順天堂大学 医学部 数学の過去問解説【2007〜2025年度・数強塾オリジナル】
順天堂大学医学部の数学について、2007〜2025年度の19年分すべての解説を公開しています。各年度ページでは、数強塾のプロ講師が全問を解き直して作成したオリジナル解説をご覧いただけます。
順天堂大学医学部 数学の出題傾向
順天堂大学医学部の数学は、小問集合とマーク形式・記述形式を組み合わせた構成の年度が多く見られます。序盤の小問集合では、数と式・場合の数と確率・図形と方程式・三角関数・指数対数など、幅広い単元から基礎〜標準レベルの問題が出題される傾向があり、短時間で正確に処理するスピードと計算力が求められやすい試験といえます。
後半の大問では、数Ⅲの微分積分(接線・求積・極限)、確率、数列、ベクトル、整数などの分野が比較的よく取り上げられており、誘導に沿って計算を積み重ねるタイプの問題が中心です。年度によっては思考力を要する設定や、図形的な考察を伴う問題も見られます。ただし出題形式や大問数は年度により変動があるため、志望される方は複数年度の過去問に実際にあたって、その年ごとの構成を確認しておくことをおすすめします。
学習アドバイスとしては、まず標準典型問題を穴なく仕上げることが土台になります。そのうえで、小問集合を素早く確実に得点する演習(時間を計った処理練習)と、数Ⅲ微積分を中心とする頻出分野の計算精度を高める演習を並行すると、対策が組み立てやすくなります。年度ごとの詳しい分析と全問解説は、下の年度別ページをご覧ください。
年度別 過去問・解説一覧
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※解説は数強塾のプロ講師が全問を解き直し、正攻法と数値代入の二重検算を経て公開しています。掲載全年度で解説をご覧いただけます。
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順天堂大学 医学部を目指す方へ
この過去問が解けなかった方へ
解けなかった原因が「知らなかった」のか「知っていたが使えなかった」のかで、次にやるべきことは変わります。数強塾では初回の診断授業で順天堂大学医学部の出題傾向に照らし、いま埋めるべき単元と必要な演習量を 具体的にお伝えします。数学が苦手な生徒を対象にした塾なので、標準問題の取りこぼしを潰すところから始められます。
数強塾オリジナル 演習4題——「知らなかった」のか「知っていたが使えなかった」のか
このページの最後で、私はこう書きました。「解けなかった原因が『知らなかった』のか『知っていたが使えなかった』のかで、次にやるべきことは変わります」。
そのとおりなのですが、読み返すとその切り分け方を書いていません。切り分けられなければ、次にやることも決まりません。ここを埋めます。
下に4問置きます。すべて数強塾の書き下ろしで、数値はこちらで検算しました。4問とも、使う道具は教科書レベルの標準です。そのかわり、顔つきが少しずらしてあります。
切り分けの基準は簡単です。解説を読んだとき——
「この道具、初めて見た」なら「知らなかった」。覚える・入れるのが次の一手です。
「あ、それか」なら「知っていたが使えなかった」。次の一手は覚え直しではなく、「なぜ気づけなかったか」を1行で言葉にすることです。
下の4問は、ほぼ全員が後者になるように作ってあります。使う道具は、どれも見たことがあるはずのものだからです。
第1問
のとき、 の最小値を求めよ。
使う道具 相加平均・相乗平均の関係。高校1年で習う道具です。
気づきにくくしているもの 分数の形になっていること。分子を分母で割って項に分けるまで、相加相乗の形が見えません。
解答
まず、分子の各項を で割って分けます。
なので、 と に相加平均・相乗平均の関係が使えます。
等号は 、つまり のとき( を満たします)。
気づけなかった人が言葉にすべきことは、「分数を見たら、分子を項ごとに分けてみる」です。道具を覚え直す必要はありません。相加相乗そのものは知っているのですから。足りないのは「この形になったら、この道具」という結びつきのほうです。
検算
を代入します。 ○
近くの値でも。: :
どちらも より大きいので、最小値であることが確かめられます ○
等号成立の確認も忘れずに。 は定義域 の中にあります——ここが外だと、相加相乗は使えません。
第2問
方程式 が異なる3つの実数解をもつような、実数 の範囲を求めよ。
使う道具 微分による増減の調べ方。これも標準の道具です。
気づきにくくしているもの 「方程式」と書いてあること。方程式を解く問題だと思うと、 次方程式の解の公式を探しに行ってしまいます。
解答
と変形して、「曲線 と、横一直線 の交点の個数」と読みかえます。
とすると 。
で極大 、 で極小 。
交点が3個になるのは、 が極小値と極大値のあいだを通るときなので
言葉にすべきことは、「解の個数を聞かれたら、グラフの交点に読みかえる」です。方程式のまま扱おうとすると手が止まりますが、 を右辺に集めて と見るだけで、知っている微分の問題に変わります。この読みかえ自体が「道具」だと思ってください。
検算
範囲の中で確かめます。: より 、解は の3個 ○
境目で確かめます。: となり、(重解)と で異なる解は2個 × だから は含みません ○
境目を実際に因数分解して、重解になることを見る——これが「 か か」を決める確実な方法です。
第3問
実数 に対して、次の関数を考える。
を の式で表し、その最小値を求めよ。
使う道具 定積分の計算と、平方完成。どちらも標準です。
気づきにくくしているもの 積分の中に が入っていること。「 で積分するのか、 で積分するのか」で固まります。
解答
積分変数は です。だから は、積分のあいだはただの定数として扱えます。
まず展開します。
について から まで積分します( は定数なので、そのまま外に出せます)。
あとは平方完成するだけです。
最小値は ( のとき)。
言葉にすべきことは、「積分変数以外の文字は、定数として外に出せる」です。これは知識というより読み方で、 と書いてあるのを見た瞬間に決まります。積分が終わったあとは、ただの2次関数——ここまで来れば、高校1年の問題です。
検算
を、展開せずに直接積分して確かめます。
まったく別の道で同じ値になりました。
見当でも。 はつねに 以上なので、 も 以上。そして が と のまん中にあるとき、 との差がいちばん小さくなる—— で最小は自然です ○
第4問
を の式で表せ。
使う道具 部分分数分解。 の形は必ず習っています。
気づきにくくしているもの 分母が であること。 とびではなく とびなので、消え方が変わります。
解答
まず分解します。 を通分すると分子が になるので、 を掛けて調整します。
から順に3項ほど書き出します。
と が消えるのは、1つ飛ばした先です。だから最後まで残るのは、前の2つ( と )と、後ろの2つ( と )。
言葉にすべきことは、「 とびだから、両はしに 項ずつ残る」です。 なら残るのは両はし1項ずつ。とびの数だけ、残る項が増える——この一般化を1度書いておけば、 が出ても同じように処理できます。知らなかったのではなく、 とびの場合しか書いたことがなかっただけです。
検算
小さい で確かめます。
:もとの和は 。式では ○
:もとの和は 。式では ○
形でも。 を大きくすると、後ろの2項は に近づくので和は に近づく——無限に足しても を超えません ○
4問の「顔つきのずらし方」
| 使う道具 | 顔つきのずらし方 | 言葉にすべき一行 | |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 相加平均・相乗平均 | 分数の形にしてある | 分数は、分子を項ごとに分ける |
| 第2問 | 微分と増減 | 「方程式」と書いてある | 解の個数はグラフの交点に読みかえる |
| 第3問 | 定積分と平方完成 | 積分の中に がある | 積分変数以外は定数として外に出す |
| 第4問 | 部分分数分解 | 分母が ( とび) | 消え方を、実際に3項書いて確かめる |
3列目を見てください。どれも、道具そのものは変えていません。変えたのは形だけ。だからこの4問で解けなかったとしても、それはほぼ確実に「知っていたが使えなかった」ほうです。
切り分けたあと、何をするか
- 「知らなかった」だった場合 → その単元の教科書・網羅系に戻ります。ここは素直に、覚える・入れる作業です。
- 「知っていたが使えなかった」だった場合 → 覚え直してはいけません。もう知っているのですから、同じことをもう一度やっても変わりません。やるべきは4列目のような一行を書き残すことです。
そして、書き残した一行は単元ごとではなく、1冊にまとめるのがおすすめです。「分数は項ごとに分ける」「解の個数は交点に読みかえる」——これらは単元をまたいで効くので、単元別に散らすと使えません。
「知っていたが使えなかった」は、演習量では減りません。同じ問題をもう一度解いても、次に出会うのは違う顔つきの問題だからです。減らせるのは「どんな形のときに、どの道具か」という結びつきを増やすことだけ。上の4列目が、その結びつきの実物です。1問につき1行、それを積み上げていくのが、この段階でいちばん効く勉強です。
この4問で確認したこと
- 切り分けは解説を読んだときの反応——「初めて見た」か「あ、それか」か。
- 分数の最小値は分子を項ごとに分けると相加相乗が見える。等号成立が定義域内かも確認(第1問)。
- 解の個数はグラフの交点に読みかえる。境目は因数分解して重解を見る(第2問)。
- 積分変数以外の文字は定数として外に出せる。積分後はただの2次関数(第3問)。
- 部分分数はとびの数だけ、両はしに残る項が増える(第4問)。
- 「知っていたが使えなかった」は演習量では減らない。形と道具の結びつきを1行ずつ増やす。
各年度の傾向と解説は、このページの「年度別 過去問・解説一覧」からご覧ください。医学部数学の答案の作り方は 医学部数学の特徴と対策|合格者の答案に共通する3つの型 にまとめてあります。
4問の分野は 数学I・Aの要点辞典(第1章 数と式=第1問)、数学II・B・Cの要点辞典(第6章 微分法=第2問、第7章 積分法=第3問、第8章 数列=第4問)にあります。数学IIIまでの続きは 数学IIIの要点辞典、全体の入口は 数学の要点辞典まとめ です。
「なぜそうなるのか」は なぜ相加平均は相乗平均以上なのか と なぜ定義域があるときは頂点だけ見てはいけないのか(第1問)、なぜ微分すると接線の傾きが出るのか(第2問)、なぜ置換積分が成り立つのか(第3問)、なぜ階差を取ると数列の次数が1つ下がるのか(第4問)に書いてあります。
同じ分野を型でそろえるなら 数と式 全12型、微分法(数II) 全11型、積分法(数II) 全14型、数列 全16型 です。


