中2数学:毎日の数学 / 数学単元ガイド

中2数学|樹形図と表で確率を求める方法 場合を漏れなく整理【中2】(無料問題PDF)

確率の問題では、計算より先に「全ての場合」を正しく整理します。結果が段階を追って分かれるときは樹形図、二つの結果を組み合わせて比べるときは表が便利です。どちらも、漏れと重複を防ぎ、同様に確からしい基本結果を見つけるための道具です。

樹形図と表は何のために使うか

確率は、起こり得る全ての基本結果が同様に確からしいとき、次の式で求められます。

確率=(条件に合う場合の数)/(全ての場合の数)

したがって、分母と分子を数える前に、基本結果を漏れなく、重複なく並べる必要があります。樹形図と表は、そのための整理方法です。

方法 向いている問題 強み
樹形図 硬貨を続けて投げる、玉を順に取り出すなど、段階を追って結果が分かれる問題 途中の条件や、次の段階で選べるものの変化を表しやすい
二次元の表 二つのさいころなど、二つの結果を組み合わせて和・差・積を調べる問題 全ての組を一覧にし、条件に合うマスを数えやすい
順序付きの組 結果が少なく、(1回目, 2回目)のように簡潔に列挙できる問題 順序の違いを明確にできる
樹形図や表を書けば自動的に正解になるわけではありません。枝やマスの一つ一つが、同じ起こりやすさの基本結果を表しているかを必ず確かめます。

樹形図の書き方

  1. 何を区別するか決める:1回目と2回目、硬貨Aと硬貨B、玉R1と玉R2などを明確にします。
  2. 一段階目の枝を書く:一段階目に起こり得る結果を、重複なく並べます。
  3. 各枝から次の枝を書く:その結果の後に起こり得るものを全てつなぎます。
  4. 枝の先を一つの結果として読む:根元から先端までたどり、順序付きの結果を書きます。
  5. 条件に合う先端を数える:全先端の数と、条件に合う先端の数を数えます。

硬貨2枚を樹形図で整理する

例1:表が1枚以上出る確率

区別できる公平な硬貨A、Bを1回ずつ投げます。表をH、裏をTとします。

  • 硬貨AがH
    • 硬貨BがH → HH
    • 硬貨BがT → HT
  • 硬貨AがT
    • 硬貨BがH → TH
    • 硬貨BがT → TT

先端はHH、HT、TH、TTの4通りです。公平で互いの結果に影響しない硬貨なら、この4通りは同様に確からしいと考えます。

表が1枚以上出るのはHH、HT、THの3通りです。

P(表が1枚以上)=3/4

答え:3/4

「表が1枚以上」には、表がちょうど1枚のHT、THだけでなく、2枚とも表のHHも含まれます。

枝の数を掛ける考え方

一段階目のどの結果からも、二段階目に同じ数の枝が伸びるなら、先端の総数は枝の数の積で求められます。

全ての場合の数=(一段階目の枝の数)×(二段階目の枝の数)

例2:硬貨1枚とさいころ1個

公平な硬貨1枚を投げ、公平な6面さいころ1個を投げます。硬貨はH、Tの2通り、さいころは1から6の6通りです。

全ての場合=2×6=12通り

「硬貨が表で、さいころが3の倍数」となるのは(H, 3)、(H, 6)の2通りです。

P(表かつ3の倍数)=2/12=1/6

答え:1/6

積で総数を求めた場合も、必要なら樹形図や順序付きの組で条件に合う結果を確かめます。

取り出したものを戻さない樹形図

玉やカードを取り出した後に戻さないと、次の段階で選べるものが一つ減ります。一段階目の結果ごとに、残っているものを確認して枝を書きます。

例3:赤玉2個、青玉1個から続けて2個取り出す

同じ大きさの赤玉R1、R2と青玉Bをよく混ぜ、1個ずつ続けて2個取り出します。取り出した玉は戻しません。

  • 1個目がR1 → 2個目はR2、B
  • 1個目がR2 → 2個目はR1、B
  • 1個目がB → 2個目はR1、R2

順序付きの結果は、R1R2、R1B、R2R1、R2B、BR1、BR2の6通りです。

色が異なるのはR1B、R2B、BR1、BR2の4通りです。

P(異なる色)=4/6=2/3

答え:2/3

玉をR1、R2、Bと個別に表すと、6個の先端が同様に確からしくなります。最初から「赤」「青」だけの二枝にすると、赤と青は同じ確率ではないため、先端を同じ一通りとして数えることはできません。

順序を区別するかを判断する

同じ二つを選ぶ問題でも、結果の意味によって順序を区別するかが変わります。

問題の表現 順序 理由
1回目と2回目の目 区別する (2, 5)と(5, 2)は、出た順が異なる
2桁の整数を作る 区別する 十の位と一の位が異なり、12と21は別の数
3人から委員2人を選ぶ 通常は区別しない AさんとBさんを選ぶことは、並べる順に関係しない
委員長と副委員長を選ぶ 区別する 役割が異なり、A・BとB・Aは別の結果
樹形図は順序を区別して枝を伸ばします。順序を区別しない選び方を数えるときは、同じ組を何回ずつ数えたかを確かめて整理します。

二つのさいころを表で整理する

色の違う2個の公平なさいころを投げるとき、1個目の目を行、2個目の目を列にすると、36通りの順序付きの組を一度ずつ表せます。次の表の各マスは、二つの目の和です。

二つのさいころの目の和
1個目\2個目 1 2 3 4 5 6
1 2 3 4 5 6 7
2 3 4 5 6 7 8
3 4 5 6 7 8 9
4 5 6 7 8 9 10
5 6 7 8 9 10 11
6 7 8 9 10 11 12

例4:二つの目の和が8

表で和が8のマスを探すと、(2, 6)、(3, 5)、(4, 4)、(5, 3)、(6, 2)の5通りです。

P(和が8)=5/36

答え:5/36

表には36マスありますが、同じ「和」でもマスの数は異なります。例えば和2は1マス、和7は6マスなので、和2から12の11種類を分母にしてはいけません。

条件のあるカードを樹形図で整理する

例5:1、2、3のカードで2桁の偶数を作る

1、2、3のカードをよく混ぜて2枚を1枚ずつ無作為に選び、十の位、一の位の順に並べます。同じカードは二度使いません。

できる整数は12、13、21、23、31、32の6個です。偶数は一の位が2である12、32の2個です。

P(偶数)=2/6=1/3

答え:1/3

「2を選ぶ」だけでは不十分です。2が一の位に来る必要があり、十の位には残りの1または3が来ます。

樹形図と表の選び方

  • 途中で選べるものが変わる:取り出したものを戻さない問題は、樹形図が分かりやすい。
  • 二つの値の和・差・積を調べる:二次元の表が分かりやすい。
  • 結果が少ない:順序付きの組を直接書いてもよい。
  • 三段階以上ある:樹形図で枝を段階ごとに伸ばすと、漏れを防ぎやすい。

同じ問題を複数の方法で整理しても答えは同じです。初めは樹形図で全体を確かめ、慣れたら積の考え方や表で短く整理するとよいでしょう。

よくある誤りと直し方

誤り 直し方
一部の枝だけ次の段階を書き忘れる 一段階目の各枝から、残っている全ての選択肢を確認する
HTとTH、(2, 5)と(5, 2)を同じにする 硬貨、さいころ、回数、役割を区別し、順序付きの結果で表す
取り出したカードを次の枝にも残す 戻さない問題では、選んだものを候補から除く
赤と青の二枝を同様に確からしいとする 個数が異なるときは、個々の玉を区別して基本結果を作る
さいころの和11種類を分母にする 同様に確からしい36個の順序付きの組を分母にする
全ての場合と条件に合う場合を逆にする 分母は全先端・全マス、分子は条件に合う先端・マスと確認する

確認問題

  1. 公平な硬貨1枚と公平な6面さいころ1個を投げるとき、全ての場合は何通りですか。
  2. 問題1で、硬貨が表、かつ、さいころが偶数となる確率を求めましょう。
  3. 色の違う公平なさいころ2個を投げるとき、目の和が9になる確率を表で求めましょう。
  4. 公平な硬貨2枚を投げるとき、少なくとも1枚が裏になる確率を樹形図の先端から求めましょう。
  5. 同じ大きさの赤玉R1、R2と青玉Bから、戻さずに2個取り出します。2個とも赤になる確率を求めましょう。
  6. 1、2、3、4のカードをよく混ぜ、戻さずに2枚を1枚ずつ無作為に選んで2桁の整数を作ります。できる整数は何個あり、そのうち偶数は何個ですか。偶数になる確率も求めましょう。
  7. 「公平な硬貨を3回投げる問題」と「二つのさいころの目の和を調べる問題」には、樹形図と表のどちらがそれぞれ使いやすいですか。
  8. 赤玉4個、青玉1個の袋から1個を取り出す問題で、「赤」「青」の二枝を同じ一通りとして数えられない理由を答えましょう。
確認問題の解答と考え方
  1. 硬貨2通り、さいころ6通りなので、2×6=12通りです。
  2. (H, 2)、(H, 4)、(H, 6)の3通りなので、3/12=1/4です。
  3. (3, 6)、(4, 5)、(5, 4)、(6, 3)の4通りなので、4/36=1/9です。
  4. HH、HT、TH、TTのうち、HH以外の3通りなので3/4です。
  5. 全6通りのうちR1R2、R2R1の2通りなので、2/6=1/3です。
  6. 全ての場合は4×3=12個です。一の位が2または4で、そのそれぞれに十の位が3通りあるので偶数は6個、確率は6/12=1/2です。
  7. 硬貨3回は段階を追える樹形図、二つのさいころの和は行と列で組を比べられる表が使いやすいです。
  8. 赤は4個、青は1個で、赤になる起こりやすさと青になる起こりやすさが等しくないからです。個々の5個の玉を基本結果として数えます。

まとめ

  • 樹形図と表は、全ての場合を漏れなく重複なく整理する道具。
  • 段階を追って結果が分かれる問題には樹形図、二つの結果の和・差・積には表が便利。
  • 樹形図では、根元から先端までを一つの順序付きの結果として読む。
  • 取り出したものを戻さないときは、次の枝からそのものを除く。
  • 先端やマスを数える前に、それらが同様に確からしい基本結果かを確認する。
  • 分母は全ての場合、分子は条件に合う場合の数。

学習範囲の根拠

本記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第2学年「データの活用」にある、場合を順序よく整理し、同様に確からしいことを基に確率を求める学習内容に沿って構成しています。

前後の単元

前に学ぶ中2数学の確率で、同様に確からしい場合と確率の公式を確認できます。

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次に学ぶ四分位数と箱ひげ図で、データの中心と散らばりを複数の集団で比較します。

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