平方完成とは|やり方・手順・二次関数の頂点をわかりやすく解説【数学用語】
定義
平方完成とは、 の形の二次式を、 という「かっこの2乗+定数」の形に変形することです。
たとえば を平方完成すると になります。この形にすると、二次関数の頂点や最大・最小がひと目でわかります。
① 平方完成の意味|なぜこの変形をするのか
二次式 は、そのままでは頂点や最小値が見えません。そこで、 を含む部分を「 という2乗のかたまり」にまとめ直します。2乗は必ず0以上なので、 の形にすれば、 のとき で最小値 をとることが即座に読み取れます。
言いかえると、平方完成は二次関数のグラフ(放物線)の頂点を求めるための変形です。頂点の座標・最大最小・グラフの平行移動は、すべてこの形から出発します。
② 手順|「半分の2乗」を足して引く
平方完成は、次の3ステップで進めます。
- の係数 で、 を含む項をくくる( のときは不要)。
- かっこの中で、 の係数の半分の2乗を足して、同じ数を引く。
- 2乗の形にまとめ、外に出した数を整理する。
一般には、次の公式にまとまります。
このとき頂点は です。公式を丸暗記するより、「半分の2乗を足して引く」という手順そのものを身につけるほうが、ミスなく速く解けます。
③ 二次関数の頂点・最大最小との関係
二次関数 のグラフは、頂点が の放物線です。平方完成でこの形にすれば、頂点と最大・最小は次のように読み取れます。
| の符号 | グラフの向き | 頂点でとる値 |
|---|---|---|
| 下に凸 | で最小値 | |
| 上に凸 | で最大値 |
頂点の 座標は の中身を0にする です。 なら頂点は と、符号が反転する点に注意しましょう。
④ 具体例(検算つき)
例1: を平方完成し、頂点を求める
の係数 の半分は 、その2乗 を足して引きます。
よって頂点は です。
検算: となり、もとの式に戻るので正しいと確認できます。
例2: を平方完成する( の場合)
まず の係数 で、 を含む項をくくります。
かっこの中で、 の係数 の半分 の2乗 を足して引きます。
よって頂点は です。
検算:。もとの式に一致します。
⑤ よくある失敗
- 係数でくくり忘れる: のとき、先に でくくらずに半分の2乗を作ると値がずれます。まず の係数でくくるのが鉄則です。
- くくった数の掛け戻しを忘れる:例2で の に を掛け忘れ、 としてしまうミスが多いです。かっこの外の数は中身全体に掛かります。
- 頂点の符号を取り違える: の頂点は ではなく です。中身を0にする値が頂点の 座標です。
- 足すだけで引き忘れる:半分の2乗は「足して同じ数を引く」で、式の値は変えません。引き忘れると別の式になってしまいます。
⑥ よくある質問(FAQ)
Q. 平方完成は何のためにするのですか?
二次関数の頂点や最大・最小を求めるためです。 の形にすると、頂点が だとすぐにわかり、 なら で最小値 をとることも読み取れます。グラフの平行移動を考えるときの基本にもなります。
Q. 係数が1でないとき()はどうすればよいですか?
先に の係数でくくってから、かっこの中で半分の2乗を足して引きます。かっこの外に出した数を最後に掛け戻すのを忘れないことが大切です。たとえば のように変形します。
Q. 平方完成と解の公式はどう違いますか?
解の公式は二次方程式 の解を求める道具で、実はその公式自体が平方完成から導かれています。平方完成は解を求めるだけでなく、頂点・最大最小・グラフの形まで扱える、より基礎的な変形だと考えるとよいです。
監修・執筆:藤原進之介(オンライン数学専門塾 数強塾)


