)極限
第3問第3問(微分・積分:ロドリゲス型多項式の論証と部分積分)積分法(数II)

型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。北里大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。

北里大学 医学部 2010年度 数学の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

出題形式と傾向:この年度(平成22年度・医学部医学科選抜・学士入学試験)は大問3題構成です。第1問は空所補充型の小問集合で、(1)三角関数を に置換した3次関数の最大最小、(2)双曲線の接線と漸近線が切り取る線分の比、(3)色付きカードを並べる場合の数と確率、という総合セット。第2問は1次変換(行列)を固有ベクトルから決定し、対角化を用いて数列の一般項と極限へつなぐ融合問題、第3問は 回微分して得られる多項式(ロドリゲス型)をめぐる論証と部分積分の問題です。第2問・第3問は「解答の過程を必ず記すこと」と明記された記述式である点が特徴といえそうです。

合否を分ける点:第1問は「置き換えて変域を追う」「対称性・比を見抜く」という定石を、計算ミスなく空所に落とし込めるかが鍵です。第2問は行列を現行課程で学ばない受験生も多い題材ですが、 つの直線上の点の像から を復元し、固有ベクトルを列に並べた で対角化する流れは、隣接2項間の数列を線形代数で解く発想としてそのまま応用が利きます。第3問は「境界で因子が消えるから部分積分の境界項が落ちる」という一点を見抜けるかどうかがすべてで、公式暗記ではなく構造を説明しきる記述力が問われているように見えます。

※以下の解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、正攻法と数値代入による二重検算済み)。問題原文は上記の大学発表PDFをご参照ください。

第1問(小問集合:三角関数と3次関数/双曲線の接線/場合の数と確率) 答:(ア) |(イ) |(ウ) |(エ) |(オ) |(カ) |(キ) |(ク) |(ケ) |(コ) |(サ) |(シ) |(ス)

【📖大切な定義】 の2式は、三角関数を の多項式に翻訳するための基本工具です。双曲線 上の点 における接線は 、漸近線は です。確率は「(条件を満たす並べ方)÷(全並べ方)」で、分子・分母をともに順列で数えるか、ともに組合せで数えるかをそろえるのが要点になります。

【👀ここに注目】(1)は のとき を1対1で動くので、 の最大最小は の3次関数 上の最大最小に完全に一致します。(2)は接線と2本の漸近線の交点 を求め、 の長さを比べるだけ。(3)は各色2枚ずつ計8枚を「区別できる8枚」とみなして順列で数えると、確率の分子・分母で並べ替えの重複が約分され、見通しよく処理できます。

方針・解答(1) を代入すると

が (ア) です。)とおくと

内の停留点は のみで、その前後で の符号は から に変わります。よって すなわち ((イ))で極大かつ最大となり

が最大値 (ウ)。端点は なので、最小値は すなわち ((エ))のときの ((オ))です。

方針・解答(2):双曲線 上の点 より 、第1象限なので ((カ))。接線

で (キ) です。漸近線 との交点 より 、すなわち 。漸近線 との交点 より 、すなわち 。したがって

が (ク)。同様に なので ((ケ))。接点 A が線分 PQ の中点になっている、という双曲線の性質が背後にあります。

方針・解答(3):赤・青・黄・緑が2枚ずつ計8枚。8枚を区別できるものとみなし、4枚を取り出して左から並べる並べ方の総数は 通りです。
(i) 緑がない並べ方は、緑以外の6枚から4枚を並べる 通り。確率は ((コ))。
(ii) ちょうど2色になるには、各色2枚しかないので選んだ2色の札をすべて(2枚+2枚)使うほかありません。色の選び方 通り、その4枚の並べ方 通りで、 通り。確率は ((サ))。
(iii) 4色になるには各色1枚ずつ。どの札を選ぶかが各色 通りで 、並べ方 通りより 通り。確率は ((シ))。
(iv) 同じ色が隣り合わない確率は、色数で場合分けし条件付き確率を足し合わせます。3色になる確率は 。並びのパターン(同色の札は区別せず)で、隣り合わない割合は 2色のとき (例:ABAB, BABA の2通り)、3色のとき 、4色のときはつねに 。よって

が (ス) です。

【✅検算】(1)は端点と停留点の値を数値代入で再計算: で最大 ・最小 と一致。(2)は の中点が となり、 すなわち (ケ) を独立に確認。(3)は ではなく各設問を別法で照合しました。(ii)+(iii)+3色 と色数の全確率が になり整合。(iv)は と分子も再計算して一致します。

【💡ポイントコラム】置換したら「変域も一緒に運ぶ」:(1)で と置いた瞬間、 へと翻訳されます。三角関数の最大最小を多項式に落とすとき、最後に効いてくるのはこの変域です。停留点が区間の内側にあるか、端点が最小最大を担うか——置換のたびに「新しい変数の動く範囲」を必ず書き添える習慣が、取りこぼしを防ぎます。

【💡ポイントコラム】確率は分子・分母の数え方をそろえる:(3)では8枚を「区別できる」とみなして順列で総数 を作り、分子も順列で数えました。もし総数を組合せ で数えるなら、分子も組合せで数える必要があります。分子と分母で「区別する/しない」がずれると誤答になりがちです。今回のように順列でそろえておくと、(iv) の並び替えまで一貫して扱えます。

第2問(1次変換:行列の決定・対角化・数列の極限) 答:(1) |(2) |(3) |(4)

【📖大切な定義】1次変換を表す行列 は、基底となる2つのベクトルの像が決まれば一意に定まります。「直線上のすべての点が定数倍に移る」という条件は、その直線の方向ベクトルが の固有ベクトル(固有値がその定数)であることを意味します。固有ベクトルを列に並べた を用いると は固有値を対角に並べた対角行列になり、 乗が一気に計算できます。

【👀ここに注目】直線 (方向 )上の点が5倍に、直線 (方向 )上の点が2倍に移る、というのはまさに が固有値 が固有値 の固有ベクトルだということ。ここに気づけば、対角化行列 はもう目の前にあります。

方針・解答(1) 上の点 に移るので 上の点 に移るので 。2式をまとめると を右からかけて

方針・解答(2) なので より

固有値 が対角に並び、対角化が確認できます。

方針・解答(3)、以降 なので 。(2)より だから

これを に作用させ、第2列を取り出すと

方針・解答(4) で分子分母をくくると なので

したがって極限値は です。距離は最大固有値 の項に支配される、と読めます。

【✅検算】(1)は を代入して条件を満たすことを確認。(3)は 、一方 と一致。 では一般式が と一致します。(4)は 、比 を増やすと と5へ近づき、極限 と整合します。

【💡ポイントコラム】固有ベクトルは「像が定数倍になる方向」:この問題の出発点「直線上の点がすべて定数倍に移る」は、固有値・固有ベクトルの定義そのものです。行列を明示的に求める前から、 が対角化に使える2本の軸だと分かっていました。1次変換を見たら「動かない向き」「伸びるだけの向き」を探す——現行課程で行列を学ばない場合でも、漸化式 を解く際の指針になります。

第3問(微分・積分:ロドリゲス型多項式の論証と部分積分) 答:(1) 次多項式・最高次の係数 |(2) 帰納法で証明|(3) 部分積分 回で証明|(4)

【📖大切な定義】 は、 次多項式)を 回微分したもの。多項式を1回微分するごとに次数は1下がるので、 回で次数は になります。部分積分 では、境界項 が消えるかどうかが勝負を分けます。 になる点が、この問題の心臓部です。

【👀ここに注目】(3)で部分積分を繰り返すとき、各段階の境界項には )が現れます。(2)で示すとおりこれは を因子にもつので、 で必ず 。だから境界項はすべて消え、微分が から へ「移る」だけになります。この仕組みが分かれば(4)は一瞬です。

方針・解答(1) の最高次の項は なので、 の次数と最高次の係数は のそれに等しくなります。

よって 次の多項式で、最高次の項の係数は です。

方針・解答(2) のとき を、 についての数学的帰納法で示します。
で、 は1次式。成立。
で成り立つと仮定し、 次多項式 を用いて と書けるとします。両辺を微分すると

波括弧の中は 次多項式なので、 でも命題は成立。以上より、 なる自然数 すべてで示されました。

方針・解答(3) を多項式とし、 を部分積分します。1回目は として

(2)より を因子にもち 。したがって境界項は消えます。同じ操作を繰り返すたびに、境界項の中身は )で を因子にもつため、毎回 。微分の符号 回で となり

が示されました。

方針・解答(4)。(3)より 。4回微分すると

ここで に注目すると、 の置換で

のいずれでも なので、この値は 。したがって です。

【✅検算】(1)は で確かめると 、2回微分して (2次・最高次係数 )。公式 を入れると で一致。(4)は別法として直接計算でも確認できます。 は4次多項式で、(3)の等式を使わずとも が奇関数的に 対称、かつ 対称の偶関数なので、被積分関数 について奇対称。区間 上の積分は になり、置換計算の結果と一致します。

【💡ポイントコラム】部分積分は「境界で消える因子」を仕込む技:ロドリゲス型 の妙味は、 回積分し戻すあいだ、境界項がつねに を因子にもって消える点にあります。ルジャンドル多項式など直交多項式の理論も同じ骨組みです。「端点で になる関数を 乗して微分する」と、部分積分の境界項が自動的に落ちる——この設計思想を知っておくと、見慣れない積分でも構造から攻められます。

【💡ポイントコラム】対称性は最後の一手:(4)の検算では、置換積分とは独立に「 についての奇対称だから積分は 」という見方を使いました。積分値が になりそうなときは、被積分関数の対称性を疑うと、計算せずに答えが読めることがあります。二重検算の相方として、対称性は非常に相性のよい道具です。

この年から学ぶ教訓:2010年度の北里医学部(選抜・学士入学)は、第1問で「置換して変域を追う」「比・対称性を見抜く」「確率は数え方をそろえる」という基本手筋を、第2問で「像が定数倍になる方向=固有ベクトル」という線形代数の核心を、第3問で「端点で消える因子を仕込めば部分積分の境界項が落ちる」という論証の型を、それぞれ問うていました。難問を1つ解く瞬発力より、これらの型を記述で説明しきる再現性が、合格ラインに直結すると考えられます。

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は 北里大学 に帰属します。出典:北里大学 2010年度 入学試験問題「数学」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。

北里大学 数学 過去問|他の年度を見る

北里大学の数学の過去問は20年度ぶんを公開しています。そのうち20年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。

「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。

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北里大学 2010年度 英語

同じ大学・同じ年度の英語です。2010年度の数学を解いたあとに続けて確認すると、その年の出題の重さが掴めます。

公開している全年度は北里大学医学部 数学の傾向と対策にまとめてあります。

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問題PDFをテキストでも確認

北里大学 2010年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 確率・場合の数
  • 図形・三角関数
  • 関数・グラフ
  • 整数
  • 微分・積分

この年度の出題範囲と傾向

2010年度の問題PDFでは、確率・場合の数、図形・三角関数、関数・グラフ、整数、微分・積分に関する語句や設問を確認できました。北里大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は20年度、微分・積分は20年度、確率・場合の数は19年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 確率・場合の数、図形・三角関数、関数・グラフ、整数、微分・積分

【3】は, 解答の過程を必ず記すこと。
この線より上には解答を書かないこと。
【1】 つぎの| | にあてはまる答を下の解答柚に記せ。
(1) BERK fe) = 6 sin?x + 2cos x cos 2x —7cosx—6 (0 ミィ) に対して, 一cosr EB, fx) を の式で表すと(<) = となる。
Fadi, メー のとき最大値 をとり, *ー DE SBN をとる。
212 才昌線C: 4 -25=1 上の点A(5 a) が第1象限内の点のとき, g | の | CHS. MAH Sih CORMIOHBRy=[@ | で
ある。 BABIN COW y =x LBDSAEP, もう1つの商近線 ッニー と交わる点をQとする。このとき, APの長きは| の |, 4h
の値は| の |] でぁる。
(3) A, HH 緑のカードが2枚ずつ合計8 枚ある。 8 枚のカードから 4 枚を取り出し。左から順に並べるとき,
(i) 並べたものに緑のカードがない確率は である。
i) 並べたものが 2 色からなる確率は である。
i) 並べたものが4色からなる確率は | 6) | であぁる。
(9 同じ色のカードが隣り合わないように並ぶ確率は | | である。
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」 |
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Coal,
数学 i cs
M1 (304—1)

平成 22 年度 医学部医学科選抜・学士入学試験問題 数党一2
注意事項 1 数学(選抜)の問題は 3 枚である。 3 枚とも解答すること。
2. 3枚とも受験番号と氏名の記入を忘れないこと。
3. (2), 【3]は, 解答の過程を必ず記すこと。
この線より上には解答を書かないこと。
【2】 行列4の表す1 次変換は, 直線 2ッyニ* 上のすべての点 (x, y) EA (5x, 5y) に, 直線 ッニー* 上のすべての点 (x, y) EH (2x, 2y) に移す。
(1) 行列4を求めよ。
Es
a 2
2) = '] EBS ER, PUAP を求めよ。

か 0 Pn カーュ
3) ー4| | EBS が a 2, 8.つを =A THOS. Pu qn En SAW THE.
91 an Qn-1

(9 RROLR (De, On) ORME d とするとき, 極限値 im “22 を求めよ。
Es
5 Ed
M1 (304—2)

平成 22 年度 医学部医学科選抜・学士入学試験問題 数党一3
注意事項 1数学(選抜)の問題は 3 枚である。 3 枚とも解答すること。
2, 3 枚とも受験番号と氏名の記入を忘れないこと。
3. (2), (318, 解答の過程を必ず記すこと。
この線より上には解答を書かないこと。
[3] ヶは2 以上の自然数とする。 *の関数/(<)を x)= U8 — 2)" で定義する。
(1) /@)は何次の多項式になるか答えよ。また, (<) の最高次の項の係数を求めよ。
PS
QD がヵより小さい自然数のとき, ーー)" (—)" & mROSHROMCRENSELERE,
8) 多項式g<ぶ)に対して [6 dgade =(-1)" f° (t= 28g de となることを示せ。ただし g(x) はgG) の第ヵ交導関数である。
@ ヵー4とする。g(G)ニ2ボー54* OLS, / プ(G)gG)みk の値を求めよ。

®
— :
M1 (304—3)

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