【本記事について】本記事は、数強塾グループのプロ講師による実際の授業録画・書き起こしをもとに、個人が特定されないよう一部の表現を編集して再構成したものです。
こんにちは。株式会社数強塾 代表の藤原進之介です。
授業のこだわり実例シリーズ、今回は英語です。取り上げるのは、グループの英語講師による慶應(総合政策・環境情報系)対策の長文読解講座。米国の移民労働とスウェットショップ(搾取工場)の歴史を扱う長文と、別の回のビデオゲームの年齢制限をめぐる長文を教材にした授業です。著作権の関係で英文そのものの引用は最小限にとどめ、指導のやり取りと解説を中心に再構成します。
この授業を貫いていたのは、数強塾の数学指導とまったく同じ思想──丸暗記ではなく、語源・構造・論理で「なぜ」から教えるという姿勢でした。
make ends meet は「家計簿の両端」から教える
本文中に登場したイディオム make ends meet(収支を合わせる・やりくりする)。単語帳なら「やりくりする」と訳語を暗記して終わりですが、講師はこう教えます。
家計簿を思い浮かべてください。収入と支出という「両端(ends)」を「合わせる(meet)」。だから「収支を合わせる、やりくりする」なんです。イメージができれば忘れません。
語彙の扱いも同様です。sweatshop は「汗(sweat)をかいて働く場所(shop)→搾取工場」と分解して導入。refer to A as B と regard A as B は「AをBとみなす・呼ぶ」という同じ型としてまとめて整理。adversely(悪影響で)は、形の似た adjacently・adhesively・admirably と並べて「混同しやすい単語ほど並べて判別する」訓練まで行われました。一語一語を孤立させず、成り立ちと型で束ねていくのが特徴です。
what を「物事」と訳した瞬間、慶應の和訳は詰む
この日の核心は、関係代名詞 what の指導でした。多くの受験生は「what=物事・こと」と訳語で暗記しています。しかし講師は、whatを「the 名詞+関係詞」の言い換えとして教えます。
「what=物事」という丸暗記では、慶應の和訳で詰みます。whatが具体的に何のtheな名詞なのかを、文構造から特定するんです。
実演されたのは began working in what were referred to as sweatshops という一節。refer to A as B の受動態からA=Bの関係を見抜き、SVCの構造を確認したうえで、「Bがsweatshops(場所)なのだから、A にあたる what は the place──スウェットショップと呼ばれた場所──だ」と訳語を決定していく。「なんとなく」ではなく、構造から訳を一意に決める思考手順が、板書とともに一段ずつ示されました。
くじら構文は「差がゼロ」という論理で読む
有名な「くじら構文」(A is no more B than C is D)の復習も、訳の暗唱ではなく論理からでした。比較級の直前に置かれた数字は「差」を表す。noはその差がゼロだという宣言。だから「CがDでないのと同様に、AはBでない」となる──さらに「なぜ後半(C is D)は肯定形で書くのか」という、参考書では流されがちな点まで理屈で説明します。構文を「呪文」ではなく「論理の帰結」として扱う姿勢は、数学の証明の授業とよく似ています。
関係形容詞 at which point の説明も印象的でした。「whichだけでは先行詞が曖昧になる場面で、which+名詞とすることで先行詞を明確にする、いわば書き手の親切」。文法事項を暗記項目としてではなく、書き手がなぜその形を選ぶのかという機能から教えるのです。
設問は「年号」を手がかりに段落と対応させる
読解の指導は精読で終わりません。設問処理では、本文中の年号(1906年、1911年、60〜90年代)を手がかりに、設問と該当段落を素早く対応させる実戦手順が示されました。長い本文から根拠を探し回るのではなく、数字という動かない目印で照合する。慶應レベルの分量を時間内に読み切るための、再現性のある技術です。
ビデオゲームの年齢制限を扱った別の回でも、この手順は同じでした。設問を読んだら、まず本文のどの段落に対応するかを客観的な目印で確定させ、そのうえで選択肢を本文の記述と突き合わせる。感覚で選ばせないという点で、指導は一貫しています。
選択肢の判別についても、経験則が言語化されます。
without a doubt とか impossible とか、言い過ぎの選択肢は疑ってください。本文がそこまで断定していないなら、それは根拠にならないんです。
ちなみにこの回では、授業の途中で配信が切れるトラブルがありました。復旧後、講師が「編集でくっつけてください」と笑いを交えつつ、内容は最後まできっちり完走。オンライン指導の現場感が伝わる一幕でした。
英語も数学と同じ「なぜ」ドリブンで
語源のイメージで語彙を束ね、文構造から訳語を一意に決め、構文を論理の帰結として理解し、設問は再現性のある手順で処理する。数強塾グループの英語指導(英論会)は、数学と同じ「なぜ」ドリブンで設計されています。「数学は良いけれど英語はどうなの?」と迷われている方にこそ、この授業の空気を一度体感していただきたいと思います。
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