中学受験・算数

順天中 算数の傾向と対策

数強塾のプロ講師陣

今日の一問
次の問いに答えなさい。
(オリジナル) あるクラスで、男子と女子の人数の比は 5:4 です。
(1) 男子が女子より 6 人多いとき、このクラス全体の人数は何人ですか。
(2) このクラスのうち、電車で通学している生徒は全体の \( \frac{2}{9} \) です。電車通学の生徒は何人ですか。
(3) 電車通学ではない残りの生徒について、徒歩通学と自転車通学の人数の比が 4:3 のとき、自転車通学の生徒は何人ですか。
——さて、どこから手をつける?
数強塾オリジナルの類題です。答えと考え方は、この記事の中で解説します。

順天中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】

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順天中学校(東京都北区)は、王子・王子神谷などからほど近い共学校で、探究や国際教育に力を入れてきた伝統校です。2026年4月からは北里大学附属順天中学校として新たなスタートを切り、大学の系属校としての学びも注目を集めています。本ページでは、順天中学校が公式に公開している入試情報の範囲で算数の傾向を整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が作成したオリジナルの自作類題を、方針・解答・二重検算つきで掲載します。

公式情報でわかる入試のかたち

同校が公式に公開している中学校の生徒募集概要(暫定版)によると、一般入試は第1回(2月1日)・第2回(2月2日)・第3回(2月4日)の複数回で行われ、それぞれに次のような区分が設けられています。

  • A入試(4教科型):国語・算数・社会・理科。算数は50分・100点、4教科で320点満点。
  • B入試(2教科型):国語・算数。算数は50分・100点、2教科で200点満点。
  • 多面的入試(第3回):国語または英語(選択)と算数(必須・50分・100点)に、マイ・プレゼンテーションを組み合わせる方式。

注目したいのは、どの区分でも算数が課され、多面的入試でも算数は「必須」とされている点です。とくにB入試(2教科型)では算数が配点の半分を占めるため、算数の出来がそのまま合否に直結しやすい入試だと読み取れます。試験日・配点などの数値は暫定版にもとづくものなので、出願前には必ず公式の確定版でご確認ください。

※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。

出題分野の傾向

ここでは特定年度の問題を引き写すことはせず、公開されている入試の枠組みと、中学入試算数の一般的な傾向から言えることを、数強塾の言葉で整理します(断定は避け、あくまで傾向としてお読みください)。

  • 算数の比重が大きい入試設計:公式の配点を見るかぎり、順天の入試は全区分で算数が50分・100点と、しっかりした比重で置かれています。2教科型では200点満点のうち算数が100点、つまり半分を占めます。国語が得意でも算数を落とすと挽回が難しく、算数を安定して得点できるかどうかが合否の分かれ目になりやすいと考えられます。
  • まずは計算と一行問題を確実に:50分という試験時間で100点分を解ききるには、前半に置かれることの多い計算問題・一行問題(小問集合)を速く正確に片づけることが土台になります。ここを取りこぼさないことが、そのまま合格点への近道になります。
  • 主要分野からバランスよく:中学入試算数では、割合と比、濃度、速さ、平面図形・立体図形、規則性、場合の数、数の性質など、主要分野からまんべんなく問われるのが一般的です。特定の1分野に偏らず、苦手分野をつくらない学習が、複数回入試のどの回にも対応できる力につながります。
  • 4教科型と2教科型で戦い方を選ぶ:A入試(4教科)は理社を含めた総合力が、B入試(2教科)は国語と算数の完成度が問われます。どの区分で受けるかによって重点の置き方は変わりますが、いずれにしても算数の安定は共通の前提です。多面的入試を選ぶ場合も、算数は必須である点を忘れないようにしましょう。

※以下の類題は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製や数値替えではありません。全問、正攻法の解答に加えて、独立した別の方法による二重検算で答えの一致を確認しています。

オリジナル類題で対策

類題1(割合と比・人数の比)

【問題】(オリジナル) あるクラスで、男子と女子の人数の比は 5:4 です。
(1) 男子が女子より 6 人多いとき、このクラス全体の人数は何人ですか。
(2) このクラスのうち、電車で通学している生徒は全体の \( \frac{2}{9} \) です。電車通学の生徒は何人ですか。
(3) 電車通学ではない残りの生徒について、徒歩通学と自転車通学の人数の比が 4:3 のとき、自転車通学の生徒は何人ですか。

【方針】 比の問題は、「比の1つ分がいくつにあたるか」をつかむのが急所です。(1)は「男子と女子の差」が比の差にあたることを利用します。(2)(3)は、求めた全体の人数をもとに、割合や比で分けていきます。

【解答】 (1) 男女の比が 5:4 なので、比の差は \( 5-4=1 \)。これが 6 人にあたるので、比の1つ分は 6 人です。全体は \( 5+4=9 \) 個分だから \( 9\times6=54 \)。よって54人
(2) 電車通学は全体の \( \frac{2}{9} \) なので \( 54\times\frac{2}{9}=12 \)。よって12人
(3) 残りの生徒は \( 54-12=42 \) 人。これを 4:3 に分けると、比の合計は \( 4+3=7 \) 個分で、1つ分は \( 42\div7=6 \) 人。自転車通学は 3 個分なので \( 3\times6=18 \)。よって18人

【検算(別解)】 人数をすべて求めて条件に合うか確かめます。(1)は男子 \( 5\times6=30 \) 人、女子 \( 4\times6=24 \) 人で、差は \( 30-24=6 \) 人、合計 54 人、比は \( 30:24=5:4 \) といずれも条件どおり。(3)は徒歩 \( 4\times6=24 \) 人、自転車 18 人で合計 \( 24+18=42 \)、比は \( 24:18=4:3 \)。電車 12 人と合わせると \( 12+42=54 \) 人でクラス全体と一致し、すべて合っています。

類題2(速さ・通過算)

【問題】(オリジナル) 一定の速さで走る列車があります。この列車が長さ 500m の鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに 30 秒、長さ 900m のトンネルに入り始めてから出終わるまでに 50 秒かかりました。
(1) この列車の速さは秒速何 m ですか。
(2) この列車の長さは何 m ですか。
(3) この列車が、同じ長さで同じ速さの列車と反対向きに走って出会うとき、出会ってからすれ違い終わるまでに何秒かかりますか。

【方針】 通過算では、「列車が進む道のり=(橋やトンネルの長さ)+(列車の長さ)」が基本です。橋とトンネルの2つの条件のをとると、列車の長さが打ち消し合って速さが求まります。(3)は、2つの列車が近づく速さ(速さの和)と、2両ぶんの長さで考えます。

【解答】 (1) 鉄橋では \( 500+(列車の長さ) \) を 30 秒で、トンネルでは \( 900+(列車の長さ) \) を 50 秒で進みます。2つの道のりの差は \( 900-500=400 \) m、時間の差は \( 50-30=20 \) 秒なので、速さは \( 400\div20=20 \)。よって秒速20m
(2) 鉄橋を渡るとき、30 秒で進む道のりは \( 20\times30=600 \) m。これが \( 500+(列車の長さ) \) なので、列車の長さは \( 600-500=100 \)。よって100m
(3) 反対向きに走る2つの列車が出会ってからすれ違い終わるまでに進む道のりの合計は、2両ぶんの長さ \( 100+100=200 \) m。近づく速さは \( 20+20=40 \)(秒速40m)なので、かかる時間は \( 200\div40=5 \)。よって5秒

【検算(別解)】 求めた速さ 秒速20m・長さ 100m をもとの条件にあてはめます。鉄橋は \( 500+100=600 \) m を進むので \( 600\div20=30 \) 秒、トンネルは \( 900+100=1000 \) m を進むので \( 1000\div20=50 \) 秒となり、どちらも問題文と一致します。(3)も、すれ違いに 5 秒かかるとすると進む合計は \( 40\times5=200 \) m で、これは列車2両ぶんの長さ 200m とぴったり合います。

類題3(平面図形・面積)

【問題】(オリジナル) 1辺が 12cm の正方形 ABCD があります。頂点は反時計回りに A、B、C、D の順に並んでいます。辺 BC 上に点 P を BP=4cm となるようにとり、辺 CD 上に点 Q を DQ=3cm となるようにとります。
(1) 三角形 ABP の面積を求めなさい。
(2) 三角形 ADQ の面積を求めなさい。
(3) 三角形 APQ の面積を求めなさい。

【方針】 正方形の内部にできる三角形の面積は、「正方形全体から、まわりの直角三角形をひく」と見通しよく求められます。三角形 APQ の面積は、正方形から三角形 ABP・三角形 ADQ・三角形 PCQ の3つをひけば残ります。それぞれ直角をはさむ2辺の長さがわかるので、\( \frac{1}{2}\times\text{底辺}\times\text{高さ} \) で計算できます。

【解答】 辺の長さを整理すると、\( PC=12-4=8 \) cm、\( CQ=12-3=9 \) cm です。
(1) 三角形 ABP は角 B が直角で、\( AB=12 \)、\( BP=4 \)。面積は \( \frac{1}{2}\times12\times4=24 \)。よって24cm²
(2) 三角形 ADQ は角 D が直角で、\( AD=12 \)、\( DQ=3 \)。面積は \( \frac{1}{2}\times12\times3=18 \)。よって18cm²
(3) 三角形 PCQ は角 C が直角で、\( PC=8 \)、\( CQ=9 \)。面積は \( \frac{1}{2}\times8\times9=36 \)。正方形の面積は \( 12\times12=144 \) なので、\( 144-24-18-36=66 \)。よって三角形 APQ の面積は66cm²

【検算(別解)】 方眼の考え方で、B を原点に見立てて各点の位置を \( A(0,12) \)、\( B(0,0) \)、\( C(12,0) \)、\( D(12,12) \) とおくと、\( P(4,0) \)、\( Q(12,9) \) となります。三角形 APQ を囲む長方形(横 12・縦 12)から、まわりの直角三角形をひいて求めても \( 144-24-18-36=66 \) と同じ 66cm² になり、方眼上の座標で計算しても一致することが確かめられます。

類題4(場合の数)

【問題】(オリジナル) 0、1、2、3、4 と書かれた 5 枚のカードがあります。この中から異なる 3 枚を選んで並べ、3 けたの整数をつくります。
(1) 3 けたの整数は全部で何個できますか。
(2) そのうち、偶数は何個できますか。
(3) そのうち、各位の数字の和が奇数になる整数は何個できますか。

【方針】 けたの整数をつくる問題では、「いちばん上の位に 0 は置けない」という条件に注意します。(2)は一の位が偶数(0・2・4)になる場合を、一の位で場合分けして数えます。(3)は、数字の和が奇数になるのは、選んだ3枚のうち奇数のカードが奇数枚(この場合は1枚)のとき、という性質を使うと整理できます。

【解答】 (1) 百の位は 0 を除く 4 通り、十の位は残りから 4 通り、一の位は残りから 3 通りなので \( 4\times4\times3=48 \)。よって48個
(2) 一の位が偶数(0・2・4)になる場合で分けます。
・一の位が 0:百の位は 1〜4 の 4 通り、十の位は残り 3 通りで \( 4\times3=12 \) 個。
・一の位が 2:百の位は 0 と 2 を除く 3 通り、十の位は残り 3 通りで \( 3\times3=9 \) 個。
・一の位が 4:同様に \( 3\times3=9 \) 個。
合計 \( 12+9+9=30 \)。よって30個
(3) 各位の数字の和が奇数になるのは、選んだ 3 枚のうち奇数カード(1・3)がちょうど 1 枚のときです(奇数カードは 2 枚しかないので 3 枚全部が奇数にはできません)。奇数カードを 1・3 から 1 枚、偶数カード(0・2・4)から 2 枚選び、3 けたに並べます。
・偶数 2 枚が {2,4}(0 を含まない)の組み合わせ:並べ方は \( 3\times2\times1=6 \) 通り。奇数の選び方 2 通りで \( 6\times2=12 \) 個。
・偶数 2 枚が {0,2} または {0,4}(0 を含む)の組み合わせ:3 枚の並べ方 6 通りのうち、百の位が 0 になる 2 通りを除いて 4 通り。この組み合わせは 2 種類あり、奇数の選び方も 2 通りなので \( 4\times2\times2=16 \) 個。
合計 \( 12+16=28 \)。よって28個

【検算(別解)】 (3)を、全体からの引き算で確かめます。3 けたの整数は全部で 48 個。数字の和が偶数になるのは、奇数カードが 0 枚か 2 枚のときです。
・奇数 0 枚(3 枚すべて偶数 0・2・4):{0,2,4} の並べ方 6 通りから百の位が 0 の 2 通りを除いて 4 個。
・奇数 2 枚(1 と 3 の両方)+偶数 1 枚:偶数が 2 か 4 のとき各 6 通り、偶数が 0 のとき百の位が 0 の分を除いて 4 通りなので \( 6+6+4=16 \) 個。
和が偶数の整数は \( 4+16=20 \) 個。したがって和が奇数の整数は \( 48-20=28 \) 個となり、正攻法の答えと一致します。

学習アドバイス

順天中学校の算数対策として、公開情報から言える範囲で大切だと考えられるポイントを整理します。

  • まず計算と一行問題を「速く・正確に」:算数が 50 分・100 点でどの区分にも置かれる以上、前半の計算・一行問題を確実に得点することが合格点の土台になります。毎日の計算練習で、スピードと正確さの両立を習慣にしましょう。
  • 主要分野をまんべんなく:割合と比、濃度、速さ、平面図形・立体図形、規則性、場合の数、数の性質といった主要分野を、苦手をつくらずにひととおり仕上げておくことが、複数回入試のどの回にも対応できる力になります。
  • 式と図をていねいにかく習慣を:本ページの類題のように、方針を言葉にし、式や図をきちんと残す習慣をつけると、見直しがしやすくなり、ミスに早く気づけます。答えを出したら、別のやり方でもう一度確かめる(検算する)姿勢を身につけましょう。
  • 受ける区分に合わせて準備を:4 教科型・2 教科型・多面的入試のどれで受けるかによって、理社や国語・プレゼンの比重は変わります。ただし算数はどの区分でも必須なので、まずは算数を安定させることを最優先に考えるとよいでしょう。志望校の最新の募集要項を確認しながら、計画的に進めてください。

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