武蔵野大学一般選抜A日程(2/6)2026年度の「情報」から、全14問の解答解説を掲載します。いずれも設問の構造・方針・解答・独立した検算まで示しています。問題文そのものは掲載していませんので、大学公表の問題と併せてご利用ください。
このページの内容
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問1 問2
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問1 問3
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問1 問4
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2(階調とビット数)
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問10
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問11
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問12
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問1〜問3
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問4
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問5
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問8
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問9
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問3 問1
- 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問3 問2
問1 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問1 問2
まず自分で解いてみる
4つの観点それぞれについて評価を並べた組み合わせが複数提示され、特定の媒体の性質として最も適切なものを選ばせる。
評価は4段階の記号で表される。組み合わせ全体が媒体の特性を表すので、1つの観点だけで判断すると誤る。4つすべてを照合する必要がある。
ヒント:この設問で使う道具
情報の発信方法を比べるとき、次の4つの観点が使われる。
- 速報性=出来事からどれだけ早く伝えられるか
- 同報性=一度に多くの相手へ届けられるか
- 蓄積性=発信した内容が残り、後から参照できるか
- 検索性=蓄積された中から目的のものを探し出せるか
この4つは独立していない。蓄積性がなければ検索性は成立しない。残っていないものは探せないからである。逆に、蓄積されていても探す手段がなければ検索性は低い。
各媒体の性質を押さえておく。
| 媒体 | 速報性 | 同報性 | 蓄積性 | 検索性 |
|---|---|---|---|---|
| 電話 | 高い | 低い | 低い | 低い |
| 郵便の手紙 | 低い | 低い | 高い | 低い |
| テレビ・ラジオ | 高い | 高い | 低い | 低い |
| 雑誌・書籍 | 低い | 高い | 高い | 中程度 |
| ウェブページ | 高い | 高い | 高い | 高い |
電子的で公開された媒体ほど、4つすべてが高くなる傾向がある。
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🧭 方針
その媒体の使われ方を思い浮かべ、4観点を1つずつ評価してから照合する。 選択肢を先に見ると、なんとなく近いものを選んでしまう。
対象となる媒体について、順に問いを立てる。
1. 速報性 — 出来事の直後に発信できるか
2. 同報性 — 一度の発信が多数に届くか
3. 蓄積性 — 発信内容が残るか
4. 検索性 — 過去の投稿を探せるか
自分で4つの評価を決めてから、それに最も近い選択肢を選ぶ。先に答えを作ってから選択肢に当てる手順が、この形式では確実である。
✍️ 解答
対象の媒体について、4観点を評価する。
- 速報性 — 手元の端末から即座に発信でき、出来事の最中でも投稿できる。特に優れている
- 同報性 — 一度の投稿が多数の相手へ同時に届く。転送によってさらに広がる。特に優れている
- 蓄積性 — 投稿は残り後から参照できる。ただし流れが速く古い投稿は埋もれやすい。優れている
- 検索性 — 語句やタグで過去の投稿を探せる。特に優れている
したがって、速報性と同報性と検索性が最上位、蓄積性がそれに次ぐという組み合わせが適切である。
他の組み合わせが表す媒体も推測できる。
| 組み合わせの型 | 該当しそうな媒体 |
|---|---|
| すべて中程度以下 | 個人間の手紙など |
| 速報性が低く同報性・蓄積性が高い | 雑誌・書籍 |
| 同報性が低く蓄積性のみ高い | 個人的な記録 |
✅ 検算
評価を見直すのではなく、各観点について「できない場面があるか」を探す。
速報性。 発信までに編集や印刷の工程が挟まらない。出来事の最中に投稿している例は日常的にある。遅れる要因が見当たらないので最上位でよい。
同報性。 1回の投稿が、つながっている相手全員に届く。さらに転送されれば元の範囲を超えて広がる。放送と同等かそれ以上に広がりうる。最上位でよい。
蓄積性。 投稿は削除しない限り残る。ただし新しい投稿が次々と流れてくるため、時間が経つと目に触れにくくなる。残ってはいるが埋もれるという性質があるので、最上位ではなく一段下が妥当である。
検索性。 語句やタグで探せる仕組みが備わっている。書籍の索引よりも網羅的で高速である。最上位でよい。
4観点の依存関係でも確かめる。 検索性が最上位である以上、蓄積性が低いことはありえない。探せるということは残っているということだからである。求めた評価では蓄積性も上位にあり、この依存関係と矛盾しない。逆に、蓄積性が低いのに検索性が高い組み合わせがあれば、それは論理的に成立しない。
💡 ここで効く一般則
4観点は独立ではない。蓄積性がなければ検索性は成立しない。 依存関係を使えば、成立しない組み合わせを論理だけで落とせる。
選択肢を見る前に自分で評価を作る。 先に選択肢を読むと、なんとなく近いものに引きずられる。4観点それぞれに自分の答えを出してから照合する。
「できない場面があるか」で評価を検算する。 最上位と判断したものについて、遅れる・届かない・残らない・探せない場面を探す。見つからなければ最上位でよい。
電子的で公開された媒体は4観点すべてが高い。 紙媒体は速報性か同報性のどちらかで劣る。この対比が判断の軸になる。
情報Ⅱでは、この比較がメディアの特性と社会的影響へつながる。速報性と同報性が同時に高い媒体は、誤った情報も同じ速さで広がる。訂正が元の情報に追いつかないという非対称が生じ、発信の容易さと責任の重さが釣り合わない状況を生む。媒体の性質を4観点で分解できることが、その議論の前提になる。
問2 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問1 問3
まず自分で解いてみる
タイトルと本文それぞれについて、書体とその理由を組み合わせた選択肢から適切なものを選ばせる。
選択肢は書体の割り当てと理由の割り当てをそれぞれ入れ替えた4通りで構成されている。したがって、書体だけ合っていても理由が入れ替わっていれば不正解になる。2つの軸を同時に正しく判断する必要がある。
理由として挙げられているのは「目立たせるため」と「落ち着いた印象を与えるため」の2つで、どちらがどちらの書体に対応するかが問われている。
ヒント:この設問で使う道具
日本語の書体は大きく2系統に分かれ、線の作りが読みやすさの性質を決める。
明朝体は、縦線が太く横線が細い。線の端に「うろこ」と呼ばれる小さな三角の飾りが付く。この強弱と飾りが文字の輪郭に個性を与え、小さい文字を長く読んでも目が疲れにくい。新聞や書籍の本文に使われるのはこのためである。落ち着いた、あらたまった印象を与える。
ゴシック体は、縦線も横線もほぼ同じ太さで、飾りがない。線が均一なので遠くから見ても、小さく表示しても形が崩れにくい。視認性が高く、力強い印象を与える。見出し、標識、画面上の短い文字列に向く。
使い分けの原則はこうなる。
- 目立たせたい短い文字列 → ゴシック体
- 落ち着いて長く読ませる文字列 → 明朝体
つまり、見出しはゴシック、本文は明朝が印刷物の標準的な組み合わせになる。
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🧭 方針
役割から書体を決め、次に理由が書体と対応しているかを確かめる。
まずタイトルの役割を考える。タイトルは読み手が最初に目を留める場所で、短く、目立つ必要がある。線が均一で視認性の高いゴシック体が適する。
次に本文の役割を考える。本文は分量が多く、長時間読み続けられる必要がある。線に強弱があり文字の識別がしやすい明朝体が適する。
書体が決まったら、理由の割り当てが逆になっていないかを確認する。ゴシック体の特徴は視認性の高さなので理由は「目立たせるため」、明朝体の特徴は長文での読みやすさなので理由は「落ち着いた印象を与えるため」になる。
✍️ 解答
タイトルにゴシック体(目立たせるため)、本文に明朝体(落ち着いた印象を与えるため) の組み合わせが適切である。
書体の性質と用途を整理する。
| 明朝体 | ゴシック体 | |
|---|---|---|
| 線の太さ | 縦太・横細 | ほぼ均一 |
| 飾り | あり(うろこ) | なし |
| 得意な場面 | 長文の本文 | 見出し・標識 |
| 与える印象 | 落ち着き・格式 | 力強さ・明快さ |
| 理由の語 | 落ち着いた印象 | 目立たせる |
書体を逆にすると、タイトルが本文に埋もれて見出しの機能を果たさず、本文は線の強弱が乏しいため長く読むと目が疲れる。どちらも本来の役割を損なう。
理由だけを入れ替えた選択肢も用意されているが、明朝体を「目立たせるため」に使うという説明は書体の性質と食い違う。
✅ 検算
書体の特徴を思い出す経路とは別に、身近な印刷物がどう組まれているかで確かめる。
新聞を思い浮かべる。見出しは太いゴシック体で大きく組まれ、本文は明朝体で小さく詰まっている。書籍でも、章題はゴシック体、本文は明朝体という組み方が一般的である。実際の印刷物が、求めた組み合わせと一致している。
逆の組み方が使われる場面も考えておく。画面上の文章では、本文にもゴシック体が使われることが多い。これは画面の解像度が紙より低く、明朝体の細い横線が表示しきれずかすれるためである。媒体が変われば最適な選択も変わるが、印刷物を前提とする本問では標準的な組み合わせが答えになる。
理由の対応も独立に確かめる。 道路標識や駅の案内表示はすべてゴシック体である。遠くから瞬時に読み取る必要があるからで、これは「目立たせる」という理由と一致する。一方、長編小説がゴシック体で組まれることはない。用途と理由の対応が実例で裏づけられる。
💡 ここで効く一般則
見出しはゴシック、本文は明朝。 印刷物の標準である。この対応を軸に覚え、例外は媒体の事情として理解する。
書体は「線が均一か、強弱があるか」で分ける。 均一なら視認性重視のゴシック、強弱があれば可読性重視の明朝。名前を忘れても性質から判断できる。
選択肢が2軸で作られていたら、両方を独立に確かめる。 書体が合っていても理由が入れ替わっていれば誤答になる。片方だけ見て決めない。
身近な印刷物で検算する。 新聞・書籍・標識がどう組まれているかを思い出せば、抽象的な知識に頼らず判断できる。
情報Ⅱでは、この話がユニバーサルデザインへ広がる。読みやすさは書体だけでなく、文字の大きさ、行間、地と文字の明度差の組み合わせで決まる。近年は弱視や読み書き障害のある人にも読みやすいよう設計された書体も普及している。誰にとって読みやすいのかを問う視点が、そこで加わる。
問3 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問1 問4
まず自分で解いてみる
7つの項目を並べた4通りの構成から、適切なものを選ばせる。
誤りの作り方は2種類ある。順序を入れ替えたものと、「考察」を「感想」に差し替えたものである。したがって判定も2段階になる。
項目の顔ぶれ自体は似ているので、並び順と語の選択の両方を見る必要がある。
ヒント:この設問で使う道具
報告書・レポート・論文の構成には、論理の順序という制約がある。読み手が前の項目を読まずに次を理解できない、という依存関係が並び順を決める。
標準的な流れは次のようになる。
1. テーマ — 何について書くか
2. 目的 — なぜそれを調べるか。問いを立てる
3. 方法 — どうやって調べるか。手順を宣言する
4. 調査 — 実際に行った作業
5. 結果 — 得られた事実。ここには解釈を混ぜない
6. 考察 — 結果が何を意味するか。目的への回答
7. まとめ — 全体の要約と残された課題
依存関係を確認する。目的が決まらなければ方法を選べない。方法が決まらなければ調査できない。調査しなければ結果は出ない。結果がなければ考察できない。この鎖が一本に繋がっていることが、順序が動かせない理由である。
もう一つ重要なのが、「考察」と「感想」は別物という点である。考察は結果という根拠に基づいて意味を論じるもので、他人が同じ結果を見れば同じ結論に至りうる。感想は書き手の主観であり、根拠を必要としない。報告書・論文に感想の節を置くのは不適切である。
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🧭 方針
先に「感想」を含む選択肢を落とす。 語を1つ見るだけで済むので、最も安い検査から始める。報告書・レポート・論文の構成に感想は入らない。
残った選択肢について、順序の依存関係を確かめる。特に見るべきは次の2点である。
- 目的が方法より前にあるか — 何を知りたいかが決まる前に手段は選べない
- 結果が調査より後にあるか — 調べる前に結果は出ない
この2点を確かめれば、順序を入れ替えた選択肢は落ちる。
✍️ 解答
テーマ → 目的 → 方法 → 調査 → 結果 → 考察 → まとめ の構成が適切である。
各選択肢の判定を整理する。
| 誤りの型 | 何が問題か |
|---|---|
| 「考察」が「感想」になっている | 主観を根拠なく述べる節は報告書に置かない |
| 調査・結果が目的・方法より前にある | 目的が決まる前に調査はできない |
| 目的と方法の間に結果が入る | 手順を宣言する前に結果は出ない |
正しい構成では、前半の3つが「これから何をするか」の宣言、中盤の2つが「実際にやったことと分かったこと」、後半の2つが「それが何を意味するか」 という3層になっている。
この3層構造は、読み手が途中から読んでも位置を見失わないための設計でもある。
✅ 検算
順序を並べ直すのではなく、隣り合う2項目を入れ替えたら何が起きるかを確かめる。
目的と方法を入れ替える。 「どうやって調べるか」を先に書き、その後で「なぜ調べるか」を述べることになる。読み手は手段を読む段階でその手段が選ばれた理由を知らず、妥当性を判断できない。依存関係が逆転して読めなくなる。
結果と考察を入れ替える。 解釈を先に述べ、後から根拠を出すことになる。読み手は結論を受け入れるかどうかを、根拠を見ないまま判断させられる。論証として成立しない。
調査と結果を入れ替える。 調べる前に結果が書かれていることになり、時系列として不可能である。
このように、どの隣接ペアを入れ替えても破綻する。順序が一意に定まることが確認できた。
「感想」を置いた場合も試す。 結果から導けることを述べる節がなくなり、代わりに主観が入る。読み手は「なぜその結論なのか」を確かめる手がかりを失う。報告書の目的そのものが果たせなくなるので、語の差し替えが致命的であると分かる。
💡 ここで効く一般則
構成の順序は依存関係で決まる。 前を読まなければ次が分からない、という鎖を辿れば並び順は一意に決まる。暗記ではなく導出できる。
「考察」と「感想」を混同しない。 考察は根拠に基づき、他人が検証できる。感想は主観で、検証できない。報告書・論文には考察を置く。
選択肢が語の差し替えを含んでいたら、そこから検査する。 順序を照合するより速く落とせる。
隣接ペアの入れ替えで検算する。 どのペアを入れ替えても破綻するなら、順序は一意である。
情報Ⅱでは、この構成が探究のプロセスとして位置づけられる。問いを立て、手法を選び、データを集め、解釈し、次の問いへつなぐ。報告書の構成は、この探究の流れをそのまま文書の形に写したものである。書き方の作法ではなく、考え方の順序だと理解すると、応用が利く。
問4 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2(階調とビット数)
まず自分で解いてみる
具体的な階調数からビット数を求める問い、ビット数から階調数を求める問い、そして一般の場合を文字で表す問いが順に並ぶ。
具体例で規則を掴ませてから抽象化させる構成になっており、最後の空欄で という式を書けるかが到達点になる。
ヒント:この設問で使う道具
白黒画像では、各画素の濃さを何段階で表すかを階調と呼ぶ。この段階数と、必要なビット数の関係が本問の中心になる。
ビットで表せる値は 通りである。したがって
が成り立つ。逆に、階調数からビット数を求めるには2を底とする対数を取る。
| ビット数 | 階調数 |
|---|---|
| 1 | 2 |
| 2 | 4 |
| 3 | 8 |
| 4 | 16 |
| 8 | 256 |
2階調が1ビットである点に注意したい。0と1の2通りを区別するのに必要なのは1桁であり、2桁ではない。「2階調だから2ビット」と考える誤りが最も多い。
段階の数え方も押さえる。8階調なら、最も暗い側を0、最も明るい側を7として、間を1から6で埋める。最大値は階調数から1を引いた値になる。
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🧭 方針
指数の表を作り、両方向に引けるようにする。
ビット数から階調数を求めるときは を掛け合わせる。階調数からビット数を求めるときは、2で何回割れば1になるかを数える。対数の記号を使わなくても、この数え方で求まる。
具体例を確認する。
- 白黒の2階調 → 0と1の2通り → なので 1ビット
- 3ビット → なので 8階調
一般の場合は、そのまま指数の形で書く。 ビットあれば 階調を表現できる。
ビット数が1増えるごとに階調数が2倍になるという関係を掴んでおけば、表を暗記していなくても復元できる。
✍️ 解答
- 白黒の2階調に必要なデータ量 → 1ビット
- 3ビットで表現できる階調数 → 8階調
- ビットで表現できる階調数 → 階調
対応を表にまとめる。
| ビット数 | 階調数 | 濃さの表し方 |
|---|---|---|
| 1 | 2 | 0=黒、1=白 |
| 2 | 4 | 0=黒、3=白、間を1・2 |
| 3 | 8 | 0=黒、7=白、間を1〜6 |
| 0=黒、=白 |
白を表す数値が階調数そのものではなく階調数から1を引いた値になる点が、この表から読み取れる。8階調なら白は7であって8ではない。
✅ 検算
指数を計算し直すのではなく、2倍ずつ積み上げるという別経路で確かめる。
1ビットで2階調。ここから1ビット増やすごとに2倍していく。
3ビットで8階調に到達する。指数計算の結果と一致した。
逆向きでも辿る。 8階調を2で割り続けると で3回割れる。割った回数がビット数3と一致する。二方向から同じ値に到達した。
2階調が1ビットであることも独立に確かめる。 1桁の2進数で表せるのは0と1の2通りである。黒と白を区別するにはこの2通りで足りるので、1ビットで十分である。もし2ビットとすれば4通りを表せることになり、白黒の2状態に対して余分になる。必要最小限という観点から1ビットが正しい。
一般式も具体値で検算する。 なら 、 なら となり、いずれも具体例と一致する。一般式が特殊な場合を正しく含んでいることが確認できた。
💡 ここで効く一般則
階調数 。 ビット数が1増えると階調数は2倍になる。この関係が画像・音声・色の表現すべてに共通して使える。
2階調は1ビット。 2通りを区別するのに必要な桁数は1である。ここを2ビットとする誤りが頻出する。
最大値は階調数から1を引いた値。 0から数え始めるため、 階調の最大は になる。配列の添字と同じ構造である。
逆向きは「2で何回割れるか」。 対数の記号を知らなくても求められる。
情報Ⅱでは、この関係が情報量の定義として一般化される。 通りを区別するのに必要な情報量は ビットである。階調・色数・文字種など、区別すべき対象が何通りあるかを数えれば、必要なデータ量が計算できる。「区別する」ことと「ビット数」を対数で結ぶ見方が、圧縮や符号化の議論の出発点になる。
問5 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問10
まず自分で解いてみる
の2階調画像のデータが一列の数字列として与えられ、それが表す画像を4つの図から選ばせる。
選択肢の図は互いによく似ており、1行だけが違うものや、特定の行が反転しているものが混ぜられている。全体の印象で選ぶと取り違えるので、行ごとに照合する必要がある。
データの長さが25桁あることも、区切り方を間違えないための手がかりになる。
ヒント:この設問で使う道具
デジタル画像のデータは、画素の値を決まった順序で一列に並べたものである。並べる順序は、左上から右へ進み、行が尽きたら次の行の左端へ移る、という走査の順になる。
したがって、一列のデータを画像に戻す作業は次の2段階になる。
1. 横の画素数ごとに区切って行に分ける
2. 各値を対応する濃さに置き換える
白黒2階調なら1画素は1ビットである。 の画像なら、 ビットのデータになる。
値と濃さの対応は本文の定義に従う。8階調で「0が黒、7が白」と示されているので、0が暗い側、最大値が明るい側という向きになる。2階調なら 0が黒、1が白 である。
この向きを取り違えると、白黒が反転した画像になる。選択肢には反転させたものが用意されていることが多いので、向きの確認は必須になる。
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🧭 方針
5桁ずつ区切って行に分け、上から順に照合する。
一列のまま図と見比べようとすると必ず混乱する。まず紙の上で5桁ずつ区切ってしまう。
区切ったら、上の行から1つずつ選択肢と照合する。1行目が合わない選択肢はその時点で落とせるので、全行を確認する必要はない。
照合の際は 1が白、0が黒 という向きを常に意識する。図では黒く塗られたマスが目立つので、つい黒を1と読みたくなるが逆である。
✍️ 解答
データを5桁ずつ区切ると、次の5行になる。
| 行 | ビット列 | 濃さ(1が白、0が黒) |
|---|---|---|
| 1 | 10001 | 白・黒・黒・黒・白 |
| 2 | 10001 | 白・黒・黒・黒・白 |
| 3 | 11111 | すべて白 |
| 4 | 01110 | 黒・白・白・白・黒 |
| 5 | 00100 | 黒・黒・白・黒・黒 |
この配置に一致する図が正答である。上2行が同じ形で、3行目が全白、4行目と5行目で黒が外側から内側へ寄っていく、という特徴を持つ。
選択肢を絞る手がかりを整理する。
- 1行目と2行目が同じ形であること
- 3行目がすべて白であること
- 4行目の黒が両端のみであること
1行目と2行目が異なる図、3行目に黒が含まれる図は、この時点で落ちる。
✅ 検算
区切り直すのではなく、黒マスの総数という別の観点で確かめる。
データの中の0の個数を数える。各行の0の数は、1行目が3個、2行目が3個、3行目が0個、4行目が2個、5行目が4個で、合計12個である。
一方、1の個数は 個になる。黒が12マス、白が13マスという配分が、選んだ図と一致するかを数えて確かめる。全体の印象ではなくマスの数で比べるので、似た図どうしでも判別できる。
行ごとの黒の数でも照合する。 上から順に 3, 3, 0, 2, 4 という並びになる。この数列が図と一致しなければ、どこかの行を読み違えている。特に3行目が0という特徴は目立つので、真ん中に黒が1つでもある図はここで落ちる。
向きを反転した場合も試す。 もし0を白、1を黒と読めば、3行目が全黒になり、上2行は両端が黒ではなく中央3マスが黒になる。まったく別の図になるので、向きの取り違えは図の全体像から即座に分かる。本文が「0が黒」と定義している以上、反転した読み方は採用できない。
桁数の確認も行う。 データが25桁で、 と一致する。もし桁数が合わなければ、階調の想定か画素数の想定が誤っている。長さの一致は、区切り方が正しいことの前提になる。
💡 ここで効く一般則
一列のデータは、必ず横の画素数ごとに区切ってから読む。 区切らずに図と見比べるのは事故のもとである。
0が黒、1が白。定義文で向きを確認する。 図では黒が目立つので、黒を1と読みたくなる直感に逆らう必要がある。
1行目で大半の選択肢が落ちる。 全行を照合する前に、上から順に確かめて脱落させる。
黒マスの総数と行ごとの個数で検算する。 似た図の判別には、印象ではなく数を使う。
データ長=画素数×1画素のビット数。 長さが合っているかを最初に確認すれば、区切り方の前提が保証される。
情報Ⅱでは、この走査順が画像形式の設計として扱われる。左上から右下へ順に並べるのが基本だが、上下を逆に並べる形式や、行ごとに向きを変える形式も存在する。並べ方の取り決めが送り手と受け手で食い違うと、同じデータが上下反転した画像として復元される。データそのものだけでなく、解釈の規約が必要であるという点が、あらゆるファイル形式に共通する要件になる。
問6 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問11
まず自分で解いてみる
4階調で表示された の画像が示され、それを2進法に変換したデータを4つの候補から選ばせる。
候補はいずれも50桁で、先頭付近が似ているものが並ぶ。全桁を照合するのは現実的ではないので、判別に効く位置を見つける必要がある。
図には4段階の濃さがすべて現れており、灰色2種類の区別が正確にできるかが問われている。
ヒント:この設問で使う道具
前問が「データから画像へ」だったのに対し、本問は逆向きで画像からデータへ変換する。
4階調なので1画素は2ビットである。値と濃さの対応は、暗い側から順に割り当てる。
| 濃さ | 値 | 2進(2桁) |
|---|---|---|
| 黒 | 0 | 00 |
| 濃い灰色 | 1 | 01 |
| 薄い灰色 | 2 | 10 |
| 白 | 3 | 11 |
の画像を2ビットずつで表すので、データ長は ビットになる。
中間の2階調をどちらの順に割り当てるかが最大の分岐点である。暗い順に0、1、2、3とするので、濃い灰色が1、薄い灰色が2になる。ここを逆にすると、灰色のマスだけが入れ替わった別のデータになる。
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🧭 方針
行ごとに変換し、上から順に候補と突き合わせる。
まず図を読み取り、各画素の濃さを値に直す。次に各値を2桁の2進数にして、行ごとに10桁の列を作る。
なので、1行が10桁、全体で50桁になる。候補の先頭10桁と自分の1行目を比べるだけで、大半が落ちる。
図の読み取りでは、濃い灰色と薄い灰色を取り違えないことが決定的である。凡例で4段階が示されているので、必ず凡例と照らして判断する。
✍️ 解答
図を読み取って行ごとに変換すると、次のようになる。
| 行 | 濃さの並び | 値 | ビット列(10桁) |
|---|---|---|---|
| 1 | 黒・薄灰・黒・薄灰・黒 | 0,2,0,2,0 | 0010001000 |
| 2 | 薄灰・濃灰・白・濃灰・薄灰 | 2,1,3,1,2 | 1001110110 |
| 3 | 薄灰・白・白・白・薄灰 | 2,3,3,3,2 | 1011111110 |
| 4 | 黒・白・濃灰・白・黒 | 0,3,1,3,0 | 0011011100 |
| 5 | 黒・黒・白・黒・黒 | 0,0,3,0,0 | 0000110000 |
これらを順に連結した50桁のデータが正答になる。
1行目の先頭が「00」で始まり、3桁目から「10」が来るという特徴だけで、候補は大きく絞られる。先頭が「11」や「0011」で始まる候補は、1行目の左端が黒であることと矛盾するので落ちる。
✅ 検算
変換をやり直すのではなく、桁数と値の分布という2つの独立した観点で確かめる。
桁数による確認。 25画素 × 2ビット = 50桁。求めた5行はいずれも10桁で、合計50桁になる。候補の長さと一致する。
値の分布による確認。 図に現れる各濃さのマス数を数えると、黒が9個、濃い灰色が3個、薄い灰色が6個、白が7個で、合計25個になる。画素の総数と一致するので、読み落としがない。
この分布をビット列の側からも確かめる。値0(黒)は「00」、値3(白)は「11」に対応するので、データ中に「00」が9箇所、「11」が7箇所現れるはずである。2桁ずつ区切って数えれば照合できる。
灰色の割り当てを逆にした場合も試す。 濃い灰色を2、薄い灰色を1とすると、1行目は 0,1,0,1,0 となり「0001000100」に変わる。求めた「0010001000」とは3桁目以降が食い違う。灰色2種類の順序だけで候補が入れ替わるので、凡例の確認が不可欠だと分かる。
前問との整合も見る。 前問は2階調で1画素1ビット、本問は4階調で1画素2ビットだった。同じ画素数でもデータ長が2倍になっている。階調のビット数がそのままデータ量に比例するという関係と一致する。
💡 ここで効く一般則
4階調は1画素2ビット。データ長=画素数×2。 桁数を先に計算しておけば、候補の長さで前提を確認できる。
中間の階調は暗い順に割り当てる。 黒0、濃い灰色1、薄い灰色2、白3。灰色2種類の順序が最大の分岐点になる。
行ごとに変換し、1行目で候補を絞る。 50桁を全部照合するのは非効率で、誤りも増える。先頭10桁で大半が落ちる。
各濃さのマス数を数えて総数と照合する。 読み落としがないことを確かめる最も安い方法である。
逆向きの問題と組で理解する。 データから画像、画像からデータ。どちらも同じ対応表を使い、向きが違うだけである。
情報Ⅱでは、この変換が画像処理の基礎として位置づけられる。画像を数値の配列として扱えれば、明るさの調整は全画素への加算、コントラストの変更は乗算として書ける。見た目の操作が、配列に対する計算に還元されるという視点が、フィルタ処理や機械学習による画像認識へ進む出発点になる。
問7 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問12
まず自分で解いてみる
画素数と階調数が与えられ、データ量をMバイト単位で答えさせる。解答は小数第2位までを桁ごとにマークする形式で、小数第3位を四捨五入すると指定されている。
換算の定義が問題文で明示されているのは、1024との取り違えを防ぐためである。この一文を読み落とすと答えが変わる。
ヒント:この設問で使う道具
デジタル画像のデータ量は、画素数と1画素あたりのビット数の積である。
1画素あたりのビット数は階調から決まる。階調数が なら ビットである。
256階調はちょうど1バイトになるので、画素数がそのままバイト数になる。この対応を知っていれば計算が一段省ける。
単位の換算は問題文の指定に従う。本問では1kバイト=1000バイト、1Mバイト=1000kバイトと定められている。1024を使う流儀もあるが、問題文が定義を与えている場合は必ずそちらに従う。
解答・解説を開く
🧭 方針
バイトで求めてから、最後にまとめて換算する。 途中でkバイトを経由すると、1000で割る操作が二重になったり抜けたりする。
手順を固定する。
1. 階調数からビット数を求め、バイトに直す
2. 画素数を掛けて総バイト数を出す
3. 1000で2回割ってMバイトにする
4. 小数第3位を四捨五入する
1で1バイトちょうどになることを確認しておくと、以降の計算が単純な掛け算だけになる。
✍️ 解答
階調数256は なので、1画素あたり8ビット、すなわち 1バイト である。
総画素数は
1画素1バイトなので、データ量は 2073600バイト。これをMバイトに直す。
小数第3位の3を四捨五入して 2.07Mバイト となる。
階調を変えたときの変化も見ておく。
| 階調数 | 1画素のビット数 | データ量 |
|---|---|---|
| 2 | 1 | 約0.26 Mバイト |
| 16 | 4 | 約1.04 Mバイト |
| 256 | 8 | 2.07 Mバイト |
| 65536 | 16 | 約4.15 Mバイト |
階調のビット数に比例してデータ量が増える。画素数が同じなら、8ビットから16ビットにすれば容量はちょうど2倍になる。
✅ 検算
同じ掛け算を繰り返しても抜けは見つからないので、桁の概算と逆算の2経路で確かめる。
概算による確認。 横は約2000、縦は約1000なので、画素数はおよそ200万。1画素1バイトなら約200万バイト、すなわち約2Mバイトになる。得られた2.07Mバイトはこの見積もりと一致する。桁が1つずれていれば0.207や20.7となり、概算から外れて気づける。
逆算による確認。 2.0736Mバイトに1000を2回掛けると2073600バイトに戻る。これを1080で割ると1920となり、与えられた横の画素数と一致する。割る順序を変えても元の値に戻るので、掛け忘れがないことが確かめられる。
階調の扱いも独立に確認する。 もし256階調を256バイトと誤れば、データ量は256倍の約531Mバイトになる。階調数とビット数を取り違えるとこの規模の誤りになるので、 という関係を必ず経由する。
換算の定義も確かめる。 仮に1024で割れば となり、2.07とは異なる値になる。どちらの定義を使うかで答えが変わるので、問題文の指定を確認した意味がある。
💡 ここで効く一般則
256階調=8ビット=1バイト。 この対応を覚えておくと、画素数がそのままバイト数になり計算が一段減る。
単位換算は最後にまとめて。 途中でkバイトを経由すると、1000で割る操作を重複させたり忘れたりする。
問題文が単位の定義を与えていたら必ずそれに従う。 1000か1024かで答えが変わる。定義が明示されているのは、その違いを意識させるためである。
概算で桁を先に押さえる。 約200万バイト=約2Mバイトと当たりを付けてから精密に計算すれば、桁の誤りは通らない。
フルHDの白黒8ビットで約2Mバイトという値は、実感として持っておくと役立つ。カラーなら3倍の約6Mバイトになる。
情報Ⅱでは、この計算が動画のデータ量へ発展する。1秒あたり30枚の画像を並べるなら、静止画のデータ量に30を掛ける。カラーで毎秒30枚なら1秒で約180Mバイトとなり、2時間の映画は非現実的な大きさになる。圧縮なしには動画配信が成立しないことが、この計算から数値として理解できる。
問8 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問1〜問3
まず自分で解いてみる
画像をデジタル化する手順が3つの文で示され、それぞれの操作の名称を選択肢から選ばせる。
選択肢は8つあり、正しい3つのほかに、紛らわしい「〜化」という語が5つ混ぜられている。正規化・暗号化・構造化・仮想化・最適化はいずれも情報分野の用語だが、デジタル化の工程ではない。
3問が連続しているので、順序と名称の対応をまとめて確認できる構造になっている。
ヒント:この設問で使う道具
アナログの情報をデジタルに変換する工程は、必ず3段階を踏む。順序も名前も固定されている。
標本化(サンプリング) — 連続した対象を、一定の間隔で区切って取り出す。音声なら時間軸を等間隔に区切り、画像なら平面を格子状に区切る。取り出す間隔の細かさが、後から復元できる細部の限界を決める。
量子化 — 取り出した各点の値を、あらかじめ決めた段階のうち最も近いものに割り当てる。連続的な濃淡を、有限個の整数に対応させる操作である。段階の数が階調やビット数に対応する。
符号化 — 割り当てた整数を2進法の並びに変換する。ここで初めてコンピュータが扱える0と1の列になる。
3つの役割を一言でまとめると、標本化=どこを測るか、量子化=いくつの段階で表すか、符号化=どう書き表すかとなる。
音声でも画像でも、この3段階は共通である。次元が違っても手順は同じという点が、デジタル化を理解する要になる。
解答・解説を開く
🧭 方針
各文が「何をしているか」を動詞で捉える。
- 平面を小さな区画に分割して読み取る → 位置を区切る操作 → 標本化
- 読み取った濃淡を数値で表現する → 段階に割り当てる操作 → 量子化
- 数値を2進法に変換する → 表記を変える操作 → 符号化
紛らわしい選択肢は、デジタル化とは別の文脈の用語である。
| 語 | 本来の文脈 |
|---|---|
| 正規化 | データベースの設計、数値の範囲そろえ |
| 暗号化 | 情報セキュリティ |
| 構造化 | プログラム設計、文書の階層化 |
| 仮想化 | サーバの資源管理 |
| 最適化 | 性能改善 |
これらはデジタル化の工程を問う文脈では出番がないので、まとめて排除できる。
✍️ 解答
- 画素に分割して濃淡を読み取る操作 → 標本化
- 濃淡を数値で表現する操作 → 量子化
- 数値を2進法に変換する操作 → 符号化
3工程を画像と音声で対比しておく。
| 工程 | 画像での意味 | 音声での意味 |
|---|---|---|
| 標本化 | 平面を画素に区切る | 時間を一定間隔で区切る |
| 量子化 | 濃淡を階調に割り当てる | 振幅を段階に割り当てる |
| 符号化 | 階調の値を2進数にする | 段階の値を2進数にする |
細かさを決めるのが標本化と量子化、書き表すのが符号化という役割分担になる。データ量は、標本化の細かさ(画素数)と量子化の細かさ(階調数)の積で決まる。
✅ 検算
名称を思い出す経路とは別に、工程を入れ替えたら成立するかで確かめる。
量子化を標本化より先に行おうとすると、何の値を段階に割り当てるのかが定まらない。まだ位置を区切っていないので、対象となる値が存在しない。順序が逆では成立しない。
符号化を量子化より先に行おうとすると、2進法にすべき整数がまだ存在しない。濃淡は連続的な量のままで、桁の並びに書き換えようがない。
したがって標本化 → 量子化 → 符号化の順序は動かせない。名称の割り当てが正しければ、この順序で文が並んでいるはずであり、実際に問題文もその順に記述されている。
役割の重複がないことも確認する。 3つの工程はそれぞれ「位置」「値」「表記」という別の対象を扱っており、重なりがない。もし2つの空欄に同じ語を入れれば、どこかの工程が抜けることになる。3つとも異なる語が入るという構造とも整合する。
排除した5語についても裏を取る。 たとえば暗号化を工程のどこかに当てはめると、デジタル化の途中で内容を秘匿することになり、そのままでは復元も表示もできない。デジタル化の必須工程ではないことが明らかになる。
💡 ここで効く一般則
デジタル化は標本化→量子化→符号化の3段階。順序は固定。 この3語と順序は、音声・画像・動画すべてに共通して使える。
標本化は位置、量子化は値、符号化は表記。 何を扱う工程かで区別すれば、名称を取り違えない。
「〜化」という語は文脈で使い分けられる。 正規化・暗号化・最適化はいずれも重要な用語だが、デジタル化の工程ではない。どの文脈の語かを見極めることが選択肢の排除につながる。
データ量は標本化の細かさ×量子化の細かさ。 画素数と階調(ビット数)の積で決まる。この関係が容量計算の基礎になる。
情報Ⅱでは、この3工程がアナログとデジタルの本質的な違いを説明する枠組みになる。標本化と量子化はどちらも情報を捨てる操作であり、デジタル化は必ず元の情報の一部を失う。失う量を減らすには細かくすればよいが、データ量が増える。この釣り合いをどこで取るかが、あらゆるデジタル媒体の設計判断になっている。
問9 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問4
まず自分で解いてみる
同じ図形を異なる解像度で表示した例が示され、そこから導かれる説明のうち誤っているものを選ばせる。
選択肢には、解像度と表現力の関係、元画像の形による例外、データ量の比較、実用上の判断が並ぶ。3つは正しく、1つだけ誤っている構成である。
誤りはデータ量に関する記述に仕込まれている。見た目の話が続く中に、量の話が1つ混ざる形になっている。
ヒント:この設問で使う道具
デジタル画像のデータ量は、画素数と、1画素あたりのビット数の積で決まる。
したがって、階調が同じなら画素数の比がそのままデータ量の比になる。1辺の画素数を2倍にすれば画素数は4倍、データ量も4倍になる。面積として効く点が要点である。
もう一つ、解像度と表現できる形の関係も押さえる。格子に沿った直線は、解像度が低くても正確に表せる。画素の境界と線の向きが一致するからである。一方、斜めの線や曲線は階段状のギザギザが出る。これを目立たなくするには画素を細かくするしかない。
したがって、元の図形の形によっては、解像度を上げても見た目が変わらない場合がある。格子に沿った長方形などがこれにあたる。
解答・解説を開く
🧭 方針
見た目の話と量の話を分けて検査する。
見た目に関する記述は、格子と線の向きの関係で判定できる。
- 斜めや曲線は解像度が高いほど滑らか → 正しい
- 格子に沿った直線は低い解像度でも滑らか → 正しい
- 形によっては両方で同じ表示になりうる → 正しい(格子に沿った図形なら成立)
量に関する記述は、画素数を実際に計算して比べる。1辺の画素数が2倍なら、画素数は4倍になる。階調が同じ条件下では、データ量も4倍になる。同じにはならない。
実用上の判断に関する記述は、解像度を上げれば処理の負荷も増えるという当然の内容であり、正しい。
✍️ 解答
「解像度は異なるが、これらのデジタル画像データの記憶容量は同じである」という記述が誤り である。
1辺の画素数が2倍になれば、画素の総数は 倍になる。階調が同じなら1画素あたりのビット数も同じなので、データ量も4倍になる。
| 1辺の画素数 | 総画素数 | データ量の比 | |
|---|---|---|---|
| 低い方 | 1 | ||
| 高い方 | 4 |
各選択肢の判定を整理する。
| 記述 | 判定 |
|---|---|
| 斜めや曲線は高解像度が滑らか、格子に沿う直線は低解像度でも滑らか | 正しい |
| 元画像によっては両者で同じ表示になりうる | 正しい |
| 記憶容量は同じ | 誤り(4倍違う) |
| 負荷を考えて適切な解像度に設定すべき場合がある | 正しい |
2つ目の記述が紛らわしいが、格子に沿った図形なら成立するので誤りではない。「元画像によっては」という限定が付いている点を読み落とさないことが肝心である。
✅ 検算
判定を見直すのではなく、具体的な数値を入れて容量を計算する。
1辺が9画素なら総画素数は81、1辺が18画素なら324である。 で、ちょうど4倍になる。同じではない。
仮に1画素を1ビットで表すとすれば、81ビットと324ビットになる。階調を増やして1画素を8ビットにすれば648ビットと2592ビットで、比は変わらず4倍のままである。階調をどう変えても、画素数の比が容量の比を決める。
「同じになる場合があるか」も検討する。 容量が等しくなるには、画素数の少ない側の階調を大きくして釣り合わせる必要がある。しかし本問では両者に階調の違いは示されておらず、同じ条件と読むのが自然である。条件をそろえた比較では、容量が同じになることはない。
2つ目の記述も具体例で確かめる。 格子に沿った正方形を表示する場合、9画素の格子でも18画素の格子でも、輪郭は画素の境界と一致して階段が生じない。拡大率を合わせれば見た目は同じ形になる。「元画像によっては」という条件付きなら成立するので、この記述は誤りではない。
4つ目も実感で確かめる。 解像度を上げれば扱う画素数が増え、表示や編集の計算量も増える。用途に対して過剰な解像度は、記憶容量と処理時間の両方を無駄にする。実用上の判断として正しい。
💡 ここで効く一般則
データ量は画素数に比例し、画素数は1辺の2乗に比例する。 1辺を2倍にすれば容量は4倍。面積として効くことを忘れない。
格子に沿った直線は解像度の影響を受けにくい。 階段が出るのは斜めと曲線である。この区別が、解像度を上げる意味があるかどうかを決める。
「元画像によっては」という限定を読み落とさない。 条件付きの記述は、条件が成立する場合が1つでもあれば正しい。全称と存在を区別する読み方が要る。
「誤っているもの」を選ぶ設問では、性質の違う記述が1つ混じっていないか探す。 見た目の話が並ぶ中に量の話が1つあれば、そこが怪しい。
情報Ⅱでは、この関係が解像度の設計判断として扱われる。用途に必要な解像度を超えて上げても、見た目は改善しないのに容量と処理時間だけが増える。必要十分な解像度を見極めることが、システム設計でも制作でも問われる。1辺を2倍にすると容量が4倍になるという非線形性が、その判断を難しくしている。
問10 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問5
まず自分で解いてみる
プリンタの解像度と、印刷するデジタル画像の画素数が与えられ、印刷される1辺の長さをセンチメートルで答えさせる。
解答は小数第1位までを桁ごとにマークする形式で、小数第2位を四捨五入すると指定されている。割り切れない値になることが前提の作りである。
画素数は縦横とも同じなので、1辺だけ計算すればよい。
ヒント:この設問で使う道具
プリンタの解像度は dpi(dots per inch) で表す。1インチの中に何個の点を並べるかを示す単位である。
ここから、印刷される大きさが決まる。
分母に解像度が来るのが要点である。同じ画素数でも、解像度が高いほど小さく印刷される。1インチに詰め込む点の数が多いのだから、当然の関係になる。
インチをセンチメートルに直すには、1インチ=2.54cm を掛ける。
ディスプレイの解像度が「横の画素数×縦の画素数」で総量を表すのに対し、プリンタのdpiは密度を表す。同じ「解像度」という語でも意味が違うので、混同しないよう注意する。
解答・解説を開く
🧭 方針
インチで求めてから、最後に一度だけセンチメートルへ換算する。 途中で単位を行き来すると、2.54を二重に掛けたり忘れたりする。
手順は3つ。
1. 画素数を解像度で割り、インチ単位の長さを出す
2. 2.54を掛けてセンチメートルにする
3. 小数第2位を四捨五入する
1できれいな整数になるかを確かめておくとよい。出題では割り切れる数値が設定されていることが多く、割り切れなければ計算を誤っている可能性が高い。
✍️ 解答
画素数1050、解像度350dpiなので、インチ単位の長さは
きれいに3で割り切れる。これをセンチメートルに直すと
小数第2位を四捨五入して 7.6cm となる。
答えは1辺が 7.6cm の正方形の画像になる。
解像度を変えたときの大きさの変化も見ておく。
| 解像度 | インチ | センチメートル |
|---|---|---|
| 175 dpi | 6 | 15.24 |
| 350 dpi | 3 | 7.62 |
| 700 dpi | 1.5 | 3.81 |
解像度が2倍になると印刷される大きさは半分になる。画素数が同じなら、密度を上げるほど詰まって小さくなる。
✅ 検算
割り算をやり直すのではなく、逆算して元の画素数に戻るかを確かめる。
得られた3インチに解像度350dpiを掛けると となり、与えられた画素数と一致する。印刷サイズ×解像度=画素数という関係が閉じているので、割る向きを取り違えていないことが確認できる。
もし画素数を解像度で掛けてしまえば となり、インチとしてありえない大きさになる。桁の異常で即座に気づける。
換算の向きも確かめる。 インチはセンチメートルより長い単位なので、インチの数値をセンチメートルに直せば数値は大きくなるはずである。3インチが7.62cmで、確かに大きくなっている。もし2.54で割っていれば1.18となり、単位の大小関係と矛盾する。
四捨五入の位置も確認する。 7.62の小数第2位は2なので切り捨てて7.6となる。もし7.65のような値であれば繰り上がって7.7になる。指定された位を正確に読む必要があるが、本問では繰り上がりは生じない。
概算でも裏を取る。 1インチが約2.5cmなので、3インチは約7.5cm。得られた7.6cmはこの見積もりと一致する。桁を取り違えていれば0.76や76となり、概算から大きく外れる。
💡 ここで効く一般則
印刷サイズ=画素数÷解像度。解像度は分母。 割る向きを迷ったら、「解像度が高いほど小さく印刷される」という関係を思い出せば決まる。
単位換算は最後に一度だけ。 インチで計算を終えてから2.54を掛ける。途中で行き来すると必ず事故が起きる。
逆算して元の値に戻るか確かめる。 印刷サイズ×解像度=画素数。この関係で割る向きの誤りが検出できる。
1インチ=2.54cm は暗記。 これがなければ換算できない。
ディスプレイの解像度は総量、プリンタのdpiは密度。 同じ語でも意味が違う。単位が付いているかどうかで見分けられる。
情報Ⅱでは、この計算が出力設計につながる。印刷物に必要な画素数は、仕上がりの寸法と要求される解像度から逆算して決まる。撮影や制作の段階で画素数が足りなければ、後から増やしても細部は復元できない。出力から逆算して入力の条件を決めるという順序が、制作工程では重要になる。
問11 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問8
まず自分で解いてみる
ビット数と階調数を組にした候補が複数並び、不適切な組を1つ選ばせる。
候補のビット数は2から16まで散らばっており、よく使われる値(8、10、16)と、あまり見慣れない値(5、12、13)が混在している。見慣れない値のほうに誤りが仕込まれている可能性が高い。
「不適切なものを選ぶ」形式なので、正しい組を確認していく消去法でも、怪しい組を直接検算する方法でも到達できる。
ヒント:この設問で使う道具
ビット数と階調数の関係は指数で結ばれる。
2の累乗の値は、少なくとも次の範囲まで即答できるようにしておきたい。
| 指数 | 値 | 指数 | 値 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 8 | 256 |
| 2 | 4 | 10 | 1024 |
| 3 | 8 | 12 | 4096 |
| 4 | 16 | 13 | 8192 |
| 5 | 32 | 16 | 65536 |
覚え方の軸は3つある。、、。この3つを起点に、指数の差だけ2倍・半分すれば残りは復元できる。
たとえば は の4倍で4096、 はその2倍で8192、 は の2倍で32となる。
2の累乗は必ず偶数( を除く)で、末尾は2・4・8・6を繰り返す。 20や100のような値は2の累乗になりえない。
解答・解説を開く
🧭 方針
末尾の数字で粗く篩にかける。
2の累乗の末尾は、指数が1から順に 2, 4, 8, 6, 2, 4, 8, 6 … と4つの周期で繰り返す。したがって末尾が0や5になる値は2の累乗ではない。
この判定で怪しい候補を絞り込んでから、その候補だけ実際に計算する。全部を計算するより速く、見落としも減る。
絞り込んだあとは、近い指数の値と比べる。ある候補の階調数が、前後の指数の値の間に収まっているかを見れば、桁の取り違えも検出できる。
✍️ 解答
5ビットで20階調とする組が不適切 である。
であり、20ではない。20は2の累乗ではないので、どのビット数とも対応しない。
各候補の判定を整理する。
| ビット数 | 示された階調数 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| 2 | 4 | 4 | 正しい |
| 4 | 16 | 16 | 正しい |
| 5 | 20 | 32 | 誤り |
| 8 | 256 | 256 | 正しい |
| 10 | 1024 | 1024 | 正しい |
| 12 | 4096 | 4096 | 正しい |
| 13 | 8192 | 8192 | 正しい |
| 16 | 65536 | 65536 | 正しい |
誤りの組だけ、階調数が2の累乗になっていない。他の7組はすべて2の累乗である。
20という値は、 と の間にある。指数の間の値を置くことで、桁は近いが正しくない候補を作っている。
✅ 検算
指数を計算し直すのではなく、末尾の数字と前後の値との整合という2つの経路で確かめる。
末尾による判定。 2の累乗の末尾は2・4・8・6の4つしか現れない。候補の階調数の末尾を見ると、4、6、0、6、4、6、2、6 となっている。0で終わるものが1つだけある。この時点で、その組が誤りであると判定できる。実際に計算しなくても絞り込める。
前後の値との比較。 4ビットで16、5ビットなら16の2倍で32、6ビットなら64となる。示された20はこの列のどこにも現れない。1ビット増えるごとに2倍という規則から外れている。
他の組についても規則を確かめる。 8ビットの256から10ビットまで2ビット増えると4倍で1024、そこから12ビットまでさらに4倍で4096、13ビットで倍の8192、16ビットまで3ビット増えて8倍の65536。すべて連続した2倍の関係で結ばれているので、誤りは1つだけだと確認できる。
逆向きでも試す。 20階調を表すには何ビット必要かを考えると、16では足りず32なら足りるので5ビットが必要になる。つまり「5ビットあれば20階調を表現できる」という言い方自体は成立する。しかし設問は最大で何階調表現できるかを問うており、5ビットの最大は32である。「表現できる」と「最大が何か」は別であり、ここが誤りの正体になっている。
💡 ここで効く一般則
2の累乗の末尾は2・4・8・6の繰り返し。 0や5で終わる値は2の累乗ではない。計算せずに篩にかけられる強力な判定法である。
、、 を起点に覚える。 指数の差だけ2倍・半分すれば任意の値が復元できる。
「最大で何階調か」と「何階調を表現できるか」を区別する。 前者は ちょうど、後者は 以下ならよい。設問の文言を正確に読む。
見慣れないビット数の組を先に疑う。 8・10・16のような定番の値は誤りにしにくい。5・13のような値に誤りが仕込まれることが多い。
情報Ⅱでは、この関係が情報量の見積もりに使われる。区別すべき対象が 通りあるとき、必要なビット数は を切り上げた値になる。20通りを区別するには5ビットが必要だが、5ビットは32通りまで表せるので12通り分が余る。この無駄をどう減らすかが可変長符号の動機であり、圧縮技術の出発点になる。
問12 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問2 問9
まず自分で解いてみる
4階調のうち特定の濃さを、2進法でどう表すかを選ばせる。
選択肢には2桁のものと4桁のものが混在している。4桁の候補は、4通りを1つずつの位置で表す別の方式(1が立つ位置で段階を示す方式)に対応しており、ビット数の考え方が違う。
したがって、桁数の判断と値の判断の両方が問われている。
ヒント:この設問で使う道具
白黒4階調では、濃さを4段階で表す。4通りを区別するのに必要なビット数は
である。したがって各画素は2桁の2進数で表される。
段階への数値の割り当ては、本文の定義に従う。本問の文脈では、最も暗い側を0、最も明るい側を最大値とする。8階調の説明で「0が黒、7が白」と示されているので、4階調でも同じ向きになる。
| 濃さ | 10進 | 2進(2桁) |
|---|---|---|
| 黒 | 0 | 00 |
| 濃い灰色 | 1 | 01 |
| 薄い灰色 | 2 | 10 |
| 白 | 3 | 11 |
桁数を階調に合わせてそろえることも要点である。1を「1」と1桁で書くと、他の画素との区切りが失われる。4階調なら必ず2桁、8階調なら必ず3桁で書き、上位に0を補う。
解答・解説を開く
🧭 方針
桁数を先に決める。 4階調なら で2ビット、すなわち2桁である。この時点で4桁の候補はすべて落ちる。選択肢の半分が消える。
次に値を決める。 暗い側から0、1、2、3と割り当てる。黒が0、白が3なので、間の2段階は暗い順に1と2になる。求められているのは暗い側の灰色なので1である。
最後に2桁で書く。 1を2桁にそろえると、上位に0を補って「01」となる。
3段階の判断がそれぞれ独立しているので、どこか1つを誤れば別の選択肢に着地する構造になっている。
✍️ 解答
01 が答えである。
判断の過程を整理する。
| 段階 | 判断 | 結果 |
|---|---|---|
| 桁数 | なので2ビット | 2桁 |
| 値 | 暗い順に0,1,2,3で2番目 | 1 |
| 表記 | 2桁にそろえる | 01 |
4階調すべての対応は次のとおりである。
| 濃さ | 2進表記 |
|---|---|
| 黒 | 00 |
| 濃い灰色 | 01 |
| 薄い灰色 | 10 |
| 白 | 11 |
4桁の候補が誤りである理由も押さえておく。1桁を1段階に対応させる方式では、4段階を表すのに4桁が必要になる。この方式は桁数が段階数に比例して増えるため、256階調なら256桁という非現実的な大きさになる。2進法の桁を使う方式なら8桁で済む。効率がまったく違う。
✅ 検算
割り当てを見直すのではなく、4階調すべてを書き出して過不足がないかを確かめる。
2桁の2進数は00、01、10、11の4通りしかない。4階調はちょうど4段階なので、過不足なく1対1に対応する。もし3桁を使えば8通りのうち4通りしか使わず無駄が出るし、1桁では2通りしか表せず足りない。2桁がちょうど良いことが確認できる。
向きも確かめる。 本文の8階調の説明では、0が黒で7が白とされている。数値が大きいほど明るいという向きである。4階調でも同じ向きを保つなら、0が黒、3が白になる。暗い側の灰色は1であり、これを2桁で書けば01となる。
逆向きにした場合も試す。 もし0を白とすれば、暗い側の灰色は2となり「10」になる。しかし本文の定義と食い違うので採用できない。問題文が向きを明示している以上、それに従う必要がある。
桁数の誤りも確認する。 1を1桁で「1」と書くと、白の3が「11」と2桁になり桁数がそろわない。画像データは各画素の値を連続して並べるので、桁数がそろっていなければ区切りが判別できなくなる。固定長で書く必要があることが、この考察から裏づけられる。
💡 ここで効く一般則
階調数から桁数を決めてから、値を決める。 階調なら 桁。この順序を守れば、桁数の誤りと値の誤りが混ざらない。
上位に0を補って桁数をそろえる。 画像データは固定長で並べるので、短く書いてはいけない。区切り記号がない以上、長さが構造を決める。
0が黒か白かは問題文の定義に従う。 一般的な慣習はあるが、問題文が明示していればそれが優先される。
選択肢に桁数の違うものが混ざっていたら、まず桁数で絞る。 値を検討する前に半分を落とせる。
情報Ⅱでは、この対比が符号化の効率として扱われる。1段階に1桁を割り当てる方式は、桁数が段階数に比例して増える。2進法の桁を使えば対数のオーダーに収まる。同じ情報を表すのに必要な長さが方式によって桁違いに変わるという事実が、符号化と圧縮を学ぶ動機になる。
問13 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問3 問1
まず自分で解いてみる
五大装置のうち1つと、この構成を指す呼称の由来となった人名を、それぞれ選択肢から選ばせる。
選択肢には、装置として外部記憶装置・ハードディスク・SSD・キーボードといった具体的な機器名が混ぜられている。これらは五大装置の分類とは階層が違う。ハードディスクやSSDは外部記憶装置の一種、キーボードは入力装置の一種であって、五大装置そのものではない。
人名の選択肢には、コンピュータ分野で名の知られた別の人物と、まったく分野の異なる物理学者が並ぶ。
ヒント:この設問で使う道具
現在のコンピュータはほぼすべて5つの装置から構成されている。これを五大装置と呼ぶ。
| 装置 | 役割 |
|---|---|
| 制御装置 | 命令を読み取り、解読し、各装置へ指示を出す |
| 演算装置 | 計算・比較を行う |
| 主記憶装置 | 命令とデータを保持する |
| 入力装置 | 外部からデータを取り込む |
| 出力装置 | 結果を外部へ出す |
制御装置と演算装置を合わせたものが、現在のCPU(中央処理装置)にあたる。
この構成の決定的な特徴は、プログラムをデータと同じように主記憶へ格納する点にある。これをプログラム内蔵方式と呼ぶ。
なぜ画期的だったのか。プログラムが配線ではなくデータとして置かれるので、別の処理をさせたいときに配線をやり直す必要がない。主記憶の中身を入れ替えるだけで、同じ機械がまったく違う仕事をこなす。汎用のコンピュータが成立したのはこの考え方による。
この方式を提唱した数学者の名にちなみ、ノイマン型と呼ばれる。
解答・解説を開く
🧭 方針
空欄の位置から、五大装置のうちどれが抜けているかを特定する。
本文には主記憶装置・制御装置・入力装置・出力装置が挙げられている。五大装置のうち残るのは1つだけである。
そのうえで、選択肢の中から同じ階層にある語を選ぶ。ハードディスクやSSDは記憶装置の具体的な製品分類であり、五大装置の並びに置くと粒度が揃わない。分類の階層をそろえることが判断基準になる。
人名は、提唱者として広く知られている名を選ぶ。混ぜられている別の人物は、半導体の集積度に関する経験則で知られる人物であり、コンピュータの構成方式を提唱した人物ではない。
✍️ 解答
- 五大装置の残る1つ → 演算装置
- 構成方式の呼称 → ノイマン型
五大装置と、選択肢に混ざっていた具体的な機器の階層関係を整理する。
| 五大装置 | 具体的な機器の例 |
|---|---|
| 制御装置 | (CPUの一部) |
| 演算装置 | (CPUの一部) |
| 主記憶装置 | メモリ |
| 入力装置 | キーボード、マウス |
| 出力装置 | ディスプレイ、プリンタ |
外部記憶装置(ハードディスクやSSD)は五大装置に含まれない。主記憶装置とは役割が別で、電源を切っても内容が残る代わりに読み書きが遅い。補助記憶装置とも呼ばれる。
✅ 検算
用語を思い出す経路とは別に、その装置がなければ何ができなくなるかで確かめる。
演算装置を取り除いたコンピュータを考える。命令を読み取ることはできるが、足し算も大小の比較もできない。条件分岐は比較の結果に基づくので、分岐すら成立しない。計算機として何一つ実行できないので、五大装置に含まれるのは当然である。
一方、外部記憶装置を取り除いた場合はどうか。電源を切ると内容が失われるという不便はあるが、主記憶にプログラムを読み込めば処理は実行できる。無くても計算機として成立するので、五大装置には数えられない。この対比で、両者の位置づけの違いが確認できる。
人名も独立に確かめる。 プログラム内蔵方式は、プログラムをデータと同様に記憶装置へ置くという着想である。これを提唱した人物の名が方式の呼称になっている。選択肢に混ざっているもう一方の人物は、集積回路の素子数が一定期間ごとに倍増するという経験則で知られており、コンピュータの構成方式とは別の文脈の人物である。文脈が違うことで排除できる。
階層の確認も行う。 キーボードを入れて読むと「主記憶装置、制御装置、キーボード、入力装置、出力装置」という並びになり、キーボードと入力装置が重複する。同じものが2回現れるので、階層の取り違えが明らかになる。
💡 ここで効く一般則
五大装置は制御・演算・記憶・入力・出力。 制御と演算がCPU、記憶が主記憶。この対応を押さえる。
具体的な機器名は五大装置ではない。 キーボードは入力装置の一種、SSDは外部記憶装置の一種。分類の階層をそろえることが選択肢の排除につながる。
外部記憶装置は五大装置に含まれない。 主記憶とは役割が違い、無くても計算機として成立する。ここが頻出の分岐点である。
「無いと何ができなくなるか」で必須性を判定する。 演算装置がなければ計算ができない。外部記憶がなくても処理はできる。この差が分類を決めている。
情報Ⅱでは、この構成の限界が議論される。プログラムもデータも同じ主記憶に置くため、CPUと主記憶の間の通信路が処理速度の上限を決めてしまう。この制約への対処としてキャッシュメモリや並列処理が生まれた。ノイマン型の利点である柔軟さが、そのまま性能上の制約を生んでいるという構図を理解しておきたい。
問14 武蔵野大学 一般選抜A日程(2/6)2026 大問3 問2
まず自分で解いてみる
命令実行の手順が5段階で示され、そのうち命令を取り出す段階だけが空欄になっている。
選択肢は4つで、読み取る主体(制御装置か出力装置か)と読み取る先(主記憶装置か演算装置か)の2つを掛け合わせた総当たりになっている。
したがって、2つの軸をそれぞれ独立に判断すれば一意に定まる。片方だけ合っていても不正解になる。
ヒント:この設問で使う道具
コンピュータがプログラムを実行する手順は、決まった繰り返しになっている。
1. 命令の取り出し — 制御装置が、プログラムカウンタの指すアドレスを使って主記憶装置から命令を読み取る
2. プログラムカウンタの更新 — 次の命令の位置へ進める
3. 命令の実行 — 読み取った命令に従って処理する
4. 1へ戻る
この繰り返しが、終了命令に出会うまで続く。
どの装置が、どこから読むのかを正確に押さえることが本問の要点になる。
- 読み取る主体は制御装置。制御装置はコンピュータ全体の動作を指揮する装置であり、命令の解読と各装置への指示を担う
- 読み取る先は主記憶装置。プログラムと処理対象のデータは主記憶に置かれている
演算装置は計算そのものを行う装置で、命令を取り出す役ではない。出力装置は結果を外へ出す役で、命令を読む役ではない。役割の分担がはっきりしている。
プログラムカウンタは、次に実行する命令が主記憶のどこにあるかを保持するレジスタである。これがあるおかげで、命令を1つ実行したあとに次の位置を見失わずに済む。
解答・解説を開く
🧭 方針
2つの軸を別々に決める。
主体はどちらか。 命令を読み取り、その内容に従って各装置へ指示を出すのは制御装置の役目である。出力装置は結果を画面や紙へ出す装置で、プログラムの流れを制御する役ではない。出力装置が命令を読むという構図はありえない。
読み取り先はどちらか。 プログラムは実行に先立って主記憶装置へ読み込まれる。手順の1段目に「命令やデータを主記憶装置に保存する」と明示されているので、命令の在り処は主記憶である。演算装置は計算を行う場所で、命令を蓄えておく場所ではない。
2つとも決まれば、選択肢は1つに絞られる。
✍️ 解答
制御装置が、プログラムカウンタの指し示すアドレスを使って主記憶装置から命令を読み取る が正しい。
装置の役割分担を整理する。
| 装置 | 役割 |
|---|---|
| 制御装置 | 命令を読み取り、解読し、各装置へ指示を出す |
| 演算装置 | 計算・比較を行う |
| 主記憶装置 | 命令とデータを保持する |
| 入力装置 | 外部からデータを取り込む |
| 出力装置 | 結果を外部へ出す |
命令実行の繰り返しを、装置の動きとして追うと次のようになる。
1. 制御装置がプログラムカウンタを見て、主記憶のその番地から命令を取り出す
2. プログラムカウンタを次へ進める
3. 制御装置が命令を解読し、必要なら演算装置に計算させる
4. 1へ戻る
プログラムカウンタを進めるのが命令の実行より前に置かれている点にも注目したい。先に進めておくことで、分岐命令が実行された場合にプログラムカウンタを上書きすれば、そのまま飛び先へ移れる。
✅ 検算
役割を思い出す経路とは別に、誤った選択肢を採用したら何が起きるかで確かめる。
出力装置が命令を読むとした場合を考える。出力装置は画面や紙へ結果を出す装置であり、主記憶を参照して命令を解読する仕組みを持たない。仮に読めたとしても、読んだ命令を誰に実行させるのかが決まらない。制御の主体が不在になり、処理が進まない。
演算装置から命令を読むとした場合を考える。演算装置は計算を行う装置で、プログラム全体を保持してはいない。手順の1段目で命令を保存した先は主記憶装置であり、演算装置ではない。保存した場所と読み出す場所が食い違うので、手順として矛盾する。
手順の前後関係でも裏を取る。 空欄の直後にプログラムカウンタを進める段階がある。ということは、空欄の段階でプログラムカウンタを使い終えているはずである。正しい選択肢はプログラムカウンタの指すアドレスを使って読み取ると述べており、この前後関係と整合する。
手順1との対応も確認する。 命令を主記憶装置に保存すると明記されているので、取り出す先も主記憶装置でなければならない。保存と取り出しが同じ場所を指すことが、選択肢を確定させる決め手になる。
💡 ここで効く一般則
命令を読むのは制御装置、命令が置かれているのは主記憶装置。 この対応が命令実行サイクルの中核である。
選択肢が2軸の総当たりなら、軸ごとに独立に判断する。 主体と対象を別々に決めれば、消去法より速く確実に絞れる。
手順の前後関係を使う。 空欄の直後でプログラムカウンタを進めるなら、空欄ではそれを使い終えている。文脈が選択肢を限定する。
保存した場所と読み出す場所は一致する。 手順1で主記憶に保存したなら、取り出しも主記憶からである。当然のようだが、選択肢はここを突いてくる。
情報Ⅱでは、この繰り返しが性能の議論につながる。命令の取り出しと実行を順番に行うと、片方が動いている間もう片方は待つことになる。そこで両者を並行に進めるのがパイプライン処理である。ただし分岐が起きるとプログラムカウンタが書き換わり、先読みした命令が無駄になる。基本のサイクルを正確に理解していることが、その発展を理解する前提になる。