医学部受験

東邦大学 2017年度 数学

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは東邦大学2017年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

数学 問題

数学 解答

東邦大学 医学部 2017年度 数学の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

出題形式と傾向:この年度の医学部医学科数学は第1問から第10問までの独立小問10題で、いずれも符号()と数字()を解答用マークシートに記入する空所補充(マーク記入)型です。分野は図形と計量(垂線と )、式の計算と定積分(部分分数分解)、指数・対数(不等式と最大最小)、極方程式(円への変換)、微分(変曲点と極大値をもつ条件)、平面ベクトル(重心と三角形の面積)、円に内接する四角形(余弦定理と相似)、データの分析(2群の合併平均と分散)、連立漸化式と極限、場合の数(積が となる組)と、数学IIIまでを広く横断しています。1題ずつは短くても、既約分数・根号の中は最小の自然数といった答え方の約束まで含めて値を最後まで確定させる処理力が全体を通して問われているように見えます。

合否を分ける点:マーク記入型では「途中は正しくても最後の1文字を書き損じると0点」になりやすく、有理化・約分といった仕上げの丁寧さが差につながると考えられます。とくに第4問の「極方程式を 型に翻訳」、第6問の「重心条件を に変換」、第7問の「トレミー・余弦定理・相似の連携」、第9問の「連立漸化式を等比・等差の2方向に分解」、第10問の「 の約数から因数の和を絞る」といった基本手筋を、10題に安定して適用できる再現性が合格ラインに直結しそうです。

※以下の解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、正攻法と数値代入による二重検算済み)。問題原文は上記の大学発表PDFをご参照ください。

第1問(図形と計量:垂線の足と の逆数和) 答:(ア/イ) |(ウ√エ/オカ)

【📖大切な定義】三角形の3辺が分かれば、余弦定理 で角が定まります。頂点から対辺へ下ろした垂線の足 について、 が成り立ちます。また と変形できます。

【👀ここに注目】 が成り立つので、 の直角三角形だと見抜ける点が急所です。直角が見えると計算が一気に軽くなります。

方針・解答 とします。余弦定理より

よって垂線の足は (ア ,イ )。次に より外接円の直径は で、正弦定理を使うと

したがって (ウ ,エ ,オカ )。

【✅検算】 を原点、 と置くと で条件に合います。直線 で、原点からの垂線の足は と一致します。また から で整合します。

【💡ポイントコラム】 は「まず疑う」:3辺が具体的な数で与えられたら、平方の和を試すと直角が隠れていることがあります。直角が見つかれば と一気に簡単になります。

【💡ポイントコラム】 は「通分して へ」 は加法定理そのもの。 より分子は になり、正弦定理で辺の式へ落とせます。

第2問(式の計算と定積分:部分分数分解) 答:(キ/ク) |(ケ/コ)log サ

【📖大切な定義】 と因数分解できます。恒等式は両辺に共通分母を掛けて分子を係数比較すれば、定数 が連立1次方程式で定まります。

【👀ここに注目】分子 の項を積分すると、分母 の導関数 がちょうど現れて対数微分の形になり、区間の両端で値が打ち消し合う点が急所です。

方針・解答 の分母を払うと

係数比較 を解くと (キ ,ク )。よって被積分関数は 。第1項は だから

残る第2項は 。したがって

【✅検算】 を恒等式に代入すると左辺 、右辺 では左辺 、右辺 で一致します。定積分はシンプソン則でも確認でき、 などから近似値 を得て、 と合います。

【💡ポイントコラム】 は「:3次の和は必ずこの積に分解できます。部分分数の分母をここから読み取れば、あとは分子の未知係数を係数比較で決めるだけです。

【💡ポイントコラム】 を作ると「対数で一撃」:分子が分母の導関数(定数倍)になれば積分は 。区間の両端で の値が等しいと、その項はまるごと になります。

第3問(指数・対数:不等式と最大最小) 答:(シ) |(ス) |(セ) 最小値 |(ソ/タ) 最大値

【📖大切な定義】 と置換すると指数不等式が の分数不等式に変わります。両辺に を掛けて2次不等式に整理すると、解ける形になります。対数は と底を揃えられます。

【👀ここに注目】 と置くと の形。相加・相乗平均から で最小値 をとり、あとは区間の端で最大を比べればよい点が急所です。

方針・解答 とおくと より 。両辺に を掛けて

すなわち だから (シ ,ス )。この範囲で のとき のとき なので で最小値 (セ )。端の値は だから、大きいほうの が最大値です(ソ ,タ )。

【✅検算】)で と最小値が一致。)で )で なので最大値は で確定します。不等式の端 と等号成立を確認できます。

【💡ポイントコラム】指数不等式は「 で2次へ」 が現れたら分母を払って2次不等式に。因数分解できれば境界の がそのまま の値になり、指数を比較するだけで の範囲が出ます。

【💡ポイントコラム】 は「内部で最小・端で最大」 の凸関数なので、最小は 、最大は区間の端で決まります。端を両方代入して大きいほうを選ぶのが安全です。

第4問(極方程式:円への変換) 答:(アイ√ウ, エオ) 中心 |(カ) 半径

【📖大切な定義】極座標と直交座標は で結ばれます。 型は両辺に を掛けると の2次式になり、平方完成すれば円と分かります。

【👀ここに注目】加法定理で を展開し、 を作るために両辺へ を掛ける、という一手が急所です。

方針・解答 だから

両辺に を掛けて 、すなわち 。平方完成すると

よって中心 (アイ ,ウ ,エオ )、半径 (カ )の円です。

【✅検算】 では なので点は 。中心からの距離は では で点 、中心からの距離は 。いずれも半径 に一致し、円であることが確認できます。

【💡ポイントコラム】 は「必ず円」:両辺に を掛けると 。中心 、半径 の円で、原点を通ります。

【💡ポイントコラム】位相のずれは「加法定理で展開」 はまず にバラすと、直交座標へ翻訳しやすくなります。角度のまま扱わず成分に開くのがコツです。

第5問(微分:変曲点と極大値をもつ条件) 答:(キ, ク) 変曲点 |(ケ, コサ)

【📖大切な定義】変曲点は の前後で凹凸が変わる点です。4次関数 は上に開くので、極大値をもつのは導関数 が相異なる3つの実数解をもつときに限られます。

【👀ここに注目】 には定数 が現れないので変曲点は によらず定まります。極大値の条件は、3次関数 の極大値と極小値の間に が挟まるか、で判定できる点が急所です。

方針・解答 で、前後で符号が変わるので変曲点は (キ ,ク )。次に と読み替えます。 より で極大値 で極小値 が3つの実数解をもつのは

このとき は符号を と変え、中間で極大値が現れます。よって が極大値をもつ の範囲は (ケ ,コサ )。

【✅検算】境界 では となり、 が重解で符号が変わらないため極大値は生じません。 では が重解、やはり極大値なし。範囲内の では が相異なる3実解 をもち、確かに極大値が現れます。

【💡ポイントコラム】変曲点に「定数項・1次項は無関係」 を作ると は消えます。凹凸の切り替わりは高次の係数だけで決まるので、変曲点は の値によらず固定されます。

【💡ポイントコラム】極値の個数は「 の交点数」 を「定数 次関数」の形に分離すると、水平線と曲線の交点数として実解の個数が読めます。極大・極小の値の間に定数が入るかで判定できます。

第6問(平面ベクトル:重心条件と三角形の面積) 答:(シス) |(セ√ソ/タ)

【📖大切な定義】原点 を頂点にもつ の重心は 。三角形の面積は で内積から直接求められます。

【👀ここに注目】重心が与えられると が決まり、その大きさの2乗を展開すると内積が芋づる式に出てくる点が急所です。

方針・解答:重心が なので 、したがって 。一方

よって から (シス )。面積は

したがって の面積は (セ ,ソ ,タ )。

【✅検算】 と置くと より から 。面積は と一致します。内積 、その2乗 とも整合します。

【💡ポイントコラム】重心は「和ベクトルの :原点を含む三角形なら重心 。逆に重心が分かれば和ベクトルが決まり、その大きさの2乗から内積へ一直線です。

【💡ポイントコラム】面積は「 の半分」 を求めなくても、内積さえ分かれば面積が出ます。 と内積の3つで完結するのが強みです。

第7問(円に内接する四角形:余弦定理と相似) 答:(アイ/ウ) |(エ√オカ/キク)

【📖大切な定義】円に内接する四角形では向かい合う角の和が なので 。対角線 を2つの三角形で表して等号で結ぶと、余弦が定まります。等しい円周角からは相似な三角形が生まれます。

【👀ここに注目】条件 から 、さらに円周角 を組み合わせると が見える点が急所です。

方針・解答:対角線 で表します。 に注意して

両者を等しいとおくと 、これより (アイ ,ウ )。このとき なので 。次に より 。対応辺の比から

したがって (エ ,オカ ,キク )。

【✅検算】トレミーの定理 。一方 を等号で結ぶと 。すると とトレミーに一致し、 も整合します。

【💡ポイントコラム】内接四角形は「向かい合う角で符号反転」 なので余弦は符号が逆。同じ対角線を2つの三角形で表し、 の符号違いを使って1本の方程式にまとめます。

【💡ポイントコラム】等しい角は「相似のサイン」:与えられた角の等式に円周角の等式を足すと、対応する2角が一致して相似に。相似が見えれば辺の比 から未知辺が即座に出ます。

第8問(データの分析:2群の合併平均と分散) 答:(ケコ) 平均 |(サシ) 分散

【📖大切な定義】各群の平均 と分散 から、その群の「2乗の平均」は です。合併した集団の分散は「群内分散の加重平均+群平均の散らばり(群間分散)」に分解できます。

【👀ここに注目】人数の重み で平均・2乗平均を足し合わせ、最後に を作れば分散が出る点が急所です。

方針・解答:全体平均は人数で加重して

2乗の平均は 群が 群が なので、全体の2乗平均は

よって分散は (サシ )。

【✅検算】分散の分解でも確かめます。群内分散の加重平均は 、群間分散は 。合計 となり、2乗平均を用いた計算と完全に一致します。

【💡ポイントコラム】分散は「2乗の平均-平均の2乗」。逆に と読めば、群ごとの2乗平均を人数で足し合わせて合併分散に持ち込めます。

【💡ポイントコラム】合併分散は「群内+群間」:全体のばらつきは、各群の内部のばらつきと、群の平均どうしのばらつきの和。2通りの計算が一致するかで検算になります。

第9問(数列:連立漸化式と極限) 答:(ス/セ) 公比 |(ソ/タ)

【📖大切な定義】連立漸化式は、うまい1次結合をとると等比数列や等差数列に化けます。 のように組み合わせを試し、定数項が消えれば等比、定数項だけ残れば等差になります。

【👀ここに注目】 は定数項が打ち消えて等比、 は毎回一定量だけ増える等差、という2方向の分解で個々の を復元できる点が急所です。

方針・解答 とすると

よって は公比 の等比数列(ス ,セ )。初項 より 。一方

すなわち公差 の等差数列で、初項 より だから

したがって (ソ ,タ )。

【✅検算】具体値で確かめます。 から で公比 に一致。 で公差 に一致。 と合い、 に収束します。

【💡ポイントコラム】連立漸化式は「良い組み合わせ探し」 の形を仮定して係数を合わせると、等比になる組が見つかります。定数項が残る組は等差。2本の関係が取れれば を復元できます。

【💡ポイントコラム】極限は「消える項・残る項」で判断 なので等比の寄与は消え、等差から来る と定数だけが残ります。 の形にすると発散部分が相殺され、有限の極限が見えます。

第10問(場合の数:積が となる自然数の組) 答:(チツ) 通り|(テト) 通り

【📖大切な定義】 では、まず の約数から積の分け方(因数の組)を絞ります。 という範囲の制約で候補が限られます。

【👀ここに注目】 の約数のうち和の範囲に収まる分け方は の3通りだけ。あとは各和を作る単調な組を数える点が急所です。

方針・解答(和 )の組数を (和 )の組数を とします。数えると だけを課す(1)では2群が独立なので、各因数の組で積をとって

(2)は なので の連結条件が加わります。 に対し に対し となり を満たせず 通り。残る では の下で組むと

これらを合計して 通り(テト )。

【✅検算】(2)の12組を具体的に並べると 。いずれも 、各 を満たし、確かに12組です。(1)の の列挙で確認できます。

【💡ポイントコラム】積の条件は「約数で場合分け」 はまず を約数の積に分けます。各因数の取りうる範囲(和の最小・最大)で分け方を絞ると、数え上げる場面がぐっと減ります。

【💡ポイントコラム】 の連結は「またぐ条件に注意」:(1)と(2)の違いは の一点。前半群の最大 と後半群の最小 を比べ、両立しない因数の組は最初に捨てると計算が速くなります。

この年から学ぶ教訓:2017年度の東邦医学部は、図形と計量・式と積分・指数対数・極方程式・微分・平面ベクトル・内接四角形・データの分析・連立漸化式・場合の数と、数学IIIまでを万遍なく問う10題構成でした。共通して効いていたのは、(1)直角の発見・ や極方程式の 化のように「隠れた構造を翻訳して見抜く」視点、(2)部分分数分解・重心の和ベクトル・連立漸化式の1次結合のように「1つの道具に帰着させる」使い分け、(3)相似・トレミー・分散の2通り計算といった「別ルートで検算する」引き出しです。マーク記入型では最後の約分・有理化・符号まで詰めきる正確さが得点に直結するため、難問を1つ解く力より、10題を安定して仕上げる再現性が合格ラインを分けると考えられます。

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は 東邦大学 に帰属します。出典:東邦大学 2017年度 入学試験問題「数学」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
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問題PDFをテキストでも確認

東邦大学 2017年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 指数・対数
  • データ・統計
  • 図形・三角関数

この年度の出題範囲と傾向

2017年度の問題PDFでは、指数・対数、データ・統計、図形・三角関数に関する語句や設問を確認できました。東邦大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は20年度、微分・積分は20年度、指数・対数は19年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 指数・対数、データ・統計、図形・三角関数

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