医学部受験

昭和大学 2009年度 英語

藤原進之介です。このページでは昭和大学2009年度の英語過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
次の2文がほぼ同じ意味になるように、空所を補え。
He is so honest that everyone trusts him.
He is (  ) honest (  ) to be trusted by everyone.
——さて、どこから手をつける?
数強塾オリジナルの練習問題です。この年度の実際の入試問題ではありません。実際の問題と解答は、このページのPDFでご確認ください。

英語 問題

英語 解答

📑 この年度の大問インデックス(全5問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

昭和大学 医学部 2009年度 英語の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

出題形式:英語は大問6題・設問数34。内訳は長文読解5問、発音5問、空所補充10問、会話文5問、整序4問、読解5問です。大問数がこの時期で最多で、そのぶん1題あたりの分量は抑えられています。

傾向題材が徹底して医療の現場に寄っています。大問1はいびきの治療法——鼻腔テープ、軟口蓋にかけるスプレー、マウスガード、就寝時の呼吸マスク、ピラー手術といった選択肢を比較する文章で、筆者自身がいびきをかく当事者であることが明かされます。大問4は花粉症の診察——目のかゆみと鼻水を訴える患者に、医師が皮膚テストでアレルゲンを特定し、抗ヒスタミン薬を処方するまでのやりとりです。受験生が将来立つ場面をそのまま英語で読ませる設計になっています。

合否を分ける点大問5の整序4問が最も重い設問です。解答欄には完成した英文をそのまま書く形式で、語句補充のように一部だけ答えればよいものではありません。群動詞の受動態、形式主語、再帰代名詞を含む比較、hope that の同格——いずれも構文を丸ごと組み立てられるかが問われます。1問でも崩れると失点が大きいため、ここに時間を残す配分が要ります。

大問構成

大問形式内容
大問1長文読解(5問)いびきの治療法の比較。鼻腔テープ・スプレー・マウスガード・呼吸マスク・ピラー手術。
設問には英語で答える記述と内容一致を含む
大問2発音(5択・5問)下線部の発音が他と異なる語を1つ選ぶ
大問3空所補充(5択・10問)文法・語法・慣用表現。分詞、慣用句、可算不可算など
大問4会話文の空所補充(5問)花粉症の診察。症状の訴え、皮膚テストによるアレルゲン特定、抗ヒスタミン薬の処方
大問5整序(4問)語を並べかえて英文を完成させ、解答欄に英文を書く
大問6読解(5問)記号選択

解答一覧

問題PDFを手元に開いた状態で、自己採点にお使いください。記述式の設問については、採点で必要になる要素を下の各大問の解説に示しています。

大問解答
大問1(1) The author was actually a snorer.(英語で答える記述)
(2) E (3) E (4) B (5) A
大問2(1) C (2) A (3) C (4) C (5) E
大問3(1) D (2) C (3) C (4) C (5) A (6) A (7) E (8) A (9) D (10) E
大問4(1) E (2) A (3) D (4) A (5) C
大問5(1) The Smiths were looked down on by their neighbors
(2) It’s fun to read detective stories and figure out who committed the crime
(3) tend to think themselves fatter than they really are
(4) gave up hope that she would be found alive
大問6(1) C (2) A (3) B (4) A (5) C

大問1|いびきの治療法——英語で答える記述がある

いびきに対する治療法を並べて比較する文章です。鼻腔テープ、軟口蓋をコーティングするスプレー、マウスガード、就寝時に装着する呼吸マスク、そしてピラー手術——それぞれの効果と限界が述べられます。

設問(1)は英語で答える記述で、正解は The author was actually a snorer. です。つまり筆者自身がいびきをかく当事者だったという事実を答えます。この形式では、本文の表現をそのまま抜き出すのではなく、問いに対応する形の英文にして書く必要があります。主語と動詞をそろえ、時制を合わせ、ピリオドまで書く——この基本を守れているかで得点が分かれます。

設問(5)の内容一致は、程度の強さで誤答が作られています。正解は「筆者は鼻腔テープがすべてのいびき患者に効くわけではないと考えている」という趣旨の選択肢でした。一方、誤答には「マウスガードは有用だが高価なので、専門家は既製品を勧める」「ピラー手術は最も成功率が高いが、しばしば強い痛みを伴う」のように、本文にない断定を混ぜたものが並びます。

医療の文章では、治療法ごとの「効く/効かない」「誰に効くか」を表に整理しながら読むのが有効です。この年のように複数の治療法が列挙される文章では、設問がその区別を突いてくるため、読みながら整理できているかがそのまま得点になります。

大問2|発音5問——th と sc の音

下線部の発音が他と異なる語を選ぶ形式です。この年は同じつづりが2通りの音を持つ箇所が集中的に問われました。

th の有声・無声が1問。healthysympathyfilthywealthy は無声音ですが、worthy だけが有声音です。th は語によって濁るか濁らないかが決まっており、規則で予測できません。無声(think, thank, health 系)と有声(this, that, mother, worthy 系)に分けて覚えるしかありません。

sc の音も問われました。fascinatesceneryscentscissor/s/ ですが、conscience だけが /ʃ/ です。-science-scious で終わる語は /ʃ/ になる、と覚えておくと判別できます。

war / ward のつづりも定番です。awardrewardwarwarmingforward で音が分かれます。w のあとの a は特別な音になるという規則があり、waterwantwarm も同じ仲間です。

大問3|空所補充10問——慣用表現の比重が高い

文法よりも慣用表現の比重が高い10問でした。差がついた箇所を挙げます。

can’t help ~ing「〜せずにはいられない」は動名詞をとります。can’t help to think は誤りです。help が「避ける」の意味で使われる特殊な用法で、形ごと覚えるしかない表現です。

take + 人 + by the + 体の部分「メアリーの腕をとった」は took Mary by the arm です。took Mary’s arm とも言えますが、by the ~ の形では所有格ではなく the を使うのが英語の約束です。pat him on the shoulderlook her in the eye も同じ形です。

ashamedshamed の区別。「自分を心底恥じた」は thoroughly ashamed of myself です。ashamed は「恥じている」という状態を表す形容詞で、be ashamed of ~ の形をとります。

④ 感覚動詞 feel の使い方。「ひげを剃ったあと、彼の顔はすべすべに感じられた」は His face felt smooth です。feel は「〜の感じがする」という自動詞としても使え、この場合は受動態にしません。was felt を選ぶと不自然になります。

⑤ 医療にかかわる慣用表現も。「病気を予防するために何か対策をとっていますか」の「対策をとる」は take measures です。measure は「測る」だけでなく「措置・対策」の意味を持ちます。ほかに out of reach(手の届かない)、It used to be the case that ~(かつては〜だった)、face up to ~(〜に正面から向き合う)が問われました。

大問4|花粉症の診察——医療現場の会話

毎年2月末になると目がかゆくなり鼻水が出る、くしゃみが止まらない——という患者の訴えから始まり、医師が皮膚テストでアレルゲンを特定し、スギ花粉によるアレルギーと診断して抗ヒスタミン薬を処方する、という流れです。

この大問は語彙が解答を決めます。「鼻水が出る」は my nose runs、「アレルギーを治療するには原因を知る必要がある」の「原因」は cause、「袖をまくってください」は Roll up your sleeve、「その特定の物質に過敏だ」の「特定の」は particular、「症状を和らげる」は relieve your symptoms

医療現場の英語は、日常英語とは別に覚える必要があります。症状(itchy, watery, sneeze, inflamed)、検査(skin test, patch)、処置(relieve, treat, prescribe)——この3群を押さえておくと、診察場面の会話文は安定して取れます。

設問の作りは素直で、文脈から意味を絞れば選べます。ただし語彙を知らないと絞りようがないため、知識が直接得点になる大問です。医学部を志望するなら、診察・症状・投薬の英語は受験対策としてだけでなく将来のためにも押さえておく価値があります。

大問5|整序4問——英文を丸ごと書く

語を並べかえて英文を完成させ、解答欄に完成した英文を書く形式です。語句補充と違い、全体が正しくないと点になりません。この年の4問は、いずれも構文の知識を問うものでした。

① 群動詞の受動態。「スミス一家は近所の人たちに見下されていた」は The Smiths were looked down on by their neighbors です。look down on ~ という3語のかたまりをそのまま受動態にするため、down on が動詞のうしろに残り、そのあとに by が続きますwere looked down by としてしまう誤りが典型的です。

② 形式主語と間接疑問。「探偵小説を読んで誰が犯人かを推理するのは楽しい」は It’s fun to read detective stories and figure out who committed the crimeIt を形式主語に置き、to 不定詞を2つ and でつなぐ形です。後半の who committed the crime は間接疑問なので、疑問文の語順にしない点にも注意が要ります。

③ 再帰代名詞を含む比較。「実際より太っていると思い込みがちだ」は tend to think themselves fatter than they really arethink + O + 補語 の形に再帰代名詞が入り、さらに比較級が続く三重構造です。themselves を落とすと文が成立しません

④ hope の同格。「彼女が生きて見つかるという望みを捨てた」は gave up hope that she would be found alivehope のうしろの that 節は同格で、関係代名詞ではありません。alive が補語として最後に来る点も含めて、形ごと覚えておく必要があります。

整序の対策は、構文を「日本語→英語」の向きで書けるようにすることです。選択肢を眺めて組み合わせを試すのではなく、和文を読んだ時点で骨格が浮かぶ状態にしておくと、この4問を短時間で確実に取れます。

数強塾オリジナルの再現類題

以下は数強塾が新たに作成した練習問題です。同大学の入試問題の文章・設問は転載していません。上で整理した出題形式にそって、同じ処理を要求する形で作題しています。

オリジナル再現類題1(発音——th と sc) 下線部の発音が他の4つと異なるものを1つ選びなさい。
(1) A. thirty B. theory C. thorough D. though E. thick
(2) A. science B. scene C. scent D. conscious E. sceptical

(1) 答え D A・B・C・E は無声音、though だけが有声音です。th が濁るのは機能語・指示語に多いthis, that, these, though, thus)という傾向があります。

(2) 答え D A・B・C・E は /s/ ですが、conscious/ʃ/ です。-scious / -science で終わる語は /ʃ/ と覚えてください(conscious, conscience)。ただし science 単独は /s/ なので注意が要ります。

どちらもつづりから音を推測できない問題です。音の分類ごとに単語を束ねておくことだけが対策になります。

オリジナル再現類題2(慣用表現) 空所に入る最も適切なものを1つ選びなさい。
(1) The nurse took the patient ( ) the wrist to check his pulse.
 A. by B. on C. at D. in E. with
(2) I can’t help ( ) that the diagnosis was wrong.
 A. think B. to think C. thinking D. thought E. to thinking
(3) What ( ) are you taking to prevent infection?
 A. scales B. measures C. orders D. contents E. degrees

(1) 答え A take + 人 + by the + 体の部分 の形です。所有格ではなく the を使うのが約束で、took his wrist とは言い方が変わります。pat him on the shoulderlook her in the eye も同型です。

(2) 答え C can’t help ~ing で「〜せずにはいられない」。to think は不可です。

(3) 答え B take measures で「対策をとる」。measure が「措置」の意味を持つことを知っているかだけの問題です。

3問とも知識問題で、考えて出るものではありません。医療にかかわる慣用表現は、単語帳とは別に集めておくと効率的です。

オリジナル再現類題3(整序——群動詞の受動態と同格) [ ]内の語を並べかえて、和文の意味になる英文を完成させなさい。
(1) その学説は長年にわたって軽んじられてきた。
 The theory [ been / down / has / looked / on ] for many years.
(2) 私たちは彼が回復するという望みを捨てていない。
 We have not [ given / he / hope / that / up / would ] recover.

(1) The theory has been looked down on for many years.
look down on ~ をかたまりのまま受動態にするので、down on が動詞のうしろに残りますhas been looked down で止めると、前置詞が欠けて文が成立しません。

(2) We have not given up hope that he would recover.
hope のうしろの that 節は同格です。関係代名詞なら that のあとに主語か目的語の欠けた不完全な文が来ますが、ここは he would recover という完全な文なので同格と分かります。

整序では、まず和文から述語を決めてください。(1)なら「軽んじられてきた」=現在完了の受動態、(2)なら「捨てていない」=現在完了の否定。骨格が決まれば、残りの語の置き場所は自動的に決まります。

この形式に向けた学習

2009年度は大問6題で、この時期のなかで最も問題数が多い構成です。1題あたりの分量は抑えられているぶん、大問間の切り替えの速さが求められます。発音・空所補充・会話文・整序と性質の違う設問が並ぶため、演習の段階から通しで解いて、切り替えに慣れておく必要があります。

整序は解答欄に英文を丸ごと書く形式です。語句補充のように一部だけ当てればよいものではないため、構文を日本語から組み立てられる状態が必須になります。群動詞の受動態、形式主語、同格の that、再帰代名詞を含む比較——これらを和文から書き起こす練習を積んでおいてください。

題材が診察室そのものです。いびきの治療法、花粉症の診察——症状・検査・処置の英語は、単語帳の一般語彙とは別に集めておく価値があります。将来使う語彙が、そのまま入試で問われていると考えてください。

※入試制度・出題範囲・配点は年度により変更されます。受験にあたっては必ず昭和大学発表の最新の入学者選抜要項をご確認ください。本ページの解説・練習問題は数強塾のオリジナルであり、同大学の問題文は掲載していません。

昭和大学 英語 過去問|他の年度を見る

昭和大学の英語の過去問は16年度ぶんを公開しています。そのうち8年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。

「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。

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同じ大学・同じ年度の数学です。2009年度の英語を解いたあとに続けて確認すると、その年の出題の重さが掴めます。

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