「全部分からない」と感じても、最初に止まった場所は絞れます。定期テスト直前、長期休暇、学年替わりで対策を変えます。
全国の数字を、判断の目盛りにする
「ついていけない」と感じたとき、それがどのくらい珍しいことなのかが分からないと、対応が過剰にも過小にもなります。全国学力・学習状況調査に、目盛りになる数字があります。
| 質問(令和7年度) | 小6 | 中3 |
|---|---|---|
| 数学の授業の内容はよく分かる | 78.4% | 70.5% |
| 数学の勉強は好き | 58.0% | 54.0% |
| 数学の勉強は得意 | 60.3% | 46.2% |
※肯定(「当てはまる」+「どちらかといえば、当てはまる」)の合計。当方で計算しました。
中3で「数学が得意」と答えるのは46.2%。半数を下回ります。「得意ではない」側は53.5%で過半数です。
一方で「授業の内容はよく分かる」は70.5%。ここに20ポイント以上の開きがあります。つまり「授業は分かるが、得意とは言えない」層がかなりいるということです。
立て直しの入口は、この2つのどちらかで変わる
- 「授業が分からない」なら——学習の問題です。戻る場所を1つに絞れば動きます。この記事の時期別の手順がそのまま使えます。
- 「授業は分かるが得意ではない」なら——量を足しても変わりません。足りないのは、できたという実感のほうです。難しい問題を増やすのではなく、取れる問題を確実に取り切った経験を積みます。
この2つを分けずに「もっと頑張りなさい」と返すと、どちらにも効きません。まず「授業、分かる?」と聞いて、答えで対応を変えてください。
なお中高一貫校では、進度が速いぶん「分かる」と「得意」の距離が開きやすくなります。手続きは再現できるので定期テストは取れる。けれど意味の側が空白のまま残る——この状態は、模試や高2以降の内容で表に出ます。
まず現在地を答案から確認する
教材名や学年だけで課題を決めず、直近のノート、宿題、定期テストを並べます。空欄、計算ミス、条件の読み落とし、方針が出なかった問題を分けると、同じ「苦手」でも必要な練習が見えます。
学校の進度が速い場合でも、前提が曖昧なまま先取りだけを増やすと負担が大きくなります。現在の授業へ必要な最小範囲まで戻り、短い確認問題で理解を測ります。
具体的に確認したいポイント
テスト直前は得点できる基本へ絞る
用語と条件を自分の言葉で説明し、例題を見ずに最初の一手を書けるか確認します。
返却後は誤答を原因別に分類する
正解・不正解だけでなく、途中式と考え方を残し、どの段階で迷ったかを見つけます。
長期休暇は前提単元を診断する
一度解いた問題を翌日と週末に解き直し、理解が再現できる状態へ変えます。
新学年前は次の単元に必要な土台を作る
学校の予定と本人の生活時間に合わせ、毎週実行できる量へ分けて進めます。
1週間の学習サイクル
- 授業当日:扱った例題と宿題範囲を確認し、疑問へ印を付けます。
- 翌日:解説を閉じ、最初の一手と途中式を再現します。
- 週の中盤:同じ考え方を使う類題を2〜3問解きます。
- 週末:誤答だけを解き直し、翌週の優先順位を決めます。
量を増やす前に、正しく思い出せる回数を増やします。定期テスト前は範囲を一巡する日と、時間を計る日を分けます。
オンライン1対1で確認できること
画面共有や提出画像を使うと、答えだけでなく途中式を見ながら説明できます。ただし、オンラインなら自動的に個別最適になるわけではありません。担当講師が答案を確認する時期、授業外の質問方法、課題の調整方法を事前に確認してください。
オンライン数学塾の選び方7基準、公開中の指導事例、中学1年生の数学ページもあわせてご覧ください。
単元をつなげて復習する
テスト直前は得点できる基本へ絞るを確認するときも、その単元だけを繰り返すとは限りません。式変形、方程式、関数、図形の定義など、最初の一手に必要な前提を三問ほどで確認します。できた範囲まで戻り、現在の授業へつながる最短経路を作ります。
復習は「教科書を読み直す」「例題を解く」「類題を解く」「翌日に再現する」の四段階に分けます。読むだけで分かった感覚と、試験で自力再現できる状態を区別するためです。類題では数値だけでなく条件も少し変え、同じ考え方を選べるかを見ます。
学校課題と追加教材を両立する判断
学校課題で基本から応用まで十分に扱える場合、別の問題集を増やす必要はありません。提出範囲の空欄が多いのに新しい教材を加えると、どちらも中途半端になります。まず指定教材をA「自力で解ける」、B「方針は分かる」、C「最初の一手が出ない」に分けます。
Aは確認回数を減らし、Bは途中式と計算を整え、Cは例題や前提単元へ戻ります。追加教材を使うのは、学校教材の目的が明確で、必要なレベルや演習量を補う場合です。教材名よりも、いつ、何問、どの状態まで行うかを決めます。
定期テストの前後で役割を変える
試験前
範囲を一巡する日、誤答原因ごとに練習する日、時間を計る日を分けます。最後まで終えることだけを目標にせず、基本問題を取りこぼさない順番と見直し時間を決めます。
試験後
点数だけで終わらず、解けるはずだった問題と、現時点では難しかった問題を分けます。前者は48時間以内に解き直し、後者は必要な前提を調べます。正解でも偶然や暗記だった問題は一週間後に再確認します。
保護者と生徒で共有する観察項目
保護者は勉強時間だけでなく、教材を自分で開けたか、質問を準備できたか、解き直す日を決めたかを見ます。生徒は、最初の一手が出た問題、途中で迷った場所、次に聞きたいことを短く記録します。
声かけは「何点だった?」だけでなく、「前回より自力でできたことは何?」「次に一つ直すならどこ?」と具体化します。学習量が実行できないときは意思の問題にせず、予定、教材の難度、一回の量を見直します。
相談時に持参すると診断しやすいもの
- 直近二〜三回の定期テストや模試
- 学校のシラバス、試験範囲表、使用教材
- 普段のノートと宿題
- 一週間の学習時間と学校行事
- 短期目標と、その先の進路希望
資料がそろっていなくても相談はできますが、実際の答案があると原因を具体化しやすくなります。オンライン指導では、事前に画像を共有する方法や手元を映す方法も確認してください。
四週間ごとの振り返り
一週目に現在地を診断し、二週目に課題量を調整し、三週目に類題へ広げ、四週目に時間を計って確認します。毎週すべてを変えるのではなく、一つの原因を続けて観察します。できなかった問題数だけでなく、空欄が減ったか、途中式が残ったか、翌日に再現できたかを記録します。
学校の進度が変わった場合は、先取りの量を増やす前に次の授業へ必要な前提を確認します。試験や行事が重なる週は最低限の解き直しだけにし、計画を完全に止めない形へ調整します。
よくある質問
学校の課題だけで十分ですか?
課題を自力で再現できているなら、追加教材を増やす必要はありません。空欄や同じ誤りが続く場合は、前提の確認問題を少量追加します。
先取りと復習はどちらを優先しますか?
次の授業を理解できる土台がある場合は先取りも有効です。直近答案で基本問題の誤答が続く場合は復習を優先します。
ONE-TO-ONE ONLINE LESSON
中高一貫校の数学を1対1で相談する
完全1対1のプロ講師指導です。体験授業は税込3,000円、オンラインで全国から受講できます。
あわせて読みたい
数学マンツーマン指導・プロ講師
自分専用の数学学習計画を、プロ講師と1対1で作る
現在の点数・目標・使っている教材をもとに、優先する単元と毎週の進め方をマンツーマンで整理します。
苗字のみ・情報収集の段階でも相談できます。送信だけで入塾確定にはなりません。

