絶対値とは|定義・意味・計算方法をわかりやすく解説【数学用語】
定義
絶対値とは、数直線上で、その数が原点(0)からどれだけ離れているかを表した距離のことです。数 の絶対値は と書き、距離なので符号(プラス・マイナス)を取り去った、必ず0以上の値になります。
たとえば 、 です。 も も、原点からの距離はどちらも だからです。
① 絶対値の意味|「符号を外す」と「距離」の2つの見方
絶対値には、覚えておくと便利な2つの見方があります。どちらも同じことを別の角度から言い表しています。
- 符号を外す: のように、マイナスの数はマイナスを外し、プラスの数はそのままにする、という素朴な見方です。計算のときはこの感覚が速いです。
- 原点からの距離: は数直線上で と原点の距離、より一般には は と の2点間の距離を表します。方程式・不等式を考えるときは、この距離の見方が本質になります。
「符号を外す」だけだと文字が入ったときに対応できなくなるので、本質は距離だと押さえておくのが、後々つまずかないコツです。
② 計算方法|場合分けの定義と √x²=|x|
文字を含む絶対値を正確に扱うには、次の場合分けの定義に立ち返ります。中身が0以上か負かで、外し方が変わります。
ここで のとき となるのは、たとえば なら となり、たしかに正の値(=距離)になるからです。マイナスがつくから負の数、と早合点しないのが重要なポイントです。
また、平方してから平方根をとる操作は、そのまま元には戻らず絶対値になります。
たとえば です。 と書いてしまうと が負のとき誤りになるため、ルートの中が2乗の形なら絶対値をつけて外す、と覚えておきましょう。
③ 方程式・不等式での扱い
絶対値の方程式・不等式は、「距離」の意味に翻訳すると見通しよく解けます。 のとき、次のように整理できます。
| 形 | 同じ意味の式 | 距離のイメージ |
|---|---|---|
| または | 原点からの距離がちょうど 。 | |
| 距離が 未満(内側)。 | ||
| または | 距離が より大(外側)。 |
不等号の向きで「間(内側)」か「外側(両サイド)」かが入れ替わるのがポイントです。ここを図(数直線)で確認しながら進めると、符号や向きのミスが激減します。
④ 具体例(検算つき)
例1:方程式 を解く
中身 の絶対値が なので、中身は か のどちらかです。
それぞれ解くと より 、 より 。
検算:、。どちらも成り立つので、答えは 。
例2:不等式 を解く
「 と の距離が 未満」なので、内側の形 に当てはめます。
各辺に を足すと
検算:範囲内の では 、境界の外側 では で は不成立。よって答えは で正しいと確認できます。
⑤ よくある失敗
- といつも書いてしまう: が負のときは です。文字の絶対値は、中身の符号で必ず場合分けして外しましょう。
- としてしまう:正しくは 。ルートの中が2乗の形のときは絶対値をつけて外すのが原則です。
- と勘違いする:絶対値は必ず0以上なので です。外の符号がそのまま出てくることはありません。
- と思い込む:これは一般には成り立ちません(正しくは )。たとえば ですが で一致しません。
⑥ よくある質問(FAQ)
Q. 絶対値をひとことで言うと何ですか?
数直線上で、その数が原点(0)からどれだけ離れているかを表す距離のことです。距離なので必ず0以上になり、 も もどちらも になります。「符号を外した大きさ」と理解しても差し支えありません。
Q. なぜ のとき絶対値が になるのですか?
は「 の符号を反転させた数」だからです。 が負のとき、符号を反転させれば正の数(=距離)になります。たとえば なら となり、たしかに原点からの距離を表します。マイナスがついているから負の数、と早合点しないことが大切です。
Q. 絶対値の不等式で、間になるか外側になるか混乱します。
距離のイメージで判断します。 は「距離が 未満」なので原点を挟んだ間()、 は「距離が より大きい」なので外側の両サイド( または )になります。数直線を描いて、内側か外側かを毎回確認する習慣をつけると間違えにくくなります。
監修・執筆:藤原進之介(オンライン数学専門塾 数強塾)


