こんにちは。数強塾代表の藤原進之介です。
ここは「場合の数・確率の特訓道場」の第2章(第36問〜第72問)です。この章のテーマは順列(じゅんれつ)、記号でいうPです。
Pは「公式を覚えるもの」ではありません。書き出して数えたときの結果を、そのままかけ算に置きかえただけのものです。まずそこを完全に納得してから問題に入ります。急がば回れです。
同じシリーズで確率の応用の特訓道場も公開しています。
場合の数・確率の特訓道場(全125問)
- 第1章 数え方と確率の基本(第1問〜第35問)
- 第2章 順列(P)の特訓(第36問〜第72問) ← いまここ
- 第3章 組合せ(C)の特訓(第73問〜第99問)
- 第4章 PとCで解く確率(第100問〜第125問)
序章 順列(P)をゼロから理解する
ステップ1 「並べる」とはどういうことか
まず言葉の意味をはっきりさせます。
順列(じゅんれつ)=ものを順番をつけて並べること。
「1番目はこれ、2番目はこれ、…」と場所が区別されているのがポイントです。
たとえば A, B, C の3人がいて、\(\mathrm{AB}\) と \(\mathrm{BA}\) はちがうものとして数える。これが順列です。
「1列に並ぶ」「1位・2位を決める」「十の位・一の位を決める」「会長・副会長を選ぶ」。これらはすべて場所に区別があるので順列です。
ステップ2 全部書き出して数えてみる
いきなり公式に行かず、必ず一度は手で書き出します。4人 A, B, C, D から2人を選んで1列に並べるとどうなるでしょうか。
AB AC AD
BA BC BD
CA CB CD
DA DB DC
数えると12通りです。
この表をよく見てください。たてに4行、よこに3列になっています。これは偶然ではありません。
- 1番目に置ける人 … A, B, C, D の4通り(これが行の数)
- 2番目に置ける人 … 1番目で1人使ったので残り3通り(これが列の数)
だから
\[4\times 3=12\]
書き出した12通りと、かけ算の12がぴったり一致しました。Pの正体はこれだけです。
ステップ3 記号 \({}_{n}\mathrm{P}_{r}\) の意味
いま計算した「4人から2人を選んで並べる」を、数学では次のように書きます。
\[{}_{4}\mathrm{P}_{2}=4\times 3=12\]
記号の読み方と意味
\({}_{n}\mathrm{P}_{r}\) と書いて「エヌ ピー アール」と読みます。
P は英語の Permutation(=順列)の頭文字です。
左下の \(n\) … 全部で何個あるか(材料の数)
右下の \(r\) … そのうち何個を並べるか(席の数)
計算のしかた(これだけ覚えれば十分)
\[{}_{n}\mathrm{P}_{r}=\underbrace{n\times(n-1)\times(n-2)\times\cdots}_{r}\]
\(n\) から始めて、1ずつ減らしながら、\(r\) 個だけかける。
例をいくつか出します。「かける個数は右下の数」だけを意識してください。
₅P₂ = 5 × 4 = 20 (2個かける)
₇P₃ = 7 × 6 × 5 = 210 (3個かける)
₁₀P₄ = 10 × 9 × 8 × 7 = 5040(4個かける)
₆P₁ = 6 (1個だけ)
いちばん多いミス \({}_{7}\mathrm{P}_{3}\) を「7から3まで全部かける」と勘違いして \(7\times 6\times 5\times 4\times 3\) としてしまうミスです。減らしていくのは正しいのですが、止めるのは「3個かけたところ」です。
ステップ4 階乗(かいじょう)\(n!\) とは
「全部を並べる」ときは、記号が少しシンプルになります。
\[n!=n\times(n-1)\times(n-2)\times\cdots\times 2\times 1\]
これを「\(n\) の階乗」といい、「エヌ かいじょう」と読みます。1まで全部かけるという意味です。
3! = 3 × 2 × 1 = 6
4! = 4 × 3 × 2 × 1 = 24
5! = 5 × 4 × 3 × 2 × 1 = 120
6! = 720 7! = 5040 8! = 40320
階乗はおそろしい速さで大きくなります。\(10!\) はもう3,628,800(約363万)です。
そして、\(n\) 個すべてを並べるのは、席が \(n\) 個あるということなので
\[{}_{n}\mathrm{P}_{n}=n!\]
ステップ5 なぜ \(0!=1\) と決めるのか
教科書には突然「\(0!=1\) と定める」と書いてあり、多くの人がここでつまずきます。理由は2つあります。
理由① 式のつじつまを合わせるため
\({}_{n}\mathrm{P}_{r}\) は、階乗を使って次のようにも書けます。
\[{}_{n}\mathrm{P}_{r}=\frac{n!}{(n-r)!}\]
たしかめてみましょう。\({}_{5}\mathrm{P}_{2}\) なら
\[\frac{5!}{3!}=\frac{5\times 4\times 3\times 2\times 1}{3\times 2\times 1}=5\times 4=20\]
ちゃんと合います(下の \(3!\) がまるごと約分で消えるのがしくみです)。
ところが \(r=n\) のとき、たとえば \({}_{5}\mathrm{P}_{5}\) を同じ式で書くと
\[\frac{5!}{0!}\]
となります。答えは \(5!=120\) であってほしい。そのためには \(0!=1\) でなければつじつまが合いません。
理由② 「何も並べない並べ方」は1通りだから
「0個のものを並べる方法」は、「何もしない」という1通りだけあります。0通りではありません。だから \(0!=1\) は意味の上でも自然なのです。
ステップ6 この章で出てくる4つの型
順列の問題は、見た目がちがっても次の4つの型のどれかです。この章はこの4つを順につぶしていきます。
型1 ふつうの順列 \({}_{n}\mathrm{P}_{r}\) をそのまま使う。
型2 0をふくむ整数づくり 「最高位は0にできない」という制約がつく。制約の強い位から決める。
型3 となり合う/となり合わない となり合うものは1つのかたまりにする。となり合わせたくないものは先に他方を並べてすき間に入れる。
型4 円順列・重複順列 円形に並べるときは1つを固定する。同じものを何度使ってもよいときは \(n^{r}\)。
準備は以上です。第36問から始めましょう。
1 和の法則(第36問〜第38問)
【和の法則】 2つのことがら A, B が同時には起こらないとき、Aの起こり方が \(m\) 通り、Bの起こり方が \(n\) 通りなら、AまたはBの起こり方は \(m+n\) 通り。3つ以上でも同じです。
第36問 2枚のカードの和・積
第36問
1から9までの数を1つずつ書いた9枚のカードがある。これらから同時に2枚のカードをひくとき、次の問いに答えよ。
(1) カードの数の和が11または12になる場合の数を求めよ。
(2) カードの数の積が10以上15以下になる場合の数を求めよ。
考え方の型 書き出すときは小さい方の数を先に書くと決めてしまいます。こうするとダブりも数え落としも起きません。
(1) 「同時に2枚」なので順番は関係ありません。{2, 9} と {9, 2} は同じ1通りです。
和が11になる組 小さい方を1から順に試します。
2 と 9 …… ○
3 と 8 …… ○
4 と 7 …… ○
5 と 6 …… ○
6 と 5 …… もう出た組なのでここで終わり
4通りです。(1と10は10が範囲外なので×)
和が12になる組
3 と 9 …… ○
4 と 8 …… ○
5 と 7 …… ○
6 と 6 …… カードは1枚ずつなので同じ数は使えない ×
3通りです。
「和が11」と「和が12」は同時には起こらないので、和の法則で
\[4+3=7\]
(2) 積が10以上15以下、つまり積が 10, 11, 12, 13, 14, 15 のいずれかです。1つずつ調べます。
積 10 …… 2 × 5 (1×10 は範囲外) → 1通り
積 11 …… 11は素数。1×11 しかないが範囲外 → 0通り
積 12 …… 2 × 6、3 × 4 (1×12 は範囲外) → 2通り
積 13 …… 素数なので 0通り
積 14 …… 2 × 7 → 1通り
積 15 …… 3 × 5 → 1通り
\[1+0+2+0+1+1=5\]
ポイント 積の問題は「積の値ごとに、かけ算の分解を書き出す」のが確実です。素数(11, 13)は分解できないので0通りだと即断できます。
答 (1) 7通り (2) 5通り
第37問 大小2個のさいころ
第37問
大小2個のさいころを同時に投げるとき、次の問いに答えよ。
(1) 出た目の数の和が6または7になる場合の数を求めよ。
(2) 出た目の数の和が4の倍数になる場合の数を求めよ。
(3) 出た目の数の積が18以上になる場合の数を求めよ。
第1章で使った「和の個数の山型の表」をもう一度出します。これは暗記してしまうと本当に速くなります。
| 和 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 通り | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
(1) 和が6は5通り、和が7は6通り。同時には起こらないので
\[5+6=11\]
(2) 和は2以上12以下。この中の4の倍数は4, 8, 12 の3つです。
\[3+5+1=9\]
(3) 積が18以上。大の目で場合分けします。
大 = 1 … 最大でも 1×6 = 6 → 0通り
大 = 2 … 最大でも 12 → 0通り
大 = 3 … 3×6 = 18 だけ → 1通り
大 = 4 … 4×5 = 20、4×6 = 24 → 2通り
大 = 5 … 5×4 = 20、5×5 = 25、5×6 = 30 → 3通り
大 = 6 … 6×3 = 18、6×4、6×5、6×6 → 4通り
\[1+2+3+4=10\]
答 (1) 11通り (2) 9通り (3) 10通り
第38問 3個のさいころ
第38問
A, B, C の3個のさいころを同時に投げるとき、次の問いに答えよ。
(1) 出た目の数の和が5以下になる場合の数を求めよ。
(2) 出た目の数の積が3以上5以下になる場合の数を求めよ。
3個のさいころの鉄則
① まず目の組(大きさの順に書いたもの)を書き出す
② 次に、その組の並べ方が何通りかをかける
3個のさいころには A, B, C の区別があるので、たとえば「1, 1, 2」という組は「どのさいころが2を出したか」で3通りに分かれます。
並べ方の個数(3個の場合)
3つとも同じ(例:1,1,1)… 1通り
2つ同じ、1つちがう(例:1,1,2)… 3通り
3つとも別(例:1,2,3)… 6通り(\(3!=6\))
(1) 和は最小で3(1,1,1)。5以下なので和は3, 4, 5 です。
和 3 …… (1,1,1) → 1通り
和 4 …… (1,1,2) → 3通り
和 5 …… (1,1,3) → 3通り、(1,2,2) → 3通り → 計6通り
\[1+3+6=10\]
(2) 積は最小で1(1,1,1)。3以上5以下なので積は 3, 4, 5 です。
積 3 …… (1,1,3) → 3通り
積 4 …… (1,1,4) → 3通り、(1,2,2) → 3通り → 計6通り
積 5 …… (1,1,5) → 3通り
\[3+6+3=12\]
ポイント 積が4になるのは \(1\times 1\times 4\) と \(1\times 2\times 2\) の2種類。2通りの分解があることを見落とさないのがコツです。
答 (1) 10通り (2) 12通り
2 積の法則(第39問〜第46問)
【積の法則】 Aの起こり方が \(m\) 通りあり、そのどれに対してもBの起こり方が \(n\) 通りあるとき、AとBがともに起こる場合の数は \(m\times n\) 通り。
第39問 2つの区間を通る道順
第39問
A地点からB地点へ行く道が5本、B地点からC地点へ行く道が3本ある。A地点からB地点を通ってC地点へ行く方法は何通りあるか。
A→Bの道を1本選ぶと、そのあとB→Cの道は3本のどれを選んでもよい。A→Bのどの選び方に対しても、B→Cが3通りずつあるということです。
\[5\times 3=15\]
なぜ足し算ではないのか 「AからBへ行き、そしてBからCへ行く」と続けて起こるからです。「AからBへ行く、またはBからCへ行く」ではありません。
答 15通り
第40問 さいころ2回の条件
第40問
1個のさいころを2回続けて投げるとき、1回目に出た目が偶数で、2回目に出た目が3の倍数になる場合の数を求めよ。
1回目は 2, 4, 6 の3通り。2回目は 3, 6 の2通り。
1回目に何が出ても2回目の選択肢は変わらないので
\[3\times 2=6\]
答 6通り
第41問 男女1人ずつの代表
第41問
男子25人、女子20人の中から、男女1人ずつ計2人の代表を選ぶ方法は何通りあるか。
男子の選び方が25通り。そのどれに対しても、女子の選び方が20通りずつあります。
\[25\times 20=500\]
答 500通り
第42問 コース料理の選び方
第42問
あるレストランで、5種類のメインディッシュ、4種類のデザート、6種類のドリンクからそれぞれ1種類ずつ選ぶ方法は何通りあるか。
3つの選択は互いに関係がないので、積の法則を3つに広げて使います。
\[5\times 4\times 6=120\]
答 120通り
第43問 3つのグループから1人ずつ
第43問
3つのグループがある。Aグループは8人、Bグループは7人、Cグループは5人で、それぞれのグループから1人ずつ代表者を出すことになった。代表者の選び方は何通りあるか。
\[8\times 7\times 5=280\]
ポイント 「それぞれのグループから1人ずつ」なので、3人まとめて選ぶわけではありません。グループごとに独立に選ぶので、単純なかけ算になります。
答 280通り
第44問 往復の交通機関
第44問
A町からB町へ行くのに、4種類の別々の鉄道がある。また、B町からC村へ行くのに3種類の別々の路線バスがある。A町からC村まで行ってもどってくるとき、利用する交通機関の選び方は何通りあるか。ただし、行きと帰りで同じ鉄道、または路線バスを使ってもよい。
「行ってもどってくる」ので、選ぶ場面は4回あります。順に書き出します。
行き A → B …… 鉄道 4通り
行き B → C …… バス 3通り
帰り C → B …… バス 3通り
帰り B → A …… 鉄道 4通り
「同じものを使ってもよい」と書いてあるので、帰りも選択肢は減りません。
\[4\times 3\times 3\times 4=144\]
よくあるミス ①「もどってくる」を読み落として \(4\times 3=12\) にしてしまう。②「同じものは使えない」と思いこんで \(4\times 3\times 2\times 3\) にしてしまう。問題文の「ただし」以降は必ず読むこと。
答 144通り
第45問 展開したときの項の個数
第45問
\((a+b+c+d)(x+y+z)\) を展開すると、項は何個できるか。
展開とは、前のかっこから1つ、後ろのかっこから1つ選んでかける作業を、全部の組合せについてやることです。
たとえば \(a\) と \(x\) を選べば \(ax\)、\(b\) と \(z\) を選べば \(bz\)。
選び方は「前が4通り、後ろが3通り」なので
\[4\times 3=12\]
ポイント 文字がすべてちがうので、同類項(まとめられる項)は出ません。だから選び方の数がそのまま項の個数になります。
答 12個
第46問 3つのかっこの展開
第46問
\((1+x)(1+y+y^{2})(1+z+z^{2}+z^{3}+z^{4})\) を展開すると、項は何個できるか。
かっこの中の項の個数を数えます。
1つ目 (1 + x) …………………………… 2個
2つ目 (1 + y + y²) …………………… 3個
3つ目 (1 + z + z² + z³ + z⁴) …… 5個
それぞれから1つずつ選ぶので
\[2\times 3\times 5=30\]
使われている文字が \(x,\;y,\;z\) と全部ちがうので、やはり同類項は出ません。
答 30個
3 階乗と \({}_{n}\mathrm{P}_{r}\) の計算(第47問〜第49問)
第47問 階乗の計算
第47問
次の計算をせよ。
(1) \(5!\) (2) \(7!\) (3) \(9!\) (4) \(0!\) (5) \(1!\) (6) \(\dfrac{7!}{5!}\) (7) \(\dfrac{6!}{3!}\) (8) \(\dfrac{8!}{4!}\) (9) \(\dfrac{15!}{10!}\)
(1) \(5!=5\times 4\times 3\times 2\times 1=120\)
(2) \(7!=7\times 6\times 5\times 4\times 3\times 2\times 1=5040\)
(3) \(9!=362880\)(\(8!=40320\) の9倍と考えると速いです)
(4) \(0!=1\) … そう定めます(序章のステップ5を読み返してください)
(5) \(1!=1\)
(6)以降が本題 「階乗のわり算は、書き下さずに約分する」
\(7!\) を計算してから \(5!\) でわるのは時間の無駄です。7! の中に 5! がまるごと入っていることを利用します。
(6) \(7!=7\times 6\times \underbrace{5\times 4\times 3\times 2\times 1}\) の下線部が \(5!\) です。だから
\[\frac{7!}{5!}=7\times 6=42\]
(7) 同じように、\(6!\) の中の \(3\times 2\times 1\) が消えて
\[\frac{6!}{3!}=6\times 5\times 4=120\]
(8) \[\frac{8!}{4!}=8\times 7\times 6\times 5=1680\]
(9) \[\frac{15!}{10!}=15\times 14\times 13\times 12\times 11\]
順にかけます。\(15\times 14=210\)、\(210\times 13=2730\)、\(2730\times 12=32760\)、\(32760\times 11=360360\)。
気づいてほしいこと (6)〜(9)の答えは、そのまま \({}_{7}\mathrm{P}_{2},\;{}_{6}\mathrm{P}_{3},\;{}_{8}\mathrm{P}_{4},\;{}_{15}\mathrm{P}_{5}\) です。
これが序章で書いた \({}_{n}\mathrm{P}_{r}=\dfrac{n!}{(n-r)!}\) の正体です。わり算は「余分な部分を消す」ためにあるのです。
答 (1) 120 (2) 5040 (3) 362880 (4) 1 (5) 1 (6) 42 (7) 120 (8) 1680 (9) 360360
第48問 順列の記号の計算
第48問
次の値を求めよ。
(1) \({}_{6}\mathrm{P}_{2}\) (2) \({}_{10}\mathrm{P}_{3}\) (3) \({}_{7}\mathrm{P}_{4}\) (4) \({}_{5}\mathrm{P}_{5}\) (5) \({}_{50}\mathrm{P}_{2}\) (6) \({}_{20}\mathrm{P}_{3}\)
(7) \(\dfrac{{}_{7}\mathrm{P}_{3}}{{}_{8}\mathrm{P}_{3}}\) (8) \(\dfrac{{}_{10}\mathrm{P}_{2}}{{}_{10}\mathrm{P}_{3}}\) (9) \(\dfrac{{}_{5}\mathrm{P}_{3}}{{}_{8}\mathrm{P}_{4}}\)
ルールは1つだけ。左下の数から始めて1ずつ減らし、右下の数だけかける。
(1) 2個かける \(6\times 5=30\)
(2) 3個かける \(10\times 9\times 8=720\)
(3) 4個かける \(7\times 6\times 5\times 4=840\)
(4) 5個かける \(5\times 4\times 3\times 2\times 1=120\)(これは \(5!\) と同じ)
(5) 2個かける \(50\times 49=2450\)
(6) 3個かける \(20\times 19\times 18=6840\)
(7)〜(9)は、計算する前に約分できないか探すのがコツです。
(7) \[\frac{{}_{7}\mathrm{P}_{3}}{{}_{8}\mathrm{P}_{3}}=\frac{7\times 6\times 5}{8\times 7\times 6}\]
上下に \(7\times 6\) があるので消えて
\[=\frac{5}{8}\]
(8) \[\frac{{}_{10}\mathrm{P}_{2}}{{}_{10}\mathrm{P}_{3}}=\frac{10\times 9}{10\times 9\times 8}=\frac{1}{8}\]
(9) \[\frac{{}_{5}\mathrm{P}_{3}}{{}_{8}\mathrm{P}_{4}}=\frac{5\times 4\times 3}{8\times 7\times 6\times 5}=\frac{60}{1680}=\frac{1}{28}\]
答 (1) 30 (2) 720 (3) 840 (4) 120 (5) 2450 (6) 6840 (7) 5/8 (8) 1/8 (9) 1/28
第49問 順列の記号を含む方程式
第49問
次の問いに答えよ。
(1) \(n\) を2以上の自然数とするとき、\({}_{n}\mathrm{P}_{2}=56\) を満たす \(n\) の値を求めよ。
(2) \(n\) を3以上の自然数とするとき、\({}_{n}\mathrm{P}_{3}=20n\) を満たす \(n\) の値を求めよ。
(1) \({}_{n}\mathrm{P}_{2}\) は「\(n\) から2個かける」なので \(n(n-1)\) です。
\[n(n-1)=56\]
連続する2つの整数をかけて56になるものを探します。\(7\times 8=56\) なので \(n-1=7,\;n=8\)。
\(n\ge 2\) を満たすので \(n=8\)。
ポイント 展開して \(n^{2}-n-56=0\) を解いてもかまいません(\((n-8)(n+7)=0\) より \(n=8,\;-7\)。自然数なので \(n=8\))。ただしかけ算の形のまま探す方が速いことが多いです。
(2) \({}_{n}\mathrm{P}_{3}=n(n-1)(n-2)\) なので
\[n(n-1)(n-2)=20n\]
ここが最大のポイント 両辺に \(n\) があります。\(n\ge 3\) なので\(n\) は0ではありません。だから両辺を \(n\) でわってよいのです。
(もし \(n=0\) の可能性があるなら、わってはいけません。ここでは条件から0でないと保証されています。)
\[(n-1)(n-2)=20\]
これも「連続する2整数の積が20」なので \(4\times 5=20\) より \(n-2=4,\;n=6\)。
念のため展開して確かめます。
\[n^{2}-3n+2=20\]
\[n^{2}-3n-18=0\]
\[(n-6)(n+3)=0\]
\(n\ge 3\) より \(n=6\)。
検算 \({}_{6}\mathrm{P}_{3}=6\times 5\times 4=120\)、\(20n=20\times 6=120\)。一致しました。
答 (1) \(n=8\) (2) \(n=6\)
4 \({}_{n}\mathrm{P}_{r}\) をそのまま使う問題(第50問〜第56問)
第50問 3桁の整数(0がない場合)
第50問
1, 2, 3, 4, 5 の5個の数字を用いて3桁の整数は何個できるか。ただし、同じ数字をくり返し用いることはできないものとする。
3桁の整数をつくるとは、「百の位」「十の位」「一の位」の3つの席に数字を置くことです。
ここには0がないので、どの数字を先頭に置いても問題ありません。だから素直に順列です。
\[{}_{5}\mathrm{P}_{3}=5\times 4\times 3=60\]
答 60個
第51問 5桁の整数
第51問
1から7までの7個の数字を用いて5桁の整数は何個できるか。ただし、同じ数字をくり返し用いることはできないものとする。
席は5つ、材料は7個。0はふくまれていません。
\[{}_{7}\mathrm{P}_{5}=7\times 6\times 5\times 4\times 3\]
順にかけると \(7\times 6=42\)、\(42\times 5=210\)、\(210\times 4=840\)、\(840\times 3=2520\)。
答 2520個
第52問 2つの役職を選ぶ
第52問
40人のクラスで、図書委員、保健委員をそれぞれ1人ずつ選ぶ方法は何通りあるか。ただし、兼任はできないものとする。
ここが「選ぶ」と「並べる」の分かれ目
「図書委員」と「保健委員」はちがう役職です。Aさんが図書委員でBさんが保健委員、という場合と、その逆とは別のもの。だから順列です。
これがもし「委員を2人選ぶ」だったら、2人に区別がないので組合せになります。
\[{}_{40}\mathrm{P}_{2}=40\times 39=1560\]
答 1560通り
第53問 本を選んで並べる
第53問
12冊の異なる本の中から5冊を選んで本棚に並べる方法は何通りあるか。
「選んで並べる」と書いてあるので、そのまま順列です。本棚の左から5つの席に本を置くと考えます。
\[{}_{12}\mathrm{P}_{5}=12\times 11\times 10\times 9\times 8\]
\(12\times 11=132\)、\(132\times 10=1320\)、\(1320\times 9=11880\)、\(11880\times 8=95040\)。
答 95040通り
第54問 6文字の並べ方
第54問
a, b, c, d, e, f の6個の文字がある。このとき、次の問いに答えよ。
(1) 6個の文字をすべて使って1列に並べるとき、並べ方は何通りあるか。
(2) 6個の文字のうち4個を選んで1列に並べるとき、並べ方は何通りあるか。
(1) 「すべて使う」=席が6つ。これは階乗です。
\[{}_{6}\mathrm{P}_{6}=6!=6\times 5\times 4\times 3\times 2\times 1=720\]
(2) 席が4つ。
\[{}_{6}\mathrm{P}_{4}=6\times 5\times 4\times 3=360\]
ポイント (1)と(2)のちがいは席の数だけです。材料は同じ6個。かけ算を何個で止めるかが変わるだけです。
答 (1) 720通り (2) 360通り
第55問 男女それぞれで役職を決める
第55問
男子18人から2人を選んで学級委員、副学級委員とし、女子15人から2人を選んで議長、副議長とする。選び方は何通りあるか。
男子側も女子側も役職に上下があるので順列です。そして「男子を決め、そして女子を決める」ので、最後にかけます。
男子:\({}_{18}\mathrm{P}_{2}=18\times 17=306\)(通り)
女子:\({}_{15}\mathrm{P}_{2}=15\times 14=210\)(通り)
\[306\times 210=64260\]
答 64260通り
第56問 リレーの走順
第56問
小学生と中学生の合同のリレーチームを作ることになった。小学生12人から3人を選んで第1走者、第3走者、第5走者とし、中学生8人から2人を選んで第2走者、第4走者とする。選び方は何通りあるか。
「第1走者」「第3走者」「第5走者」は走る順番がちがうので、誰がどこを走るかで区別されます。だから順列です。
小学生:\({}_{12}\mathrm{P}_{3}=12\times 11\times 10=1320\)(通り)
中学生:\({}_{8}\mathrm{P}_{2}=8\times 7=56\)(通り)
\[1320\times 56=73920\]
答 73920通り
5 0をふくむ整数づくり(第57問・第58問)
この型のたった1つの急所
0が材料に入っていると、最高位(いちばん左)に0を置けません。「012」は3桁の整数ではなく、ただの12だからです。
だから制約のある位から先に決める。これが鉄則です。
第57問 0をふくむ数字で4桁の整数
第57問
0, 1, 2, 3, 4, 5 の6個の数字がある。この中から異なる数字を用いて整数をつくるとき、次のような整数は何個できるか。
(1) 4桁の整数 (2) 両端の数字が奇数である4桁の整数 (3) 4桁の偶数
(1) まず千の位から決めます。0以外なので 1, 2, 3, 4, 5 の5通り。
残りの3つの位には、使った1個を除いた5個から3個を並べます。
\[{}_{5}\mathrm{P}_{3}=5\times 4\times 3=60\]
\[5\times 60=300\]
ポイント 千の位を決めたあと、残りの候補は「6個 − 使った1個 = 5個」です。0はもう使えないわけではなく、十の位以下では使えます。
(2) 奇数は 1, 3, 5 の3個です。両端(千の位と一の位)に奇数を置きます。
ここで、千の位に奇数を置く時点で自動的に0ではないので、余計な心配は不要です。
両端の決め方:3個の奇数から2個を選んで並べるので \({}_{3}\mathrm{P}_{2}=3\times 2=6\)(通り)
中の2桁:残り4個から2個を並べて \({}_{4}\mathrm{P}_{2}=4\times 3=12\)(通り)
\[6\times 12=72\]
(3) 偶数なので一の位は 0, 2, 4 のどれかです。ここで場合分けが必要になります。
なぜ場合分けが必要か
一の位に0を使うと、0はもう使えないので、千の位の候補は「残り5個すべて」。
一の位に2や4を使うと、千の位は「0を除き、さらに一の位で使った数も除く」ので候補が1個少ない。
千の位の候補数が変わってしまうので、まとめて計算できないのです。
ⅰ)一の位が0のとき
残り3つの位に、残った5個から3個を並べます。
\[{}_{5}\mathrm{P}_{3}=60\]
ⅱ)一の位が2または4のとき(2通り)
千の位は「0」と「一の位に使った数」を除くので \(6-2=4\)(通り)。
残り2つの位は、残った4個から2個で \({}_{4}\mathrm{P}_{2}=12\)(通り)。
\[2\times 4\times 12=96\]
合計
\[60+96=156\]
よくあるミス 場合分けせずに「一の位3通り × 千の位4通り × 残り \({}_{4}\mathrm{P}_{2}\)」=144 としてしまうミス。これは一の位が0のときの千の位を4通りと数えてしまっているので、少なく出ます。
答 (1) 300個 (2) 72個 (3) 156個
第58問 0をふくむ数字で3桁の整数
第58問
0, 2, 3, 4, 7, 8, 9 の7個の数字がある。この中から異なる数字を用いて整数をつくるとき、次のような整数は何個できるか。
(1) 3桁で400以上の整数 (2) 3桁の奇数 (3) 両端の数字が偶数である3桁の整数
(1) 「400以上」=百の位が4以上ということです。使える数字のうち4以上は 4, 7, 8, 9 の4通り。
残り2つの位は、残った6個から2個を並べて \({}_{6}\mathrm{P}_{2}=6\times 5=30\)(通り)。
\[4\times 30=120\]
ポイント 百の位が4以上なら、その時点で必ず400以上になります。十の位・一の位は何でもかまいません。
(2) 奇数なので一の位が奇数。使える奇数は 3, 7, 9 の3通り。
次に百の位。「0」と「一の位で使った数」を除くので \(7-2=5\)(通り)。
最後に十の位。残った5個から1個で5通り。
\[3\times 5\times 5=75\]
なぜこの順に決めるのか 条件のついている位(一の位)を最初に、次に0の制約がある位(百の位)を2番目に、自由な位を最後に決めます。この順番を守ると、必ず場合分けなしで解けます。
(3) 偶数は 0, 2, 4, 8 の4個です。
百の位は偶数かつ0でないので 2, 4, 8 の3通り。
一の位は、残った偶数3個(0をふくむ)から1個で3通り。
十の位は、残った5個から1個で5通り。
\[3\times 3\times 5=45\]
答 (1) 120個 (2) 75個 (3) 45個
6 となり合う順列(第59問〜第61問)
「となり合う」の解き方=ひとかたまり作戦
① となり合わせたいものを1つのかたまり(1人分)とみなして全体を並べる
② そのあと、かたまりの中での並べ方をかける
②を忘れるのが最大のミスです。
第59問 女子2人がとなり合う
第59問
男子3人、女子2人が1列に並ぶとき、女子2人がとなり合うような並び方は全部で何通りあるか。
ステップ1 女子2人を「セロテープでくっつけた1人」だと思います。すると並べるものは
[女女] 男 男 男
の4個になります。この4個を1列に並べる方法は
\[4!=4\times 3\times 2\times 1=24\]
ステップ2 ところが、かたまりの中では女子AとBのどちらが左かで2通りあります。
[AB] と [BA]
だから \(2!=2\) 倍します。
\[24\times 2=48\]
よくあるミス ステップ2を忘れて24としてしまうミス。かたまりを作ったら、必ず中身の並べ方をかけると覚えてください。
答 48通り
第60問 4つの場所をぬり分ける
第60問
赤、青、黄、緑の4色で下の図のような4つの場所をぬり分ける。青と緑がとなり合うぬり方は何通りあるか。ただし、4色全部使ってぬり分けるものとする。
図の4つの場所は左から右に一列に並んでいます。だから「となり合う」のは隣どうしの区画だけです。
4色を4つの場所に1つずつ割りあてるので、全体の塗り方は
\[4!=24\]
このうち青と緑がとなり合うものを、ひとかたまり作戦で数えます。
[青緑]を1つとみると、並べるものは3個。
\[3!\times 2!=6\times 2=12\]
答 12通り
第61問 1, 2, 3 がとなり合う整数
第61問
1, 2, 3, 4, 5 を全部並べて5桁の整数をつくるとき、1, 2, 3 がとなり合う整数は何個できるか。
「1, 2, 3 がとなり合う」とは、この3つがひとかたまりになって連続しているという意味です(並ぶ順番は問いません)。
ステップ1 [123]を1つとみると、並べるものは
[123] 4 5
の3個。並べ方は \(3!=6\)(通り)。
ステップ2 かたまりの中で 1, 2, 3 を並べかえる方法は \(3!=6\)(通り)。
\[6\times 6=36\]
検算 \(5!=120\) 個すべてを列挙し、1, 2, 3 の位置が連続しているものが36個であることをコンピュータで確認しました。
答 36個
7 円順列(第62問〜第65問)
円順列とは ものを円形に並べる並べ方。
1列に並べるときとちがい、全員が同じだけ回転した並びは「同じ」とみなします。丸いテーブルを回しても座り方は変わらない、という感覚です。
異なる \(n\) 個の円順列の総数は \((n-1)!\) 通り。
なぜ \((n-1)!\) になるのか
4人 A, B, C, D が丸テーブルに座る場合で考えます。
1列に並べるなら \(4!=24\) 通り。ところが円形では、たとえば
A B C D / B C D A / C D A B / D A B C
この4つは、テーブルを90度ずつ回しただけで全部同じ座り方です。つまりどの座り方も4回ずつ数えてしまっている。だから
\[\frac{4!}{4}=\frac{24}{4}=6=3!\]
一般に \(n\) 人なら \(n\) 回ずつ数えるので \(\dfrac{n!}{n}=(n-1)!\) です。
もっと簡単な考え方(こちらがおすすめ)
「回転して同じ」なら、誰か1人の席を固定してしまえばよい。Aの席を決め打ちすれば、あとは残り \(n-1\) 人を並べるだけなので \((n-1)!\) 通り。
第62問 5人が丸テーブルに座る
第62問
5人が丸いテーブルについて食事をするとき、座り方は何通りあるか。
1人の席を固定して、残り4人を並べます。
\[(5-1)!=4!=24\]
答 24通り
第63問 8個の玉を円形に並べる
第63問
8個の異なった色の玉を円形の板の上に丸く並べるとき、並べ方は何通りあるか。
\[(8-1)!=7!=5040\]
ポイント 「円形の板の上」なので、板ごとひっくり返すことは考えません(次の第65問と比べてください)。
答 5040通り
第64問 10人の会議
第64問
10人が丸いテーブルについて会議をするとき、座り方は何通りあるか。
\[(10-1)!=9!=362880\]
答 362880通り
第65問 円順列と首飾り
第65問
6個の異なる色の玉がある。
(1) この玉をすべて円形の板の上に円形に並べる方法は何通りあるか。
(2) この玉をすべて使って首飾りを作る方法は何通りあるか。
(1) ふつうの円順列です。
\[(6-1)!=5!=120\]
(2) ここがこの問題の面白いところです。
首飾り(ネックレス)は、手に取ってひっくり返せます。
板の上に置いた玉は裏返せませんが、首飾りは裏返すと左右が逆の並びになります。そしてその2つは同じ首飾りです。
つまり、円順列で数えた120通りのうち、2通りずつが同じ首飾りを表しています。だから2でわります。
\[\frac{5!}{2}=\frac{120}{2}=60\]
ポイント この「裏返して同じ」を考える並べ方をじゅず順列ということもあります。「板の上」なら \((n-1)!\)、「首飾り・ブレスレット・じゅず」なら \(\dfrac{(n-1)!}{2}\) と覚えてください。
答 (1) 120通り (2) 60通り
8 重複順列(第66問〜第68問)
重複順列(ちょうふくじゅんれつ)とは 同じものを何度使ってもよいという条件で並べること。
異なる \(n\) 個から、くり返しを許して \(r\) 個を並べる並べ方は
\[n^{r}\]
底(下)が「選択肢の数」、指数(右上)が「場所の数」。これを逆にするミスが本当に多いので注意。
なぜ \(n^{r}\) なのか
くり返してよいということは、1つ使っても選択肢が減らないということです。だから
\[\underbrace{n\times n\times n\times\cdots\times n}_{r}=n^{r}\]
順列 \({}_{n}\mathrm{P}_{r}\) が \(n\times(n-1)\times(n-2)\times\cdots\) と減っていくのに対し、重複順列は減らない。ここだけの違いです。
第66問 同じ数字を使ってよい4桁の整数
第66問
6個の数字 1, 2, 3, 4, 5, 6 を用いて4桁の整数をつくる。同じ数字を何度使ってもよいものとすると、全部で何個できるか。
場所は「千・百・十・一」の4か所。それぞれに6通りの数字を入れられます(使っても減らない)。
\[6^{4}=6\times 6\times 6\times 6=1296\]
ポイント 0がふくまれていないので、最高位の制約を考える必要はありません。
答 1296個
第67問 旗による信号
第67問
青、赤、黄、緑の4色の旗がたくさんある。これらの旗の中から5つの旗を選び、1列に並べて信号をつくる。同じ色の旗を何度使ってもよいものとすると、何通りの信号ができるか。
並べる場所は5か所。それぞれに4色のどれを置いてもよい。
\[4^{5}=1024\]
よくあるミス \(5^{4}=625\) としてしまうミスです。「たくさんある旗」は選択肢(底)、「5つ並べる」が場所(指数)。旗はたくさんあるので減りません。
答 1024通り
第68問 カードを箱に入れる
第68問
7個の異なる箱に、異なるカード5枚を勝手に入れるとすると、何通りの入れ方があるか。
この問題は「どちらを場所とみるか」で答えが変わってしまう、重複順列の最重要問題です。
見分け方のルール
「必ず1つに決まる方」を場所(指数)にする。
ここではカード1枚1枚が、必ずどこか1つの箱に入ります。カードが2つの箱に同時に入ることはありません。
いっぽう箱の方は、空っぽでもよいし、何枚入ってもよいので「必ず1つに決まる」ものではありません。
したがって、カードが場所(5か所)、箱が選択肢(7通り)です。
カード1 …… 7個の箱のどれか → 7通り
カード2 …… 7通り
カード3 …… 7通り
カード4 …… 7通り
カード5 …… 7通り
\[7^{5}=16807\]
よくあるミス \(5^{7}=78125\) としてしまうミス。「箱ごとにカードを5通りから選ぶ」と考えたくなりますが、箱は空でもよく、同じカードを2つの箱に入れることもできないので、その数え方は成り立ちません。
答 16807通り
9 仕上げの問題(第69問〜第72問)
第69問 差の絶対値・代表の選び方
第69問
次の問いに答えよ。
(1) 大小2つのさいころを同時に投げるとき、出た目の数の差の絶対値が正の偶数になるような目の出方は何通りあるか。
(2) 3つのグループがあり、Aグループは5人、Bグループは4人、Cグループは8人である。それぞれのグループから1人ずつ代表者を出すことになった。代表者の選び方は何通りあるか。
(1) まず言葉の確認です。
差の絶対値= 2数の差を、マイナスを取り払って正の数にしたもの。\(|a-b|\) と書きます。
正の偶数= 0より大きい偶数。つまり 2, 4, 6, …。0は正ではないのでふくみません。
さいころの目の差の絶対値は0以上5以下なので、条件に合うのは2または4です。
差が2 \((1,3),(2,4),(3,5),(4,6)\) の4組。大小を入れかえたものも別に数えるので
\[4\times 2=8\]
差が4 \((1,5),(2,6)\) の2組。入れかえも数えて
\[2\times 2=4\]
\[8+4=12\]
よくあるミス 「偶数」に0をふくめて \((1,1),(2,2),\dots\) の6通りを足してしまうミス。「正の」と書いてあれば0は除きます。
(2) 各グループから独立に1人ずつなので
\[5\times 4\times 8=160\]
答 (1) 12通り (2) 160通り
第70問 順列の総合問題
第70問
次の問いに答えよ。
(1) 9冊の異なる本の中から4冊選んで並べる方法は何通りあるか。
(2) 2, 3, 4, 5, 6, 7 の6個の数字を用いて3桁の整数は何個できるか。ただし、同じ数字をくり返して用いることはない。
(3) 0, 1, 2, 5, 6, 7 の6個の数字がある。この中から異なる数字を用いて整数をつくるとき、4桁の奇数は何個できるか。
(4) 男子4人、女子5人が1列に並ぶとき、特定の男女がとなり合うような並び方は全部で何通りあるか。
(5) 丸テーブルの周りに9人が座るとき、何通りの座り方があるか。
(6) 0, 1, 3, 5, 7, 9 の6個の数字を用いて3桁の整数をつくる。同じ数字を何度使ってもよいものとすると、全部で何個できるか。
この章で学んだ型が全部そろっています。1問ずつ「どの型か」を判定してから解きます。
(1) 型1:ふつうの順列
\[{}_{9}\mathrm{P}_{4}=9\times 8\times 7\times 6=3024\]
(2) 型1(0がないので制約なし)
\[{}_{6}\mathrm{P}_{3}=6\times 5\times 4=120\]
(3) 型2:0をふくむ整数づくり。条件のある位から決めます。
一の位(奇数)… 1, 5, 7 の3通り
千の位(0でない、一の位で使った数も除く)… \(6-2=4\)(通り)
残り2つの位 … 残った4個から2個で \({}_{4}\mathrm{P}_{2}=12\)(通り)
\[3\times 4\times 12=144\]
(4) 型3:となり合う。特定の2人をかたまりに。全部で9人なので、かたまりを作ると8個。
\[8!\times 2!=40320\times 2=80640\]
(5) 型4:円順列
\[(9-1)!=8!=40320\]
(6) 型4:重複順列。ただし百の位に0は置けません。
百の位 … 0以外の5通り 十の位 … 6通り 一の位 … 6通り
\[5\times 6\times 6=180\]
ポイント (6)は「くり返してよい」ので、百の位で使った数字を十の位・一の位で再び使えます。だから6通りのままです。
答 (1) 3024通り (2) 120個 (3) 144個 (4) 80640通り (5) 40320通り (6) 180個
第71問 応用問題(となり合わない・辞書式・立体のぬり分け)
第71問
次の問いに答えよ。
(1) 男子5人、女子3人が1列に並ぶとき、女子どうしがとなり合わない並び方は何通りあるか。
(2) NUCLEAR の7文字を左から1列に並べるとき、左端、中央、右端のうち少なくとも1ヶ所が母音となる並べ方は何通りあるか。
(3) アルファベット6文字 \(a,\;b,\;s,\;u,\;w,\;y\) を1列に並べてでたらめな単語をつくる。この単語を辞書式にアルファベット順に配列するとき、\(subway\) の単語は何番目にあたるか。
(4) 下の図のような正四角錐の5つの面を赤、青、黄、白、緑の5色を使ってぬり分ける。使わない色はないものとするとき、何通りにぬり分けられるか。
(1) 「となり合わない」=あいだ入れ法
となり合わない問題の鉄則
① 制限のない方(ここでは男子)を先に並べる
② できたすき間(両端もふくむ)に、となり合わせたくないものを入れる
男子5人を1列に並べます。並べ方は \(5!=120\)(通り)。
このとき、すき間は次のように6か所できます(△がすき間)。
△ 男 △ 男 △ 男 △ 男 △ 男 △
この6か所から3か所を選んで女子を1人ずつ入れれば、女子どうしが必ず離れます。女子には区別があるので、選んで並べる=順列です。
\[{}_{6}\mathrm{P}_{3}=6\times 5\times 4=120\]
\[120\times 120=14400\]
なぜすき間が6か所か 男子5人のあいだが4か所、両端が2か所で合計6か所です。
(2) 「少なくとも」=余事象
まず NUCLEAR を分解します。N, U, C, L, E, A, R の7文字で、同じ文字はありません。
母音 …… U, E, A の3個
子音 …… N, C, L, R の4個
「7文字なので中央は4番目」です。指定された場所は1番目・4番目・7番目の3か所。
全体の並べ方は \(7!=5040\)(通り)。
「少なくとも1ヶ所が母音」の反対は「3か所とも子音」。こちらの方がずっと数えやすいので、全体から引きます。
3か所とも子音になるのは、子音4個から3個を選んでその3か所に並べ(\({}_{4}\mathrm{P}_{3}\))、残り4文字を残り4か所に並べる(\(4!\))ので
\[{}_{4}\mathrm{P}_{3}\times 4!=(4\times 3\times 2)\times 24=24\times 24=576\]
\[5040-576=4464\]
(3) 辞書式の順位
辞書式の順位の求め方 先頭の文字から順に、「その文字より前に来る文字」を選んだ場合が何個あるかを積み上げる。最後に自分自身の分を +1 する。
まず6文字をアルファベット順に並べます。
\[a,\;b,\;s,\;u,\;w,\;y\]
求めたい単語は \(subway\)、つまり \(s\to u\to b\to w\to a\to y\) です。
1文字目 \(s\) より前は \(a,\;b\) の2個。この2つで始まる単語は、残り5文字の並べ方の分だけあるので
\[2\times 5!=2\times 120=240\]
2文字目 1文字目が \(s\) と決まった。残りは \(a,\;b,\;u,\;w,\;y\)。2文字目は \(u\) ですが、\(u\) より前は \(a,\;b\) の2個。
\[2\times 4!=2\times 24=48\]
3文字目 \(su\) まで決まった。残りは \(a,\;b,\;w,\;y\)。3文字目は \(b\) で、\(b\) より前は \(a\) の1個。
\[1\times 3!=6\]
4文字目 \(sub\) まで決まった。残りは \(a,\;w,\;y\)。4文字目は \(w\) で、\(w\) より前は \(a\) の1個。
\[1\times 2!=2\]
5文字目 \(subw\) まで決まった。残りは \(a,\;y\)。5文字目は \(a\) で、\(a\) より前はなし。
\[0\]
6文字目 残りは \(y\) だけなので自動的に決まります。
合計して +1
\[240+48+6+2+0=296\]
\(subway\) より前に296個あるので、\(subway\) は297番目です。
検算 720個の単語をすべて辞書順に並べ、\(subway\) が297番目であることをコンピュータで確認しました。
(4) 立体のぬり分け
立体のぬり分けの鉄則
① 他とちがう形の面を先に決める(回転しても動かせない面)
② 残りの面は回転で移り合うので、円順列で数える
正四角錐の面は、正方形の底面が1つと、合同な二等辺三角形の側面が4つです。
底面だけは形がちがうので、どんなに回転しても側面と入れかわりません。だから底面から決めます。
ステップ1 底面の色 … 5通り。
ステップ2 残り4色を4つの側面にぬります。ここで、この立体は底面の中心を軸としてクルクル回せます。90度回すと側面が1つずつずれますが、それは同じぬり方です。
つまり4つの側面は円形に並んでいるのと同じ。円順列で
\[(4-1)!=3!=6\]
ステップ3 \[5\times 6=30\]
検算 5色の割りあて \(5!=120\) 通りを、側面の回転(4通り)で同じものにまとめて分類し、ちょうど30種類になることをコンピュータで確認しました。
答 (1) 14400通り (2) 4464通り (3) 297番目 (4) 30通り
第72問 部屋分けと組分け
第72問
次の問いに答えよ。
(1) 6人を2つの部屋 A, B に入れる方法は何通りあるか。ただし、1人も入らない部屋があってもよい。
(2) 6人を2つの組に分ける方法は何通りあるか。
この2問のちがいがわかれば、組分けの問題はほぼ卒業です。
(1) 1人ずつについて「Aに入るか、Bに入るか」の2通り。6人いるので
\[2^{6}=64\]
「1人も入らない部屋があってもよい」ので、全員がAに入る場合(1通り)も数に入っています。
(2) (1)とのちがいは2つあります。
ちがい① 空の組はダメ
「2つの組に分ける」のだから、片方が0人では「分けた」ことになりません。
ちがい② 組に名前がない
部屋には「A」「B」という名前がありましたが、ただの「組」には名前がありません。
ステップ1 空の組を除く
全員Aと全員Bの2通りを引いて
\[2^{6}-2=64-2=62\]
ステップ2 区別がないので2でわる
たとえば「{1,2} と {3,4,5,6}」という分け方は、上の62通りの中に
A に {1,2}、B に {3,4,5,6}
A に {3,4,5,6}、B に {1,2}
の2回現れています。組に名前がなければこの2つは同じ分け方なので、2でわります。
\[\frac{62}{2}=31\]
よくあるミス ①2でわり忘れて62 ②空の組を引き忘れて32。「区別があるか」「空を許すか」を必ず先にチェックしてください。
答 (1) 64通り (2) 31通り
第2章おつかれさまでした。Pは「減らしながら、席の数だけかける」。この一言に尽きます。次はいよいよC(組合せ)です。PとCの関係がわかると、場合の数は一気に見通しがよくなります。
次に進む → 第3章 組合せ(C)の特訓(第73問〜第99問)
前のページ → 第1章 数え方と確率の基本(第1問〜第35問)
数強塾では、こうした「解き方の型」を1問ずつ言葉にしながら、完全1対1で数学を教えています。→ 体験授業のご案内
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この回で手が止まったら、同じ単元の「基本」の回が無いかを索引で確かめてください。逆に楽に解けたなら、難問の回か、次の学年の回へ進めます。
- 解法パターン事典(全49単元618型) ── 解けなかった問題の「型」を引く
- 数学の要点辞典(全57単元) ── 公式と定石を単元別に確認する
- 計算の裏技・速算辞典(6部40技) ── 解き方は合うのに時間がかかるとき
数強塾オリジナル演習 追加5題|第2章の型を数値を変えて確認
本編の37問で扱った型のうち、とくに間違えやすい5つを数値を変えて出題します。第57問系(0をふくむ整数)、第59問系(となり合う)、第71問系(となり合わない)、第62問系(円順列)、第66問系(重複順列)です。すべて自作問題で、答えは全数探索や別解で検算してあります。
第57問系 0をふくむ数字で整数を作る
\(0,\;1,\;2,\;3,\;4\) の5個の数字から異なる4個を使って4桁の整数を作る。何通りできるか。
解答・解説を見る
0は先頭に置けません。ここが唯一にして最大の急所です。
【解法1 先頭から埋める】
千の位:\(0\) 以外の \(4\) 通り
百の位:残り4個から \(4\) 通り(\(0\) が使えるようになる)
十の位:\(3\) 通り
一の位:\(2\) 通り
\(4\times4\times3\times2=96\) 通り
【解法2 全体から引く】
先頭の制限を無視して並べると\({}_5\mathrm{P}_4=120\) 通り。
そのうち先頭が \(0\) のものは、残り4個から3個を並べて\({}_4\mathrm{P}_3=24\) 通り。
\(120-24=96\) 通り
【答】\(96\) 通り
(検算:全数探索でも \(96\) ✓)
【百の位が「4通り」になる理由】千の位で1個使ったので残りは4個。そこには\(0\) も含まれているので、\(4\) 通りです。
\(3\) 通りと書いてしまうミスが多い。「使った個数を引く」だけで、\(0\) を除く必要はもうありません。
【どちらの解法を選ぶか】制限が1か所なら解法1、制限が複雑なら解法2が速い。「偶数になる」「5の倍数になる」など条件が増えたら、余事象のほうが場合分けが減ります。
第59問系 となり合う並べ方
男子3人、女子2人の計5人を1列に並べる。女子2人がとなり合う並べ方は何通りか。
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となり合う2人を「1人」とみなすのが定石です。
【ステップ1 かたまりを作る】女子2人をひもで結んで1人と考えると、並べるのは
男子3人+かたまり1個=4個
\(4!=24\) 通り
【ステップ2 かたまりの中を並べる】女子2人には左右2通りの並び方があります。
\(2!=2\) 通り
【掛ける】
\(24\times2=48\) 通り
【答】\(48\) 通り
(検算:全数探索で \(48\) ✓。全体は \(5!=120\) 通りなので、割合は \(\dfrac{48}{120}=\dfrac25\))
【中の並べ方を忘れない】ステップ2を落として \(24\) と答えるのがこの型の定番ミスです。
「ひもで結んだあと、中身を並べ替えられる」ことを必ず思い出してください。3人をかたまりにするなら \(3!=6\) 倍です。
【なぜかたまりにしてよいのか】となり合う条件を満たす並べ方は、かたまりの並べ方とかたまり内の並べ方の組でちょうど1対1に対応するからです。
もれも重複もないので、積の法則で掛けられます。
第71問系 となり合わない並べ方
前問と同じ5人について、女子2人がとなり合わない並べ方は何通りか。2通りの方法で求めよ。
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【方法1 余事象】「となり合わない」の否定は「となり合う」——前問で \(48\) 通りでした。
\(5!-48=120-48=72\) 通り
【方法2 すきまに入れる】こちらがこの型の本命です。
まず男子3人だけを並べます。
\(3!=6\) 通り
すると、男子の間と両端にすきまが4か所できます。
\(\square\;男\;\square\;男\;\square\;男\;\square\)
この4か所から2か所を選んで女子を入れます。入れる順番も区別するので
\({}_4\mathrm{P}_2=4\times3=12\) 通り
\(6\times12=72\) 通り
【答】\(72\) 通り(両方の方法で一致 ✓)
【すきま法が本命な理由】条件が「3人ともとなり合わない」になったとき、余事象では場合分けが爆発します(2人だけ隣接、3人隣接…)。
すきま法なら手順が変わりません。男子を並べて、すきまから選ぶだけ。
【すきまの個数】\(n\) 人を並べるとすきまは \(n+1\) か所です。両端を数え忘れると答えがずれます。
図をかいて \(\square\) を実際に描くのが確実です。
第62問系 円順列
(1) \(6\) 人が丸いテーブルに座る座り方は何通りか。ただし回転して同じになるものは同じ座り方とみなす。
(2) そのうち、特定の2人がとなり合う座り方は何通りか。
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【(1) 円順列】1列に並べると \(6!=720\) 通りですが、円では回転して同じものが\(6\) 通りずつあります。
\(\dfrac{6!}6=5!=120\) 通り
別の考え方のほうが覚えやすいかもしれません。1人の位置を固定してしまうのです。
誰か1人を「ここ」と決めれば、残り \(5\) 人を並べるだけ。\(5!=120\) 通り。
【(2) となり合う】2人をかたまりにすると、かたまり1個+残り4人=5個を円に並べます。
\((5-1)!=4!=24\) 通り
かたまりの中が \(2!=2\) 通りなので
\(24\times2=48\) 通り
【答】(1) \(120\) 通り (2) \(48\) 通り
(検算:1人を固定した \(120\) 通りをすべて調べたところ、特定2人が隣り合うのは \(48\) 通り ✓)
【なぜ \((n-1)!\) なのか】円には「先頭」がありません。1列なら「左端が誰か」で区別できますが、円は回すと同じになる。
\(n\) 通りの回転がすべて同じ座り方なので、\(n\) で割ります。
【首飾りは、さらに割る】裏返して同じになるものも同一視するならさらに \(2\) で割ります(\(n\ge3\) のとき)。「円順列」と「首飾り」の違いは、裏返しを認めるかどうかです。
第66問系 重複順列
赤・白・青の3種類の旗があり、同じ旗を何度使ってもよい。旗を4回上げて信号を作るとき、(1) 信号は何通りできるか
(2) そのうち赤を少なくとも1回使うものは何通りか
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【(1) 重複順列】1回ごとに3通りの選択があり、それが4回。
\(3\times3\times3\times3=3^4=81\) 通り
【(2) 少なくとも1回】余事象を使います。否定は「一度も赤を使わない」。
赤を除くと白・青の2種類なので
\(2^4=16\) 通り
\(81-16=65\) 通り
【答】(1) \(81\) 通り (2) \(65\) 通り
【\({}_n\mathrm{P}_r\) との違い】順列は使ったものを戻さないので\(n,\;n-1,\;n-2,\dots\) と減ります。
重複順列は毎回すべてが使えるのでずっと \(n\) のまま。
| 式 | 3種類・4回なら | |
|---|---|---|
| 順列 | \(n(n-1)(n-2)\cdots\) | 不可能(4回使えない) |
| 重複順列 | \(n^r\) | \(3^4=81\) |
【どちらが指数に乗るか】\(3^4\) か \(4^3\) かで迷ったら、「何回選ぶか」が指数と覚えてください。
4回選ぶので \(3^4\)。\(4^3=64\) は誤りです。
迷ったら小さい数で試すのが確実。2種類・2回なら明らかに \(4\) 通りなので、\(2^2\) の形だと分かります。
順列の型は「何で割るか・何を掛けるか」で整理できる
第2章の型は多く見えますが、基本の \({}_n\mathrm{P}_r\) に何をするかで並べ直せます。
| 型 | 操作 | 式 |
|---|---|---|
| ふつうの順列 | そのまま | \({}_n\mathrm{P}_r\) |
| となり合う | かたまりにして、中を掛ける | \((n-1)!\times2!\) |
| 円順列 | 回転のぶん割る | \((n-1)!\) |
| 首飾り | 裏返しのぶんさらに割る | \(\dfrac{(n-1)!}2\) |
| 重複順列 | 戻すので減らない | \(n^r\) |
「割る」のは同じものを重複して数えたとき、「掛ける」のは中でさらに並べ替えられるとき。この2つだけです。
制限つきの並べ方は3手
| 条件 | 手 |
|---|---|
| 0が先頭に来ない | 先頭から埋めるか全体から引く |
| となり合う | かたまりにする |
| となり合わない | すきまに入れる |
3行目が重要です。「となり合わない」は余事象でも解けますが、3人以上になると場合分けが爆発します。
すきま法なら手順が変わりません。残りを先に並べて、すきまから選ぶだけ。\(n\) 人を並べればすきまは \(n+1\) か所です。
検算の型は3つ
- 別解でも解く ── 演習1・3で使いました
- 全体から引いて確かめる ── となり合う+となり合わない=全体
- 小さい数で書き出す ── \(3^4\) か \(4^3\) か迷ったら2種類・2回で試す(演習5)
2つ目がとくに簡単です。演習2と演習3で\(48+72=120=5!\) ✓。足して全体になるかを見るだけで、数え落としが見つかります。
\(0!=1\) と決める理由
序章で扱った \(0!=1\) は、規則を壊さないための約束です。
だから \(0!=1\)。\(a^0=1\) と同じ決め方で、意味から決めたのではありません。
「なぜそうなるのか」へ
第2章の内容は、次の記事で「なぜ」の側から説明しています。計算が合うようになったら、こちらも読んでみてください。
- なぜ組合せではr!で割るのか ── 序章。並べる/選ぶだけの違いと、割る理由。
- なぜ独立な試行では確率を掛けるのか ── 積の法則。段階に分けて掛けてよい理由です。
- なぜ排反なら確率を足してよいのか ── 和の法則。重ならない場合にだけ足せます。
- なぜ「少なくとも1つ」は余事象で考えると速いのか ── 第66問系。「少なくとも1回」の処理。
- なぜ0の発見は数学史上の大事件だったのか ── 序章。0!=1 や 0が先頭に来ない話の土台。
- なぜ確率は場合の数の割り算で求められるのか ── 数えた結果を確率にするとき。
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体系数学3 論理・確率編 第2章「場合の数と確率」 章末テスト(全20問・100点) ── 順列のあと、確率まで通しで。採点したあと、どこに戻ればよいかもページの最後に書いてあります。
要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学I・Aの要点辞典:場合の数 にまとめてあります。


