情報Ⅰ 最強120講義

共通テスト情報Ⅰの配点と時間配分|60分100点から逆算する|情報Ⅰ 最強120講義 第97講

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共通テスト『情報Ⅰ』は60分・100点。大問配点は第1問20点・第2問30点・第3問25点・第4問25点で、導入から2年・4セットすべて同じです。動いているのはマークの数のほうで、令和8年度本試験は60マーク。この講は、正解表・報告書・段階表示換算表という大学入試センターの一次資料だけを使い、60分をどう配るかを配点から逆算します。数値はすべて私が原典から数え直し、独立に検算しました。

こんにちは、数強塾グループ代表の藤原進之介です。本記事は参考書『藤原進之介の最強120講義』第97講のWeb版で、第5部「共通テスト攻略」に属します。共通テスト重要度はS試験そのものの仕様なので、知らないことがそのまま失点になる領域です。

なお本記事では、共通テストの問題文・選択肢・図表・プログラムを一切転載していません(大学入試センターの著作物です)。扱うのは①設問構造の説明 ②配点や統計などの事実 ③自作の類題の3つだけです。

結論

1. 枠は動いていない。大問配点は第1問20点・第2問30点・第3問25点・第4問25点。令和7年度・令和8年度の本試験と追・再試験、4セットとも同じです。

2. 動いているのはマークの数と1マークの単価。令和8年度本試験は60マーク。マーク数どおりに60分を割ると第1問に15分かかりますが、第1問は20点しかない。配点比なら12分です。3分の食い過ぎになります。

3. 素点は年で14点動く。上位23%に入るための点は令和7年度83点、令和8年度69点。素点で一喜一憂せず、段階表示換算表で順位に直してから判断してください。

なぜそうなるのか

枠が動かないから、逆算が成立する

共通テスト『情報Ⅰ』は60分・100点。これは文部科学省の実施大綱にも、大学入試センターの「出題教科・科目の出題方法等」にも書かれた枠で、令和8年度・令和9年度とも同じです。

そして大問配点も動いていません。大学入試センターは試験のたびに正解表を公表しており、そこには解答記号ごとの配点が全部載っています。私はこれを4セットぶん、1行ずつ合算しました。

第1問 第2問 第3問 第4問 合計
令和7年度 本試験 20 30 25 25 100
令和7年度 追・再試験 20 30 25 25 100
令和8年度 本試験 20 30 25 25 100
令和8年度 追・再試験 20 30 25 25 100

4回とも同じです。これが逆算の土台になります。

ここから直ちに言えることが1つあります。第2問が30点で最大だということです。第2問はA・Bの2つのパートに分かれ、令和8年度本試験ではAが情報システム、Bが画像と論理演算でした。プログラミング(第3問)とデータ分析(第4問)は25点ずつで、第2問より小さい。「共通テストの情報Ⅰはプログラミングで決まる」という言い方は、配点の事実に照らすと正確ではありません。いちばん配点が大きいのは第2問です。

マークの「単価」が大問ごとに違う

配点は動かないのに、マーク数は毎回動きます。正解表の解答記号を1文字ずつ数えると、こうなります。

第1問 第2問 第3問 第4問 合計
令和7年度 本試験 11 16 12 12 51
令和7年度 追・再試験 10 15 13 9 47
令和8年度 本試験 15 17 15 13 60
令和8年度 追・再試験 12 19 13 12 56

本試験は51→60で+9、追・再試験も47→56で+9。偶然ではなく、方針として細かくしたと読むのが自然です。

この数字が使えるのは、配点÷マーク数=1マークの単価が計算できるからです。令和8年度本試験なら、第1問が 20÷15=1.33点、第2問が 30÷17=1.76点、第3問が 25÷15=1.67点、第4問が 25÷13=1.92点

第4問のマーク1個は、第1問のマーク1個の1.44倍の価値があります。ところが試験場で受験生が体感するのは「あと何個埋まっていないか」であって、点数ではありません。マークの数を基準に時間を配ると、いちばん安い区画に時間を注ぐことになる。これが時間配分の失敗の正体です。

令和8年度 本試験(全60マーク・100点)マーク数の比第1問 15第2問 17第3問 15第4問 13配点の比20点30点25点25点第1問はマークのほうが太い=時間を食うわりに安い第4問は配点のほうが太い=1マークが高い
マーク数の比と配点の比は一致しない。第1問は全60マークの25.0%を占めるのに配点は20%、第4問は21.7%のマークで25%の配点を持つ。

数字にするとこうです。令和8年度本試験の60マークを、マーク数の比で60分に割り当てると——

大問 マーク数比の持ち時間 配点比の持ち時間
第1問 15.0分 12.0分 +3.0分
第2問 17.0分 18.0分 −1.0分
第3問 15.0分 15.0分 ±0分
第4問 13.0分 15.0分 −2.0分

第1問で3分食い、その3分を第2問と第4問から奪っている。60分しかない試験で3分は小さくありません。

その第1問が、いちばん取れていない

大学入試センターは毎年「問題評価・分析委員会報告書」を出し、問題作成部会が自己評価を書いています。ここに大問全体の得点率が書かれることがあります。

令和7年度本試験:「第1問の全体の平均は約6割半ばであった」
令和8年度本試験:「正答率は,第1問全体を通じて想定よりも低く,第1問の得点率は約4割であった」出典:大学入試センター「大学入学共通テスト 問題評価・分析委員会報告書(本試験)」『情報Ⅰ』問題作成部会の見解(令和7年度・令和8年度)

1年で約65%から約40%へ落ちています。同じ20点の区画で、取れる点がおよそ5点ぶん減った計算です。

しかも第1問には、時間を吸い取る構造があります。令和8年度本試験の第1問には4つのマークをまとめて4点とする設問(解答記号カ・キ・ク・ケ)があり、正解表に部分点の記載がありません。1つでも外すと4点が丸ごと消えます。自己評価はこの設問について「特にカキクケの正答率が3割弱と低かった」「変換の規則を理解できれば短時間で効率よく答えを導くことができる設問であったが,8×8全てのマスについて拡張した受験者は時間を要したと推測される」と書いています。

つまり「まじめに全部書き出した人ほど時間を失い、しかも4点まとめて落とした」。第1問は「基本的事項の小問集合」という見た目に反して、いちばん深追いしてはいけない区画です。

第3問は「差がつく」区画である

第3問(プログラミング・25点)について、令和8年度本試験の自己評価はこう書いています。

正答率は,条件設定の理解を問う問題は8割以上,プログラム中の空欄を埋める問題は4〜8割,プログラムの改善を扱った問題は4割程度,プログラムの動きを問う問題は約2割であった。全体としては6割弱で,いずれの問題も識別力は高かった出典:大学入試センター「令和8年度大学入学共通テスト 問題評価・分析委員会報告書(本試験)」『情報Ⅰ』

「識別力が高い」とは、できる人とできない人がきれいに分かれたという意味です。第1問のように全員が沈む区画でも、正答率9割の区画でもない。得点差がそのまま順位差になる場所です。令和7年度本試験の第3問は「全体としては7割弱」でしたから、6割弱まで下がったうえで識別力を保っています。

第3問の中身の分解は第100講「第3問(プログラミング)の解剖」に譲りますが、時間配分の観点で1つだけ。第3問の問1は令和8年度で4〜5点しかありません(本試験5点・追・再試験4点)。にもかかわらず、そこで作った理解の上に残り20点が乗る。単価では最も安いのに、最も落としてはいけないという、配点表からは見えない構造がここにあります。

平均が12.67点下がったことの読み方

大学入試センターの自己評価によれば、令和7年度本試験は受験者279,718人・平均69.26点・標準偏差16.09、令和8年度本試験は受験者305,202人・平均56.59点・標準偏差15.72です。

平均は−12.67点。ところが標準偏差はほとんど動いていません(−0.37)。ここを取り違えると判断を誤ります。

平均に対する散らばりの比(変動係数=標準偏差÷平均)を出すと、23.2%→27.8%で、むしろ広がっています。難化したのに差は縮んでいない。「みんなできなかったから大丈夫」ではないということです。

もっと直接的なのが、大学入試センターが公表している段階表示換算表です。共通テストの成績は素点のほかに、スタナイン(Stanine)方式で9段階に換算した値が大学へ提供されます。段階の境目は実施要項に「上から4%,11%,23%,40%,60%,77%,89%,96%の分位点」と定義されています。つまり換算表を読めば、素点が全国のどのあたりかが分かります。

段階(上位の目安) 令和7年度 令和8年度
9段階(上位 約4%) 94点以上 85点以上 −9点
8段階(上位 約11%) 89点以上 77点以上 −12点
7段階(上位 約23%) 83点以上 69点以上 −14点
6段階(上位 約40%) 75点以上 61点以上 −14点
5段階(上位 約60%) 66点以上 52点以上 −14点
4段階(上位 約77%) 58点以上 45点以上 −13点

素点で「70点取れた/取れなかった」に意味はありません。令和7年度の70点は上位40%圏内でしかありませんが、令和8年度の70点は上位23%圏です。同じ70点が、年によって別の順位を意味します。

さらに面白いのは上位層だけ動き方が小さいことです(9段階の下端は−9点)。裏を返すと、9段階の幅が「94〜100点=7点分」から「85〜100点=16点分」へ広がりました。令和7年度は満点近くに人が詰まっていて、上位層をほとんど区別できていなかったのです。情報処理学会は令和8年度の試験について「昨年度本試験では正答率が高い設問への配点が大きかったが,今年度は正答率が8割以上の設問の配点合計は18点(9割以上は5点)で,段階表示換算表の1段階は1〜28となり,是正されている」と評価しています。100点のうち82点分が、正答率8割未満の設問だったということです。

情報Ⅰには得点調整がない

もう1つ、知っておくべき制度があります。共通テストには平均点差が大きいときに得点を補正する得点調整がありますが、令和9年度実施要項によれば対象は次の3つだけです。

  1. 地理歴史の『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』の間
  2. 公民の『公共,倫理』『公共,政治・経済』の間
  3. 理科の『物理』『化学』『生物』『地学』の間

「情報」は入っていません。そもそも得点調整は「同じ教科の中で科目を選べる」ことによる不公平を直す仕組みなので、選択肢が『情報Ⅰ』1つしかない教科では起こりようがないのです。

これは受験生にとって重い事実です。情報Ⅰは、どれだけ難化しても素点がそのまま使われます。令和8年度に12.67点下がったぶんは、誰も戻してくれません。だからこそ「今年は難しかったから」ではなく、最初から60分の使い方を決めておく必要があります。

情報は「2日目の最終時限」である

意外に語られませんが、これも枠の一部です。令和9年度実施要項の第2日の時間割はこうなっています(2026年8月時点)。

第2日 試験時間
理科 9:30〜11:40(2科目登録者)
数学① 13:00〜14:10
数学② 15:00〜16:10
情報『情報Ⅰ』 17:00〜18:00

2日目の最後、しかも数学②の直後です。実施期日は令和9年1月16日(土)・17日(日)。理科と数学を1日で解いたあとの60分が情報Ⅰだということは、「疲れた状態で60分をどう配るか」を練習しておかないと本番で再現できないことを意味します。過去問を朝の元気な時間だけで解いていると、この差が出ます。

手で確かめる

4セットを1枚の表にする

自分で正解表を開いて、次の表を再現してください。「公表なし」の欄をきちんと空欄にしないことが大事です。無いものを推測で埋めた瞬間に、その表は使えなくなります。

項目 令和7年度 本試験 令和7年度 追・再試験 令和8年度 本試験 令和8年度 追・再試験
試験時間 60分 60分 60分 60分
満点 100点 100点 100点 100点
大問数 4(全問必答) 4(全問必答) 4(全問必答) 4(全問必答)
配点(第1/2/3/4問) 20/30/25/25 20/30/25/25 20/30/25/25 20/30/25/25
マーク数 合計 51 47 60 56
マーク数(第1/2/3/4問) 11/16/12/12 10/15/13/9 15/17/15/13 12/19/13/12
問いの数(解答記号の欄) 41(8/12/12/9) 44(8/14/13/9) 46(10/13/12/11) 48(11/16/11/10)
受験者数 279,718人 「情報」全体で594人 305,202人 577人
平均点 69.26点 公表なし 56.59点 公表なし
標準偏差 16.09 公表なし 15.72 公表なし
第1問の得点率 約6割半ば 公表なし 約4割 公表なし
第2問の得点率 公表なし 公表なし 公表なし 公表なし
第3問の得点率 約7割弱 公表なし 6割弱 公表なし
第4問の得点率 公表なし 公表なし 公表なし 公表なし

「公表なし」が14マスあります。これは私の調べ不足ではなく、大学入試センターがそもそも出していないということです。追・再試験の報告書を全文検索すると、令和7年度の『情報Ⅰ』の自己評価には「正答」「得点」「平均」という語が1件も出てきません。令和8年度の追・再試験も、正答率の数値はゼロで、「難易度は標準的であった」といった定性的な記述にとどまります。第2問と第4問については、本試験でも大問全体の得点率は公表されていません(設問単位の記述だけがあります)。

受験者数については、令和8年度の追・再試験の報告書に「『情報Ⅰ』の受験者数は305,779人で,そのうちの577名が追・再試験を受験した」とあります。本試験305,202人+追・再試験577人=305,779人で、ぴったり合います。この足し算が合うことを確かめておくと、どの数字がどの範囲を指しているのかを取り違えずに済みます。

なお「問いの数」については、令和8年度本試験だけ大学入試センターの資料に答え合わせがあります。高等学校教科担当教員の評価に「問いの数は第1問が 10,第2問が 13,第3問が 12,第4問が 11 で,総マーク数が 60 であった」とあり、私が正解表から数えた値と完全に一致しました。10/13/12/11 はマーク数の内訳ではなく「問い(採点欄)の数」です。ここを取り違えると、第1問のマーク数を10と誤って書くことになります。

単価を計算してから時間を配る

やることは割り算だけです。

1点あたりの時間   = 60分 ÷ 100点 = 0.6分 = 36秒
1マークあたりの点 = その大問の配点 ÷ その大問のマーク数
 
令和8年度 本試験
  第1問  20 ÷ 15 = 1.33点   ← いちばん安い
  第2問  30 ÷ 17 = 1.76点
  第3問  25 ÷ 15 = 1.67点
  第4問  25 ÷ 13 = 1.92点   ← いちばん高い(第1問の1.44倍)

ここから私の配分案はこうです。まず見直しの5分を先に抜き、残り55分を配点比で割り、第3問だけ切り上げるという作り方をします。

大問 配点 配点比の55分 私の案 1マークあたり 1分あたりの点
第1問 20点 11.00分 11分 44秒 1.82点
第2問 30点 16.50分 16分 56秒 1.88点
第3問 25点 13.75分 15分 60秒 1.67点
第4問 25点 13.75分 13分 60秒 1.92点
見直し 5分
合計 100点 55分 60分

配点比からずらした理由は2つだけです。

  • 第3問に+1.25分:識別力が高いと大学入試センター自身が書いている区画だから。ここでの1点は順位に直結します。
  • 第4問から−0.75分:令和8年度の自己評価が「正答率についてはおおむね高めであった」と書いている区画だから。取りやすいぶん、時間あたりの回収が速い。

第1問は11分で切ります。11分経ったら、埋まっていなくても第2問へ行く。単価1.33点の区画に15分使うのは、単価1.92点の第4問を捨てるのと同じことです。

解答用紙は16マーク。ただし初年度は14マークだった

もう1つ、知らないと事故る仕様があります。共通テスト「情報」の解答欄は、選択肢の番号だけでなく16進法の1桁をそのままマークできる形になっています。令和8年度の問題冊子裏面「解答上の注意」にはこう書かれています。

この試験では,選択肢から選んで答える問題と,解答欄の数字(0〜9)又は文字(a〜f)から選んで答える問題があります出典:大学入試センター「試験問題冊子の注意事項及び解答用紙の様式について(令和8年度試験)」情報【裏面】

解答欄の見本も 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 a b c d e f16個が横一列に並びます。つまり16進法の1桁は1マークで答えるのであって、たとえば「e」を「1」「4」と2桁に分けて書こうとすると解答欄が足りません。16進の答えを2桁に分解しようとして事故る——これは仕様を知っていれば絶対に起きない失点です。

ここで初年度と比べてみてください。令和7年度の同じ資料は「文字(a〜d)」で、見本も 0〜9 と a b c d の14個しかありません。

年度 解答欄のマーク 個数 表せる範囲
令和7年度 0〜9 と a〜d 14 0〜13
令和8年度 0〜9 と a〜f 16 0〜15=16進1桁

令和8年度で a〜f に拡張されています。そして令和8年度本試験の第1問には、正解が「e」の設問が実際に出ました(正解表の解答記号エ)。この答えは、令和7年度の解答用紙には物理的にマークできません。用紙の様式が先に変わり、その年のうちに16進の答えが出題された——解答用紙の様式を見ておくことが、そのまま出題予測になるという珍しい例です。基数変換そのものは第40講「基数変換」で扱っています。

「解答の順序は問わない」には2種類ある

正解表を読むときにもう1つ見ておくべきなのが、順不同の設問です。4セットぶんを数えると「(解答の順序は問わない)」は合計7か所あり、配点欄に「(各2)」と書かれているものと、書かれていないものの2種類がありました。

順不同の設問 うち「(各2)」=部分点あり
令和7年度 本試験 3か所 2か所
令和7年度 追・再試験 0か所
令和8年度 本試験 3か所 2か所
令和8年度 追・再試験 1か所 0か所

「(各2)」があれば片方だけ合っていても2点入ります。無ければ両方そろわないと0点です。同じ「順序は問わない」でも扱いが違う。試験中に判別する方法はありませんが、「2つ選べ」で1つしか自信がないとき、残り1つを空欄にする理由はないことは分かります。埋めれば点になる可能性があり、外しても減点はありません。

自作の類題(枠を理解しているかの確認)

問い ある年の情報Ⅰが、第1問18マーク・第2問16マーク・第3問14マーク・第4問12マークで出題されたとする。配点が例年どおり20/30/25/25であるとき、

(1) マーク1個あたりの点数が最も高い大問はどれか。
(2) 60分をマーク数の比で配ると第1問に何分かかるか。
(3) それは配点比の持ち時間より何分多いか。

(1) 20÷18 = 1.11点   30÷16 = 1.88点
    25÷14 = 1.79点   25÷12 = 2.08点   → 第4問(第1問の1.88倍)
 
(2) 総マーク数 18+16+14+12 = 60 個
    60分 × 18/60 = 18分
 
(3) 配点比の持ち時間 60分 × 20/100 = 12分
    18分 − 12分 = 6分の食い過ぎ

この6分が、第4問(単価2.08点)の丸ごと半分にあたります。枠の数字は、こうやって毎回自分で割り算するためにあります。

共通テストではこう出る(重要度 S)

試験そのものの仕様なので、知らないことがそのまま失点になります。大学入試センターの令和9年度の問題作成方針には、次の3つが明記されています(2026年8月時点)。

  1. 出題形式:「多肢選択式又は数値や記号等で解答する形式により出題する。なお,いわゆる連動型の問題(連続する複数の問いにおいて,前問の答えとその後の問いの答えを組み合わせて解答させ,正答となる組合せが複数ある形式)を出題する場合がある」
  2. 分量:「問題の分量は,試験時間に応じた適切なものとなるように配慮する」
  3. プログラム表記:「プログラミングに関する問題を出題する際のプログラム表記は,授業で多様なプログラミング言語が利用される可能性があることから,受験者が初見でも理解できる大学入試センター独自のプログラム表記を用いる

3番目は令和8年度の方針と一字一句同じです。2年連続で同じ文が置かれているということは、当面この方針は動かないと読んでよい。特定の言語(PythonやJavaScript)の文法を暗記する必要はありません。

また実施大綱には「試験形態は,問題冊子及びマークシート式解答用紙を使用し,紙で実施するものとする」とあります。CBT(コンピュータ受験)ではありません。

引っかかりやすいところを、この講の結論としてまとめます。

  • 16進1桁は1マーク。2桁に分けて書こうとしない。
  • 順不同の設問は必ず全部埋める。部分点があるかもしれず、外しても減点はない。
  • まとめて配点の設問がある。令和8年度本試験の第1問には4マークで4点、部分点なしの設問がありました。正答率3割弱です。規則が見えなければ飛ばす。
  • 第1問を丁寧にやりすぎない。単価が最も安く(令和8年度本試験で1.33点)、得点率も最も低い(約4割)区画です。
  • 得点調整はない。難化しても素点がそのまま使われます。

情報Ⅱではこうなる

この講は情報Ⅱへの接続がありません。試験制度そのものの話だからです。ただし、その「無い」ことこそ出典つきで確認すべき事実です。

共通テストの出題範囲は『情報Ⅰ』のみで、「情報Ⅱ」は出題範囲外です。私は3つの一次資料で確認しました。

  1. 文部科学省「令和8・令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱(別紙)」(令和7年8月15日)。別表1の出題教科・科目で、教科「情報」の出題科目は『情報Ⅰ』のみ、試験時間60分。このPDFの全文をテキスト化して検索したところ、「情報Ⅱ」は0件でした。
  2. 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等及び問題作成方針について」(令和7年6月6日)。教科「情報」は『情報Ⅰ』60分(100点)のみ。こちらも全文で「情報Ⅱ」は0件。
  3. 大学入試センター「共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)」。「情報」欄に並ぶのは『情報Ⅰ』や『旧情報』といった実際に出題された科目だけで、「情報Ⅱ」という科目はそもそも存在しません。

では、なぜ本書は全講を情報Ⅱへ接続させているのか。理由は2つです。

  • 情報Ⅰの設問の「上限」が情報Ⅱ側にあるから。令和8年度本試験の第4問では回帰直線を使った補正が問われ、その精度を問う設問の正答率は3割弱でした。回帰の考え方そのものを体系的に学ぶのは情報Ⅱですが、情報Ⅰの試験は「情報Ⅱなら定義から学ぶ道具」を、その場で資料から読み取って使わせる形で出してきます。上限を知っている人だけが、その場で読み取れる。
  • 大学入学後に効くから。共通テストに出ないことと、学ぶ価値がないことは別です。

なおこの講に対応する情報Ⅱ側の教材記述はありません(試験制度の話であり、教員研修用教材が扱う内容ではないため)。無理に接続を作らず、「接続なし」と明記しておきます。

まとめ

  • 大問配点は20/30/25/25で4セットとも不変。最大は第2問の30点
  • マーク数は51→60(本試験)、47→56(追・再試験)とどちらも+9。単価は第1問1.33点、第4問1.92点で1.44倍の差
  • 時間は見直し5分を先に抜き、残り55分を配点比で。私の案は 11 / 16 / 15 / 13 分。
  • 素点ではなく段階表示換算表で順位に直す。上位23%の線は83点→69点。
  • 解答欄は16マーク(0〜9・a〜f)。令和7年度はa〜dの14マークだった。
  • 情報Ⅰに得点調整はない。難化しても素点がそのまま使われる。

本講は参考書『藤原進之介の最強120講義』の一部です。全120講の一覧はこちら、公開済みの記事はカテゴリ「情報Ⅰ 最強120講義」からご覧いただけます。

出典

  • 文部科学省「令和8・令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱(別紙)」令和7年8月15日 https://www.mext.go.jp/content/20250815-mxt_daigakuc02-000044214_04.pdf
  • 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等及び問題作成方針について」令和7年6月6日 https://www.dnc.ac.jp/news/albums/abm.php?d=447&f=abm00005364.pdf
  • 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」 https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=753&f=abm00017382.pdf
  • 大学入試センター 令和7年度 本試験の正解(情報Ⅰ) https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=740&f=abm00005172.pdf / 追・再試験の正解 https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=741&f=abm00005248.pdf
  • 大学入試センター 令和8年度 本試験の正解(情報Ⅰ) https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=797&f=abm00006055.pdf / 追・再試験の正解 https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=798&f=abm00006099.pdf
  • 大学入試センター「令和7年度大学入学共通テスト 問題評価・分析委員会報告書(本試験)」『情報Ⅰ』 https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/hyouka/r7_hyouka/r7_hyoukahoukokusyo_honshiken.html / 同(追・再試験) https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/hyouka/r7_hyouka/r7_hyoukahoukokusyo_tsuisaishiken.html
  • 大学入試センター「令和8年度大学入学共通テスト 問題評価・分析委員会報告書(本試験)」『情報Ⅰ』 https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/hyouka/r8_hyouka/r8_hyoukahoukokusyo_honshiken.html / 同(追・再試験) https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/hyouka/r8_hyouka/r8_hyoukahoukokusyo_tsuisaishiken.html
  • 大学入試センター「試験問題冊子の注意事項及び解答用紙の様式について(令和7年度試験)」 https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=733&f=abm00005086.pdf / 同(令和8年度試験) https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=646&f=abm00005929.pdf
  • 大学入試センター「令和7年度大学入学共通テスト 段階表示換算表」 https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=733&f=abm00005185.pdf / 同(令和8年度) https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=646&f=abm00006063.pdf
  • 大学入試センター「共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)」 https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/suii/R3_.html

(本記事の数値はすべて2026年8月3日に上記の一次資料から取得し、配点の合算・マーク数の計数・割り算はいずれも当方で独立に検算しています。)

執筆:藤原進之介(数強塾グループ代表)

オンライン数学専門塾「数強塾」代表。累計3,500名以上の中高一貫校生を指導。東進ハイスクール・東進衛星予備校・代々木ゼミナールなど出講実績あり。情報Ⅰの参考書を複数執筆しており、KADOKAWA『ゼロから始める情報I』、Gakken『きめる!共通テスト 情報Ⅰ』などがあります。本記事は参考書『藤原進之介の最強120講義』第97講のWeb版です。

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