中2|一次関数解き方がわからないときは 一次関数とは?傾き・切片・グラフ・変化の割合を25問で理解【中2数学】 を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
中2数学「一次関数(難問)」30を、問題文つきで解説します。徳島の公立入試問題で、途中で1分間休む2人がすれちがう時刻を求めます。休憩をはさむと式が3本に割れる——ここをきちんと処理できるかが分かれ目です。問題PDF
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お知らせ この回には解答PDFが用意されていません。このページの解答は、答えの時刻が「Aさんの帰り道」と「Bさんの行き道」の両方の時間帯に本当に入っているかを確かめ、休憩中にすれちがっていないことも別に確認したうえで掲載しています。
この回の型:休憩は「グラフが水平になる区間」
型速さの問題に「◯分休む」が入ると、グラフに水平な部分ができます。
すると1人の動きが行き・休み・帰りの3本の式に割れる。
大事なのはそれぞれに時間の範囲を書き添えること。範囲がないと、どの式どうしを比べればよいか決められません。
【1】休憩をはさんですれちがう時刻 《徳島》
体育祭の準備で、テントにいるAさんとBさんの2人が、台車を使って、体育館にあるパイプいすをテントまで運ぶことになった。テントと体育館は150m離れている。その間を往復して運ぶとき、次の条件があるものとして、次の問いに答えなさい。
〔条件〕 ・2人は同時にテントを出発する。・Aさんは毎分50m、Bさんは毎分30mの速さで進む。・2人はそれぞれ、体育館に着いたとき1分間休む。・パイプいすの積み下ろしにかかる時間は考えない。
(1) 右の図は、Aさんがテントと体育館を1往復するときに進むようすをグラフに表したものである。Bさんがテントと体育館を1往復するときの進むようすを表すグラフを、右の図にかきなさい。
(2) AさんとBさんが同時にテントを出発した後、最初にすれちがうのはテントを出発してから何分後か求めなさい。
問題PDFのグラフ(Aさん) 縦軸はテントからの距離(m)、横軸は時間(分)。(0, 0) →(3, 150) →(4, 150) →(7, 0) を結んだ折れ線。
答え (1) (0, 0) →(5, 150) →(6, 150) →(11, 0) を結んだ折れ線 (2) 35/8 分後(=4.375分後)
(1) 手順1:Bさんの3つの時刻を出す。
体育館に着く:150 ÷ 30 = 5分 → 点(5, 150)
休憩が終わる:5 + 1 = 6分 → 点(6, 150) ※この1分は水平
テントに戻る:6 + 5 = 11分 → 点(11, 0)
検証Aさんのグラフで同じ計算をすると 150 ÷ 50 = 3、3 + 1 = 4、4 + 3 = 7。
問題の図の (0,0)(3,150)(4,150)(7,0) と完全に一致します ○
与えられたグラフで自分の手順を検算できる——(1)がついている問題では必ずこれをやってください。
(2) 手順2:どこですれちがうのかを見当づける。
2人は同時に、同じ向きに出発します。だから出発直後はすれちがいません。Aさんのほうが速いので先に行きます。
すれちがうのは、Aさんが折り返して戻ってくるときです。
なぜこうするかここで「Aの式」「Bの式」と1本ずつ決めてしまうのが、この問題の肝心なところです。
2人とも3本の式を持っているので、組み合わせは9通りあります。全部試すのは現実的ではない。
そこで「そのときAさんは何をしていて、Bさんは何をしているか」を先に言葉で決める。
ここでは「Aさんは帰り道、Bさんはまだ行き道」。式はこの1組だけで済みます。
手順3:その2本だけを式にする。 t を出発してからの分とし、位置はテントからの距離で書きそろえます。
Bさんの行き:30t (0 ≦ t ≦ 5)
Aさんの帰り:4分に150mの地点から、毎分50mずつ減る → 150 − 50(t − 4) (4 ≦ t ≦ 7)
手順4:=で結ぶ。
30t = 150 − 50(t − 4)
30t = 150 − 50t + 200
80t = 350
t = 35/8(= 4.375)
検証①範囲に入っているか。35/8 = 4.375。Aさんの帰りは 4 ≦ t ≦ 7 ○、Bさんの行きは 0 ≦ t ≦ 5 ○
②位置が一致するか。Bさん:30 × 4.375 = 131.25m。Aさん:150 − 50 ×(4.375 − 4)= 150 − 18.75 = 131.25m ○
③それより前にすれちがっていないか。Aさんが休んでいる 3 ≦ t ≦ 4 のあいだ、Aさんは150mの地点。Bさんは t = 4 でも 30 × 4 = 120m しか進んでいません。まだ追いついていないので、すれちがいはここが最初です ○
よくあるミス ①Aさんの帰りを 150 − 50t と書く。Aさんが折り返すのは4分です。150 − 50(t − 4) と、そこからの時間で書きます。
②休憩の1分を入れ忘れる。入れ忘れると折り返しが3分になり、答えが 150 − 50(t − 3) から t = 3.75 とずれます。
③「同時に出発」を「向かい合って出発」と読む。2人ともテントから出発します。だから出発直後はすれちがいません。
④範囲を確かめない。組み合わせを間違えても式は解けてしまいます。範囲外の答えが出たら、選んだ組が違うという合図です。
定石 休憩のある往復は、行き・休み・帰りの3本に分け、それぞれに範囲を書く。
すれちがう場面を、式を書く前に言葉で決める。「Aは帰り、Bは行き」と決まれば式は1組。
折り返し後の式は、折り返した時刻からの時間で書く。
この回で身につくこと
この問題の本当の難しさは、計算ではなく「どの式とどの式を比べるか」を決めるところにあります。
2人が3本ずつ式を持つので、機械的にやれば9通り。けれど状況を絵で思い浮かべれば、比べるべき組は1つに決まります。
「Aさんはもう折り返して戻ってきている。Bさんはまだ体育館に向かっている。」——この一文が言えれば、あとは代入するだけです。
そして範囲は、その判断が正しかったかを確かめる装置になります。答えが 35/8 = 4.375 と出たとき、それが 4 ≦ t ≦ 7 と 0 ≦ t ≦ 5 の両方に入っていることを確認して、初めて答案が閉じます。
式を立てる前に状況を言葉にする。立てた式には範囲を添える。速さのグラフ問題は、この2つでほとんど解けます。
同じ「動くものが出会う」型は27(東京学芸大附・ダイヤグラム)、グラフを読む型は28(水そうと4本の管)/15(秋田)へ。一次関数の基礎は一次関数とは?式・グラフ・変化の割合を解説【中2数学】。

