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等差数列とは|意味・計算方法|数強塾 数学用語辞典

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今日の一問
④の具体例2つは、どちらも \(3,\ 7,\ 11,\ 15,\ \dots\) の初項から第10項までです。公式をそのまま当てはめれば終わります。
ところが⑤には、この2例では絶対に起きない失敗が2つ挙げてあります。
和の公式で項数を間違える:第 \(m\) 項から第 \(n\) 項までの項数は \(n-m+1\) 個です
途中から途中までの和が1問もないので、この注意を使う場面がありません。①に「\(d \lt 0\) なら減っていく」と書いてあるのに、減る数列の例もありません。この2つを4題で埋めます。
——さて、どこから手をつける?
続きの小問と、答え・考え方は本文で解説します。

等差数列とは|定義・一般項・和の公式をわかりやすく解説【数学用語】

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定義

等差数列とは、隣り合う項の差がつねに一定である数列のことです。その一定の差を公差といい、\(d\) で表します。

たとえば \( 3,\ 7,\ 11,\ 15,\ \dots \) は、どの項も前の項に \(4\) を足したもので、公差 \( d=4 \) の等差数列です。

① 等差数列の意味|「同じ数ずつ増える(減る)」

等差数列は、初めの数(初項 \(a_1\))から、毎回同じ数 \(d\) ずつ変化していく数列です。\(d>0\) なら増えていき、\(d<0\) なら減っていきます。

差が一定であることは、次のように言い換えられます。第 \(n\) 項を \(a_n\) とすると、隣どうしの差がつねに \(d\) になります。

\[ a_{n+1}-a_n=d \quad (\text{一定}) \]

「増える・減る」ではなく「一定の差で変化する」と捉えるのが正確です。負の公差なら減っていく数列も、りっぱな等差数列です。

② 一般項の公式

第 \(n\) 項 \(a_n\) を \(n\) の式で表したものを一般項といいます。初項 \(a_1\) から \(d\) を \((n-1)\) 回足すので、次の式になります。

\[ a_n=a_1+(n-1)d \]

足す回数が \(n\) 回ではなく \(\boldsymbol{(n-1)}\) 回である点がポイントです。第1項の時点ではまだ1回も足していないため、\(n\) から1を引きます。

③ 和の公式

初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_n\) は、次の2つの形で表せます。どちらも同じもので、状況に応じて使い分けます。

\[ S_n=\frac{n(a_1+a_n)}{2} \]
\[ S_n=\frac{n\{\,2a_1+(n-1)d\,\}}{2} \]

1つ目は「(初項+末項)× 項数 ÷ 2」で、初項と末項がわかっているときに便利です。末項 \(a_n\) が与えられていないときは、一般項を代入した2つ目の式を使います。

④ 具体例(検算つき)

例1:\( 3,\ 7,\ 11,\ 15,\ \dots \) の第10項を求める

初項 \( a_1=3 \)、公差 \( d=4 \) を一般項の公式に代入します。

\[ a_{10}=3+(10-1)\cdot 4=3+36=39 \]

検算:\( 3,7,11,15,19,23,27,31,35,39 \) と実際に4ずつ書き並べると、10番目はちょうど \(39\)。答えは \(39\)。

例2:同じ数列で、初項から第10項までの和を求める

初項 \(3\)、末項 \( a_{10}=39 \)、項数 \(10\) を「(初項+末項)× 項数 ÷ 2」に当てはめます。

\[ S_{10}=\frac{10\,(3+39)}{2}=\frac{10\cdot 42}{2}=210 \]

検算:もう一つの公式で \( S_{10}=\dfrac{10\{2\cdot3+(10-1)\cdot4\}}{2}=\dfrac{10(6+36)}{2}=210 \)。2通りで一致するので答えは \(210\)。

⑤ よくある失敗

  • 一般項で \((n-1)\) を \(n\) にしてしまう:正しくは \( a_n=a_1+(n-1)d \)。第1項では足す回数が0回である点を思い出しましょう。
  • 公差の符号を取り違える:\( 10,\ 7,\ 4,\ \dots \) のように減る数列は \( d=-3 \) です。「後の項-前の項」で公差を求めます。
  • 和の公式で項数を間違える:第 \(m\) 項から第 \(n\) 項までの項数は \( n-m+1 \) 個です。単純に \(n-m\) としないよう注意します。
  • 末項が不明なのに1つ目の公式を使う:末項 \(a_n\) がわからないときは、\( 2a_1+(n-1)d \) を使う2つ目の公式に切り替えます。

⑥ よくある質問(FAQ)

Q. 等差数列と等比数列はどう違いますか?

等差数列は隣り合う項の「差」が一定(毎回同じ数を足す)、等比数列は隣り合う項の「比」が一定(毎回同じ数を掛ける)数列です。たとえば \( 3,7,11,\dots \) は4ずつ足す等差数列、\( 3,6,12,\dots \) は2倍ずつする等比数列です。差が一定か比が一定かで見分けます。

Q. 一般項がなぜ \((n-1)d\) なのですか?

初項からスタートして、第 \(n\) 項に達するまでに公差 \(d\) を足す回数が \((n-1)\) 回だからです。第1項ではまだ0回、第2項で1回、第3項で2回…と、足した回数は項番号より1つ少なくなります。そのため \( a_n=a_1+(n-1)d \) となります。ここを \(n\) 回と数えるミスがとても多いので注意しましょう。

Q. 和の公式は2つとも覚える必要がありますか?

1つを覚えれば十分ですが、使い分けられると速くなります。末項 \(a_n\) がわかっているなら \( S_n=\dfrac{n(a_1+a_n)}{2} \) が簡単で、末項が不明なら一般項を代入した \( S_n=\dfrac{n\{2a_1+(n-1)d\}}{2} \) を使います。実際には前者を覚えておき、末項がなければその場で一般項を代入して求める、という運用でも対応できます。

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関連用語:数列(単元)辞典トップ過去問解説

監修・執筆:藤原進之介(オンライン数学専門塾 数強塾)

数強塾オリジナル 追加演習4題——「初項から第10項まで」以外の問題

④の具体例2つは、どちらも \(3,\ 7,\ 11,\ 15,\ \dots\) の初項から第10項までです。公式をそのまま当てはめれば終わります。

ところが⑤には、この2例では絶対に起きない失敗が2つ挙げてあります。

和の公式で項数を間違える:第 \(m\) 項から第 \(n\) 項までの項数は \(n-m+1\) 個です

途中から途中までの和が1問もないので、この注意を使う場面がありません。①に「\(d \lt 0\) なら減っていく」と書いてあるのに、減る数列の例もありません。この2つを4題で埋めます。

後半2題では、公差が負のときに「どこまで足すと和が最大になるか」を扱います。①の「\(d \lt 0\) なら減っていく」が、そのまま問題になる型です。

追加第1問 2つの項から、数列を決める

ある等差数列の第 \(5\) 項が \(20\)、第 \(12\) 項が \(55\) である。初項と公差を求め、一般項を書け。

解答

②の公式に当てはめます。ここで \(a_5\) は \(a_1\) に \(d\) を \(4\) 回足したもの——⑤の1番目のとおり、\(5\) 回ではありません。

\[ a_5 = a_1+4d = 20,\qquad a_{12} = a_1+11d = 55 \]

下から上を引くと \(a_1\) が消えます。

\[ 7d = 35 \ \Longrightarrow\ d = 5,\qquad a_1 = 20-4 \times 5 = 0 \]
\[ a_n = 0+(n-1) \times 5 = 5(n-1) \]

引き算で \(a_1\) を消すのが定石です。ここでも回数がポイントで、第5項と第12項のあいだで \(d\) を足す回数は \(12-5 = 7\) 回。項番号の差がそのまま回数になります。

検算

\(a_5 = 5 \times 4 = 20\)。○ \(a_{12} = 5 \times 11 = 55\)。○ 与えられた2つとも合いました。

初項が \(0\) なのは正しいのか——不安なら書き出します。\(0,\ 5,\ 10,\ 15,\ 20,\ \dots\) で、5番目がたしかに \(20\)。○ 初項が \(0\) や負でも、等差数列としては何も問題ありません。

追加第2問 途中から途中までの和

追加第1問の数列について、第 \(5\) 項から第 \(20\) 項までの和を求めよ。

解答

まず項数です。⑤の3番目のとおり \(n-m+1\) 個。

\[ 20-5+1 = 16\ \text{個} \]

両端は \(a_5 = 20\)、\(a_{20} = 5 \times 19 = 95\)。③の1つ目の公式に入れます。

\[ S = \frac{16\,(20+95)}{2} = \frac{16 \times 115}{2} = 920 \]

項数を \(20-5 = 15\) と数えると \(\dfrac{15 \times 115}{2} = 862.5\) となり、整数ですらなくなります。項がすべて整数なのに和が小数になったら、その時点でおかしい——項数の数え違いは、答えの形で気づけることがあります

検算

別の道でも出します。第20項までの和から、第4項までの和を引く方法です。

\[ S_{20} = \frac{20\,(0+95)}{2} = 950,\qquad S_4 = \frac{4\,(0+15)}{2} = 30 \]
\[ 950-30 = 920 \]

一致しました。○ この検算では \(S_4\) を引く点に注意してください。第5項から足すのだから、引くのは第4項までです。ここでも \(1\) つずれます。

「途中から」の和は、必ずこの2通りで出して突き合わせる。項数の \(+1\) と、引く側の \(-1\) は、どちらも同じ「境目の1つ」から来ています。

追加第3問 減る数列は、どこまで足すと最大か

初項 \(100\)、公差 \(-7\) の等差数列がある。

(1) 第何項から負になるか。

(2) 初項から第何項までの和が最大になるか。またその最大値を求めよ。

解答

(1) ②の公式で一般項を作ります。⑤の2番目のとおり、公差が負でもそのまま代入します。

\[ a_n = 100+(n-1)(-7) = 107-7n \]

負になるのは \(107-7n \lt 0\)、つまり \(n \gt \dfrac{107}{7} = 15.28\dots\)。\(n\) は整数なので第 \(16\) 項から負です。

(2) 和が最大になるのは、正の項を全部足し終えたところです。負の項を足せば減るだけ、\(0\) の項があれば足しても変わりません。第 \(15\) 項までが正なので

\[ a_{15} = 107-105 = 2,\qquad S_{15} = \frac{15\,(100+2)}{2} = \frac{15 \times 102}{2} = 765 \]

「和が最大」を難しい問題だと思う人が多いのですが、やることは「正の項はどこまでか」を調べるだけです。①に書いた「\(d \lt 0\) なら減っていく」を、そのまま最後まで使い切ればよい。不等式 \(a_n \gt 0\) を解く——これが答えの本体です。

検算

境目の前後を並べます。

項数 その項
\(n=14\) \(a_{14}=9\) \(S_{14}=763\) まだ足せる(次の項が正)
\(n=15\) \(a_{15}=2\) \(S_{15}=765\) ここが最大
\(n=16\) \(a_{16}=-5\) \(S_{16}=760\) 足すと減る

\(765\) の前後が \(763\) と \(760\) で、たしかに \(n=15\) が頂点。○ 最大を主張したら、必ず1つ前と1つ後を計算して挟んでください。これで「\(16\) 項までだった」「\(14\) 項までだった」という取りちがえが消えます。

\(a_{15} = 2 \gt 0\)、\(a_{16} = -5 \lt 0\) も確認済み。○

追加第4問 和は \(n\) の2次式である

追加第3問の数列について、\(S_n\) を \(n\) の式で表せ。

またそれを平方完成して、和が最大になる項数を別の方法で求めよ。

解答

③の2つ目の公式(末項を使わないほう)に \(a_1 = 100\)、\(d = -7\) を入れます。

\[ S_n = \frac{n\bigl\{2 \times 100+(n-1)(-7)\bigr\}}{2} = \frac{n\,(207-7n)}{2} = -\frac72 n^2+\frac{207}{2}n \]

\(n\) の2次式になりました。\(n^2\) の係数が負なので上に凸、つまり頂点で最大です(なぜ平方完成すると頂点がわかるのか)。

\[ S_n = -\frac72\left(n-\frac{207}{14}\right)^2+\frac72\left(\frac{207}{14}\right)^2 \]

頂点は \(n = \dfrac{207}{14} = 14.79\dots\)。ところが\(n\) は整数しかとれません。\(14.79\) にいちばん近い整数は \(15\) なので、\(n=15\) で最大。

\[ S_{15} = \frac{15 \times (207-105)}{2} = \frac{15 \times 102}{2} = 765 \]

追加第3問と同じ答えです。○

ここは定義域が整数であることを忘れないのがポイントです(なぜ定義域があるときは頂点だけ見てはいけないのか)。放物線の頂点は \(14.79\) ですが、そんな項番号は存在しません。近いほうの整数を選び、必ず両隣と比べる——追加第3問の表がそのまま検算になります。

検算

式に数を入れて確かめます。\(S_{14} = \dfrac{14 \times (207-98)}{2} = \dfrac{14 \times 109}{2} = 763\)。追加第3問の表と一致。○

\(S_{16} = \dfrac{16 \times (207-112)}{2} = \dfrac{16 \times 95}{2} = 760\)。これも一致。○

頂点の値は \(\dfrac72\left(\dfrac{207}{14}\right)^2 \fallingdotseq 765.16\) で、実際の最大 \(765\) よりわずかに大きい。整数に丸めたぶん、頂点の値には届かない——これも答えの妥当さの確認になります。○

この4題で確認したこと

  • 第 \(m\) 項は \(a_1\) に \(d\) を \(m-1\) 回足したもの。2項が与えられたら引いて \(a_1\) を消す(追加第1問)。
  • 第 \(m\) 項から第 \(n\) 項までの項数は \(n-m+1\)。⑤の3番目の唯一の使いどころ(追加第2問)。
  • 途中からの和は \(S_n – S_{m-1}\) でも出る。2通りで突き合わせる。
  • 公差が負なら、和が最大になるのは正の項を足し終えたところ。\(a_n \gt 0\) を解くだけ(追加第3問)。
  • \(S_n\) は \(n\) の2次式。平方完成でも最大が出るが、\(n\) は整数なので頂点をそのまま答えにしない(追加第4問)。
  • 最大を主張したら、1つ前と1つ後を計算して挟む。

単元としての続きは 数列とは|等差・等比・Σ・漸化式の解き方10問(和 \(S_n\) から一般項へ戻る追加演習つき)、手を動かすなら 数列(基本)の特訓道場|等差・等比・Σ・階差・漸化式の20題、型で見渡すなら 数列・漸化式の解法パターン全16型数列の和の解法パターン全12型 へ。

道具の「なぜ」は、なぜ等差数列の一般項はa+(n-1)dなのかなぜ等差数列の和は「最初と最後の平均×個数」なのかなぜ階差を取ると数列の次数が1つ下がるのかなぜ数列の和は「離散的な積分」と言えるのか、等比との違いは なぜ等比数列には指数関数が現れるのか にまとめてあります。

関連する用語は 平方完成とは(追加第4問で使いました)。用語の一覧は 数学用語辞典 にあります。

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学II・B・Cの要点辞典:数列 にまとめてあります。

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