情報学部やデータサイエンス学部を選ぶときは、偏差値と同時に「何を情報として扱うのか」を確認することが大切です。コンピュータの仕組みを作る学び、AIのモデルを研究する学び、統計でデータを分析する学び、医療・都市・文化の課題に応用する学びは、重なる部分があっても同じではありません。
入試についても、数学IIIを含む方式だけではありません。例えば滋賀大学データサイエンス学部は、2027年度の個別数学に数学IIIを含みますが、指定された範囲を他の範囲の問題との選択にできる仕組みがあります。一方、入学後のカリキュラムには解析学や線形代数があります。「数IIIを使わず受験できる」と「数学を学ばなくてよい」は、分けて考えましょう。
本記事では、国公立6大学、私立5大学の計11大学・12方式を比較します。全国すべての情報系学部を網羅した順位表ではなく、学びの内容と数学の準備を確認するための入口です。難易度は2026年9月4日に確認した、河合塾Kei-Netの2027年度方式別ランクに統一しています。
2027年度版|情報学部・データサイエンス学部の偏差値ランキング
国公立大学は、偏差値と共テ得点率を別々に読む
学部名に「情報」「データサイエンス」が含まれる募集に加え、情報理工学院、情報理工学域、コンピュータ理工学部も対象にしました。表は掲載した方式の偏差値順です。同じ偏差値に上下関係は付けず、共通テスト得点率との合成順位も作りません。
| 大学・学部等・募集単位 | 設置区分 | 日程・方式 | ボーダー偏差値 | 共テボーダー得点率 |
|---|---|---|---|---|
| 東京科学大学・情報理工学院 | 国立 | 前期 | 65.0 | 82% |
| 名古屋大学・情報学部コンピュータ科学科 | 国立 | 前期 | 60.0 | 80% |
| 電気通信大学・情報理工学域昼間Ⅰ類(情報系) | 国立 | 前期 | 57.5 | 75% |
| 滋賀大学・データサイエンス学部データサイエンス学科 | 国立 | 前期 | 52.5 | 65% |
| 横浜市立大学・データサイエンス学部データサイエンス学科 | 公立 | 前期 | 52.5 | 72% |
| 会津大学・コンピュータ理工学部コンピュータ理工学科 | 公立 | 前期・一般選抜A | 42.5 | 63% |
これらは、実施後の合格最低点ではありません。河合塾が予想する合格可能性50%の境目を表す指標であり、個人の合格確率や大学の研究力・教育の価値を断定する数字でもありません。また「方式別ランク」は科目・配点を反映するため、数学単科の模試偏差値とそのまま対応させないでください。河合塾Kei-Net・ボーダーラインの説明
例えば、滋賀と横浜市立の前期は偏差値52.5で同じですが、共テの予想得点率は65%と72%です。ここから「横浜市立の方が必ず7ポイント分難しい」と結論付けることはできません。共テの科目数や配点が違い、自分の成績を各大学の配点で換算して初めて比較が始まります。
私立大学は、同じ学部でも文系型・理系型を分ける
私立は、共テを使わない次の一般選抜方式を掲載します。国公立の表と一つの総合順位にはしません。科目数、選択条件、小論文の有無などが異なるためです。
| 大学・学部・募集単位 | 入試方式 | ボーダー偏差値 |
|---|---|---|
| 慶應義塾大学・環境情報学部環境情報学科 | 一般 | 70.0 |
| 同志社大学・文化情報学部文化情報学科 | 学部個別日程・文系型 | 60.0 |
| 東京理科大学・創域情報学部情報理工学科C系 | B方式 | 60.0 |
| 同志社大学・文化情報学部文化情報学科 | 学部個別日程・理系型 | 57.5 |
| 武蔵野大学・データサイエンス学部データサイエンス学科 | A日程・理系 | 47.5 |
| 立正大学・データサイエンス学部データサイエンス学科 | 2月前期 | 35.0 |
東京理科大学のC系は「コンピュータ科学・知能メディア」に対応する募集です。同志社は同じ文化情報学部でも文系型と理系型の数値が分かれています。これは卒業時の学部が別になるという意味ではなく、受験する方式を区別した数値です。
表の学部を受けることと、その大学が設けるすべての方式を受けられることは別です。共テ利用・併用方式の数値を、共テ不使用の方式へ流用しないでください。本記事で科目・配点を詳しく検証する方式は後半に示し、その他の掲載方式も出願前には大学公式の2027年度資料で確認します。
情報系以外を含む工学系全体へ候補を広げる場合は、国公立大学工学部の偏差値ランキング2027と私立理工系大学の偏差値ランキング2027も方式単位で照合してください。数値の提供元をそろえても、国公立と私立の科目負担まで同じになるわけではありません。
情報学部とデータサイエンス学部は何が違う?学びを5タイプに分類
五つの「問い」でカリキュラムを見る
以下の分類は、大学が公式に定めた五分類ではありません。公式カリキュラムを比較するために、本記事が設定した見方です。一つの学部が複数のタイプにまたがるのが普通であり、「この大学は統計だけ」「この学部ではAIを学べない」と決め付けるものではありません。
| 本記事の比較軸 | 学びの中心になる問い | 公式資料を確認する具体例 |
|---|---|---|
| 情報工学型 | 計算機やソフトウェアを、どう正しく効率よく動かすか | 電気通信大学Ⅰ類の計算機・アルゴリズム・プログラミング科目 |
| AI型 | 画像・言語などから、機械がどのように学習・認識するか | 東京理科大学創域情報の機械学習・ニューラルネットワーク等 |
| 統計型 | 限られたデータから、何がどこまで言えるか | 滋賀大学の確率・回帰分析・実験計画・ベイズ理論等 |
| 社会応用型 | 分析結果を、医療・都市・経済などの判断にどう役立てるか | 横浜市立大学の2027年度応用展開分野 |
| 文理融合型 | 文化・言語・人間の現象を、データでどう解明するか | 同志社大学文化情報の文化科学系・データ科学系・先端融合系 |
情報工学型――「アプリを使う」から「仕組みを作る」へ
電気通信大学Ⅰ類の公式科目一覧には、計算機通論、論理設計学、プログラミング通論、アルゴリズム論などが並びます。理数基礎には微分積分学と線形代数学の必修科目もあります。専門に進むほど、プログラムの見た目だけでなく、計算の正しさ、処理の効率、計算機内部の仕組みを考えることになります。電気通信大学・Ⅰ類カリキュラム
このタイプを選ぶなら、「完成したサービスを利用するのが好き」から一歩進み、「遅い処理を速くしたい」「エラーの原因を突き止めたい」と思えるかを考えてみてください。高校数学では、関数や確率だけでなく、場合分け、論理、証明を書く姿勢が学びにつながります。
AI型――使い方だけでなく、学習の仕組みを扱う
東京理科大学創域情報の公式カリキュラムには、機械学習、ニューラルネットワーク、自然言語処理などが示されています。1年次には線形代数、解析学、確率統計、プログラミングの基礎を配置しています。AIに関心があるから数学の基礎を飛ばせるのではなく、その基礎がモデルの理解を支えます。東京理科大学・創域情報学部のカリキュラム
生成AIを便利に使いたいのか、学習データを整えたいのか、モデル自体を設計したいのかでも、必要な学びは違います。「AI」という単語のある研究室が一つあるだけで判断せず、基礎科目から専門科目までつながる履修の流れを探しましょう。
統計型――数値を出すより、判断の根拠を考える
滋賀大学の公式カリキュラムでは、解析学・線形代数から、統計数学、回帰分析、多変量解析、確率論、実験計画法などへ学びが広がります。統計型という本記事の見方は、この理論と分析の連続性に注目するものです。同大学にもAIやプログラミング、ビジネスでの価値創造の科目があり、統計だけに閉じた学部ではありません。滋賀大学・カリキュラム
「売上が増えた」という表を見たとき、季節の影響なのか、広告の影響なのか、単なるばらつきなのかを考えるのが統計の入口です。計算ソフトが結果を返しても、対象の選び方や比較の条件が不適切なら、結論は信用できません。分析結果を疑い、根拠を説明することに興味がある人は、この視点で学部を探すとよいでしょう。
社会応用型――分析対象についての知識も学ぶ
横浜市立大学の2027年度カリキュラムは、基盤技術の「数理/統計科学」「計算機科学」と、応用展開分野の「健康・医療」「都市・環境」「経済・社会」を示しています。1年次前期から線形代数学・微積分学・統計学入門を学び、その後にプログラミングや実社会と結び付いた課題へ進みます。学位は学士(データサイエンス)です。横浜市立大学・データサイエンス学部2027年度の概要
例えば人流データで混雑を考えるなら、分析技術だけでなく、交通・都市の条件や個人情報の扱いも重要です。好きな応用先が決まっている人は、その分野の授業がどの程度あり、専門の教員や実践科目につながるかを確認します。学部名だけでは、この違いは見えません。
文理融合型――人文・社会への関心を、データの問いへ変える
同志社大学文化情報学部は、文化科学系、データ科学系、先端・融合系の科目群を配置しています。文化・言語の科目と並んで、統計、線形代数、微分積分、プログラミング、機械学習などを学べる構成です。すべてが一律必修という意味ではなく、科目群ごとの必要単位と選択を組み合わせるカリキュラムです。同志社大学・2024年度以降生の科目概要
文学や歴史が好きな人でも、資料を数える、言葉の使われ方を比較する、調査データを分析するといった問いを持てます。ただし「文理融合」は、理系科目を避け続けるための名称ではありません。人間や文化への関心を、データと論理によって検討する姿勢が必要になります。
数学III・情報Iは必要?入試科目と数学配点で大学を比較
必須・選択・不使用を、方式ごとに分ける
次は2027年度公式資料で確認した具体例です。大学全体の科目条件ではなく、表に記した方式の条件です。数学の出題範囲と、高校での履修を出願資格として求める条件も、別々に確認してください。
| 大学・方式 | 数学IIIの扱い | 情報の扱い | 主な配点 |
|---|---|---|---|
| 電気通信・Ⅰ類前期 | 個別数学の範囲に含む | 共テ情報Ⅰを使用。個別では物理・化学・情報Ⅰから2科目 | 共テ500+個別数200・理科情報200・英100=1000点 |
| 滋賀・DS前期 | 範囲に含むが、指定範囲を他範囲の問題との選択にできる | 共テ情報Ⅰ100点。個別情報なし | 共テ1000+数学300・英語300=1600点 |
| 横浜市立・DS前期 | 選択問題の出題範囲に含む | 共テ情報Ⅰが必須、200点。個別情報なし | 共テ1100+数学300・英語200=1600点 |
| 東京理科・創域情報C系B方式 | 個別数学の範囲に含む | このB方式では情報を試験科目にしない | 数学100・英語100・理科100=300点 |
| 慶應・環境情報一般、数学選択 | 数学Ⅲ・Cを含む | この選び方では情報を受験しない | 数学200+小論文200=400点 |
| 慶應・環境情報一般、情報および数学選択 | 数学Ⅲ・Cを除く | 大学独自の情報Ⅰ・Ⅱを使用 | 情報および数学200+小論文200=400点 |
電気通信の根拠は2027年度選抜要項、9ページ、滋賀は2027年度選抜要項、12・14ページ、横浜市立は2027年度前期日程の公式案内です。
私立の根拠は、東京理科大学・大学案内2027の入試ガイド159〜160ページ、慶應義塾大学・2027年度試験教科・科目・配点です。東京理科の当該理科は物理・化学・生物から1科目を選びます。正式な一般選抜募集要項が公開されたら、出願資格と細則を含めて照合してください。
数IIIを回避できても、数学B・Cを省略しない
滋賀大学は、数学Ⅲと数学Cの平面上の曲線・複素数平面を含む範囲、及び数学Bの統計的な推測を含む範囲の問題を、その他の範囲の問題との選択にすると明示しています。範囲欄に「数学Ⅲ」とあるだけで、未履修者の候補から即座に外すのは早計です。一方、数学Ⅰ・Ⅱ、数学Aの図形の性質・場合の数と確率、数学Bの数列、数学Cのベクトルなどの準備は残ります。滋賀大学・選抜要項14ページ
横浜市立大学は、数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cからの必須2題と、数学Ⅲも含む範囲から出す3題のうち1題を解く構成を示しています。選択範囲には数学Bの統計的な推測、数学Cの平面上の曲線と複素数平面も含まれます。本記事ではこれを「数学IIIは必須」とも「完全に不要」とも一語で処理せず、選択問題の構成まで確認する方式として扱います。
慶應の「情報および数学」は、共テ情報Ⅰを持ち込む方式ではありません。大学独自の試験で情報Ⅱも出題範囲に含みます。共テ情報Ⅰの対策だけで足りると考えず、公式の範囲と実際の問題を照合しましょう。情報ⅠとⅡの学習範囲の整理には、数強塾の情報科目学習マップも使えます。
数学の総合配点が同じでも、情報の効き方は違う
滋賀と横浜市立の上記前期は、いずれも総点1600点で、数学は共テ200点+個別300点=500点です。数学全体の割合は31.25%で一致します。しかし、共テ情報Ⅰは滋賀100点、横浜市立200点です。
ほかの得点を固定し、共テ情報Ⅰの素点が80点から90点へ上がると、滋賀では10点、横浜市立では20点の上積みになります。一方、個別数学の得点率が60%から70%に上がった場合は、どちらも30点増えます。これは配点から計算した比較で、同じ時間でどちらの科目が伸びるかを保証するものではありません。
「数学が得意だからDS学部」という考え方を一段具体化し、数学のどの試験で伸ばすか、情報Ⅰの取りこぼしがどれだけ総点に響くかまで見てみましょう。なお滋賀は共テの地歴公民・理科を合わせて3科目、横浜市立は合わせて2科目を用いるなど、科目構成にも違いがあります。単純な素点合計だけでは比べられません。
同じ方法で大学横断の数学比率を調べるなら、数学配点が高い国公立大学2027と数学配点が高い私立大学2027に進むと、共テ・個別・外部資格の違いを含めて比較できます。
入試数学と大学数学を、二つの軸で考える
比較の第一軸は「受験で何を要求されるか」、第二軸は「入学後に何を学ぶか」です。滋賀のように数IIIを選択で回避できても、公式カリキュラムでは解析学・線形代数が必修として配置されています。逆に数IIIを入試で使った経験があっても、行列・多変数の微積・確率モデルは大学で新たに学ぶ部分があります。
なぜ微積と線形代数がつながるのか、短い例で考えてみます。2組のデータ「x=1のときy=2、x=2のときy=3」に、原点を通る直線y=axを近づけたいとします。誤差の二乗の合計は、L=(a−2)²+(2a−3)²。これをaで微分すると10a−16なので、最小になるaは1.6です。
同じ答えは、xの並び(1,2)とyの並び(2,3)の内積を使い、a=(1×2+2×3)÷(1²+2²)=8÷5、とも求められます。ここでは初歩的な計算ですが、変数やデータを増やしたときに、微分とベクトル・行列の考え方が一緒に働きます。
これは学習の接続を示す本記事の例で、2点のデータから現実の因果関係を説明するものではありません。高校段階では関数・微分・ベクトル・確率の意味を言葉で説明し、合格後は行列や大学の解析へ進む。その準備を含めて志望校を考えると、入試科目の少なさだけで選ぶ失敗を防げます。
新設学部の偏差値はどう見る?定員・方式変更と難易度予測の注意点
東京理科の創域情報は「2027年に新設予定」ではない
東京理科大学は、創域情報学部を2026年4月に開設しています。2027年度受験の記事で、古い設置構想中のページだけを見て「これから設置される予定」と書くのは不正確です。一方で、2026年開設の学部に長年の卒業生実績があるかのように説明することもできません。東京理科大学・創域情報学部の公式説明
公式サイトの進路欄が旧学科の実績を参考表示している場合には、それを新学部卒業生の実績へ置き換えないことです。過年度の教員・研究の蓄積は参考になりますが、学部の募集単位やカリキュラムが変われば、入試データの比較条件も変わります。
横浜市立の2027変更は、定員と試験科目を分けて読む
横浜市立大学は、2027年度からデータサイエンス学部の入学定員を60人から120人に変更すると公式に公表しています。前期の募集人員は65人で、個別試験の総合問題は廃止され、数学と英語になります。120人という学部の入学定員を、そのまま一般前期の募集枠にしないでください。横浜市立大学・2027年度入学定員変更、2027年度前期日程
「定員が倍だから入りやすさも倍になる」とは言えません。志願者数、受験者の得点分布、方式別の募集枠がどう動くかは別だからです。総合問題の廃止は対策内容に直接関係しますが、合格最低点が上がるか下がるかは、この事実だけでは分かりません。
事実・予想・未確認を三つの箱に分ける
志望校メモには、次の三つを別欄で記録すると整理しやすくなります。色を使うなら、確定情報を青、予想を黄、未確認を灰色にするなど、自分が区別できる方法で十分です。
| 情報の種類 | 記入する例 | その情報で決められること |
|---|---|---|
| 大学が公表した事実 | 2027の学部定員、日程別募集枠、試験科目、カリキュラム | 受験の準備内容、志望分野との一致 |
| 提供元を明示した予想 | Kei-Netの2027年度方式別ボーダー | 難易度を検討する際の目安 |
| まだ分からないこと | 2027の最終倍率、合格最低点、新設学部の卒業実績 | 現時点では断定しない |
未掲載の学部に、名称が似ている別大学の偏差値をコピーするのは避けます。比較するなら、科目数、共テの有無、個別数学の範囲、募集人数、学ぶ内容がどこまで似ているかを先に確認し、その上でも参考にとどめます。数値の空欄を埋めることより、何が未確認かを残す方が出願判断に役立ちます。
情報学部・データサイエンス学部の選び方|5問で候補と数学の準備を整理
紙一枚で完結する、本記事の5問チェック
次の質問は、適性や合格可能性を測定する検査ではありません。今の興味を言語化し、カリキュラムと入試要項のどこを確認すればよいか決めるためのチェックです。合計点を出す必要はなく、複数回答も構いません。
- 何をしている時間がいちばん面白そうですか。仕組みを作るなら「情報工学」、学習・認識モデルを考えるなら「AI」、データから主張の根拠を調べるなら「統計」と書きます。
- 特に扱いたい対象はありますか。医療・都市・経済などの課題なら「社会応用」、言語・歴史・文化・人間行動なら「文理融合」を追加します。未定なら「対象未定」で構いません。
- 数学III、数学C、情報I・IIについて、履修済み・学習中・未学習をそれぞれ書けますか。未学習の範囲がある場合は、先に方式別の必須・選択条件を確認する印を付けます。
- 関数の増減、ベクトル、条件付き確率を、答えだけでなく理由まで説明できますか。説明が難しい項目を一つ選び、受験勉強と入学前学習の共通の復習項目にします。
- 候補大学の公式科目表から、「受けたい授業を二つ」「その前に学ぶ基礎科目を二つ」挙げられますか。書けない場合は、大学名を決める前にカリキュラムを読み直します。
回答1・2から中心にするタグを二つまで残し、回答3で受験条件を絞り、回答4で数学の課題を決め、回答5で大学の学びとの一致を確認します。これで「好きそうな分野」「受験できる方式」「今から学ぶ内容」が一枚にまとまります。
回答から、調べる大学の順序を変える
例えば「情報工学+AI」で、数IIIも学習中なら、電気通信Ⅰ類や東京理科の創域情報C系などの公式科目表から、計算機・アルゴリズム・機械学習のつながりを確認します。大学名をこの二つに限定する必要はありません。似た分野の大学を追加するときにも、同じ授業の見方を使います。
「統計+社会応用」で数IIIが未学習なら、滋賀の選択問題の条件と、横浜市立の数学の選択構成を読み比べます。そのうえで、入学後の解析・線形代数の準備を受験後まで含めて計画します。数IIIを避けること自体を進路の目的にせず、希望分野へ進むための受験ルートとして考えます。
「文理融合」が中心なら、同志社文化情報の文化科学系とデータ科学系の両方から授業を選んでみてください。好きな文化領域が見つかっても、どの分析方法で問いに答えたいかが空欄なら、統計・プログラミングの入門内容も調べてみます。文系型での受験と、入学後の数学の必要性は切り分けて判断します。
最後は、三つの候補に「入学後の一学期」まで書く
候補を三つに絞ったら、学部・学科・日程、必要科目、共テと個別の配点、希望する授業、入学前に補う数学、通学・下宿の条件を並べます。単なる偏差値順ではなく、「なぜこの方式で受け、何を学びに行くのか」が説明できる候補を残してください。
入試の難易度が低めに見える学部でも、大学の授業が自動的に易しいとは限りません。反対に、偏差値が高い学部だけが自分の興味を満たすとも限りません。知りたいテーマ、学ぶ手法、必要な数学を順に確かめることが、情報系の学部選びの中心です。
情報科目と進路のつながりは、情報Ⅱと情報・データサイエンス系への進路でも整理しています。数学の勉強計画を検討する際は、模試の科目別成績と実際の答案、候補の入試方式をそろえ、数強塾の案内も確認してください。受験で使う数学と、入学後に使う数学の両方を見通して、志望校選びを進めましょう。
執筆:藤原進之介(数強塾)
