関東学院中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
関東学院中学校(神奈川県横浜市南区三春台)は、「人になれ 奉仕せよ」を校訓とするキリスト教主義の伝統校です。その入学試験において、算数は国語とならぶ配点の大きい教科であり、合否を大きく左右します。この記事では、学校が公式サイトで公開している募集要項の範囲で入試のしくみと算数の位置づけを整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したオリジナル類題4問を、考え方・解答・検算つきで掲載します。実在の過去問を書き写したものは一切なく、公開情報から知られる一般的な傾向をふまえて数強塾が新しく作った問題です。答えはすべて、正攻法とは別のもう一つの方法による二重検算で一致を確認しています。
公開情報からわかる入試と算数のポイント
- 中学入試は複数回制で、公式の募集要項によれば一期A(4科)・一期B(2科)・一期C(4科)・二期(2科)という日程で実施されると案内されています。
- 科目の配点は国語・算数が各100点満点、社会・理科が各60点満点(各日程共通)とされ、4科目で320点満点、2科目で200点満点と公開されています。
- この配点から、算数は全日程で必須の教科であり、100点という大きな配点を占めます。2科型の日程では、国語と算数の2教科だけで合否が決まるため、算数の比重はいっそう大きくなります。
- 公式が公開している各科目平均点を見ると、算数は受験者平均と合格者平均の差が大きく開きやすい教科という傾向が数値からうかがえます。つまり算数の出来が、合格ラインとの距離をつくりやすいと考えられます。
※試験時間・各回の細かな時間割などは、学校公式サイトの掲載範囲では確実に確認できなかったため、本ページでは断定していません。最新の募集要項で必ずご確認ください。入試のしくみや配点・平均点などの原資料は 関東学院中学校・入試情報(公式) および 中学校入試資料(公式) をご覧ください。
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。
出題分野の傾向
ここでの記述は、特定年度の問題の転載や解説ではなく、配点・平均点などの公開情報と、一般的な中学入試算数の学習経験から読み取れる方向づけの整理です。断定は避け、学習の道しるべとしてお読みください。
- まずは基礎・標準を確実に得点する:国語・算数各100点という配点は、極端な難問奇問を大量に出すよりも、小学校で学ぶ内容を土台とした基本〜標準レベルの問題を、はば広い分野からていねいに問う構成と相性がよい配点です。計算、割合と比、速さ、平面図形、規則性・数の性質といった受験算数の主要分野を、穴なく仕上げることが最優先になります。
- 計算力が土台になる:多くの中学入試と同様、算数の前半には計算や一行問題が置かれることが一般的です。四則計算・小数と分数の混じった計算・逆算(□を求める計算)を、速く、そして正確にこなす力が、後半の応用問題に取り組む時間を生み出します。日々の計算練習をおろそかにしないことが、そのまま得点の安定につながります。
- 算数で差がつきやすい:公開されている平均点からは、算数は受験者平均と合格者平均の差が開きやすい教科という傾向が読み取れます。裏を返せば、取れる問題を取りこぼさず積み上げれば、合格ラインとの距離を縮めやすい教科だということです。難問で大きく差をつけるより、標準問題の取りこぼしを減らすことが合格に直結します。
- 2科型では算数の比重がさらに大きい:国語・算数の2教科で合否が決まる日程では、算数1教科の出来が全体の半分を占めます。志望する日程に応じて、算数にどれだけ時間を投資するかを戦略的に考えることが大切です。
オリジナル類題で対策
※以下の類題4問は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製ではありません。全問、受験算数の正攻法で解いたうえで、独立した別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。図がなくても読み解けるよう、状況は文章でていねいに説明しています。基礎〜標準の力を、はば広い分野で確認できるように構成しました。
類題1(平面図形・台形と面積)
【問題】 台形ABCDがあります。上底ADと下底BCは平行で、AD=6cm、BC=10cm、台形の高さは8cmです。対角線ACと対角線BDが交わる点をOとします。
(1) 台形ABCDの面積を求めなさい。
(2) 三角形OABの面積を求めなさい。
【方針】 (1)は台形の面積公式「(上底+下底)×高さ÷2」でそのまま求まります。(2)は少し工夫が必要です。平行な2辺にはさまれた三角形AODと三角形COBは相似で、その相似比は上底と下底の比AD:CB=6:10=3:5になります。この比を使うと、交点Oが台形の高さを3:5に分けることがわかり、まわりの三角形の面積が芋づる式に求められます。「平行線と相似」「共通の底辺に注目する」という2つの道具を組み合わせるのがポイントです。
【解答】 (1) 台形の面積は (6+10)×8÷2 = 16×8÷2 = 128÷2 = 64(cm²)です。
(2) 三角形AODと三角形COBは、ADとBCが平行なので相似で、相似比は AD:CB = 6:10 = 3:5 です。したがって、交点Oから上底ADまでの高さと、Oから下底BCまでの高さの比も3:5になります。台形の高さは8cmなので、Oから下底BCまでの高さは 8×5/(3+5)=8×5/8=5(cm)です。
ここで、対角線ACによって台形は三角形ABCと三角形ACDに分かれます。三角形ABCは底辺BC=10cm、高さ8cmなので、面積は 10×8÷2=40(cm²)。この三角形ABCは、三角形OBCと三角形OABの2つに分かれています。三角形OBCは底辺BC=10cm、高さ5cmなので 10×5÷2=25(cm²)。よって三角形OABの面積は 40−25=15(cm²)です。
【別解による検算】 三角形OABを、対角線AC上の線分の比から求め直します。相似比3:5より、AO:OC=3:5です。三角形OABと三角形OBCは、底辺をそれぞれAO、OCと見ると、頂点Bを共有し高さが等しいので、面積の比は底辺の比AO:OC=3:5に等しくなります。三角形OBCの面積は25cm²なので、三角形OABの面積は 25×3/5 = 15(cm²)。正攻法(高さから求める方法)と一致しました。
類題2(割合・売買損益)
【問題】 ある商品に、原価の3割の利益を見込んで定価をつけました。ところが売れ残ったため、定価の2割引きで売ったところ、それでも160円の利益が出ました。
(1) この商品の原価はいくらですか。
(2) もし定価のまま(値引きせずに)売っていたら、利益はいくらになっていましたか。
【方針】 売買損益の問題は、原価を「1」または「もとにする量」とおいて、割合のかけ算で追いかけるのが定石です。「3割の利益を見込む」は1.3倍、「2割引き」は0.8倍を意味します。定価をつけて、そこから値引きするので、売値は原価に対して1.3×0.8=1.04倍。この「1.04倍」と「1(原価そのもの)」の差が利益160円にあたる、という関係を式にすればすぐ求まります。
【解答】 (1) 原価を「1」とおきます。定価は原価の1.3倍。定価の2割引きで売ったので、売値は 1.3×0.8=1.04、すなわち原価の1.04倍です。利益は「売値−原価」なので、原価の 1.04−1=0.04倍 が160円にあたります。よって原価は 160÷0.04 = 4000(円)です。
(2) 定価は原価の1.3倍なので 4000×1.3=5200(円)。値引きせずに定価で売れば、利益は 5200−4000=1200(円)です。
【別解による検算】 (1)で求めた原価4000円を使って、問題の条件を順にたどり直します。定価は 4000×1.3=5200円。その2割引きの売値は 5200×0.8=4160円。このときの利益は 4160−4000=160円となり、問題文の「160円の利益」とぴったり一致します。したがって原価4000円は正しく、(2)の定価5200円・利益1200円も条件と矛盾しません。
類題3(速さ・出会いと往復)
【問題】 A地点とB地点は、まっすぐな道で1800mはなれています。太郎はA地点から分速70mで、花子はB地点から分速50mで、向かい合って同時に出発します。
(1) 2人が初めて出会うのは、出発してから何分後で、A地点から何mの地点ですか。
(2) 2人は出会った後もそのまま進み続け、それぞれ相手の出発地点(太郎はB、花子はA)に着いたらすぐに折り返します。同じ速さで進み続けるとき、2人が2回目に出会うのは、出発してから何分後ですか。
【方針】 向かい合って進む2人の「出会い」は、2人の速さの和(近づく速さ)に注目します。(1)は「2人のへだたり÷速さの和」で時間が求まります。(2)の折り返しをふくむ2回目の出会いは、「2人の進んだ道のりの合計」に注目するのが最短ルートです。1回目の出会いまでに2人は合わせて片道分(1800m)を進みます。2回目の出会いまでには、2人が合わせて片道の3倍を進む——この見方を使うと、場合分けをせずに一気に解けます。
【解答】 (1) 2人が近づく速さは 70+50=120(m/分)。1800mを近づき切るのにかかる時間は 1800÷120=15(分後)です。そのとき太郎はA地点から 70×15=1050(m)の地点にいます。
(2) 2回目に出会うまでに、2人が進んだ道のりの合計は片道の3倍、すなわち 1800×3=5400(m)です。2人の速さの和は120m/分なので、かかる時間は 5400÷120=45(分後)です。
【別解による検算】 (2)を、2人それぞれの位置から確かめます。出発から45分後、太郎は 70×45=3150m進んでいます。A→B(1800m)に着いたあと折り返しているので、B地点から 3150−1800=1350m戻った地点、つまりA地点からは 1800−1350=450(m)の地点にいます。一方、花子は 50×45=2250m進み、B→A(1800m)に着いて折り返しているので、A地点から 2250−1800=450(m)の地点にいます。2人ともA地点から450mの同じ地点におり、たしかにここで出会います。「道のりの合計=片道の3倍」で求めた45分後と一致しました。
類題4(規則性・数列)
【問題】 次のように、あるきまりで数を並べます。
3,7,11,15,19,23,…
(1) 左から数えて20番目の数を求めなさい。
(2) 左から1番目から20番目までの数を、すべて足すといくつになりますか。
(3) 初めて3けたの数(100以上の数)が現れるのは、左から数えて何番目ですか。
【方針】 この数列は、となり合う数の差がいつも4で一定です(等差数列)。こういう数列は、「はじめの数」と「差」を使って、□番目の数=はじめの数+差×(□−1)と表せます。この1本の式を作れば、(1)何番目が何か、(3)ある大きさを初めてこえるのは何番目か、が同じ道具で求まります。(2)の和は、「はじめの数と終わりの数をたして、個数をかけて2で割る」という等差数列の和の考え方が便利です。
【解答】 この数列は、はじめの数が3、差が4の等差数列です。□番目の数は 3+4×(□−1)と表せます。
(1) 20番目の数は 3+4×(20−1)=3+4×19=3+76=79です。
(2) 1番目は3、20番目は79、個数は20個です。等差数列の和は(はじめ+終わり)×個数÷2で求まるので、(3+79)×20÷2 = 82×20÷2 = 1640÷2 = 820です。
(3) □番目の数が100以上になる、初めての□を探します。3+4×(□−1)≧100 より 4×(□−1)≧97、□−1≧24.25、□≧25.25。□は整数なので□=26。念のため確かめると、25番目は 3+4×24=99(2けた)、26番目は 3+4×25=103(3けた)。よって初めて3けたになるのは26番目です。
【別解による検算】 (2)を別の足し方で確かめます。和は「はじめの数×個数+差×(0+1+2+…+19)」とも書けます。はじめの数3が20個で 3×20=60。差4の分は、4×(0+1+…+19)=4×190=760。合計は 60+760=820で、公式で求めた値と一致します。
(3)も別の見方で確かめます。3けた(100以上)になるには、はじめの3から4を何回か足していきます。100−3=97、これを差4で割ると 97÷4=24あまり1。24回足すと 3+4×24=99でまだ2けた、25回足すと 3+4×25=103で初めて100をこえます。25回足した数は、はじめの数から数えて 25+1=26番目。正攻法と一致しました。
学習アドバイス
【時期別】
- 6年生の夏まで:計算力と基本の一行問題を、穴なく仕上げることが最優先です。算数各100点という配点の入試では、まず基本〜標準問題を落とさない土台がものを言います。割合と比・速さ・平面図形・規則性といった主要分野を、この時期に一通り正確にしておきましょう。計算は毎日、時間を計って正確さを鍛えます。
- 秋(9〜11月):標準レベルの問題を、はば広い分野でくり返し演習する時期です。過去問演習では、解ける問題と時間のかかる問題を見分ける感覚を養いましょう。実際の問題・図は学校公式サイトや正規の教材で確認し、本ページのような自作類題や市販の問題集で、同じ分野の考え方を反復してください。まちがえた問題は「なぜまちがえたか」をノートに書き残すと、同じミスが減ります。
- 直前期(12月〜1月):新しい教材を増やすより、これまでの問題を反復し、精度と再現性を高める時期です。本記事の【別解による検算】のように、別のルートで自分の答えを確かめる習慣を試験運びに組み込むと、本番での取りこぼしを減らせます。志望する日程が2科型か4科型かに応じて、算数にかける時間配分もあらためて確認しておきましょう。
【分野別】
- 計算・一行問題:四則計算、小数と分数の混じった計算、逆算(□を求める計算)を、速く正確にこなす練習を毎日続けましょう。ここでの1問の取りこぼしが、後半の応用問題の時間を奪います。
- 割合・売買損益:原価を「1」とおいて、値上げ・値引きをかけ算で追いかける考え方(類題2)が武器になります。「〜割増し」「〜割引き」を倍の数にすばやく直せるようにしておきましょう。
- 速さ:出会いは「速さの和」、追いつきは「速さの差」に注目します(類題3)。往復や折り返しのある問題では、「進んだ道のりの合計」に目をつけると見通しがよくなります。線分図をかく習慣も大切です。
- 平面図形:面積は「公式で求める」「全体から不要な部分を引く」「相似や共通の底辺に注目して比で分ける」という発想(類題1)が基本です。補助線や比のねらいを言葉で説明できるようにしておきましょう。
- 規則性・数の性質:等差数列は「はじめの数+差×(□−1)」の1本の式にまとめるのが突破口です(類題4)。見つけたきまりを式や言葉で説明できるようにしておくと、応用問題にも生きます。
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