翌年の2025年(旧情報関係基礎)、2017年センター試験の解説もあります。出題の中身は情報Ⅰの第3問(プログラム)・第4問(データ活用)と直結しているので、情報Ⅰ 最強120講義とあわせてご利用ください。
| 大問 | 選択 | 配点 | テーマ |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 必答 | 30 | 権利・音のディジタル化・グレースケール画像 |
| 第2問 | 必答 | 35 | 質問回数の最小化(順次法・グループ法・二段法) |
| 第3問 | 選択 | 35 | 魔方陣の生成と検証アルゴリズム |
| 第4問 | 選択 | 35 | 表計算(SUMIF・VLOOKUP・MIN・INT) |
第1問 問1 権利と音のディジタル化(ア〜ク)
a パスワードは英字・数字・記号を組み合わせたものにします。
b 写真の権利。この設問では、2つの権利を区別できるかが問われます。
- 友人が写っている写真を無断公開 → 写っている人の肖像権
- 友人が撮影した写真を無断使用 → 撮影者の著作権
c 箱の入れ替え。A(空)、B(リンゴ)、C(ミカン)でBとCを入れ替えます。「Bのリンゴを箱Aに移動」から始めると、次はCのミカンを箱Bに移動、最後にAのリンゴを箱Cに移動。空き箱を一時退避に使う定番の手順です。
d 音のディジタル化。量子化ビット数16ビットなら 2¹⁶ 段階。データ量は
44100 × 16 × 60 = 42,336,000 ビット ÷ 8 = 5,292,000 バイト = 5.292 Mバイト
次に、サンプリング周波数と量子化ビット数をそれぞれ半分、ステレオ(2ch)、4分間にすると
½ × ½ × 2 × 4 = 2倍
ビットとバイトの変換(÷8)を忘れると42.336を選んでしまいます。選択肢にその値が用意されている点に注意してください。
この方法でうまく解ける理由:音のデータ量を「標本化周波数×量子化ビット数×時間×チャンネル数」で統一すると、条件変更も比で処理できます。
検算:44,100×16×60÷8=5,292,000バイト、変更後の比は1/2×1/2×2×4=2です。
よくある誤り:ビットからバイトへの換算で8を割り忘れること、ステレオの2チャンネルを掛け忘れることです。
第1問 問2 自動販売機のシステム(ケ〜ス)
ユニバーサルデザインは誰にとっても使いやすいことを目指す考え方。特定の人向けの配慮であるバリアフリーとの違いが問われます。
在庫管理サーバへのアクセスを限られた担当者だけに制限するのは認証によるアクセス制御。
カメラで年齢層を推定して商品を提案する場面では、「お客様の個人情報からの提案ではなく」と明記されています。したがって購入履歴(個人情報)は選べず、売上情報の分析結果が正解です。
非接触型ICカードはICチップに内蔵されたメモリに情報が記録されているもの。磁気カードとの違いです。
クライアント・サーバの事例として適当でないのは自動車のGPS。GPSは衛星からの電波を一方向に受信するだけで、サーバへ要求を送って応答を受け取る仕組みではありません。
この方法でうまく解ける理由:各選択肢を「使いやすさ・アクセス制御・個人情報・通信方式」の定義に戻して判定すると、似た用語に惑わされません。
検算:正解表のケ〜スは2・3・2・2・2で、本文の選択結果と一致します。
よくある誤り:非接触型ICカードを磁気カードと混同すること、GPS受信だけをクライアント・サーバ通信とみなすことです。
第1問 問3 グレースケール画像とビットの重み(セ〜ト)
8ビットのグレースケールで、00が黒、FFが白。E0のマス目に注目します。
E0が含まれる列は F0, E0, C0, 80, 00。下位4ビットはすべて0で、上位4ビットだけが違います。最小00・最大F0で、差は10進で 240。
E0が含まれる行は EF, EE, EC, E8, E0。上位4ビットはすべて E で、下位4ビットだけが違います。差は15。
同じ「4ビット分の違い」でも、列(240)と行(15)で16倍の差が出ます。つまり上位ビットの変化のほうが見た目への影響が大きい。
この結果から、最下位ビットは見た目をほとんど変えないため、そこにデータを埋め込めると分かります。200×200画素の最下位1ビットを使うと
40,000ビット ÷ 8 = 5,000バイト ÷ 2 = 2,500文字
これは電子透かし(ステガノグラフィ)の原理そのものです。
この方法でうまく解ける理由:16進数を上位4ビットと下位4ビットに分ければ、各桁が画素値に与える重みを直接比較できます。
検算:列の差はF0−00=240、行の差はEF−E0=15、埋め込める文字数は200×200÷8÷2=2,500です。
よくある誤り:40,000ビットをそのまま文字数とすること、1文字2バイトという条件を最後に割り忘れることです。
第2問 質問回数を減らす(ア〜ニ)
4つの星から来た50人(5隻×10人)に、「はい/いいえ」で答えられる質問だけで出身星を特定します。探索アルゴリズムの比較がテーマです。
問1 順次法
「トウ星人ですか?」→「カイ星人ですか?」→「ホク星人ですか?」と順に聞く方法。トウ1回、カイ2回、ホク3回、そしてリクも3回(最後の質問に「いいえ」で確定するため)。
宇宙船A(トウ3・カイ2・ホク1・リク4)では
3×1 + 2×2 + 1×3 + 4×3 = 3+4+3+12 = 22回
宇宙船C(トウ1・カイ3・ホク2・リク4)なら 1+6+6+12 = 25回。
順番をトウ→リク→ホクに変えると、カイ星人は最後に回るので1回多くなります。宇宙船Aの合計は 3+8+3+6 = 20回で、元より2回少ない。
問2 グループ法
「トウカイ銀河から来ましたか?」で2つずつに分け、次の1問で確定させる方法。全員がちょうど2回なので、10人なら必ず 20回。人数構成に左右されません。
一方、順次法は出身者が多い星から順に質問すると最小になります。宇宙船Aならリク→トウ→カイ→ホクで
4×1 + 3×2 + 2×3 + 1×3 = 19回
5隻すべてで計算すると A:19、B:14、C:19、D:13、E:15 となり、最も少ないのは宇宙船Dです。
両者の比較は、順次法での質問回数がグループ法(2回)より多いか少ないかで整理できます。
| 順次法での順番 | 回数 | グループ法との差 |
|---|---|---|
| 1番目に聞く星(最多) | 1回 | 少ない |
| 2番目に聞く星 | 2回 | 同じ |
| 3番目に聞く星 | 3回 | 多い |
| 4番目(最少) | 3回 | 多い |
したがって「3番目に多い星+最も少ない星」の人数が「最も多い星」の人数を上回るとき、グループ法が有利になります。
問3 二段法
1隻をグループ法で調べてX星(最多)とY星(2番目)を決め、残り40人には「X星人ですか?」「Y星人ですか?」の順で聞く方法です。
前手順で宇宙船Aを選ぶと、A はリク4・トウ3なので X=リク星、Y=トウ星。
前手順で宇宙船B(カイ7・リク2)を選ぶと X=カイ星。残るA・C・D・Eのカイ星人は 2+3+7+6 = 18人です。
実際に5通りすべてを計算すると、表2の値が再現できます。
| 前手順 | X星 | 後手順の内訳 | 合計 |
|---|---|---|---|
| A | リク | 20+12×1+2×2+26×3 | 114 |
| B | カイ | 20+18×1+14×2+8×3 | 90 |
| C | リク | 20+12×1+22×2+6×3 | 94 |
| D | カイ | 20+18×1+13×2+9×3 | 91 |
| E | カイ | 20+19×1+13×2+8×3 | 89 |
Aだけ突出して多い理由は、B・D・EではX星がカイ星(人数が多い星)になり、1回で済む人が増えたからです。
AとCの差は少し違います。両方ともX星はリク星で後手順のX星人は12人と同じ。差はその他の人数(26人 vs 6人)で、Cは後手順でその他が少なかった。その理由は、CではY星がカイ星になり、多数派を2回で拾えたためです。
BとEの差は、Eの前手順のカイ星人が6人とBの7人より少なく、その分後手順にX星人が多く回ったことによります。
この方法でうまく解ける理由:出身者数と1人あたりの質問回数を掛けて合計すれば、三つの方法を同じ基準で比較できます。
検算:順次法の最小値はA〜Eで19・14・19・13・15回、二段法は114・90・94・91・89回になります。
よくある誤り:4番目の星にも4回質問すると数えることです。3番目への質問が「いいえ」なら、4番目だと確定するため3回で済みます。
第3問(選択)魔方陣の生成と検証
問1 和を求める手続き
配列は Mahou[x,y](第x列・第y行)で、添字は0から。第1行の和は Mahou[0,1]、Mahou[1,1]、Mahou[2,1] を足します。
各行の和は、外側ループが行(gyou)、内側ループが列(retu)なので wa ← wa + Mahou[retu,gyou]。列の和を求めたければ、この2つの変数を入れ替えるだけです。
対角方向は添字の関係で書き分けます。
- 左上→右下:xとyが揃って増える →
Mahou[i,i] - 右上→左下:xが減りyが増える →
Mahou[N-1-i,i]
問2 奇数次の魔方陣を作る
1を置くのは「一番下の行の中央」。N次では第 (N-1)÷2 列、第 N-1 行です。
2以降は「前の数の右下」に置き、はみ出したら反対側へ回り込みます。この回り込みは剰余演算で書けるのがポイントで、右下のマスは Mahou[(x+1)%N, (y+1)%N]。
そのマスが0(未記入)なら移動して記入、埋まっていれば「一つ上」= y ← y-1 に記入します。
(06)行目の実行回数は数え上げで求まります。zは2〜9の8回ループ。衝突するのは4を置くとき(3の右下が埋まっている)と7を置くとき(6の右下の第0列第0行に4がある)の2回だけなので
8 − 2 = 6回
問3 正しい魔方陣かを検証する
図7(各行の和の一致)。最初の行の和だけを基準値 hantei_wa に入れたいので、条件は hantei_wa = 0。初期値0を「まだ入れていない印」として使う書き方です。
以降は もし wa ≠ hantei_wa ならば batu ← 1。ここで「そうでなければ batu ← 0」を付けてはいけません。後の行が一致すると前の不一致が消えてしまうからです。一度立てた不一致フラグを後から0に戻さないことが重要です。
図8(数の重複チェック)。マスの値そのものを添字にして Kakunin[Mahou[retu,gyou]] を1増やせば、各数の出現回数が数えられます。
正しい魔方陣なら1〜N×Nが1回ずつ現れるので、判定条件は Kakunin[i] ≠ 1。0回(欠落)でも2回以上(重複)でも同時に検出できます。
この方法でうまく解ける理由:配列の添字を列x・行yに固定し、回り込みを剰余、重複を出現回数配列で表すと、手続きの役割を一つずつ追えます。
検算:3次の完成形は各行・各列・二つの対角線の和がすべて15で、通常の右下移動は6回です。
よくある誤り:不一致を見つけた後、次の一致でbatuを0に戻す処理を入れてしまうことです。
第4問(選択)表計算でゲームを分析する
問1 島ごとの遭遇回数と割合
島名で絞って妖精ごとに合計するので SUMIF です。
SUMIF(遭遇記録!$B$2:$B$47, $A2, 遭遇記録!D$2:D$47)
複写の方向で絶対参照の付け方が決まります。検索範囲(島名の列)は動かしたくないので完全固定、検索条件は行だけ動かしたいので $A2、合計範囲は列だけ動かしたいので D$2:D$47。3つとも固定の仕方が違うのがこの設問の要点です。
割合は B2/$G2。検算すると、ヒガ島のモックは 72 ÷ 427 = 0.17 でシート3と一致します。
表を読むと、ヒガ島はヨーモ(0.51)、ニシ島はモック(0.42)が最も出やすいと分かります。
問2 1時間あたりに換算する
獲得ポイントは 遭遇回数集計!B2 * VLOOKUP(B$1, 妖精リスト!$A$2:$B$6, 2)。妖精名は1行目にあるので行を固定して B$1 とします。
検算:ヒガ島のモックは 72 × 90 = 6480。シート5と一致します。
1時間あたりへの換算は、滞在時間が分なので60で割ります。
遭遇回数集計!B2 / (滞在時間!$B2/60)
検算:72 ÷ (860/60) = 5.0、ポイントは 27050 ÷ (860/60) = 1887.2。どちらもシート7と一致します。
滞在時間は横に複写しても同じ列を見るので $B2、ポイントの合計も同様に $G3 と列を固定します。
問3 道具の生成見込数と行動方針
縄は毛1つと麦3つが必要。素材ごとに「何個分作れるか」を出し、最も少ないものが上限になります。したがって
MIN(INT(D3/道具リスト!D$3), INT(E3/道具リスト!E$3))
検算してみます。
| 島 | 毛÷1 | 麦÷3 | MIN |
|---|---|---|---|
| ヒガ島 | 15.1→15 | 2.5/3→0 | 0 |
| ニシ島 | 5.6→5 | 2.7/3→0 | 0 |
| ミナ島 | 2.7→2 | 11.8/3→3 | 2 |
| キタ島 | 2.5→2 | 5.6/3→1 | 1 |
シート9の値と完全に一致します。素材が余っていても、一番足りないもので頭打ちになるという考え方です。
合算ポイントは 生成見込数!$G3 + 生成見込数!H3 * VLOOKUP(B$1, 道具リスト!$A$3:$G$6, 7)。検算:ヒガ島の縄は 1887.2 + 0×200 = 1887.2、ミナ島の縄は 3325.6 + 2×200 = 3725.6 で一致します。
行動方針は、生成見込数と合算ポイントを順に比較して判断します。
- 縄がほしい:縄の生成見込数はミナ島が2で最多 → ミナ島
- 椅子がほしい:ヒガ島とニシ島がどちらも2で同数。同数ならポイントが多いほうなので、1887.2 < 2311.8 で ニシ島
- 道具が不要:シート10で最大値を探すと キタ島の机 4625.3 → キタ島で机を生成して寄付
椅子の設問は「生成できる数が同じ場合はポイントで比べる」という前提を読み落とすと、ヒガ島を選ぶ誤答につながります。
この方法でうまく解ける理由:複写する方向を先に確認し、動かしたくない行または列だけに$を付けると、絶対参照を機械的に決められます。
検算:ヒガ島のモックは72÷(860÷60)=5.0、同島のポイントは27,050÷(860÷60)=1,887.2です。
よくある誤り:セル範囲の区切りを「:」で書かないこと、素材ごとの生成可能数にMINを使わず合計してしまうことです。
この回の総評
第2問では、同じ問題を3つのアルゴリズムで解き、どれが有利かを人数構成から論じるという構成で、探索の計算量を扱っています。順次法は偏りが大きいほど有利、グループ法は常に一定──この対比は情報Ⅰのアルゴリズム分野にそのまま通じます。
第1問問3も設計が巧みで、「上位ビットと下位ビットで見た目への影響が16倍違う」という観察から、電子透かしの原理まで一本の流れで導いています。
第4問は複写方向と絶対参照が全設問を貫くテーマです。縦だけなら行を、横だけなら列を、両方なら両方を固定する。この判断を機械的にできるかで得点が決まります。
※本記事の解答・解説は数強塾が独自に作成したもので、大学入試センターが公表した公式解答ではありません(すべての設問について大学入試センター公表の正解と照合しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
情報Ⅰを得点源にしたい方へ
アルゴリズムと表計算は、情報Ⅰでもそのまま問われます
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