模試の自己採点をしているとき、「あれ、これって部分点くらいもらえるかな?」と、ちょっとだけ自分に優しくマルをつけてしまったこと、ありませんか。一問くらいなら…と思うかもしれません。でも、その小さな甘さが積み重なって、入試本番でガクッと崩れてしまう子を、僕は何人も見てきました。今日はそんな話をしたいと思います。
なぜ「自己採点を甘くする」ことが危険なのか
自己採点を甘くする子が、入試本番に崩れる理由。それは「自分の本当の実力が見えなくなるから」だと僕は思っています。
たとえば数学の記述問題で、答えだけ合っていて途中式が抜けている。本来なら部分点しかもらえないのに、「まあ合ってるからマルでいいか」と○をつけてしまう。情報Iや国語の記述でも同じです。「だいたい同じこと書いてあるからセーフ」と判定を甘くする。
これを続けると、自己採点では70点でも、実際の採点では50点台だった、なんてことが起きます。20点のズレは、合否を分ける十分すぎる差です。問題は点数のズレそのものよりも、「自分はできている」という誤った安心感を持ってしまうこと。本当は補強すべき弱点が、見えないまま放置されてしまうんです。
そして入試本番。採点するのは大学の先生で、当然ながら容赦はありません。普段甘く採点していた子は、本番で初めて「現実の点数」と向き合うことになります。これが、本番で崩れる正体だと感じています。
2浪した僕も、最初は自分に甘かった
偉そうに書いていますが、僕自身、現役のときも一浪目も、自己採点がとても甘い受験生でした。
当時の僕は、模試の数学を解き終わると、解答を見ながら「ここまで考え方は合ってるから、半分はもらえるはず」と、勝手に部分点を盛っていました。記述模試の自己採点が65点くらい。でも返ってきた成績表は、いつも50点前後。そのズレを「採点が厳しいんだ」と、自分以外のせいにしていたんです。
2浪目に入って、ようやく僕は気づきました。問題は採点の厳しさではなく、自分のごまかしだったと。そこで僕は、自己採点のルールを変えました。「迷ったら、必ず厳しいほうに丸をつける」。途中式が一行でも抜けていたら減点。記述でキーワードが足りなければバツ。とにかく自分に厳しく採点しました。
最初は点数が下がって、正直しんどかったです。今まで65点だと思っていたものが、48点になるわけですから。でも、そのおかげで「自分はどこで点を落としているのか」がくっきり見えるようになりました。途中式の書き方が雑だったこと、記述で結論を先に書けていなかったこと。今まで見えなかった弱点が、次々と浮かび上がってきたんです。
結果として、厳しく採点するようになってからの数か月で、僕の本番想定の点数はぐんと伸びました。甘い自己採点をやめたことが、2浪目の合格につながったと、今でも思っています。
本番に崩れないための、正しい自己採点のやり方
では、自己採点を甘くする癖を直して、入試本番で崩れないためにはどうすればいいのか。僕が塾の生徒に伝えている方法を紹介します。
1. 迷ったら必ず「バツ」にする
これが一番大事です。○か×か迷う問題は、本番でも採点者が迷う可能性が高い。つまり点をもらえるか分からない問題です。だったら最初から×にしておきましょう。甘くつけて安心するより、厳しくつけて「ここを直そう」と思えるほうが、ずっと得です。
2. 部分点の基準を、模範解答よりさらに厳しく
記述問題は部分点が出ますが、自分で部分点を判定するときは、模範解答の配点より一段厳しく見ましょう。「キーワードが一つでも抜けていたら、その分は引く」くらいでちょうどいいと思います。本番の採点者は、あなたの頭の中の意図までは読み取ってくれません。紙に書いてあることだけが評価されます。
3. 自己採点と返却された点数のズレを記録する
模試が返ってきたら、自分の自己採点と実際の点数を比べてください。そのズレが大きいほど、あなたの採点は甘いということです。数強塾では、このズレを毎回記録してもらいます。ズレが5点以内に収まるようになってきたら、自己採点の精度が上がってきた証拠。本番の点数を、自分で正確に予測できるようになります。
4. 「できたつもり」を一番疑う
自己採点を甘くする子は、たいてい「できたつもり」になっています。解説を読んで「ああ、そういうことね、知ってた」と思った問題こそ、本当に自力で解けるか手を動かして確かめてほしいんです。知っていることと、できることは、まったく別物ですから。
厳しい自己採点は、最初は気持ちが沈むかもしれません。でも、本番で崩れて泣くより、今のうちに現実を知って対策できるほうが、何倍も幸せだと僕は思います。
まとめ:自分に厳しい採点が、本番のあなたを守る
自己採点を甘くする子が、入試本番に崩れる理由は、結局のところ「本当の実力から目をそらしてしまうから」です。逆に言えば、今から自分に厳しく採点する習慣をつければ、本番であなたは崩れません。むしろ「ここまで厳しく見てきたんだから大丈夫」という、本物の自信を持って試験会場に向かえます。
2浪を経験した僕だからこそ伝えたいのは、ごまかしは必ず自分に返ってくるということ。そして、自分に正直になった瞬間から、成績は動き始めるということです。点数が下がるのが怖くて甘くつけてしまう気持ちは、痛いほどわかります。でも、その一歩を踏み出せた子から、本番に強くなっていきます。あなたなら、きっとできると思います。
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