【本記事について】本記事は、数強塾グループのプロ講師による実際の授業録画・書き起こしをもとに、個人が特定されないよう一部の表現を編集して再構成したものです。
こんにちは。株式会社数強塾 代表の藤原進之介です。
今回の授業のこだわり実例でお届けするのは、中学生向けの数学の授業です。テーマは「計算の工夫」。一見すると地味なテーマですが、実はここに、大学受験まで見据えた数学指導の核心が詰まっています。実際の授業録画をもとに、プロ講師が中学生に何をどう教えているのか、その様子を再構成してお伝えします。
「代入する前に、式を変形しよう」
この日の授業で扱われたのは、次のタイプの問題です。「x=2+√3 のとき、x2−2x の値を求めよ」。多くの中学生は、xの値をそのまま式に代入して計算を始めます。もちろんそれでも答えは出ます。しかし講師は、代入する前にまず式を変形する解き方を示しました。
手順はこうです。まず x=2+√3 の2を左辺に移項して、x−2=√3 という形を作ります。次に両辺を2乗すると、x2−4x+4=3。整理して x2−4x=−1 が得られます。あとは求めたい x2−2x の形に合わせて移項・整理すれば、√3 を含む式を直接2乗する煩雑な計算を避けて、値にたどり着けるのです。
ここで印象的だったのが、講師が生徒に語りかけた次の言葉です。
「今はこの程度の問題なら、直接代入したほうが楽に感じるかもしれない。でも大学受験レベルになると、工夫しないと計算が終わらない・時間が足りない問題ばかりになります。計算の工夫の意識は今のうちに持たないと、東大や医学部を目指すとなったときに『計算が終わらない』で詰んでしまう。だから今、教えています」
中学生の授業でありながら、視線の先には大学受験があります。目の前の1問を解かせて終わりではなく、「この解き方が将来どこにつながるのか」を明示しながら教える。数強塾グループのプロ講師の授業には、この「逆算」の発想が一貫して流れています。
ガウス記号──定義に忠実に、落とし穴は数直線で
授業は続いて、ガウス記号 [x] の導入に入ります。高校数学でも受験生を悩ませる記号を、この教室では中学生の段階で扱っていました。講師はまず定義から入ります。「[x] とは、xを超えない最大の整数」。そして n≦x<n+1 のとき [x]=n となることを確認し、[2.1]=2、[π]=3 といった具体例で感覚をつかませていきます。
ここで講師が「最重要の落とし穴」として強調したのが、負の数の場合です。[−6.4] を「−6」と答えてしまう生徒が非常に多いのですが、正解は −7。「xを超えない最大の整数」という定義に忠実に考えれば、−6.4 を超えない整数は −7 だからです。講師は数直線を描き、−6.4 の位置とその左側にある −7 を目で確認させながら、こう念を押しました。
「負の数のときは、必ず数直線で考える習慣をつけましょう。頭の中だけでやると符号で間違えます」
そのうえで、√の整数部分を求める問題への応用です。たとえば [√26] なら、5<√26<6 であることから 5 と判定できます。では −√26 ならどうか。「√26 が5と6の間だから…」と符号を軽く考えると −5 と答えたくなりますが、数直線で見れば −6<−√26<−5 なので、超えない最大の整数は −6。プラスの場合とマイナスの場合を符号込みで丁寧に区別する。定義と数直線に立ち返る姿勢を、繰り返し徹底していました。
比例は「形で判定する」──表と図を毎回描かせる
別の回では、比例の導入授業も収録されていました。ここでも指導方針はぶれません。まず「比例とは y=ax の形がすべて」と宣言し、y=3x、y=7x といった例を並べて、「比例と言われたらこの形」という判定基準を最初に固めます。
そのうえで、線香が燃えていく問題、水槽にたまる水の量、秒速16mを分速960mに直す単位換算まで、題材が変わるたびに表と図を毎回描かせます。
「イメージしにくければ、絵を描きましょう」
判定の訓練も具体的です。1本80円の鉛筆をx本買ったときの代金y円は y=80x で比例(比例定数80)。一方、1本110円の品物をx本買って1000円を出したときのおつり y=1000−110x は、y=ax の形ではないので比例ではない。面積が28の長方形の縦xと横yの関係 y=28/x も比例ではない。「なんとなく増えるから比例」ではなく、式の形で機械的に判定する訓練を重ねていくのです。
中高一貫でなくても、この水準の授業を
今回の授業から見えてくるのは、3つの指導の柱です。第一に、中学内容を大学受験から逆算して教えること。「計算の工夫」の意識は、高3になってから身につけるのでは遅いからこそ、中学生のうちに種をまきます。第二に、定義に忠実であること。ガウス記号のような新しい概念も、定義→具体例→落とし穴の順で丁寧に積み上げます。第三に、図を描く習慣。数直線や表を手で描くことが、符号ミスや思い込みを防ぐ最大の武器になります。
こうした授業は、中高一貫校の生徒だけのものではありません。数強塾グループでは、公立中学に通う生徒にも同じ水準の授業を提供しています。オンラインの完全個別指導だからこそ、お住まいの地域に関係なく、一人ひとりの理解度に合わせてこの指導を受けていただけます。
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