順列と組合せとは|公式nPr・nCrと使い分けをわかりやすく解説【数学用語】
重複を許して順番を区別せず選ぶ公式と仕切りは重複組合せの例題10問で確認できます。
異なる人を名前のある組・ない組へ分ける方法は組分けの例題10問で確認できます。
一直線上のかたまり・隙間・交互配置は隣り合う・隣り合わない順列で確認できます。
重複を許す並べ方と同じ文字の並べ替えは重複順列・同じものを含む順列で詳しく確認できます。
円形に並べる公式と条件付き配置は円順列の例題10問で確認できます。
定義
順列とは、いくつかのものから選んで順番をつけて並べるときの並べ方で、\( {}_n\mathrm{P}_r \) と書きます。組合せとは、順番を考えずにただ選ぶときの選び方で、\( {}_n\mathrm{C}_r \) と書きます。
ちがいは「順序を区別するか、しないか」の一点。並べるなら順列(P)、選ぶだけなら組合せ(C)です。
① 順列と組合せの意味|「並べる」か「選ぶ」か
たとえば3人 \(A,B,C\) から2人を選ぶ場面を考えます。「1位・2位を決めて並べる」なら \(AB\) と \(BA\) は別物なので順列。「代表2人を選ぶだけ」なら \(AB\) と \(BA\) は同じ組なので組合せです。順番に意味があるかどうかで、数え方が変わります。
② 公式|\( {}_n\mathrm{P}_r \) と \( {}_n\mathrm{C}_r \)
異なる \(n\) 個から \(r\) 個を選ぶとき、公式は次のとおりです。
\[ {}_n\mathrm{P}_r = \frac{n!}{(n-r)!} = \underbrace{n(n-1)\cdots(n-r+1)}_{r\ \text{個の積}} \]
\[ {}_n\mathrm{C}_r = \frac{n!}{r!\,(n-r)!} = \frac{{}_n\mathrm{P}_r}{r!} \]
ここで \( n! \)(\(n\) の階乗)は \( n\times(n-1)\times\cdots\times2\times1 \) です。2つの公式の関係を見ると、組合せは、順列を「並べ替えの数 \( r! \)」で割ったものだとわかります。順列では区別していた \(r\) 個の並べ替えを、組合せでは同じものとして \( r! \) で割って消しているのです。
③ 使い分け|順序に意味があるか
| 順列 \( {}_n\mathrm{P}_r \) | 組合せ \( {}_n\mathrm{C}_r \) | |
|---|---|---|
| 順序 | 区別する | 区別しない |
| 典型例 | 1列に並べる/役職を決める | 代表を選ぶ/組を作る |
| 見分ける言葉 | 「並べる」「順に」 | 「選ぶ」「取り出す」 |
「委員長と副委員長を選ぶ」は役割で区別するので順列、「委員を2人選ぶ」は区別しないので組合せ、というように、選んだ後に順番の差が残るかで判断します。
④ 具体例(検算つき)
例1(順列):5人から3人を選んで1列に並べる
並べるので順列 \( {}_5\mathrm{P}_3 \) を使います。
\[ {}_5\mathrm{P}_3 = 5\times4\times3 = 60 \ (\text{通り}) \]
検算:1人目の選び方が \(5\) 通り、2人目が残り \(4\) 通り、3人目が残り \(3\) 通り。積の法則で \( 5\times4\times3=60 \) 通りとなり一致します。
例2(組合せ):5人から3人を選ぶ(並べない)
順番を区別せずに選ぶので組合せ \( {}_5\mathrm{C}_3 \) を使います。
\[ {}_5\mathrm{C}_3 = \frac{5\times4\times3}{3\times2\times1} = \frac{60}{6} = 10 \ (\text{通り}) \]
検算:例1の順列 \(60\) 通りは、選んだ3人の並べ替え \( 3!=6 \) 通りを重複して数えています。よって \( 60\div6=10 \) 通り。\( {}_5\mathrm{C}_3={}_5\mathrm{P}_3\div3! \) の関係とも一致します。
⑤ よくある失敗
- PとCを取り違える:並べる問題に \( {}_n\mathrm{C}_r \)、選ぶだけの問題に \( {}_n\mathrm{P}_r \) を使うミスが定番です。「順序に意味があるか」を毎回確認しましょう。
- 組合せで \( r! \) の割り忘れ:\( {}_n\mathrm{C}_r \) は \( {}_n\mathrm{P}_r \) を \( r! \) で割ります。割り忘れると順列の値になってしまいます。
- \( {}_n\mathrm{C}_0 \) を0と思う:「0個選ぶ」選び方は「何も選ばない1通り」で、\( {}_n\mathrm{C}_0=1 \)、\( {}_n\mathrm{C}_n=1 \) です。
- \( {}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{C}_{n-r} \) を使わない:\( {}_{10}\mathrm{C}_8 \) は \( {}_{10}\mathrm{C}_2 \) と等しく、こちらのほうが計算が楽です。
⑥ よくある質問(FAQ)
Q. 順列と組合せは、どこで見分ければよいですか?
選んだ後に「順番の差」が意味をもつかどうかで見分けます。1列に並べる・役職を決めるなど順序に意味があれば順列(P)、代表を選ぶ・組を作るなど順序を区別しなければ組合せ(C)です。問題文の「並べる」「選ぶ」という言葉も手がかりになります。
Q. なぜ \( {}_n\mathrm{C}_r \) は \( r! \) で割るのですか?
順列では、選んだ \(r\) 個の並べ替え(\( r! \) 通り)をすべて別々に数えています。組合せは順序を区別しないので、この \( r! \) 通りの重複を1つにまとめる必要があり、そのために \( r! \) で割ります。だから \( {}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{P}_r\div r! \) が成り立ちます。
Q. \( {}_n\mathrm{C}_0 \) や \( {}_n\mathrm{C}_n \) はいくつですか?
どちらも \(1\) です。\( {}_n\mathrm{C}_0 \) は「1つも選ばない選び方」で1通り、\( {}_n\mathrm{C}_n \) は「全部選ぶ選び方」で1通りだからです。また \( {}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{C}_{n-r} \) が成り立ち、選ぶ数が多いときは残す数で計算すると楽になります。
監修・執筆:藤原進之介(オンライン数学専門塾 数強塾)
数強塾オリジナル 追加演習4題——数え上げは「1対1対応」でできている
⑤の4番目に、こう書きました。
\({}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{C}_{n-r}\) を使わない:\({}_{10}\mathrm{C}_8\) は \({}_{10}\mathrm{C}_2\) と等しく、こちらのほうが計算が楽です
計算が楽なのはそのとおりですが、なぜ等しいのかが書かれていません。式を展開すれば確かめられますが、それでは「たまたま同じ値になった」で終わってしまいます。
理由は1対1対応です——そして、これは \({}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{C}_{n-r}\) だけの話ではありません。②の \({}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{P}_r \div r!\) も、⑤の3番目の \({}_n\mathrm{C}_0=1\) も、この記事の上のほうでリンクした組分けや重複組合せも、全部「別の数え方と1対1に対応させる」という同じ道具でできています。この4題で、その1本の軸を通します。
追加第1問 なぜ \({}_{10}\mathrm{C}_8={}_{10}\mathrm{C}_2\) なのか
(1) \(10\) 人から \(8\) 人を選ぶ選び方と、\(10\) 人から \(2\) 人を選ぶ選び方が同じ数になる理由を、計算せずに説明せよ。
(2) その値を求めよ。
解答
(1) \(10\) 人から \(8\) 人を選ぶとき、選ばれなかった人が必ず \(2\) 人います。逆に、選ばれない \(2\) 人を決めれば、選ばれる \(8\) 人も自動的に決まります。
つまり「\(8\) 人の選び方」と「\(2\) 人の選び方」は、もれなく・重複なく、1つずつ組になって対応します。対応がつくものどうしは、数えれば同じ個数です。だから計算するまでもなく等しい。
(2) \({}_{10}\mathrm{C}_2 = \dfrac{10 \times 9}{2 \times 1} = 45\)。よって \({}_{10}\mathrm{C}_8 = 45\)。
⑤の3番目の \({}_n\mathrm{C}_0=1\) も、同じ見方で片づきます。「\(0\) 人選ぶ」は「\(n\) 人全員を残す」と対応し、残し方は \(1\) 通りしかない。だから \(1\)。「\(0\) 通りではないのはなぜか」と悩む必要がなくなります——数えているのは「選ばない」という1つの選び方です。
検算
公式でも確かめます。\({}_{10}\mathrm{C}_8 = \dfrac{10!}{8!\,2!} = \dfrac{10 \times 9}{2 \times 1} = 45\)。○ \(8\) 個の積を書く必要はなく、約分すれば \(2\) 個の積になります。
小さい数でも試せます。\({}_4\mathrm{C}_3 = 4\)、\({}_4\mathrm{C}_1 = 4\)。○ \(4\) 人から \(3\) 人を選ぶ選び方は、「仲間はずれを1人決める」のと同じ——こう言いかえると、もう暗算です。
追加第2問 選んでから並べる——\({}_n\mathrm{P}_r={}_n\mathrm{C}_r \times r!\) を体験する
\(7\) 人の中から \(3\) 人を選び、その \(3\) 人に会長・副会長・書記の役をつける。何通りあるか。2通りの数え方で求めよ。
数え方その1 役ごとに順に決める
会長を \(7\) 通り、副会長を残り \(6\) 通り、書記を残り \(5\) 通り。積の法則で
\[ {}_7\mathrm{P}_3 = 7 \times 6 \times 5 = 210\ \text{通り} \]
数え方その2 先に3人を選び、あとで役をつける
まず \(3\) 人を選ぶのは \({}_7\mathrm{C}_3 = \dfrac{7 \times 6 \times 5}{3 \times 2 \times 1} = 35\) 通り。次に、その \(3\) 人に \(3\) つの役を割りあてるのが \(3! = 6\) 通り。
\[ 35 \times 6 = 210\ \text{通り} \]
同じ \(210\) に着きました。これが②の \({}_n\mathrm{C}_r = {}_n\mathrm{P}_r \div r!\) の中身です。「並べる」は「選ぶ」と「並べ替える」に分解できる——つまり順列1つと、(組合せ1つ、並べ替え1つ)の組が1対1に対応しています。⑥のFAQ2が「\(r!\) 通りの重複を1つにまとめる」と書いているのは、この対応のことです。
検算
\({}_7\mathrm{C}_3\) の値そのものも、追加第1問の見方で確かめられます。\({}_7\mathrm{C}_3 = {}_7\mathrm{C}_4\) のはずで、\(\dfrac{7 \times 6 \times 5 \times 4}{4 \times 3 \times 2 \times 1} = 35\)。○
もっと小さい場合でも。\(3\) 人から \(2\) 人を選んで正副を決めるなら \({}_3\mathrm{P}_2 = 6\)、一方 \({}_3\mathrm{C}_2 \times 2! = 3 \times 2 = 6\)。○ この大きさなら全部書けます——正副の組は \(6\) 通り、選び方は \(3\) 通り。書き切れる大きさで確かめてから、大きい数に進むのが安全です。
追加第3問 「選ぶ」に見えて、実は割らないといけない
(1) \(6\) 人を \(3\) 人ずつ、区別のない2つの組に分ける方法は何通りか。
(2) \(6\) 人を \(2\) 人の組と \(4\) 人の組に分ける方法は何通りか。
解答
(1) 素直に「\(6\) 人から \(3\) 人を選ぶ」と考えると \({}_6\mathrm{C}_3 = 20\) 通り。ところがこれは数えすぎです。
たとえば \(\{1,2,3\}\) を選んだ場合と \(\{4,5,6\}\) を選んだ場合は、できあがる分け方としては同じ「\(\{1,2,3\}\) と \(\{4,5,6\}\)」です。組に区別がないので、1つの分け方が \(2\) 回ずつ数えられています。
\[ \frac{{}_6\mathrm{C}_3}{2!} = \frac{20}{2} = 10\ \text{通り} \]
(2) こちらは割りません。\(2\) 人の組と \(4\) 人の組は人数が違うので、取りちがえようがないからです。
\[ {}_6\mathrm{C}_2 = 15\ \text{通り} \]
③の表は「組を作る」を組合せの典型例として挙げていますが、組が同じ大きさで区別もないときは、さらに割る——ここが書かれていません。見分け方は「組を入れかえて同じ分け方になるか」だけです。(1) は入れかえられるので割る、(2) は人数が違って入れかえられないので割らない。
検算
(1) は \(10\) 通りなので書き切れます。\(1\) がどの組に入るかを固定すると、残り \(5\) 人から \(1\) の相方 \(2\) 人を選ぶだけで分け方が決まります。
\[ {}_5\mathrm{C}_2 = 10 \]
一致しました。○ 「1人を基準に固定する」と割り算が要らなくなります——これも1対1対応の言いかえです。
(2) は \({}_6\mathrm{C}_2 = 15\)、残す側で数えても \({}_6\mathrm{C}_4 = 15\)。○ 追加第1問の等式がここでも効いています。
追加第4問 \(\mathrm{P}\) でも \(\mathrm{C}\) でもない数え方
\(3\) 種類のジュースが売られている。ここから \(5\) 本買う。同じ種類を何本買ってもよく、買う順番は考えないとき、買い方は何通りか。
解答
「\(3\) 種類から \(5\) 本」なので \({}_3\mathrm{C}_5\) と書きたくなりますが、\(3\) 個から \(5\) 個は選べません。この問題は \(\mathrm{P}\) でも \(\mathrm{C}\) でもない——同じものを何度でも選んでよいからです。
そこで、買い方を別のものに対応させます。買った本数を種類ごとに \(\bigcirc\) で書き、種類の区切りに仕切り \(|\) を \(2\) 本入れます。たとえば
\(\bigcirc\bigcirc\,|\,\bigcirc\,|\,\bigcirc\bigcirc\) … 1種類目を \(2\) 本、2種類目を \(1\) 本、3種類目を \(2\) 本
\(|\,|\,\bigcirc\bigcirc\bigcirc\bigcirc\bigcirc\) … 3種類目だけを \(5\) 本
買い方1つに対して、この並び1つが決まります。逆も同じ。1対1に対応しています。あとは並びのほうを数えるだけです。\(\bigcirc\) が \(5\) 個、仕切りが \(2\) 本、合わせて \(7\) か所のうち仕切りを置く \(2\) か所を選べば並びが決まるので
\[ {}_7\mathrm{C}_2 = \frac{7 \times 6}{2 \times 1} = 21\ \text{通り} \]
数えにくいものを、数えやすいものに翻訳してから数える——これが1対1対応のいちばん強い使い方です。追加第1問から第4問まで、やっていることは全部同じでした。
| 数えたいもの | 対応させた相手 | 結果 | |
|---|---|---|---|
| 追加第1問 | 選ばれた \(8\) 人 | 選ばれなかった \(2\) 人 | \({}_{10}\mathrm{C}_8={}_{10}\mathrm{C}_2=45\) |
| 追加第2問 | 役つきの並び1つ | (選んだ3人、役の割りあて)の組 | \({}_7\mathrm{P}_3={}_7\mathrm{C}_3\times3!=210\) |
| 追加第3問 | 区別のない2組の分け方1つ | 番号つきの分け方2つ | \(\dfrac{{}_6\mathrm{C}_3}{2!}=10\) |
| 追加第4問 | 買い方1つ | \(\bigcirc\) 5個と仕切り2本の並び1つ | \({}_7\mathrm{C}_2=21\) |
検算
本数の組を全部書き出しても確かめられます。1種類目の本数を \(0\) から \(5\) まで動かすと、残りの分け方はそれぞれ \(6,\ 5,\ 4,\ 3,\ 2,\ 1\) 通り。
\[ 6+5+4+3+2+1 = 21 \]
一致しました。○ 和が \(1\) から \(6\) までの連続した数になるのも、この型の特徴です。
この4題で確認したこと
- \({}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{C}_{n-r}\) は「選ぶ」と「残す」の1対1対応。計算せずに言えます(追加第1問)。
- \({}_n\mathrm{C}_0=1\) は「\(n\) 個全部を残す \(1\) 通り」と対応するから。\(0\) 通りではありません。
- \({}_n\mathrm{P}_r = {}_n\mathrm{C}_r \times r!\) は、「並べる」を「選ぶ」と「並べ替える」に分けた形(追加第2問)。
- 同じ大きさで区別のない組に分けるときは、さらに組の個数の階乗で割る。人数が違えば割らない(追加第3問)。
- 「1人を基準に固定する」と、割り算そのものが要らなくなることがある。
- \(\mathrm{P}\) でも \(\mathrm{C}\) でもない問題は、数えやすいものに翻訳する。仕切りを入れて「位置の選び方」に変えるのが定石(追加第4問)。
- 数え上げの検算は「別の対応で数え直す」。2つの道が同じ数に着けば、まず間違いありません。
1対1対応そのものを扱った 「場合の数」のいちばん大切なこと──数えるとは1対1対応、その技術編の 数え上げの技術──重複・仕切り・対応づけ が、この4題の背景です。
学習の順序は 場合の数と確率 学習ロードマップ|中学受験算数の樹形図から確率漸化式まで に並べてあります。順列で掛け算をする理由そのものは なぜ順列では掛け算をするのか、単元をまたいだ型の索引は 解法パターン事典|全49単元618型 へ。
手を動かすなら 場合の数・確率の特訓道場【第2章】順列Pをゼロから(全37問)、【第3章】組合せCをゼロから(全27問)、型で見渡すなら 場合の数の解法パターン全12型 へ。
道具の「なぜ」は、なぜパスカルの三角形に組合せの数が現れるのか、なぜ確率は場合の数の割り算で求められるのか、なぜ「少なくとも1つ」は余事象で考えると速いのか にまとめてあります。関連する用語は 場合の数とは、確率とは、一覧は 数学用語辞典 にあります。
要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学I・Aの要点辞典:場合の数 にまとめてあります。


