神奈川学園中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
神奈川学園中学校(神奈川県横浜市西区)は、「自らを深め 自らを高める」を教育の柱にすえる歴史ある女子校です。中学入試の算数は、国語とならんで配点が高く、合否を大きく左右する重要教科です。この記事では、神奈川学園中学校が公式サイトで公開している生徒募集要項の情報をもとに算数の枠組みを整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したオリジナル類題5問を、考え方・解答・検算つきで掲載します。実在の過去問を書き写したものは一切なく、受験算数の標準的な題材をふまえて数強塾が新しく作った問題です。答えはすべて、正攻法とは別の方法による二重検算で一致を確認しています。
公式の募集要項からわかる算数のポイント
- 2027年度の一般入試は、公式の募集要項によればA日程(2月1日・午前は募集80名/午後は募集30名)、B日程(2月2日午前・募集60名)、C日程(2月4日午前・募集20名)が案内されています(このほか帰国子女入試が2026年11月22日に若干名で実施されます)。
- A日程午前・B日程・C日程は2科(国語・算数)/4科(国語・算数・社会・理科)の選択制で、試験時間と配点は国語が50分・100点、算数が50分・100点、社会が30分・60点、理科が30分・60点と案内されています。
- 国語と算数の配点(各100点)が、社会・理科(各60点)より高く設定されています。公式の合否判定の説明では、2科・4科選択制の回で「まず合格定員の85%程度までを国語・算数の2科合計で判定する」とされており、算数の出来が合否に直結する構成です。
- A日程午後は1科・2科の選択制で、1科は国語または算数を1教科(50分・100点)選んで受験できます。算数1教科で合否が決まる受け方があるのが特徴です。
- 公式サイトでは入試の基本的な考え方として、「各教科とも特別な難問等を出すのではなく、基礎学力の定着と、論理的思考力があることを確認できる問題を出題している」と案内されています。
- 試験当日の持ち物について、コンパス・定規などは必要なく、計算機能付き時計等は持ち込み禁止と案内されています。作図の道具に頼らず、性質や論理で解き進める前提です。
※試験時間・配点・入試日程・募集人員は執筆時点で公式サイトに掲載の2027年度募集要項の内容です。年度により変わる場合があるため、受験の際は必ず最新の 神奈川学園中学校・入試情報(公式) と 募集要項(公式) をご確認ください。過去問題・解答例は執筆時点で公式サイトでは公開されていません。
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。
出題分野の傾向
ここでの記述は特定年度の問題の解説ではなく、算数50分・100点という枠組みと、公式が示す「特別な難問は出さず、基礎学力と論理的思考力を確認する」という方針、そして女子進学校で一般的に問われる力から読み取れる方向づけの整理です。断定は避け、学習の道しるべとしてお読みください。実際の出題形式や難度は、市販の問題集や学校説明会などで公式に確認できる情報でおさえてください。
- 基礎・標準問題を確実に得点する力:公式が「特別な難問は出さない」と明言している以上、奇をてらった難問対策よりも、計算問題や標準的な一行問題・文章題を速く正確に処理できることが得点の土台になります。分数・小数の混じった計算、逆算、単位換算をミスなく仕上げる練習が最優先です。
- 受験算数の主要分野を広く:割合・比(相当算・濃度・売買損益)、速さ(旅人算・通過算)、平面図形(角度・面積比・相似)、数の性質(約数・倍数・あまり)、規則性、つるかめ算などの文章題、場合の数といった主要分野を、「なぜその式になるのか」まで理解して使いこなせる状態を目指しましょう。
- 論理的に説明する力:公式が「論理的思考力を確認する」としている点は見落とせません。答えを出すだけでなく、「なぜそう言えるのか」「その場合は本当に成り立つのか」を筋道立てて考える習慣が支えになります。線分図・面積図・表を自分の手でかいて状況を整理する練習を積みましょう。
- 道具に頼らず性質で解く図形:コンパス・定規が不要とされているとおり、図形問題は正確な作図ではなく、二等辺三角形の底角・角の二等分・平行線・相似といった性質を使って求めるのが基本です。角度や長さは「測る」のではなく「計算で出す」意識をもちましょう。
- 算数1教科入試への備え:A日程午後には算数1教科(50分・100点)で受験できる回があります。算数一本で勝負する場合は、序盤〜中盤の取れる問題を確実に取り切り、見直しと検算まで含めて解ききる姿勢が、とくに効いてきます。
オリジナル類題で対策
※以下の類題5問は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製ではありません。全問、正攻法で解いたうえで別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。図がなくても読み解けるよう、状況は文章で説明しています。
類題1(割合・比)
【問題】 あるクラスの生徒に「好きな季節」のアンケートをとりました。春を選んだ人はクラス全体の 1/4、夏を選んだ人は全体の 1/3、秋を選んだ人は12人、冬を選んだ人は8人で、全員がちょうど1つずつ選びました。
(1) クラスの人数は何人ですか。
(2) 夏を選んだ人は何人ですか。
【方針】 春と夏は「全体の何分の1」で表され、秋と冬は「実際の人数」で与えられています。こういうときは春と夏をあわせた割合を求め、残りの割合が秋+冬の人数にあたることを使います。全体を1として、1から春・夏の割合を引けば、秋+冬にあたる割合が出ます。
【解答】 (1) 春と夏をあわせた割合は 1/4+1/3=3/12+4/12=7/12。残りの割合は 1−7/12=5/12 で、これが秋+冬の 12+8=20(人)にあたります。
全体の 5/12 が20人なので、全体は 20÷5/12=20×12/5=48(人)。
(2) 夏は全体の 1/3 なので 48×1/3=16(人)。
【別解による検算】 全体を分母にそろえて12とおきます(1/4と1/3の分母4と3の最小公倍数)。春は12のうち3、夏は4、あわせて7。残り 12−7=5 が秋+冬の20人にあたるので、「1」あたり 20÷5=4人。よって全体12は 4×12=48人、夏4は 4×4=16人。さらに春=48÷4=12人、夏16人、秋12人、冬8人を足すと 12+16+12+8=48人となり、全員の合計が全体の人数に一致します。
類題2(速さ・旅人算)
【問題】 姉と妹が、家から2100mはなれた図書館へ同じ道を通って向かいます。妹は分速60mで先に家を出発し、その6分後に姉が分速90mで妹を追いかけて家を出発しました。
(1) 姉が妹に追いつくのは、姉が出発してから何分後ですか。
(2) 追いついた地点は、家から何mのところですか。
【方針】 追いつく問題では、先に出た人がつけている「差(先行きょり)」を、速さの差でちぢめていくと考えます。まず姉が出発した時点で妹がどれだけ先に進んでいるかを求め、それを1分あたりのちぢまり(速さの差)で割れば、追いつくまでの時間が出ます。
【解答】 姉が出発したとき、妹はすでに 60×6=360(m)先に進んでいます。
1分あたり、姉は妹より 90−60=30(m)ずつ多く進むので、360mの差は 360÷30=12(分)でちぢまります。
(1) 姉が出発してから12分後。
(2) 追いついた地点は、姉が12分で進んだきょりなので 90×12=1080(m)(家から図書館までの2100m以内なので、道の途中で追いついています)。
【別解による検算】 姉が出発してからの時間を□分として、それぞれの位置を式にします。妹の位置は 360+60×□、姉の位置は 90×□。追いつくのは位置が等しくなるときなので 90×□=360+60×□。これを整理すると 30×□=360、□=12。位置は 90×12=1080m。妹側でも確かめると、妹は出発から 6+12=18(分)進んでいて 60×18=1080m。姉と妹の位置がどちらも1080mで一致しました。
類題3(平面図形・角度)
【問題】 AB=AC の二等辺三角形ABCがあり、頂点Aの角の大きさは40°です。角ABCを2等分する直線が、辺ACと交わる点をDとします。
(1) 角ABCの大きさを求めなさい。
(2) 角BDCの大きさを求めなさい。
【方針】 この問題は角度を「測る」のではなく、二等辺三角形の2つの底角は等しいことと、三角形の内角の和は180°という性質だけで求められます。まず底角の大きさを出し、次に二等分された角を使って、三角形BDCの内角に注目します。
【解答】 (1) AB=AC の二等辺三角形なので、底角の角ABCと角ACBは等しくなります。内角の和より 角ABC=角ACB=(180−40)÷2=70°。
(2) 直線BDは角ABCを2等分するので、角DBC=70÷2=35°。三角形BDCに注目すると、角DCB(=角ACB)は70°なので、
角BDC=180−(角DBC+角DCB)=180−(35+70)=75°。
【別解による検算】 三角形ABDの内角から確かめます。角BAD=40°(頂点Aの角)、角ABD=35°(角ABCの半分)なので、角ADB=180−(40+35)=105°。点Dは辺AC上にあり、角ADBと角BDCは一直線上でとなり合う角なので、角BDC=180−105=75°。解答の75°と一致しました。
類題4(数の性質・あまり)
【問題】 3で割ると2あまり、5で割ると3あまる整数について考えます。
(1) このような整数のうち、最も小さい2けたの整数を求めなさい。
(2) このような2けたの整数は全部で何個ありますか。
【方針】 「〇で割ると△あまる」という条件が2つあるときは、まず両方の条件を同時に満たす数を1つ見つけ、そのあとは2つの割る数(3と5)の最小公倍数ずつ増えることを使います。3と5の最小公倍数は15なので、条件を満たす数は15おきにならびます。
【解答】 「5で割ると3あまる」数は 3、8、13、18、23、… です。このうち「3で割ると2あまる」ものを探すと、8が最初に見つかります(8÷3=2あまり2、8÷5=1あまり3)。
以降は15おきなので、条件を満たす数は 8、23、38、53、68、83、98、… とならびます。
(1) 8は1けたなので、最も小さい2けたの整数は23。
(2) 2けた(10〜99)にあるのは 23、38、53、68、83、98 の6個。
【別解による検算】 (2) を個数の計算で確かめます。条件を満たす数は15おきなので、2けたの範囲(10以上99以下)にいくつ入るかを数えます。最小は23、最大は98で、(98−23)÷15=5、これに1を足して 5+1=6個。さらに、6個それぞれで割り算を確かめると、38・53・68・83・98はいずれも「3で割ると2あまり、5で割ると3あまる」ことが確認でき、条件を満たします。個数も6個で一致しました。
類題5(つるかめ算・論理)
【問題】 1本80円の鉛筆と、1本130円のボールペンを、合わせて15本買います。(消費税は考えません)
(1) 代金がちょうど1450円になったとき、鉛筆とボールペンをそれぞれ何本買いましたか。
(2) この15本の買い方で、代金をちょうど1490円にすることはできますか。できる場合は本数を、できない場合はその理由を答えなさい。
【方針】 典型的なつるかめ算です。「もし15本すべてを安いほう(鉛筆)にしたら」と仮定し、実際の代金との差から、高いほう(ボールペン)の本数を求めるのが定石です。(2) は「論理的に説明する力」を問う形です。鉛筆をボールペンに1本かえるごとに代金がいくら変わるかに注目すると、実現できる代金に決まりがあることが見えてきます。
【解答】 (1) もし15本すべて鉛筆なら 80×15=1200(円)。実際は1450円なので、差は 1450−1200=250(円)。鉛筆1本をボールペンにかえるごとに代金は 130−80=50(円)ずつ増えるので、ボールペンは 250÷50=5(本)。鉛筆は 15−5=10(本)。
よって鉛筆10本、ボールペン5本。
(2) ちょうど1490円にすることはできません。 15本すべて鉛筆のときの1200円を出発点にすると、鉛筆をボールペンにかえるたびに代金は50円ずつしか増えません。つまり実現できる代金は 1200円から50円ずつ増えた 1200、1250、1300、…、1950円 に限られます。1490円は 1450円と1500円のあいだにあり、1200円に50円の倍数を足しても作れません(1490−1200=290円は50でわり切れません)。したがって、この買い方では1490円ちょうどにはできません。
【別解による検算】 (1) を「すべてボールペンなら」と逆向きに考えます。15本すべてボールペンなら 130×15=1950(円)。実際の1450円との差は 1950−1450=500(円)。ボールペン1本を鉛筆にかえるごとに代金は50円ずつ減るので、鉛筆は 500÷50=10(本)、ボールペンは 15−10=5(本)。鉛筆10本・ボールペン5本で一致しました(代金も 80×10+130×5=800+650=1450円)。
(2) は、実現できる代金の一覧 1200、1250、…、1950円(50円きざみ)を見ても、1490円はこの中に現れないため「できない」ことが確かめられ、解答と一致します。
学習アドバイス
【時期別】
- 6年生の夏まで:計算力と各分野の標準解法を穴なく仕上げることが最優先です。割合・比・速さ・図形・数の性質・規則性・つるかめ算・場合の数を、この時期に一通り正確にしておきましょう。算数の配点が高く、2科合計での判定比重も大きい学校なので、計算は毎日、時間を計って正確さを鍛えます。
- 秋(9〜11月):標準〜応用問題への対応力と、50分・100点という時間配分の感覚を養う時期です。過去問演習は市販の問題集などを活用し、答えを出すだけでなく「なぜそうなるか」を言葉で説明する練習を重ねましょう。図形は道具で測らず、二等辺三角形の底角や相似などの性質から求める練習を意識します。
- 直前期(12月〜1月):これまでの問題を反復し、精度と再現性を高める時期です。本記事の【別解による検算】のように、別のルートで自分の答えを確かめる習慣を試験運びに組み込むと、本番での取りこぼしを減らせます。とくに算数1教科の午後入試を受ける場合は、序盤〜中盤の問題を確実に取り切ることを最優先にしましょう。
【分野別】
- 割合・比:割合で表された量と実際の人数(金額)が混じる文章題は、「割合どうしをあわせ、残りの割合が実際の量にあたる」と整理するのが定石です(類題1)。濃度や売買損益では線分図・面積図で関係を整理しましょう。
- 速さ:追いつき・出会いの問題は「差を速さの差でちぢめる/和でちぢめる」の言い換えが要です(類題2)。線分図やダイヤグラムにかいて状況を整理する習慣を大切にしましょう。
- 平面図形:二等辺三角形の底角、角の二等分、三角形の内角の和といった性質だけで角度を求める練習が効きます(類題3)。道具で測れない前提なので、「性質から計算で出す」意識をもちましょう。面積比では「高さが等しい三角形の面積比=底辺の比」を自在に使えるように。
- 数の性質:2つのあまりの条件がある問題は「共通する数を1つ見つけ、あとは最小公倍数おきにならぶ」ことを使います(類題4)。約数・倍数・あまりの基本を確実にしておきましょう。
- つるかめ算・論理:「すべて一方だと仮定して差から求める」つるかめ算は文章題の柱です(類題5)。さらに「その代金は作れるか」のような問いには、変化の単位(50円きざみなど)に注目して筋道立てて説明する練習を重ねましょう。数え上げたあと余事象で検算する習慣も役立ちます。
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