中2|連立方程式解き方がわからないときは 中2数学|連立方程式とは?加減法・代入法・解き方を解説【中2数学】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
中2数学「連立方程式(難問)」11を、問題文つきで解説します。神奈川県立柏陽高の入試問題で、3人が手紙をリレーするという長文題。問題文を読むのに5分かかるのに、式は2本しか立ちません。長文をどう整理するかが、そのまま得点になります。問題PDF
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お知らせ この回には解答PDFが用意されていません。このページの解答は、求めた2つの出会いの地点から3人の歩いた時間と道のりを計算し直し、「AとBの時間が等しい」「AとCの道のりが等しい」という条件が両方とも成り立つことを確かめたうえで掲載しています。
この回の型:長い文章題は、出会う地点を文字でおく
型人が何人も出てきて、行ったり来たりする問題では、時刻を文字でおくと式がこんがらがります。
おくべきは「どこで出会ったか」。地点さえ決まれば、道のりも時間もすべてそこから計算できます。
【1】3人で手紙をリレーする 《神奈川県立柏陽高》
3地点P、Q、Rがあり、PからQを通るRまでの道のりは7200mで、PからQまでの道のりとQからRまでの道のりは等しい。Aさん、Bさん、Cさんの3人が次のようにしてPからRへ手紙を配達した。
Aさんは、10時にPを毎分75mの速さでQに向かって徒歩で出発しBさんに出会い、手紙を渡してすぐに向きを変え、来た道を同じ速さでPに戻った。
Bさんは、Aさんより何分か遅れてQを毎分90mの速さでPに向かって徒歩で出発しAさんに出会い、手紙を受け取りすぐに向きを変え、来た道を同じ速さでRに向かった。そして、出発点Qを通過した後Cさんに出会い、手紙を渡してすぐに向きを変え、来た道を同じ速さでQに戻った。
Cさんは、Bさんより何分か遅れてRを毎分125mの速さでQに向かって徒歩で出発しBさんに出会い、手紙を受け取りすぐに向きを変え、来た道を同じ速さでRに戻り、手紙はRに届いた。
3人が手紙の受け渡しを終えてそれぞれの出発点に戻るまでに、AさんとBさんの歩いた時間は等しく、AさんとCさんの歩いた道のりは等しかったことがわかっている。
次の問いに答えなさい。ただし、手紙の受け渡しに要した時間は考えないものとする。
(1) 手紙がRに届いた時刻は、何時何分だったか求めなさい。
(2) BさんがQを出発した時刻は、何時何分だったか求めなさい。また、CさんがRを出発した時刻は、何時何分だったか求めなさい。
答え (1) 11時18分 (2) BさんがQを出発したのは 10時15分、CさんがRを出発したのは 10時42分
手順1:道のりを数直線にする。 PQ = QR で合計7200mなので、PQ = QR = 3600m。
Pを0、Qを3600、Rを7200とします。
手順2:出会う地点を文字でおく。 出会いは2回しかありません。
- m₁ = AとBが出会った地点(PとQのあいだ)
- m₂ = BとCが出会った地点(QとRのあいだ)
なぜこうするか問題文は「何分か遅れて」と時刻がぼかされています。時刻を文字でおくと、出発時刻2つ・出会い時刻2つで文字が4つになり手に負えません。
ところが出会った地点を決めれば、時刻はすべて計算で出ます。「Aは10時にPを出て毎分75mだから、m₁に着くのは m₁÷75 分後」——このように芋づる式に決まる。
文字は2つで足ります。長文の問題ほど、何を文字にするかで難易度が変わります。
手順3:3人の「歩いた道のり」を m₁、m₂ で書く。 ここは絵を描きながら追ってください。
- Aさん:P(0) → m₁ → P に戻る → 2m₁
- Bさん:Q(3600) → m₁ → m₂ → Q に戻る
(3600 − m₁) + (m₂ − m₁) + (m₂ − 3600) = 2m₂ − 2m₁ - Cさん:R(7200) → m₂ → R に戻る → 2(7200 − m₂)
ここが山場Bさんの道のりで3600が消えるのが気持ちのいいところです。
Bは Q から左(P方向)へ行き、折り返して Q を通り越して右(R方向)へ進み、また Q に戻ります。
足すと 2m₂ − 2m₁——つまり「2つの出会い地点の間を2回歩いたぶん」だけ。出発点 Q の位置は関係なくなります。
式にしてから整理すると、思ったより簡単になる。途中で「複雑すぎる」とあきらめないこと。
手順4:2つの条件を式にする。
- AとBの歩いた時間が等しい:2m₁ ÷ 75 = (2m₂ − 2m₁) ÷ 90
両辺を2で割って 90をかけ、75をかけると 90m₁ = 75(m₂ − m₁) → 165m₁ = 75m₂ → m₂ = (11/5)m₁ - AとCの歩いた道のりが等しい:2m₁ = 2(7200 − m₂) → m₂ = 7200 − m₁
手順5:連立して解く。
(11/5)m₁ = 7200 − m₁
11m₁ = 36000 − 5m₁
16m₁ = 36000 → m₁ = 2250、 m₂ = 7200 − 2250 = 4950
検証m₁ = 2250 は 0 と 3600 のあいだ(PQ間)○ m₂ = 4950 は 3600 と 7200 のあいだ(QR間)○
どちらも問題の状況と合う位置にあります。範囲の外に出たら立式が違うという合図なので、必ず確かめてください。
手順6:時刻を順に出す。 ここからはただの割り算です。
- AがBに出会う:2250 ÷ 75 = 30分後 → 10時30分
- BがQを出発:Bは Q から m₁ まで 3600 − 2250 = 1350m を毎分90mで歩くので 15分。出会うのが30分後なので 30 − 15 = 15分後 → 10時15分
- BがCに出会う:m₁ から m₂ まで 4950 − 2250 = 2700m を毎分90mで 30分。 30 + 30 = 60分後 → 11時00分
- CがRを出発:Cは R から m₂ まで 7200 − 4950 = 2250m を毎分125mで 18分。 60 − 18 = 42分後 → 10時42分
- 手紙がRに届く:Cが m₂ から R へ戻るのも 2250m = 18分。 60 + 18 = 78分後 → 11時18分
検証最後に、問題文の2つの条件が本当に成り立っているかを確かめます。
Aの歩いた時間:4500 ÷ 75 = 60分(10時〜11時)
Bの歩いた時間:(2×4950 − 2×2250) ÷ 90 = 5400 ÷ 90 = 60分(10時15分〜11時15分) 一致 ○
Aの歩いた道のり:2 × 2250 = 4500m
Cの歩いた道のり:2 ×(7200 − 4950) = 2 × 2250 = 4500m 一致 ○
また「Bさんは Aさんより遅れて出発」(10時 < 10時15分)○、「Cさんは Bさんより遅れて出発」(10時15分 < 10時42分)○
問題文のすべての条件を満たしました。
よくあるミス ①出発時刻を文字でおく。文字が4つになって手が止まります。おくのは出会った地点です。
②Bさんの道のりを (3600 − m₁) + (m₂ − 3600) と書く。Bは m₁ から m₂ まで歩き、そのあと m₂ から Q へ戻ります。3区間です。
③「歩いた時間」を出発から到着までの経過時間と混同する。3人ともずっと歩き続けているので同じですが、待ち時間のある問題では変わります。
④m₁、m₂ が範囲内かを確かめない。m₁ は PQ間、m₂ は QR間。外に出たら立式が違います。
⑤(1)だけ答えて(2)を忘れる。(2)は2つ聞かれています(BとC)。
定石 人が行き来する長文題は、出会った地点を文字でおく。時刻はそこから全部計算できる。
往復の道のりは、式にしてから整理する。出発点が消えて簡単になることが多い。
答えが出たら、問題文の条件を1つずつ確かめる。長文題ほど、この最終確認が効く。
この回で身につくこと
この問題の本当の難しさは、計算ではなく読解の整理にあります。式にしてしまえば、連立方程式は2本、中学2年の計算だけで解けます。
差がつくのは次の3点です。
①何を文字にするか。時刻ではなく地点。これで文字が4つから2つに減ります。
②図を描くか。P・Q・R を数直線に取り、A・B・C の動きを矢印で書き込む。頭の中だけでBさんの3区間を追うのはほぼ不可能です。
③条件を最後に確かめるか。「AとBの時間が等しい」「AとCの道のりが等しい」は、式を立てるときに使い、答えが出たあとにもう一度検算に使えます。
入試の長文題は、読みながら図に書き込む速度で決まります。問題文を3回読むより、1回読みながら数直線に矢印を1本ずつ足していくほうが速い。手を動かしながら読む——これがいちばんの対策です。
速さと相対速度の型は10(早稲田実・筑波大附)、往復とすれちがいは一次関数(難問)30(徳島)/27(東京学芸大附)へ。連立方程式の文章題は連立方程式の文章題 個数・割合・速さ・食塩水を解説。
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この単元を体系的に理解する
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