中学受験・算数

鎌倉学園中学校 2026年度 算数 過去問の傾向と解答・解説

数強塾のプロ講師陣

鎌倉学園中学校 2026年度(一次)算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

鎌倉学園中 2026年度(一次)算数の傾向(公式公開PDF・公式傾向ページにもとづくまとめ)

  • 形式:試験時間50分・100点満点。学校の公式傾向ページによると1題4点×25題で、問題順に解く必要はないとのことです。2026年度一次も、大問1が計算4問、大問2・3が穴埋め小問6問、大問4〜7が総合問題、大問8が立体図形(水位の変化)という公表どおりの構成でした。
  • 出題分野:今年の一次は、四則計算・逆算、食塩水、仕事算、時計算、おうぎ形と円の面積、増え方の規則性、流水算、料金改定を題材にした差集め算、半円の回転移動、直方体の水そうを傾ける問題という顔ぶれで、例年の柱がほぼそのまま並んだ印象です。
  • 合否を分けそうな一問:大問3(2)の円の面積です。折り返しの工夫に気づかないと算数の道具だけでは面積が出せない設計で、ここで粘りすぎないことも戦略になります。大問7(2)(3)の回転移動も、通過範囲を正しくとらえる力で差がつきやすいでしょう。
  • 時間配分の考え方:大問1〜3の10問(40点分)を15分前後で確実に取り、大問4〜8に残りを配分するのが現実的です。公式傾向ページでも、総合問題の(1)(2)は基本問題で(3)のヒントになる場合があると案内されています。(3)が難しくても(1)(2)だけ拾う姿勢が有効と考えられます。

問題の原本は鎌倉学園中学校の公式サイトで公開されています → 鎌倉学園中学校 入試問題ダウンロード(公式)

※以下の解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(学校公表の模範解答ではありません)。全問、受験算数の正攻法と別解(方程式・シミュレーション等)による二重検算を行っています。問題文・図は掲載していませんので、鎌倉学園公式サイト公開のPDFをお手元にご用意ください。

大問1(計算) 答:(1) 5と2/3 (2) 13/24 (3) 3/520 (4) 6

整数の四則混合、分数のかっこつき計算、分数のたし算の工夫、小数のかけ算の工夫、の4問です。

【📖大切な考え方】計算問題は「かっこの中→かけ算・わり算→たし算・ひき算」の順序が絶対です。特に(1)のような整数の式では、ひき算をがまんして×÷を先に処理できるかが試されます。1題4点なので、この4問だけで16点。落とせません。

解答
(1) まず、かっこの中は 59−25=34。次に かけ算・わり算のかたまりを先に:17×34÷51 は、51=17×3 に気づくと 17×34÷17÷3=34÷3=11と1/3。
よって 34−11と1/3−17=22と2/3−17=5と2/3
(2) 内側のかっこ:7/2−2と1/3=3と1/2−2と1/3=1と1/6=7/6。
4/15×7/6=14/45。次に 14/45−1/6=28/90−15/90=13/90。
最後に 13/90×3と3/4=13/90×15/4=13/24
(3) 分母が「連続する偶数2つの積」で並んでいるので、差に分解します。1/(20×22)=(1/20−1/22)×1/2 の形が使えて、
与式=(1/20−1/22+1/22−1/24+1/24−1/26)×1/2=(1/20−1/26)×1/2=(13/260−10/260)×1/2=3/260×1/2=3/520
(4) 1.44=12×0.12 と見ぬくのがポイント。12×0.11+12×0.12+12×0.14=12×0.37=4.44。残りは 13×0.12=1.56。
合計 4.44+1.56=6

【✅検算】4問とも電卓的に左から計算し直して一致を確認しました。(1)は小数でも 34−11.33…−17=5.66…=5と2/3 です。

大問2(小問集合) 答:(1) 2と8/11 (2) 50g (3) 8日 (4) 43と7/11分

(1) 逆算:4と1/6から「かたまり」を引くと7/6になる、という空らんつきの式です。

解答:(かたまり)=4と1/6−7/6=25/6−7/6=18/6=3。
(空らん−2/33)×9/8=3 だから、空らん−2/33=3×8/9=8/3。
空らん=8/3+2/33=88/33+2/33=90/33=30/11=2と8/11。代入すると式の値はちょうど7/6に戻ります。

(2) 食塩水(蒸発):5%の食塩水300gを蒸発させて6%にします。

【👀ここに注目】蒸発で減るのは水だけ。食塩の量は 300×0.05=15g のまま変わりません。
解答:6%で食塩15gなら全体は 15÷0.06=250g。よって蒸発させる水は 300−250=50g

(3) 仕事算:1人だと12日かかるA君と18日かかるB君が2人同時に取り組むと何日かかるか、答えは整数で、という問題です。

解答:全体の仕事を36とすると、A君は1日3、B君は1日2、2人で1日5進みます。36÷5=7.2 なので7日では 35 までしか終わらず、8日目の途中で終了。かかる日数は8日間です。「整数で答える」という指示が、7.2日を切り上げる合図になっています。

(4) 時計算:2時と3時の間で、長針と短針が反対向きに一直線(180度)になる時刻を求めます。

【📖大切な考え方】時計算は「長針は毎分6度、短針は毎分0.5度、差は毎分5.5度」の追いかけ算に言いかえるのが定石です。
解答:2時ちょうどのとき短針は長針より60度先にいます。反対向きに一直線になるのは、長針が短針より180度先に出たとき。つまり長針が短針より 60+180=240度 多く回った瞬間です。
240÷5.5=480/11=43と7/11。よって2時43と7/11分

【✅検算】(4)は角度を直接計算:43と7/11分の長針は 6×480/11=261.8…度、短針は 60+0.5×480/11=81.8…度。差はちょうど180度でした。

大問3(平面図形の小問) 答:(1) 22.5度 (2) 150.22cm²

(1) おうぎ形と長方形:面積の等しい長方形(12.56cm×4cm)とおうぎ形が重なっていて、おうぎ形の弧の長さが6.28cmのとき、中心角xを求めます。

【📖大切な考え方】おうぎ形の面積は「弧の長さ×半径÷2」。中心角がわからなくても、弧と半径さえあれば面積が出せる——この公式を逆向きに使って半径を求めるのが本問の急所です。

解答:長方形の面積=12.56×4=50.24cm²。おうぎ形も50.24cm²だから、
弧×半径÷2=50.24 より 半径=50.24×2÷6.28=16cm。
半径16cmの円周は 16×2×3.14=100.48cm。弧6.28cmはその 6.28÷100.48=1/16 にあたるので、
x=360×1/16=22.5度

(2) 円の斜線部分:直径16cmの円に、直径と、その直径を7cmと9cmに分ける点Pを通る45度の弦が引かれ、向かい合う2か所(上側の左、下側の右)に斜線がついています。その面積の和を求めます。

【👀ここに注目】斜線部分を1つずつ求めようとすると、算数では出せない中途半端な形が現れて手が止まります。「直径を折り目にして、下の斜線部分を上へ折り返す」と、円は円自身にぴったり重なるので、斜線部分の和は「上半分の半円」+「折り返しで重なった部分」に整理できます。

方針:折り返すと、点Pから出る2本の線(もとの弦の上側部分と、下側部分を折り返したもの)は、直径との角がどちらも45度。つまり2本の線は90度で開いています。この2本の先端(円周上の2点)を結ぶ弧の中心角も90度になります。理由:弦と直径のつくる45度の角は、円周角の定理から「両わきにできる2つの弧の中心角の和の半分」にあたるので、2つの弧の中心角の和は90度。残りの弧は 180−90=90度です。

解答:重なった部分は「中心角90度のおうぎ形」に、「P と弧の両はしを結ぶ三角形」と「中心Oと弧の両はしを結ぶ三角形」の差をつけた形です。
・おうぎ形(半径8cm・90度)=8×8×3.14×90/360=50.24cm²
・三角形O(頂角90度、等しい辺8cm)=8×8÷2=32cm²
・三角形P:2辺はPで直角にはさまれ、その長さの積は「交わる2本の弦の性質」(相似)から、直径の分かれ目と同じ 7×9=63。よって面積=63÷2=31.5cm²
重なった部分=50.24−32+31.5=49.74cm²。
半円=8×8×3.14÷2=100.48cm²。
答=100.48+49.74=150.22cm²

【✅検算】座標を使った数値計算(コンピュータ)では、斜線2か所の面積の和は 48×円周率−0.5 となり、円周率3.14で 150.22cm²。乱数による面積測定(400万点)でも150.2…cm²で一致しました。

【💡ポイントコラム】「1か所ずつでは求められないのに、和なら求められる」形は、折り返し・回転でペアを作れという出題者からの合図と受け取ってよいでしょう。折り返した2本の弦がつくる角が 45+45=90度 になる瞬間に、この問題は解けたも同然です。

大問4(規則性・増え方) 答:(1) 5個 (2) 8個 (3) 233個

1時間に1個ずつ自分の複製を作るロボットの問題です。ただし作られたばかりのロボットは、完成の1時間後から製造に参加します。最初に新品1個からスタートし、1時間後1個、2時間後2個と増えていきます。

【📖大切な考え方】「いまの個数」=「1時間前の個数」+「新しく生まれた個数」。そして新しく生まれる個数は「2時間前からいたロボットの数」に等しい——つまり直前の2つの数をたすと次の数になる数列(フィボナッチ数列と呼ばれます)です。

解答:0時間後から順に個数を書き出すと、
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233。
(1) 4時間後=1+1=2、2+1=3、3+2=5個
(2) 5時間後=5+3=8個
(3) 上の列を12時間後まで根気よくたし算して233個

【✅検算】ロボット1個ずつに「年齢」を持たせたシミュレーション(コンピュータ)でも、4・5・12時間後はそれぞれ5個・8個・233個でした。設定どおり1時間後が1個、2時間後が2個になることも確認済みです。

大問5(流水算) 答:(1) 45km (2) 3.4km (3) Pから3と1/3km

時速2kmで流れる川の上流に都市P、下流に都市Qがあります。船Aは静水時速22km(往復に4時間7分30秒)、船Bは静水時速14kmです。

【📖大切な考え方】流水算は「下り=静水+流れ」「上り=静水−流れ」で速さを固定してから、道のり・時間の関係に持ちこむのが定石です。4時間7分30秒=4と1/8時間のような時間の分数化も、正確さの生命線です。

解答
(1) 船Aの下りは時速24km、上りは時速20km。道のりを1kmあたりで考えると、往復1kmずつに 1/24+1/20=11/120時間 かかります。全体で4と1/8=33/8時間なので、
道のり=33/8÷11/120=33/8×120/11=45km
(2) 船Bの下りは時速16km。止まっている間も川に時速2kmで流されて「進んで」はいます。もし全部エンジンで進めば 45÷16=2時間48分45秒 のところ、実際は4時間18分。エンジンが止まっていた時間を□時間とすると、その間の進みが時速16→2kmに落ちるので、
45=16×(4.3−□)+2×□ → 45=68.8−14×□ → □=23.8÷14=1.7時間。
流された距離=2×1.7=3.4km
(3) 船AはPから下り(時速24km)、船BはQから上り(時速12km)で同時出発。
1回目の出会い:向かい合って進むので 45÷(24+12)=1.25時間後、Pから 24×1.25=30km 地点。
その後:Aは1時間52分30秒でQに着き、時速20kmで折り返します。BがPに着くのは 45÷12=3.75時間後=3時間45分後。この瞬間、Aは折り返してから1.875時間上っていて、Pから 45−20×1.875=7.5km の地点まで来ています。
ここからAは上り続け(Pへ向かう)、Bは下り始める(Qへ向かう)ので、2せきは7.5kmはなれて向かい合う形。出会うまで 7.5÷(20+16)=5/24時間。
2回目の出会いの地点=Pから 16×5/24=10/3=3と1/3km(3時間57分30秒後)。

【✅検算】両船の位置を0.00001時間きざみで追うシミュレーション(コンピュータ)でも、出会いは「1.25時間後・30km地点」「3.958…時間後・3.33…km地点」の順で、2回目はPから3と1/3km。追いこしによる接触がその前に起きないことも確認しました。

大問6(差集め算・場合の数の工夫) 答:(1) 105枚 (2) 1188円 (3) 375枚

郵便料金の値上げ(84円→110円、94円→110円、63円→85円)が題材。太郎さんは84円切手と94円切手を合計186枚持っていて、その全部を新料金にするための差額の合計は4026円。94円切手と63円切手の枚数の比は3:2です。

【👀ここに注目】1枚あたりの差額は、84円切手が26円、94円切手が16円、63円切手が22円。この「差額表」を最初に作ってしまえば、あとはつるかめ算です。

解答
(1) 186枚が全部94円切手なら差額は 16×186=2976円。実際は4026円で、1050円多い。94円切手1枚を84円切手に取りかえるごとに差額は 26−16=10円 増えるので、
84円切手=1050÷10=105枚
(2) 94円切手=186−105=81枚。比3:2より63円切手=81÷3×2=54枚。
差額=22×54=1188円
(3) 切手1枚ごとに、差額を3円切手と2円切手で作ります。
・26円:2円を0枚にすると26円が3で割り切れず不可。2円1枚なら残り24円=3円8枚でOK → 2円は最少1枚
・16円:2円0枚(16円)も1枚(14円)も3で割り切れず、2枚なら残り12円=3円4枚でOK → 最少2枚
・22円:同様に0枚・1枚は不可、2枚なら残り18円=3円6枚でOK → 最少2枚
よって2円切手の合計の最少は 105×1+81×2+54×2=105+162+108=375枚

【✅検算】(1)(2)は連立方程式(26x+16y=4026、x+y=186)でも x=105、y=81。(3)は各差額について2円切手0枚から順にコンピュータで全探索し、最少枚数が1・2・2であることを確認しました。3で割った余り(26→余り2、16と22→余り1)で場合分けする考え方とも一致します。

【💡ポイントコラム】(3)は「合計の差額5214円を3円と2円で払う」と読むと、3円切手だけで払えてしまい答えを見失います。問題文の設定は切手1枚ごとの貼り足しです。鎌倉学園の総合問題は、こうした設定の読み取り自体が得点力になる作りが目立ちます。

大問7(図形の移動・回転) 答:(1) 42.39cm² (2) 42.39cm² (3) 56.52cm²

半径3cm(直径6cm)の半円を回転させ、通過した部分の面積を求めます。回転の中心は、(1)直径の左はしの点A、(2)Aから左へ6cmはなれた直線上の点B、(3)直径の真ん中の点から3cm真下の点Cです。

【📖大切な考え方】回転移動の通過範囲は「回転の中心から図形までの、いちばん近い距離といちばん遠い距離」で決まります。図形が『近い点』から『遠い点』まで切れ目なくつながっていれば、通過部分は「ドーナツ状の帯を回転角のぶんだけ切り取った形」+「最初(または最後)の図形」で数えられます。

解答
(1) 中心Aは図形自身の点なので最短距離0、最も遠いのは直径の反対側のはしで6cm。直径を90度回転させると半径6cmの四分円を作り、半円のふくらみは回転の進行方向を向いているため、最初の半円はこの四分円の中に完全に含まれます。はみ出すのは最後の位置の半円のふくらみだけ。
通過部分=四分円(半径6cm)+半円=6×6×3.14÷4+3×3×3.14÷2=28.26+14.13=42.39cm²
(2) Bから最も近い図形の点はA(6cm)、最も遠いのは直径の右はし(12cm)。半円は半径6cmと12cmの円にはさまれた帯の中を、すき間なく30度ぶんスライドします。
通過部分=最初の半円+帯の30度ぶん=14.13+(12×12−6×6)×3.14×30/360=14.13+108×3.14÷12=14.13+28.26=42.39cm²
(3) Cは直径の真ん中の点の3cm真下にあるので、Cから最も近い図形の点は直径の真ん中(3cm)、最も遠いのは弧のてっぺん(Cから真上に 3+3=6cm)。直径の両はしまでの距離は「たて3cm・よこ3cm」の直角二等辺三角形の斜辺なので、3cmと6cmの間に収まります。半円は半径3cmと6cmの帯の中を180度スライドするので、
通過部分=最初の半円+帯の半分=14.13+(6×6−3×3)×3.14÷2=14.13+27×3.14÷2=14.13+42.39=56.52cm²

【✅検算】3問とも、回転を600分割して通過範囲を塗りつぶす数値計算(コンピュータ)で面積を測定し、42.39・42.39・56.52cm²(円周率3.14換算)と一致しました。(1)と(2)が同じ答えになるのは偶然ではなく、どちらも「半円1つ+3.14×9」の構成だからです。

【💡ポイントコラム】回転の通過範囲では「中心から図形への最短距離」が内側の円の半径になります。(2)(3)のように中心が図形の外にあるとき、内側にぽっかり空く穴を塗ってしまう誤りが頻出です。まず最短・最長の2点を図に書きこむ習慣をつけましょう。

大問8(立体図形・水位の変化) 答:(1) 7cm (2) 2と2/3cm (3) 360cm³

たて6cm・よこ12cm・高さ8cmの直方体の容器に水が入っていて、底面の一辺(奥行き方向の辺)を机につけたまま容器を傾けます。断面(よこ12cm×高さ8cmの面)で考える問題です。

【📖大切な考え方】傾けた容器の水は、断面図の面積×奥行きで数えるのが定石です。「こぼれる直前=水面が容器のふちを通る」「水面はいつでも水平」の2点を断面図に正確に写せるかが勝負です。

解答
(1) 図2は「ぎりぎりこぼれない」ので水面は上のふち(断面の左上の頂点)を通り、右側の側面には下から3/4、つまり 8×3/4=6cm まで水がふれています。断面の水の形は、平行な2辺が8cmと6cmで、その間隔が12cmの台形です。
水の体積=(8+6)×12÷2×6=84×6=504cm³。
水平に戻すと深さ=504÷(12×6)=7cm。図1の時点でこの高さまで入っていたことになります。
(2) 図3は45度傾けた状態。水面は左上の頂点を通る水平線で、45度の直角二等辺三角形の性質から、底辺方向にも頂点から8cmの位置までが水につかります。断面の水の形は、直角をはさむ2辺が8cmと8cmの直角二等辺三角形。
水の体積=8×8÷2×6=192cm³。水平に戻すと深さ=192÷72=8/3=2と2/3cm
(3) 図4では水面の面積が60cm²。水面は奥行き6cmの長方形なので、断面での水面の長さは 60÷6=10cm。断面の水の形は、机についた頂点のところが直角の三角形で、直角をはさむ辺の一方(容器の高さの辺)が8cm、斜辺(水面)が10cm。3:4:5の直角三角形なので、もう一方の辺は6cmです。
水の体積=8×6÷2×6=24×6=144cm³。
こぼれた量=504−144=360cm³

【✅検算】(3)の断面で、机から水面までの高さを計算すると 8×6÷10=4.8cm となり、図4に示された4.8cmとぴったり一致します(この一致が答えの強力な裏づけになります)。また各状態の体積を座標計算でも求め、504・192・144cm³を再確認しました。

2026年度(一次)から学ぶ教訓

今年のセットは、公式傾向ページの予告どおりの構成を、ていねいなひねりで仕上げた良問ぞろいでした。大問3(2)の「和なら求められる」円、大問6(3)の「1枚ごとに払う」設定、大問7の「内側の穴」——いずれも、定石を覚えているかではなく、設定を正しく読み取って定石を選べるかを試しています。1題4点×25題という配点を踏まえると、難問に固執せず、(1)(2)を全大問で拾いきる練習が鎌倉学園対策の近道になるでしょう。過去問演習では「どの定石を、どの読み取りで選んだか」を1行で言語化する習慣をおすすめします。

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は 鎌倉学園中学校 に帰属します。出典:鎌倉学園中学校 2026年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。

数強塾オリジナル 類題4問——「(1)(2) を取り切って、(3) につなげる」練習

この記事で私は、学校の公式傾向ページを引いて2つのことを書きました。ひとつは「1題4点×25題で、問題順に解く必要はない」。もうひとつは「総合問題の (1)(2) は基本問題で (3) のヒントになる場合がある」と案内されており、「(3) が難しくても (1)(2) だけ拾う姿勢が有効」だということです。

この2つは、あわせて読むと強い意味を持ちます。どの問題も同じ 4点なのだから、難しい (3) を1問取るのも、易しい (1) を1問取るのも、点は同じ。ところが読み返すと、その「(1)(2) を拾う」練習素材を置いていません。ここを埋めます。

下に4問置きます。すべて数強塾の完全オリジナル類題で、答えはこちらで検算しました。4問とも (1)(2)(3) の3段構成で、(1)(2) は基本、(3) はそれを組み合わせるだけという作りにしてあります。

まず (1)(2) だけを、4問ぶん通しで解いてみてください。8問で、\(4\) 点換算なら \(32\) 点ぶんです。そのあとで (3) に戻ります。「大問を1つずつ最後まで」ではなく「全部の (1)(2) を先に」——これが、同じ配点の試験での順番の考え方です。実際の入試問題ではありませんので、本番の問題は公式サイトのPDFでご確認ください。

類題1 流水算

静水での速さが分速 \(200\ \mathrm{m}\) の船が、川にそって \(12\ \mathrm{km}\) 離れた2地点を往復する。上りには \(80\) 分かかった。

(1) 上りの速さは分速何 \(\mathrm{m}\) か。

(2) この川の流れの速さは分速何 \(\mathrm{m}\) か。

(3) 下りには何分かかるか。

(1) の役割 わり算1回。\(12\ \mathrm{km}\) を \(\mathrm{m}\) に直して \(80\) で割るだけです。

(2) の役割 ひき算1回。静水の速さから、(1) で出した上りの速さを引きます。

(3) は何を足すだけか (2) の流れを、静水の速さに足すだけ。あとはわり算1回。

解答

(1) \(12\ \mathrm{km} = 12000\ \mathrm{m}\) を \(80\) 分で上ったので

\[ 12000 \div 80 = 150\ (\text{分速}\ 150\ \mathrm{m}) \]

(2) 上り \(=\) 静水 \(-\) 流れ なので

\[ 200-150 = 50\ (\text{分速}\ 50\ \mathrm{m}) \]

(3) 下り \(=\) 静水 \(+\) 流れ \(= 200+50 = 250\)。

\[ 12000 \div 250 = 48\ (\text{分}) \]

(1) と (2) だけで、\(8\) 点です。そして (3) は、(2) の答えに \(+\) をつけて、もう一度わり算するだけ。「(3) は難しい」という思いこみで飛ばすと、いちばんもったいない形になっています。まず (1)(2) を確実に、そして(3) を見て「足すだけかどうか」を確かめる——それが公式の案内の意味です。

検算

上りと下りの速さを、和と差で確かめます。

\[ (150+250) \div 2 = 200\ (\text{静水})\ ○,\qquad (250-150) \div 2 = 50\ (\text{流れ})\ ○ \]

時間の見当でも。下りは上りより速いので、\(80\) 分より短いはず。\(48\) 分は妥当です ○

類題2 規則性(増え方)

おはじきを、1段目に \(1\) 個、2段目に \(3\) 個、3段目に \(5\) 個……と、奇数個ずつ並べて三角形の形を作っていく。

(1) \(5\) 段目には何個並ぶか。

(2) \(5\) 段目までの合計は何個か。

(3) 合計がちょうど \(400\) 個になるのは、何段目までか。

(1) の役割 数えるだけ。\(1,\ 3,\ 5,\ 7,\ 9\) と書けば終わりです。

(2) の役割 足すだけ。\(1+3+5+7+9\)。ここで答えが \(25\) になることに気づけるかどうかが、(3) への橋です。

(3) は何を足すだけか (2) の \(25 = 5 \times 5\) という形に気づいていれば、\(400 = 20 \times 20\) と即答できます。

解答

(1) \(n\) 段目は \(2 \times n-1\) 個なので、\(5\) 段目は \(2 \times 5-1 = 9\) 個。

(2) \(1+3+5+7+9 = 25\)(個)

(3) ここで (2) の答えを見ます。\(25 = 5 \times 5\) で、\(5\) 段目までの合計が \(5\) の \(2\) 乗になっています。

実際、\(1\) 段目まで \(=1 = 1 \times 1\)、\(2\) 段目まで \(=4 = 2 \times 2\)、\(3\) 段目まで \(=9 = 3 \times 3\)。\(n\) 段目までの合計は \(n \times n\) です。

\[ n \times n = 400 \quad\Rightarrow\quad n = 20\ (\text{段目まで}) \]

これが「(2) が (3) のヒントになる」のいちばん分かりやすい形です。(2) は「足すだけ」の基本問題ですが、その答え \(25\) を\(5 \times 5\) と見るかどうかで (3) の難しさがまるで変わります。(2) の答えを出したら、その数の形を一度だけ眺める——1秒の習慣で、(3) が基本問題に変わります。

検算

\(20\) 段目までを、別の道でも確かめます。奇数を \(20\) 個足すので、\((1+39) \times 20 \div 2 = 400\) ○

(\(20\) 段目は \(2 \times 20-1 = 39\) 個です)

図でも確かめられます。奇数個ずつ増やして並べた形は、正方形に組み直せます——だから合計が \(n \times n\) になります ○

類題3 円の移動

半径 \(3\ \mathrm{cm}\) の円が、1辺 \(12\ \mathrm{cm}\) の正方形の外側を、辺にそってすべらずに1周する。円周率は \(3.14\) とする。

(1) 円の中心が動いた道のりは何 \(\mathrm{cm}\) か。

(2) 正方形の4つの角のところで、中心は合わせてどれだけ回ったか。半径 \(3\ \mathrm{cm}\) の円の何周ぶんかで答えよ。

(3) 円が通った部分の面積は何 \(\mathrm{cm^2}\) か。

(1) の役割 辺にそった直線 \(4\) 本と、角の曲線を足すだけ。

(2) の役割 角は \(4\) か所で、それぞれ \(\dfrac14\) 周。合わせてちょうど \(1\) 周——これが (3) の鍵です。

(3) は何を足すだけか 通った部分を幅 \(6\ \mathrm{cm}\) の帯と見る。(2) で「角は合わせて円1つぶん」と分かっているので、面積も足せます。

解答

(1) 中心は、正方形の各辺から \(3\ \mathrm{cm}\) 外側を通ります。辺にそって進む部分は、辺と同じ \(12\ \mathrm{cm}\) が \(4\) 本。

角では、中心は半径 \(3\) の円の弧をえがきます。

\[ 12 \times 4+2 \times 3.14 \times 3 = 48+18.84 = 66.84\ (\mathrm{cm}) \]

(2) 角は \(4\) か所で、それぞれ \(90^\circ\) ぶん、つまり \(\dfrac14\) 周。合わせて

\[ \frac14 \times 4 = 1\ (\text{周}) \]

(3) 円が通った部分は、正方形の外側につけた幅 \(6\ \mathrm{cm}\)(直径ぶん)の帯です。

辺にそった部分:\(12 \times 6 = 72\) が \(4\) つで \(288\)

角の部分:(2) より、合わせて半径 \(6\) の円 \(1\) つぶん

\[ 3.14 \times 6 \times 6 = 113.04 \]
\[ 288+113.04 = 401.04\ (\mathrm{cm^2}) \]

(2) は、それだけ見ると「何のための設問?」と思うかもしれません。ですが (3) で効きます——角の4か所が合わせて円1つぶんだと分かっているから、面積も四分円を4つ足すのではなく円1つとして一気に出せる。公式の傾向ページが「(1)(2) は (3) のヒントになる」と案内しているのは、こういう作りのことです。

検算

別の道で出します。正方形を \(6\ \mathrm{cm}\) だけ外に広げた図形の面積から、もとの正方形を引きます。

広げた図形は、\(12 \times 12\) の正方形+辺にそった \(12 \times 6\) の長方形 \(4\) つ+角の円 \(1\) つ。

\[ 144+288+113.04 = 545.04,\qquad 545.04-144 = 401.04 \quad ○ \]

(1) の見当も。正方形の周は \(48\ \mathrm{cm}\)。中心は外側を通るので、それより長いはず。\(66.84\) は妥当です ○

類題4 水位の変化

底面が \(20\ \mathrm{cm} \times 30\ \mathrm{cm}\)、高さ \(40\ \mathrm{cm}\) の直方体の水そうに、水が \(18\ \mathrm{cm}\) の高さまで入っている。

(1) 水の体積は何 \(\mathrm{cm^3}\) か。

(2) 底面が \(10\ \mathrm{cm} \times 10\ \mathrm{cm}\)、高さ \(40\ \mathrm{cm}\) の直方体のおもりを、底につくまでまっすぐ沈めた。水面の高さは何 \(\mathrm{cm}\) になるか。

(3) おもりを入れたまま、毎分 \(1150\ \mathrm{cm^3}\) の割合で水を入れる。水そうがいっぱいになるのは何分後か。

(1) の役割 かけ算だけ。\(20 \times 30 \times 18\)。

(2) の役割 水が入れる部分の断面積を出して割る。おもりのぶんだけ狭くなります。

(3) は何を足すだけか (1) の水の体積を使って、満水までの残りを出すだけ。

解答

(1) \(20 \times 30 \times 18 = 10800\ (\mathrm{cm^3})\)

(2) おもりを入れると、水が入れる部分の断面積は

\[ 20 \times 30-10 \times 10 = 600-100 = 500\ (\mathrm{cm^2}) \]
\[ 10800 \div 500 = 21.6\ (\mathrm{cm}) \]

おもりの高さ \(40\ \mathrm{cm}\) は水面 \(21.6\ \mathrm{cm}\) より高いので、おもりは水面から出ています。この計算でよいことが確かめられました。

(3) 満水のとき、水が入っている部分の体積は

\[ 500 \times 40 = 20000\ (\mathrm{cm^3}) \]

いま \(10800\ \mathrm{cm^3}\) 入っているので、残りは \(20000-10800 = 9200\ (\mathrm{cm^3})\)。

\[ 9200 \div 1150 = 8\ (\text{分後}) \]

(3) で使ったのは、(1) の \(10800\) と、(2) で出した断面積 \(500\) の2つだけです。新しく考えることは何もありません。「(3) は難しそう」と飛ばすと、実際には (1)(2) の足し算・引き算だけだった——これがいちばん惜しい落とし方です。(3) を見たら、まず「(1)(2) の答えをどう使うか」を考える。

検算

(2) を別の道で。水面が \(21.6\ \mathrm{cm}\) なら、その高さまでの空間には「水」と「おもりの水中部分」が入っています。

\[ 10800+100 \times 21.6 = 10800+2160 = 12960,\qquad 600 \times 21.6 = 12960 \quad ○ \]

(3) は水位でも。\(21.6\ \mathrm{cm}\) から \(40\ \mathrm{cm}\) まで \(18.4\ \mathrm{cm}\) 上げます。毎分 \(1150 \div 500 = 2.3\ \mathrm{cm}\) 上がるので

\[ 18.4 \div 2.3 = 8\ (\text{分}) \quad ○ \]

体積で考えても、水位で考えても \(8\) 分。

4問の「(1)(2)」と「(3)」

(1)+(2) でできること (3) で足す一手 (3) を落としても
類題1 流水算 上りの速さと流れの速さ 流れを足す \(8\) 点
類題2 規則性 5段目の個数と合計 合計が \(n \times n\) と見る \(8\) 点
類題3 円の移動 中心の道のり 幅 \(6\) の帯として面積にする \(8\) 点
類題4 水位 水の体積と新しい水面 満水までの残りを出す \(8\) 点

いちばん右の列を見てください。(3) を全部落としても、\(8\) 点 × 4問 = \(32\) 点分が確保できます。そして3列目——(3) で足すのは、どれも「一手」だけです。

同じ配点の試験での順番

  1. まず全部の問題を見て、(1)(2) だけを拾って回る。大問を1つずつ最後まで解かない。
  2. 一巡したら、(3) に戻る。このとき「(1)(2) の答えをどう使うか」だけを考えます。新しい発想が要るとは限りません。
  3. それでも動かない (3) は、そこで置く。他の問題の (1) を1つ取るほうが、同じ \(4\) 点です。

本文で「ここで粘りすぎないことも戦略」と書きました。粘るかどうかを決める基準は、「(1)(2) の答えを使う道が見えるか」です。見えるなら粘る価値があります。見えないなら、それは (1)(2) とは別の発想を要求している問題——他の問題の (1) を取りに行くほうが確実です。

この4問で確認したこと

  • (3) の多くは(1)(2) の答えに一手足すだけ。飛ばす前に、使い道を探す。
  • 流水算は和で静水、差で流れ。(2) が出れば (3) は足すだけ(類題1)。
  • 奇数の和は平方数。(2) の答えの形を1秒眺めると (3) が基本問題になる(類題2)。
  • 円が外側を1周すると、角の4か所は合わせて円1つぶん(類題3)。
  • 水位は断面積で割る。おもりが水面より高いかを必ず確認(類題4)。
  • 同じ配点なら全問の (1)(2) を先に一巡。難しい (3) も易しい (1) も、同じ点です。

他の年度の傾向と解説、および学校別の一覧は 中学受験 算数 過去問の傾向と解説 学校別まとめ からご覧ください。類題つきの学校別記事としては 女子学院中学校 算数の傾向と対策【オリジナル類題つき】 もあります。合格ラインの実データは 24校の合格ラインは49.4〜78.0% にまとめました。

「なぜそうなるのか」は なぜ速さ=距離÷時間なのか(類題1)、なぜ1+3+5+…+(2n-1)=n²なのか(正方形で理解する)(類題2)、なぜ円の面積はπr²なのかなぜ扇形の面積は弧の長さ×半径÷2なのか(類題3)、なぜ柱体の体積は底面積×高さなのか(類題4)に書いてあります。

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