こんにちは、数強塾代表の藤原進之介です。この記事は、私の著書『共通テストパターンドリル情報Ⅰ』の第1章で扱っている出題パターンをもとに、Web向けに問題を新しく作り直し、解説を大幅に増補したものです。書籍の問題そのものは掲載していません(すべて書き下ろしのオリジナル問題です)。
シリーズ「頻出パターン攻略」は、共通テスト情報Ⅰで繰り返し出題される「出題の型」を、小問単位で1つずつ潰していく一問一答型の演習集です。すでに公開している「分野別対策演習」シリーズが大問形式の実戦演習だとすれば、こちらはその手前で知識の穴をなくすための、パターン別の基礎固めという位置づけです。第1回のテーマは、知的財産権です。
共通テスト「情報Ⅰ」は2025年1月から実施されている60分100点の試験で、知的財産権は「情報社会の問題解決」に関わる知識小問の定番テーマです。この分野の特徴は、知っていれば数十秒で確実に取れるのに、あいまいに覚えていると選択肢2つの間で必ず迷うことにあります。保護期間は20年か25年か、更新できるのはどれか、公表権と肖像権はどう違うのか——出題者は「なんとなく覚えている」受験生を、選択肢の設計で正確にふるい落としてきます。逆に言えば、狙われる型は決まっているので、型ごとに「なぜ制度がそうなっているのか」まで理解しておけば、ここは満点が計算できる得点源になります。
今回は4つの頻出パターンを扱います。各パターンとも「パターンの解説→オリジナル問題→解き方と誤答の切り方」の順に進み、最後に即答チェック8問で仕上げます。所要時間はおよそ30〜40分です。
知的財産権の全体マップ──2つの家系図を1枚に
個々のパターンに入る前に、全体の地図を1枚描いておきます。知的財産権とは、発明・デザイン・作品など、人間の知的な創作活動で生み出されたものを、創作した人の財産として守る権利の総称です。大きく産業財産権(産業の発展に関わる創作を守る)と著作権(文化的な創作物を守る)の2系統に分かれます。この「家系図のどこに何がいるか」が、この分野のあらゆる出題の土台です。
この図で最初に押さえるべき対比が1つあります。産業財産権は特許庁に出願し、登録されて初めて権利が発生する(方式主義)のに対し、著作権は創作した瞬間に自動的に発生し、手続きが一切いらない(無方式主義)——この違いです。「発明したのに出願していなかったので権利がない」はあり得ますが、「小説を書いたのに登録していないので著作権がない」はあり得ません。後半のパターン3・4でも、この対比が選択肢を切る根拠として何度も登場します。
パターン1 産業財産権4つを「保護期間×更新の可否」で答える
パターンの解説──なぜこの型が狙われるのか
産業財産権の4つ(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)には、「何を守るか」「何年守るか」「いつから数えるか」「更新できるか」という4つの軸があります。つまり表1枚ぶんの知識から十数通りの問い方ができる——出題者にとって、これほど問題を作りやすいテーマはほかにありません。製品の特徴を並べて「これを保護する権利の名前と保護期間を答えよ」と問う型は、共通テスト系の教材・模試・各大学の情報入試で繰り返し登場します。まず、その表を示します。
| 権利 | 守るもの | 保護期間 | 更新 |
|---|---|---|---|
| 特許権 | 産業上利用できる高度な発明(技術的なアイデア) | 出願から20年 | 不可 |
| 実用新案権 | 物品の形状・構造の工夫(いわゆる小発明) | 出願から10年 | 不可 |
| 意匠権 | 物品などのデザイン(形状・模様・色彩) | 出願から25年 | 不可 |
| 商標権 | 商品名・ロゴなどのマーク(ブランドの目印) | 登録から10年 | 何度でも可 |
覚える数値は「特許20・実用新案10・意匠25・商標10」の4つだけです。ただし、数字の丸暗記で済ませると本番で必ず揺らぎます。制度の理屈ごと覚えてください。ここからが、書籍では書ききれなかった増補部分です。
まず、なぜ保護期間に長短があるのか。特許権が20年で実用新案権が10年なのは、実用新案が審査のハードルを下げて「小発明」を素早く保護するための制度だからです。日用品の便利グッズのような工夫は製品の世代交代(ライフサイクル)が速いので、短くても早く守れることに価値があります。一方、高度な発明ほど開発に長い時間と大きな費用がかかるため、投資を回収させるべく長い独占期間が与えられる——期間の長短は、このように保護対象の性質と対応しています。
次に、なぜ商標権だけが更新できるのか。ここがこのパターンの核心です。特許や意匠の権利が期限付きなのは、発明やデザインはいずれ社会全体の共有財産にして、それを土台に次の技術・次の製品を生み出してもらう方が、産業の発展につながるからです。独占はあくまで「創作への投資を回収させるための期間限定のごほうび」であって、永久に独占させることが目的ではありません。ところが商標(ブランドの目印)は事情が正反対です。ロゴやブランド名の価値は、使い続ける限り信用として積み上がっていくものであり、しかも期限切れで誰でも使えるようになったら、他社が有名ブランドのロゴを付けて商品を売れてしまい、消費者が本物を見分けられなくなって困ります。つまり商標は「社会で共有すべきもの」ではなく「使い続ける本人と消費者のために守り続けるべきもの」。だから商標権だけは、登録から10年ごとに更新すれば半永久的に維持できるのです。冒頭の「今日の一問」の答えがこれです。
最後に起算点です。特許・実用新案・意匠は「出願から」数えるのに対し、商標だけは「登録から」10年。更新の可否とあわせて「商標だけ二重に仲間はずれ」と整理しておくと、正誤問題でも揺れません。
オリジナル問題で確認
【問1】ある電機メーカーが、新型のワイヤレスイヤホンを開発・発売した。次の⑴〜⑷の特徴を保護する産業財産権の名前と、その保護期間をそれぞれ答えよ。
- パッケージと本体に印刷された、自社製品であることを示すブランドのロゴマーク
- 充電ケースのふたを片手で開閉しやすくした、ヒンジ部分の構造の工夫
- 耳になじむ曲線を強調した、イヤホン本体の流線形のデザイン
- 周囲の騒音を検知して打ち消す、ノイズキャンセリングを実現する高度な信号処理技術
STEP 1 権利名は「何を守っているか」を一言に言い換えて決めます。⑴ロゴ=ブランドの目印だから商標。⑵構造の工夫だから実用新案。⑶見た目のデザインだから意匠。⑷高度な技術だから特許。問題文には「ロゴ」「構造」「デザイン」「高度な」という判定キーワードが必ず埋め込まれているので、先にそこへ線を引きます。
STEP 2 保護期間は「特許20・実用新案10・意匠25・商標10」を当てはめます。数字が飛んだら、図2のタイムラインを頭の中に描き直してください。
STEP 3 起算点まで問われたら、商標だけ「登録から」、残り3つは「出願から」。「更新できるものはあるか」と問われたら商標のみ、と続けます。
答え ⑴商標権・登録から10年(更新可) ⑵実用新案権・出願から10年 ⑶意匠権・出願から25年 ⑷特許権・出願から20年
この型でまぎらわしいのは⑵と⑷、そして⑵と⑶の区別です。⑵と⑷はどちらも「技術の工夫」ですが、高度な発明なら特許、形状・構造の比較的小さな工夫なら実用新案と切り分けます。⑵と⑶は、機能のための構造なら実用新案、見た目のためのデザインなら意匠です。なお、特許権の20年には例外があり、医薬品などには審査・承認に要した期間を考慮した延長制度があります。細部まで問われることはまれですが、「原則20年」と押さえておくと正誤問題で慌てません。
パターン2 公表権の侵害を判定する──「別の権利」との区別が決め手
パターンの解説
ここから著作権の側に移ります。図1の右側で見たとおり、著作者の権利は2階建てです。作品から利益を得る著作権(財産権)と、作品に込めた人格的な利益を守る著作者人格権。このパターンの主役は後者、その中の公表権です。
公表権=まだ公表されていない著作物を、公表するかしないか・いつどのように公表するかを決める権利。氏名表示権=作品に名前を出すか、本名かペンネームかを決める権利。同一性保持権=作品や題名を意に反して改変されない権利。3つとも著作者の「気持ち・人格」を守る権利で、財産権と違って他人に譲渡できません。
公表権を言い換えると、「著作者の意に反して、自分の作品を勝手に世に出されない権利」です。そして試験は、この定義を覚えているかどうかを意地悪な方法で確かめてきます。選択肢を4つとも「無断で何かをSNSに載せる、感じの悪い行為」でそろえてくるのです。読むと全部悪い行為に見えます。しかし問われているのは「悪いかどうか」ではなく、「公表権の侵害にあたるか」。つまり、公表権と、肖像権・プライバシーといった別の権利とを切り分けられるかが勝負どころです。
切り分けの基準は1つだけです。公衆に出されたものが「未公表の著作物それ自体」かどうか。作品の感想は、書いた人自身の表現であって作品そのものではありません。作者の顔写真は著作物ではなく「人の姿」であり、守るのは肖像権です。「あの人はこっそり作品を作っている」という事実は私生活上の情報であり、守るのはプライバシーです。作品それ自体が公衆に出た場合だけが、公表権の問題になります。
オリジナル問題で確認
【問2】ケンタさんの姉は、自作の曲を誰にも聴かせずにパソコンに録りためている。次の⓪〜③のうち、姉の公表権を侵害する可能性が最も高い行為を1つ選べ。
⓪ 姉の部屋から漏れ聞こえてきた曲の感想を、姉に無断で自分のSNSに書き込む
① 姉のパソコンから曲の録音データを取り出し、無断で動画投稿サイトに公開する
② 曲を演奏している姉の姿を無断で撮影し、顔がはっきり写った写真をSNSに公開する
③ 「姉は人に隠れて作曲を続けている」という、姉が秘密にしていた事実を無断でSNSに書き込む
STEP 1 4つとも「無断で」「SNSに」と、いかにも悪そうな見た目でそろえてあります。雰囲気で選ばず、公衆に出たものは何かだけを各選択肢から抜き出します。⓪は感想、①は曲のデータ、②は姉の姿(写真)、③は姉の秘密(事実)です。
STEP 2 「未公表の著作物それ自体」に該当するものを探します。⓪の感想はケンタさん自身の表現であり、姉の曲そのものは公開されていません。②の写真の被写体は人であって著作物ではありません。③の事実は、そもそも著作物ではありません。
STEP 3 残った①だけが、未公表の作品それ自体を公衆に提供しています。公表権の侵害にあたる可能性が最も高いのは①です。
答え ①
注意してほしいのは、①以外なら何をしてもよい、という話では全くないことです。②は無断で撮影・公開されない権利である肖像権を、③は私生活をみだりに公開されないプライバシーを侵害する可能性があり、⓪も信頼関係を壊す行為です。出題者は「別の権利の侵害にはなりうるが、公表権ではない」という選択肢を意図的に並べ、権利の区別の精度を測っています。この「どの権利の話かを特定してから正誤を判断する」読み方は、大学入試センターの「情報関係基礎」でも同型の出題があり、次回扱う個人情報・プライバシーの分野でもそのまま武器になります。
パターン3 産業財産権の正誤判定──誤りの作り方は決まっている
パターンの解説
パターン1が「表を答えさせる」型だとすれば、こちらは制度の理解を文章の正誤で試す型です。文章量の多い私大の情報入試で好まれ、共通テストの知識小問でも部品として使われます。頻出の論点は、次の5つに集約されます。
| 論点 | 正しい知識 | ありがちな誤りの作り方 |
|---|---|---|
| 出願先 | 産業財産権の出願・登録の窓口はすべて特許庁 | 消費者庁・文化庁・総務省などにすり替える |
| 更新 | 商標権は何度でも更新できる | 「更新できない」「一定回数まで」と反転させる |
| ライセンス | 特許権者は他者に実施を許諾できる | 「特許権者本人しか実施できない」と反転させる |
| 出願の時期 | 実用化前の技術でも出願できる | 「実用化後でなければ出願できない」と条件を捏造する |
| 新規性 | 出願前に公然と知られた発明は取得不可 | この論点は正しい記述として置かれることが多い |
それぞれ、理屈ごと押さえましょう。出願先——特許庁は経済産業省の外局で、特許・実用新案・意匠・商標の4つすべての出願・審査・登録を一手に担います。消費者庁(消費者保護の行政機関)や文化庁(著作権行政の担当)と混ぜてくるのが定番の罠です。ライセンス——特許権は「自分だけが使う」ための権利ではなく、他者に実施(製造・販売など)を許諾して対価を得るという使い方ができます。企業が特許収入を得られるのはこの仕組みのおかげです。発明の内容を公開させて社会で共有しつつ、発明者には利益を返す——特許制度の目的そのものがここに表れています。出願の時期——特許が保護するのは完成した製品ではなく「技術的思想」、つまりアイデアの段階の発明です。だから実用化を待つ必要はありません。むしろ、先に出願した者が優先される先願主義なので、実用化を待っていたら他者に先を越されるおそれすらあります。新規性——特許は「新しい発明を社会に公開してくれたことへの見返り」なので、出願前にすでに世の中に知られていた発明には与えられません。国内か国外かも問いません。高校生に引きつけて言えば、自作の発明を文化祭やSNSで先に披露してしまってから出願しても、新規性を失って手遅れになりうる、ということです。
オリジナル問題で確認
【問3】産業財産権に関する記述として正しいものを、次の⓪〜④のうちから1つ選べ。
⓪ 産業財産権の出願先は権利の種類によって異なり、商標権の出願は消費者庁に対して行う
① 商標権の存続期間は登録から10年であり、存続期間が満了した商標権を更新することはできない
② 特許権を取得した発明を実施できるのは特許権者本人に限られ、他者に実施を許諾することはできない
③ 特許出願は、その技術が製品またはサービスとして実用化された後でなければ行うことができない
④ 特許出願より前に国内または国外で公然と知られていた発明は、特許権を取得することができない
STEP 1 まず機関チェック。⓪は出願先を消費者庁にすり替えています。産業財産権の窓口はすべて特許庁なので、即座に×です。
STEP 2 次に反転チェック。①はパターン1の核心「商標権だけは何度でも更新できる」の反転、②はライセンスの仕組みの反転、③は「アイデアの段階で出願できる」の反転です。3つとも、正しい知識の語尾をひっくり返しただけの選択肢だと見抜けます。
STEP 3 残った④は、新規性の定義そのものです。「国内または国外で」という範囲の記述も正しく、出願前に公然と知られた発明は新規性を欠くため特許権を取得できません。これが正解です。
答え ④
正誤判定の型では、誤りの選択肢は「機関のすり替え」「可否の反転」「条件の捏造」のどれかで作られていると知っておくだけで、読み方が変わります。各選択肢の言い切り部分(「〜できない」「〜に限られる」「〜しなければならない」)に線を引き、自分の持っている正しい知識の裏返しになっていないかを順に確かめる——これだけで、5択でも1分かかりません。慶應義塾大学の情報入試でも、産業財産権について同型の正誤問題が出題されています。
パターン4 プログラムの著作権──アイデアと表現の区別
パターンの解説
最後は、情報Ⅰらしい題材——プログラムの著作権です。まず前提として、プログラム(ソースコード)は著作物として著作権法で保護されます。一方で、プログラミング言語そのものや、規約・解法(アルゴリズム)は保護の対象外です。この線引きを一般化したものが、著作権の大原則「著作権が守るのは表現であって、アイデアではない」です。
なぜアイデアを守らないのでしょうか。もし「家計簿をつけるアプリ」というアイデア自体を最初の1人が独占できたら、以後誰も家計簿アプリを作れなくなり、文化も産業も止まってしまいます。そこで著作権は、アイデアは全員の共有物として自由に使わせ、それを形にした具体的な表現(文章・絵・楽曲、そしてソースコード)だけを守るという設計になっています。では、アイデアや機能の側を守りたければどうするか——それこそが、パターン1〜3で見てきた特許権(技術的アイデアを守る権利)の出番です。著作権と産業財産権は、守備範囲を分け合う相棒の関係にあります。
この原則から、試験での判定は2ステップに固定できます。①相手のソースコードそのものを使ったか——使っていなければ、機能が同じでも著作権侵害ではありません。②使ったなら、著作権の存続期間内か——期間内であれば、名称を変えようが、公表の時期をずらそうが、侵害は侵害です。名称変更や公表時期といった「もっともらしい条件」は、判定に一切影響しないダミーです。著作権は無方式主義で、登録や届け出という形式が権利の発生に関係しない以上、侵害の成立にも形式は関係しません。なお著作権の保護期間は、原則として著作者の死後70年までです。
オリジナル問題で確認
【問4】個人開発者のアオイさんは、家計簿アプリを開発・公開しており、そのプログラムの著作権を保有している。別の開発者のリクさんが、アオイさんのアプリと同じ機能をもつアプリを公開しようとする場合の記述として適当なものを、次の⓪〜③のうちから1つ選べ。
⓪ リクさんがアオイさんのソースコードを参照せず、独自に書いたソースコードで同じ機能を実現した場合でも、機能が同じである以上、著作権侵害となる
① アオイさんのソースコードを無断で使用しても、アプリの名称とアイコンを変更して公開すれば、著作権侵害とはならない
② アオイさんのソースコードを無断で使用しても、アオイさんのアプリの公開から1年以上たってから公開すれば、著作権侵害とはならない
③ アオイさんのソースコードを無断で使用していれば、著作権の存続期間内は、著作権侵害となる
STEP 1 判定ステップ①「コードそのものを使ったか」を各選択肢に当てます。⓪は使っていません——独自のコードで機能を再現しただけです。機能はアイデアの側なので著作権侵害にはならず、⓪は誤りです。
STEP 2 ①と②はコードを無断使用したうえで、「名称を変えた」「時期をずらした」という言い訳を添えています。名称や公表時期という形式は侵害の成立に関係しないので、①②も誤りです。
STEP 3 ③は判定ステップ②の記述そのもの。これが正解です。
答え ③
まとめは1行で足ります——機能はアイデア、コードは表現。著作権が守るのは表現だけ。ただし1つ補足すると、⓪のように独自コードで実現した場合でも、その機能や仕組みが他者の特許権の対象になっていれば、そちらの侵害になる可能性は別に残ります。「著作権はセーフでも特許はアウトがありうる」——この視点まで持てれば、知的財産権の全体マップを1枚の地図として使えている証拠です。武蔵野大学の情報入試でも、プログラムの機能とソースコードをめぐる同型の出題があります。
即答チェック8問──数値と理屈を3秒で
仕上げに、この記事の急所だけを一問一答で並べます。声に出して答えてから、答えを開いてください。
Q1 特許権は何を守り、保護期間は何年か?
産業上利用できる高度な発明。出願から20年(更新不可。医薬品などには延長制度あり)。
Q2 実用新案権は何を守り、保護期間は何年か?
物品の形状・構造の工夫(小発明)。出願から10年。
Q3 意匠権は何を守り、保護期間は何年か?
物品などのデザイン(形状・模様・色彩)。出願から25年。
Q4 商標権の保護期間と、他の3つとの違いは?
登録から10年。唯一、更新を続ければ半永久的に維持できる(ブランドは使い続ける限り価値が積み上がり、消えると消費者も本物を見分けられなくなるから)。起算点が「登録から」なのも商標だけ。
Q5 産業財産権の出願・登録の窓口はどこか?
4つすべて特許庁。出願・登録して初めて権利が発生する(方式主義)。
Q6 著作権はいつ発生し、いつまで保護されるか?
創作した瞬間に自動的に発生(無方式主義・手続き不要)。保護期間は原則、著作者の死後70年まで。
Q7 公表権とは何か?
まだ公表されていない著作物を公表するかどうかを決める権利(著作者人格権の1つ)。作品「それ自体」が無断で公衆に出たときだけ侵害の問題になり、感想・顔写真・秘密の暴露は肖像権やプライバシーなど別の権利の話。
Q8 同じ機能のアプリを、独自のコードで作った。著作権侵害か?
ならない。機能はアイデア、コードは表現で、著作権が守るのは表現だけ(ただし特許権の侵害になる可能性は別に残る)。
図1の全体マップを、何も見ずに白紙へ再現してみてください。4つの産業財産権に、保護期間・起算点・更新の可否まで書き込めれば、この分野の骨組みは完成です。書けなかった枠が、あなたの復習ポイントです。
よくある質問
この記事の問題は、書籍『共通テストパターンドリル情報Ⅰ』と同じものですか?
いいえ。書籍で分類した「出題パターン」だけを引き継ぎ、題材・数値・選択肢の文言はすべてWeb用に新しく作り直した書き下ろしのオリジナル問題です。書籍の問題文の転載は行っていません。書籍をお持ちの方は、同じパターンを別の題材で2周することになるので、定着の確認にちょうど使えます。
共通テスト予想問題【知的財産権 仕上げ】——藤原進之介の独自作成問題
実際の共通テスト・試作問題の出題型を分析して作成した、本記事オリジナルの予想問題です(藤原進之介の独自作成問題であり、大学入試センターの問題の転載ではありません)。解答を隠してあるので、まず自力で解いてみてください。無断転載はご遠慮ください。
出題形式・題材の傾向分析は本文の「共通テストではこう出る」を参照。ほかの講の予想問題は予想問題ハブ・シリーズハブからどうぞ。
出典・関連資料
- 特許庁Webサイト——産業財産権制度(特許・実用新案・意匠・商標)の概要と存続期間に関する解説
- 文化庁Webサイト——著作権制度(著作者人格権・保護期間)に関する解説
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 情報編」——情報社会と法・制度(情報Ⅰ(1))に関する記述
- 本記事の演習問題は、藤原進之介『共通テストパターンドリル情報Ⅰ』第1章の出題パターン分析をもとに、題材・数値・選択肢を数強塾が新規に作成したオリジナル問題です。書籍および実際の入試問題(慶應義塾大学・武蔵野大学・大学入試センター「情報関係基礎」などの同型の出題)の転載は行っていません。
シリーズ「頻出パターン攻略」の一覧はパターン攻略ハブから。講義編『最強120講義』の全体像は120講義ハブ、大問形式の実戦演習は分野別対策演習ハブからご覧いただけます。
「情報Ⅰ、独学でいけるのか不安」という方へ
数強塾では数学と情報Ⅰの両方に対応したオンライン個別指導を行っています。学習相談は無料、体験授業は3,000円(税込)でお受けしています。